2020年10月22日更新
不動産管理会社の株式譲渡(会社譲渡)は経営難になる前に動き出そう

銀行系M&A仲介・アドバイザリー会社にて、上場企業から中小企業まで業種問わず20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、不動産業、建設・設備工事業、運送業を始め、幅広い業種のM&A・事業承継に対応。
不動産管理会社の株式譲渡(会社譲渡)は、保有している不動産によって譲渡価額は大きく変化するものです。不動産管理会社の株式譲渡(会社譲渡)を成功させるために、譲渡価額の計算方法や手続きの流れ、注意点などを知っておきましょう。
目次
1. 不動産管理会社の株式譲渡(会社譲渡)を今すぐ検討した方がよい理由
不動産管理会社の「経営がうまくいかない」「最近伸び悩んでいる」といった理由で今後に不安を感じているということがあるかもしれません。
あるいは、今現在は経営者も会社も何とか乗り切る体力はあるかもしれません。しかし、3年ほどたてば今よりも状況が悪化している可能性もあります。このようなときには、どうすればよいのか悩む前に株式譲渡(会社譲渡)を検討してみましょう。
なぜ、すぐに検討するべきなのか、それには以下の3つの理由があります。
- 会社の価値が下がる前の方は売却金額が大きい
- 従業員や契約に大きな変更がない
- 会社は存続するので不動産も安心である
今、どうすればよいのかの判断基準にもなるので、それぞれ内容を見ていきましょう。
①会社の価値が下がる前の方は売却金額が大きい
不動産管理会社での株式譲渡は、「会社の価値が下がる前」に動き出す方が売却金額は大きくなります。
なぜなら、順調に市場規模が右肩上がりだった不動産事業でも、市場規模の縮小が予想されているからです。今は安心して経営ができている状態でも、今後も安定して順調に伸び続けるとは限りません。
不動産管理会社が赤字になってしまえば、株式譲渡できる相手も減ってしまいます。相手が減っている間に、徐々に経営難へ向かってしまい悪循環に陥ることもあり得ます。
そうならないためにも、厳しい市場に対抗する力がある間に、株式譲渡へ動き出す必要があるのです。したがって、会社の価値が下がる前である「今」が最適なタイミングといえるでしょう。
しかし、株式譲渡となると従業員や今の契約、保有している不動産などのことも考えなくてはならず悩むものです。次は、会社に残っている従業員や契約、保有不動産などについても考えてみましょう。
②従業員や契約に大きな変更がない
不動産管理会社で株式譲渡を選べば、「従業員や契約に大きな変更はない」ことになります。
経営者(株主)が変わるだけで、従業員や契約は変わりません。今まで頑張ってきた従業員と、努力してきた結果の契約をすべて守れます。
よりわかりやすく、「経営難で廃業してしまう」ケースと比較してみましょう。廃業では、従業員から契約のことまで全て今後のことを考えなければなりません。
従業員の就職活動のサポート、契約についての確認などに追われてしまうのです。場合によっては、赤字になり、今後の生活にも大きな影響を与えてしまいます。
では、不動産管理会社の株式譲渡を選んだ場合は、どうなるでしょうか。
従業員はそのまま雇用契約を続けてもらえることがほとんどです。努力して得た契約にも、経営者が変わるだけで大きな変化がありません。廃業や経営難によるリスクを回避するための選択肢としても有効というわけです。
そしてもう一つ、忘れてはいけないのが、保有している不動産についてです。次の項目で確認しましょう。
③会社は存続するので不動産も安心である
不動産管理会社で株式譲渡を選べば、「会社は存続するので保有している不動産も安心」です。
株式譲渡では、会社にある不動産も譲渡範囲に含みます。わざわざそれぞれを売却しておく必要はありません。
また、M&Aによって買い手を見つけて株式譲渡するときには、所持している不動産が重要な決め手です。買い手の求める不動産を保有していれば、高い評価を得られるので売却金額も高くなりやすいです。
例えば、保有している不動産を株式譲渡の前に個人売却するとします。売却して得た金額は株主に配当しますが、税金によってあまり大きな金額にはならないことがほとんどです。
それでは、会社と一緒に保有不動産を譲渡したらどうなるでしょうか。
不動産を保有したままの株式譲渡であれば、不動産に関する手続きもなく、個人の譲渡所得に関する税金だけですみます。節税としても効果的というわけです。
今なら、後継者がいなくてもM&Aを選んで、買い手を見つけることで事業承継も問題なく進みます。また、廃業するよりも不動産の処分コストの必要がない株式譲渡を選び、会社を存続させる方がメリットは多いでしょう。
ここまで、なぜ、不動産管理会社で株式譲渡をするべきなのかについてお伝えしました。
しかし、株式譲渡が本当に成功するのか不安に感じている人も多くいるかもしれません。そこで、次の項で成功事例について見ていきましょう。
2. 不動産管理会社の株式譲渡(会社譲渡)の成功事例
不動産管理会社の株式譲渡は、規模を問わず行われています。事業拡大のためや新規物件確保のために買い手が多くいるからです。
では、成功事例として、売上高約1億円のマンション管理会社が株式譲渡したケースを紹介します。
【売り手側】
- 売上高1億円規模のマンション管理会社
- 創業社長で後継者不足に悩んでいる
- 後継者を見つけるためにM&A(会社譲渡)を選ぶ
【買い手側】
- 売上高非公開のマンション管理会社
- 同業他社の買収により事業規模の拡大が目的
- 見極めを必要としたことからM&Aを選ぶ
お互いの目的がうまく折り合い、買い手側と売り手側の不動産管理会社は話し合いを進めていきました。話し合いの中で、売り手側が事業拡大になる不動産を所有していることがわかります。
売り手側の目的である後継者問題も解消し、お互いが納得できる条件をまとめて株式譲渡が行われたのです。
このように、株式譲渡(会社譲渡)が頻繁に行われている業界では、多くのM&Aの成功事例があります。事業承継や経営課題の解決も可能ですから、まずは気軽にM&A仲介会社に相談をして、事例を聞いてみるのもよいでしょう。
もしもM&A仲介会社に心当たりがなければ、全国の中小企業のM&Aに数多く携わっているM&A総合研究所にお任せください。随時、無料相談を受けつけております。
保有している不動産は、他の企業にはない大きな取引の武器です。
廃業を選んで個別で売却して多額の税金を払うよりも、M&Aを選んで不動産ごと株式譲渡をする方が売却金額も大きくなります。その際に、不動産管理会社の株式譲渡の価額がイメージしにくいということもあるかもしれません。
そこで、自身の企業がどのくらいの価値を持っているか、次の項を参考に考えてみてください。
3. 現状の譲渡価額を計算してみよう
不動産管理会社で株式譲渡の譲渡価額を計算する方法は、以下の3つです。
- コストアプローチ
- マーケットアプローチ
- インカムアプローチ
コストアプローチは、株式譲渡する会社の純資産をもとに株価を算定します。細かいルールはありますが、会社の純資産から法人税を引いた額が譲渡価格の目安です。
次に、マーケットアプローチは、市場での企業価値から株価を算定します。上場している場合には株式市場の価値が、非上場企業では類似の上場企業の価値が譲渡価格の目安です。
最後にインカムアプローチでは、会社が将来獲得する利益やキャッシュフローをもとに今の価値を算定します。どれだけ成長するのかを指針とするので、最も使われる方法です。
ただし、どの方法で算定するにしても目安としかなりません。なぜなら、株式譲渡では自社の資産や株価だけではなく、買い手となる譲渡先の意見が大きく影響するからです。
そこで、効率よく自社の価値を知りたいという方は、M&A総合研究所へご相談ください。
算定方法が多数あり、計算が難しくても「企業価値の算定」を行うお手伝いをいたします。買い手によって価値を決めるポイントも違うからこそ、専門家の意見が大きく役立つはずです。
自身が非常に高い価値がある会社であると目安を考えても、株式譲渡の相手によっては魅力的に感じない可能性もあります。
企業価値の算定の経験が豊富なので、どうすれば価値を上げられるのかについても、ご相談いただければアドバイスは可能です。
ここまで、不動産管理会社の株式譲渡について詳しくお伝えしました。株式譲渡を前向きに検討する場合には、手続きの流れについて知っておくのも余計な時間を使わないために大切なことです。
次の項で、それをお伝えしますので、ぜひ確認してください。
4. 不動産管理会社が株式譲渡(会社譲渡)の主要な流れ
不動産管理会社の株式譲渡の実施手順は、簡単に説明すると株式に関する手続きがメインです。主な手順を以下にまとめました。
- 譲渡制限株式でないか確認する
- 株式譲渡承認請求をする(制限株式がある場合)
- 株式譲渡承認決議をする(制限株式がある場合)
- 株式譲渡について買い手と話し合いをする
- 株式譲渡契約をする
- 株式名簿などの書換え手続きをする
- 株式名簿記載証明書の交付を受ける
- アフターケアと引き継ぎをしていく(PMIのサポート)
譲渡制限付株式の場合は、やや手続きが増えてしまうことには注意してください。
また、必ず譲渡後のアフターケアについても考えておきましょう。従業員からの反発や大量離職を防ぐのに効果的です。
このとき、買い手側が実施するものに、PMI(Post Merger Integration=M&A後の経営統合プロセス)があります。買い手側としてM&Aの成否を握るのは、このPMIであるともされていますので、前経営者として協力を求められた際には、可能な限り助力しましょう。
いずれにしても、不動産管理会社が株式譲渡をする際には、買い手側と協力しながら進めていくことが大切です。価格やスケジュールについても話し合いが必要です。
株式譲渡の詳しい手順や手続きについて知りたい方は、以下の記事で紹介していますので参考にご覧ください。
しかしながら、株式譲渡をすると決めていなければ、手続きを見てもイメージしにくいものです。決断に迷っているときの相談にも、M&A仲介会社なら丁寧に答えてくれますので、それを参考にしてみてください。
ここまで、手続きの方法の流れを紹介してきました。次は、不動産管理会社の株式譲渡で失敗しないためにも、知っておきたい注意点をチェックしましょう。
5. 不動産管理会社の株式譲渡(会社譲渡)で注意したいポイント
不動産管理会社が株式譲渡を実施する際に注意しておきたいポイントは、4つあります。
- 人気エリアの物件があるかで価値が変わる
- 譲渡先にメリットは明確にする
- 時間に余裕をもって交渉する
- 税金について考えておく
それぞれ、どうして注意しておきたいのか、わかりやすくお伝えするのでご覧ください。
①人気エリアの物件があるかで価値が変わる
1つ目のポイントが、「人気エリアの物件があるかで価値が変わる」です。
不動産管理会社であれば、複数の不動産を保有しているでしょう。その内実は、人気のあるものから、人気のないものまでさまざまでしょうが、それらの物件がどこのエリアにあるのかによって不動産の価値が大きく変わるのです。
簡単に説明すると、人気エリアの物件が多いと自然に価値が高くなります。逆に、人気エリアの物件が少ないと価値は上がりにくいです。
では、どのように物件を調べるのかを考えてみましょう。
まず、不動産管理会社が株式譲渡をする前に、物件情報を整理してみてください。どのエリアにどれだけ物件を持っているかを知るところから始めます。
調べた際には、物件の情報をわかりやすいようにまとめておき、すぐに確認できるようにしておきましょう。ここでまとめたものは、譲渡先との話し合いの時に提示できるので、正確な価値を相手に伝えられます。
最後に、人気エリアをリサーチして物件の洗い出しです。洗い出ししたものは、別途、まとめておくと話し合いの際に使いやすくなります。ここで見つけた人気エリアの物件数によっては、自社の価値を考えるときにも役立つので、早速試してみてください。
この物件情報の整理は、次のポイントにも大きく影響します。では、見ていきましょう。
②譲渡先にメリットは明確にする
2つ目のポイントが「譲渡先にメリットを明確にする」です。買い手に対し、自社にどのようなメリットがあるのかを明確にして伝えることは、売却金額にも大きく関わります。
仮に、人気エリアに多数の物件を持っているなら、買い手側の企業にとって大きなメリットです。物件の数や場所などの細かい情報を調べてまとめておけば、よい印象を与えられるほか、メリットを明確に伝えやすいです。
ほかにも、多くの物件を扱っているなら、幅広く物件を取り扱い、事業拡大を狙う買い手側企業のメリットになるでしょう。保有している物件数をまとめたものが用意できていたら、そのままリストを使ってアプローチできます。
このように、不動産管理会社の株式譲渡は、買い手側にどれだけのメリットを提示できるかで成功率や成約内容が変わるのです。メリットの数だけ、成功率と売却金額を高められると考えてください。
不動産管理会社に限らず、株式譲渡は大きな金額が動く重要な取引といえます。感覚で決めることは、ほとんどありません。
したがって、メリットを明確にし、最大限に活用することは成功にも不可欠な要素です。自社の持ち味を生かした素晴らしさを、存分に伝えられるように調べてみてください。どこがセールスポイントになるのか迷ったときにも、物件のリスト化、人気エリア物件のリスト化を試してみるとよいでしょう。
③時間に余裕をもって交渉する
3つ目のポイントが、「時間に余裕をもって交渉する」ことです。時間に余裕を持って交渉できれば、トラブルを未然に防げるほか、譲渡もスムーズに進みます。
株式譲渡は大きな金額が動くものとお伝えしました。つまり、簡単に契約へ進まないことから、長い時間を必要とします。合意するまでに何度も相談しなければならないことや、そもそも買い手を見つけるのが難しいケースもあります。
また、買い手を見つけられても話し合いの結果、双方の意見が合わなければ株式譲渡は成立しません。
そこで、時間に余裕を持って交渉することによって、以下の利点が得られます。
- 自社の持つメリットを明確に伝えられること
- 契約範囲の漏れによるトラブルを防ぐこと
焦っていては伝えたいことが伝わらないので、交渉にもならないことも少なくないのです。したがって、必ず時間の余裕を持って交渉に望んでください。
それでも、時間に余裕がなく、不動産管理会社の株式譲渡を素早く進めたいケースもあるでしょう。そこで、便利なのが専門家に相談することです。
M&A仲介会社などの専門家に自身の希望を伝えれば、買い手候補を丁寧に報告してくれます。手続きの疑問点にもすぐに回答してもらえるので、順序よく進められて時間短縮できるでしょう。
また、税金についても詳しく教えてもらえるのも、専門家に相談する大きなメリットです。次のポイントでも触れるので確認してください。
④税金について考えておく
4つ目のポイントが「税金について考えておく」です。大きな金額が動く株式譲渡では、節税について考えておく必要があります。
なぜなら、保有している不動産によっては株式譲渡の売却金額が高くなるので、その分、「税金も高くなる」からです。
不動産管理会社の株式を譲渡するのが経営者個人の場合は、譲渡所得税が課税されます。株式所有者が法人だった場合に課税されるのは、法人税です。
法人の場合は、特に売却金額によって税金の額面が変わります。保有している不動産や、資産によっても大きく異なる部分ですから、注意しておきましょう。
以下の記事では、株式譲渡の際の詳しい税金の内訳などを細かく紹介しています。合わせてチェックしておいてください。
6. 不動産管理会社の株式譲渡(会社譲渡)は専門家が高額取引の近道
不動産管理会社の株式譲渡にかかる税金の計算が難しい場合や、もっと細かく自社でのケースを知りたいと考えた際には、早めにM&A仲介会社に相談するのがおすすめです。
M&A仲介会社では多くの知識を持っていることから、細かく算定し節税の方法までアドバイスしてもらえます。また、不動産管理会社の株式譲渡では、時間がかかるほど経営難に陥り売却金額が下がってしまう可能性があるのも気になるところです。
どのM&A仲介会社にするか迷っているというような場合には、M&A総合研究所にご相談ください。
全国の中小企業のM&Aに数多く携わっているM&A総合研究所では、不動産管理会社の株式譲渡に豊富な経験と知識を持つM&Aアドバイザーが専任となって、成約までフルサポートいたします。
通常は10カ月~1年以上かかるとされるM&Aを、最短3カ月でスピード成約する機動力もM&A総合研究所の大きな特徴です。
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また、成功報酬額は国内最安値水準ですから、安心してリーズナブルにM&Aの実現が目指せます。随時、無料相談を受けつけておりますので、不動産管理会社の株式譲渡を検討される際には、お気軽にお問い合わせください。
7. まとめ
不動産管理会社の株式譲渡のタイミングは、今からでも遅くはありません。同業他社を中心に事業拡大を進めているところも多いので、買い手も見つかりやすいです。
経営難になる前に手続きを進める自信がない人は、M&A仲介会社に相談してみましょう。早めのアクションが高額取引の鍵ですから、タイミングを見逃す前に行動してください。
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