自動車部品製造業のM&A・売却動向!相場、譲渡事例、相談先も紹介【2022年最新】

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

自動車部品製造業におけるM&A・事業承継を考察しました。自動車部品製造業の業界分析、M&A・事業承継動向、売却・譲渡におけるメリットや相場などの解説とあわせて、実際の売却・譲渡事例を確認し、自動車部品製造業の今後も推測します。

目次

  1. 自動車部品製造業のM&A・売却・譲渡・事業承継
  2. 自動車部品製造業のM&A・売却動向
  3. 自動車部品製造業のM&A・売却・譲渡・事業承継事例16選
  4. 自動車部品製造業のM&A・売却の目的・メリット
  5. 自動車部品製造業界のM&Aにおける買収側の注意点
  6. 自動車部品製造業のM&A・売却相場
  7. 自動車部品製造業のM&A・売却の今後
  8. 自動車部品製造業のM&A・売却に役立つ相談先
  9. 自動車部品製造業のM&A・売却における仲介会社の選び方
  10. 自動車部品製造業のM&A・売却におすすめの仲介会社
  11. 自動車部品製造業のM&A・売却動向まとめ
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1. 自動車部品製造業のM&A・売却・譲渡・事業承継

まずは、自動車部品製造業の定義や特徴、M&A・会社売却・譲渡・事業承継の意味を確認しましょう。

自動車部品製造業とは

自動車部品製造業とは、自動車用部品や付属品の設計・製造・販売などを行う業種のことです。自動車部品製造業には、系列の自動車メーカーに製品を卸すケースと、系列に関係なく独立して取引を行うケースがあります。主な自動車部品例は、以下のとおりです。

  • エンジンおよびその部品
  • ブレーキ
  • クラッチ
  • 車軸
  • ラジエータ
  • トランスミッション
  • 車輪

自動車部品製造業の特徴

日本の自動車産業は、国内向けだけでなく海外向け出荷額も大きく、日本の主要産業の一つです。自動車産業の特徴は、完成車メーカーを頂点とするピラミッド構造が形成されている点です。

完成車メーカーの下に自動車部品製造業が位置します。製造工程ごとに分業された階層があり、1次部品メーカー、2次部品メーカー、3次部品メーカー、4次部品メーカーといった構造です。下の階層の自動車部品製造業の会社ほど、規模が小さくなる点も特徴です。

自動車部品製造業の課題と展望

国内では人口減少が続いています。今のままなら自動車の需要が目減りしていくのは明らかです。しかしながら、自動車には世界市場がありますから、国内事情だけを見て悲観する必要はありません。

現在、世界各国は脱炭素の取り組みが必須となり、自動車産業にも大きな転機が訪れています。各国政府とも、電気自動車(EV)の普及率を高め、最終的には新車販売は電気自動車(EV)のみとする目標を発表しました。

これは、自動車部品製造業の中では、エンジン関連の部品を製造していた会社の仕事がなくなることを意味します。それらの会社としての選択肢は、業態転換を図るか、現在の製造技術を生かした別事業を行うかのどちらかです。

逆に、電気・電子部品関連の製造会社にとっては新たな需要が生まれることになり、ビジネスチャンスが生じることになります。

M&Aとは

M&Aとは、事業・会社の買収・売却・合併などを行うことです。自動車部品製造業は、他業界に比べてM&Aの件数は多くありませんでした。近年は、業界の環境が大きく変化していることから、M&Aの件数は増加傾向にあります。

会社売却・譲渡とは

会社売却・譲渡とは、M&Aの手法を用いて会社や事業を他社へ引き渡すことです。自動車業界全体でM&A需要が高まっていることから、自動車部品製造業でも自動車業界内外への会社売却・譲渡が増加しています。

事業承継とは

事業承継とは、後継者へ事業を引き継ぐことです。中小規模の自動車部品製造業者では、後継者不在問題が深刻なため、国や地方自治体などによって、第三者への事業承継を支援する動きが活発になっています。

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2. 自動車部品製造業のM&A・売却動向

自動車部品製造業のM&A動向は、以下のように推移しています。

  1. 業界全体の業績回復から増加傾向
  2. 電子部品・機器メーカーを対象にしたM&Aが増えている
  3. 大手メーカー同士の合併・提携なども行われている
  4. 大規模案件・小規模案件の2極化が進む
  5. 異業種・投資ファンドなどのM&Aも目立つ

①業界全体の業績回復から増加傾向

リーマン・ショックや東日本大震災の影響により、自動車業界全体の業績が一時、落ち込んでいました。その影響で、自動車部品製造業の業績も落ち込みました。近年は、自動車業界全体が変革を迎えていることに伴って、自動車部品製造業の業績も回復基調にあります。

②電子部品・機器メーカーを対象にしたM&Aが増えている

現在の自動車業界では、EVや自動運転などのデジタル化が急速に進んでいます。自動車部品製造業にもデジタル製品が求められるようになり、それに対応するためのM&Aが増加中です。求められる技術の変化が速くなっているため、M&Aはさらに増加すると予測されます。

③大手メーカー同士の合併・提携なども行われている

昨今では、大手自動車メーカー同士の合併や提携などが活発化していることから、業界再編や組織再編に伴う自動車部品製造業のM&Aも行われています。

今後も、業界再編は世界規模で行われることが予想されます。自動車部品製造業のM&Aによる再編もグローバルに展開していくでしょう。

④大規模案件・小規模案件の2極化が進む

自動車部品製造業では、大企業や中堅企業による、事業エリア拡大・技術獲得などの戦略的M&Aが増えています。中小規模の自動車部品製造業者による、後継者不在問題の解決や人材不足解消目的のM&Aも増加しています。

目的が大きく違う両極のM&Aが増加しているのが特徴といえるでしょう。

⑤異業種・投資ファンドなどのM&Aも目立つ

近年の特徴として、異業種のM&Aや投資ファンドによるM&Aも増えています。異業種のM&Aでは、特にIT関連が多く、AIやIoTに関連した先端技術を持つ企業との協業が増加しました。

変革が進む自動車業界は、投資ファンドから見るとビジネスチャンスであり、自動車業界からすると多額の資金調達が必要な段階であるため、投資ファンドが自動車業界や自動車部品製造業に関わる機会が増えています。

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3. 自動車部品製造業のM&A・売却・譲渡・事業承継事例16選

ここでは、自動車部品製造業関連のM&A・事業承継事例を紹介します。

  1. デンソーから愛三工業へのM&Aによる売却・譲渡
  2. 石川総研から大和精工へのM&Aによる売却・譲渡・事業承継
  3. デルオートからSPKへのM&Aによる売却・譲渡・事業承継
  4. カービューティープロからSPKへのM&Aによる売却・譲渡・事業承継
  5. 豊田合成と芦森工業の資本業務提携
  6. 古河物流からSBSホールディングスのM&Aによる売却・譲渡・事業承継
  7. タマリ工業からナ・デックスへのM&Aによる売却・譲渡・事業承継
  8. 山添製作所からヤマシナへのM&Aによる売却・譲渡・事業承継
  9. ダイシンから進和へのM&Aによる売却・譲渡・事業承継
  10. UTT社から東洋紡グループへのM&Aによる売却・譲渡・事業承継
  11. 湖北社から豊田合成へのM&Aによる売却・譲渡・事業承継
  12. イナパル・プラスティコ社から帝人へのM&Aによる売却・譲渡・事業承継
  13. J.H.Ziegler社から帝人フロンティアへのM&Aによる売却・譲渡・事業承継
  14. Sage社から旭化成へのM&Aによる売却・譲渡・事業承継
  15. 松本精工からカネミツへのM&Aによる売却・譲渡・事業承継
  16. 共和産業から豊田通商へのM&Aによる売却・譲渡・事業承継

①デンソーから愛三工業へのM&Aによる売却・譲渡

2022年1月、デンソーはフューエルポンプモジュール事業を、愛三工業へ譲渡することを発表しました。事業譲渡契約を締結し、譲渡予定日は2022年8月1日を予定しています。譲渡価額は非公表です。

デンソーは自動車部品メーカーです。愛三工業も同業です。両社は、2019年5月から資本業務提携を締結しており、協業を行ってきました。今回のM&Aもその一環で行われます。

今後も、引き続き連携をしながら、互いの強みを生かすことにより、地球にやさしいモビリティ社会の実現に貢献するとしています。

②石川総研から大和精工へのM&Aによる売却・譲渡・事業承継

2021年12月、石川総研から大和精工への事業譲渡が発表されました。譲渡価額は公表されていません。石川総研では後継者不在であるため、主要事業である低温調理器「チャーシューメーカー三つ星くん」の製造販売事業を売却・譲渡しました。

事業承継した大和精工は、機械製品組み立て・自動車部品機械加工事業を行っている会社です。事業領域拡大のため、事業承継を受けています。

③デルオートからSPKへのM&Aによる売却・譲渡・事業承継

2021年12月、デルオートの全株式が親会社のYMホールディングスからSPKへ譲渡され、デルオートはSPKの完全子会社となりました。譲渡価額は公表されていません。デルオートは、自動車トランスミッションの修理サービスとリビルト、自動車整備などを行っています。

SPKは、自動車部品・用品と産業車両部品の企画・販売を行っている企業です。SPKとしては、十分なシナジー効果が得られると判断しています。

④カービューティープロからSPKへのM&Aによる売却・譲渡・事業承継

2021年7月、カービューティープロの全株式がSPKへ譲渡され、カービューティープロはSPKの完全子会社となりました。譲渡価額は公表されていません。カービューティープロは、カーディテイリング(自動車内外装クリーニングなど)関連事業を行っています。

SPKは、自動車部品・用品と産業車両部品の企画・販売を行っている企業です。SPKとしては、自動車整備・補修事業領域でシナジー効果が創出されるとしています。

⑤豊田合成と芦森工業の資本業務提携

2021年5月、豊田合成と芦森工業の資本業務提携が発表されました。豊田合成は、立会外取引で芦森工業の株式13.89%を取得しています。取得価額は公表されていません。芦森工業は、消防用ホース、自動車安全部品、機能製品などの製造・販売を行っています。

豊田合成は、自動車部品・オプトエレクトロニクス製品・特機製品の製造・販売、スポーツチームの運営およびスポーツ施設の管理などを行っている企業です。提携目的は、自動車安全部品のシステムおよびコンポーネントの技術・開発領域における協業などが挙げられています。

⑥古河物流からSBSホールディングスのM&Aによる売却・譲渡・事業承継

2021年4月、古河物流の株式66.6%が親会社の古河電気工業からSBSホールディングスへ譲渡され、古河物流はSBSホールディングスの子会社となりました。譲渡価額は公表されていません。

古河物流は、電子部品・自動車部品・ワイヤーなどの輸配送・流通加工・国際物流・保管などを行っています。SBSホールディングスは、物流事業、不動産事業、人材事業、環境事業、マーケティング事業などを行うグループの持株会社です。

SBSホールディングスとしては、物流事業での協業により事業拡大・企業価値向上をもくろんでいます。

⑦タマリ工業からナ・デックスへのM&Aによる売却・譲渡・事業承継

2019年10月、タマリ工業はナ・デックスに株式譲渡を行い、子会社となりました。タマリ工業の100%子会社であるシンテックとテクノシステムも子会社です。

ナ・デックスグループは、主に自動車業界の製造・販売一体の事業を行っている企業です。この買収により、ナ・デックスグループは、シナジー効果や顧客に対する提供価値の向上を見込んでいます。

⑧山添製作所からヤマシナへのM&Aによる売却・譲渡・事業承継

2019年2月、自動車用ネジメーカーの山添製作所は、同じく自動車用ネジを製造するヤマシナへ株式譲渡を行い、子会社となりました。京都が本社のヤマシナは、埼玉に本社がある山添製作所を子会社化することで、生産拠点の分割と営業範囲の拡大が可能としています。

⑨ダイシンから進和へのM&Aによる売却・譲渡・事業承継

自動車部品のプラスチック精密樹脂製品を製造・販売するダイシンは、2019年1月に進和へ株式譲渡を行い、その後、株式交換により完全子会社となりました。

現在、自動車業界は大きな変革期を迎えていることから、進和は、環境変化に対応するため、シナジー効果の高いダイシンの子会社化を決断しています。

⑩UTT社から東洋紡グループへのM&Aによる売却・譲渡・事業承継

エアバッグの生地(基布)を生産するドイツのUTT Technische Textilien GmbH & Co. KGは、2018年12月、東洋紡のグループ会社のPHP Fibers GmbHへ株式譲渡を行い、グループ入りしました。

これにより、東洋紡は、日本・タイ・中国・アメリカ・ヨーロッパを拠点に基布の高い生産力・供給力を実現し、世界のトップシェアを狙っています。

⑪湖北Rock社から豊田合成へのM&Aによる売却・譲渡・事業承継

自動車のウェザーストリップ(密閉用のシール材)を製造・販売する、中国の湖北諾克橡塑密封科技有限公司は、2018年10月に豊田合成へ約8億円で6割の株式を売却・譲渡し、グループ入りしました。

これにより、豊田合成の中国での生産拠点は4カ所となり、生産体制や販売体制を強化しています。

⑫イナパル・プラスティコ社から帝人へのM&Aによる売却・譲渡・事業承継

ポルトガルの自動車向け複合材料成形メーカーであるイナパル・プラスティコ社は、2018年8月に帝人へ株式譲渡を行い、完全子会社となりました。

帝人は、世界で複合成形材料事業を展開しています。ヨーロッパで高い実績を持つイナパル・プラスティコ社を買収することで、ヨーロッパでのさらなる事業拡大を図っています。

⑬J.H.Ziegler社から帝人フロンティアへのM&Aによる売却・譲渡・事業承継

ヨーロッパを拠点に、自動車向け内装材の生産・販売を行うドイツのJ.H. Ziegler GmbHは、2018年7月に、帝人フロンティアへ株式譲渡を行い、完全子会社となりました。

これにより、帝人フロンティアは、ドイツを拠点とした生産体制とヨーロッパ各国への販売拠点を獲得しています。

⑭Sage社から旭化成へのM&Aによる売却・譲渡・事業承継

アメリカの自動車内装材メーカーであるSage Automotive Interiors, Inc.は、2018年7月に、旭化成へ株式譲渡を行い、連結子会社となりました。

旭化成は、Sage社の買収により、自動車内装事業を強化し、大きなビジネスチャンスが生まれる自動車関連事業の拡大を図っています。

⑮松本精工からカネミツへのM&Aによる売却・譲渡・事業承継

自動車用電装部品などを製造・販売する松本精工は、2018年5月に、カネミツヘ株式譲渡を行い、子会社となりました。自動車用の鋼板製プーリで国内トップシェアを持つカネミツは、松本精工の買収により、ラインアップの強化を図っています。

⑯共和産業から豊田通商へのM&Aによる売却・譲渡・事業承継

自動車用サンバイザーの製造を行う共和産業は、2018年1月に、豊田通商へ株式譲渡を行い、子会社となりました。共和産業は自動車用サンバイザーで国内トップシェアを持ち、海外展開も行っている企業です。

豊田通商は共和産業の子会社化により、国内での供給維持とともに、海外展開の強化を図っています。

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4. 自動車部品製造業のM&A・売却の目的・メリット

自動車部品製造業では、さまざまな目的でM&Aが行われます。売却側、買収側に分け、M&Aの目的とメリットを確認しましょう。

売却側の目的・メリット

売却・譲渡側は、主に以下の目的でM&Aを行います。

  • 売却益の獲得
  • 大手企業の技術・資金・販路など経営リソースの獲得
  • 後継者問題・人材不足問題の解決

経営者がM&Aによる売却で事業を辞める場合は、売却益の獲得や従業員の雇用を確保できるメリットがあります。事業を継続する場合は、売却先の経営リソースを活用できるメリットがあり、設備投資の実現やコストの削減(効率化)が実現できるでしょう。

買収側の目的・メリット

買収側は、主に以下の目的でM&Aを行います。

  • 技術・人材の獲得
  • 事業の拡大
  • 事業ポートフォリオの見直し

自動車メーカーや自動車部品製造業では、近年、事業拡大目的の買収よりも、事業体制自体を構成し直す目的で買収を行うケースが増加中です。

その背景には、原材料費や人件費の高騰による利益率の低下、高い安全性・安定性の要求など対応内容が増していること、必要な技術が大きく変化していることなどが挙げられます。

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5. 自動車部品製造業界のM&Aにおける買収側の注意点

ここでは、自動車部品製造業界のM&Aで買収側が注意すべき点として、以下の3項目を説明します。

  1. デューデリジェンスに関する注意点
  2. 経営資源の引継ぎに関する注意点
  3. 企業価値評価に関する注意点

①デューデリジェンスに関する注意点

デューデリジェンスとは、買収側が実施する売却側企業への監査のことです。財務・税務・法務・労務・IT・事業などの各分野ごとに士業などの専門家を起用して、精密に調査を実施します。

そのうちの事業(ビジネス)デューデリジェンスでは、自動車部品製造業界の場合、製造業ゆえに必要な以下の注意点があります。

  • 技術力・製品開発力の厳密な評価
  • 技術力を社内伝承するための人材育成制度の有無
  • コスト削減実現に向けた恒常的な研究開発の有無
  • 現有機械・設備の更新時期

法務デューデリジェンスと連動して行うべき調査内容として、以下の項目も重要です。
  • 製造ノウハウに関する特許などの知的財産の有無
  • 重要取引先との契約がM&A後も継続が保たれるかの確認

②経営資源の引継ぎに関する注意点

自動車部品製造業界のM&Aでは、経営資源の獲得は主目的になります。確実に欠けることなく、経営資源を引継ぐ意識が肝要です。自動車部品製造業界の重要な経営資源としては、以下のようなものが考えられます。

  • 技術力・製品開発力
  • 技術系の人材
  • 取引先との契約
  • 機械・設備
  • 製造に関わるソフトウェア類

上記に掲げた経営資源がM&A時に欠けるものが出ないように、引継ぎは丁寧に行いましょう。

③企業価値評価に関する注意点

企業価値評価(バリュエーション)とは、売却側企業の買収価額を決めることです。前項で掲げた経営資源に値段をつけ、さらに会社の成長性や将来性を加味して算定します。自動車部品製造業界の場合、自動車産業という大枠の中での取引が全てです。

したがって、同業他社との比較が行いやすい特徴があります。企業価値評価には、さまざまな専門的算定方法が確立されていますが、類似企業比較法も有力な一つです。ただし、その際に比較する上場企業の選定を誤ると、正しい算定結果になりません。その点は注意が必要です。

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6. 自動車部品製造業のM&A・売却相場

自動車部品製造業のM&A・会社売却相場は、保有技術や技術者の質によって大きく変わります。近年は、自動車メーカーが求める製品や技術の種類が大きく変化し始めているため、需要の高い製品でも先行きは不透明です。

M&Aによる会社売却の価額は、一般的に現在の企業価値に加えて、将来の収益力やブランド力などを加味して算出します。したがって、変化が大きくスピードが速い業界ほど、的確な相場観が重要になるでしょう。

M&A・会社売却価格の算出方法

M&A価格の算出では、現在の企業価値に加えて、今後、数年分の収益力や、その企業が持つブランド力・販路・技術力など、いわゆるのれん代と呼ばれる、数字に直接、表しにくい要素も含めて計算します。

コストアプローチやマーケットアプローチ、インカムアプローチといった算定方法を組み合わせながら算出するものの、その結果は算定者の読みや売却側・買収側の思惑によって大きく変化するのが実情です。

特に中小企業に多い非公開株式会社の場合は、算定者の読みや売却側・買収側の思惑が強くなる傾向があるため、M&A価格の算出には企業価値算定の専門知識と対応する業界の知識が必要です。

M&A総合研究所では、実務経験が豊富なM&A専門のアドバイザーが案件をサポートいたします。企業価値算定を無料で行っておりますので、M&Aをご検討の際は、どうぞお気軽に無料相談をご利用ください。

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7. 自動車部品製造業のM&A・売却の今後

自動車部品製造業のM&A・会社売却の今後は、以下のようになると予測されます。

  1. 新興国の市場規模拡大によるM&A
  2. 新技術・安全性に対応するためのM&A
  3. ブランド力・資本力強化を目的としたM&A

①新興国の市場規模拡大によるM&A

自動車業界における新興国市場の重要性は、年々、増加中です。以前まで、新興国市場の中心はブラジル・ロシア・インド・中国でした。最近では、成長著しい東南アジア市場を開拓するためのM&Aが注目されています。

②新技術・安全性に対応するためのM&A

近年は、変化の激しい新技術への対応や、要求水準が高まり続けている安全性向上に対応するためのM&Aが増加しています。この傾向は今後も高まり、M&Aもさらに増加していくでしょう。

③ブランド力・資本力強化を目的としたM&A

自動車業界は世界規模で業界再編が続いています。サプライヤーである自動車部品製造業にもその波が影響しています。

日本の自動車部品製造業は、世界で見ても高水準である日本自動車業界のサプライチェーンの鍵となるので、M&Aによるブランド力・資本力強化が、これからさらに進められていくでしょう。

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8. 自動車部品製造業のM&A・売却に役立つ相談先

自動車部品製造業のM&A・売却を行う際に役立つ相談先をご紹介しましょう。主な相談先は次のとおりです。

  1. M&A仲介会社
  2. 金融機関
  3. 弁護士・会計士・税理士など
  4. 公的機関
  5. マッチングサイト

①M&A仲介会社

M&A仲介会社とは、M&Aを検討している売り手と買い手の間に立ち、相談からクロージングまで、M&Aのすべてをサポートする専門の会社をいいます。さまざまな業種のM&Aに精通したアドバイザーによるフルサポートを受けられるので、おすすめです。

②金融機関

自動車部品製造業のM&A・売却をお考えの方は、地域の金融機関や取引のある金融機関で相談できます。地元にある金融機関であれば、取引先の中から交渉相手を探してくれるケースもあるでしょう。資金面でも相談しやすいといえます。

ただし、対象とするエリアは限られている場合がほとんどです。エリアに制限のない企業を探すには、M&A仲介会社に相談するとよいでしょう。

③弁護士・会計士・税理士など

弁護士や会計士・税理士などの士業事務所にも、自動車部品製造業のM&A・売却の際の相談に乗ってくれるところがあります。それぞれ、法務・会計・税務に精通しているため、専門的なアドバイスが受けられます

ただ、M&Aの専門家ではないため、必ずしも的確なアドバイスが受けられるとは限りません。それだけでなく、限られた情報の中から相手企業を探すため、交渉先がスムーズに見つからない場合もあります。

④公的機関

「事業承継・引継ぎセンター」という国が設置する公的相談窓口もあります。各都道府県に設置されているので、問い合わせてみるとよいでしょう。他には、よろず支援拠点、商工会議所、商工会なども事業承継支援を行っています。

相手先を探してはくれますが、企業数が多いとはいえない現状です。それだけでなく、公的機関ではM&Aの仲介業務を行っていないため、あらためて仲介会社を探す必要があります。その点では、初めからM&A仲介会社に依頼するほうが良いといえるでしょう。

⑤マッチングサイト

マッチングサイトで自動車部品製造業のM&A・売却の相手を探す方法もあります。買い手側と売り手側がそれぞれに自社の情報を登録し、マッチングするサイトです。

直接交渉が進められる点はメリットといえます。しかし、不特定多数の目に触れるため、情報がもれる可能性もあるので注意が必要です。

交渉を自社で進められない場合は、別途、手数料を支払い、M&Aアドバイザーや仲介会社を紹介してもらえるサイトが多く見られます。

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9. 自動車部品製造業のM&A・売却における仲介会社の選び方

自動車部品製造業がM&Aや事業承継で仲介会社を選ぶ際は、以下のポイントを意識して選択することが大切です。

  1. その分野の専門的知識・M&A実績を持っている
  2. 自社と同規模の案件実績がある
  3. M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている
  4. 手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい
  5. 担当スタッフの対応・相性

①その分野の専門的知識・M&A実績を持っている

仲介会社を選ぶ際は、その仲介会社が自動車業界に関する専門知識を持ち、自動車部品製造業のM&A実績があると、M&A・事業承継の相手探しや交渉をスムーズに行えます。仲介会社を選ぶ際は、その会社の得意分野を確認することが大事なポイントの一つです。

②自社と同規模の案件実績がある

大企業のM&Aと中小企業のM&A・事業承継では、目的や必要な知識と人員、手続き過程などは違うものです。自社と同規模のM&A・事業承継実績がある仲介会社に相談することで、最適な相手探しや交渉が可能となります。

③M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている

M&A・事業承継で求められる知識と経験は幅広い分野に及びます。会計・税務、法務、労務などの知識に加えて、事業会社の経営経験やさまざまな交渉を経験してきた仲介会社であれば、案件ごとに高い対応力を発揮できるでしょう。

④手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい

M&A・事業承継に成功しても、手数料の負担に圧迫されるとその後の経営や生活に影響が出てしまいます。M&A仲介は、手数料の額とサービスの質が相関する業界ではないので、報酬体系がシンプルで手数料がリーズナブルな仲介会社を選ぶこともポイントです。

⑤担当スタッフの対応・相性

M&A・事業承継では、関係者のさまざまな思いが入り交じるため、担当スタッフとの相性や誠実さが結果に大きく影響します。仲介会社の規模や実績だけでなく、自身が信頼できると思える仲介会社を選ぶことも重要です。

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10. 自動車部品製造業のM&A・売却におすすめの仲介会社

自動車部品製造業のM&A・売却の方は、M&A専門の仲介会社にご相談されるとよいでしょう。ぜひとも、M&A総合研究所にご連絡ください

主に中小企業向けのM&Aを取り扱うことが多く、あらゆる業種のご相談・成約実績を積み重ねています。自動車部品製造業に精通した経験豊富なアドバイザーが専任で、ご相談からクロージングに至るまでフルサポートします。

料金体系は成約まで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金をいただきます)。無料相談を随時受け付けていますので、自動車部品製造業のM&A・売却を検討されている方は、いつでもお気軽にお問い合わせください。

11. 自動車部品製造業のM&A・売却動向まとめ

自動車部品製造業を含む自動車産業は、環境問題に端を発した電気自動車(EV)への転換という社会の変化により、大きな転機を迎えています。その事態を乗り切る目的のM&A実施も予想されることから、M&Aは増加していくでしょう。

M&A実施に際しては、専門家であるM&A仲介会社のサポートを受けることが、M&Aの成功確率上昇につながります。本記事の概要は以下のとおりです。

・自動車部品製造業のM&A動向
→業界全体の業績回復から増加傾向
→電子部品・機器メーカーを対象にしたM&Aが増えている
→大手メーカー同士の合併・提携なども行われている
→大規模案件・小規模案件の2極化が進む
→異業種・投資ファンドなどのM&Aも目立つ

・自動車部品製造業のM&A・会社売却の今後の予測
→新興国の市場規模拡大によるM&A
→新技術・安全性に対応するためのM&A
→ブランド力・資本力強化を目的としたM&A

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