事業承継ローンとは?メリットや注意点、貸付条件・利率などの概要、利用する流れを徹底解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

事業承継ローンとは、日業承継を行うために必要な資金を融資してもらうこと。今回は日本政策金融公庫から事業承継ローンをした場合の手続きの流れやメリットや注意点を詳しく解説。事業承継ローンについての理解を深め、円滑な世代交代に役立てましょう。

目次

  1. 事業承継ローンとは
  2. 事業承継ローンの種類
  3. 事業承継ローンを利用するメリット
  4. 日本政策金融公庫で事業承継ローンを利用するための流れ
  5. 日本政策金融公庫で事業承継ローンを利用できる人の条件
  6. 事業承継ローンを活用するときの注意点
  7. 返済不要の事業承継補助金とは
  8. 事業承継の費用を抑えるなら事業承継税制に詳しくなろう
  9. まとめ
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1. 事業承継ローンとは

事業承継ローンとは

事業承継ローンとは、日業承継を行うために必要な資金を融資してもらうことです。機関によって、「事業承継応援ローン」「事業承継サポートローン」「事業承継支援ローン」などとサービス名は異なります。

なぜ、事業承継ローンが利用されているのかというと、事業承継をしたとき後継者には大きな費用の負担があるからです。事業承継をしようと思うと、どうしてもお金がかかります。たとえば以下のような費用が発生するのです。

  • 贈与税
  • 相続税
  • 株式の買取り資金
  • 登録免許税
  • 不動産取得税
  • 法人税

事業承継の方法によって発生する税金・費用は異なります。いずれにしろ、事業承継をするには数百万円〜数千万円の費用が必要となるケースが多いです。

これらの税金・費用に加え、現在の経営者が借入金の連帯保証人となっているのであれば、それも引き継がなければなりません。このように、多くの場合、事業承継は後継者にとって費用面だけを見ても負担となるのです。

そんなとき、金融機関などの事業承継ローンを利用することで、一時のまとまった出費を補うことができます。もちろん、事業承継ローンは「借り入れ」のため、返さなければなりません。

しかし、事業承継のために必要な資金」だと認められれば、他の借り入れよりも借入期間や利息が優遇されます。借入期間や利息などの条件は、ローンを組む機関やその時の条件によって異なるので注意しましょう。

2. 事業承継ローンの種類

事業承継ローンの種類

事業承継ローンは、以下の大きく2つの種類に分けることができます。

  • 種類1.政府系の事業承継ローン
  • 種類2.金融機関系の事業承継ローン

どのような違いがあるのか確認しましょう。

種類1.政府系の事業承継ローン

事業承継ローンといえば、日本政策金融公庫の実施する「事業承継・集約・活性化支援資金」が有名です。

そもそも、日本政策金融公庫とは、国が100%出資している金融機関のことを指します。起業時の資金調達や、個人事業主・中小企業経営者の資金調達に利用されることが多いです。

日本政策金融公庫の「事業承継・集約・活性化支援資金」を利用するには、さまざまな条件をクリアしなければなりません。しかし、条件が一致すれば、ほかの金融機関よりも良い貸付条件でローンを組める可能性があります。

詳しい日本政策金融公庫の「事業承継・集約・活性化支援資金の利用方法や条件・利率などは
後の章で詳しく説明していきますので参考にしてください。

種類2.金融機関系の事業承継ローン

事業承継ローンは、銀行や信用金庫などでも行っています。金融機関系の事業承継ローンでも、以下のように他の融資と比べると比較的審査が通りやすくなっているようです。

  • 担保や保証人なしOK
  • 不動産購入なら20年以内の融資期間
  • 5年・10年の据え置き期間あり

もちろん、融資金額の限度や返済期間、金利などの条件は金融機関に異なります。

現在、承継予定の法人に出入りしている金融機関の担当者に一度詳しく話を聞いてみることをおすすめします。「今一括で必要」というときには事業承継ローンが助けてくれるでしょう。

3. 事業承継ローンを利用するメリット

事業承継ローンを利用するメリット

事業承継ローンには2つの種類があることを確認しました。どちらの種類であっても、事業承継ローンを利用するメリットはあります。メリットは以下の2つです。

  • メリット1.事業承継で必要な費用をまとめて払わなくて良い
  • メリット2.事業承継をきっかけに新しい挑戦をする資金ができる

2つのメリットを確認しましょう。

メリット1.事業承継で必要な費用をまとめて払わなくて良い

事業承継ローンを活用することで、事業承継で必要な費用をまとめて払わずに済みます。先にも述べたとおり、事業承継をするには、さまざまな税金などの費用が必要です。しかし、全額を後継者が用意できない場合もあるでしょう。

そんなとき、事業承継ローンを利用することで分割して支払うことができるようになります。事業承継で必要となる費用を融資してもらい、融資された費用で納税や支払いを済ませるのです。その後の返済期間で5年・10年かけて返済していくことができます。

当然、金融機関によって融資の限度額は異なります。また、審査もあるため、必要な費用全額を融資してもらえるとは限りません。しかし、一定のまとまった資金を手にすることができるのは事実です。

もし、「事業承継したいのにまとまって費用がなくて廃業するしかない」といった事態に陥っているのであれば、有効な手段でしょう。

メリット2.事業承継をきっかけに新しい挑戦をする資金ができる

事業承継ローンを利用することで、事業承継をきっかけに新しい挑戦をするための資金を手に入れることができます。

事業承継をするときには事業承継計画と一緒に会社の中長期戦略を立てていくことになるでしょう。自分が経営者となったとき、会社を成長させるために何か挑戦したいと思うのは自然なことです。たとえば、以下のような場合でも融資の対象となるケースがあります。
 

  • 新しい設備を投資したい
  • 新規事業に進出したい

このように、事業承継を機に挑戦するための資金も融資してもらえることがあります。ただし、機関によってはこのような用途で融資してもらえないこともあるので注意しましょう。

以上が、事業承継ローンを利用するメリットです。もし、事業承継ローンの利用を検討しているのであれば、利用するまでの流れも知っておく必要があります。

次の章で、詳しく確認しましょう。

4. 日本政策金融公庫で事業承継ローンを利用するための流れ

日本政策金融公庫で事業承継ローンを利用するための流れ

事業承継ローンを利用したいのであれば、事前にどのように融資を受けるのか流れを確認しておくべきです。今回は、日本政策金融公庫の「事業承継・集約・活性化支援資金」を利用する場合で説明をしていきます。

日本政策金融公庫の「事業承継・集約・活性化支援資金」を利用するための流れは以下の通りです。

  • 流れ1.税理士などの専門家に相談する
  • 流れ2.事業承継計画書を作成する
  • 流れ3.支店窓口に相談ヘ行く
  • 流れ4.必要書類の作成をする
  • 流れ5.事業承継ローンの申込む
  • 流れ6.審査を行う
  • 流れ7.融資決定後、貸付契約の打ち合わせをする
  • 流れ8.返済を開始する

他の金融機関であっても、基本的にはこのような流れになります。それでは8つの流れについて詳しく確認していきましょう。

流れ1.税理士などの専門家に相談する

まずは、いくらの事業承継ローンを組むべきか専門家に相談しましょう。特に、税理士への相談が欠かせません。なぜなら、事業承継でどれほどの税金が発生するのかを概算してもらう必要があるからです。

事業承継の形はさまざまですが、事業承継をすることで贈与税・相続税などの税金がどれくらいの費用になるのかを計算してもらいましょう。このとき、節税についてもアドバイスをもらうようにしてください。

事業承継によって、総額いくらくらいの費用がかかるのかを知っておくことで事業承継ローンでいくらの融資をしてもらうか決めていくことができます。

事業承継をするのであれば、M&A総合研究所にお任せください。事業承継に詳しい公認会計士がコンサルタントいたします。もちろん、税金や制度についての疑問にもお答えしますのでご安心ください。

流れ2.事業承継計画書を作成する

つづいて事業承継計画書を作成しましょう。事業承継計画書には、具体的に後継者の教育方法、新体制の準備、相続税・贈与税の対策なども記していきます。以下のような流れで計画書を策定しましょう。

  1. 事業承継の大枠
  2. 事業の経営理念
  3. 事業の中長期戦略
  4. 事業承継の進め方
  5. 年次ごとの計画表

中小企業庁のホームページでは、どんな企業でも参考にできる事業承継計画のひな形や計画表が公開されています。これらの内容に沿って内容を詰めていくと、具体的な事業承継計画を策定することができるでしょう。参考にしてみてください。

とくに、事業承継を機に大きな挑戦をしたいと考えているのであれが、事業の中長期戦略は具体的に書きましょう。

事業承継計画書は、事業承継ローンの相談や申込みのときに持っていくと、具体的に担当者に伝わります。内部の人間だけが分かる資料ではなく、あなたの会社を知らない人が見ても分かる資料になるように仕上げましょう。

流れ3.支店窓口に相談ヘ行く

事業承継計画書が完成したら、最寄りの支店窓口まで相談へいきましょう。支店が遠ければ、電話や商工会議所の定例相談でも話を聞いてくれます。

このとき、以下のような資料を持っていくと、より具体的なアドバイスを受けることができるのでオススメです。

  • 事業承継計画書
  • 会社案内(パンフレットなど)
  • 最新3期分の決算書

そのほか、会社のことをわかってもらえそうな資料や事業承継で発生すると考えられる税金の内訳などもあると良いでしょう。

詳細に事業承継の計画内容や事業承継ローンを利用したい理由を伝えることで、具体的な返済プランなどを聞くことができます。いきなり申請してしまうと事業承継ローンの審査が通らないかもしれません。必ず相談にいきましょう。

流れ4.必要書類の作成をする

相談へ行った後は、申込みに必要な書類を作成しましょう。事業承継ローンの申込みに必要な書類は以下の通りです。

  1. 会社案内、製品カタログなどの参考資料
  2. 法人の登記事項証明書
  3. 最新3期分の決算書・税務申告書
  4. 納税証明書
  5. 最近の試算表(決算月から時間が経っているかた)
  6. 設備投資を行うときは、概要のわかる資料(見積書等)
  7. 担保の内容がわかる資料(登記事項証明書など)

これらの書類以外にも、相談へ行った時に「こういった資料も添付した方が審査に通りやすい」などのアドバイスを受けるかもしれません。その場合は、アドバイスに従って資料を添付しましょう。

流れ5.事業承継ローンの申込む

必要な書類が揃ったら、日本公庫各支店の中小企業事業の窓口へ申込みに行きましょう。最寄りの支店は店舗のご案内から確認することができます。

事業承継ローンは、電話やホームページから申し込むことはできません。注意しましょう。

流れ6.審査を行う

申込みをした後は審査に入ります。審査期間には、担当職員が本社や事業計画予定地などへ
視察にやってきます。
その際は連絡が入りますので、立会いを行いましょう。

この際、資料だけでは分からないことを具体的に質問されることとなります。事業や計画の内容を説明できるようにしておきましょう。専門家に相談している場合でも、同行してもらわずに一人で対応することが望ましいです。

なぜなら、担当職員は申込者本人の意思を聞きたいと思っているからです。そのため、専門家
にフォローしてもらうと、印象はよくありません。

しっかりと受け答えできるように準備しておきましょう。

流れ7.融資決定後、貸付契約の打ち合わせをする

融資が決定すると、貸付契約の打ち合わせを行います。貸付契約や抵当権設定などの手続きが終わると、希望の銀行口座へお金が振り込まれるので確認しましょう。

流れ8.返済を開始する

事業承継ローンは借り入れなので、返済をしていかなければなりません。原則は、元金均等割賦返済で指定の取引金融機関の口座から自動振替です。しかし、他にも元利均等払い方式による返済もあるので、申し込み時に相談をしましょう。

事業承継ローンの使い道を、「設備投資のため」としている場合には、融資対象の物件の取得が適正に行われているかの報告や、固定資産台帳への計上確認および現地確認なども行われます。

日本政策金融公庫では、最大の据え置き期間は2年です。返済期間についても無理がないよう、しっかりと申込時に相談をしましょう。

5. 日本政策金融公庫で事業承継ローンを利用できる人の条件

日本政策金融公庫で事業承継ローンを利用できる人の条件

「日本政策金融公庫で事業承継ローンを利用したい!」と思った人がいるかもしれませんが、日本政策金融公庫の事業承継ローンである「事業承継・集約・活性化支援資金」の概要について詳しく確認しておきましょう。

そもそも「事業承継・集約・活性化支援資金」は、地域経済の産業活動の維持・発展のために、事業の譲渡、株式の譲渡、合併などにより経済的または社会的に有用な事業や企業を承継・集約化する中小企業者の資金調達の円滑化を支援するための融資です。

では、具体的に確認していきましょう。

活用できる人の条件と決められた使い道

  活用できる人の条件 決められた使い道
中期的な事業承継を計画し、
現経営者が後継者(候補者を含む)と共に事業承継計画を策定している方
事業承継計画を実施するために必要な設備資金および長期運転資金
安定的な経営権の確保等により、事業の承継・集約を行う方 事業承継を行うために必要な設備資金および長期運転資金
事業の承継・集約を契機に、新たに第二創業(経営多角化、事業転換)
または新たな取り組みを図る方
(第二創業または新たな取り組み後、おおむね5年以内の方を含む)
当該事業を行うために必要な設備資金および長期運転資金
中小企業経営承継円滑化法に基づき認定を受けた中小企業者の代表者
または認定を受けた事業を営んでいない個人
事業承継を行うために必要な設備資金および長期運転資金
事業承継に際して経営者個人保証の免除等を取引金融機関に申し入れたことを
契機に取引金融機関からの資金調達が困難となっている方であって、
公庫が貸付けに際して経営者個人保証を免除する方
金融機関との取引状況の変化に伴い必要な長期運転資金

融資限度額

直接貸付 7.2億円

返済期間

設備資金 20年以内(うち据置期間2年以内)
運転資金 7年以内(うち据置期間2年以内)

担保・保証人

  • 担保設定の有無、担保の種類などは相談をする中で決めていきます。
  • 直接貸付において、一定の要件に該当する場合には、経営責任者の方の個人保証が必要です。

以上が、「事業承継・集約・活性化支援資金」の概要でした。利率については、資金の使い道や融資額、返却期間、その他条件によって変わります。

自社の場合はどのようになるか、最初の相談時に確認をしておきましょう。

6. 事業承継ローンを活用するときの注意点

事業承継ローンを活用するときの注意点

ここまでは日本政策金融公庫の事業承継ローンを見てきました。他の金融機関でも事業承継ローンを利用する流れはだいたい同じです。しかし、条件や融資額限度、金利、返却期間などは機関によって大きく異なります。必ず、依頼したい金融機関へ確認しましょう。

ここからは、事業承継ローンすべてにあてはまる注意点を見ていきます。事業承継ローンを活用する時に気をつけるべき注意点は、以下の3つです。

  • 注意点1.結果的にかかる費用は大きくなる
  • 注意点2.申請してすぐに借り入れできるわけではない
  • 注意点3.必ず審査が通るわけではない

詳しく注意点を確認し、事業承継ローンを申し込んだ後に「こんなはずじゃなかった!」と後悔しないようにしましょう。

注意点1.結果的にかかる費用は大きくなる

事業承継ローンを利用すると利用しなかった場合よりも、結果的にかかる費用は大きくなります。事業承継ローンを組むと利率が発生するため、当然のことです。

そのため、事業承継で必要な費用をまかなえるだけの資金力があるのであれば、わざわざ事業承継ローンは利用しないようにしましょう。また、全額分を借り入れするのではなく、できるだけ融資額を少なくする努力も必要となります。

「事業承継の費用がないけど、ローンを組めばいいや!」と安易に考えるのは危険です。毎月返金する額が低く、返金期間が長引いたり据え置き期間を長くしたりすると年利はその分高くなります。

いつかは返さなければならないお金であることを、改めて認識しておきましょう。

注意点2.申請してすぐに借り入れできるわけではない

事業承継ローンの申請をしても、すぐに借入できるわけではありません。どの機関で申請しても必ず審査の期間があるからです。審査結果が出るまでに、早くて3週間~1ヶ月、遅ければ2か月程度の時間がかかります。

カードローンと同じように、即日で審査が完了するわけではありません。実際に納税をしたり、その他の支払いをしたりするまでに貸付契約を完了できるよう、計画的に申請を行いましょう。

そのためには、早い段階から事業承継をいつ行うかを計画しておく必要があります。費用面以外にも、事業承継にはさまざまな準備をしなければなりません。

できるだけ早くから事業承継の計画を立て、準備を始めておきましょう。また、税理士や専門家への相談は事業承継を意識し始めた段階から相談しておくと安心です。計画性をもって準備を始めましょう。

注意点3.必ず審査が通るわけではない

当然ですが、必ず事業承継ローンの審査が通るわけではありません。事業承継ローンを利用するには、さまざまな条件をクリアする必要があるのです。

たとえば、以下のような場合は審査が通りにくいとされています。

  • 金融機関からの借り入れの返済に滞りがある
  • カードローンなどからの借り入れがある
  • 現在の売り上げが良くない
  • ​​​​​​​今後の中長期計画があいまい

このような場合、返済能力が疑われ事業承継ローンの審査は通りにくいです。

もし、事業承継ローンの審査が通らなければ、納税ができないなどの事態が発生します。通らなかった場合はどうするかまで考えておくようにしましょう。

以上が、事業承継ローンを利用するときの注意点でした。再三お伝えしていますが、事業承継ローンは、あくまでも借入れです。必ず金利が発生し、いつか返さなければならないお金であることを認識しておきましょう。

もちろん、まとまったお金がなければ廃業してしまうような場合には、後継者を助けてくれるサービスです。しかし、できるだけ事業承継ローンを利用せずに事業承継する努力をするべきでしょう。

そこで、次の章からは返済不要な事業承継補助金や事業承継時の節税について説明をしていきます。しっかりと確認していきましょう。

7. 返済不要の事業承継補助金とは

返済不要の事業承継補助金とは

ここからは、返済不要の事業承継補助金について確認していきましょう。

事業承継補助金は、1年に1度募集され、最大600万円が支給されます。融資と違って、返済しなくても良いことがメリットです。

ただし、誰でも補助金を受け取れるわけではなく、応募しても落選することもあります。それでも採択率は年々上昇していて、補助金を受け取りやすくなっているのです。

初めて募集された平成29年度では、応募総数517社のうち65社しか補助金を受け取れませんでした。補助金の総額は11億円と高額ですが、採択率は約13%です。

しかし、平成30年度の募集では481社のうち374社が補助金を受け取りました。採択率では約78%まで急上昇したのです。さらに、平成30年度は2次募集もあり、273社のうち224社が補助金を獲得しました。採択率は約82%です。

しかし、事業承継補助金は5ヶ年計画として始まっています。そのため、数年後打ち切られる可能性もあるので、事業承継を考えている人は中小企業庁のサイトをチェックしておきましょう。

事業承継補助金における2つのタイプ

事業承継補助金には、次の2種類あります。

  • 後継者承継支援型(Ⅰ型)
  • 事業再編・事業統合支援型(Ⅱ型)

それぞれ詳しく確認しましょう。

後継者承継支援型(Ⅰ型)


後継者承継支援型(Ⅰ型)とは、中小企業の経営者が交代することをきっかけに、新しい取り組みをするための経費を補助するというものです。

後継者が経営者なってから行う取り組みへの補助金であって、ただ単に事業承継して経営者が代わっただけだと補助金を受け取れません。

新しい取り組みとは、新商品の開発、新規店舗の出店など事業を活性化させる取り組みです。たとえば、新店舗を出す場合の賃料、内装費、設備費などが対象となります。

事業再編・事業統合支援型(Ⅱ型)

事業再編・事業統合支援型(Ⅱ型)とは、事業再編や事業統合を契機に、新しい取り組みを行うための経費を補助するというものです。

後継者承継支援型と異なることは、新しい取り組みを行うきっかけが経営者の交代でない点になります。経営者はそのままでも、M&Aによって事業の合併や分割をした際に新しい取り組みをすると補助金を受け取れるのです。

新しい取り組みについては、後継者承継支援型と変わらず新商品の開発、新規店舗の出店などが対象となります。

補助金を受け取るまでの流れ

事業承継補助金を受け取るまでの流れについて、7つにのSTEPにわけて説明します。

  • STEP1.事業承継補助金の理解する
  • STEP2.新しい取り組みについて考える
  • STEP3.認定支援機関による確認書を取得する
  • STEP4.申請のために書類などを準備する
  • STEP5.交付申請をする
  • STEP6.新しい取り組みを実施する
  • STEP7.補助金を受け取る

順番に確認しましょう。

STEP1.事業承継補助金の理解する

まず、事業承継補助金の募集要項をしっかりと読んで、理解してください。もし、申請内容が条件に合わなければ、補助金を受け取れません。

申請できる取り組み、申請書の書き方、申請場所、申請に必要なもの、受け取れる補助金の計算など確認しておきましょう。

STEP2.新しい取り組みについて考える

事業承継補助金を受け取るには、新しい取り組みをしなければなりません。新しい取り組みについて、どのようなことをするか考えましょう。

新しい取り組みは、新しい商品の開発、新しい店舗の出店、新しい設備の導入など幅広く含まれます。ただし、現在の資金で実行できることでなければ、補助金を受け取れません。なぜなら、補助金は新しい取り組みを行った後に交付されるからです。

事業の活性化に繋がる取り組みを考えましょう。

STEP3.認定支援機関による確認書を取得する

新しい取り組みが決まれば、認定支援機関による確認書を取得しましょう。確認書がなければ、事業承継補助金の申請ができません。

事業承継補助金募集サイトから、認定支援機関による確認書をダウンロードし、近くの認定支援機関に依頼すると確認書を作成してもらえます。

STEP4.申請のために書類などを準備する

事業承継補助金の申請のため、準備をしましょう。申請書以外にも、次のような書類が必要です。

  • 補足説明資料
  • 住民票
  • 認定支援機関の確認書
  • 申請資格を有していることを証明する後継者の書類

他にも法人なら直近の確定申告書や履歴事項全部証明書など、個人事業主なら確定申告書と所得税青色申告決算書の写しなど、申請者によって必要なものが異なります。しっかり確認して、揃えましょう。

STEP5.交付申請をする

書類が揃ったら、交付申請をします。申請は、原則電子申請です。

事業承継補助金の募集サイトから申請マイページを開設し、必要事項を入力します。書類はファイルにして添付しましょう。

最後に申請内容を確認して、交付申請は完了です。審査が行われたあと、申請マイページを通じて、採否結果の通知があります。

STEP6.新しい取り組みを実施する

事業承継補助金の交付が決定したら、新しい取り組みを実施しましょう。補助金は新しい取り組み完了後、30日以内に報告書を提出してから支払われます。

補助金交付決定後に新しい取り組みの内容や期間を変更したい場合は、申請マイページを通じて承認を受けなければなりません。また、新しい取り組みの進行状況についての報告も、適宜報告する必要があります。

STEP7.補助金を受け取る

新しい取り組みが完了した後に、報告をしてから事業承継補助金を受け取れます。補助金を受け取った後も、5年間は収益状況を報告しなければなりません。

また、新しい取り組みにおいて一定以上の収益があったと認められると、補助金で受け取った額を上限として収益の一部を納付する必要があります。

以上が、事業承継補助金についてでした。もし、事業承継をきっかけに新しい挑戦をするのであれば活用する価値のある制度です。毎年、応募期間が変わるので事業承継補助金のホームページを頻繁にチェックしておくようにしましょう。

8. 事業承継の費用を抑えるなら事業承継税制に詳しくなろう

事業承継の費用を抑えるなら事業承継税制に詳しくなろう

事業承継税制とは、中小企業の後継者が先代経営者から事業承継した場合に、条件を満たせば事業承継に関する贈与税・相続税の納税を猶予または免除される制度のことです。

中小企業庁が実施する中小企業経営承継円滑化法(以下、経営承継円滑化法)という法律があります。事業承継税制は、経営承継円滑化法の中の制度の1つです。中小企業を継ぐ後継者の税負担を軽減させて、事業承継をしてもらう狙いから制定されました。

事業承継税制を利用するメリットは、税金の納税が猶予・免除されることです。つまり事業承継税制は納税を猶予・免除することで、中小企業の事業承継を支援する制度です。

しかし、事業承継税制は複雑で、法人と一般、一般措置と特例措置など、条件によって制度の内容が異なります。早い段階で税理士に相談し、自社がどのケースにあてはまるのか、どのような猶予・免除を受けられるかなどを把握しておきましょう。
 

事業承継税制については、『中小企業庁の事業承継税制って何?要件・注意点・手続きの流れを解説』で詳しく説明しています。参考にしてください。

9. まとめ

事業承継ローンとは、日業承継を行うために必要な資金を融資してもらうことです。事業承継ローンを利用することで、一時のまとまった出費を補うことができます。しかし、事業承継ローンは「借り入れ」のため、返さなければなりません。

事業承継にはお金がかかりるので、税金を抑えるために事業承継税制を利用して節税したり、事業承継補助金の制度を使ったりして、費用を抑えるようにしましょう。

そのため、早い段階から税理士や事業承継の専門家に相談することをおすすめします。M&A総合研究所なら事業承継に詳しい公認会計士が御社の事業承継をサポート!ぜひ気軽にご相談ください。

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