IPOとM&Aの違いは?メリット・デメリットを比較!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
荻野光

日本のスタートアップは目標としてIPOを目指すところは多く存在します。その中でIPOにこだわらずM&Aでの統合や合併などによって飛躍的に成長を見せている企業も存在しています。今回はそんなIPOとM&Aの違いを解説していきます。

目次

  1. IPOとは
  2. IPOのメリット・デメリット
  3. M&Aとは
  4. M&Aのメリット・デメリット
  5. IPOとM&Aの違いを比較
  6. アメリカではIPOよりM&Aが主流
  7. IPOよりもM&Aが主流なアメリカの事情
  8. M&A相談はM&A専門のアドバイザーにお願いすべき
  9. IPOとM&Aの違いまとめ
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1. IPOとは

IPOとは

まず、IPOとM&Aの違いや比較を解説する前に、「IPO」「M&A」のそれぞれの定義を説明していきます。

IPOとは「Initial(最初)Public(公開)Offering(売り物)」の略称で、未上場企業が新規で株式を証券取引所に上場して、それを投資家に取得させていくものです。

これがいわゆる新規株式上場といわれます。

通常では新たに株式が公募されたり、上場前に株主が保有していた株が売り出したりします。そして、これらの株式を証券会社を通して投資家に配分していくのをIPO(新規株式上場)といいます。

ベンチャー企業は外部投資家から出資を受けると、投資回収のチャンスが与えられます。その典型がIPOであり、IPOを実行するには株式公開準備、費用と期間、上場後のコストがかかります。

日本の多くのスタートアップやベンチャー企業はEXIT(イグジット)いわゆる「出口戦略」としてIPOを目標に据えているところが多いです。

2. IPOのメリット・デメリット

IPOのメリット・デメリット 編集上に下に

起業家にとって、いつかは自分の会社を上場させたい目標があるかもしれません。IPOには、企業規模を大きくできる、経営者として社会的な信用を上げ、ステータスを確立する魅力があります。

IPOを行うとメリットがあると同時にデメリットもあります。ここではメリットとデメリットについて説明していきます。

IPOのメリット

IPOのメリットは市場から多くの資金を調達でき、それに伴いさらなる事業拡大ができます。また、経営の自由度もある程度確保できます。IPO後に企業価値が高くなれば、それも利益として得られます。

実際に上場すると社会的な信用度が増すため、新規顧客の開拓や金融機関とのやりとりがしやすくなるでしょう。また雇用の面でも有利でしょう。IPOによりブランド力に魅力を感じて優秀な若い人材が集まる可能性が高くなります。

IPOのデメリット

ベンチャー企業が目標とするIPOですが、デメリットもあります。まず、事前の準備に手間やコストがかかります。少なくとも3年はかかるといわれており、その間に社会情勢や自社の立ち位置、方向性が変化する可能性も高いです。

その場合、IPOの計画が中止となりせっかく手間とコストをかけても、IPOをしないほうが良いとの結果を選択せざるをえない状況になる可能性が考えられます。

また、上場すると会社として経営の透明性を維持するために経営体制を整備していく必要があり、市場から厳しい視線が向けられるデメリットもあります。

3. M&Aとは

M&Aとは

M&Aとは、「Mergers(合併)and Acquisitions(買収)」の略称で複数の企業が互いの利益のために協力し、合併や吸収、業務提携、資本提携、株式譲渡、事業譲渡などさまざまな手法で行われます。

M&Aは事業拡大や、新規事業への参入、後継者問題の解決などいろいろな悩みがある企業間で協力しあう経営戦略の一つとされていて現在注目を集めています。

M&Aはもともと外国企業が経営戦略として活用していたもので、近年では日本国内でも買収や合併を目的としたM&Aの活用が多く見られます。

M&Aの活用としては、大手企業がベンチャーやスタートアップ事業を買収し、そのノウハウや技術を時間やリスクを少なくするために行われ、最近ではスタートアップやITベンチャー企業のEXIT(イグジット)としても注目されています。

4. M&Aのメリット・デメリット

M&Aのメリット・デメリット

ベンチャー企業やスタートアップ企業のEXIT(イグジット)として注目されるM&Aですが、メリットやデメリットがあります。ここではM&Aのメリット・デメリットをご紹介します。

M&Aのメリット

M&Aの大きなメリットは、M&Aが成立すれば株式をすぐに現金に換金できる点です。持ち株の全てを売却できることから、経営者が創業者利益を獲得できるメリットがあります。

また前述のとおり、IPOは事前準備に時間やコストがかかります。しかし M&Aであれば、事前準備の負担が少なくて済みます。M&Aの場合は、3ヶ月程度の準備期間があれば売却するのが可能です。

また小規模事業では短期での成長が見込めない場合も多いですが、M&Aによって他社のノウハウを得られ、シナジー効果が得られれば、事業規模の拡大を目指せるかもしれません。

M&Aのデメリット

M&AのデメリットはM&Aは一般的に経営権の売却となるため、買い手企業との交渉に手間がかかります。M&A成立後に買い手企業に経営権が移ることで、企業理念や社風、組織構成や人事評価などが一変する場合もあります。

職場環境が変化した場合、従業員への負担が増加する可能性も把握しなければなりません。そのため十分な配慮のもと、買い手企業とM&Aを実行する前の条件などをしっかり提示しておく必要があります。

また買い手企業が取引先の競合会社などの場合は、付き合いのあった取引先を失う場合もありえます。M&Aを実施する前には、取引先との関係性などへの配慮も大切でしょう。

【関連】M&Aとは?意味、メリット、成功手法・流れを解説!【事例10選あり】

5. IPOとM&Aの違いを比較

IPOとM&Aの違いを比較

最近の日本ベンチャー業界ではM&Aディールが増加しており、地方でもIPOについて東証が積極的に上場企業を増やそうとしていて、IPOを引き受ける証券会社の姿勢も積極的になってきています。

ベンチャー企業は、IPOやM&Aを用いることで投資家たち投資回収の機会を作ります。

IPOでは株式市場の状況により、投資を回収できる金額が左右され、上がり続けることで利潤を得られます。M&Aでは実行に要するコストもIPO費用に比べると低廉(ていれん)で済み、全株式の買収を求められれば、持ち株の全てを売却できます。

そこでスタートアップ企業では、M&AとIPOのどちらのほうがいいのか疑問が湧いています。

IPOとM&Aは、「投資家からすればEXIT(イグジット)としては同じように見えるが、あきらかに違う部分はある」とする漠然としたスタートアップの起業家も多いようです。

株主の立場から比較!

株主にとっての違いとして、IPOとM&Aは株式が売却できる状態になり回収が可能になる点では共通しているといえます。

また投資家の立場からすると回収段階に入ると、一般的には前向きなEXIT(イグジット)の手段で、IPOとM&Aは二つの並列的な選択枠になり、こういった意味ではIPOとM&Aは一括りで表現されます。

ですが、株主の立場から見たときでもIPOとM&Aには違いが大きくありますので、その内容を細かく解説していきます。

株式売却の実現性に関して

IPOの場合は株式譲渡期限が外れるので、金融商品取引市場での売却が可能になりますが、売却できる保証はありません。

それにIPO後の株価が順調に上昇しないと自らの取得株式額を下回ってしまう可能性もあり得ます。

特に大株主はIPOにあたって主幹事証券会社からロックアップを要請されるので、一定期間株式の売却を制限されるケースも多くあります。

そのため大株主にとっては、株式の流動性が高くないと、大量の株式を売却するのは難しくなり、自分で大量に株式を大量に売却してしまうと株価が下がってしまう問題に悩まされてしまう場合があります。

このような要員があるためIPOは望ましいEXIT(イグジット)にならない可能性が高いものといえます。

この問題とM&Aを比較すると、M&Aでは買収側と合意のうえ、決まった価格で決まった株式数をいっぺんに売却できるため、株主にとっては投下資本の回収の意味ではM&Aの方がIPOと比較すると簡易かつ堅実な部分があります。

特に未上場企業の株式の場合にはインサイダー取引規制の適用がないため、特殊な例でない限り、手続きの制約も簡易的といえます。

種類株主の優先権に関して

IPOの場合、日本の実務上では上場申請前に、種類株式を全て普通株式に転換し、通常では転換比率が1:1なので種類株主も普通株主と同じ扱いです。

これをM&Aで比較すると、最近では種類株式を発行してM&Aに関しての種類株式の優先配分(みなし清算条項)を定めて、合意するケースもあるのでその場合には、種類株主が優先的に売却資金を取得できるようになるところがIPOとの違いでしょう。

株式の売却額に関して

企業価値が向上した時、IPO後はその株価が上昇していけばいくほど、上昇分の利益が獲得できる可能性があります。

これに対してEXIT(イグジット)を目的としてするM&Aでは基本的に、M&Aの成立とともに売り切ることになるので、M&A後の企業価値の向上の利益を得ることはできません。

ただし、例外のケースもあり、M&A後の業績に連動して売却代金などの調整を行う場合もあります。

なので長く持っていても企業価値が下がらないと見込める企業であればM&Aと比較するとIPOの方が得する可能性はあります。

実現の可能性を比較

IPOにおいて、一般投資家の責任の観点から主幹事証券会社や証券取引所によってIPOが行われるため、重要なリスクがある状態ではIPOが難しいケースがあります。

M&Aの場合は買収側がそのリスクを受け入れれば成立するため、IPOが難しい場合でもM&Aが成立する可能性はあります。

M&AとIPOでこの実現性の可能性を比較すると、M&Aの方が高く、上場するよりEXIT(イグジット)としてM&Aを活用するほうが現実的ではあります。

また、株式譲渡の場合は、買収に関しては原則として全株主の合意が必要になるので、その点だけを見ればM&AのほうがIPOよりもハードルが高い面もあります。

ベンチャー、スタートアップ企業の立場から比較!

最近では、国内でもM&A市場が上昇していることから、ベンチャー、スタートアップ起業家が起業するからにはIPOを目指す考えが本当にあっているのか疑問が出てきています。

株主からみたら、IPOとM&Aはそんなに変わりがないように見えますが、経営者にとってはIPOとM&Aは大きな違いがあります。

特にIPOとM&A、非上場などどれを経営戦略として選ぶかによって、資本政策は大きく変わるため、経営者は事業の特性や成長性をよく考えたうえでどの方向に行くのか慎重に考える必要があります。

ここからは、ベンチャー、スタートアップ企業の立場でIPOとM&Aを比較し、どのような違いがあるのか解説していきます。

リスク

まずリスクの面について、IPOとM&Aを比較します。

IPOは、一般投資家から資金を受け取ることになるので企業が健全であり、永続的な運営の責任を負うことです。

つまりIPOにより、顔の見える少人数の株主のようなプライベート会社から一般投資家である多数の信頼関係がない株主に対しても経営責任を果たすようになり、パブリックな会社になると評判の面でもリスクを負う可能性があります。

また、なんとなくIPOを目指した結果、最悪のケースを招いてしまうことを理解しておく必要があります。

一つの例としては、非上場のまま経営するのが現実的であるのに関わらず、ストックオプションや従業員持株会などを導入してしまい、従業員の所有する株の引き取り先がなくなり、株価はどうするかなどトラブルに発展するケースがあります。

どのEXIT(イグジット)を目指すかを決めずにIPOをするのは、会社の未来を失うことになりかねませんので注意が必要です。

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事業拡大

ベンチャーやスタートアップ企業で、目指す進路を決めるためには、IPOとM&Aのどちらが事業拡大に有効なのか比較する必要がありその違いも理解しておくのが大切です。

まずIPOですが、資本政策を間違わなければオーナー経営者が支配権を一定量維持したまま、IPOやその後の多額の資金調達ができるようになり、事業拡大のための投資をスピーディーに行うメリットがあります。

問題点としては、IPO後は外部株主を入れることになるため、経営についての説明責任が発生して大胆な投資や事業変革が行いにくくなります。

また、上場には準備のための費用や維持をする費用がかさむため、資金調達力の強化や事業の成長にレバレッジがかからなければデメリットばかりになってしまう可能性もあります。

一方のM&Aではどのように違うのか比較していくと、他社の経営資源との融合でシナジー効果を得られれば、事業の拡大は簡単に行え、場合によってはM&Aの自社単独経営よりも事業を拡大していく可能性があります。

また大企業の傘下などに入れば、金融機関や取引先への信頼度が上がり、銀行借入などの資金調達にもつながります。

両方を比較しても、会社の成長につながる重要な選択肢ではありますが、多額の資本を市場から集めて大きく注入し、継続的に拡大・成長していける事業ならIPOの方が事業をより大きく拡大できるといえます。

逆に、そうでない事業の場合は上場する意味がないので、EXIT(イグジット)としてM&Aを選択する方がいいかもしれません。

経営者個人の収益

経営者個人が金銭的に見たら、IPOとM&Aはどのような違いがあるのか比較していきます。

IPOでは、オーナーやベンチャーキャピタルなどの株主またはストックオプションを持つ役職員が、IPOの時とその後に株価が上がった分の利益を確保できるメリットがあります。

このようなことから、IPOに向けて社内全体で団結し、ベンチャーキャピタルからはさまざまな経営上の協力を仰ぐのが可能です。

ただしIPO後も事業が成長を続け市場に評価されれば、確保できる利益はその分上がりますが、創業オーナーはIPOした途端に株式を売却するわけにはいかないので一部支配権を維持しながら段階的に売却していきます。

M&Aは合意さえ得られれば成立するもので、M&A成立後は株主の株式は現金化されます。

M&Aは数ヶ月で成立するケースもあり、IPOには適さない小規模な事業や必ずしも成長トレンドではない安定的な事業にも向いているといえます。

また、IPOとの違いとして、社内体制の構築を要求されないので、一般論としてIPOに比べて負担が少なく、経営資源(ヒト、モノ、カネ)を事業運営に集中し続けられ、短期的にはIPO関連に要する費用を抑えた利益を出せ、高い株価評価が得られます。

この経営者個人の利益として考えても、継続的に拡大・成長していける事業であれば、IPOによる段階的な株式売却の方が結果的には儲かります。

もちろん、外部株主も絡むため株式を段階的に売却するのも難しくなるため、手っ取り早く現金化したいのであればM&Aの方がおすすめできます。

従業員からしたIPOとM&Aの違いを比較

従業員から見ても、IPOとM&Aでは大きな違いがあります。

まずIPOは、基本的にM&Aとは違い、IPO前と後では経営陣が変わらない中で、IPOにて取得した資金と信用で事業を拡大していくステージに入ることから、活躍する場が拡大される可能性が高まります。

新たな社員が増えることで社内のカルチャーが少しずつ変わることもありますが、基本的な社内文化が変わることはないので、仕事をするうえで大きな変化はありません。

また、IPO前に従業員にストックオプションを発行するベンチャー企業もあるため、IPOに伴い経済的なメリットを受ける場合もあります。

これに対するM&Aを比較すると、経営権の移転により、会社の方針が親会社の意向にあったもので修正されていくのが通常であるので、就業規則や形態が親会社のものに統一されていく傾向があります。

もちろんこのM&Aでも親会社のサポートを受けることで事業が拡大し、状況がM&A前よりも向上する場合もありますが、M&A後に人事がシビアになり、一種のリストラが起こる可能性もあります。

通常では、従業員がM&Aについて意見を述べるのは難しい状況にあり、M&Aによって自分の環境がよくなるのか悪くなるのかは運次第の部分もあります。

このようなことから経営者はM&Aにあたって、M&A後の従業員の処遇や就業環境を配慮して交渉を行うのが望ましいです。

取引先からのIPOとM&Aの違い

取引先にとって、IPOは対象企業の資金力および信用力が格段に上がるので、積極的にしてほしいのが通常といえます。

IPOをしたからといって、取引をされなくなることはまずあり得ないですし、事業が拡大し、受注数や内容も大きくなれば、取引先からしても満足のいくことでしょう。

これに対して、M&Aと比較すると事情は一変します。

M&Aの場合には、経営権が移転するため対象会社の経営方針が大きく変わる場合があり、取引内容が変更されるケースがあります。

このようなことからM&Aを行われたとき取引先も大きな影響を受ける可能性があるため、不安定な状況での取引継続を望まない場合もあります。

例えば経営権の移転があった場合、解除事由として規定してるケースもあります。特にアメリカなど海外企業との契約で定められている場合があるので注意が必要です。

6. アメリカではIPOよりM&Aが主流

アメリカではIPOよりM&Aが主流

日本のベンチャー、スタートアップ企業のEXIT(イグジット)とアメリカのベンチャー、スタートアップ企業のEXIT(イグジット)では大きな違いがあります。

アメリカではIPOよりもM&Aが主流といわれておりますが、なぜそのような傾向があるのか、どんなメリットを考えて行われているのかを理解していきます。

また、アメリカと日本国内の市場とどのような違いがあるのか比較していきます。

EXIT(イグジット)戦略

まず、ベンチャーキャピタルからスタートアップへの投資額には、2016年の時点で日本とアメリカには36倍もの差があり、ベンチャーキャピタルのファンド投資額だけで見ても日本は年間2,000億円程度あるのに対してアメリカでは1社で同じくらいのファンド投資額も珍しくありません。

日本のスタートアップのEXIT(イグジット)はIPOによっていて、アメリカのスタートアップはEXIT(イグジット)をM&Aにとしているところが大半です。

このように日本のスタートアップのEXIT(イグジット)がIPOに偏っている原因はスタートアップ側のファイナンスの知識不足とする声もあります。

そしてこの知識不足はEXIT(イグジット)に大きな影響を及ぼすものといわれております。

M&AとIPOの数を日本と米国で比較

図を見ると一目瞭然ですが、日本とアメリカのIPOとM&Aの比較をすると2014年から日本ではIPOが多く、アメリカは2014年を境にIPOの数は少なくなっています。

アメリカの場合は大企業がスタートアップを買収し、利益を得たスタートアップの創業者がベンチャーを始め、再起業を目指していくのが当たり前になっています。

これに対して、日本では大企業がようやく動き出したばかりといったところです。

ベンチャーキャピタルと機関投資家の視点の違い

スタートアップがIPOをするときに考慮するのは、資金調達だけではありません。

IPO前もIPO後もさまざまなコストがかかります。公的な書類を揃えなければならず、投資家からのプレッシャーもかかってきます。

アメリカのユニコーン企業が上場をしないまま、巨額の資金調達を繰り返しているのは、上場に関するコストを避けて、経営の自由度を保つことに事業拡大に集中するため、といわれています。

IPO後は企業運営にも変化を加えなければいけなくなり、IPO前では、課題を解決するためにベンチャーキャピタルが独自で投資も可能ですが、IPO後はアイデア先行型の経営ではなく、業績を伸ばす経営が求められます。

7. IPOよりもM&Aが主流なアメリカの事情

IPOよりもM&Aが主流なアメリカの事情

上記でも解説したとおり、アメリカではIPOよりもM&Aの方が主流となっており、年々M&Aの件数は増加傾向にあります。

理由としては、IPOの構造変化などの影響で簡単には行えないことやユニコーン企業の資金調達方法が変わっていることなどが考えられます。

ここではそんなアメリカのIPOとM&Aの現状を解説していきます。

アメリカで以前よりもIPOが活用されなくなった理由

ドットコムクライシス後にアメリカではさまざまな構造変化があり、そのなかでも特にIPOのルール変更が大きく、IPOへのハードルが厳格になりました。

それ以前であれば、時価総額の規模が1億ドルや2億ドル規模で可能だったものが、今では最低でも3億円からで、実際では5億ドル規模が必要となっています。

アメリカではきちんとした、株式上場や公開企業となるためにはこのようなレベルが求められるようになっています。

M&Aが増加した理由としては、このIPOのルール変更の他に、上場企業を維持するためのコストがかかり、IPOを予定している企業をリサーチする投資銀行が少なくなったのも理由の一つです。

結果として、IPOではなくM&Aを選ぶ企業が増えています。

また、キャピタルマーケットが大きくなっているのも理由の一つで、市場全体の時価総額が大きくなるほど、投資家は大きい企業にしか投資をしなくなり、IPOが難しくなるため、M&Aに偏る傾向も見られます。

技術やビジネスの発展

すでにビジネスやテクノロジーが広く発展していることも、アメリカでのIPOではなくM&Aが増えている要因として考えられます。

起業したあとに大企業とのM&Aにて買収されるケースが増えてきていますが、企業を設立したあとに、飛躍的な成長が限定的になっているのが原因です。

例として、10年以上前では、AmazonなどがIPOをして、その後に成長を遂げて業界首位などの業績を残しましたが、今当時のような企業の真似をしても同じような成長やトレンドは得られないでしょう。

このようなことから起業してIPOを目指すよりはある程度の段階で、M&Aをして技術を買収してもらう傾向が強くなっています。

アメリカで増加しているM&Aの目的とは

M&Aが増加しているアメリカでは、M&Aをする側の企業の目的とはどのようなものがあるのか解説していきます。

M&Aは業界問わずにさまざまなメリットがあり、近年世界中で需要が増えてきていますが、IPOよりもM&Aを目指すスタートアップがなぜ増加しているのか、その理由の理解を深めましょう。

【関連】ベンチャー企業のM&Aの成功方法【事例30選あり】

M&Aの目的として求められているもの

IPOよりM&Aが増加している中で求められるものは、その対象企業が有するサービスや、製品、人材や資金、ノウハウなどの経営資源などさまざまなものが考えられます。

これも企業や業種によって違いますが、アメリカでは、ユニークな技術や技術者(エンジニア)が多く求められています。

現在ではGoogleやTwitterなど有名メディアの活躍を追うようにSNSや検索エンジンの開発 が注目を浴びていてそれを動かすエンジニアの需要が高まっています。

このようなユニークで新たな物を創造するエンジニアなどを獲得するためにM&Aをする企業がアメリカでは大半を占めているといわれています。

また買収した企業よりも「その企業の10人のエンジニアが大切」などといわれるようなケースも多く、技術的な開発よりも大きなスケールで開発を可能にしてあげることでエンジニアたちの成長と事業の拡大をM&Aにて得られます。
 

8. M&A相談はM&A専門のアドバイザーにお願いすべき

M&A相談はM&A専門のアドバイザーにお願いすべき

ベンチャー企業のEXIT(イグジット)として、これまで多くの企業が目指してきたIPOですが、この狭き門をくぐることは困難であり、時間やコストを考えても現実的ではない場合もあります。

アメリカでは現在、ベンチャー企業のEXIT(イグジット)として、IPOよりもM&Aの数の方が上回っており、その日率は8〜9割とされています。

このような流れから最近では、ベンチャー企業やスタートアップはEXIT(イグジット)としてM&Aが増加しているのが現状で、その技術やノウハウを売却した資金でまた新たな物の立ち上げなどに力を見出しております。

このM&Aの取引はIPOよりも現実的で成功率が高く注目を浴びていますが、取引に際しての問題や契約などは専門家を通して行うのが一般的です。

M&A総合研究所では、M&Aの専門の知識を持ったM&Aアドバイザーが相談から契約の手続きまで、培ったノウハウを活かしあらゆるサポートをいたします。さらに、M&A総合研究所はスピーディーなサポートを実践しており、平均3ヶ月の期間で成約を実現します。

M&Aについての専門家をお探しの方やIPOやM&Aの選択に悩まれている場合はぜひご相談ください。

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9. IPOとM&Aの違いまとめ

IPOとM&Aの違いまとめ

創業して間もないベンチャー企業などの方にはM&AやIPOなどEXIT(イグジット)の話は早い、と思われがちですが、会社をどう成長させていくかを決めておくことで経営の進み方が大きく変わってきます。

もちろんどの会社もM&Aを目指すべきではないですが、資金調達や事業の拡大に向けての取り組みとしては効果的な部分が多数あります。

IPOもM&Aも経営の方針として創業当初から決めておくことは非常に効率的であり、創業者利潤を考えるとM&Aは注目しておくべきでしょう。

アメリカのM&AとIPOの比率をみてもわかるように、国内外問わずベンチャー、スタートアップなどのきぎょうの動きは変わってきています。

自社の経営スタイルや時価総額に見合った戦略を取るのが、EXIT(イグジット)をうまく活かせるコツと理解しておきましょう。

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