M&Aの企業価値評価とは?算出方法を詳しく解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

M&Aの企業価値評価の算出方法には、基本的な企業評価にプラスして「のれん評価」をプラスする必要があります。そしてM&Aで企業を譲渡するための評価方法の種類も複数あり、「DCF法」「収益還元法」「配当還元法」などがあります。評価方法を詳しく解説します。

目次

  1. M&Aの企業価値評価とは
  2. M&Aの企業価値評価の算出方法
  3. 企業価値評価をするなら専門家に相談しよう
  4. M&Aの企業価値評価まとめ
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1. M&Aの企業価値評価とは

M&Aの企業価値とは

M&Aの企業価値評価とは、企業を買収する際にその企業にどのくらいの価値があるのかを算定して、その算定金額をもとに最終的な買収金額を決定するための交渉材料になるというものです。M&Aを行なっていく上で大変重要なプロセスの一つになります。

M&Aの企業価値評価には複数の評価方法があり、さらにその評価方法のなかにいくつもの正解があります。それぞれにメリットやデメリットはあるものの、企業価値評価には何がダメという方法はなく、詳細まで掘り下げていくとかなり複雑な内容になっています。

企業の買収を進めていく際に、買収する企業と買収される企業が金額的な条件を示しながらM&A交渉を進めていき、両者が納得する金額での売却金額が決定します。これが「M&Aの企業価値評価額」ということになります。最終的にM&Aで買収する企業、買収される企業の両者にとってもっとも重要となる項目が「売却金額」ということになります。

買収する側の企業は、価値が低い企業に高い金額を算定してしまうと、今後自分自身の決算や収益などに変化が出てしまってのちのち大変な悪影響を及ぼしてしまいますが、逆に買収される側の企業はできるだけ高い値段をつけて自分の企業を売却したいというのが本音です。

そもそも企業価値とは

企業価値評価とは、一言で言えば「会社の値段」のことです。「エンタープライズ・バリュー(Enterprise Value : EV)」と呼ばれることもあります。企業価値評価は、M&Aでの価格交渉における判断基準の土台として用いられますが、そこで何を判断するかというと以下になります。

 

  • オファーする価格の検討(売り手側)
  • 投資するべきか否かの検討(買い手側)

また、企業価値評価は以下のような場面でも活用されます。

  • 投資判断(ベンチャーキャピタルや金融機関)
  • 相続税の評価(株式を譲渡する事業承継の場面)
  • 経営戦略の策定

このように経営において企業価値評価は大変重要です。常に企業価値(バリエーション)を高めておくことを経営者には求められます。

M&Aを前提とした企業価値評価はM&A総合研究所で無料で行います。一定の企業情報を開示していただければ、無料で企業価値評価を算出いたします。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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M&Aの企業評価と相続における企業評価の違い

会社の経営者が変わって相続が行なわれる場合の企業評価額は、国税庁が使用している評価方式「財産評価基本通達」が適用されるため、一定の評価額を算出することが可能です。企業の価値が算定者によって上下するという心配はありません。相続をする側は安心して企業価値算定を任せることができます。

一方、M&Aで企業買収を行う際の企業売却評価額は、会社が保有する資産に基づいた評価額だけではなく、今後生みだされるであろう収益や利益の見通しを立てる、いわゆる「のれん評価額」を算出し、M&A評価額に追加をするという必要が出てきます。

M&Aにおける企業価値評価には具体的にはどのような考え方やアプローチがあるものなのか、またどのような算出方法を用いて決定していくのかを以下で詳しく解説していきます。

上場会社のM&A企業価値評価とは

M&Aにおける企業価値評価のなかで、証券取引所で株式が売買される上場会社の企業価値評価とはどのようなものでしょうか。

上場会社の企業価値評価とは、企業そのものの価値と事業内容の価値、そして株式の価値が評価の基準に値します。その中で、上場会社の企業価値評価とは一般に開放された市場にて株価が決められるものになります。

証券取引所などの市場で決められた株価に企業が保有する株式総数をかけることによって時価総額は比較的シンプルに算出することができます。

M&Aで企業の評価をする際は「純資産価格」が目安になりますが、その中でも一株あたり純資産が重要視されています。企業の価値は、その企業がも持っている純資産を割り込むことはあり得ないという考え方のもとに一株あたりの純資産、イコール株価の底値としても考えられています。

株価と企業価値の関係

株価と企業価値の関係

ただ、株価というものは会社の業績によってのみ決まるわけではなく、ありとあらゆる市場の要因が関係しております。政治なども含めた世界情勢や投資家の作戦・考え方によって株価が上下しているケースもあるため、純粋にその時の時価総額だけでM&A評価額を決定できるものではありません。

そこで、単純に株価だけで企業価値を算出するのではなく、株式総数全体での価値を計算するために、将来的に発生する利益や収益を予測して加味し、事業内容の価値を付加するという手法が必要となってきます。

非上場会社のM&A企業価値評価とは

M&Aにおける企業の価値評価のなかで、非上場会社の企業価値評価とは、市場に上場していない企業の価値をどのようにして算出するかという評価になります。上場企業のように「株価」という明確な指標がないため、独特の算出方法が取られます。大きく分けて2つの算定方式によってM&Aの評価価値が算出されています。

非上場会社の企業価値評価とは、会社の資産を元にM&Aの価値を算出する「資産方式」と、企業の収益をもとにM&Aの価値を算出する「収益方式」に分けることができます。この2つには大きな考え方の違いがあります。以下で詳しく解説していきます。
 

非上場会社のM&A企業価値評価とは 〜資産方式

M&Aにおける非上場企業価値評価の一つ目は「資産方式」になります。この方式は、企業の資産総額を元に計算する方法です。現時点で企業が保有している資産を元に算出されております。算出時点でのM&Aの企業価値を測る方式としては非常にシンプルでかつ公正で客観的な考え方の算出方法になっています。

この資産方式は、一般的には対象となる企業の資産から負債を差し引いた「純資産」を基本にして価値を決定する方法が主流となっています。企業が抱えてしまっている負債を資産全体からしっかりと差し引くことによって、市場で評価される数字に近い評価を算定することができます。

資産方式のメリット

非上場企業価値評価における資産方式のメリットとしては、複雑な計算式が不要なことで、どのM&Aアドバイザーが計算したとしても企業価値の数字にばらつきが出ないことが挙げられます。安定した評価価値が算出できれば、複数のアドバイザーに計算を依頼することなく、シンプルに計算を依頼することが可能です。

特に企業が保有する無形資産が評価の対象とならないようなケースであれば、有形資産のみを純粋に評価すれば良いため、資産方式は非常にシンプルでわかりやすい算出方式であると言えます。

資産方式のデメリット

シンプルで分かりやすい算出方式である一方、資産方式にもやはりデメリットが存在します。

資産方式の算出方法の中には、将来的に企業の業績がどのようになるかといった予測的な観点は入っておりません。あくまでも現在の資産に基づいた算出方法であるため、企業の業績がよくなるか、または悪くなるかという未来の見通しを立てて計算する訳ではないのです。

例えば、M&Aの企業価値を算出した後に会社内部での不正や粉飾決算、簿外負債などのネガティブ要素が見つかった場合などは、将来的に企業価値が下がってしまう可能性が高いため、再度はじめから計算をし直す必要が出てきてしまいます。

現実的には企業にはこのようなリスクが潜んでいる可能性が高いため、一度M&A評価を算出したあとにリスクが表面化してしまうと、今まで算出に費やした時間が完全に無駄になってしまうということが大きなデメリットになります。

また、資産方式のさらに大きなデメリットとしては、資産が現金の場合には正確な評価が可能であるものの、無形資産など、絶対的評価をすることができない資産価値を計算する際には市場の状況や、算出するアドバイザーなどによって大きな差が生じてしまう場合があります。

そのため、非上場企業の中でも比較的規模の大きい企業のM&Aを行なう際には正確な評価を算定することができにくくなってしまいます。一方規模が小さければ評価算定は正確な数値に近づいていくことになります。

非上場会社のM&A企業価値評価とは 〜収益方式

M&Aにおける企業の価値評価の非上場企業価値評価のもう一つは「収益方式」です。一つ目の資産方式の欠点を補うために、企業の将来の収益と利益がどうなっていくかを予測して計算をします。企業の現在と将来の価値両方を表すことができるため、評価方法としては最も優れた方法と言われています。

ただ、この予測はアナリストによって全く違った算出結果がで出ることもあります。過去の実績から判断した収益や利益の伸び率に基づいて計算されるため、客観性に欠けた算出結果が出てしまうなどのデメリットもあります。

この収益方式の実際の算出方法の代表的なものは2つの方法があります。将来的に得られるであろうキャッシュフローを、資本還元率を当てはめて現在の価値に割り引く「DCF法」と、企業の事業計画書に基づいて、将来どのくらい収益をあげることができるかを計算して企業価値を算出する「収益還元法」になります。

2つのメリットをいかした「併用方式」

非上場企業価値評価において、企業の総資産に基づいた資産方式の算出方法と、収益・利益の予測に基づいた収益方式の算出方法を両方併用し、双方のメリットをいかしたM&Aの企業価値の算出方法が「併用方式」です。

現在企業が保有する資産と、今後将来的に生み出すであろうと予測される収益の、複数の要素を検討材料に取り込んでいるため、M&Aの評価の算出結果が安定し、算定結果にブレが少なくなるというのがメリットです。
 

併用方式のデメリット

ただ、非上場企業の企業価値評価とは、資産に着目するのか、収益に着目するかが曖昧で、どの部分を重要視して算出して行くかが現在も課題の一つとなっています。

また、M&Aアナリストによっては、資産や収益などの着目する項目が全く変わってしまうため、まだまだ客観性や公平性に欠けた算出方法がデメリットになってしまうという考え方もすることができます。

2. M&Aの企業価値評価の算出方法

M&Aの企業価値評価の算出方法

M&Aの企業価値評価の算出方法のアプローチとして、「インカム・アプローチ」「マーケット・アプローチ」「アセット(コスト)・アプローチ」の3種類のアプローチがあります。

それぞれのアプローチでのM&A企業価値評価とは、インカム・アプローチは「収益」、マーケット・アプローチは「市場」、アセット(コスト)・アプローチは「資産」をもとにしたアプローチになります。さらにそれぞれの3つのアプローチの中に評価基準の方法が複数存在しますので、順を追って詳しく解説していきます。

インカム・アプローチ

インカムアプローチ

インカム・アプローチとは「将来見込まれる収益を予測して現在の企業価値に換算した算出方法」になります。将来得られるであろう利益や収益、配当などを現在の価値に計算して還元し、企業の価値・事業の価値を算定する方法です。

このインカム・アプローチは、現在M&Aを行う際においてもっとも標準的な企業評価基準アプローチの一つになっています。

将来得られるであろうと予測できる収益、利益、キャッシュフローから、起こりうる可能性のあるリスク項目を加味して、割引くことにより企業価値評価を行なうのが基本的な方法です。

インカム・アプローチの中の代表的な算出方法にはさらに、将来的に得られるであろうキャッシュフローを加味した「DCF法」と企業の事業計画書に基づいて算出される「収益還元法」があります。こちらは以下で詳しく解説いたします。

インカム・アプローチ 〜DCF法

DCF法とは「Discounted Cash Flow(ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー)」の略称で、M&Aの企業価値評価の算出方法のなかでもっとも代表的な評価基準になります。

DCF法における企業価値評価とは、将来入ってくるであろうと予測できる収益、利益、キャッシュフローを、企業の評価基準の計算式に使用する「資本還元率」により一株当たりの株価を計算する方法です。DCF法での評価基準の算出方法は「平均収益の額÷資本還元率÷発行済株式の数」で株価を計算することができます。

DCF法は、将来の収益の見通しを、現時点での価値に置き直して企業の評価額を算出する方法になります。このような算出方法が必要に理由は、例えるなら、同じ1000円でも今現在の価値と10年後の価値は確実に違ったものになります。そのため、時間の経過などによる価値の減少分を割り引く必要が出てくるためです。

DCF法での算出方法のステップ

DCF法の基本的な計算方法を簡単に解説いたします。将来的に得られるであろうキャッシュフローを、資本還元率を当てはめて現在の価値に割り引くことで株式を評価する流れになります。

まずは事業計画書を作成します。事業計画書は、将来発生する可能性のあるリスクや、事業の成長性、設備投資計画などをきちんと客観的に予測することができているかが重要になります。いかに的確な事業計画書を作成するかによって正確な企業価値を算出できるかが決まってきます。

そして次にフリーキャッシュフローを算出します。フリーキャッシュフローは企業が純粋な事業によって生み出すキャッシュフローで、経営者の判断によって自由な用途で利用できるものになります。例えば株主への配当金や、事業拡大の資金などがそれに当たります。

フリーキャッシュフローは、「税引き後営業利益+原価償却費-運転資本増加額-設備投資額」で算出することができます。

次にWACCを計算します。WACCとは、「Weighted Average Cost of Capital(ウェイテッドアベレージ コストオブキャピタル)」の略称です。日本語で「加重平均資本コスト」と訳されます。

資本コストは負債資本コストと株主資本コストに分けられ、負債資本コストとは借入金や社債などの有利子負債の利子率のことで、株主資本コストは投資家が要求する期待収益率をのことを言います。

最後に割引率の計算を行います。割引率は、株主資本コストと負債資本コストを加重平均して求めた加重平均資本コストによって算出されます。

これらの計算式は大変複雑になっていますので詳細は割愛しますが、最終的にはフリーキャッシュフローをWACCで割り引いたものが企業価値として決定します。

DCF法におけるメリット

DCF法のメリットは、企業の将来的な利益、収益、キャッシュフローに基づいて計算されるため、基本的なM&Aの評価基準のなかでもっとも理にかなっている評価基準になり、安定した評価の計算ができることが挙げられます。M&A投資の採算性が明確になるため、現在評価基準の中で一番ポピュラーに利用されています。

DCF法におけるデメリット

一方、DCF法のデメリットとしては、企業の将来性の分析を正確に行う必要があるため、大変な労力と時間がかかってしまうことになります。M&Aに要する時間があまりない場合は、じっくりと計算をしている余裕がなくなってしまいます。

また、将来得られるであろう収益の算出方法が、M&Aアナリストによって予測されただけのものであることは非常に不確定な要素となってしまっています。そういった不確定要素が取り入れられてしまい、客観的な判断材料が乏しいということもDCF法のデメリットの一つです。

インカム・アプローチ 〜収益還元法

収益還元法における企業価値評価とは、企業の事業計画書に基づいて、将来どのくらい収益をあげることができるかを計算して、資本還元率を利用して算出方法によって現在の収益に還元して割り出すというM&A評価方法になります。
 

収益還元法のメリットとデメリット

収益還元法のメリットは、事業計画書が用意されていることにより将来どのくらい収益をあげることができるかが簡単に計算できる点です。特にM&Aの初期段階での企業価値の概算を算出するために大変便利な方法になります。

収益還元法のデメリットとして、企業の収益が一定に成長していくことを前提として計算されているため、不確定要素も多く、また、予測のみに基づいた算出方法は計算するM&Aアナリストの主観的な予測が入るため、客観性に欠けるというデメリットがあります。

DCF法と収益還元法の大きな違い

将来発生するであろう企業価値を計算して、現在の価値に還元して割り出すという考え方としてはDCF法と似ている部分があります。現にM&A以外の不動産投資などでは、DCF法と収益還元法は同じ意味で使われているケースもあります。

M&AにおけるDCF法と収益還元法の大きな違いは、DCF法の評価基準はキャッシュフローの変動性を予測するため、収益還元法よりもフレキシブルな計算をすることができます。一方、収益還元法は、将来の利益が現在の収益と同じという仮説に基づいた評価基準のため、DCF法と比較するとフレキシブルな計算ができず、外的要因の変化が起こってしまった際に対応できないのが特徴です。

インカム・アプローチ〜 配当還元法

配当還元法は、過去2年間の株式の配当金額を10%の利率で還元して、株式の価格を求めるM&A評価基準になります。配当還元法での企業価値評価とは、基本的な考え方としては前述のDCF法と同じものになります。

ただ、一般的には経営者の采配によって配当金額には変動が生じてしまいます。つまり企業の決算時の配当金額は自在に操作されてしまうので、現状M&Aの評価基準として配当還元法が使用されることはほぼなく、前述のDCF法が取り入れられるのが一般的です。

マーケット・アプローチ

マーケットアプローチ

マーケット・アプローチとは、その名前の通りマーケット=市場が決めた企業価値に基づいて企業価値を算出するM&A評価基準方法です。上場企業であれば、証券取引所で公開されている株価をもとに、M&Aで買収する企業と類似した企業を選定・比較して計算を行います。できる限り近い条件の企業を選定するために、同じ業界の市場での評価をもとに企業価値を計算するケースが多いです。

マーケットアプローチの代表的なものは3種類あります。「市場株価平均法」「類似会社比準法」「類似取引比較法」などとなっています。

マーケット・アプローチ 〜市場株価平均法

市場株価平均法は、評価対象企業が上場会社である場合に利用される評価基準です。直近の株価だけではなく、過去3ヶ月程度の株価の平均をM&A評価基準に取り入れています。これによって市場の影響による株価の上下の影響を極力少なくすることができます。

マーケット・アプローチ 〜類似会社比準法

類似会社比準法とは、M&Aを行う企業に類似した上場企業を選定し、それぞれの財務状態を比較する方法になります。上場企業は株式市場で公開されている株価より時価総額を計算することができます。

マーケット・アプローチ 〜類似取引比較法

類似取引比較法は「マルチプル法」とも呼ばれます。M&A取引の類似した事例を用いた評価基準になります。M&A取引事例が多い上場企業ではよく取り入れられる手法です。

買収企業が非上場企業の場合ですと決算報告などが一部のみの公開になっていて同様のM&A事例が少ないことが多いため、中小企業のM&Aではあまり利用されることのない評価基準になります。

また、選定するM&A事例によって、企業の評価基準が左右されてしまうというデメリットもあります。具体的には以下のように算出することが可能です。

  1. 評価対象企業と類似している上場企業を複数ピックアップする。
  2. ①の各社が現在、どの程度の企業価値・株式価値があると評価されているのかを求める。
  3. ②で導き出した値の平均値を計算式を使い、評価対象企業の財務指標やEBITDAを掛けて、推定企業価値・推定株式価値を算定する。

なお②の評価を求めるとは、現在の株価が各社の財務指標やEBITDAなど、主要指標の何倍の評価を受けているのかということです。

マーケット・アプローチ(マルチプル法)については、『マルチプルとは?マルチプル法による企業価値の算出方法を解説!』でも詳しく解説しています。参考にしてください。

アセット・アプローチ(コスト・アプローチ)

コストアプローチ

「アセット・アプローチ(コスト・アプローチ)」とは、企業の純資産を基準に企業価値を決めるM&A評価基準になります。アセットとは、一般的に資産や財産などを意味しています。

企業の純資産が基準になっているため、客観的なM&A評価基準としては大変優れており、また、インカム・アプローチの「DCF法」のように事業計画の作成が不要なため、大変シンプルなM&A評価基準です。

一方でアセット(コスト)・アプローチによる企業価値評価は、企業が将来生み出す収益は加味されていないため、今後も事業を継続していく企業価値を算出する場合には不向きな方法と言えます。

現状アセット(コスト)・アプローチによる企業価値評価は、事業計画書の作成が難しかったり、正確性に乏しい事業計画書しか入手できないようなケースにマッチした方法となります。

アセット(コスト)・アプローチ 〜簿価純資産法

簿価純資産法とは、企業の貸借対照表(バランスシート)を元に純資産額を評価する方法です。中小企業などのM&A評価基準に使われることが多いです。

理由として、中小企業は株式の発行や売買がほとんど行われないため、先述のマーケット・アプローチを適用することが難しいためです。そのため、貸借対照表の純資産額を基礎としたアセット(コスト)・アプローチが利用されやすいという背景があります。

ただし実際のM&Aには簿記に記載されている数字を修正し、適正な簿価をもって純資産額を評価します。
中小企業は銀行借り入れのために、実際の帳簿を粉飾して載せるケースも多いため、適切な簿価へ修正しなければなりません。

アセット(コスト)・アプローチ 〜時価純資産法

時価純資産法とは、評価の対象となる企業の資産をもとに評価します。その際、負債も含めた有形無形のすべての資産を時価に置き換えて純資産を算出します。

この直純資産方には企業が今後生み出すであろう収益、利益、キャッシュフローなどの評価が含まれていないものになります。

時価純資産法における再調達原価法の考え方


再調達原価とは、企業の有形資産、無形資産、負債を現時点で取得する際の価格です。再調達原価法によって算出された時価純資産額は、買収する企業と同じ規模の資産の企業をもう一つ作る際に必要な金額になります。

この金額によってM&Aを行なうか、新しく企業を設立するかの検討材料として非常に重要なものになります。

時価純資産法における正味売却価額の考え方

企業の売却価額は、現時点において企業が所有するすべての資産を処分することによって得られる金額によって、現時点におけるすべての負債を弁済する場合の残余額です。

つまり、その企業を清算(解散)した場合に株主が得られる金額としての時価であり、これを利用した評価方法を清算価値法といいます。通常、この清算価値は、株式価値の下限となります。

アセット(コスト)・アプローチ 〜清算価値法

清算価値法とは、現在企業が保有している資産を全て処分することによって入手することができる金額を、負債に当てて弁済をする方法です。

つまり、企業を解散してすべて清算した場合に株主が得られる金額ということになります。これを利用した評価方法を清算価値法といいます。
 

アセット(コスト)・アプローチのメリットとデメリット

アセットorコスト・アプローチのM&Aの際のメリットは「評価基準が客観的に行えること」「算出方法がシンプルであること」です。

一方のデメリットとして、企業の資産価値は、現在の状態に基づいて判断されるため、将来的にどう成長していくかは検討しないため、M&Aを行う際に重要なポイントである「のれん」の価値が判断材料に含まれないことが挙げられます。

「インカム・アプローチ」「マーケット・アプローチ」「アセット(コスト)・アプローチ」の違いまとめ

「インカム・アプローチ」「マーケット・アプローチ」「アセット(コスト)・アプローチ」の違いをまとめます。

「インカム・アプローチ」は将来の収益予測による企業価値算出方法になります。M&Aにおけるもっとも標準的な企業評価基準アプローチです。

「マーケット・アプローチ」は市場価値による企業価値算出方法です。同じような条件の企業を選定して、その企業の評価をもとに企業価値を計算する方法です。


「アセット(コスト)・アプローチ」は資産による企業価値算出方法です。現段階の資産をそのまま評価として使用し、評価が決まります。客観的な企業価値評価や、概算としての企業価値算出のためには大変便利な方法です。

3つのアプローチは何が正しくて何が間違えているということはありませんが、それぞれメリットもデメリットも持ち合わせているため、企業の状態と市場の状況などによってどのアプローチを選択するかを検討する必要があります。

3. 企業価値評価をするなら専門家に相談しよう

企業価値評価をするなら専門家に相談しよう

企業価値評価をするなら、専門家に相談しましょう。

企業価値の専門家は経営コンサルタントかM&A仲介会社がふさわしいです。経営コンサルタントであれば、現在の企業価値を評価した上でどのように経営をしていくべきか戦略のコンサルタントもしてくれます。

しかし、M&Aを検討した中で企業価値が知りたいのであれば、はじめからM'A仲介会社へ相談しましょう。なぜなら、M&A仲介会社の多くは無料で企業価値評価をしてくれるからです。ある程度の会社の資料を渡せば、企業価値評価をしてくれます。

その後もM&Aの相手探しや交渉のサポート、専門家の紹介などもしてもらうことができ、M&Aを円滑に進めることが可能です。

M&A総合研究所であれば、M&Aに詳しい公認会計士がフルサポート!社内に専門家がいるので素早く企業価値評価をしてくれます。もちろん、相談や企業価値評価は無料です。

お気軽にお問い合わせくださいね!

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4. M&Aの企業価値評価まとめ

企業価値評価とは、「会社の値段」を算出することです。企業価値評価は以下の3つの方法で算出することができます。

  1. インカムアプローチ
  2. マーケットアプローチ
  3. アセット(コスト)・アプローチ

算出方法を詳しく知っておくことで、M&Aでどれくらいの売却価格になるか予想することができます。また、売却価格を上げるためにどのような施策を打つべきかも見えてくるはずです。

企業価値評価の方法をしっかりと理解し、できるだけ高い価格で会社や事業を売却しましょう。

もし、M&Aを前提とした企業価値を算出したいのであればM&A総合研究所へお気軽にご相談ください。M&A総合研究所であれば無料で企業価値を算出いたします。

ほかにも、M&Aの相手企業の紹介やM&A戦略の策定など、M&Aに必要な業務をフルサポート!M&Aに強い公認会計士がコンサルタントとしてあなたのM&Aをサポートいたします。

M&A総合研究所であれば着手金・中間金無料の完全成功報酬型のため、M&Aが成立するまで費用は一切かかりません。まずは無料相談から、お待ちしております。

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