事業価値、企業価値、株式価値の違いや関係、算出方法を解説【英語も記載】

M&Aを検討する際は企業価値が重要とされていますが、事業価値や株式価値などの言葉を耳にする機会も多いです。これらの言葉はどのような意味や関係を持っているのでしょうか。当記事では、事業価値・企業価値・株式価値の違いや関係、算出方法を解説します。

目次

  1. 企業価値とは
  2. 企業価値と事業価値、株式価値の違い
  3. 企業価値、事業価値、株式価値、それぞれの関係性
  4. 事業価値、企業価値、株式価値、それぞれの算出方法
  5. 事業価値、企業価値、株式価値の英語表記
  6. まとめ
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1. 企業価値とは

企業価値とは

企業価値とは

M&Aでは売り手と買い手の交渉により取引価格を決定しますが、基準がなければ交渉がまとまる可能性は限りなく低いため、取引価格の目安として企業価値を用意する必要があります。

企業価値とは企業全体の価値のことを指します。企業価値の大半を占めているのは手掛けている事業の価値ですが、有価証券や遊休資産などの非事業用資産もあるため、それらの合計が企業価値となります。

企業価値はM&A交渉の土台となるものであるため、売り手と買い手の双方が納得することができる適切な値を算出しなければなりません。そのため、企業価値や関連性の深い事業価値・株式価値についても理解しておく必要があります。

本記事では、企業価値、事業価値、株式価値のそれぞれの違いや算出方法について詳しく解説します。

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2. 企業価値と事業価値、株式価値の違い

企業価値と事業価値、株式価値の違い

企業価値と事業価値、株式価値の違い

企業価値はM&Aの際に重要となるものですが、そのほかの関連性が高い要素には事業価値や株式価値があります。どちらも適切な企業価値を把握するために必要な要素となるので、意味や違いを確認しておきましょう。

事業価値とは

事業価値とは、企業の事業や事業用資産の将来的な収益価値の総和です。事業用資産の単純な価値だけでなく将来的なキャッシュフローも加味するため、複雑な計算が必要となります。

しかし、事業価値の算出において決められた方法というのはありません。存続を前提として計算する場合はDCF法を利用するのが一般的ですが、DCF法にはさまざまなものがあるため、M&Aの条件や目的に合わせた方法を選択します。

また、企業価値は企業全体の価値、事業価値は事業や事業用資産の価値を指します。事業価値に非事業価値を足すと企業価値になり、下表は企業価値を表したものです。
 

企業価値 事業価値
(事業自体の価値)
債権者価値
(企業の債務の価値)
非事業価値
(事業以外の資産の価値)
株式価値
(企業の株式価値)

非事業価値について

非事業価値とは、金融資産や遊休資産などの事業活動に使用されていない資産の価値をいい、金融資産は投資有価証券など、遊休資産は事業に用さない土地や建物などの不動産が該当します。

元々は事業用に取得したものの、何かしらの要因で一時的に事業への使用を停止することは珍しくありません。将来的な収益価値に貢献していないため、事業価値とは別々に計上されます。

【非事業用資産の国税庁の基準】

  • 棚卸資産、雑所得の基因となる土地及び土地の上に存する権利
  • 事業用資産の買換えの特例を受けるための目的で、一時的に事業用途に使ったと認められる資産
  • 空閑地である土地や空き家である建物等

【非事業用資産の具体例】
  • 余剰金・・・現金預金、別段預金
  • 遊休資産・・・未使用の土地、建物
  • 投資資産・・・有価証券、投資有価証券、貸付金

株式価値とは

株式価値とは、その名の通り株式の価値を指します。株式発行で投資家から調達した資金や、企業の事業活動から生み出した利益で企業内に留まっている剰余金などがあります。

上場企業においては株価の時価総額を指す言葉ですが、非上場企業の場合は証券取引所における取引実績がないため、株式価値を算出するのが難しいという問題があります。

そのため、株式価値の算出の際は「株式価値 = 企業価値 - 債権者価値」という計算式を用います。これは、企業全体の価値から債権者価値を差し引いて、株主が自由にすることができる資金を株式価値とする考え方によるものです。

債権者価値について

債権者価値とは、企業が返済しなければならない債務(有利子負債)が該当します。負債なのに価値という点に違和感を感じるかもしれませんが、負債を負うことができるほどの価値があることを意味します。

銀行からの借入金や投資ファンドからの融資金など、企業が抱えている負債は全て債権者価値に含まれます。これらの借入金は、企業の収益力を期待されたことで提供されているので、企業の価値として換算することができます。

株式会社の企業価値が属する対象は、債権者と株主です。企業価値を高める行為は、債権者価値と株式価値とを高めることになり、債権者と株主の両方が恩恵を得ることになります。

そのため、企業の事業目的は企業価値を向上させることにあり、事業価値を高めるためにあらゆる手段を尽くしています。

株主価値について

企業価値について調べていると、株主価値という言葉も度々目にすることでしょう。似た言葉であるため困惑するかもしれませんが、株式価値と同じく株主が自由にできる資産価値を指している言葉なので、全く同義と捉えて問題ありません。

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3. 企業価値、事業価値、株式価値、それぞれの関係性

企業価値、事業価値、株式価値、それぞれの関係性

企業価値、事業価値、株式価値、それぞれの関係性

企業価値の大半は事業価値で占められています。企業は利益を生み出すために事業活動を行うので、自然と事業価値が高められることになります。

また、株主価値も企業価値を構成する要素のひとつであり、非上場企業は株式価値を算出するために企業価値を基準とします。

企業価値という大枠のなかで、それぞれの要素が計算式で繋がっています。企業価値を正しく理解するためには、事業価値と株式価値の意味や算出方法に対しても理解も深めておく必要があります。

4. 事業価値、企業価値、株式価値、それぞれの算出方法

事業価値、企業価値、株式価値、それぞれの算出方法

事業価値、企業価値、株式価値、それぞれの算出方法

上場企業の時価総額は「株価×株式発行数」で算出できますが、非上場企業は企業価値評価という方法を用いて算出します。この章では、事業価値、企業価値、株式価値の算出方法について解説します。

事業価値の算出方法

事業価値の算出方法で最も一般的なものはDCF法です。DCF法には、将来のフリーキャッシュ・フローやリスクの予測について客観性が欠けるという課題もありますが、事業の継続を前提としている場合に優れた算出方法とされています。

DCF法による事業価値の計算式自体は簡単なのですが、計算式に使用する値を算出する必要があります。

【事業価値の算出方法(DCF法)】

  • 事業価値 = 将来のフリーキャッシュ・フロー(将来の収益的価値)/割引率

フリーキャッシュ・フローは、過去数年分の賃借対照表や損益計算書、キャッシュ・フロー計算書を参考に算出します。将来的に期待できる価値を算出することになるため、綿密な事業計画が必要です。

割引率は、負債と自己資本の割合により加重平均した資本コストであり、基本的に加重平均資本コスト(WACC)が用いられ、以下の式で算出することができます。

【割引率の算出方法】
  • 割引率(WACC) = 有利子負債総額/(有利子負債総額+時価総額(または株主資本)) × 負債コスト × (1-税率)+時価総額(または株主資本)/(有利子負債総額+時価総額(または株主資本))×株主資本コスト

企業価値の算出方法

企業価値は事業価値に非事業価値を加算することで算出できます。前述のDCF法で算出した事業価値に、金融資産や遊休資産などの非事業価値を加えます。

【企業価値の算出方法】

  • 企業価値 = 事業価値 + 非事業価値

なお、定期預金などはそのままの金額を加算しますが、不動産や投資有価証券などは時価評価しなくてはなりません。

株式価値の算出方法

非上場企業が株式価値を算出する方法は沢山ありますが、代表的な3つの手法を解説します。

【株式価値の算出方法】

  1. DCF法
  2. 株価倍率法
  3. 修正純資産法

1.DCF法

事業価値の算出方法でも述べたDCF法は、将来的な収益価値を参考とする考え方であり、合理的な計算法として広く利用されています。

DCF法で算出した事業価値に非事業価値を加算して企業価値を算出し、債権者価値を差し引いて株式価値を割り出します。

【株式価値の算出方法】

  • 株式価値 = 企業価値(事業価値+非事業価値) - 債権者価値(有利子負債)

2.株価倍率法

株価倍率法とは、類似する上場企業の利益・売上・純資産等を基準として株価を算出する方法です。市場を参考にするため客観性に優れており、M&A交渉において納得感を得られやすい特徴があります。

具体的な算出方法は、対象となる上場企業を10社前後選出した後、それぞれの財務数値に株価倍率をかけるというものです。株価倍率法で利用されることが多い株価倍率は下表の5つです。
 

株価倍率 算出方法 適用企業
PER(株価収益率) 株式時価総額/当期純利益 ・利益のある企業
・ベンチャー企業(黒字企業限定)
・スタートアップ企業(黒字企業限定)
PBR(株価純資産倍率) 株式時価総額/純資産額 ・利益のない企業
・特別損失額が大きい企業
PSR(株価売上高倍率) 株式時価総額/売上高 ・ベンチャー企業
・スタートアップ企業
PCFR(株価キャッシュフロー倍率) 株式時価総額/キャッシュフロー ・利益のある企業
・減価償却を考慮するべきと判断した企業
PEGレシオ PER/1株あたりの利益成長率 ・ベンチャー企業
・スタートアップ企業

3.修正純資産法

簡易的に賃借対照表の純資産を株式価値とみなす方法です。より適正な値に近づけるために資産と負債は時価評価したうえで差し引きを行います。

【株式価値の算出方法】

  • 株式価値(純資産) = 資産 - 負債

非常にシンプルな計算式であり、手元に賃借対照表さえあれば算出することができます。しかし、将来的な収益価値を加味することができないため、会社の存続を前提とする評価方法には適していません。

【関連】M&Aの企業価値評価(バリュエーション)とは?算定方法を解説【事例あり】

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5. 事業価値、企業価値、株式価値の英語表記

事業価値、企業価値、株式価値の英語表記

事業価値、企業価値、株式価値の英語表記

企業に関する価値(value)を評価する方法を、英語ではバリュエーション(valuation)といいます。バリュエーション(valuation)を使って算出する事業価値・企業価値・株式価値の英語表記は以下の通りです。

【事業価値・企業価値・株式価値の英語表記】

  • 事業価値・・・BEV(Business Enterprise Value)
  • 企業価値・・・EV(Enterprise Value)
  • 株式価値・・・EQV(Equity Value)

M&Aは日本発祥の文化ではないため、使用される語句や表記が英語表記あるいはカタカナ表記で理解しづらいものも多く、なかには英語の略称で説明されていることもあるので注意が必要です。

事業価値(BEV)・企業価値(EV)・株式価値(EQV)の3つは使用頻度も高いので、押さえておくとよいでしょう。

目にすることが多いのは「EV/EBITDA倍率」などです。EBITDAは税引前利益に特別損益、支払利息、減価償却費を加算した値のことです。EV(企業価値)がEBITDAの何倍であるかを表すことで、株価比較の尺度を測ることができます。

【関連】EBITDAとは?EBITとの違いや計算式、メリットや問題点を解説【事例あり】

6. まとめ

まとめ

まとめ

本記事では、企業価値・事業価値・株式価値の違いや算出方法について解説しました。それぞれの価値は深い関係性があり、M&Aにおいては適切な価値を求める必要があります。

適切な価値を算出するためには、価値評価に使用する難しい計算式を使うこともあります。価値が適切でないと交渉が進められなくなることもあるので、価値算出の際は専門家に相談しておくことをおすすめします。

【企業価値・事業価値・株式価値の違い】

  • 企業価値とは企業全体の価値のこと
  • 事業価値とは企業の事業や事業用資産の将来的な収益価値の総和
  • 株式価値とは事業価値から債権者価値を差し引いた値

【事業価値の算出方法(DCF法)】
  • 事業価値 = 将来のフリーキャッシュ・フロー(将来の収益的価値)/割引率

【企業価値の算出方法】
  • 企業価値 = 事業価値 + 非事業価値

【株式価値の算出方法】
  1. DCF法
  2. 株価倍率法
  3. 修正純資産法

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