【企業価値算定】DCF法とは?計算式や割引率、メリット・デメリットをわかりやすく解説

DCF法とは企業価値の計算手法として一般的に用いられるものですが、計算式に割引率などの数学的概念が多くでてくるので、理解が難しい面があります。本記事では、DCF法の計算式や割引率、メリット・デメリットとは何かについて、初心者の方向けに分かりやすく解説します。

目次

  1. 【企業価値算定】DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)とは何か
  2. 【企業価値算定】DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)の算定方法
  3. 【企業価値算定】DCF法の割引率とは
  4. 【企業価値算定】DCF法に関わるその他の要素
  5. 【企業価値算定】DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)のメリット・デメリット
  6. DCF法の結果を信頼していいのか
  7. 納得いく価格でM&Aを行うための相談先
  8. まとめ
  • 今すぐ買収ニーズを登録する
  • 経験豊富なM&AアドバイザーがM&Aをフルサポート まずは無料相談
    プレミアム案件・お役立ち情報

1. 【企業価値算定】DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)とは何か

【企業価値算定】DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)とは何か

【企業価値算定】DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)とは何か

出典:https://pixabay.com/ja/

M&Aの売却価格は、買い手企業・売り手企業の経営者が交渉し、お互いが納得した価格で成立します。

つまり、言い値で決まるということですが、会社の売却という大金が動く取引において完全な言い値ではどちらかが大きく損をしてしまう危険性があります。

そのため、M&Aでは、ある程度客観的な評価ができる理論的な売却価格を計算し、それを参考に価格交渉していくことになります。

この理論的な価値評価を「企業価値評価」または「企業価値算定」といいます。企業価値の計算手法にはいくつかの種類がありますが、最もよく使われるのは「DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)」です。

この章では、DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)とはどのような計算手法なのか、関連用語である「FCF(フリーキャッシュフロー)」とは何か、企業価値を計算するその他の方法について解説します。

DCF法とは

DCF法とは企業価値を計算する手法のひとつであり「ディスカウントキャッシュフロー法」の略です。ディスカウントを日本語に訳して「割引キャッシュフロー法」と呼ばれることもあります。

DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)とは、大まかに言えば、事業計画書からその会社が将来どれくらいの利益(フリーキャッシュフロー)を得るか計算し、将来の不確定性やリスクを「割引率」として考慮したうえで計算式から企業価値を求める手法です。

また、DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)のような、将来の利益から企業価値を計算する手法を「インカムアプローチ」といいます。

企業価値とは

DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)とは企業価値を計算式から算定する手法ですが、そもそも企業価値とはどのようなものなのでしょうか。

企業価値という言葉は「企業価値を高める」のように漠然とした価値を表すこともあれば、時価総額と同じような意味で使われることもあります。

時価総額も会社の価値を表す1つの指標ではありますが、DCF法で企業価値という場合は、無形資産や非事業用資産なども考慮し、そこから計算した将来のフリーキャッシュフローを割引率で調整した計算式によって導き出される数値を指します。

【関連】M&Aの企業価値評価とは?算出方法を詳しく解説!

企業価値を算出する他の方法

企業価値を計算する手法はDCF法以外にも存在し、コストアプローチ・インカムアプローチ・マーケットアプローチの3種類に分類することができます。

コストアプローチとは純資産をもとに企業価値を計算する手法であり、簿価純資産法・時価純資産法が代表的です。

インカムアプローチとは会社の将来の収益を予想して企業価値を計算する手法で、DCF法以外に収益還元法などがあります。

また、マーケットアプローチとはほかの会社を参考にして企業価値を計算する手法で、代表的なものに類似会社法・市場株価法などがあります。

【企業価値を計算する方法】

コストアプローチ ・簿価純資産法
・時価純資産法
インカムアプローチ ・DCF法
・収益還元法
マーケットアプローチ ・類似会社法
・市場株価法

【関連】M&Aの企業価値評価(バリュエーション)とは?算定方法を解説【事例あり】

FCF(フリーキャッシュフロー)とは

DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)とは何かを理解するためには、計算式に出てくるFCF(フリーキャッシュフロー)について知っておく必要があります。

FCF(フリーキャッシュフロー)とは、営業活動によって生じたお金の増減(営業キャッシュフロー)から、設備投資・有価証券の取得・固定資産の取得などで生じるお金の増減(投資キャッシュフロー)を引いた計算式で求められます

実際に、DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)でFCF(フリーキャッシュフロー)を計算する時は、法人税率や利息の支払い率などを考慮して、もう少し厳密な計算式を使うこともあります。

【FCF(フリーキャッシュフロー)の計算式】

  • FCF(フリーキャッシュフロー)=(営業キャッシュフロー)-(投資キャッシュフロー)

2. 【企業価値算定】DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)の算定方法

【企業価値算定】DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)の算定方法

【企業価値算定】DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)の算定方法

出典:https://www.flickr.com/

経営者自身がDCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)の計算式の詳細を知る必要はありませんが、基本的な計算式を知っておけば、専門家が計算した企業価値をある程度理解して判断できるようになります。

この章では、DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)の算定方法について、専門家でない経営者が押さえておきたい知識を解説します。

DCF法の計算式

DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)における企業価値の計算式は、以下のように表すことができます。

下の計算式では最初の3年分の項だけを記していますが、実際は4年後・5年後...とずっと続く無限級数になっています。

【DCF法の計算式】

  • (1年目のFCF)/(1+割引率) + (2年目のFCF)/(1+割引率)² + (3年目のFCF)/(1+割引率)³ + ...

計算の手順

DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)の計算方法ですが、まず事業計画などから1年後・2年後・3年後とそれ以降のFCF(フリーキャッシュフロー)を計算し、リスクや不確実性に応じて割引率を設定します

割引率の値は、将来のリスクや不確実性が大きいほど大きい値に設定します。各項の分母の(1+割引率)は、2年目は2乗、3年目は3乗、4年目は4乗というように年数分だけ掛け算します。

(1+割引率)は1より大きいので遠い未来ほど値が大きくなり、分母が大きくなるということはその項の値は小さくなります。

よって、遠い未来の項ほど値が小さくなりゼロに近づいていくので、無限に遠い未来まで計算しても値が無限大になることはなく、最終的にはある決まった値が計算式から求められることになります。

実際は、無限に遠い未来まで厳密に計算することはできないので、後で解説する「残存価値」などを利用して計算式を簡略化します。

3. 【企業価値算定】DCF法の割引率とは

【企業価値算定】DCF法の割引率とは

【企業価値算定】DCF法の割引率とは

出典:https://pixabay.com/ja/

DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)にはさまざまな数学的概念がでてきますが、それ以外に知っておきたいのは「割引率」です。

割引率とは何かを知っておけば、DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)の基本となる計算式を理解することができます。

DCF法の割引率とは

割引率とは、将来得られると予想されるキャッシュフローが、今現在はいくらの価値に相当するかを計算するための値です。DCF法の割引率の計算では「加重平均資本コスト(WACC)」という計算式が使われます。

例えば、同じ1億円でもほぼ確実に得られる1億円と不確実性の高い1億円なら、確実に得られる1億円のほうが現在価値は高くなります。

リスクが高いフリーキャッシュフローには割引率を高くすることで、現在の価値を低く設定することができます。

4. 【企業価値算定】DCF法に関わるその他の要素

【企業価値算定】DCF法に関わるその他の要素

【企業価値算定】DCF法に関わるその他の要素

出典:https://unsplash.com/

前述の割引率はDCF法において重要な概念ですが、それ以外の要素も知っておくとDCF法について理解をより深めることができます。

この章では、DCF法の計算式において割引率に次いで重要となる、残存価値と永久成長率とは何かを解説します。

残存価値とは

DCF法の計算式には各年度の利益を予測した値がでてきますが、事業計画というのはせいぜい数年先までしかできないので、遠い未来の利益は求めようがないという問題もあります。

残存価値とは、事業計画を立てた年度より先のフリーキャッシュフローを簡略化して求めて、算式に組み込むためのものです。

残存価値の計算式は、事業計画をもとに予測したフリーキャッシュフローの、その次の年のフリーキャッシュフローを求め、さらにその値を割引率で割ることで求められます

DCF法の計算式は、残存価値の値次第で計算結果が違ってくるので、残存価値は割引率と並んで重要な要素となります。

【残存価値の計算式】

  • 予測最終年度の次年度のFCF/割引率

永久成長率とは

残存価値とは、遠い未来のフリーキャッシュフローを単純化して求める計算式ですが、残存価値の値をそのまま使うだけでは正確性に不安があることもあります。

永久成長率とは、残存価値をより現実に即した形に修正するための考え方のひとつであり、遠い未来の利益が一定の割合で増え続けると仮定するものです。

残存価値の計算式に永久成長率を組み込むと下の式になりますが、永久成長率の設定には恣意性がともなうので、実際に計算を行う専門家がそれぞれの考え方や判断で決めることになります。

一般的には、事業から予想される成長率やその国のインフレ率などを考慮して決めるとされています。

【永久成長率を考慮した残存価値の計算式】

  • 予測最終年度の次年度のFCF/(割引率-永久成長率)

5. 【企業価値算定】DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)のメリット・デメリット

【企業価値算定】DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)のメリット・デメリット

【企業価値算定】DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)のメリット・デメリット

出典:https://unsplash.com/

企業価値の計算方法はDCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)以外にもさまざまなものがありますが、どれもメリット・デメリットがあり、完璧な計算方法というものは存在しません。

DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)を使う時も、そのメリットとデメリットを理解しておくことが大切です。

この章では、DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)のメリットとデメリットについて、経営者が知っておきたい基本的な事項を解説します。

DCF法のメリット

DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)は、会社の将来性やのれん(営業権)をより現実的に評価できるのがメリットです。

一方で、コストアプローチやマーケットアプローチでは、会社の将来性やのれんを直接的に計算に組み込むことはありません。

将来性やのれんを組み込むということは、DCF法はこれから成長していくベンチャー企業などの価値評価に向いている方法でもあり、また、大企業の企業価値の計算では多くの場合においてDCF法が使われています

【DCF法のメリット】

  1. 大企業やベンチャー企業の評価に向いている
  2. のれん(営業権)の評価に向いている

DCF法のデメリット

DCF法のデメリットとしては、評価の過程に恣意的な要素がある点が挙げられます。割引率や永久成長率といった値は、DCF法を使う専門家がそれぞれの判断で決めなければなりません。

つまり、同じ会社をDCF法で計算しても、誰が計算するかによって企業価値が変わる場合があるということになります。

また、現在の資産を計算するコストアプローチに比べると、計算が複雑になるのもDCF法のデメリットといえるでしょう。

DCF法では、割引率や残存価値を始めとしたさまざまな数学的要素がでてくるので、経営者にとってなぜ自社の価値がこの値段になるのか納得しづらいケースも考えられます。

【DCF法のデメリット】

  1. 評価の過程に恣意的な要素がある
  2. 計算が複雑

6. DCF法の結果を信頼していいのか

DCF法の結果を信頼していいのか

DCF法の結果を信頼していいのか

出典:https://unsplash.com/

DCF法は、企業価値の計算手法の中では比較的信頼度の高いものとされていますが、会社の事業のさまざまな要素を割引率などの数学的な概念に落とし込んでいるので、多くの単純化と恣意的要素が含まれています。

よって、DCF法の結果を絶対的なものと信じ込んで、交渉においてDCF法が出した価格にこだわりすぎてしまうのは、M&Aの失敗につながる要因ともなり得ます

DCF法は一定の信頼がある計算手法ではあるものの、M&Aの売却価格は最終的には売り手と買い手が納得するかが重要です。DCF法を参考にしつつ、経営者自身が納得できる価格を目指すのがよい方法だといえるでしょう。

7. 納得いく価格でM&Aを行うための相談先

納得いく価格でM&Aを行うための相談先

納得いく価格でM&Aを行うための相談先

出典:https://pixabay.com/ja/

M&AではDCF法などで企業価値を計算しますが、納得いく価格でM&Aを行うためには、専門家に相談して相手探しや交渉などをうまく進めていくことも大切です。

M&A総合研究所は、さまざまな業種で50件以上のM&A実績があるアドバイザーが在籍しているM&A仲介会社です。

DCF法や割引率とは何か、M&Aにはどのような手法があるかなど、基本的な相談から実際の交渉まで親身になってサポートいたします。

料金体系は、成約時にのみ成功報酬をいただく完全成功報酬制を採用しています。ご相談や着手金・中間報酬は一切かかりませんので、安心してご利用いただけます。

無料相談は随時受け付けていますので、DCF法や割引率、およびM&Aに関する疑問・相談がある経営者様は、お電話かメールでお気軽にお問い合わせください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
電話で無料相談
0120-401-970
WEBから無料相談
M&Aのプロに相談する

8. まとめ

まとめ

まとめ

出典:https://www.flickr.com/

DCF法とは、事業の将来性から企業価値を算定するインカムアプローチの一種であり、割引率などの数学的概念を駆使した計算式を使います。

経営者自身も割引率などDCF法の基本的な内容を知っておけば、専門家が行うDCF法による自社の評価を理解しやすくなります。

【企業価値を計算する方法】

コストアプローチ ・簿価純資産法
・時価純資産法
インカムアプローチ ・DCF法
・収益還元法
マーケットアプローチ ・類似会社法
・市場株価法

【FCF(フリーキャッシュフロー)の計算式】
  • FCF(フリーキャッシュフロー)=(営業キャッシュフロー)-(投資キャッシュフロー)

【DCF法の計算式】
  • (1年目のFCF)/(1+割引率) + (2年目のFCF)/(1+割引率)² + (3年目のFCF)/(1+割引率)³ + ...

【残存価値の計算式】
  • 予測最終年度の次年度のFCF/割引率

【永久成長率を考慮した残存価値の計算式】
  • 予測最終年度の次年度のFCF/(割引率-永久成長率)

【DCF法のメリット】
  1. 大企業やベンチャー企業の評価に向いている
  2. のれん(営業権)の評価に向いている

【DCF法のデメリット】
  1. 評価の過程に恣意的な要素がある
  2. 計算が複雑

M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談なら経験豊富なM&AアドバイザーのいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 業界最安値水準!完全成果報酬!
  2. 経験豊富なM&Aアドバイザーがフルサポート
  3. 圧倒的なスピード対応
  4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」のM&A仲介会社です。
M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料となりますので、まずはお気軽にご相談ください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

Documents
  • 02
  • 04
プレミアム案件・お役立ち情報

関連する記事

新着一覧

最近公開された記事