2024年06月26日更新
事業承継は銀行に相談すべき?銀行の役割やメリット・デメリットから解説
銀行では事業承継についての相談に対応していますが、その他にもM&A仲介会社や弁護士などでも相談が可能です。本記事では事業承継における銀行の役割、相談する手順やメリット・デメリットなどの情報をもとに、銀行に事業承継を相談する必要性やおすすめできない理由について解説します。
目次
1. 事業承継とは
事業承継とは、後継者へ事業や会社の経営を承継することです。事業承継の相談先には、商工会・商工会議所などの地域総合経済団体、税理士・弁護士などの士業、M&A仲介会社、事業承継・引継ぎ支援センターなどの公的機関、銀行などの金融機関があります。
本記事では、事業承継を銀行に相談するメリット・デメリットなどを紹介しますが、同じ銀行でも、メガバンクや外資系投資銀行と地方銀行では、事業承継の進め方やメリット・デメリットが異なるものです。
メガバンクや外資系投資銀行は主に大規模M&A・事業承継案件を取り扱い、地方銀行は中小規模の案件を中心に取り扱っています。特に地方銀行の場合、事業承継に関する情報提供や専門家の紹介、マッチング支援、資金需要への対応なども行うのが特徴です。
事業承継における銀行の立ち位置
企業の事業承継は近年重要な課題となっています。ある調査によれば、2025年には中小企業や小規模事業者の70歳以上の経営者は約245万人に達すると予測されています。そのため、多くの機関が経営者の事業承継を円滑に進めるための支援策を求めています。
特に銀行は、日々企業と接しているため、融資や資金繰りの支援だけでなく、事業承継に関する相談役としても期待されています。金融庁の調査によれば、銀行は事業承継に関する様々な相談に応じる窓口の一つとされ、自社株の譲渡や必要な資金に関する相談も行っています。
実際に、地方銀行での事業承継に関する対応件数は大幅に増加しており、経営者が「どのように事業承継を行うべきか」といった相談にも応じています。
事業承継で銀行が担う役割
事業承継で銀行が担う役割・支援内容としては、主に以下の3点が挙げられます。
- 自社株の相談
- 経営相談
- 相手先紹介の相談
自社株の相談
非上場の中小企業で親族に事業承継する場合、現経営者の所有する自社株を後継者に生前贈与するか相続で引継がせます。このとき、後継者には贈与税・相続税が発生しますが、納税額を明らかにするためには、自社株の価値を算定しなければなりません。
上場企業の株式であれば、株式市場を見れば株式価値(株価)は一目瞭然です。しかし、非上場企業ではそれはできませんから、企業価値評価を行って株式価値を算定する相談を銀行にすることで、適切に対応してくれます。
銀行は単に株式価値を算定するだけでなく、節税方法の相談や万が一、納税用資金が足りない場合の相談にも乗ってくれるでしょう。
経営相談
銀行は、融資先である中小企業の経営相談に、いつでも対応しています。融資先の業績が悪化して返済が滞ることは、絶対に避けたいのがその理由です。そして、従来の経営相談の延長線上のものとして、事業承継に関する相談にも銀行は積極的に対応しています。
銀行が対応する事業承継に関する相談例は、以下のようなものです。
- 後継者は決まっているが具体的な事業承継方法がわからない場合の支援
- 事業承継を行うまでの間の経営改善相談
- 後継者不在の場合の相談
- 事業承継・事業継続を断念する場合の廃業手続き相談
相手先紹介の相談
前項の相談具体例にある後継者不在の相談では、銀行からM&Aによる事業承継をすすめられるでしょう。M&Aで会社を売却することで、その買い手が後継者(新たな経営者)となって事業承継が実現します。相談では、銀行から、M&Aの相手先紹介を受けるケースも多いです。
銀行は、買収先を求める顧客企業からの相談も受けています。系列支店のネットワークがあるため、M&A仲介会社などとは違った相手先情報を持っている可能性もあるでしょう。近年はM&Aニーズの高まりを受けて、M&A仲介部門を設置する銀行も増えてきました。
銀行は、単にM&Aの相手先を紹介するだけでなく、本格的にM&A仲介業務に乗り出している銀行もあるので、M&Aによる事業承継にも積極的に対応しています。
2. 事業承継を銀行に相談するメリット・デメリット
普段から付き合いのある地方銀行であれば、事業承継に関する相談も気軽に行いやすいメリットがあります。その一方で、銀行に相談するデメリットもあるため、事前に把握しておくことが大切です。本章では、銀行のなかでも特に地方銀行に事業承継の相談をするメリット・デメリットを紹介します。
メリット
地方銀行に事業承継を相談するメリットは、主に以下の3点が挙げられます。
- 銀行独自のノウハウを活かした相談ができる
- 会社の経営状態を把握している
- 相談料・着手金がない銀行が多い
- 事業承継アドバイザーの資格を保有する行員がいる
銀行独自のノウハウを活かした相談ができる
銀行は、多くの中小企業と取引をしているため、中小企業の経営や事業承継に必要な知識やノウハウを有していることがあります。そのため、最近では銀行が、経営や自社株評価を含めた事業承継に関するコンサルティングや支援サービスを提供している機関が増えています。
こうしたサービスを利用することで、事業承継に関する経営の問題や自社株・事業用資産の評価額の概算算定など、事業承継に関するサポートを受けることができます。ただし、法務・財務・税務などの専門的な部分や具体的な事業承継の実務に関しては、提携する弁護士や税理士、M&A仲介会社などの専門家を紹介してもらうことが必要です。
これらの専門家のアドバイスを受けながら、銀行のサービスを併用することで、事業承継をよりスムーズに進めることができます。特に、経営に関する問題や自社株評価については、銀行が持つノウハウを生かすことで、中小企業のオーナーが事業承継を成功させるための重要な支援となるでしょう。
会社の経営状態を把握している
自社が日常的に接している銀行であれば会社の経営状態をよく把握しているので、事業承継の相談もスムーズに行いやすいメリットがあります。実際に、中小企業経営者が最初に事業承継の相談をする先として多いのは、税理士・会計士と銀行です。
税理士・会計士も銀行と同様に普段から接することが多く、自社の内情を把握しているので、経営者が事業承継を検討し始めた際にまず相談先として思い浮かびやすいと考えられます。
相談料・着手金がない銀行が多い
地方銀行の場合、事業承継の相談料や着手金を取っていないところがほとんどです。多くの地方銀行の場合、事業承継の相談を受けた後は、税理士やM&A仲介会社など、事業承継の専門家に必要な手続きを依頼します。
地方銀行は紹介料として専門家から手数料をもらう形も多いので、相談者からは手数料や着手金をもらわないことがほとんどです。
ただし、銀行が依頼した税理士やM&A仲介会社などへ業務を依頼する場合は、別途、手数料を支払うことになるので、どのような手数料が発生するかはしっかりと確認しておく必要があります。
事業承継アドバイザーの資格を保有する行員がいる
近年は中小企業の事業承継ニーズが高まっていることから、地方銀行の支店長や行員が事業承継アドバイザーの民間資格を取得するケースが増えています。事業承継アドバイザーの資格を持った行員などによる、事業承継に関するセミナーを定期的に開催している地方銀行もあるほどです。
事業承継に関する基本的な疑問であれば、地方銀行の事業承継アドバイザー資格を持った行員に相談すれば解決できるでしょう。ただし、地方銀行の支店長や行員はあくまで相談対応が可能というだけであり、実際の事業承継手続きは他の専門家に依頼することがほとんどです。
デメリット
地方銀行に事業承継を相談するデメリットは、主に以下の3点が挙げられます。
- 事業承継先は銀行の取引先が優先的に選ばれる可能性がある
- 実務は提携先のM&A仲介会社に任される
- 利益相反のリスクがある
事業承継先は銀行の取引先が優先的に選ばれる可能性がある
地方銀行では事業承継先とのマッチングも支援しているケースが増えていますが、マッチング先の選定方法は銀行によってさまざまです。
同じ銀行の系列内で事業承継先を探すケースもあれば、提携している銀行のネットワークを通じて事業承継先を探すケース、提携しているM&A仲介会社やマッチングサイトのネットワークを通じて事業承継先を探すケースなどがあります。
同じ銀行の系列内で事業承継先を探す場合は、選べる事業承継先が銀行の取引先内に限定されてしまうため、選択肢があまり広くなく注意が必要です。
実務は提携先のM&A仲介会社に任される
事業承継アドバイザーの資格を持つ行員がいる地方銀行は増えました。しかし、多くの場合では、事業承継の手続きは士業などの専門家とともに行ったり、提携先のM&A仲介会社に任せたりするケースも多いでしょう。小規模の事業承継案件は取り扱っていない地方銀行も少なくありません。
利益相反のリスクがある
事業承継先の企業も同じ銀行の取引先である場合、銀行としては買い手側に譲受資金を融資できる可能性があるため、買い手側に有利になるように交渉を進める可能性があります。明確な利益相反取引は法律違反ですが、とがめられない範囲で交渉が進められる可能性は否定できません。
紹介会社の手数料が高いケースもある
銀行の相談料や着手金自体は安く済んだとしても、紹介会社の手数料が高いというケースもあります。
事業承継を進めるにあたって当初は費用を抑えられるつもりが、思わぬ追加費用が嵩んでしまう可能性が考えられるでしょう。すべての銀行で同様のケースとなるわけではないものの、銀行側からは事前に教えてくれない場合が多いため、トータルでいくらかかるのかを調査して把握する必要があります。
3. 事業承継を銀行に相談した際の手数料
事業承継について銀行に相談した場合の手数料は、メガバンク・外資系投資銀行・地方銀行それぞれ違う料金体系です。メガバンクや外資系投資銀行などが大規模M&A案件を取り扱う場合、ほとんどのところで着手金・中間金・成功報酬が設定されています。
着手金とは、銀行とM&A・事業承継に関するアドバイザー契約を結んだ際に支払う手数料です。
M&A・事業承継の初期段階では、銀行はさまざまな調査・分析などを行う必要があり、案件規模が大きいほど手間と時間も多くかかるため、それらの労力に費やす費用として着手金を取るところもあります。
中間金とは、M&A・事業承継手続きの中間地点で支払う手数料であり、多くの場合は基本合意書締結時点で成功報酬の10~20%分を前払いする支払方法です。
成功報酬はM&Aが成立した場合に支払う報酬をいい、報酬の決定方法として多く採用されているのはレーマン方式という算定方法になります。レーマン方式とは、譲渡金額または総資産額などを基準額として、金額帯ごとに一定の料率をかけて支払額を算出する方法です。
一方、地方銀行の場合は、依頼者が直接銀行に手数料を支払うのではなく、地方銀行が紹介した士業などの専門家やM&A仲介会社などに手数料を支払い、銀行は紹介料として紹介先から手数料をもらうパターンがあります。
このケースの場合、事業承継の依頼者は、士業専門家やM&A仲介会社などに支払う手数料が高くなる可能性もあるので注意が必要です。
4. 銀行以外に事業承継を相談できる相談先の特徴
事業承継に関する相談は、銀行以外でも行えます。本章では銀行以外の支援機関に事業承継の相談をする場合の手数料や特徴を確認しましょう。
- M&A仲介会社
- 公的機関
- 弁護士・公認会計士・税理士
- M&Aマッチングサイト
M&A仲介会社
M&A仲介会社は、主に中小企業のM&A・事業承継を支援している専門家です。M&A仲介会社の大きな特徴は、M&A・事業承継の進め方をトータルでコーディネートできることになります。特にM&A仲介会社に求められるのは、最適な事業承継相手とのマッチングと適切な交渉です。
中小企業同士の事業承継では、相性のよい相手と出会い信頼関係を構築できるかどうかが重要になります。したがって、適切な相手を探す営業力、信頼関係を構築する交渉力を強みとしているM&A仲介会社が多く見られるでしょう。
M&A仲介会社が採用している手数料の種類は、メガバンクや外資系投資銀行と同じく、着手金・中間金・成功報酬であるケースがほとんどになります。
ただし、M&A仲介会社の場合はメガバンクや外資系投資銀行と違い、中小企業向けの手数料設定のケースが多く、最近は着手金や中間金を取らない、完全成功報酬制のM&A仲介会社が増えてきました。
公的機関
事業承継・引継ぎ支援センターやよろず支援拠点といった公的機関には、事業承継の専門家が在籍しており、事業承継の相談対応や専門家の紹介などを行っています。銀行など民間機関が対応できないような小規模な事業承継であれば、公的機関が直接支援することも可能です。
公的機関に対して手数料を支払う必要はありませんが、公的機関から紹介された士業などの専門家やM&A仲介会社へ支援を依頼した場合は別途手数料が必要になります。
弁護士・公認会計士・税理士
弁護士や公認会計士・税理士といった士業も、事業承継の相談を受け付けている事務所が増えてきました。相続・贈与の対応や契約書作成といった得意分野のサポートだけでなく、M&A仲介会社やマッチングサイトなどと提携して、事業承継相手の紹介を行っている事務所もあります。
地方銀行のケースと同じくマッチングまでは士業などの専門家が行い、その先の手続きは提携しているM&A仲介会社などに任せるケースが多く、その場合はM&A仲介会社へ別途手数料の支払いが必要です。
M&Aマッチングサイト
M&Aマッチングサイトは、銀行では取り扱わないような小規模な案件や赤字企業の案件でも登録が可能な点が特徴です。M&Aの専門家を通さずに直接交渉もできますが、マッチングした時点でマッチングサイトが提携している専門家にサポートを依頼できるサイトもあります。
手数料の仕組みはM&Aマッチングサイトによってさまざまですが、M&Aが成立した時点で譲渡金額の数%をマッチングサイト側に支払うケースが多いでしょう。
最近では、売り手側は手数料が無料、あるいは売り手・買い手双方が手数料無料のケースもあります。ただし、専門家に仲介を依頼する際は別途手数料の支払いが必要です。
5. 事業承継を銀行に相談する流れ
銀行に相談する場合の事業承継の一般的な流れを見ていきましょう。以下は中小企業庁が公表している「事業承継ガイドライン」に示されている流れです。
<親族内・従業員承継>
- 準備の必要性の認識
- 経営状況・経営課題等の把握(見える化)
- 経営改善
- 事業承継計画策定
- 事業承継の実行
<第三者承継>
- 準備の必要性の認識
- 経営状況・経営課題等の把握(見える化)
- 経営改善
- マッチング実施
- M&Aの実行
(参考:中小企業庁「事業承継ガイドライン」
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/download/shoukei_guideline.pdf)
銀行に相談する場合、多くなっているのは、1の「事業承継に向けた準備の必要性の認識」の段階での相談です。特に中小企業や小規模事業者とつながりの深い地方銀行では、経営者の方が事業承継に踏み出す窓口の1つとなっています。
2と3は、事業承継計画策定への準備段階です。事業承継計画の策定支援は、銀行によりサービス提供の有無に違いがあります。事業承継コンサルティングや事業承継支援サービスを提供している銀行もあれば、専門家を紹介する形をとる銀行もあります。
4と5は、事業承継を実施する段階です。地方銀行では、実際に事業承継を実施する段階まで至るケースはあまり多くありません。一方、都市銀行や投資銀行など事業承継やM&Aのサービスを提供している機関では、5まで対応しているところもあります。
また、銀行に相談する場合、自身が求める支援内容に応じて、相談する窓口を選ぶことが重要です。例えば、事業承継についての基本的な知識を学びたい場合は、セミナーや講座などを開催している銀行を選ぶとよいでしょう。
事業承継計画の策定については、コンサルティングや支援サービスを提供している銀行を選び、実際の事業承継に向けてのアドバイスを求めたい場合は、専門家を紹介する銀行を選ぶとよいでしょう。
ただし、銀行によっては、事業承継に対しての支援サービスが限られている場合もあります。そのため、自社の事業承継計画に応じた支援内容を提供している銀行を選ぶことが必要です。
最近では、地方銀行でも事業承継支援に積極的に取り組む銀行が増えています。中小企業の事業承継を支援するためのセミナーや講座の開催、事業承継に関する相談窓口の設置、事業承継支援ローンの提供など、様々な取り組みを行っています。
銀行は中小企業や小規模事業者の経営に関わることが多く、事業承継に関しても支援体制を整えています。事業承継を成功させるためには、自社の状況に合わせた適切な支援を受けることが大切です。
6. 事業承継を銀行に相談する際に注意すべきこと3選
事業承継について銀行に相談する際は、いくつか注意すべき点があります。特に意識しておきたいのは、以下の3点です。
- 数字を明確にして相談する
- 売上規模に応じて相談する銀行を選ぶ
- 業績が悪い場合は積極的な支援を受けられない可能性がある
①数字を明確にして相談する
銀行に事業承継の相談をする場合は、さまざまな数字を明確に提示しながら相談すると、より的確なアドバイスがもらえる傾向です。銀行は数字を重視して動いているため、数字を明確にせず漠然とした不安や疑問点を話しても、的確な答えが返ってこない可能性があります。
事業承継に関する漠然とした不安や疑問を相談したいのであれば、M&A・事業承継に関して数多くの経営者から相談を受けているM&A仲介会社や事業承継・引継ぎ支援センターの方が的確な対応をしてもらえる可能性が高いでしょう。
②売上規模に応じて相談する銀行を選ぶ
銀行の種類によって対応できる案件規模には違いがあります。地方銀行の場合、地元中小企業の事業承継に対応していることがほとんどであり、中堅以上の案件や小規模過ぎる案件には対応できないこともあるものです。
自社の事業承継に対して、銀行が対応してくれなかったり対応をためらっていたりする場合は、他の支援機関に相談することも検討した方がよいでしょう。
③業績が悪い場合は積極的な支援を受けられない可能性がある
地方銀行はリスクを取りたがらないケースが多いので、業績に不安がある場合は事業承継に対応してくれない場合もあります。しかし、実際の事業承継では、業績が悪くても会社に魅力があれば、買い手がつくケースは少なくありません。
業績が好調でなくても事業承継相手を見つけたい場合は、M&A仲介会社のように豊富な独自ネットワークを持っている専門家に相談すると、事業承継相手が見つかる可能性があります。
7. 事業承継の相談先に銀行がおすすめできない理由
ここまで事業承継の相談先としての銀行のメリットを紹介しましたが、おすすめできない理由もいくつかあります。必ずしも全てのケースに当てはまるわけではありませんが、効率的に事業承継を進めたいのであれば把握しておいた方がよいでしょう。
- M&A・事業承継の経験が豊富ではない
- 依頼する専門家が選べない
- 売り手企業に不利な条件となることがある
M&A・事業承継の経験が豊富ではない
メガバンクや外資系投資銀行などの大手銀行は別ですが、多くの地方銀行はM&A・事業承継の支援経験が決して豊富とはいえません。支援内容も限定的であることがほとんどです。M&A・事業承継は必要な専門知識が多岐に渡り、案件ごとに柔軟に対応できる豊富な経験も欠かせません。
M&A・事業承継の支援を任せるのであれば、豊富な支援経験のある専門家に依頼することが重要です。M&A・事業承継を依頼できる専門家をお探しでしたら、M&A総合研究所にご連絡ください。
M&A総合研究所には、豊富な支援経験を持ったアドバイザーが多数在籍し、さまざまな業種や規模のM&A・事業承継に携わった経験やノウハウを生かし、丁寧にフルサポートします。
料金体系は完全成功報酬制(※譲渡企業様のみ)で、着手金は譲渡企業様・譲受企業様とも完全無料です。無料相談を随時、受け付けています。M&A・事業承継をご検討の際は、M&A総合研究所までお気軽にお問い合わせください。
依頼する専門家が選べない
銀行に事業承継を相談すると、士業やM&A仲介会社を紹介されることがありますが、紹介してもらう専門家を選べません。
中小企業の事業承継は専門家との相性も重要であるため、もし紹介された専門家と相性がよくないと感じたら、遠慮せず断る判断も必要です。経営者自身の感覚で、この専門家は信頼できると思えるような専門家に依頼することが大切になります。
売り手企業に不利な条件となることがある
銀行が取引先企業同士で事業承継のマッチングを行った場合は利益相反となり、問題となるケースがあります。銀行の利益を考えると買い手企業を優遇した方がメリットがあるので、売り手側は損をする可能性が否定できません。
銀行に事業承継を相談する際は、その点をよく観察し慎重に進める必要があります。
8. 銀行との事業継承についてよくある質問
以下、銀行との事業承継についてよくある質問をまとめました。
事業承継信託とは?
事業承継信託は、企業所有者が事業を継承する際に設定できる信託であり、事業継承を円滑に進めることを目的としています。後継者は事業の運用や管理を元所有者の意思と目的に沿って進めることができるため、計画的かつ安全に事業継承を進めることができます。
メリット・デメリットがそれぞれいくつかあるため、詳細を下記のリンクから確認してみてください。
東京都の「地域金融機関による事業承継促進事業」とは?
「地域金融機関による事業承継促進事業」は、東京都が事業継承を支援する事業であり、令和元年から令和5年現在まで進められています。
支援の具体的な内容は、事業継承にまつわる課題の洗い出し、課題解決策の提案、資金調達などです。都内の中小企業は利用することができるため、気になる方は東京都の「地域金融機関による事業承継促進事業」から概要をチェックしてみてください。
銀行以外で事業承継を相談できる場所とは?
銀行以外で事業承継を相談できる場所には、下記があります。
- M&A仲介会社(M&Aコンサルティング)
- 弁護士
- 公認会計士
- 税理士
- 公的機関
本記事では銀行が事業承継の相談先としておすすめできない理由を紹介してきましたが、相談先は一体どこが良いのかと悩む方も多いでしょう。
結論、「M&A仲介会社」に相談することをおすすめします。銀行や士業は部分的な支援であるのに対して、M&A仲介会社やM&Aコンサルティング会社は、最初から最後まで事業継承を徹底的にサポートします。また銀行よりも専門的な知識や豊富な経験があるため、事業承継を安心安全に進めることができます。
9. 事業承継を銀行に相談するメリット・デメリットまとめ
事業承継の相談先には、商工会・商工会議所などの地域総合経済団体、税理士・弁護士などの士業、M&A仲介会社、事業承継・引継ぎ支援センターなどの公的機関などとともに、金融機関である銀行も相談先の1つです。
事業承継の相談をする際は、どのようなサポートを受けたいのかによって、自社に合ったところを選ぶことが大切になります。M&Aによる事業承継の相談から成約までの総合的なサポートを受けたい場合は、M&A仲介会社がおすすめです。本記事の概要は以下のようになります。
・銀行に事業承継を相談するメリット
→会社の経営状態を把握している
→相談料・着手金がない銀行が多い
→事業承継アドバイザーの資格を保有する行員がいる
・銀行に事業承継を相談するデメリット
→M&A先は銀行の取引先が優先的に選ばれる可能性がある
→実務は提携先のM&A仲介会社に任される
→利益相反のリスクがある
・事業承継を銀行に相談する際に注意すべきこと
→数字を明確にして相談する
→売上規模に応じて相談する銀行を選ぶ
→業績が悪い場合は積極的な支援を受けられない可能性がある
・事業承継の相談先として銀行がおすすめできない理由
→M&A・事業承継の経験が豊富ではない
→依頼する専門家が選べない
→売り手企業に不利な条件となることがある
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