事業承継における融資・保証・補助金の制度について徹底解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

事業承継の資金繰りについてお悩みなら、国の融資や補助金の制度を利用しましょう。事業承継における融資・保証制度や事業承継補助金について、詳しく説明しています。どのような条件で融資・補助金を受けられるか、個人保証を解除できるか、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. 事業承継をすると個人保証を引き継がなければならない
  2. 事業承継をするときに必要な資金とは
  3. 事業承継における融資・保証制度を利用するメリット
  4. 中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を受けるには?
  5. 事業承継における融資の利用条件
  6. 2020年から後継者に個人保証を求めない法案が施行される可能性
  7. 返済なしの事業承継補助金とは
  8. 事業承継補助金を受け取るには?
  9. 事業承継についてお悩みなら専門家に相談を!
  10. まとめ
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1. 事業承継をすると個人保証を引き継がなければならない

事業承継をすると個人保証を引き継がなければならない

会社を引き継ぐ際に、経営者個人の債務や保証も引き継ぐ必要があります。

中小企業が銀行から資金を借りる場合、経営者が連帯保証人になることが一般的です。理由は、次の3つにあります。
 

  • 会社の経営が経営者の意思であることを反映させているから
  • 会社の借入金を経営者に持ち逃げさせないため
  • 返済が滞った際の担保にするため

経営者は、会社のお金を自由に使用できます。すると会社名義の借入金を個人の用途に使ってしまう場合があるのです。最悪、会社名義で借りたお金を経営者が持ち逃げしてしまうこともあります。

また、会社の利益がなくて返済が滞った際も、個人資産がある場合は返済してもらえるよう担保的な意味で経営者を連帯保証人にするのです。このような理由から、会社への融資=経営者個人への融資と考えられており、経営者は個人保証を負うこととなります。

そのため事業承継をする際、後継者が経営者となるには前経営者の個人保証を引き継ぐ必要があるのです。

1-1.個人保証を引き継がなくて良いケース

個人保証の引き継ぎは、後継者にとって大きな負担となります。しかし、一定の条件を満たせば、金融機関が保証契約の解除に応じてくれる可能性があるのです。

個人保証の解除については、平成25年に公表された「経営者保証に関するガイドライン」に記載されています。経営者保証に関するガイドラインとは、経営者の保証を解消し、思い切った事業展開や早期事業再生などを応援するために政府が金融機関に示した指針です。

経営者保証に関するガイドラインでは、経営者の個人保証について次のような場合は、個人保証を解除できる可能性があるとしています。
 

  • 法人と個人が明確に分離されている場合
  • 適切な範囲を超える借入でない場合
  • 適時適切な情報開示を行えた場合

実際に、事業資産が全て法人所有であったり、財務資料の提出をスムーズに行ったりした場合、経営者の個人保証を解除してもらい、さらに新しい経営者から個人保証を求められなかったという事例もあるのです。

中小企業の資金調達を円滑にするため、金融庁は金融機関に対し経営者保証に関するガイドラインの積極的な活用を勧めています。ただし、経営者保証に関するガイドラインに法的拘束力はないため、金融機関の裁量に任せられていることが現状です。

経営者保証に関するガイドラインに沿って個人保証を解除できるかは、借入している金融機関や専門家に相談してみてください。

事業承継の専門家であるM&A総合研究所でも、無料相談を受け付けています。ぜひお気軽にご相談ください。

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2. 事業承継をするときに必要な資金とは

事業承継をするときに必要な資金とは

事業承継をする際、ある程度の資金が必要です。資金を個人で用意できない場合は、金融機関から借りる必要があります。事業承継に想定される必要な資金は、次の通りです。
 

  • 他の相続人や役員へ分散した自社株式・事業資産を買い取るための資金
  • 相続税や贈与税を納税するための資金
  • 事業承継前後で会社を整備するための資金

このように、事業承継には多額の費用がかかります。事業の規模にもよりますが、数百万円~数千万円の資金が必要なのです。

資金調達は、後継者だけでなく現在の経営者と協力して行います。しかし、経営者であっても数百万円の資金を調達するのは難しいです。そこで、政府が実施している事業承継のための融資制度を利用しましょう。

3. 事業承継における融資・保証制度を利用するメリット

事業承継における融資・保証制度を利用するメリット

中小企業庁は中小企業の事業承継を支援しており、「事業承継における融資・保証制度」を用意しています。

事業承継における融資・保証制度とは、自社株の買い取りや税金の資金など事業承継で必要な資金の融資が受けられる制度です。中小企業庁が行っているため、安心で信頼できる制度となります。

事業承継における融資・保証制度を受けるメリットは、次の2つです。
 

  1. 低利で融資を受けられる
  2. 信用保証を拡大できる

順番に詳しく説明します。

メリット1.低利で融資を受けられる

事業承継における融資・保証制度を利用すると、低利で融資を受けられます。たとえば、融資期間5年の場合、通常1.21%の利率が0.81%で融資してもらえるのです。(平成29年の場合。※正しい利率は金融機関に問い合わせましょう)

ただし融資が受けられるのは、次のような場合に限られます。
 

  1. 会社または個人事業主が、後継者不在などにより事業を継続できない会社から、 事業や株式の譲渡などにより事業を承継する場合
  2. 会社が株主から自社株式や事業資産を買い取る場合
  3. 後継者である個人事業主が、事業資産を買い取る場合
  4. 中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を受けた会社の代表者個人が、自社株式や事業資産の買い取りや、相続税や贈与税の納税などを行う場合

4番の中小企業経営承継円滑化法とは、中小企業が事業承継を円滑に進めるための法律です。中小企業経営承継円滑化法に基づく認定については、次の章「4.中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を受けるには?」で説明します。

メリット2.信用保証を拡大できる

事業承継における融資・保証制度なら、事業承継に関する資金を金融機関から借り入れる場合に、信用保証協会の通常の保証枠とは別に、保証枠を使用できます。

通常の保証枠は、次のようになっています。
 

  • 普通保証:2億円
  • 無担保保証:8,000万円
  • 特別小口保証:1,250万円

事業承継における融資・保証制度を利用すると、上記の保証枠に加えて同等の保証枠を利用できるのです。つまり、それぞれ以下のようになります。
 

  • 普通保証:2億円(通常枠)+2億円(別枠)
  • 無担保保証:8,000万円(通常枠)+8,000万円(別枠)
  • 特別小口保証:1,250万円(通常枠)+1,250万円(別枠)

ただし、利用できるのは中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を得た会社および個人事業主になります。中小企業経営承継円滑化法に基づく認定については、次の章「4.中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を受けるには?」で確認しましょう。

4. 中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を受けるには?

中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を受けるには?

事業承継における融資・保証制度を利用するには、中小企業経営承継円滑化法に基づく認定を受けなければならないケースがあります。中小企業経営承継円滑化法とは、中小企業が事業承継を円滑に進めるための法律です。

中小企業経営承継円滑化法は、3つの支援をしています。
 

  1. 税制支援(贈与税・相続税の納税猶予および免除制度)
  2. 金融支援(中小企業信用保険法の特例、日本政策金融公庫法等の特例)
  3. 遺留分に関する民法の特例

事業承継における融資・保証制度で必要な中小企業経営承継円滑化法の認定に関わっているのは、「金融支援」です。金融支援で得られるお金を「事業承継・集約・活性化支援資金」と呼び、日本政策金融公庫から融資されます。

どのように認定を受けるかの前に、まずは中小企業経営承継円滑化法が制定された目的について確認しましょう。

4-1.中小企業経営承継円滑化法の目的

中小企業経営承継円滑化法は、平成20年に中小企業の事業承継を支援するために成立した法律です。平成30年の税制改正において、中小企業経営承継円滑化法の内容が大きく改正されることとなりました。

平成30年に改正された理由は、主に次の3つです。
 

  1. 親族以外への事業承継を円滑に行うことができるようにするため
  2. 中小企業の事業承継のサポートを強化するため
  3. 小規模企業共済法の一部改正による事業承継をさらに円滑にするため

これまで日本では、親族に事業承継することが9割を占めていました。しかし近年では、親族以外に事業承継する企業が増えてきたのです。そのため親族以外への事業承継を円滑に行えるよう、法改正が行われました。

また、中小企業における事業承継のサポートを金銭面で強化して、さらに事業承継しやすくしたのです。他にも小規模企業共済法を改正して、親族への事業承継も廃業と同額の共済金を支給できるようになりました。

このような法改正は、中小企業に廃業より事業承継を選択してもらうために行われています。日本企業の約9割が中小企業で、その多くが後継者問題に直面しているのです。中小企業が廃業すると国力が落ちることとなるため、政府は中小企業の廃業に対して今後も法改正など対策を行うでしょう。

中小企業経営承継円滑化法については、『中小企業庁「経営承継円滑化法」改正!事業承継の法律相談のオススメは?』でも説明しています。ぜひ参考にしてください。

4-2.中小企業経営承継円滑化法に基づく認定に必要なもの

中小企業経営承継円滑化法の認定を受けるために、様々な申請書や証明書が必要です。必要書類は自治体により異なるため、必ず自治体の担当課に問い合わせてください。ここでは参考までに、想定される必要な書類を記載します。
 

  • 認定申請書
  • 認定申請書の写し
  • 認定申請時点の従業員数の証明書
  • 登記事項全部証明書
  • 定款の写し
  • 決算関係の書類
  • 上場企業に該当しない旨の誓約書

認定申請書は、中小企業庁のサイトからダウンロードでじきます。事業承継を行うこととなった原因などを認定申請書に記載します。書き方が分からない場合も分かる箇所だけでも記入して持っていくと、担当者がスムーズに対応してくれるでしょう。

4-3.自治体の相談窓口

中小企業経営承継円滑化法の認定申請窓口は、都道府県によって異なります。平成29年時点で公開されている問い合わせ先は以下の通りです。
 

都道府県 担当課
北海道 経済部地域経済局 中⼩企業課
⻘森県 商⼯労働部 地域産業課
岩手県 商⼯労働観光部 経営⽀援課
宮城県 経済商⼯観光部 中⼩企業⽀援室
秋田県 産業労働部 産業政策課
山形県 商⼯労働部 中⼩企業振興課
福島県 商⼯労働部 経営⾦融課
茨城県 商⼯労働観光部 中⼩企業課
栃木県 産業労働観光部 経営⽀援課
群馬県 産業経済部 商政課
埼玉県 産業労働部 産業⽀援課
千葉県 商⼯労働部 経営⽀援課
東京都 産業労働局 ⾦融部 ⾦融課⾦融調査担当
神奈川県 産業労働局 中⼩企業部 中⼩企業⽀援課
新潟県 産業労働観光部 産業政策課 産業⾦融室
富山県 商⼯労働部 経営⽀援課
石川県 商⼯労働部 経営⽀援課
山梨県 産業労働部 商業振興⾦融課
長野県 産業労働部 産業⽴地・経営⽀援課
岐阜県 商⼯労働部 商業・⾦融課
静岡県 経済産業部 商⼯業局 経営⽀援課
愛知県 産業労働部 中⼩企業⾦融課
三重県 雇⽤経済部 中⼩企業・サービス産業振興課
福井県 産業労働部 産業政策課
滋賀県 商⼯観光労働部 中⼩企業⽀援課
京都府 商⼯労働観光部 ものづくり振興課
大阪府 商⼯労働部 中⼩企業⽀援室 経営⽀援課
兵庫県 産業労働部 産業振興局 経営商業課
奈良県 産業振興総合センター 創業・経営⽀援部 経営⽀援課
和歌山県 商⼯観光労働部 商⼯労働政策局 商⼯振興課
鳥取県 商⼯労働部 企業⽀援課
島根県 商⼯労働部 中⼩企業課
岡山県 産業労働部 経営⽀援課
広島県 商⼯労働局 経営⾰新課
山口県 商⼯労働部 経営⾦融課
徳島県 商⼯労働観光部 企業⽀援課
香川県 商⼯労働部 経営⽀援課
愛媛県 経済労働部 産業⽀援局経営⽀援課
高知県 商⼯労働部 経営⽀援課
福岡県 商⼯部 中⼩企業振興課
佐賀県 産業労働部 経営⽀援課
長崎県 産業労働部 産業政策課
熊本県 商⼯観光労働部 商⼯労働局 商⼯振興⾦融課(商業分)
商⼯観光労働部 新産業振興局 産業⽀援課(⼯業分)
大分県 商⼯労働部 経営創造・⾦融課
宮崎県 商⼯観光労働部 商⼯政策課 経営⾦融⽀援室
鹿児島県 商⼯労働⽔産部 経営⾦融課
沖縄県 商⼯労働部 中⼩企業⽀援課
情報元:事業承継における融資・保証制度|中小企業庁

事業承継の融資が受けられるか悩む前に、各担当課に中小企業経営承継円滑化法の認定を受けられるか聞いてみましょう。

ただし、上記の課は中小企業経営承継円滑化法の金融支援に対する担当の課です。税制支援、遺留分に関する民法の特例に対する相談窓口は異なります。

5. 事業承継における融資の利用条件

事業承継における融資の利用条件

事業承継における融資を受ける利用条件を確認しましょう。利用条件を3つに分けて解説します。
 

  1. 融資を利用できる人
  2. 融資限度額
  3. 返済期間

それぞれの条件を順番に説明します。しっかり理解して、融資が受けられるか判断しましょう。

5-1.融資を利用できる人

融資を利用できる人は、次のいずれかの条件に該当している人です。
 

  • 安定的な経営権の確保などにより、事業の承継・集約を行う人
  • 中小企業経営承継円滑化法に基づいた認定を受けた中小企業の代表者
  • 事業承継に際し金融機関からの資金調達が困難となっていて、日本政策金融公庫が経営者個人保証を免除する人
  • 現経営者と後継者が共に中期的な事業承継を計画している人
  • 事業の承継・集約を契機に、第二創業を行おうとしている人

該当しない人は、融資を受けられない可能性があります。一度、各自治体の担当課に問い合わせてみましょう。

5-2.融資限度額

融資には限度額があります。国民生活事業の場合7,200万円(運転資金は4,800万円)で、中小企業事業の場合は7億2,000万円(運転資金は4憶8,000万円)です。

国民生活事業と中小企業事業とは、日本政策金融公庫の事業になります。日本政策金融公庫とは、創業する人や中小企業へ様々な制度に応じて実際に融資を行っている会社です。

国民生活事業は、小規模企業や個人事業主を対象とした小口融資を行っています。主に無担保での融資になり、個人で行っている飲食店や工務店などの企業が利用する事業です。

一方、中小企業事業も日本政策金融公庫の事業で、資本金が1,000万円以上の中小企業へ融資を行っています。主に有担保での融資が中心です。

どちらへ相談すべきか分からない場合は、まず国民生活事業で相談しましょう。

5-3.返済期間

返済期間は、設備資金と運転資金で異なります。設備資金の場合20年以内、運転資金は7年以内です。両方に据置期間を2年設定できます。

据置期間とは、利息のみの支払いを行う期間のことです。据置期間が終了した後から、利息と元本の返済が始まります。たとえば、据置期間が1年なら、2年目から利息+元本を支払うのです。

日本政策金融公庫の据置期間は2年以内なら自由に設定できるため、事業状況や資金繰りを考えて設定しましょう。

6. 2020年から後継者に個人保証を求めない法案が施行される可能性

2020年から後継者に個人保証を求めない法案が施行される可能性

2019年5月に、政府は中小企業の事業承継を促進するため、後継者に個人保証を求めない枠組みを整えることを発表しました。2020年から実行される方針です。

新たな枠組みでは、中小企業への融資を目的としている政府系金融機関の商工組合中央金庫だと、条件を満たせば無保証で融資を受けられます。また、政府は民間の金融機関に対しても個人保証に頼らない融資を行えるよう要請する見込みです。

実際に2020年に実行されれば、さらに中小企業は事業承継に踏み切りやすくなるでしょう。

7. 返済なしの事業承継補助金とは

返済なしの事業承継補助金とは

事業承継における融資について、解説してきました。事業承継の資金繰りを支援する制度には、融資制度以外に補助金制度もあります。中小企業が事業承継の際に受け取れる補助金は、「事業承継補助金」です。

事業承継補助金は、1年に1度募集され、最大600万円が支給されます。融資と違って、返済しなくても良いことがメリットです。

ただし、誰でも補助金を受け取れるわけではなく、応募しても落選することもあります。それでも採択率は年々上昇していて、補助金を受け取りやすくなっているのです。

初めて募集された平成29年度では、応募総数517社のうち65社しか補助金を受け取れませんでした。補助金の総額は11億円と高額ですが、採択率は約13%です。

しかし、平成30年度の募集では481社のうち374社が補助金を受け取りました。採択率では約78%まで急上昇したのです。さらに、平成30年度は2次募集もあり、273社のうち224社が補助金を獲得しました。採択率は約82%です。

補助金の総額は50億円となり、多くの企業が事業承継を行えるようになりました。

しかし、事業承継補助金は5ヶ年計画として始まっています。そのため、数年後打ち切られる可能性もあるので、事業承継を考えている人は中小企業庁のサイトをチェックしておきましょう。

8. 事業承継補助金を受け取るには?

事業承継補助金を受け取るには?

事業承継補助金を受け取るためには、制度の仕組みを確認しましょう。
 

  1. 事業承継補助金における2つのタイプ
  2. 認定支援機関の確認書が必要
  3. 支給される補助金額の決まり方
  4. 補助金を受け取るまでの流れ

事業承継補助金について、順番に説明します。ぜひ参考にしてください。

8-1.事業承継補助金における2つのタイプ

事業承継補助金には、次の2種類あります。
 

  1. 後継者承継支援型(Ⅰ型)
  2. 事業再編・事業統合支援型(Ⅱ型)

それぞれ詳しく確認しましょう。

後継者承継支援型(Ⅰ型)

後継者承継支援型(Ⅰ型)とは、中小企業の経営者が交代することをきっかけに、新しい取り組みをするための経費を補助するというものです。

後継者が経営者なってから行う取り組みへの補助金であって、ただ単に事業承継して経営者が代わっただけだと補助金を受け取れません。

新しい取り組みとは、新商品の開発、新規店舗の出店など事業を活性化させる取り組みです。たとえば、新店舗を出す場合の賃料、内装費、設備費などが対象となります。

事業再編・事業統合支援型(Ⅱ型)

事業再編・事業統合支援型(Ⅱ型)とは、事業再編や事業統合を契機に、新しい取り組みを行うための経費を補助するタイプです。

後継者承継支援型と異なることは、新しい取り組みを行うきっかけが経営者の交代でない点になります。経営者はそのままでも、M&Aによって事業の合併や分割をした際に新しい取り組みをすると補助金を受け取れるのです。

新しい取り組みについては、後継者承継支援型と変わらず新商品の開発、新規店舗の出店などが対象となります。

8-2.認定支援機関の確認書が必要

事業承継補助金を申請するためには、税理士など専門家への依頼をしましょう。なぜなら、補助金の申請書に経済産業省から認定を受けた税理士などによって作成された確認書を添付しなければならないからです。

経済産業省から認定を受けた機関を、認定支援機関と言います。認定支援機関は、中小企業庁が地域別で一覧を公表しているため確認してください。33,683機関もあるため、近くの認定支援機関を見つけられるでしょう。

8-3.支給される補助金額の決まり方

支給される補助金の金額は、申請した活用法により異なります。ただし、どのような新しい取り組みをするにしても、新しい取り組みにかかる全額を支給されることはありません。新しい取り組みにかかる費用の2分の1または3分の2が、補助金として支給されます。

補助率がどちらになるかは、応募するタイプと事業の規模や審査結果の順位によって決まるのです。

タイプ 事業規模または審査順位 補助率 補助金額の範囲
後継者承継支援型

・小規模事業者

・従業員数が小規模事業者と同じ規模の個人事業主

3分の2位内 100万円~200万円
小規模事業者以外 2分の1位内 100万円~150万円
事業再編・事業統合支援型 審査結果上位 3分の2位内 100万円~600万円
審査結果上位以外 2分の1位内 100万円~450万円

たとえば、補助率が2分の1の場合100万円かかる取り組みなら50万円が支給されます。補助金は新しい取り組みのために交付されるため、新しい取り組みのための在庫処分費や解体費などは、別途支給される仕組みです。

補助金制度のどの部分に当てはまるか、しっかり要件を確認して受け取れる補助金額を計算しましょう。

8-4.補助金を受け取るまでの流れ

事業承継補助金を受け取るまでの流れについて、7つに分けて説明します。
 

  1. 事業承継補助金の理解する
  2. 新しい取り組みについて考える
  3. 認定支援機関による確認書を取得する
  4. 申請のために書類などを準備する
  5. 交付申請をする
  6. 新しい取り組みを実施する
  7. 補助金を受け取る

順番に確認しましょう。

流れ1.事業承継補助金の理解する

まず、事業承継補助金の募集要項をしっかりと読んで、理解してください。もし、申請内容が条件に合わなければ、補助金を受け取れません。

申請できる取り組み、申請書の書き方、申請場所、申請に必要なもの、受け取れる補助金の計算など確認しておきましょう。

流れ2.新しい取り組みについて考える

事業承継補助金を受け取るには、新しい取り組みをしなければなりません。新しい取り組みについて、どのようなことをするか考えましょう。

新しい取り組みは、新しい商品の開発、新しい店舗の出店、新しい設備の導入など幅広く含まれます。ただし、現在の資金で実行できることでなければ、補助金を受け取れません。なぜなら、補助金は新しい取り組みを行った後に交付されるからです。

事業の活性化に繋がる取り組みを考えましょう。

流れ3.認定支援機関による確認書を取得する

新しい取り組みが決まれば、認定支援機関による確認書を取得しましょう。確認書がなければ、事業承継補助金の申請ができません。

事業承継補助金募集サイトから、認定支援機関による確認書をダウンロードし、近くの認定支援機関に依頼すると確認書を作成してもらえます。

流れ4.申請のために書類などを準備する

事業承継補助金の申請のため、準備をしましょう。申請書以外にも、次のような書類が必要です。
 

  • 補足説明資料
  • 住民票
  • 認定支援機関の確認書
  • 申請資格を有していることを証明する後継者の書類

他にも法人なら直近の確定申告書や履歴事項全部証明書など、個人事業主なら確定申告書と所得税青色申告決算書の写しなど、申請者によって必要なものが異なります。しっかり確認して、揃えましょう。

流れ5.交付申請をする

書類が揃ったら、交付申請をします。申請は、原則電子申請です。

事業承継補助金の募集サイトから申請マイページを開設し、必要事項を入力します。書類はファイルにして添付しましょう。

最後に申請内容を確認して、交付申請は完了です。審査が行われたあと、申請マイページを通じて、採否結果の通知があります。

流れ6.新しい取り組みを実施する

事業承継補助金の交付が決定したら、新しい取り組みを実施しましょう。補助金は新しい取り組み完了後、30日以内に報告書を提出してから支払われます。

補助金交付決定後に新しい取り組みの内容や期間を変更したい場合は、申請マイページを通じて承認を受けなければなりません。また、新しい取り組みの進行状況についての報告も、適宜報告する必要があります。

流れ7.補助金を受け取る

新しい取り組みが完了した後に、報告をしてから事業承継補助金を受け取れます。補助金を受け取った後も、5年間は収益状況を報告しなければなりません。

また、新しい取り組みにおいて一定以上の収益があったと認められると、補助金で受け取った額を上限として収益の一部を納付する必要があります。

9. 事業承継についてお悩みなら専門家に相談を!

事業承継についてお悩みなら専門家に相談を!

事業承継における融資や補助金を解説しました。「でも、事業承継の手順や融資について不安がある」という人も多いでしょう。事業承継について不安があるなら、専門家に相談しましょう。

事業承継の相談にのってくれる専門家には、主に次の3つがあります。
 

  1. 銀行・商工会議所
  2. 弁護士・税理士・会計士事務所
  3. M&A仲介会社

専門家の中でも、M&A仲介会社をおすすめします。なぜなら、事業承継について様々な案件を取り扱っているからです。融資や補助金以外にも、事業承継に関する疑問に答えてくれ、不安を解消してくれるでしょう。

M&A仲介会社の中でも、以下のポイントを押さえているM&A仲介会社が良いです。
 

  1. 相談料は無料である
  2. 専門家が在籍している

なぜこれら2つのポイントが重要か説明します。

①相談料は無料である

相談料は無料のM&A仲介会社が多いですが、無料でない場合は5,000円~10,000円ほどかかります。

料金がかかるからといって、特別なことはありません。反対に無料であるから、手抜きで話を聞くというわけでもないため、相談料は無料のところを選びましょう。

②専門家が在籍している

社内に会計士や弁護士などの専門家が在籍しているかどうかは、相談料より重要になります。なぜなら、専門家が社内にいることで税務や法律など専門的な分野で話を聞けるからです。

もし社内に専門家がいなければ、専門的な疑問に対してすぐ回答を得られない可能性があります。そのため、社内に専門家が在籍しているM&A仲介会社を選びましょう。

M&A仲介会社ならM&A総合研究所にご相談を!

相談無料で会計士が直接相談にのってくれるM&A仲介会社は、M&A総合研究所です。事業承継に詳しい会計士が相談にのってくれるため、融資や補助金の疑問についてもしっかり答えてくれます。

ぜひお気軽にご相談ください。

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10. まとめ

事業承継における融資・保証のまとめ

事業承継の資金繰りにお困りなら、政府が行っている融資制度や補助金制度の利用を考えてみましょう。条件を満たせば、個人保証を解除できたり、補助金を受け取れたりします。

今回ご紹介した制度は、次の2つです。
 

  • 事業承継における融資・保証制度(事業承継・集約・活性化支援資金)
  • 事業承継補助金制度

政府が行っている制度のため、安心して利用できるでしょう。それでも融資や補助金、事業承継全体について不安があるなら、M&A総合研究所にご相談ください。

事業承継に詳しい会計士が、疑問に答えます。相談は無料です。お気軽にお問合せください。

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