事業承継の基礎まとめ!知識や実務は何がある?

企業情報第二部 部長
向井 崇

銀行系M&A仲介・アドバイザリー会社にて、上場企業から中小企業まで業種問わず20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、不動産業、建設・設備工事業、運送業を始め、幅広い業種のM&A・事業承継に対応。

後継者への事業承継を検討していても、基礎的な知識がなければ実行に移すのはなかなか難しいでしょう。本記事では、事業承継の流れや実務、メリット・デメリットなど、事業承継に関して知っておきたい基礎的な知識を解説するので参考にしてください。

目次

  1. 事業承継とは
  2. 事業承継に関する基礎知識
  3. M&Aによる事業承継は政府も推進
  4. M&Aによる事業承継のメリット・デメリット
  5. 事業承継の注意点
  6. 事業承継の基礎的な実務解説
  7. M&Aによる事業承継の実務・流れ
  8. M&Aによる事業承継を成功させるには
  9. 事業承継の基礎まとめ
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1. 事業承継とは

事業承継とは

事業承継とは、会社や個人事業を新しい経営者に譲り渡し、経営権や事業資産の引き継ぎを行うことです。経営者が高齢になって引退する際に行われることが多いですが、若いうちに事業承継できればアーリーリタイアすることも可能です。

近年は中小企業の経営者が高齢化し、事業承継を普及させることが国の課題となっています。団塊世代の経営者が事業承継せず廃業してしまうと、多くのGDPと雇用が失われるでしょう。

【関連】事業承継対策の方法・ポイントとは?必要性や考え方も解説【中小企業必見】| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

2. 事業承継に関する基礎知識

事業承継に関する基礎知識

事業承継を検討しなければならないと思っても、事業承継のことがよくわからず、なかなか進まないケースも多いでしょう。基礎的事項から順に把握していけば、事業承継を理解することは難しくありません。

この章では、後継者の選び方による事業承継の分類や、事業承継でどのような資産が引き継がれるのかといった、事業承継の基礎を解説します。

事業承継が進まない要因

事業承継が進まない要因はいくつか考えられますが、少子化の影響で親族に適切な後継者がいないケースが増えていることも大きいでしょう。

親族に後継者がいない場合はM&Aが有力になりますが、中小企業経営者はM&Aの基礎についてあまり知らないことも多く、認知が進んでいないのも要因といえます。

中小企業経営者は毎日の業務が忙しく、事業承継の準備がどうしても後回しになってしまうのも要因の一つです。

事業承継の手法を解説

事業承継の手法は、誰を後継者にするかによって、親族内事業承継・親族外事業承継・M&Aでの事業承継(事業承継型M&A)に分類されます。

この節では、これら3つの事業承継について基礎的な内容を解説するとともに、廃業や上場といったその他手法も見ていきましょう。

【事業承継の手法】

  • 親族内事業承継
  • 親族外事業承継
  • M&Aでの事業承継(事業承継型M&A)
  • 廃業や上場など、その他の方法

親族内事業承継

親族内事業承継とは、経営者の息子・娘や甥・姪などの親族を後継者にする事業承継です。事業承継の中では最も基礎的な手法で、かつては多くの事業承継が親族内事業承継で行われていました。

現在も親族内事業承継を行う事例は多いですが、以前と比べるとその割合は減少しています。

これは少子化などで親族の数が減少しているのに加え、経営の苦労を子供に味わせたくないといった、経営者における価値観の変化も要因です。

親族外事業承継

親族外事業承継とは、会社の従業員や役員など、親族以外の人物を後継者にする事業承継です。社内の人物だけでなく、社外から後継者を招へいして事業承継することもあります。親族外事業承継は、最近増えています。

M&Aでの事業承継も親族以外を後継者にしますが、親族外事業承継には含めず区別することが多いです。まれにM&Aも含めて親族外事業承継と呼ぶこともあるので、用語の使い方に気をつけましょう。

M&Aでの事業承継(事業承継型M&A)

M&Aを利用して、親族や社員でない人物に事業承継する手段もあります。M&A自体は事業承継以外にもさまざまな目的で使われますが、特に事業承継の目的で行われるM&Aを事業承継型M&Aといいます。

親族内事業承継が減少している現在、M&Aによる事業承継は中小企業存続の有力な手段です。

廃業や上場など、その他の方法

事業承継を行わず、その他における方法で後継者問題の解決もできます。最も基礎的な方法は廃業です。会社はたたみますが、精神的に楽になる点ではある程度メリットもあり、もともと自分の代で会社を廃業する予定の経営者も多いです。

上場は事業承継の手段ではありませんが、市場で株式を売却して現金化したいなどの理由がある場合は、事業承継の一環として上場する選択肢もあります。ただし、上場の基準を満たす企業はごく一部なので、事業承継の基礎的な選択肢に入れられません。

【関連】廃業を回避する方法とは?経営者が講じる戦略、事業承継補助金制度を解説| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

事業承継が引き継ぐもの

事業承継で引き継がれるのは、株式や経営権といった基礎的なものだけでなく、非事業用資産や無形資産といった、事業に直接関係ないものや目に見えないものも含みます

事業承継を行う際は、どのような資産が引き継がれるのか把握しておくことが大切です。

【事業承継が引き継ぐもの】

  • 経営権
  • 株式・非事業用資産などの資産
  • 特許・ブランド・ノウハウ・知識などの無形財産

経営権

事業承継では株式を後継者に譲渡し、経営権を現経営者から後継者へと引き継ぎます。ただし、親族外事業承継の場合は、経営権を現経営者が保持したまま、社長の肩書だけを後継者に譲ることも可能です。

株式・非事業用資産などの資産

事業承継では経営権を後継者に引き継ぐために、現経営者が保有している株式を後継者に譲渡します。株式を譲渡すれば、店舗や設備といった事業用資産も後継者に引き継がれますが、事業譲渡の場合は株式の譲渡はせず、事業用資産自体を後継者に売却するでしょう。

事業承継では基礎的な資産の譲渡に加え、金融資産や遊休資産などの非事業用資産も引き継ぎます。事業譲渡の場合は引き継ぐ資産を選択できるので、不要な非事業用資産を引き継がずに事業承継することも可能です。

特許・ブランド・ノウハウ・知識などの無形財産

事業承継で引き継ぐのは株式や有形資産だけでなく、特許やブランド、ノウハウや知識といった無形資産も含まれます。無形資産は、M&Aで売却価格に大きな影響を及ぼすことがあり、特に買い手とのシナジー効果が見込める場合は、相場よりかなり高い価格で売却できることもあるでしょう。

事業承継の現状

中小企業庁の調査によると、事業承継は後継者が40代以下で行うケースがほとんどで、後継者が20代以下で事業承継したのは全体の約10%、30代が約36%、40代が約35%です。

ほとんどの後継者は、事業承継前に従業員として当該業務に従事した経験があり、全くの未経験で事業承継したのは全体の約5%となっています。

後継者と前経営者の関係は、かつては前経営者の子供が多かったですが、近年はM&Aによる事業承継が増え、後継者の選択肢は多様化しています。

親族内承継と親族外承継の割合が逆転

後継者を確保するのが難しいことなどから、近年は事業承継において親族内承継と親族外承継の割合が逆転している状況です。親族内承継から親族外承継へ、主流が移動しつつあります。

後継者問題を解決するために、第三者承継を検討する経営者は少なくありません。中小企業庁のデータを見ると、以前は親族内承継が90%を占めていましたが、近年は親族外への承継が2/3を占めていることがわかります。

M&Aに対する不十分な認知・理解

「M&Aは大企業が行うもので自社は対象ではない」とか「M&Aを実施すると社員がリストラされるので辛い」など、かつてはM&Aへの誤解が少なくありませんでした。

しかし、「中堅・中小企業のM&Aへの認知や理解が進んでいる」「認知や理解が進んだことにより、友好的なM&Aのメリットを前向きに評価して活用する事業者が増加している」といった要因により、第三者への承継が増加しています。

M&Aで譲渡できる会社は、他社にとって魅力的で社会から必要とされている会社です。会社を廃業する前に、M&Aを選択肢として検討しましょう。

3. M&Aによる事業承継は政府も推進

M&Aによる事業承継は政府も推進

M&Aによる事業承継の普及は国にとって重要な課題となっており、政府がさまざまな政策を打ち出しています。政府が提供するサービスを有効活用すれば、事業承継をスムーズに進められる可能性が高くなるでしょう。

この章では、政府が推進している事業承継の政策について、税制や補助金などの基礎的な事項を解説します。

事業承継の際に活用できる税制・補助金

事業承継はたとえ適切な後継者がいても、手続きの際に発生する相続税や各種費用が払えないケースもあります。こうした場合は、事業承継税制や事業承継・引継ぎ補助金といった制度を使うと、事業承継を実行できるでしょう。

【事業承継の際に活用できる税制・補助金】

  • 事業承継税制
  • 事業承継・引継ぎ補助金

事業承継税制

親族内事業承継で資産を引き継ぐ際にネックとなるのが、相続税や贈与税です。株式を相続・贈与して課税された場合、納税のための現金を別に用意しなければなりません。

事業承継税制とは、一定の条件を満たしたときに、後継者に課せられる相続税・贈与税を猶予または免除できる制度です。事業承継税制は、事業承継を検討している経営者にとって非常に有用な制度ですが、特例承継計画の作成が必要なこと、計画を2023年3月31日までに提出しなければならないことに注意してください。

【関連】中小企業庁による事業承継税制の申請マニュアル!要件、注意点、手続きの流れも解説| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

事業承継・引継ぎ補助金

事業承継やM&Aをきっかけに、経営革新等への挑戦やM&Aによる経営資源の引継ぎ行う中小企業者をサポートする「事業承継・引継ぎ補助金」があります。

M&Aを行う前の段階で、M&A仲介会社などのサポートを受ける専門家活用費用を補助する「専門家活用」類型と、M&Aの後に経営革新のため新事業展開や生産性向上を図るための費用をサポートする「経営革新」類型があります。

申請条件や補助上限額は、年度や類型によって異なるため、しっかり確認しましょう。

【関連】事業承継・引継ぎ補助金とは?採択率や申請書、事例を解説【令和4年度当初予算案】| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

事業承継・引継ぎ支援センターなど公的機関の設置

事業承継・引継ぎ支援センターは、国が各都道府県に設置している、事業承継をサポートするための公的機関です。事業承継を行いたい売り手と買い手をマッチングする「後継者人材バンク」により、事業承継先の選定をサポートします。

相談は基本無料なので、民間のM&A仲介会社に相談するのが不安な場合でも、気軽に相談できるでしょう。

事業承継ガイドラインの改訂

2022年3月に、事業承継ガイドラインが改訂されています。経営者の高齢化はいまだに進み続け、事業承継に取り組む必要性は高いです。新型コロナウイルス感染症が長期化している影響もあり、事業承継が後回しとなるケースもあります。

そのため、よりスムーズな事業承継を進めるために、前回の改訂時から事業承継に関して生じた変化や、新しく認識された課題と対応策などを、最新の事業承継ガイドラインに反映しているのです。

中小M&Aガイドラインの策定

M&Aの知見が不十分な中小企業の経営者は少なくありません。それを改善するために、中小企業向けの手引書が、2020年3月に「中小M&Aガイドライン」として策定されました。

中小M&Aガイドラインには、下記のポイントがあります。

  • M&Aにおける基本的な事項や手数料の目安を示す
  • 支援機関に求められるサポート内容や注意点を明示した行動指針

中小M&A推進計画の策定

中小企業庁は2021年4月に、「中小M&A推進計画」を策定しています。後継者不在や新型コロナウイルス感染症の影響による休廃業が生じないよう、中小企業のM&Aを実現するにはどうすればよいのか、官民がこれから5年間に行うべき取組みが、中小M&A推進計画にまとめてあるのです。

中小M&A推進計画のポイントは、主に下記です。

  • 中小M&Aにおける意義の再定義と潜在的な対象事業者
  • 小規模・超小規模M&Aの円滑化
  • 大規模・中規模M&Aの円滑化
  • 中小M&Aにおける基盤の構築

4. M&Aによる事業承継のメリット・デメリット

M&Aによる事業承継のメリット・デメリット

親族内・親族外・M&Aによる事業承継は、それぞれメリットとデメリットがあります。どのようなメリット・デメリットが生じるかは、個々の事例によって変わる部分もありますが、基礎的な部分は共通しているので、それらを把握しておくと戦略が立てやすいです。

本章では、親族内・親族外・M&Aによる事業承継について、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

親族内事業承継のメリット・デメリット

下表は親族内事業承継の主なメリット・デメリットをまとめたものです。親族に適切な後継者がいて、他の親族や従業員との人間関係が良好であれば、親族内事業承継は非常にメリットが大きいといえるでしょう。

親族内事業承継で特に注意したいのは、親族内における財産の相続です。後継者以外の相続人に配慮して、トラブルを招かないように注意しましょう。

【親族内事業承継のメリット・デメリット】

メリット デメリット
・社内の反発を受けにくい
・後継者教育を行いやすい
・他の親族とトラブルになることがある
・適切な後継者が見つかるとは限らない

他にも、「財産が分散しない」「株価など金銭面の折り合いがつけやすい」といったメリット、「ベテラン従業員のコントロールが簡単ではない」といったデメリットも挙げられます。

親族外事業承継のメリット・デメリット

親族外事業承継の主なメリット・デメリットは、下表にまとめたとおりです。親族外事業承継では後継者が株式を買い取る必要があるので、資金調達がネックになることが多いです。

親族外事業承継の資金調達では、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法がよく使われます。

【親族外事業承継のメリット・デメリット】

メリット デメリット
・引き継ぎを行いやすい
・社外から後継者を招へいできる
・株式取得費用の調達が難しい
・他の社員から反発が起こる可能性がある

他にも、「能力を重視して後継者を選べる」といったメリット、「後継者が引き続き個人保証の債務を負担する」といったデメリットがあります。

M&Aでの事業承継(事業承継型M&A)のメリット・デメリット

M&Aでの事業承継は親族内・親族外事業承継にないメリットがありますが、良い買い手を見つけて成約までこぎつけるのは大変な作業です。コストと時間がかかるだけでなく、本業への支障や精神的負担も大きくなります。

しかし、よい買い手を見つけてシナジー効果を得られれば、自社単独では実現できない大きな事業拡大も目指せるのです。

【M&Aでの事業承継のメリット・デメリット】

メリット デメリット
・幅広い選択肢から後継者を選べる
・シナジー効果が得られる
・売却益が得られる
・買い手が見つかるとは限らない
・仲介手数料などのコストがかかる

他にも、「経営の合理化を図れる」「後継者を育てなくてよい」といったメリット、「M&Aにマイナスのイメージがあると従業員のモチベーションが下がって離職者が生じる可能性」といったデメリットが挙げられます。

5. 事業承継の注意点

事業承継の注意点

事業承継は、多くの中小企業経営者にとって一生に一度のことなので、注意点を押さえて失敗しないように準備する必要があります。この章では、親族内・親族外・M&Aそれぞれの事業承継について、基礎的な注意点を見ていきましょう。

親族内事業承継の注意点

親族内事業承継では、株式などの資産を相続や贈与で引き継ぐので、相続人同士のトラブルが起こらないよう注意する必要があります。

株式の相続は、基本的には後継者に全株式を譲渡しましょう。後継者以外の相続人が株式を譲受して大きな議決権を持つと、経営に口出しされてしまう恐れがあるためです。

親族外事業承継の注意点

親族外事業承継の基礎的な注意点は、株式取得のための資金調達と個人保証の引き継ぎです。親族外事業承継は親族内事業承継と違って相続ができないので、後継者が株式を買い取らなければなりません。しかし、会社の従業員や役員として働いてきた人が、十分な買収資金を個人的に保有していることはまれです。

個人保証の引き継ぎも後継者にとって大きなネックとなります。近年は「事業承継特別保証」など、個人保証を解除できる制度が整っているので、こういった制度を活用するのもおすすめです。

M&Aでの事業承継(事業承継型M&A)の注意点

M&Aでの事業承継で注意したいのは、事業承継後における統合プロセスの失敗を防ぐことです。M&Aによる事業承継は今まで面識のなかった他社が後継者となるので、経営理念や風土などさまざまな点で食い違いが起こります。

従業員のモチベーション低下や離職を招く要因となるので、従業員と基礎的な点からしっかり話し合い、働きやすい環境を作ることが大切です。

6. 事業承継の基礎的な実務解説

事業承継の基礎的な実務解説

事業承継は多くの中小企業経営者にとって経験がないことなので、基礎的な実務がわからないために不安を感じることもあるでしょう。基礎的な実務をあらかじめ理解しておけば、自信を持って事業承継を進められます。

基礎的な実務として特に押さえておきたいのは、事業承継戦略の策定と後継者育成です。この2つをしっかり行うことで、事業承継の成功率を高められます。

事業承継戦略を策定する

事業承継は行き当たりばったりで実行してもうまくいかないので、あらかじめ事業承継戦略を策定する必要があります。

事業承継戦略では、まず自社の現状分析や強み・弱みの洗い出しを行い、買い手にどのように売り込むべきかを明確にしましょう。そして、株式譲渡や事業譲渡などM&A手法の選択を行い、クロージングまでの大まかなスケジュールを作成します。

後継者育成を行う

親族内・親族外事業承継の場合は、事業承継を行う前に数年間かけて後継者育成を行います。後継者教育の方法に決まった正解はありません。例えば、社員としていろいろな部署で仕事を経験させたり、役員として経営に参加させたりすることは、実務経験を積む意味で重要です。

後継者のためのセミナーに参加、他社で経験を積む、などの育成が行われることもあります。

7. M&Aによる事業承継の実務・流れ

M&Aによる事業承継の実務・流れ

M&Aを経験したことがない人にとって、基礎的な実務や流れがわからないことは不安材料です。成約までの基礎的な流れを知れば、安心してM&Aに取り組めるでしょう。

M&Aによる事業承継の基礎的な実務・流れは以下のとおりです。どのM&A戦略でも、この基礎的な流れは共通しています。

【M&Aによる事業承継の実務・流れ】

  1. M&A仲介会社・M&Aの専門家に相談
  2. M&A先の選定・交渉
  3. トップ同士の面談
  4. 基本合意書の締結
  5. 買収側によるデューデリジェンスの実施
  6. 最終契約書の締結
  7. クロージング

①M&A仲介会社・M&Aの専門家に相談

M&Aを行うためには、まずM&A仲介会社などの専門家に相談するのが効果的です。基本的にはM&A仲介会社に相談するのがおすすめですが、事業承継・引継ぎ支援センターや金融機関に相談もできます。

②M&A先の選定・交渉

M&A仲介会社に相談すると、会社の基礎的な内容についてヒアリングや資料作成を行い、どのような買い手と交渉するべきか戦略を立てます。そして、仲介会社が候補となる買い手を何社か選定し、その中から特によさそうな買い手に交渉を持ちかけるのです。

③トップ同士の面談

買い手候補が選定できたら、相手先との交渉がある程度進んだ段階で、経営者同士が実際に会ってトップ面談を行います。トップ面談では売却価格などの基礎的な条件交渉に加えて、相手の人柄や事業への熱意、経営理念など精神的な要素も確認しましょう。

④基本合意書の締結

基本合意書とは、トップ面談によって得られた基礎的な合意内容を記した書面です。基本合意書の締結によって、買い手は売り手に対して独占交渉権を得て、売り手はデューデリジェンスの協力義務が生じます。

⑤買収側によるデューデリジェンスの実施

基本合意書が締結された時点では、買い手は売り手企業について基礎的なことしか知りません。成約した後で売り手企業に重大な問題が発覚すると、その後における経営計画に大きな問題が生じます。

デューデリジェンスとは、売り手企業に問題がないか調査することです。財務や税務、業務内容などについて、税理士や公認会計士などの専門家が詳しく調査します。

【関連】DD(デューデリジェンス)の意味とは?注意点、期間も解説| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

⑥最終契約書の締結

デューデリジェンスの結果を踏まえ、あらためて買い手と売り手が最終交渉を行います。デューデリジェンスで何か問題が見つかれば、売却価格を変更するか、場合によっては交渉が中止になることもあるでしょう。

最終的な契約内容が決まったら、その内容を最終契約書に締結してM&Aが成約します。最終契約書は、法的拘束力があります。契約内容を破れば、損害賠償の対象となるので注意が必要です。

⑦クロージング

最終契約書を締結したら、契約内容を実行に移すクロージングを行います。クロージングで行う手続きは、どのM&A手法を使ったかで大きく変わるのが注意点です。

M&Aの最も基礎的な手法は、株式譲渡と事業譲渡です。株式譲渡では株主総会で承認を得たうえで、株式を後継者に譲渡します。事業譲渡では必要な事業資産を後継者に移転し、従業員の再雇用や許認可の取得などを行います。

【関連】M&Aのクロージングとは?手続き・流れ、期間、必要書類、成功ポイントを解説| M&A・事業承継ならM&A総合研究所

8. M&Aによる事業承継を成功させるには

M&Aによる事業承継を成功させるには

M&Aによる事業承継は、成功するとは限りません。生涯をかけて育ててきた会社を譲り渡すので、成功のポイントをしっかり理解して失敗しないように準備することが大切です。

M&Aによる事業承継を成功させるポイントは、基礎的なものだけでも以下の6つが挙げられます。

【M&Aによる事業承継を成功させるには】

  1. M&A中の情報を漏えいさせない
  2. 事業承継は時間がかかることを理解する
  3. 自社について調査を行い、情報をまとめる
  4. 自社のブラッシュアップを行う
  5. 従業員の流出に注意する
  6. M&Aの専門家に相談する

M&A中の情報を漏えいさせない

M&Aで事業承継をしている事実は、従業員や取引先、融資を受けている金融機関などに漏らさないのが鉄則です。取引先や金融機関は取引や融資の継続に不安を感じ、従業員は解雇されるのではと憶測が走ります。

よい買い手候補が見つかっても、情報が漏えいしたせいで破談になるケースは少なくありません。M&Aの交渉期間中は、ごく一部の役員以外には情報を漏らさないことが大切です。

事業承継は時間がかかることを理解する

M&Aの手続き自体は数カ月から1年程度で終わりますが、後継者教育の期間を含めると、事業承継にかかるトータルの時間はかなり長くなります。

中小企業庁が策定した「事業承継ガイドライン」によると、事業承継の準備期間は5年から10年です。70代で引退する場合、60代で事業承継の準備を始める必要があります。早めに準備を始めることが、事業承継を成功させる重要なポイントです。

自社について調査を行い、情報をまとめる

M&Aで事業承継するためには、買い手に自社を買収したいと思ってもらわなければなりません。本格的なM&Aの手続きに入る前に自社についてあらためて調査を行い、強みや弱みなどの情報をまとめることが必要です。

強みや弱み以外にも、従業員や取引先の名簿といった基礎的な情報もまとめておきます。買い手は自社について何も知らない状態から始まるので、最も基礎的な情報をまとめることは重要です。

自社のブラッシュアップを行う

M&Aで自社を魅力的に見せるために重要なのが、自社のブラッシュアップ(磨き上げ)です。ブラッシュアップというと、売り上げを伸ばしたり負債を整理したりしなければならないと思うかもしれません。そこまで本格的でなく、基礎的なことで十分な磨き上げになります。

例えば、中小企業は会社案内や業務マニュアルなどの基礎的な資料がないことが多いです。ホームページも更新されていなかったりレイアウトが見にくかったりすることもあります。こういった基礎的な資料をきちんと作り直すだけでも、買い手から見た印象はかなりよくなるでしょう。

従業員の流出に注意する

M&Aで買収を行う企業は、売り手企業の経営権や有形資産だけでなく、無形資産も非常に重視します。特に優秀な従業員は事業拡大に不可欠なので、従業員を引き継ぐことを条件に買収を行う企業は多いでしょう。

売り手は、従業員がM&Aによって流出しないように注意しなければなりません。給与などの待遇面や働きやすさなどを配慮し、M&A後も従業員が不満を持たない環境を整えましょう。

M&Aの専門家に相談する

親族内・親族外事業承継と違って、M&Aによる事業承継は買い手を見つけなければならないので、M&A仲介会社に相談して探してもらうのがおすすめです。M&A仲介会社はさまざまな案件を成約させてきた実績があるので、事前のブラッシュアップから交渉、クロージングまでトータルにサポートします。

M&A総合研究所では、経験や知識の豊富なM&Aアドバイザーがクロージングまで案件をフルサポートいたします。料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

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9. 事業承継の基礎まとめ

事業承継の基礎まとめ

本記事では事業承継の基礎的内容について解説しました。事業承継を行う際は、手法や流れなどの基礎をしっかり理解して、慎重に手続きを進めることが大切です。

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