事業承継補助金(事業承継・M&A補助金)とは?4つの枠・補助額・申請の流れを専門家が解説【2026年最新】

代表取締役社長
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

 事業承継補助金(正式名称:事業承継・M&A補助金)の2026年最新情報を専門家が解説。事業承継促進枠・専門家活用枠・PMI推進枠・廃業・再チャレンジ枠の補助率と上限、最新の公募スケジュール、申請の流れ、採択率を高めるポイントまでをわかりやすく紹介します。

目次

  1. 事業承継・引継ぎ補助金とは?中小企業のM&Aを後押しする制度
  2. 【2026年最新】事業承継・M&A補助金の公募スケジュール
  3. 【枠別】事業承継・M&A補助金の補助対象・要件・補助額
  4. 事業承継・引継ぎ補助金の申請方法・流れ
  5. 事業承継・引継ぎ補助金の採択率を高める3つのポイント
  6. 事業承継以外で活用できる設備投資関連の補助金
  7. M&A・事業承継に活用したい公的制度
  8. M&Aや事業承継の補助金に関するご相談はM&A総合研究所へ
  9. 事業承継・引継ぎ補助金のまとめ
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1. 事業承継・引継ぎ補助金とは?中小企業のM&Aを後押しする制度

「事業承継補助金」とは、事業承継やM&Aをきっかけに新たな挑戦を行う中小企業・小規模事業者を支援する国の制度で、現在の正式名称は「事業承継・M&A補助金」です。

2024年度まで「事業承継・引継ぎ補助金」と呼ばれていた制度が、2025年に名称変更・拡充され、現在の形になりました。

承継後の設備投資や販路開拓にかかる費用、M&Aで専門家に支払う費用、さらにM&A後の経営統合(PMI)にかかる費用の一部までが補助されます。

なお旧名称「事業承継・引継ぎ補助金」で検索しても、現在は本制度の情報にたどり着きます。

経営のバトンタッチを円滑に進め、承継後の成長を加速させることを目的としており、経営革新を目指す企業にとって非常に重要な制度です。

制度が設けられた背景

本補助金の背景には、日本が直面する経営者の高齢化と深刻な後継者不足問題があります。特に中小企業においては、優れた技術やサービスを持ちながらも、後継者が見つからないために廃業を選択せざるを得ない「黒字廃業」が社会問題となっています。

こうした企業の貴重な経営資源を次世代へ円滑に引き継ぎ、日本経済の持続的な成長を支えるため、国は事業承継・引継ぎ補助金を通じて第三者承継(M&A)や親族内承継を強力に後押ししています。


事業承継・引き継ぎ補助金は、そうした承継の実現と、事業の持続的な発展を後押しするために設けられた制度です。

2. 【2026年最新】事業承継・M&A補助金の公募スケジュール

事業承継・M&A補助金は、例年複数回の公募が実施されます。2026年時点では14次公募の採択者が決定し、15次公募の申請受付が始まっています。公募ごとに要件・補助額・対象経費が変更される可能性があるため、申請を検討する際は必ず最新の公募回の公募要領を確認してください。

今後のスケジュールは、中小企業庁の公式サイトや補助金事務局サイト(事業承継・M&A補助金ホームページ)で随時公開されます。
 

3. 【枠別】事業承継・M&A補助金の補助対象・要件・補助額

事業承継・引継ぎ補助金は、企業が直面するさまざまな状況やニーズに応じて支援を行うため、「経営革新枠」「専門家活用枠」「廃業・再チャレンジ枠」の3つの枠組みで構成されています。

このうち「経営革新枠」はさらに、「創業支援類型」「経営者交代類型」「M&A類型」の3つに分類され、それぞれの事業形態に合った支援を提供します。

また「専門家活用枠」では、「買い手支援類型」と「売り手支援類型」に分かれ、M&Aに関わる専門家の活用にかかる費用などを補助対象としています。これらの制度により、中小企業が事業の引き継ぎや再出発を円滑に進められるよう、より柔軟で実効性のあるサポートが可能となっています。

本章では、事業承継・引継ぎ補助金の類型ごとの要件と補助額を解説します。なお、本章で紹介する内容は、10次公募時点の情報です。

事業承継促進枠

事業承継促進枠は、5年以内に親族内承継または従業員承継を予定している中小企業・小規模事業者を対象に、承継を機に行う設備投資などの費用を補助する枠です。所有権と経営権の双方が後継者へ移転していることが前提で、物件・不動産のみの承継は対象外です。 

  • 補助率:1/2(小規模事業者は2/3)
  • 補助上限:800万円(一定の賃上げを実施する場合は1,000万円)
  • 主な対象経費:設備費、産業財産権等関連経費、外注費、委託費 など

専門家活用枠

専門家活用枠は、M&A(事業再編・事業統合)を進める際に必要となる、専門家への依頼費用やM&Aプロセスにかかる経費を補助する制度です。補助対象となる費用の例は以下の通りです。

  • M&A仲介手数料、ファイナンシャル・アドバイザー(FA)費用
  • デューデリジェンス(企業調査)費用
  • 企業価値評価(バリュエーション)費用
  • 契約書等作成費用
  • セカンドオピニオン費用
  • 表明保証保険の保険料 など

重要なポイントとして、M&A仲介業者やFAへの報酬は、国が創設した「M&A支援機関登録制度」に登録された支援機関に支払うもののみが補助対象となる点に注意が必要です。

【買い手支援類型】
  • M&Aを通じて他社の経営資源を受け継ぐ予定の中小企業が対象
  • 補助率:2/3

【売り手支援類型】
  • 自社の経営資源をM&Aによって譲渡する予定の中小企業が対象
  • 補助率:1/2または2/3

補助率は、買い手支援類型が2/3、売り手支援類型が1/2または2/3です。補助上限は公募回により異なりますが、直近では最大600万円規模で、M&Aが成立(クロージング)しなかった場合は上限が引き下げられます。

廃業・再チャレンジ枠と併用する場合は上限が加算されます。正確な金額は申請する公募回の公募要領で確認してください。

PMI推進枠

PMI推進枠は、M&A後の経営統合(PMI=Post Merger Integration)を円滑に進め、統合効果を最大化する取り組みを支援する、2025年の制度刷新で新設された枠です。次の2類型があります。

  • PMI専門家活用類型:M&Aを実施した(または予定する)中小企業が、PMIに関わる専門家を活用する費用を補助。専門家活用枠(買い手支援)や廃業・再チャレンジ枠との同時申請も可能です。
  • 事業統合投資類型:統合効果の最大化を目的とした設備投資などを支援します。

M&Aは「成約して終わり」ではなく、その後の統合こそが成果を左右します。PMI推進枠は、買収後の定着・成長フェーズを資金面で後押しする枠として注目されています。

廃業・再チャレンジ事業

廃業・再チャレンジ枠は、事業承継やM&Aに関連して発生する廃業費用を補助する制度です。原状回復費や在庫処分費など、廃業に伴うさまざまな経費が対象となります。

この枠は、「経営革新枠」や「専門家活用枠」との併用も可能で、柔軟な活用ができる点が特長です。

【補助内容】

  • 補助率:1/2 または 2/3
  • 補助上限額:150万円
  • 事業承継促進枠・専門家活用枠・事業統合投資類型と併用申請する場合は、それぞれの補助上限に加算され、各枠の補助率が適用されます

【補助対象となるケース】
  • 一部事業の廃業を伴う事業承継・M&A:M&Aや事業承継の過程で、一部の事業を整理・廃業する必要がある場合に対象
  • M&A不成立による廃業と再スタート:M&Aが成約に至らず廃業を選択せざるを得なかったが、新たな事業に再チャレンジしようとする場合も補助対象

この枠は、事業承継やM&Aに伴い既存事業を廃業する場合の費用や、M&Aが不成立となった場合に事業を廃業し、新たな挑戦(再チャレンジ)をする際の費用を支援します。事業の整理や再出発を後押しする、重要な役割を担う制度です。

【関連】事業承継における融資・保証・補助金の制度を徹底解説【要件・利用方法】

4. 事業承継・引継ぎ補助金の申請方法・流れ

事業承継・M&A補助金は、電子申請システム「jGrants(Jグランツ)」を使って申請します。アカウント作成には申請書や印鑑証明などが必要であり、期間が2〜3週間かかるので注意しましょう。

経営革新の場合は、電子申請の前に認定支援機関へ事業計画などを相談し、確認書を受け取る必要があるでしょう。

補助対象事業の確認

事業継承・引継ぎ補助金を利用する際には、補助対象事業かどうかを確認する必要があります。

公式のWebサイトには公募要領も公開されていますので、すぐに確認することができます。補助対象事業・自身の交付申請類型を見てどの事業が対象になっているかを事前に確認しておきましょう。

gBizIDプライムアカウントの発行

補助申請を決めたら、gBizIDプライムアカウントを取得する必要があります。

gBizIDプライムアカウントの取得には2~3週間かかるケースもあるので事前に申請しておくことをおすすめします。既にgBizIDプライムアカウントを取得している場合はjGrantsを利用して電子申請が可能です。gBizIDプライムアカウントの取得には以下の情報が必要になります。

  • 法務局が発行した印鑑証明書または地方公共団体が発行した印鑑登録証明書の原本
  • 法人代表者印または個人事業主の実印を押印した申請書
  • 法人代表者自身または個人事業主自身のメールアドレス
  • 法人代表者自身または個人事業主自身」のSMSが受信できる電話番号

gBizIDから交付申請・交付決定通知

gBizIDプライムアカウントの取得が完了したら、jGrantsを利用して電子申請を行います。

必要書類が揃っていればその場で書類を提出します。審査の結果は、中小企業庁・事務局のHPにおいて交付決定社の公表がなされます。また、採否結果の通知はjGrants上で行われます。

補助対象事業実施・実績報告

交付決定通知が行われれば、補助対象事業を実施します。

実施してから所定手続きで実績の報告を行う必要があります。交付決定通知が行われたとしても補助事業期間外に契約・支払いをした場合は補助対象経費として認定されません。必ず期間中に契約・支払いを行うようにしてください。

補助金交付

実績報告を受けてから補助金が交付されます。

交付については原則、15日以内に実績報告書等を提出し、実施した事業内容の検査・経費内容を担当者が確認します。その後に補助金の額が確定し、精算支払いという流れになります。

5. 事業承継・引継ぎ補助金の採択率を高める3つのポイント

補助金の採択には、公募要領を理解し、審査員に評価される事業計画を作成することが不可欠です。ここでは、採択率を高めるための3つの重要なポイントを解説します。

実現可能性の高い具体的な事業計画を作成する

審査では、事業計画の具体性や実現可能性が重視されます。補助金を活用して「何を」「どのように」達成するのか、市場分析や自社の強み・弱みを踏まえ、数値目標(売上高、利益率、生産性向上率など)を交えて具体的に記述しましょう。計画が絵に描いた餅で終わらないことを示すことが重要です。

加点項目を漏れなく申請し、政策的意義をアピールする

公募要領には、賃上げや地域経済への貢献、DX推進といった政策目標に合致する取り組みに対する加点項目が設けられています。自社の事業計画がこれらの項目に該当する場合は、積極的に申請書に盛り込みましょう。国の政策に貢献する事業であることをアピールすることで、採択の可能性が高まります。

認定経営革新等支援機関と連携する

経営革新枠の申請には、国から認定を受けた「認定経営革新等支援機関(認定支援機関)」による事業計画の確認と確認書の発行が必須です。認定支援機関は、事業計画のブラッシュアップや申請手続きに関する専門的なアドバイスを提供してくれます。早い段階から相談し、連携して準備を進めることが採択への近道です。

6. 事業承継以外で活用できる設備投資関連の補助金

M&Aや事業承継ではなく、自前で設備投資を行いたい企業もあるでしょう。そういった企業は、設備投資の補助金を活用するのがおすすめです。申請できるものがないかをチェックしておくとよいでしょう。

設備投資の補助金一覧

近年、事業承継・M&A以外で活用できる設備投資関連の主な補助金には、以下のようなものがあります。

  •  ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
  • 中小企業省力化投資補助金
  • IT導入補助金(最新年度版を確認)

なお、コロナ禍を機に活用が広がった「事業再構築補助金」は近年で主要な公募を終え、後継となる中小企業向けの新たな投資支援制度へ移行しています。

設備投資補助金は年度ごとに新設・終了・改称が行われるため、申請時は中小企業庁の最新情報で現行制度を確認してください。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金とは、新しい商品やサービスのための設備投資を支援する補助金です。実際の活用事例としては、果樹園による急速冷凍機の購入、寝具店による寝心地を計測する機器の購入などがあります。

M&Aや事業承継を行う必要はなく、要件を満たす中小企業なら申請できます。

参考:全国中小企業団体中央会 「ものづくり補助金総合サイト」

事業再構築補助金

事業再構築補助金とは、新型コロナ対応をきっかけに、大胆な事業再構築を行おうとする事業者を支援する補助金です。こちらもM&Aや事業承継は関係なく、自社単独での事業転換などに活用できます。

例えば、デジタル化の促進やオンライン営業の強化、新たな商品やサービスの開発・導入、生産プロセスの見直しや効率化のための設備投資などに対して補助金が支給されることがあります。

参考:中小企業庁「事業再構築補助金」

IT導入補助金2025

IT導入補助金2025とは、ITツールを導入する中小企業を支援する補助金制度です。ITの導入により、中小企業の業務を効率化することを目的としています。

この補助金は、生産性の伸び率が1年後3%以上、3年後9%以上と具体的に決められており、これを満たすような数値目標の計画を提出する必要があります。導入できるツールは、この補助金制度に登録されているものだけとなっているので注意が必要です。

参考:独立行政法人中小企業基盤整備機構 「IT導入補助金2025」

設備投資の補助金を活用するメリットとデメリット

設備投資の補助金を活用する際は、メリットとデメリットの両面を見て判断することが大切です。

主なメリット

設備投資の補助金は、どれも原則として返済不要なのが大きなメリットです。借入と違って返済計画を立てなくてよいので、積極的な設備投資を行えます。公的な補助金の審査に通った実績は、ほかからの融資を受けるときにプラスになることもあります。

主なデメリット

設備投資の補助金のデメリットは、長い期間かけて複雑な手続きと審査を行わなければならないことです。審査の条件、事業計画の立案や書類の作成などは、初めて申請する場合は分かりにくい部分もあります。

審査は必ず通るわけではないので、申請に使った労力が無駄になる可能性があるのもデメリットです。

補助金は原則返済不要ですが、条件によっては返済しなければならない場合もあるのも注意点です。そのほか、補助金には法人税がかかることや、入金は事業開始後になるので事業資金は別に用意する必要があるでしょう。

7. M&A・事業承継に活用したい公的制度

M&Aや事業承継に活用できるのは補助金だけでなく、税金を軽減できる制度もあります。補助金以外の制度も活用していくことで、より有利なM&A・事業承継を行えます。中小企業M&Aで活用したい主な制度は以下の3つです。

【M&Aや事業承継に活用したい制度】

  • 事業承継税制
  • 中小企業・小規模事業者の再編・統合等に係る税負担の軽減措置
  • 中小企業の経営資源の集約化に資する税制(経営資源集約化税制)

事業承継税制

事業承継税制とは、中小企業が相続や贈与で株式を後継者に譲渡する際に、相続税や贈与税を猶予・免除する制度です。事業承継税制は平成30年に条件を緩和した特例措置が追加され、大変使いやすい制度となりました。一般措置と特例措置の主な違いは下表の通りです。

事業承継税制の注意点としては、猶予の条件を満たし続けているかを確認するために、数年に一度書類の届出などをしなければならないことです。もし条件を満たさなくなったら猶予が取り消されるだけでなく、利息が上乗せされて課税されます。事業承継税制を利用する際は、こういったデメリットも踏まえて判断することが大切です。

【事業承継税制の一般措置と特例措置の違い】

  一般措置 特例措置
猶予・免除の対象となる株式数 3分の2まで 全株式
猶予・免除となる税金の割合 贈与のみ100% 相続は80% 贈与・相続ともに100%
後継者の人数 1人 最大3人
特例承継計画の提出 不要 必要

一般措置

事業承継税制の一般措置とは、特例措置が創設される前から行われている制度で、こちらが事業承継税制の基本となります。一般措置は特例措置と違い、猶予・免除の対象となる株式が3分の2まで相続税は80%までしか猶予されないなどのデメリットがあります。

一方、特例承継計画の提出が不要だったり、適用期限がなかったりなどのメリットもあるでしょう。

特例措置

事業承継税制の特例措置とは、一般措置のデメリットを踏まえ、活用しやすいように改良された制度です。一般措置と比べると、全株式が猶予・免除の対象となり、相続税も100%猶予されるなどのメリットがあります。

そのほか、後継者が複数人でも申請可能であることや、雇用の確保要件が弾力化しているのもメリットです。

デメリットは、特例承継計画の提出が必要な点と、提出期限が定められている点です。令和8年度税制改正大綱により、法人版の特例承継計画の提出期限は2027年(令和9年)9月30日まで、個人版は2028年(令和10年)9月30日まで延長されました。

ただし贈与・相続の実行期限は法人版で2027年12月31日のまま据え置かれているため、早めの準備が必要です。

【関連】事業承継税制とは?メリットとデメリット・利用するための要件をわかりやすく解説!

中小企業・小規模事業者の再編・統合等に係る税負担の軽減措置

中小企業や小規模事業者がM&Aや事業承継を行う際に生じる、登録免許税や不動産取得税を軽減する制度です。

全額控除ではありませんが、条件によって税金の一部を控除できます。申請には経営力向上計画の提出が必要なので手間がかかりますが、M&A・事業承継の際に不動産の売買を伴う場合は申請したほうが有利です。

登録免許税

登録免許税とは、登記や認可などの手続きの際に収める税金のことです。この制度では、合併・分割・事業譲渡を使って事業承継を行った場合に、不動産の所有権の移転登記の登録免許税が減税されます。

減税率はどのM&A手法を使ったかによって変わってきます。具体的には、事業譲渡が2%から1.6%へ減税、合併が0.4%から0.2%、分割が2%から0.4%へ減税となるでしょう。

不動産取得税(事業譲渡のみ)

不動産取得税とは、不動産を取得した際にかかる税金のことです。この制度では、事業譲渡の場合のみ不動産取得税の軽減を受けられます。軽減の内容は、不動産価格の6分の1相当額を課税標準から控除となっており、納める税金がおおむね6分の5になります。

合併と分割の場合は軽減措置がありませんが、合併はそもそも不動産取得税がかからないので問題ありません。分割も一定の要件を満たすと非課税になる制度があるので、こちらの軽減措置は適用されません。

【関連】経営資源集約化税制とは?仕組み、注意点、中小企業がM&Aで活用するメリットを専門家が解説

中小企業の経営資源の集約化に資する税制(経営資源集約化税制)

中小企業の経営資源の集約化に資する税制(経営資源集約化税制)とは、M&Aの際に税制優遇やリスクヘッジを行える制度です。特に、準備金の積立てはこの制度の特色といえるので、積極的な活用が期待されます。

参考:中小企業庁「中小企業の経営資源の集約化に資する税制 概要・手引き」

内容

経営資源集約化税制の内容は主に以下の3点です。株式の取得価額を準備金として損金にできるのが特色で、もし売り手に簿外債務などが発覚した場合、準備金を取り崩して対応できるようになります。

【経営資源集約化税制の内容】

  • 取得価額の一部を準備金にしてリスクに備えられる
  • 設備投資の一部を税額控除または全額即時償却
  • 給与の引き上げに対する税額控除

要件

取得価額を準備金とするための要件としては、経営力向上計画の認定を受けることや、株式の取得価額が10億円以下であることなどがあります。

【準備金制度を利用するための要件】

  • 経営力向上計画の認定
  • 取得価額が10億円以下
  • 取得した株式を事業年度終了日まで継続保有する
  • 青色申告をしている中小企業者である

注意点

準備金の適用期間は5年間のみで、これを過ぎると6年目から10年目にかけて準備金を取り崩すことになるのが注意点です。つまり、準備金の制度はあくまでリスクヘッジのためのもので、売り手に何も問題がなければ最終的に損も得もしないでしょう。

この制度の申請は基本的にM&Aの手続きと同時進行で行う必要があるので、スケジュールをしっかり立てておくことが重要になります。

8. M&Aや事業承継の補助金に関するご相談はM&A総合研究所へ

M&A・事業承継をお考えの際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。当社は中堅・中小企業のM&A・事業承継に強みを持っており、経験豊富なアドバイザーが親身にサポートします。AIアルゴリズムによるマッチングなどを活用し、スピード感のあるM&Aを目指すのが強みです。通常は成約まで1年以上かかることもありますが、最短で3カ月での成約実績を有しています。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

M&Aや事業承継・M&A補助金の活用に関する無料相談を受け付けていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
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9. 事業承継・引継ぎ補助金のまとめ

M&Aや事業承継に関する補助金制度は、2025年の「事業承継・M&A補助金」への刷新を経て、2026年も引き続き注目されています。特にPMI推進枠の新設により、M&A後の統合まで一貫して支援を受けられるようになった点は大きな変化です。

特に、経済状況の変化や新たな課題に対応するため、中小企業が安定した成長を遂げるための重要な手段とされています。

事業承継・引継ぎ補助金や経営革新事業など、さまざまな補助金制度が設けられており、それぞれが事業再編や統合に必要な経費の一部を支援します。

これらの補助金を有効に活用すれば、低コストでM&Aを実現することが可能です。そのため、制度の動向を常にチェックしておくことが重要となります。

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