配当還元方式とは?非上場株式の計算方法、事業承継や相続での活用も紹介

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企業情報第二部 部長
向井 崇

銀行系M&A仲介・アドバイザリー会社にて、上場企業から中小企業まで業種問わず20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、不動産業、建設・設備工事業、運送業を始め、幅広い業種のM&A・事業承継に対応。

配当還元方式は、株式の配当金を用いて株価を算出する方法です。非上場の会社や少数株主からの株式の相続・贈与時の評価に使われることが多いです。本記事では、配当還元方式の種類や特徴、利用シーン、配当還元方式を用いた企業価値評価の計算方法などを解説します。

目次

  1. 配当還元方式とは?
  2. 配当還元方式による非上場株式の計算方法
  3. 配当還元方式と他の企業評価方法との違い
  4. 配当還元方式を採用すべき場合
  5. 配当還元方式の要件
  6. 配当還元方式の事業承継・相続での活用方法
  7. 配当還元方式を採用する際の注意点
  8. 配当還元方式のまとめ
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1. 配当還元方式とは?

配当還元方式とは、非上場企業の株価を評価する方法です。同族会社や同族株主がいる会社の少数株主が、保有する株価を評価する際などに主に用います。

少数株主が、非上場株式を相続や贈与により取得したときの評価方式で、株式の所有によって受け取る1年間の配当金額を一定利率(10%)で還元し、元本の株式価額を評価します。

保有する議決権が少なく、会社の経営にも携わっていない少数株主は、会社の経営に強い影響を与えられません。

このような少数株主は、多くの場合で配当金を目的に株式を保有しています。そのため、株価を評価する際は、配当金を基準に算定する配当還元方式を利用します。

配当還元方式は、他の株式評価法よりも低く評価される傾向にあるため、相続税や贈与税が安いです。

2. 配当還元方式による非上場株式の計算方法

配当還元方式で非上場企業の株式を計算する方法はいくつかありますが、相続や贈与の際によく利用される国税庁の配当還元方式は、以下の計算方法です。

簡単にいうと、直前期以前の2年間における年平均の1株当たりの配当金額を10倍した金額が評価額です。

ただし、1株当たりにおける資本金などの金額を50円とする際の直前期以前における2年間の年平均配当金額(年配当金額)が2.5円未満、あるいは配当なしのときは、年配当金額を2.5円とします。

そして、その金額を10倍した金額に、1株当たりの資本金などの金額÷50円を乗じた金額が1株当たりの価額です。

国税庁配当還元方式の計算方法

  • 評価額=(1株当たりの年間配当額/10%)×(1株当たりの資本金などの金額/50円)

また、将来の成長を考慮したゴードンモデル法を用いた場合は、以下の計算式で算出します。

ゴードンモデル法の計算方法
  • 評価額=将来予測される年間配当額/(資本還元率-投資利益率×内部留保率)

投資利益率と内部留保率を用いることで、内部留保を再投資することで得られると予想される利益を反映させます。

このように、配当還元方式による株式価値評価にはさまざまな計算方法が用いられます。しかし、計算式が難しいため、より正確な評価額を求めるためには専門的な知識が必要です。

M&A総合研究所では、M&Aの豊富な実績を持つM&Aアドバイザーが、M&Aのご相談や交渉・手続き、配当還元方式による算出などを丁寧にサポートいたします。

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3. 配当還元方式と他の企業評価方法との違い

非上場企業の株式価値を評価する際は、配当還元方式以外に、類似業種比準法や純資産価額法などが代表的な方法として用いられます。

相続税や贈与税対策としては配当還元方式が好まれますが、配当還元方式は全ての株主が利用できるわけではありません。株主の状況や会社の規模などにより、適切な企業評価方法を用いることが大切です。

以下、原則的評価方式、純資産価額方式、類似業種比準方式、特例的評価方式について解説します。

①原則的評価方式

原則的評価方式は、純資産価額方式と類似業種比準方式をさします。一般的に、これら2つの方法で評価します。

②純資産価額方式

純資産価額方式では、会社の純資産価額を発行する株式の数で割ります。会社が解散したと仮定して株主に分配される財産の価値を評価する方法ともいえます。

③類似業種比準方式

類似業種比準方式では、評価を受ける会社と似た業種の会社における平均株価、年利益金額、1株当たりの配当金、純資産価額を比較して計算します。

実際の取引価額を参考にしているため説得力があり、M&Aなどに利用されます。

④特例的評価方式

配当還元方式が、特例的評価方式に該当します。

配当還元方式は、株主に還元される配当金のみが評価対象です。株式の発行数に左右されない一律の計算方法があります。

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4. 配当還元方式を採用すべき場合

配当還元方式を採用すべき場合は、下記のケースです。

  • 半数超の株式を持つ同族の関係者グループが存在する
  • 30%~50%の株式を持つ同族の関係者グループが存在する

上記のケースでは、会社経営に大きな影響を与える株主の存在が想定できるため、それ以外の配当金のみが目的である株主へ配当還元方式を適用できます。

このようなグループ・人がいなくても、15%以上の株式を持つ人がいるケースにも多大な影響を与える人物の存在を想定できます。そのため、それ以外の株主へ無条件で配当還元方式を用いられます。

5. 配当還元方式の要件

ここでは、配当還元方式の要件を解説します。同族株主の定義、中心的な同族株主の定義、中心的な株主の定義を見ていきましょう。

同族株主の定義

課税時期や相続開始時における評価会社株主の中で、株主の1人やその同族関係者が持つ議決権の合計数が、評価会社における議決権総数の30%以上であるケースの株主や同族関係者が、同族株主です(議決権合計数が最多のグループが持つ議決権の合計数が50%超であれば、50%超です)。

同族関係者とは、同族関係での個人または法人のことです。また、株主の1人は、納税義務者でないケースもあります。他の株主を中心に判定して要件を満たすと同族株主です。

中心的な同族株主の定義

中心的な同族株主とは、課税時期に同族株主の1人そして株主の配偶者、直系血族、兄弟姉妹や1親等の姻族が持つ議決権の合計数が、会社における議決権総数の25%以上であるケースの株主をさします。

直系血族とは、親、祖父母、子、孫などで、祖父母より上の世代・孫より下の世代も含みます。

中心的な株主の定義

課税時期に株主の1人やその同族関係者が持つ議決権合計数が、会社の議決権総数の15%以上である株主グループの中で、どれかのグループに単独で議決権総数における10%以上の議決権を持つ株主がいるケースの株主が、中心的な株主です。

6. 配当還元方式の事業承継・相続での活用方法

ここでは、配当還元方式の事業承継・相続における活用方法を見ていきます。

従業員持ち株会を組織する利点

従業員持ち株会は、会社の従業員により組織されます。従業員は従業員持ち株会に属すと、自社株の一部を買い受けて所有できるのです。

株式を譲渡する株主は、従業員持ち株会に株式を持たせると、財産が減るので相続税を抑えられます。従業員は、財産形成につながります。また、株式の譲渡で従業員が会社に属する意識を高める効果などもあるでしょう。

従業員持ち株会の存在は、経営者にとって福利厚生のアピールポイントにもなります。「従業員持ち株会に属して株式を所有していた従業員が離職する際は株式をすべて売り渡す」という条項を定めれば、自社株の社外流出も防げます。

従業員持ち株会を組織する問題点

従業員持ち株会を組織することには、問題点もあります。譲渡する株式数が増えすぎると、経営者側の実権がおびやかされる恐れがあるのです。退会する人が一時期に集中すれば、株式の買い戻しに多額の資金も要るでしょう。

そのため、譲渡株式の数をしっかりと考慮することが重要です。

また、従業員持ち株会を組織する前から株式を所有していた従業員が加入しないケースでは、従業員の所有する株式を管理しにくい問題もあります。

役員持ち株会を組織する選択肢

血縁者以外の役員を後継者と定め、役員持ち株会を組織して株式を渡す方法を用いて、配当還元方式を利用できます。

会社の経営権を、血縁者以外に譲るケースもあります。役員となる従業員が経営者の血縁者ではなく、大株主でもないケースでは、役員持ち株会を作り配当還元方式を利用して株式譲渡が可能です。この場合の利点と問題点は、従業員持ち株会とほとんど同じといえます。

税金を逃れるために役員持ち株会を組織したと言及されないよう、適正に運営することも大切です。

7. 配当還元方式を採用する際の注意点

配当還元方式は直前期末以前2年間の配当金額を計算する際に、下記にあげる注意点をしっかりと理解して採用しましょう。以下の3点が大切なポイントです。
 

  • 配当金額の中で、非経常的な特別配当・記念配当などは除去する
  • 評価会社が中間配当を行う際は、中間配当額と期末配当額の合計が1年間の配当金額
  • 評価会社の事業年度が6カ月の際、直前期末以前4事業年度における配当金額の合計額が、直前期末以前の2年間の配当金額

8. 配当還元方式のまとめ

本記事では、配当還元方式の種類や特徴、利用シーン、配当還元方式を用いた企業価値評価の計算方法などを解説しました。

配当還元方式は、同族会社や同族株主がいる会社の少数株主が保有する株価を評価する際などに用います。しかし、企業価値評価の方法にはさまざまな種類があります。

そのため、株主の状況や会社の規模などにより適切な方法を選ぶことが大切です。

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