学生起業家のスタートアップ事例40選!成功ポイントやメリット、リスクを解説!

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

近年、スタートアップのM&Aが活発化しており、同時に学生起業家も増えています。この記事では、学生起業家のスタートアップ事例を40選ご紹介しています。そのほか、学生起業家のスタートアップを成功させるポイント、リスクへの対策についても解説しています。

目次

  1. 学生起業家のスタートアップ
  2. 学生起業家のスタートアップ事例40選
  3. 学生起業家がスタートアップを成功させるポイント
  4. 学生起業家がスタートアップを行うメリット
  5. 学生起業家がスタートアップを行うリスク
  6. 学生起業家がスタートアップしたその後
  7. まとめ
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1. 学生起業家のスタートアップ

近年では、スタートアップのM&Aが活発に行われており、同時に在学中に起業する「学生起業家」も増えています。

なかには、高校生の頃からビジネスを始めて成功したという人もおり、メディアで紹介される事例も多いため「起業したい」と考える学生の方は少なくありません。

学生起業家のスタートアップについて、成功のポイントやメリットを解説する前に、まずは「学生起業家」や「スタートアップ」の定義についてご説明します。

学生起業家とは

学生起業家とは、文字通り「学生でありながら起業した人」をさします。起業家は自ら事業を起こす人という意味であり、ベンチャー企業をさすことが多いですが、現実的には「事業を興す人=起業家」と捉えられるのが一般的です。

近年では、学生起業家の数は増加傾向にあり、大学生起業家がメディアに取り上げられることも多いですが、なかには中学や高校在学中に起業する人もいます。

スタートアップとは

スタートアップとは、ビジネスにおいて「起業」や「新規事業の立ち上げ」といった意味合いで使用される言葉です。

法人そのものをさすというより、新規ビジネスやイノベーションを短期間で構築することや、新規市場の開拓を目的とした活動をさすのが一般的です。

近年は、時間・設備・人材などのコストが比較的かからないIT業界でのスタートアップが多く見られ、エンジェル投資家と呼ばれる個人投資家やベンチャーキャピタルの投資対象としても注目されています。

スタートアップを経てある程度の成果を得ることによって、個人投資家やベンチャーキャピタルから資金を調達し、ビジネスを拡大したり収益向上を目指したりと次の段階へと移るのが一般的です。

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2. 学生起業家のスタートアップ事例40選

政府統計の総合窓口における国政調査結果によると、2018年の学生起業家の人数は約5,000人とされています。この章では、学生起業家のスタートアップ事例を40選ご紹介します。

①Facebook

世界最大のSNSであるFacebookを運営するFacebook,Inc.は、2004年、マーク・ザッカーバーグ氏がハーバード大学在学中(当時20歳)に同級生のエドゥアルド・サベリン氏とを創業しました。

Facebookはもともとハーバード大学の学生交流サービスでしたが、やがてアイビーリーグの学生たちにも開放するようになり、現在では有効なメールアドレスを持っていれば世界中の誰でも利用可能になりました。

Facebook,Inc.の2018年12月期の売上は55,838百万ドル(1ドル111円換算で約61兆9,800億円)、純利益が22,112百万ドル(約2兆4,550億円)、利用者数は世界で8億人にもなり、マーク・ザッカーバーグ氏は現在、同社の会長兼CEOを務めています。

②株式会社Labit

本に特化したフリマアプリ「ブクマ!」を運営する株式会社Labitは、鶴田浩之氏が慶應義塾大学在学中(当時20歳)に創業しました。

IT起業家として有名な鶴田氏は10代からWEBサービスを作りはじめ、16歳で一度目の起業をしてから4度の事業譲渡とM&Aを経験しています。

その後、鶴田氏は2017年に株式会社メルカリに入社、メルカリ子会社である株式会社ソウゾウの執行役員にも就任しています。

現在は、メルカリグループ内の経営実務に携わりながら、新規プロジェクトのオーナーとして活動されています。

③株式会社リジョブ

美容・介護の求人メディアを運営する、株式会社リジョブの代表取締役社長を務める鈴木一平氏は、学生時代(当時20歳)で起業し、2社の創業・事業立ち上げに携わっています。

その後、リジョブの親会社である株式会社じげんに入社し、2014年(当時28歳)にはリジョブの代表取締役社長に就任しました。

社長就任後は、スタートアップ企業と同様に組織づくりから始め、その結果リジョブは3年連続130%増益となっています。

④株式会社リブセンス

株式会社リブセンスは、村山太一氏が早稲田大学1年生だった2006年に設立されました。リブセンスは求人情報サイト「ジョブサイト」を運営しており、「求人採用した場合に料金が発生する」成功報酬型を採用しています。

創業当時は「求人に応募があった場合に料金が発生する」成功報酬型でしたが、業績は上がらず事業売却を知り合いに打診するほど追い込まれた状況になりました。

しかし、料金体系を「採用した場合」に料金が発生する条件に変更したところ、2008年には年商3億円を突破するまでに成長、さらに2011年には年商10億円を超え、東証マザーズへの上場を果たしています。

当時、村上氏の年齢は若干25歳で、自社株式を公開した者としては史上最年少となっています。村上氏は現在もリブセンスの代表取締役社長を務めています。

⑤株式会社ゲームエイト

ゲームに関するWebメディア「Game8」を運営する株式会社ゲームエイトは、西尾健太郎氏が2014年に創業した企業です。

西尾氏は、首都大学東京(現在の東京都立大学)在学中の2011年に株式会社Labitを共同創業しており、2013年には同社の代表取締役に就任しています。

その後、リクルートホールディングス子会社へ事業を譲渡し、2014年にゲームエイトを創業、翌2015年には株式会社Gunosyへ売却しています。

「Game8」は、2018年3月時点での月間PVは約2億3千万、UU(ユニークユーザー)は1,800万を超え、Gunosyの重要な事業に成長しています。西尾氏は現在もゲームエイトの代表取締役を務めています。

⑥有限会社オン・ザ・エッヂ

有限会社オン・ザ・エッヂは、堀江貴文氏が東京大学在学中の1996年(24歳)に設立しました。オン・ザ・エッヂは、ホームページ制作・管理を主な事業としており、翌1997年には株式会社へと組織変更をしています。

その後、2002年に株式会社ライブドアの営業権を取得、社名を株式会社ライブドアに変更し、M&Aを積極的に行うことで急成長を果たしました。

しかしながら、2006年に有価証券報告書の虚偽記載が発覚し、ライブドア・ショックと呼ばれた市場の混乱ののち、持株会社化により株式会社ライブドアホールディングス(のちの株式会社LDH)に変更しました。

新たにライブドアの事業会社として、株式会社ライブドアが設立されましたが、LDHによるライブドアの全株式のNHNJapanへの譲渡、LINEによる吸収を経て、会社名としてのライブドアは消滅しています。

⑦株式会社VSbias

不動産とIT事業を展開する株式会社VSbias(ブイエスバイアス)は、2015年に留田紫雲氏が関西学院大学在学中(当時22歳)に設立されました。

2016年、VSbiasは株式会社メタップスに売却しており、創業からわずか約7ヶ月でのバイアウトを成功させています。

留田氏は、現在もVSbiasの代表取締役社長を任されており、VSbiasは民泊の業務効率化・物件パフォーマンス向上を目的としたサービス「All in BnB」の事前登録を2016年に開始しています。

⑧株式会社Candle

株式会社Candleは、2014年金靖征氏が東京大学在学時(当時22歳)に創業しました。

女性をターゲットにした美容・ライフスタイルWebメディア「MARBLE」や、人気モデルによるメイクやヘアアレンジの動画サイト「MimiTV」などを運営していました。

2016年には、Candleをクルーズ株式会社へ12.5億円で売却、この売却により金靖征氏は若手起業家として注目されるようになり、これをきっかけに学生起業家を目指す人数は増加しています。

Candle売却後、金靖征氏はCROOZ VENTURES株式会社での投資活動にも参加されています。

⑨株式会社PoliPoli

政治SNSアプリ「PoliPoli(ポリポリ)」を運営する株式会社PoliPoliは、2018年に伊藤和真氏が慶應義塾大学在学中(当時19歳)にスタートアップしました。伊藤氏は、現在もPoliPoliのCEOを務めています。

PoliPoliは政治家と市民のコミュニティアプリであり、2018年の福岡市長選挙時には、西日本新聞とタイアップして市民の議論を配信しています。

また、神奈川県と連携してアプリ内のトークルームで行政への意見・提案を聞く取り組みも始めています。

さらに2019年には、ユーザーのターゲットを絞り込み・地方のユーザーコミュニティ拡大のため、6,000万円の資金調達を行っています。

⑩学生コミュニティサイト・ミルクカフェ

学生コミュニティサイト・ミルクカフェは、大学受験情報の匿名掲示板として、古川健介氏が大学受験浪人だった2001年(当時20歳)に立ち上げました。

古川氏は、早稲田大学在学中の2004年にはBBSサイト「したらば」を運営する会社メディアクリップの社長に就任し、翌年には同事業をライブドアへ売却しています。

その後は、ライフスタイル情報サイトnanapiを運営する株式会社nanapiを立ち上げ、2016年にはダイヤモンド社の「U-40経営者20人」の1人に選ばれています。

⑪トラフォデータ(社)

トラフォデータ(社)は、現マイクロソフト社会長のビル・ゲイツ氏が、高校在学中に友人のポール・アレン氏とともに設立しました。

トラフォデータは、交通カウンターからデータを読み取りレポートを作成する「交通量計測システム」ですが、当時はわずかな成功しかおさめられませんでした。

その後1973年にはハーバード大学に入学し、ポール・アレン氏とともにマイクロソフト社を共同創設しています。

現在はマイクロソフト社の会長を務めており、2018年時点の資産は900億ドル、世界で最も成功した人物ともいわれています。

⑫株式会社メタップス

イーファクター株式会社(現株式会社メタップス)は、2007年、佐藤航陽氏が早稲田大学法学部在学中(当時21歳)に設立しました。

創業時、イーファクターは、SEOを中心とするマーケティングコンサルティングを主な事業としていましたが、その後はクーポンサイト「TOKUPO」の開設や アプリ収益化プラットフォーム「metaps(メタップス)」の提供を開始しています。

2011年には同社のSEO事業をユナイテッド株式会社へ譲渡し、社名を現在の株式会社メタップスへと変更しています。

メタップスは、2015年には東証マザーズに上場し、2018年の売上高は211億円を超えるほどに成長しています。佐藤航陽氏は、現在も同社の代表を務めています。

⑬株式会社Gunosy

ニュースキュレーションサービスGunosyを運営する株式会社Gunosyは、福島良典氏が東京大学在学中の2012年(当時24歳)にスタートアップしました。

Gunosyは、2015年には東証マザーズ、2017年には東証1部に上場を果たしており、2018年5月期の売上高は112億円、純利益は5億円となっています。

現在、福島良典氏は同社のCEOを務めており、Gunosyはユーザーの興味に連動した広告最適化に強みがあると評されています。

KDDIが主な株主にであり、現在は事業面での連携を進めています。

⑭HowTwo株式会社

美容に特化したマーケティングを行うHowTwo株式会社は、2016年に滝川誠氏によって設立されました。

滝川氏は、法政大学在学中にWEBサイトや通販コスメなどのスタートアップを経験し、2013にロケットベンチャー社を設立しました。

2015年には、ロケットベンチャーを輸入通販サイトBUYMAを運営する株式会社エニグモに売却しています。

サービス開始からわずか8か月のバイアウトであり、売却価額は総額約6億円とされています。龍川誠氏は、現在もHowTwo株式会社の代表取締役社長を務めています。

⑮アスタミューゼ株式会社

株式会社パントビューロ(現アスタミューゼ株式会社)は、永井歩氏が東京大学大学院在学中に設立しました。

新規事業・イノベーション支援を行うコンサルティング事業・人材事業・Webプラットフォーム事業を展開しており、2012年に社名を現在のアスタミューゼ株式会社に変更しています。

現在、アスタミューゼは技術・特許ソーシャルデータベース「astamuse(アスタミューゼ)」を運営しています。

2019年には、日本経済新聞社と資本業務提携を発表しており、このM&Aではアスタミューゼが行った第三者割当増資の一部を日本経済新聞社が引き受け、出資額は5億円としています。

⑯BASE株式会社

BASE株式会社は、鶴岡裕太氏が大学在学中(当時22歳)に設立しました。BASE株式会社は、主な事業として決済の簡略化を行うシステムの運営をしており、Eコマースプラットフォーム「BASE」や支払いアプリ「PAY ID」などを展開しています。

BASE株式会社は、2014年のアメリカApple社が注目するデベロッパーに選出されています。

また、鶴岡氏は2016年には「Forbesが選ぶアジアを代表する30歳未満」Eコマース部門、2017年にはForbesJAPANの日本の起業家BEST9位に選ばれています。

⑰株式会社trippiece(トリッピース)

株式会社trippiece(トリッピース)は、石田言行(いしだいあん)氏が中央大学在学中(当時22歳)に設立しました。

トリッピースは、ユーザー間で企画・共有するサービス「trippiece」や、旅行・観光・おでかけに関するアプリと「RETRIP」を展開しています。

同社は、アメリカを中心に活動しているベンチャーキャピタルDraper Nexus Venture Partnersなどから、日本円で約2億円の資金調達を受けており、さらに成長を遂げています。

現在、トリッピースの代表取締役社長は就任交代しており、石田氏は取締役に就いています。

⑱GLM株式会社

グリーンロードモータース株式会社(現在のGLM株式会社)は、小間裕康氏(当時23歳)が京都大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリーの「京都電気自動車プロジェクト」を事業化し設立しました。

2014年には、現在のGLM株式会社へと社名変更しており、自社ブランドによる電気自動車の完成車事業と他社への技術協力並びに共同・受託開発などを行うプラットフォームビジネスを展開しています。

同社は、これまでに帝人・東洋ゴム・旭化成などの大手企業との共同開発を行っています。また、2017年には香港のWE Solutions Limitedと資本提携しており、さらなる事業拡大を図っています。小間氏は、現在もGLM株式会社も代表を務めています。

⑲ナイル株式会社

ナイル株式会社は、2010年高橋飛翔氏が東京大学在学中(当時25歳)に設立しました。ナイル株式会社は、WEBコンサルティング事業を展開、2012年にはスマートフォンアプリレコメンドサービス「Appliv」を立ち上げています。

さらに2018年には、個人向けのカーリース「カルモ」を展開。頭金不要の月額定額支払いのみでマイカーを持てるサービスが人気となっています。

ナイル株式会社は、「カルモ」のサービス開始により、自動車事業への新規参入を果たしています。高橋飛翔氏は、現在もナイルの代表取締役社長を務めています。

⑳dely株式会社

dely株式会社は、堀江裕介氏が慶應義塾大学在学中(当時21歳)の2014年に設立しました。当初はフードデリバリー事業でのスタートアップでしたが、2015年にメディア事業への転換を図りました。

事業転換後、同社はレシピ動画「クラシル」を運営しており、クラシルはサービス開始からわずか5カ月で月間再生数が1億回を超えるなど急成長を遂げています。

堀江氏は、現在もdely株式会社の代表取締役を務めています。

㉑株式会社REVENTIVE

プライベートSNS「Close」の開発・運営を行う株式会社REVENTIVEは、水田大輔氏が同志社大学在学中(当時23歳)に設立しました。

「Close」の特徴は、つながれる友人数を9人に限定している点で、SNSが普及した現代に「安心して本音で話せる場所」をコンセプトにサービスを提供しています。

2013年には、株式会社ミクシィを引受先とした第三者割当増資を実施し、約7,000万円の資金調達を行っています(出資比率は非公開)。その後もKDDI∞Labo第三期に採択されています。

現在、水田氏は株式会社REVENTIVEのCEO(最高経営責任者)に就いています。

㉒株式会社ハイパーエイト

株式会社ハイパーエイトは、五十君圭治(いそぎみけいじ)氏が2012年早稲田大学在学中(当時20歳)に設立しました。

ハイパーエイトは、街コンに関するイベント開催やWebサービスを展開するほか、飲食店向けのデジタルスタンプカード「mespo」の運営、謝礼のもらえる飲み会マッチングサービスを展開しています。

㉓株式会社ジラフ

株式会社ジラフは、2014年麻生輝明氏が一橋大学在学中(当時21歳)に、設立しました。ジラフは、買取価格比較サイト「ヒカカク!」、修理料金比較サイト「最安修理ドットコム」などのメディアを運営している会社です。

また、ジラフは2017年からスマートフォンをフリマ売買できる「スマホのマーケット」というサービスも新たに始めています。

2017年11月には、グリーやメルカリファンドなどから、4億円の資金調達を行ったと発表しています。

麻生氏は、現在も同社の代表取締役社長を務めており、運営している「ヒカカク!」の利用者は、月間約140万人を超えるほどに成長しています。

㉔株式会社Progate

株式会社Progateは、2014年加藤將倫(かとうまさのり)氏が東京大学在学中(当時21歳)に設立しました。

同社は、オンラインプログラミング学習サービス「Progate」の開発・運営を行っており、現在のユーザ登録数は約70万人、登録企業数は700社を超えています。

加藤氏は現在も同社の代表取締役を務めており、2017年にはDNA・フリークアウトグループエイト・エンジェル投資家を引受先とする第三者割当増資を行い、1億円の資金調達を行っています。

この資金調達により、国内でのサービス強化および海外展開を図ることを目的としています。

㉕ゴロー株式会社

ゴロー株式会社(現株式会社アラン・プロダクツ)の代表を務める花房弘也氏は、横浜大学在学中にピクスタ株式会社の営業部統括業務に就いており、大学卒業後にEastVentures・CyberAgentから資金調達を行いゴロー株式会社を設立しました。

ゴロー株式会社は、髪の悩みを抱える人向けのメディア「ハゲラボ(現ヘアラボ)」の運営や、アプリ・ウェブサービスの開発を行っています。

2016年には、ユナイテッド株式会社へ約8億円で株式譲渡を行い、ユナイテッドグループの子会社となり、社名を現在の株式会社アラン・プロダクツへと変更しています。

花房氏は、現在株式会社アラン・プロダクツの代表を務めており、ユナイテッド社の執行役員にも就任しています。

㉖株式会社Baycare

株式会社Baycare(ベイケア)は、洞汐音(ショーン)氏が早稲田大学在学中(当時21歳)に設立しました。

ベイケアは、介護利用者とケアマネージャーが、直接ヘルパーや介護事務所を探せる訪問介護サービスを展開しています。

このサービスには、マッチングサービスが導入されており、利用者が自身で決めたヘルパーに来てもらえる点が最大の特徴です。

設立からわずか1年後の2016年には、East Ventureからの資金調達が決定しており、現在ベイケアは訪問介護のIT化事業を進めています。

㉗株式会社クレオフーガ

株式会社クレオフーガは、2007年に西尾周一郎氏が岡山大学在学中(当時24歳)に設立しました。クレオフーガは、音楽投稿サイト「クレオフーガ」や音楽ライセンスと音楽クラウドソーシングのプラットフォーム「オーディオストック」を運営しています。

「オーディオストック」では登録したクリエイターがBGM・効果音・SE・ボイス・ナレーションなどをアップロードし、サイトを通じてロイヤリティーフリーで販売でき、2013年には、日本音楽著作権協会と包括契約も結んでいます。

㉘株式会社Coupe

株式会社Coupeは、2014年に竹村恵美氏が立教大学在学中(当時22歳)に設立しました。Coupeは、美容師とサロンモデルのマッチングサービスを展開しており、登録した会員は完全無料でサービスを利用できます。

Coupeのサロンモデルに合格するには約20倍の倍率をくぐり抜けなければならず、書類選考・カメラテストのほかに、マナーテストの審査もあります。美容師がモデルに依頼する場合は、モデルへの謝礼のみで撮影ができます。

また、2019年には株式会社サイバーエージェントが、若手経営者の支援を目的とする出資(通称「藤田ファンド」)を受け、グループ傘下となっています。

㉙株式会社DogHuggy

株式会社DogHuggy(ドッグハギー)は2015年、長塚翔吾氏が麻布大学付属渕野辺高等学校在学中(当時18歳)に、株式会社サイバーエージェント・ベンチャーズの出資を受け設立しました。

ドッグハギーは、旅行などで飼い犬の世話を依頼したい飼い主と、現在もしくは過去に犬の飼育経験があるホストをマッチングする「DogHuggy」を運営しています。

2018年には、ANAホールディングス株式会社とのサービス連携を開始するなど事業を拡大しており、長塚氏は現在も同社の代表取締役を務めています。

㉚株式会社PLANISTA

株式会社PLANISTA(プラニスタ)は、獅々見俊明(ししみとしあき)氏が2015年(当時21歳)に設立しました。

プラニスタは、大学生のエンジニアコミュニティ「TECHSALON(テックサロン)」を運営しており、IT企業とコラボしてエンジニアを志す大学生向けにプログラミング勉強会を開催しています。

2016年には社名をテックサロン株式会社へと変更、スカイランドベンチャーズ株式会社と共同の取り組みを行っています。

㉛株式会社MAKEY

株式会社MAKEY(メイキー)は、2014年、中村秀樹氏が慶應義塾大学在学中(当時22歳)に設立しました。

メイキーは、美容に特化したYouTuber事業と10代~20台をターゲットとしたメイク・コスメのコミュニティ「MAKEY」の企画・運営をしています。

同社は、2017年にニッセイ・キャピタル株式会社・その他事業会社を引受人とした第三者割当増資による資金調達を行っており、「MAKEY」のコンテンツ充実を図るとしています。

また2019年には、エイベックス株式会社に株式譲渡を行い子会社となっています。

エイベックスはMAKEYの子会社化により、同社の持つ「クリエイターの発掘・育成のノウハウ、コンテンツのプロデュース力」などを活かし、新時代のクリエイター・アーテイストの創出を促進するとしています。中村氏は、現在株式会社MAKEYの代表取締役CEOに就いています。

㉜株式会社フラミンゴ

株式会社フラミンゴは、2015年、金村容典氏が立命館大学在学中(当時22歳)に設立しました。フラミンゴは、外国語講師の検索・予約ができるアプリサービス「フラミンゴ」の運営をしています。

2017年には、株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ・グローバル・ブレイン株式会社・その他個人投資家を引受先として第三者割当増資を行い、1億7千万円の資金調達をしています。

これにより、フラミンゴは事業の加速的な成長を目指すべく、経営陣の強化を行うとしています。金村氏は、現在フラミンゴの代表取締役CEOを務めています。

㉝株式会社ミコリー

株式会社ミコリーは、2015年、横田邦興氏がスタートアップなどのインターン経験を経て、東京大学大学院在学中に共同創業しました。

ミコリーは、人気クリエイターによるネイル・ハンドメイドアクセサリーなどのレッスン動画を販売するプラットフォーム「MIROOM(ミルーム)」の運営をしています。

「MIROOM(ミルーム)」はオンライン上でのレッスン提供であるため、国内だけでなく海外のユーザーも増えています。横田氏は、現在ミコリーの代表取締役社長を務めています。

㉞株式会社U-NOTE

株式会社U-NOTE(現グラム株式会社)は、2012年、小出悠人氏が上智大学在学中(当時21歳)に設立しました。

創業当時のU-NOTEは、セミナー・イベントなどに参加した人が「ノート」という形で共有できるサービス「U-NOTE」を提供していましたが、現在ではガジェット・ライフスタイル・ファッションなど、コンテンツを拡大しています。

2018年には、株式会社PR TIMESへ「U-NOTE」の事業譲渡を行い、社名を現在のグラム株式会社に変更しています。

小出氏は、現在グラムの代表を務めており、性格傾向データを元に人材マッチングを行うJobgramを運営、新たな主軸事業としてさらなるサービス拡大を図るとしています。

㉟株式会社ラブグラフ

株式会社ラブグラフは、2012年の駒下純兵氏が関西大学在学中(当時22歳)に設立しました。

ラブグラフは、カップル・夫婦・家族の旅行などに同行し写真撮影を行うウェブサービス「Lovegraph」の企画・運営をしています。

2017年には約1億4千万円、2019年には約2億円の第三者割当増資を行っており、この資金調達により新規カメラマンの採用やターゲット層へのリーチ強化、そのほかクリエイター支援に関する研究開発への投資を行うとしています。駒下氏は、現在もラブグラフの代表を務めています。

㊱株式会社Lang-8

株式会社Lang-8は、2007年の喜洋洋(きようよう)氏が京都大学在学中(当時22歳)に設立しました。株式会社Lang-8は、語学学習者向けの相互添削型SNS「Lang-8(ランゲート)」、語学学習アプリ「HiNative」を運営しています。

「Lang-8(ランゲート)」では学習中の言語で日記を書くと、その言葉を母国語とするユーザーが添削してくれるサービスで、会員数は2012年時点で約40万人を超えています。

「HiNative」はネイティブスピーカーがお互いに母語を教え合うアプリで、日本語・英語・韓国語など113の言語がやりとりされており、現在のユーザー数は131万人を超えています。

2018年には、大和企業投資・YJキャピタル・FFGベンチャービジネスパートナーズなどを引受先とした第三者割当増資を実施し、約6億5,000万円の資金調達を行っています。

これにより、新規ユーザーの獲得・サービス向上・マーケティング施策などの強化を図るとしています。喜氏は、現在も同社の代表取締役を務めています。

㊲株式会社ウツワ

株式会社ウツワは、2015年のハヤカワ五味氏(本名は稲勝栞)が、多摩美術大学在学中(当時19歳)に設立しました。

ウツワでは、バストの小さな女性向けランジェリーブランド「feast」、feastの姉妹ブランド「feast secret」、細身女性向けワンピースブランド「Double Chaca」を企画・運営しています。

2017年には、それらブランドの実店舗「LAVISHOP」をラフォーレ原宿にオープンしています。ハヤカワ氏は、現在も同社の代表取締役を務めています。

㊳株式会社RENO

株式会社RENO(現株式会社SCOUTER)は、2013年に中嶋汰朗氏が青山学院大学在学中(当時24歳)に設立しました。RENOは、日本初となるソーシャルヘッドハンティングサービス「SCOUTER」を運営しています。

「SCOUTER」のサービス開始からわずか5ヶ月で、クルーズ株式会社・三菱UFJキャピタル株式会社・イーストベンチャーズ株式会社を引受先とした第三者増資割当を実施し、約6,100万円の資金調達を行っています。また、これに伴い、社名を現在の株式会社SCOUTERに変更しています。

さらに2017年には、SMBCベンチャーキャピタル株式会社・株式会社フリークアウトホールディングス・Skyland Venturesなどを引受先とした第三者増資割当を実施し、総額約1.5億円の資金調達を行っています。

この資金調達により、「SCOUTER」のプラットフォーム化、新たな事業展開に向け開発体制とマーケティングを強化するとしています。中嶋氏は、現在も株式会社SCOUTERの代表取締役を務めています。

㊴株式会社so-zo

株式会社so-zoは、王冉(おうぜん)氏が早稲田大学在学中(当時23歳)に設立しました。so-zoは、アニメの世界観でコーティングした「板部屋」を提供する空間プロデュース事業・アニメグッズ制作事業・コンテンツ配信事業を行っています。

空間プロデュース事業では、サンシャインプリンスホテルがコンセプトルームを展開し成功をおさめ、多くのメディアにも取り上げられました。

すべての事業で必要となるアニメ・マンガ・ゲームなどの版権は、現在30作品以上とコラボレーションしており、取引可能なライセンス企業は小学館・KADOKAWA・集英社・カプコンなど19社となっています。

王氏は現在も同社の代表取締役を務めており、今後さらにコラボレーションが可能な作品やライセンス企業を増やす計画を話しています。

㊵株式会社Prosbee

株式会社Prosbeeは、2012年に葛西レオ氏が明治学院大学在学中(当時22歳)に設立しました。Prosbeeは、本で心に残ったフレーズを共有できる「Booklap」を運営、同年のGMIC SVでは「世界で注目のスタートアップ企業20社」に選ばれています

「Booklap」はユーザー数を伸ばしていたものの、先行していた「読書メーター」に対抗できないと判断し、2014年にはProsbeeを清算しています。

笠井氏は、自社を清算してまもなく、2014年7月にはファンド「IF Angel」を立ち上げています。「IF Angel」はインキュベイトファンドから独立した形で、自身が単独の個人ジェネラル・パートナーになっています。

また、2018年にはファッション通販サイトを運営するクルーズ株式会社が新設した「Sevenwoods Investment」の代表取締役に就任しています。

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3. 学生起業家がスタートアップを成功させるポイント

学生起業家がスタートアップを成功させるためには、どのようなポイントをおさえれば良いのでしょうか。

この章では、スタートアップを成功させる5つのポイントについて、詳しく解説していきます。

  1. 融資先をきちんと選定する
  2. 社会経験の乏しさにつけ入る誘いに乗らない
  3. 失敗を恐れない
  4. その後の展開を視野に入れておく
  5. 支援者を見つける

①融資先をきちんと選定する

1つ目のポイントは、融資先をきちんと選定することです。事業資金の調達を行う場合、銀行・信用金庫などの金融機関からの融資を検討することが多いでしょう。

しかし、民間の銀行・信用金庫は融資審査の基準が厳しいため、学生起業家が融資を受けられる可能性は高くありません。

学生起業家が事業資金の融資を行う際は、政府が運営する日本政策金融公庫や地方自治体の融資など公的なものを利用すると良いでしょう。

なかでも日本政策金融公庫には、低金利で自己資金要件が少額な融資制度や若者向けの融資制度があるので、学生起業家でも比較的利用しやすいです。

各地方自治体が行っている融資制度については、窓口へ直接問い合わせれば詳細を説明してもらえます。

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②社会経験の乏しさにつけ入る誘いに乗らない

2つ目のポイントは、社会経験の乏しさにつけ入る誘いに乗らないことです。学生の大半は、社会経験がないか乏しいといえるでしょう。

学生がスタートアップを考えた場合、その社会経験の乏しさにつけ入り、悪質なビジネスの誘いを受ける可能性も考えられます。

そのような誘いがあった場合は、むやみに乗ることはせず、内容をしっかり見極め判断することが重要です。

もし自身で判断に迷う場合は、信頼できる人に相談したり国や自治体の相談窓口を利用したりなど、すぐに判断するのは避けてまずは相談しましょう。

③失敗を恐れない

3つ目のポイントは、失敗を恐れないことです。スタートアップを行う場合、起こり得るリスクや失敗を考えることも必要ですが、失敗を恐れてばかりいてはスタートアップを成功できません。

一般的に、学生起業家は家族を養っているケースが非常に少ないため、社会人に比べスタートアップに挑戦しやすいといえます。

失敗してしまっても在学中に就職活動をすることも可能であり、起業した経験は自身の大きな糧となるはずです。

失敗を恐れずにチャレンジすることが、成功させるポイントであるといえるでしょう。

④その後の展開を視野に入れておく

4つ目のポイントは、スタートアップ後の展開を視野に入れておくことです。スタートアップを考えるときは「どのようにビジネスを展開させていくか」というビジョンを描いておきましょう。

その後の展開を視野に入れておけば、スタートアップを経てある程度の成果を得られた時点で本格的にサービスを展開したりビジネスを拡大したり、次のフェーズに進めます。

⑤支援者を見つける

最後のポイントは、スタートアップの支援者を見つけることです。スタートアップを行う際、支援者の存在があれば成功する確率が上がります。

支援の形にはさまざまありますが、特に資金面での支援者がいれば非常に心強いといえるでしょう。

近年はインターネットの普及もあり、クラウドファンディング・ベンチャーキャピタル・エンジェル投資家など支援者を見つける手段が増えています。

投資家と学生起業家とのマッチングサービスも増えているので、それらを利用して支援者を見つけるのも一つの方法です。

ただし、マッチングサービスによっては「会費を支払ったのに紹介が一切ない」「別料金を請求された」などのトラブルも少なからず存在するため、あらかじめしっかり確認したうえで利用しましょう。

4. 学生起業家がスタートアップを行うメリット

学生起業家がスタートアップを行うメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。この章では、以下8つのメリットについて解説していきます。

  1. リスクが少ない
  2. 成長力がある
  3. 起業家としての人脈
  4. 可能性が大きい
  5. 収入が生活に直結しない
  6. 経営したことのスキルやキャリアの獲得
  7. 使える時間が圧倒的に多い
  8. 融資を受けやすい

①リスクが少ない

1つ目のメリットには、リスクが少ないという点が挙げられます。在学中にスタートアップを行うのであれば、もし失敗したとしても就職という選択肢も残されています。

また、学生で家族を養っている人は非常に少ないため、資金面を考えた場合のリスクも社会人に比べて低いといえるでしょう。

②成長力がある

2つ目のメリットには、成長力がある点が挙げられます。経営者のピークは40代後半であるともいわれているため、スタートアップを行う時期が早ければ経営者・事業の成長ともに期待できます。

③起業家としての人脈

3つ目のメリットには、起業家としての人脈が得られる点が挙げられます。スタートアップを行うことにより、学生生活では得られない人脈を獲得できます。

起業家としての人脈を得ることにより、ビジネスのヒントを得たり共同で新規事業を始めたりする可能性も生まれるため、人脈は非常に力強い味方です。

④可能性が大きい

4つ目のメリットには、可能性が大きいことが挙げられます。学生は若く考え方も柔らかいので、新しい知識をどんどん吸収できます。

最近ではインターネットの普及により、世界中の情報を簡単に得られるため、常識にとらわれないビジネスを考え付く可能性を持っているといえるでしょう。

⑤収入が生活に直結しない

5つ目のメリットには、収入が生活に直結しないという点が挙げられます。先述した「リスクが少ない」にも重なりますが、家族を養っている状況でスタートアップを行うとなれば、事業資金とは別に生活資金を確保しなければなりません。

学生であれば生活面で家族の援助がある場合も多いため、妻帯者に比べるとスタートアップを行いやすいといえるでしょう。

⑥経営したことのスキルやキャリアの獲得

6つ目のメリットには、経営したことによるスキルやキャリアの獲得があります。起業して経営者になれば、業界の分析・お金の流れ・経営戦略などを学んで実践します。

たとえスタートアップに失敗してしまって就職という選択をしても、起業によって得たスキルやキャリアを身につけたことは、必ず役に立つといえるでしょう。

⑦使える時間が圧倒的に多い

7つ目のメリットには、使える時間が圧倒的に多い点が挙げられます。スタートアップを行うためには、企業戦略の策定・資金面の準備など、多くの手間と時間を要します。

企業に勤めながらこれらの作業を行うことは時間的に困難であるといわざるを得ませんが、学生はそれよりも多くの時間を使えるため、その点は大きなメリットです。

⑧融資を受けやすい

8つ目のメリットには、融資が受けやすい点が挙げられます。前章の「学生起業家がスタートアップを成功させるポイント」でも触れていますが、国や地方自治体が行っている公的融資制度には若者向けの制度があるため、自己保有資産が少なくても融資を受けやすくなっています。

また、両親や知人などから融資を受けるという選択もあり、この場合はスタートアップに対する考え・想いを伝えれば、資金を貸してくれる可能性もあるでしょう。

ただし、両親や知人から借り入れを行う場合でも、必ず契約書を作り金利・返済方法について取決めておかねければなりません。

契約書を作成しなかった場合、贈与とみなされ贈与税が発生したり、後のトラブルになったりする可能性も考えられます。

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5. 学生起業家がスタートアップを行うリスク

学生起業家がスタートアップする際のリスクにはどのようなものがあるのでしょうか。この章では、以下の5点について解説してきます。

  1. 大きな責任を持たなければならない
  2. 学業に支障が出る可能性
  3. 失敗するリスクがある
  4. 友人関係が希薄になる可能性
  5. 学生社長という色目を使われる
  6. 甘い誘いを受けてしまうことがある

①大きな責任を持たなければならない

1つ目のリスクは、大きな責任を持たなければならないという点が挙げられます。起業したらどのような場合においても、自分自身で責任を負うという覚悟が必要です。

事故やトラブルが起きれば、その責任を負い解決しなくてはならず、従業員を雇っている場合は収入がない場合でも給与を支払わなくてはなりません。

「失敗をどのようにリカバーするか」「どうしたらうまく進められるのか」と、試行錯誤しながら目標に向かっていく姿勢と覚悟が起業家には求められます。

②学業に支障が出る可能性

2つ目のリスクには、学業に支障が出る可能性があるという点が挙げられます。社会人に比べると学生は自由になる時間が多いですが、毎日の授業や試験、課題の提出など学生である以上やらなければならないことが最低限あるでしょう。

学生として学業をおろそかにせず、起業して事業を進めることは非常に困難なことであるため、起業準備ばかりに時間を割いてしまっては学業に支障が出る可能性もあります。

在学中にスタートアップをする場合は、学業に支障をきたさないよう起業準備を計画的に進めていくことが必要です。

③失敗するリスクがある

3つ目は、失敗するリスクがあるという点が挙げられます。スタートアップが失敗してしまう要素にはさまざまありますが、なかには経験があれば防げる失敗を犯してしまう可能性もあります。

たとえベンチャー企業などでインターン経験があったとしても、社会人が起業する場合と比べれば、学生はビジネス経験が少ないといえるでしょう。

一度社会人として経験していれば防げる失敗も、学生の場合は初めて直面するケースも多いため、経験不足によって失敗するリスクがあります。

④友人関係が希薄になる可能性

4つ目のリスクには、友人関係が希薄になる可能性がある点が挙げられます。スタートアップをする場合、資金を集めたり事業計画書を作成したりと、さまざまな準備を行わなくてはなりません。

準備にも時間を要するため、友人と過ごす時間が減ってしまうことが考えられます。そのため、せっかく築いた友人関係が希薄になる可能性もあるでしょう。

⑤学生社長という色目を使われる

5つ目のリスクには、学生社長という色目を使われるという点が挙げられます。学生がスタートアップを行うことにより、若くして社長になったということに対してこびるような態度をとる人も出てくるかもしれません。

学生社長ということで色目を使われる可能性もあり、相手には何か下心を持っている場合もあることは留意しておくと良いでしょう。

⑥甘い誘いを受けてしまうことがある

6つ目のリスクには、甘い誘いを受けてしまうことがある点が挙げられます。学生が起業する場合、いろいろな形で支援してくれる人は多いですが、社会経験が少ないことにつけ入る人も少なからず存在します。

甘い誘いに乗ってしまい、最悪の場合せっかく起業した自社を手放さなくてはならないような事態に陥ることもあるため、注意が必要です。

6. 学生起業家がスタートアップしたその後

学生起業家がスタートアップしたその後は、どのような道を歩むことが多いのでしょうか。学生起業家がスタートアップした後の選択肢には、以下のようなものがあります。

  1. 卒業後もそのまま経営者となる
  2. 卒業後は副業として会社経営を並行して行う
  3. 起業した会社をM&Aで売却する

①卒業後もそのまま経営者となる

学生がスタートアップした後は、卒業後もそのまま経営者となる選択肢があります。実際、学生起業家の方には卒業後も設立した会社の経営者となっているケースも多いです。

②卒業後は副業として会社経営を並行して行う

学生がスタートアップしたその後の2つ目には、卒業後は副業として会社経営を並行して行うという選択肢があります。

卒業後はどこかの企業に就職して本業を別にしながら、設立した企業は副業として経営していくケースが当てはまります。

しかし、副業禁止の会社に勤めている場合や事務負担などが増える場合などがあるため、あらかじめよく検討しておく必要があるでしょう。

③起業した会社をM&Aで売却する

3つ目の選択肢には、起業した会社をM&Aで売却する方法があります。起業した会社をM&Aで売却すれば、売却益が得られます。

会社自体または事業を他社に譲り、売却益を資金として新たな事業をはじめたり、別事業に路線変更したりすることも可能です。

スタートアップにおいては、最終的には会社を売却することを目標にしていることも少なくありません。これをイグジット戦略と呼びますが、学生起業家においてもこの戦略によって卒業後に会社の売却を考えるケースは多いです。

会社売却の方法にはM&Aのほかにも株式公開(IPO)もありますが、株式公開には多くの手間と時間を要するため、比較的簡単に行えるM&Aを用いて売却するのが一般的となっています。

【関連】事業売却とは?会社売却との違いやメリット・デメリットを解説!

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7. まとめ

近年は、インターネットの普及もあり学生がスタートアップを行う事例が増えており、数多くの成功者も存在します。

学生がスタートアップをするには、多くのメリットがありますが同時にデメリットがあることも念頭に置き、企業の準備を進めていくことが重要です。

【学生がスタートアップを成功させるポイント】

  1. 融資先をきちんと選定する
  2. 社会経験の乏しさにつけ入る誘いに乗らない
  3. 失敗を恐れない
  4. その後の展開を視野に入れておく
【学生がスタートアップをするメリット】
  1. リスクが少ない
  2. 成長力がある
  3. 起業家としての人脈
  4. 可能性が大きい
  5. 収入が生活に直結しない
  6. 経営したことのスキルやキャリアの獲得
  7. 使える時間が圧倒的に多い
  8. 融資を受けやすい
【学生がスタートアップを行うリスク】
  1. 大きな責任を持たなければならない
  2. 学業に支障が出る可能性
  3. 失敗するリスクがある
  4. 友人関係が希薄になる可能性
  5. 学生社長という色目を使われる
  6. 甘い誘いを受けてしまうことがある

また、スタートアップ後の選択肢には、そのまま経営者となるほか、会社をM&Aで売却するという方法もあり、売却によって得た資金を元に新たな事業を展開することも可能です。

しかし、会社売却を進めるには専門的な知識や見解が必要となる場面も多いため、M&A仲介会社などの協力を得ながら進めていくようにしましょう。

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