買収防衛策の全種類を解説!買収防衛策の導入・廃止企業一覧!

Medium
この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

会社買収のひとつに敵対的買収という手法があります。2005年のライブドアによるフジテレビへの敵対的買収をきっかけに、買収防衛策が注目されています。この記事では、買収防衛策全19種類について解説しています。また、買収防衛策の導入企業・廃止企業も紹介しています。

目次

  1. 買収防衛策とは
  2. 買収防衛策の全種類を解説
  3. 買収防衛策の問題点
  4. 買収防衛策を導入する場合の原則
  5. 買収防衛策の現状
  6. 買収防衛策の導入企業・廃止企業一覧
  7. 買収防衛策についてのご相談はM&A総合研究所へ
  8. まとめ
  • 今すぐ買収ニーズを登録する
  • 公認会計士がM&Aをフルサポート まずは無料相談

1. 買収防衛策とは

買収防衛策とは

会社買収は、友好的買収と敵対的買収に分けることができます。友好的買収とは、両社の協議の結果としてお互いが同意した状態で行う会社買収を指し、通常行われるのは友好的買収です。

一方、敵対的買収は買収される側の同意を得ずに会社買収を行うことです。買収方法としては、TOB(株式公開買い付け)などがあります。

敵対的買収に対して、買収される側は何もできないかといえば、そうではありません。敵対的買収の動きに対して、買収される側は買収防衛策をとることができます

買収防衛策とは、相手企業が買収を行わないように対策を行うことですが、その方法には多くの種類があります。

この記事では、敵対的買収に対する買収防衛策について、詳しく解説していきます。また、実際に行われた買収防衛策や、何らかの理由で廃止された買収防衛策に紹介します。

【関連】敵対的買収とは?成功事例15選!M&Aの防衛策もわかりやすく解説

2. 買収防衛策の全種類を解説

買収防衛策の全種類解説

買収防衛策には、全部で19種類があり、これらをさらに分類すると、大きく4つに分けることができます。

この章では、19種類の買収防衛対策を、以下の分類ごとに詳しく解説していきます。
 

  1. 敵対的買収への予防策
  2. 有効的な第三者に頼る敵対的買収後の防衛策
  3. 企業価値を低下させる敵対的買収後の防衛策
  4. その他

敵対的買収への予防策

まずは、敵対的買収への予防策ですが、敵対的買収を防ぐためには、相手企業の買収意欲がたいかするようなことをする必要があります。

ここでは、自社で行うことができる買収防衛策の10種類について、それぞれ解説していきます。

①ポイズンピル(ライツプラン)

1つ目はポイズンピル(ライツプラン)です。この方法では、敵対的買収が行われる可能性がある場合に、新株予約権を発行しておくことで買収を阻止します。

万が一、買収企業が株式の保有比率を増やし始めた時は、あらかじめ定められたポイズンピル(毒薬条項)に基づいて新株が発行されます。

これにより買収企業の株式保有比率が下がるため、敵対的買収を阻止することができます。しかし、株式の発行総数が増加するため、株価が大きく低下するので、株主の総資産が減少する場合があります。

なお、ポイズンピルは敵対的買収を引き金にして発動するため、「トリガー条項」と呼ばれています。

②ゴールデンパラシュート

2つ目の方法は、ゴールデンパラシュートです。この方法は、買収される会社の役員の退職金を高く設定しておくことで買収意欲を低下させ、買収を阻止します

一般的に敵対的買収が行われると、買収された会社の経営陣は、自社の思い通りになるような人を就任させます。

そのため、買収された会社の経営陣は退職させられることになり、退職する経営陣には就業規則に基づいて退職金を支払わなくてはなりません。

その際、退職金が高く設定されている(通常は3倍程度に設定される)場合は、それに従って支払わなければならないため、買収後に多額の費用が掛かることとなるので、買収の抑止力になります。

③ティンパラシュート

3つ目は、ティンパラシュートです。先述したゴールデンパラシュートは、経営陣の退職金を高くしておくことですが、ティンパラシュートは従業員の退職金や一時金を高くしておくことで買収意欲を低下させます

敵対的買収後には、必要な事業に関与している人だけを残して、残りの従業員は人員整理のために退職させるというパターンもあります。

そのため、従業員の人員整理を行うような敵対的買収を行う企業にとっては、ティンパラシュートは効果的であるといえます。

④マネジメント・バイアウト

4つ目の方法は、マネジメント・バイアウトです。この方法は、自社の経営陣が自社の株式を買い取り非上場化することで、会社の経営権を買収企業に取得させないようにします

公開会社の場合、株式の取引は自由に行うことができるため、敵対的買収の方法の1つであるTOB(株式公開買い付け)を行うこともで可能です。

これを阻止するためには、株式を非上場化して株式の取引を行えないようにし、買収企業に自社株式が流れないようにします。

なお中小企業や非公開会社の場合、マネジメント・バイアウトは、一般的に事業承継のために使われます。事業承継の観点からのマネジメント・バイアウトについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

【関連】MBO(マネジメント・バイアウト)とは?方法・目的、メリットを解説【事例15選】

⑤プットオプション

5つ目は、株主や債権者に対してプットオプションという権利を与える方法です。プットオプションとは、一定の事由が生じたときに、株式の買い取りや弁済の請求を行うことができる権利です。

買収防衛策としては、敵対的買収が行われる前に株主にはすべての株式の買い取りを、債権者には一括弁済を請求する権利を与えておきます。

プットオプションでは、敵対的買収後にこの請求に対して巨額の資金がかかるため、買収の抑止力となります。

⑥チェンジ・オブ・コントロール

6つ目はチェンジ・オブ・コントロール条項です。この条項は、支配権(コントロール)が変わったとき、つまり経営権が変わった場合に、制限や契約解除が発動される条項のことです。

例としては「自社が合併もしくは株主が50%を超えて変動した場合は、催告なくA社との契約を解除することができる」といった条項を定めることができます。

この例では、A社が買収される企業にとって大きな取引先である場合、敵対的買収によって取引先を失うだけでなく、売上が低下することになります。このように、買収意欲をそぐことができるため、有効な買収防止策であるといえるでしょう。

⑦黄金株

7つ目は黄金株です。黄金株とは会社の合併などの議案について拒否できる特別な株式のことです。仮に普通株式が敵対的買収を行う会社に買い占められていても、黄金株により買収を阻止することができます。

黄金株は、自社の経営陣で所有することができないため、友好的企業に渡すことで買収防衛することができます。なお、黄金株は別名「拒否権付き株式」とも呼ばれており、原則として1株のみ発行されます。

⑧絶対的多数条項

8つ目の方法は、絶対的多数条項です。絶対的多数条項とは、株主総会での議決要件を厳しくすることで買収意欲をそぐという方法です。

敵対的買収を行う際、株式を買い占めてから、現経営陣を退職させて買収を行います。しかし、取締役などを解職させるには、株主総会の定款に基づく賛成を得なければなりませんが、通常は定足数に過半数の賛成を得ることができれば、解職させることができます。

絶対的多数条項では、90%以上の賛成が必要などと議決要件を厳しくします。敵対的買収の場合、100%近くの株式を取得するにはさらに多額の資金が必要になるため、絶対的多数条項のある企業は買収しにくくなります。

⑨全部取得条項付株式

9つ目の方法は、全部取得条項付株式の発行です。全部取得条項付株式とは、株主総会の特別決議を得れば、会社は強制的に買い上げることができる株式です。

通常はスクイーズアウトの手法で使われ、全部取得条項付株式を買い上げる代わりに、株式比率を乗じた数の普通株式を発行し、少数株主を排除します。

買収防衛策としては、無議決権優先株式を全部取得条項付株式として買い上げ、その対価として普通株式を交付させることで株式数を増加させ、買収コストを上げて買収しにくくします。この方法は近年考案された方法であるため、実施例はあまりありません。

⑩事前警告型

10個目は、事前警告型です。この方法では、株主利益が明らかに損なわれるなどの一定の事由が発生した場合に行う事柄について、あらかじめ公表しておきます

この策をとっている企業を買収しようとした場合、公表されている買収防衛策が発動するため、簡単に買収することができなくなります。

有効的な第三者に頼る敵対的買収後の防衛策

次は、友好的な第三者に頼る敵対的買収後の防衛策です。この防衛策は、友好的な第三者に対して株式の売買を行って、敵対的買収を防ぐという方法です。

この友好的な第三者に頼る敵対的買収後の防衛策には、以下の3種類が分類されます。
 

  1. ホワイトナイト
  2. 第三者割当増資
  3. 第三者との株式交換

①ホワイトナイト

1つ目の方法は、ホワイトナイトです。ある企業が敵対的買収をされそうになった時に、友好的な第三者の企業・経営者に買収をしてもらうことです。

友好的な第三者の企業・経営者のことを白馬の騎士(ホワイトナイト)と呼ぶことから、この買収防衛策はホワイトナイトと呼ばれています。

②第三者割当増資

2つ目の方法は第三者割当増資です。この方法は会社が発行する新株を友好的な企業や特定の取引先などひいきのある所に引き受けてもらうことを言います。

原則として、会社が発行する株式を誰にどれだけ売るかは自社が決められるため、第三者割当増資を行うことが可能です。

買収防衛策としては、買収阻止のために新株を発行し、特定の企業や経営者に買い取ってもらいます。

しかし、新株を発行しすぎると株価が低下し、株主が不利益を受けることから、株主には不公平な新株発行には差し止めを請求する権利が認められています。

③第三者との株式交換

3つ目の方法は、第三者との株式交換です。買収される会社の自社株式を友好的企業に渡すことにより、敵対的買収を阻止します

なお、この方法で友好的企業に買収されるというところまで進んだ場合は、ホワイトナイトと呼ばれるようになります。

企業価値を低下させる敵対的買収後の防衛策

3つ目は、企業価値を低下させる敵対的買収後の防衛策です。この方法では、買収される企業の魅力を低下させることで、敵対する企業の買収意欲をそぎます。

この企業価値を低下させる敵対的買収後の防衛策には、以下の3種類が分類されます。
 

  1. ジューイッシュ・デンティスト
  2. 焦土作戦(クラウン・ジュエル)
  3. 資産ロックアップ

①ジューイッシュ・デンティスト

1つ目は、ジューイッシュ・デンティストです。これは、敵対的買収の標的になった場合、マスコミを通じて自社のネガティブイメージを宣伝し、社会的信用を無くすことで買収意欲をなくす方法です。

万が一、社会的信用を失った状態で敵対的買収を行ったとしても、社会的信用を回復させるために多額の資金が必要になるだけでなく、資金調達も困難になるため買収意欲をそぐことができます。

ただし、買収防衛策に成功したとしても、そのあとは社会的信用を失ったまま経営を行う必要があるため、リスクを負った方法であるともいえます。

②焦土作戦(クラウン・ジュエル)

2つ目は、焦土作戦(クラウン・ジュエル)です。この方法は、買収企業が欲しがっている資産や事業を売却して、買収させる会社の企業価値や魅力を意図的に低下させ、買収意欲をそぎます

焦土作戦の語源は、迫ってくる敵に武器や弾薬を使わせないために自軍の軍事施設を焼き払う、ということに由来しています。

なお、焦土作戦は経営陣の独断で行うことができますが、買収防衛策を行った後は企業価値が大きく低下するため、株主に大きな影響を与えることになります。そのため、日本でこの買収防衛策が行われた例は、1例しかありません。

③資産ロックアップ

3つ目の方法は、資産ロックアップです。もともとロックアップとは、公開直後にその株式を売却しないよう制限を設けていることを言います。

ここから派生して、買収防衛策では買収直後に買収された資産が売却できないよう、制限を設ける旨を定款で定めることを言います。

買収される企業の資産目的で敵対的買収を行う場合、資産ロックアップにより買収意欲を低下させることができます。

その他

最後は、先ほどまで紹介した3つに当てはまらない買収防衛策を紹介します。ここで紹介する買収防衛策は以下の3つです。
 

  1. パックマン・ディフェンス
  2. スタッガードボード
  3. 労働組合との関係

①パックマン・ディフェンス

1つ目はパックマン・ディフェンスです。敵対的買収が行われる可能性があるときに、買収される企業が逆に買収を仕掛けるという方法です。

日本の会社法では、買収される企業が買収を仕掛けている企業の4分の1の株式を取得したとき、その企業は自社の株主総会における議決権を失います。

パックマン・ディフェンスは、このルールを利用した方法です。しかし、多額の資金が必要になるため中小企業のような規模の小さい会社が行うような買収防衛策ではありません。

②スタッガードボード

2つ目の方法は、スタッガードボードです。この方法は、取締役など役員の改選時期をずらすように決めておくことです。

敵対的買収を行った後は、必ず取締役などの役員を解職させ、買収企業の意見に従ってくれるような役員を選任します。

しかしスタッガードボードが行われると、それがすぐにできないため、買収企業の意欲をそぐことができます。

③労働組合との関係

最後に紹介する買収防衛策は、労働組合との関係を利用した方法です。労働組合とは、労働環境の改善や賃上げなどを求めて労働者が組合を作ることにより、経営者に意見をする組織のことです。

経営者が労働者の意見を受け入れてくれない場合は、ストライキを決行することもできるため、労働組合も買収反対の立場である場合は、ストライキを決行されるなどの可能性があることから買収意欲を低下させることができます。

しかし、買収後に人員整理をされてしまうと効果がなくなるので、別の買収防衛策と同時に行っておくことが一般的です。

3. 買収防衛策の問題点

買収防衛策の問題点について

この章では、買収防衛策の問題点について解説していきます。買収防衛策を行う場合、株式や会社の利益に大きく影響するため、株主や社員への影響を考慮する必要があります

ここでは、以下の3点から、買収防衛策の問題点をみていきましょう。
 

  1. そもそも買収防衛策に意味はあるのか?
  2. 経営者・会社視点であること
  3. 市場に閉塞感を生む可能性があること

①そもそも買収防衛策に意味はあるのか?

買収対策を検討する場合は「そもそも買収防衛策に意味があるのか」という点を、考える必要があります。

先述したように、買収防衛策のほとんどが株主や社員に不利益を受けるものであるため、的外れな買収防衛策を行っても買収を阻止できないばかりか、株主や社員に不利益を与えるだけの結果になりかねません

買収対策を行う際は、敵対的買収を行う企業にとって効果のある買収防衛策なのか、しっかり検討することが重要です。

②経営者・会社視点であること

次に挙げる問題点は、買収防衛策が経営者・会社視点のみで行われていないか、ということです。

買収防衛策の大半は定款を変更する必要があり、定款を変更する際には株主総会での決議が必要になるため、株主の同意が得られていると考えることができます。

しかし、焦土作戦など一部の買収防衛策は、会社の経営陣が独断で行えるため、株主や社員の不利益を考慮せず、経営者・会社視点で買収防衛策を行いやすくなる点には、十分注意が必要です

③市場に閉塞感を生む可能性

最後に挙げる問題点は、市場に閉塞感を生む可能性があるということです。一般的に、株式分割を行うと株式数が増加するため、株式の流動性が上がります。それに伴い、その株式の需要が増加するため、株価も上昇します。

買収防衛策は、株式に対して上記とは逆に、流動性を下げようとするものです。そのため、株価が低下し株主が不利益を受けることになります

4. 買収防衛策を導入する場合の原則

買収防衛策を導入する場合の原則

この章では、買収防衛策を導入する場合の原則について、解説していきます。買収防衛策を実施する際は、以下の3点について、確認しておくことが必要です。
 

  1. 事前に開示し株主に納得してもらうこと
  2. 企業価値・株主の利益や向上を考えること
  3. 買収防衛策の必要性があること

①事前に開示し株主に納得してもらう

1つ目の原則は、事前に買収防衛策を開示し、株主からの同意を得ておくことです。先述したように、買収防衛策を行うと、株主が不利益を受けることになり、その不利益が大きすぎれば株主に差し止め請求権を行使されて、買収されてしまう可能性があります。

定款変更に伴う買収防衛策では、株主総会で議決を得る必要がありますが、経営陣の独断で行える買収防衛策についても、株主に事前に通知を行うなどをするようにしましょう

②企業価値・株主の利益や向上を考える

2つ目は、企業価値・株主の利益や向上を考えることです。買収防衛策には、企業価値を低下させることで買収意欲を下げたり、株式数を操作するため株主が不利益を受けるものがあります。

企業価値の低下に関しては、焦土作戦のように本命の事業を売却すると、株主が減少し資金調達が困難になります。

また株式数については、新株予約権の発行などで全発行済株式数が増加し、株価が下落して株主が不利益を受けることがあります。

買収を回避したとしても、経営を継続することが困難になるため、買収防衛策を行う前に買収回避後のことも考えておく必要があります

③必要性があること

3つ目は、その買収防衛策が本当に必要であるかどうかです。買収防衛策を行うと、株主などが不利益を受けることになるので、結果として株主が減少してしまい、資金調達が困難になる場合があります。

買収されるか、回避後の経営が困難になるか、この両者のリスクを十分に考慮したうえで、買収防衛策を行うことが重要です

5. 買収防衛策の現状

買収防衛策の現状

買収防衛策を実施する企業は、2006年から2008年にかけて一気に増加し、2008年には569の企業で買収防衛策が導入されました。しかし2008年をピークに、買収防衛策を導入する企業は年々減少しています

一方、買収防衛策を廃止している企業も2006年から登場しました。その後、年間20~30件程度増加し、2018年4月の段階では、263社が買収防衛策を廃止しており、この流れは今後も続いていくと考えられています。

6. 買収防衛策の導入企業・廃止企業一覧

買収防衛策の導入企業・廃止企業一覧

最後に、買収防衛策の導入企業および廃止企業について、紹介していきます。この章では、買収防衛策を導入した企業を17社、廃止した企業を24社取り上げてます。

買収防衛策の導入企業

まずは、買収防衛策導入企業を17社ご紹介します。取り上げる企業は、以下のとおりです。
 

  1. イオン
  2. GMOインターネット
  3. 櫻島埠頭
  4. トナミHD
  5. 赤阪鉄工所
  6. 東洋紡
  7. 因幡電機産業
  8. 森永製菓
  9. ファースト住建
  10. 神田通信機
  11. 株式会社トクヤマ
  12. トーセイ株式会社
  13. 明電舎
  14. フジテレビ
  15. システム開発会社ソレキア
  16. オリジン東秀
  17. ブルドックソース

①イオン

1社目は、イオンです。イオンは買収防衛策として、事前警告型とポイズンピルを行っています

まず、事前警告型としては、議決権割合が20%を超えるような買付行為、もしくは20%以上になるための買付行為に対して警告を行っています。この警告に従わない場合、ポイズンピルを発動すると、ホームページで公表しています。

②GMOインターネット

2社目は、GMOインターネットです。この企業は、買収防衛策を2006年から導入しており、導入している買収防衛策は、事前警告型とポイズンピルです

事前警告型では、議決権割合の20%を超えるような大規模買付や、それを行うグループに対して警告を行っており、これに従わない場合はポイズンピルを発動するとしています。

③櫻島埠頭

3つ目の企業は、櫻島埠頭です。この会社の本社は大阪にあり、多品種の貨物を取り扱う、総合的な陸海中継業務を行っています。

櫻島埠頭の行っている買収防衛策は、事前警告型とポイズンピルであり、議決権割合が20%を超える買付行為に対して警告をし、警告に従わない場合はポイズンピルを発動します

④トナミHD

4つ目の企業はトナミHDで、富山県高岡市に本社を置く運送会社です。2017年から買収防衛策を導入していており、この企業の買収防衛策は事前警告型とポイズンピルです

議決権割合が20%を超える買付行為に対して警告を行っており、警告に従わない場合はポイズンピルを発動するとしています。

⑤赤阪鉄工所

5つ目の企業は赤阪鉄工所で、静岡県焼津市に本社を置く、船舶用ディーゼル機関の会社です。2017年から買収防衛策を導入しており、この企業で採用している買収防衛策も事前警告型とポイズンピルです。

議決権割合が20%を超える買付行為に対して警告を行っており、警告に従わない場合はポイズンピルを発動します。

⑥東洋紡

6つ目の企業は東洋紡で、大阪に本社を置く繊維の開発製造を行っている会社です。2008年から買収防衛策を導入しており、この企業も買収防衛策として事前警告型とポイズンピルを行っています。

議決権割合が20%を超える買付行為に対して警告を行っおり、警告に従わない場合はポイズンピルを発動することになっています。

⑦因幡電機産業

7つ目の企業は、因幡電器産業で2014年から買収防衛策を導入しています。この企業も買収防衛策として、事前警告型とポイズンピルを行っており、議決権割合が20%を超える買付行為に対して警告し、従わない場合はポイズンピルを発動することになっています。

また因幡電機産業には、買収防衛策に対して特別委員会を設置しているという特徴があります

⑧森永製菓

8つ目の企業は森永製菓で、東京都港区に本社を置く大手菓子メーカーです。2008年から買収防衛策を導入しており、買収防衛策として事前警告型とポイズンピルを行っています。

議決権割合が20%を超える買付行為に対して警告を行い、従わない場合は新株予約権を発行して、議決権割合を低下させようとします。

⑨ファースト住建

9つ目の企業はファースト住建で、兵庫県尼崎市に本社を置く不動産会社で、2017年から事前警告型とポイズンピルの買収防衛策を導入しています

事前警告型に関しては、議決権割合が20%を超える買付行為に対して警告を行っており、従わない場合はポイズンピルを発動することになっています。

⑩神田通信機

10個目の企業は神田通信機で、東京都千代田区に本社を置く通信機器事業を行っている会社です。この会社も事前警告型とポイズンピルの2つの買収防衛策を導入しています。

なお、この企業に関しては、合同会社M&Sが買収防衛策に反対しており、神田通信機はこの反対に対しての取締役会の意見を公表しています

⑪株式会社トクヤマ

11個目の企業は株式会社トクヤマは大手総合化学工業メーカーです。この会社も買収防衛策を導入していますが、継続して実施するか否かを3年ごとの株主総会で更新しています。

2015年は65.88%の株主が更新に賛成をしましたが、2018年は56.7%と大きく減少しました。経営者の保身につながるとの観点から、賛成する株主が減少しているものと考えられます

⑫トーセイ株式会社

12個目の企業はトーセイ株式会社で、東京都港区に本社を置く不動産会社です。2018年から事前警告型とポイズンピル、2つの買収防衛策を導入しています

事前警告型に関しては、議決権割合が20%を超える買付行為に対して警告を行い、従わない場合はポイズンピルを発動することになっています。

⑬明電舎

13個目の企業は明電舎で、東京都品川区に本社を置く電気機器メーカーです。2017年から事前警告型とポイズンピルの2つの買収防衛策を導入しています

議決権割合が20%を超える買付行為に対して警告を行い、従わない場合はポイズンピルを発動することになっています。

⑭フジテレビ

14社目はフジテレビです。2005年にライブドアはTOBによってフジテレビの経営権を取得しようとしました。

それに対してフジテレビは、友好的な第三者であるフジサンケイグループと株式交換を行い、さらに新株予約権を発行してライブドアの敵対的買収を防ごうとしました。

なお、この事件は、買収防衛策の意識が高まるがきっかけとなったものです

⑮システム開発会社ソレキア

15社目は、システム開発会社ソレキアです。2017年、フリージア・マクロスの佐々木ベジ会長が仕掛けた敵対的買収に対して、ホワイトナイトを実行しました

その友好的第三者は昔から取引があった富士通で、こちら側もTOBを行いました。しかし、この事例は、買収防衛に失敗しています。

⑯オリジン東秀

16社目の事例は、オリジン弁当を経営するオリジン東秀です。敵対的買収を行おうとした企業はドン・キホーテで、次世代のコンビニエンスストアを作るためにTOBを実施しました。

これに対して、オリジン東秀はホワイトナイトとしてイオンにTOBを依頼しました。この事例では、買収防衛に成功しています。

⑰ブルドックソース

最後に紹介する事例は、ブルドックソースです。買収防衛策として、買収企業に対して不利な条件での新株予約権を発行しました。

これに対して買収企業が提訴し、初めて買収防衛策の適法性について争われた事例です。判決では、買収による利益等については株主が判断するため、株主総会の意見が尊重されるべきとされ、買収側が敗訴となりました。

買収防衛策の廃止企業

次は、買収防衛策を廃止した企業を24社ご紹介します。取り上げる企業は、以下のとおりです。
 

  1. パナソニック株式会社
  2. 日清食品ホールディングス
  3. クラレ
  4. テイツー
  5. 省電舎
  6. 日本プロセス
  7. ミルボン
  8. ダントーHD
  9. リンテック
  10. ダイワボウ
  11. 日本ハム
  12. ワコール
  13. 京浜急行電鉄
  14. 阪和興業
  15. 帝人
  16. 日本曹達
  17. 理研機器
  18. 日本郵船
  19. 久光製薬
  20. リンナイ
  21. 日清オイリオグループ
  22. コメリ
  23. グンゼ
  24. テルモ
     

①パナソニック株式会社

1つ目は、パナソニック株式会社です。パナソニック株式会社は、2005年から議決権割合の20%を超える買付行為に対し、警告を行う買収防衛策をとっていました。

しかし2016年、コーポレートガバナンスや外部環境を考慮した結果という理由により、買収防衛策を廃止しています

②日清食品ホールディングス

2つ目は、日清食品ホールディングスです。日清食品ホールディングスは、2007年から大量株式買付行為に対して警告を行う買収防衛策をとっていました。

しかし2019年に、買収防衛策の必要性が相対的に低下したことことを理由に廃止を決定しています

③クラレ

3社目は、クラレです。クラレは2007年から、クラレ社株式の大量買付行為に対して警告を行う買収防衛策をとっていました。

しかし2018年に、経営環境の変化や、金融商品取引法による大量買付行為の規制が浸透し必要性が低下したことから、廃止を決定しています

④テイツー

4社目はテイツーです。テイツーは2005年から、株式の大量買付行為に対して警告を行う買収防衛策をとっていました。

しかし2018年には、買収防衛策に関する環境の変化や法整備の状況を踏まえて、実施していた買収防衛策を廃止しています

⑤省電舎

5つ目の事例は、省電舎です。この企業は、2018年に有価証券報告書を期限内に提出できなかったことから、特設注意銘柄に指定されました。

公式に発表された資料はないものの、おそらくこの事件をきっかけに社会的信用が低下したことから、買収防衛策の必要性が低下したのではないかと考えられます

⑥日本プロセス

6社目は日本プロセスです。日本プロセスは、大量株式買付行為に対して警告を行う買収防衛策をとっていました。

しかし、買収防衛策の必要性について相対的に低下したことを理由に、廃止を決定しています

⑦ミルボン

7つ目の事例は、ミルボンです。ミルボンは2008年から、株式の大量買付行為に対して警告を行う買収防衛策をとっていました。

しかし2018年、買収防衛策に関する動向や、当社の経営環境の変化等を考慮した結果、買収防衛策の必要性が低下したとして廃止しています。

⑧ダントーHD

8社目はダントーHDです。ダントーHDは、2012年から株式の大量買付行為に対して、警告を行う買収防衛策をとっていました。

しかし2018年には、金融商品取引法による大量買い付けに対する規制の整備や、コーポレートガバナンス・コードの浸透を踏まえ、買収防衛策の非継続を決定しています

⑨リンテック

9社目はリンテックです。2007年から当社株式の大量買付行為に対して警告を行う買収防衛策をとっていました。

しかし2018年に、国内外の機関投資家をはじめとする株主の意見や、買収防衛策に対する近年の動向を踏まえ、買収防衛策を廃止することを決定しています。

⑩ダイワボウ

10社目はダイワボウです。ダイワボウは2009年から、株式の大量買付行為に対して警告を行う買収防衛策をとっていました。

しかし2018年、金融商品取引法による大量買付行為に対する規制の浸透、や買収防衛策をめぐる近年の変化などを理由に、買収防衛策を廃止しています。

⑪日本ハム

11社目は日本ハムです。日本ハムは、2006年から自社株式の大量買付行為に対する買収防衛策をとっていました。

しかし2018年、企業価値や株主の利益確保に当たって、買収防衛策の必要性が相対的に低下したことを理由に廃止しています。

⑫ワコール

12社目のワコールは、2006年から買収防衛策をとっていました。

しかし2018年には、金融商品取引法による大量買付行為規制の浸透や、外部環境の変化を理由として,
買収防衛策を廃止しています。

⑬京浜急行電鉄

13社目は京浜急行電鉄です。京浜急行電鉄も2007年から、ここまで紹介した会社と同様の買収防衛策をとっていました。

しかし2018年には、株主や独立委員会の意見や外部環境の変化を理由に、買収防衛策を廃止しています。

⑭阪和興業

14社目は阪和興業です。この会社も2007年から買収防衛策をとっていたのですが、機関投資家からの意見や業績の最高最高更新による企業価値の向上などを踏まえてこの策の必要性が低下していました。

以上のような理由により、2018年に阪和興業は、買収防衛策を廃止しています。

⑮帝人

15社目は帝人で、2006年から株式の大量買付行為に対する対策をとっていました。

しかし2018年、買収防衛策をめぐる近時の動向やコーポレートガバナンス・コードを考慮して、買収防衛策を廃止しています。

⑯日本曹達

16社目は日本曹達です。日本曹達は2007年から、株式の大量買付行為に対する対策をとっていました。

しかし2018年には、コーポレートガバナンスの整備と強化、株主の利益確保や向上のため、買収防衛策を廃止しています。

⑰理研機器

17社目は理研機器です。理研機器は、2009年から株式の大量買付行為に対する対策をとっていました。

しかし2018年、買収防衛策をめぐる動向や株主の意見を踏まえて、買収防衛策を廃止を決定しています。

⑱日本郵船

18社目は日本郵船で、この会社も株式の大量買付行為に対する対策をとっていました。しかし、2014年に買収防衛策の意義が相対的に低下しているという理由で廃止しています。

⑲久光製薬

19社目は久光製薬で、この会社も株式の大量買付行為に対する対策をとっていました。しかし、2017年に買収防衛策が及ぼす影響を考慮した結果、廃止することを決めています。

⑳リンナイ

20社目はリンナイで、この会社も2008年から株式の大量買付行為に対する対策をとっていました。

しかし2017年、金融商品取引法による大量買付行為の規制の浸透や、買収防衛策の目的が担保されるようになってきたことを理由に、廃止することを決めています。

㉑日清オイリオグループ

21社目は日清オイリオグループで、2008年から株式の大量買付行為に対する対策をとっていました。

しかし2017年には、買収防衛策をめぐる近年の動向やその影響を考慮して、廃止することを決めています。

㉒コメリ

22社目はコメリです。コメリは2007年から、株式の大量買付行為に対する対策をとっていました。

しかし2017年には、金融商品取引法による規制の整備や、買収防衛策をめぐる近年の動向などを踏まえて、廃止することを決定しています。

㉓グンゼ

23社目はグンゼです。グンゼは2006年から、株式の大量買付行為に対する対策をとっていました。

しかし2017年には、金融商品取引法による規制の整備や、買収防衛策の目的がある程度担保されていることを理由に、廃止を決定しています。

㉔テルモ

最後はテルモです。テルモは2008年から、株式の大量買付行為に対する対策をとっていました。

しかし2017年には、近年の業績過去最高による企業価値の向上や、金融商品取引法による規制の整備などの理由から、買収防衛策を廃止しています。

7. 買収防衛策についてのご相談はM&A総合研究所へ

買収防衛策についてのご相談はM&A総合研究所へ

買収防衛策を導入もしくは廃止するときは、メリットだけでなくデメリットを考慮して行わなければなりません。

しかし、経営陣だけでは専門性に欠ける場合があることから、M&A仲介会社などの専門家に相談しながら進めていくことをおすすめします。

M&A総合研究所では、買収防衛策に関する知識・実績豊富なM&A専門の会計士が、フルサポートを行います。

着手金・中間報酬は無料の完全成功報酬型を採用しており、手数料は業界最安値水準となっています。

無料相談を行っていますので、会社買収の防衛策についてお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
電話で無料相談WEBから無料相談

8. まとめ

買収防衛策 まとめ

買収防衛策は、近年廃止される傾向がありますが、会社ごとにステークスホルダーとの関係性は異なるため、一様に買収防衛策を導入しない、廃止するということはできません。

買収防衛策が必要であるかどうか、また必要な場合に有効な方法はどれなのかを判断するためには、専門的な見解から総合的に判断する必要があります。
 

  • 買収防衛策の解説について
  • →全部で19種類ありますが、最もよく使われる策はポイズンピルです。
  • 買収防衛策を導入する際の問題点について
  • →買収防衛策を行う際には株主などが不利益を受けるため十分な考慮が必要になります。

M&A総合研究所では、買収防衛策についての経験と実績が豊富な、M&A専門の会計士が一括サポートをいたします。

会社買収の防衛策についてや、そのほかM&Aについてご検討の方は、お気軽に無料相談をご利用ください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談なら専門の会計士のいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 業界最安値水準!完全成果報酬!
  2. M&Aに強い会計士がフルサポート
  3. 圧倒的なスピード対応
  4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は会計士が運営するM&A仲介会社です。
企業会計に強く、かつM&Aの実績も豊富です。全国にパートナーがいるので案件数も豊富。
また、業界最安値水準の完全成果報酬制のため、M&Aが成約するまで完全無料になります。
まずはお気軽に無料相談してください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

電話で無料相談WEBから無料相談
  • 02
  • 03
  • 04
  • 05

関連するまとめ

関連するキーワード

人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ