事業承継における融資・保証・補助金の制度について徹底解説

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企業情報第二部 部長
向井 崇

銀行系M&A仲介・アドバイザリー会社にて、上場企業から中小企業まで業種問わず20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、不動産業、建設・設備工事業、運送業を始め、幅広い業種のM&A・事業承継に対応。

事業承継の資金繰りについてお悩みなら、国の融資や補助金の制度を利用しましょう。事業承継における融資・保証制度や事業承継補助金について、詳しく説明しています。どのような条件で融資・補助金を受けられるか、個人保証を解除できるか、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. 事業承継をすると個人保証を引き継がなければならない
  2. 事業承継をするときの経営者保証解除のための対策
  3. 事業承継をするときに後継者が準備する必要がある資金とは
  4. 事業承継における融資・保証制度を利用するメリット
  5. 中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を受けるには?
  6. 事業承継における融資の利用条件
  7. 2020年から後継者に個人保証を求めない法案が施行される可能性
  8. 返済なしの事業承継補助金とは
  9. 事業承継補助金を受け取るには?
  10. 事業承継についてお悩みなら専門家に相談を!
  11. まとめ
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1. 事業承継をすると個人保証を引き継がなければならない

事業承継をすると個人保証を引き継がなければならない

会社を引き継ぐ際に、一般的には経営者個人の債務や保証も引き継ぐ必要があります

中小企業が銀行から資金を借りる場合、経営者が連帯保証人になることが一般的です。理由は、次の3つにあります。
 

  1. 会社の経営が経営者の意思であることを反映させているから
  2. 会社の借入金を経営者に持ち逃げさせないため
  3. 返済が滞った際の担保にするため

経営者は、会社のお金を自由に使用できます。すると会社名義の借入金を個人の用途に使ってしまう場合があるのです。最悪、会社名義で借りたお金を経営者が持ち逃げしてしまうこともあります。

また、会社の利益がなくて返済が滞った際も、個人資産がある場合は返済してもらえるよう担保としての意味で経営者を連帯保証人にするのです。このような理由から、会社への融資=経営者個人への融資と考えられており、経営者は個人保証を負うこととなります。

そのため事業承継をする際、後継者が経営者となるには前経営者の個人保証を引き継ぐ必要があるのです。

個人保証を引き継がなくて良いケース

個人保証の引き継ぎは、後継者にとって大きな負担です。しかし、一定の条件を満たせば、金融機関が保証契約の解除に応じてくれる可能性があるのです。

個人保証の解除については、2013(平成25)年に公表された「経営者保証に関するガイドライン」に記載されています。経営者保証に関するガイドラインとは、経営者の保証を解消し、思い切った事業展開や早期事業再生などを応援するために政府が金融機関に示した指針です。

経営者保証に関するガイドラインでは、経営者の個人保証について次のような場合は、個人保証を解除できる可能性があるとしています。
 

  • 法人と個人の業務、経理、資産所有などが明確に分離されている場合
  • 適切な範囲を超える借入でない場合
  • 適時適切な情報開示を行えた場合

実際に、事業資産が全て法人所有であったり、財務資料の提出をスムーズに行ったりした場合、経営者の個人保証を解除してもらい、さらに新しい経営者から個人保証を求められなかったという事例もあるのです。

中小企業の資金調達を円滑にするため、金融庁は金融機関に対し経営者保証に関するガイドラインの積極的な活用をすすめています。ただし、経営者保証に関するガイドラインに法的拘束力はないため、金融機関の裁量に任せられていることが現状です。

経営者保証に関するガイドラインに沿って個人保証を解除できるかは、借入している金融機関や専門家に相談してみてください。

事業承継の専門家であるM&A総合研究所でも、無料相談を受け付けています。ぜひお気軽にご相談ください。

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2. 事業承継をするときの経営者保証解除のための対策

事業承継をするときの経営者保証解除のための対策

事業承継をするとき、経営者保証解除のための対策が中小企業庁によって行われています。なぜなら、事業承継時に経営者保証が後継者獲得の弊害となっているからです。

中小企業の事業承継を手助けするために、以下のような対策がなされています。
 

  1. 新規融資の原則無保証化
  2. 経営者保証を不要とする新しい信用保証制度
  3. 事業承継時の「経営者保証に関するガイドライン」
  4. 経営者保証解除に向けた専門家による支援

順番に内容を確認しましょう。

①新規融資の原則無保証化

商工組合中央金庫(商工中金)は、一定の条件を満たす企業に対して新規融資の原則無保証化としています。

年間約3万件の融資を無償化するとして2020(令和2)年1月から運用を開始しています。「原則無保証化」とすることで、35%の無保証割合が大幅に増加すると見込まれているのです。

ただし、原則無保証化の条件についてはホームページに記載されていませんでした。実際に商工中金へ相談に行きましょう。

②経営者保証を不要とする新しい信用保証制度

2020年4月から運用開始予定となっている経営者保証を不要とする新しい信用保証制度が発表されています。すでに2019(令和元)年12月23日から信用保証協会で事前相談の受付が始められています。

この保証制度は、事業承継時に経営者保証を金融機関自ら解除している割合がたったの10%であることから制定されました。金融機関による経営者保証の解除を後押しするための制度です。

申込人資格要件は、以下の全ての条件を満たしている中小企業者とされています。
 

  • 3年以内に事業承継を予定する事業承継計画を持っている法人、または2020年1月1日〜2025(令和7)年3月31日までに事業承継を実施した法人であり、事業承継実行日から3年を経過していないもの
  • 資産超過である
  • 返済緩和中でない
  • EBITDA有利子負債倍率10倍以内である
  • 法人と経営者の分離がなされていること

保証限度額は2.8億円です。保証期間は一括返済であれば1年以内、分割返済であれば10年以内(据置期間1年以内)となっています。

与信取引のある金融機関経由で申し込みをすることが可能です。

③事業承継時の「経営者保証に関するガイドライン」

事業承継にフォーカスをあてた「経営者保証に関するガイドライン」の特則が2020年4月より運用開始予定です。特則のポイントは以下の通りとなっています。
 

  • 前経営者と後継者の双方からの二重取りの禁止
  • 前経営者の結んでいた保証契約の適正化
  • 後継者との保証契約は事業承継の弊害要因となるため、柔軟な判断をする

特に注目する必要があるのは新旧経営者に個人保証を求める二重取りの禁止という点です。この二重取りは事業承継を妨げるものとして問題視されてきました。

ただし、「原則禁止」という書き方がされており、金融機関への浸透・定着には時間がかかるかもしれません。積極的に金融機関に対して主張しましょう。

④経営者保証解除に向けた専門家による支援

経営者保証解除に向けた専門家による支援も2020年4月から開始予定です。経営者保証の解除を求める中小企業に対して、専門家は以下の3つの支援を行います。
 

  • 専門家による「経営者保証ガイドライン」の充足状況の確認
  • 専門家による経理の透明性・財務内容の強化の支援
  • 経営者保証解除に向けて専門家による金融機関との交渉支援

これら3つのステップによって支援が行われます。各都道府県に経営者保証コーディネーターという専門家が配置されるため、頼りましょう。

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3. 事業承継をするときに後継者が準備する必要がある資金とは

事業承継をするときに後継者が準備するべき資金とは

事業承継をする際、ある程度の資金が必要です。資金を個人で用意できない場合は、金融機関から借りる必要があります。事業承継に想定される必要な資金は、次の通りです。
 

  1. 他の相続人や役員へ分散した自社株式・事業資産を買い取るための資金
  2. 相続税や贈与税を納税するための資金
  3. 事業承継前後で会社を整備するための資金

このように、事業承継には多額の費用がかかります。事業の規模にもよりますが、1,000万円以上の資金が必要になることもあります。

資金調達は、後継者だけでなく現在の経営者と協力して行います。いくら優秀な経営者だとしても、すぐに多額の資金を集めてくるのは難しいでしょう。

そこで国が用意している制度を使って集めてくることも検討しましょう。

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4. 事業承継における融資・保証制度を利用するメリット

事業承継における融資・保証制度を利用するメリット

中小企業庁は中小企業の事業承継を支援しており、「事業承継における融資・保証制度」を用意しています。

事業承継における融資・保証制度とは、自社株の買い取りや税金の資金など事業承継で必要な資金の融資が受けられる制度です。中小企業庁が行っているため、安心で信頼できる制度となります。

事業承継における融資・保証制度を受けるメリットは、次の2つです。
 

  1. 低利で融資を受けられる
  2. 信用保証を拡大できる

順番に詳しく説明します。

①低利で融資を受けられる

事業承継における融資・保証制度を利用すると、低利で融資を受けられます。例えば、融資期間5年の場合、通常1.21%の利率が0.81%で融資してもらえるのです。(2017(平成29)年の場合。※正しい利率は金融機関に問い合わせましょう)

ただし融資が受けられるのは、次のような場合に限られます。
 

  • 後継者がいないことで経営を続けられず、事業譲渡株式譲渡で承継を検討している
  • 会社側から株主が持っている株式や資産を買い取るために必要な資金を求めている
  • 後継者となる人材が事業の資産を買い取るために必要な資金を求めている
  • 中小企業経営承継円滑化法に基づいた認定を受けた会社の代表者個人は、自社株式や事業資産の買い取りや、相続税や贈与税の納税などを行う場合

「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(中小企業経営承継円滑化法)は、中小企業が資金不足など多種多様な理由により承継できない問題を解決するために検討された法律です。

②信用保証を拡大できる

事業承継における融資・保証制度なら、事業承継に関する資金を自社のことを知っている金融機関などに借り入れるときに、信用保証協会の通常の保証枠とは別に、保証枠を使用できます

通常の保証枠は、普通保証なら2億円、無担保保証となれば8,000万円です。さらに特別小口保証として1,250万円のものもあります。

事業承継における融資・保証制度を利用すると、上記の保証枠に加えて同等の保証枠を利用できるのです。

それぞれ別枠として同様の金額をプラスできるため、最大で以下のような金額(通常+特別枠)となります。
 

  • 普通保証:4億円
  • 無担保保証:1億6,000万円
  • 特別小口保証:2,500万円

ただし、利用できるのは中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を得た会社および個人事業主になります。

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5. 中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を受けるには?

中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を受けるには?

事業承継における融資・保証制度を利用するには、中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を受けなければならないケースがあります。中小企業経営承継円滑化法とは、中小企業が事業承継をスムーズに進められるように考えられた法律です。

中小企業経営承継円滑化法は、3つの支援をしています。
 

  1. 税制支援(贈与税・相続税の納税猶予および免除制度)
  2. 金融支援(中小企業信用保険法の特例、日本政策金融公庫法などの特例)
  3. 遺留分に関する民法の特例

事業承継における融資・保証制度で必要な中小企業経営承継円滑化法の認定に関わっているのは、「金融支援」です。金融支援で得られるお金を「事業承継・集約・活性化支援資金」と呼び、日本政策金融公庫から融資されます。

どのように認定を受けるかの前に、まずは中小企業経営承継円滑化法が制定された目的について確認しましょう。

中小企業経営承継円滑化法の目的

中小企業経営承継円滑化法は、2008(平成20)年に中小企業の事業承継を支援するために成立した法律です。2018(平成30)年の税制改正において、中小企業経営承継円滑化法の内容が大きく改正されることとなりました。

2018年に改正された理由は、主に次の3つです。
 

  • 親族以外への事業承継を円滑に行えるようにするため
  • 中小企業の事業承継のサポートを強化するため
  • 小規模企業共済法の一部改正による事業承継をさらに円滑にするため

これまで日本では、親族に事業承継することが9割を占めていました。しかし近年では、親族以外に事業承継する企業が増えてきたのです。そのため親族以外への事業承継を円滑に行えるよう、法改正が行われました。

また、中小企業における事業承継のサポートを金銭面で強化して、さらに事業承継しやすくしたのです。他にも小規模企業共済法を改正して、親族への事業承継も廃業と同額の共済金を支給できるようになりました。

このような法改正は、中小企業に廃業より事業承継を選択してもらうために行われています。日本企業の約9割が中小企業で、その多くが後継者問題に直面しているのです。

中小企業が廃業すると国力が落ちることとなるため、政府は中小企業の廃業に対して今後も法改正など対策を行うでしょう。

中小企業経営承継円滑化法に基づく認定に必要なもの

中小企業経営承継円滑化法の認定を受けるために、さまざまな申請書や証明書が必要です。

必要書類は自治体により異なりますから、間違えないためにも自治体の担当課に問い合わせると確実でしょう

ここでは参考までに、想定される必要な書類を記載します。
 

  • 認定申請書
  • 認定申請書の写し
  • 認定申請時点の従業員数の証明書
  • 登記事項全部証明書
  • 定款の写し
  • 決算関係の書類
  • 上場企業に該当しない旨の誓約書

認定申請書は、中小企業庁のサイトからダウンロードできます。事業承継を行うこととなった原因などを認定申請書に記載します。書き方がわからない場合もわかる箇所だけでも記入して持っていくと、担当者がスムーズに対応してくれるでしょう。

自治体の相談窓口

中小企業経営承継円滑化法の認定申請窓口は、都道府県によって異なります

2017年時点で公開されている問い合わせ先は『事業承継における融資・保証制度|中小企業庁』で確認してみてください。

事業承継の融資が受けられるか悩む前に、各担当課に中小企業経営承継円滑化法の認定を受けられるか聞いてみましょう。

ただし、上記の課は中小企業経営承継円滑化法の金融支援に対する担当の課です。税制支援、遺留分に関する民法の特例に対する相談窓口は異なります

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6. 事業承継における融資の利用条件

事業承継における融資の利用条件

事業承継における融資を受ける利用条件を確認しましょう。利用条件を3つに分けて解説します。
 

  1. 融資を利用できる人
  2. 融資限度額
  3. 返済期間

それぞれの条件を順番に説明します。しっかり理解して、融資が受けられるか判断しましょう。

①融資を利用できる人

融資を利用できる人は、次のいずれかの条件に該当している人です。
 

  • 安定的な経営権の確保などにより、事業の承継・集約を行う人
  • 中小企業経営承継円滑化法に基づいた認定を受けた中小企業の代表者
  • 事業承継に際し金融機関からの資金調達が困難となっていて、日本政策金融公庫が経営者個人保証を免除する人
  • 現経営者と後継者がともに中期的な事業承継を計画している人
  • 事業の承継・集約を契機に、第二創業を行おうとしている人

該当しない人は、融資を受けられない可能性があります。一度、各自治体の担当課に問い合わせてみましょう。

②融資限度額

融資には限度額があります。国民生活事業の場合7,200万円(運転資金は4,800万円)で、中小企業事業の場合は7億2,000万円(運転資金は4億8,000万円)です。

国民生活事業と中小企業事業とは、日本政策金融公庫の事業です。日本政策金融公庫は、創業する人や中小企業へさまざまな制度に対応し、融資を行っている会社のことです。

国民生活事業は、小規模企業や個人事業主を対象とした小口融資を行っています。主に無担保での融資になり、個人で行っている飲食店や工務店などの企業が利用する事業です。

一方、中小企業事業も日本政策金融公庫の事業で、資本金が1,000万円以上の中小企業へ融資を行っています。主に有担保での融資が中心です。

どちらへ相談する必要があるかわからない場合は、まず国民生活事業で相談しましょう。

③返済期間

返済期間は、設備資金と運転資金で異なります。設備資金の場合20年以内、運転資金は7年以内です。両方に据置期間を2年設定できます。

据置期間は、利息だけを支払い続けるだけの期間のこと。終了すれば利息と元本の支払いが始まりますから覚えておきましょう。例としては、据置期間を1年設けた場合、2年目からは利息と元本の支払いです。

日本政策金融公庫の据置期間は2年以内なら自由に設定できるため、事業状況や資金繰りを考えて設定しましょう。

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7. 2020年から後継者に個人保証を求めない法案が施行される可能性

2020年から後継者に個人保証を求めない法案が施行される可能性

2019年5月に、政府は中小企業の事業承継を促進するため、後継者に個人保証を求めない枠組みを整えることを発表しました。2020年4月1日から取り組みが始まっています。

新たな枠組みでは、中小企業への融資を目的としている政府系金融機関の商工組合中央金庫だと、条件を満たせば無保証で融資を受けられます。また、政府は民間の金融機関に対しても個人保証に頼らない融資を行えるよう要請できるのです。

この取り組みによって、さらに中小企業は事業承継に踏み切りやすくなるでしょう。

8. 返済なしの事業承継補助金とは

返済なしの事業承継補助金とは

事業承継における融資について解説してきました。事業承継の資金繰りをサポートする制度には、融資制度以外に補助金制度も設けられています。中小企業が事業承継の際に受け取れる補助金は、「事業承継補助金」といいます。

事業承継補助金は1年に1度の募集があり、最大支給額は600万円です。融資と異なり、返済しなくても良いことがメリットとされています。

ただし、誰もが補助金を受け取れるわけではありません。応募しても落選することもあります。それでも採択率は年々上昇しており、補助金を受け取りやすくなっている現状です。

募集が始まった2017年度は、応募総数517社の内65社しか補助金を受け取れませんでした。補助金の総額は11億円と高額ですが、採択率はそのうちのたった約13%だったのです。

しかし、2018年度の募集では全481社の内374社が補助金を受け取れました。その年の採択率は約78%まで急上昇したのです。さらに2018年度は二次募集も行われ、273社の内224社が補助金を獲得しました。その採択率は約82%となっています。

今では補助金の総額は50億円となり、多くの企業が補助金を利用して事業承継を行えるようになりました。

しかし、事業承継補助金はそもそも5カ年計画として始まったもので、数年後で打ち切られる可能性もなきにしもあらず。事業承継を考えているなら、事前に中小企業庁のサイトをチェックしておくと安心でしょう。

9. 事業承継補助金を受け取るには?

事業承継補助金を受け取るには?

事業承継補助金を受け取るために、今一度制度の仕組みを確認しましょう。
 

  1. 事業承継補助金における2つのタイプ
  2. 認定支援機関の確認書が必要
  3. 支給される補助金額の決まり方
  4. 補助金を受け取るまでの流れ

事業承継補助金について順番に説明します。ぜひ参考にしてください。

①事業承継補助金における2つのタイプ

事業承継補助金には、次の2種類があります。
 

  • 後継者承継支援型(Ⅰ型)
  • 事業再編・事業統合支援型(Ⅱ型)

それぞれ詳しく確認しましょう。

後継者承継支援型(Ⅰ型)

後継者承継支援型(Ⅰ型)とは、中小企業の経営者の交代をきっかけに、新規の取り組みに用いる経費を補助するというタイプです。

後継者が経営者になってから行う取り組みへの補助金であるため、ただ単に事業承継をして経営者が代わっただけでは補助金は出ません。

新しい取り組みとは、具体的には新商品の開発や新規店舗の出店など、事業を活性化させる取り組みをさします。新店舗を出す場合の賃料や設備費、内装費などがその対象です。

事業再編・事業統合支援型(Ⅱ型)

事業再編・事業統合支援型(Ⅱ型)とは、事業再編・事業統合を契機に、新規の取り組みを行うための経費を補助するタイプです。

先にご紹介した後継者承継支援型と異なる点は、新しい取り組みを行うきっかけが経営者の交代ではないことです。経営者はそのままでも、M&Aによって事業合併や分割をしたタイミングで新規取り組みをすると、補助金が受け取れるようになります。

新しい取り組みについては、後継者承継支援型と同じく新商品の開発や新規店舗の出店などが対象となります。

②認定支援機関の確認書が必要

事業承継補助金を申請は、税理士など専門家へ依頼をしましょう。なぜなら、補助金の申請書に経済産業省から認定を受けた税理士などによって作成された確認書を添付する必要があるからです。

経済産業省から認定を受けた機関を「認定支援機関」といいます。認定支援機関は、中小企業庁が地域別で一覧を公表しているので、事前に確認してください。全国に35,537の機関がある(2020年4月24日現在)ため、最寄りの認定支援機関を見つけておきましょう。

③支給される補助金額の決まり方

支給される補助金の金額は、申請した活用法により異なります。ただし、どのような新規取り組みをするにしても、新規の取り組みの全額を支給されることはありません。かかる費用の半分、または3分の2が補助金として支給されます。

補助率がどちらになるかは、応募するタイプと事業の規模や審査結果の順位によって決まっています。
 

タイプ 事業規模または審査順位 補助率 補助金額の範囲
後継者承継支援型

・小規模事業者

・従業員数が小規模事業者と同じ規模の個人事業主

3分の2位内 100万円~200万円
小規模事業者以外 2分の1位内 100万円~150万円
事業再編・事業統合支援型 審査結果上位 3分の2位内 100万円~600万円
審査結果上位以外 2分の1位内 100万円~450万円

例えば、補助率が2分の1の場合、100万円の費用が必要なら50万円が補助金として支給されます。補助金は新規取り組みのために交付されるため、それにまつわる在庫処分費や解体費などは、別途支給される仕組みです。

補助金制度のどの部分に当てはまるか、しっかり要件を確認して、受け取れる補助金額を計算しておきましょう。

④補助金を受け取るまでの流れ

事業承継補助金を受け取るまでの流れについて、7つに分けて説明します。
 

  • 事業承継補助金を理解する
  • 新しい取り組みについて考える
  • 認定支援機関による確認書を取得する
  • 申請のために書類などを準備する
  • 交付申請をする
  • 新しい取り組みを実施する
  • 補助金を受け取る

事業承継補助金を理解する

まず、事業承継補助金の募集要項をしっかりと読み、内容を事前に理解しておきましょう。もし、申請内容が条件に合わなければ、補助金を受け取れないからです

申請できる内容、申請書の書き方、申請する場所、申請に必要な書類、受け取れる補助金の計算など、前もって確認しておきましょう。

新しい取り組みについて考える

事業承継補助金を受け取るには、新規の取り組みを進める必要があります。どのようなことを新規で始めるか、じっくりと考えましょう。

新しい取り組みの一例として、新しい商品の開発や新しい店舗の出店、新規の設備導入など幅広く含まれます。ただし、現在ある資金でできることでなければ補助金は受け取れません。なぜなら、補助金は新しい取り組みを行った後に交付される仕組みなのです。資金がつきてしまっては継続が困難になります。

総じて事業の活性化につながるような取り組みを考えましょう。

認定支援機関による確認書を取得する

新規の取り組みの内容が決まったら、認定支援機関で確認書を取得しましょう。確認書がなければ、事業承継補助金の申請ができないので忘れずに行いましょう。

事業承継補助金募集サイトから認定支援機関の確認書をダウンロードしてきて、近くの認定支援機関に依頼すると確認書を作ってもらえます。

申請のために書類などを準備する

事業承継補助金の申請に備え、準備を進めましょう。申請書以外にも、次のような書類が必要です。
 

  • 補足説明資料
  • 住民票
  • 認定支援機関の確認書
  • 申請資格を有していることを証明する後継者の書類

他にも、法人なら履歴事項全部証明書や直近の確定申告書、個人事業主なら所得税青色申告決算書の写しと確定申告書など、申請者によって必要なものが異なります。事前にしっかり確認をして、漏れのないよう揃えましょう。

交付申請をする

書類が揃ったら交付申請をします。申請は原則電子申請です。

事業承継補助金の募集サイトにて申請マイページを開設したら、必要事項を入力します。書類はデータにして添付しましょう。

最後に申請内容を確認し、交付申請はこれで完了です。審査が行われた後、申請マイページを通じて採否結果の通知が届きます。

新しい取り組みを実施する

事業承継補助金の交付が決定したら、いよいよ新規取り組みの実施に移ります。補助金は新規取り組みが完了した後、30日以内に報告書を提出したのちに支払われる仕組みです。

補助金交付決定後に新規取り組みの期間や内容を変更したい場合は、申請マイページから承認を得る必要があります。また、新規取り組みの進行状況についての報告も適宜必要となってきます。

補助金を受け取る

新規の取り組みが完了した後、報告を終えたら事業承継補助金を受け取れます。補助金を受け取った後も、5年間は収益状況を報告する義務があります。

また、新規の取り組みにおいて一定以上の収益があったと認められた場合、補助金で受け取った額を上限として収益の一部を納付する必要があるので気をつけておきましょう。

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10. 事業承継についてお悩みなら専門家に相談を!

事業承継についてお悩みなら専門家に相談を!

事業承継における融資や補助金を解説しました。「でも、事業承継の手順や融資について不安がある」という人も多いでしょう。事業承継について不安があるなら、専門家に相談しましょう。

事業承継の相談に乗ってくれる専門家には、主に次の3つがあります。
 

  1. 銀行・商工会議所
  2. 弁護士・税理士・会計士事務所
  3. M&A仲介会社

専門家の中でも、M&A仲介会社をおすすめします。なぜなら、事業承継についてさまざまな案件を取り扱っているからです。融資や補助金以外にも、事業承継に関する疑問に答えてくれ、不安を解消してくれるでしょう。

M&A仲介会社の中でも、以下のポイントを押さえているM&A仲介会社が良いでしょう。
 

  1. 相談料は無料である
  2. 専門家が在籍している

なぜこれら2つのポイントが重要か説明します。

①相談料は無料である

相談料は無料のM&A仲介会社が多いですが、無料でない場合は5,000円~10,000円ほどかかります。

料金がかかるからといって、特別なことはありません。反対に無料であるから、手抜きで話を聞くというわけでもないため、相談料は無料のところを選びましょう

②専門家が在籍している

社内にアドバイザーが在籍しているかどうかは、相談料より重要になります。なぜなら、アドバイザーが社内にいることで税務や法律など専門的な分野で話を聞けるからです。

もし社内にアドバイザーがいなければ、専門的な疑問に対してすぐ回答を得られない可能性があります。そのため、社内にアドバイザーが在籍しているM&A仲介会社を選びましょう

M&A仲介会社ならM&A総合研究所にご相談を!

M&A株式会社

出典:https://masouken.com/lp01

相談無料で相談に乗ってくれるM&A仲介会社は、M&A総合研究所です。事業承継に詳しいアドバイザーが在籍しておりますので、融資や補助金の疑問についてもしっかりお答えします。

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11. まとめ

まとめ

事業承継の資金繰りにお困りなら、政府が行っている融資制度や補助金制度の利用を考えてみましょう。条件を満たせば、個人保証を解除できたり、補助金を受け取れたりします。

今回ご紹介した制度は、次の2つです。
 

  1. 事業承継における融資・保証制度(事業承継・集約・活性化支援資金)
  2. 事業承継補助金制度

政府が行っている制度のため、安心して利用できるでしょう。それでも融資や補助金、事業承継全体について不安があるなら、M&A総合研究所にご相談ください

事業承継に詳しいアドバイザーが、親身になって疑問にお答えします。相談は無料です。お気軽にお問合せください。

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