2022年01月17日更新
事業承継コンサルティングとは?M&A仲介との違い、報酬や資格も解説
事業承継を行う際は、事業承継コンサルティングのサポートを受けるとスムーズに進めることが可能です。本記事では、事業承継コンサルティングについて、M&A仲介やM&Aアドバイザリーとの違い、業務内容や報酬などを紹介するので参考にしてください。
目次
1. 事業承継コンサルティングとは
事業承継コンサルティングは、事業承継を円滑に行うためのアドバイスやサポート、事業承継に関する手続きや交渉などを行うことを主な業務としています。
事業承継とは、会社や個人事業の経営を他の人や企業に譲り、現経営者が引退した後も会社が存続できるようにすることです。
近年は、中小企業経営者の高齢化が進んでいることもあって、中小企業を存続させる手段として、M&Aによる事業承継が注目されています。
事業承継コンサルティングの業務内容
コンサルティングとは、厳密には相談に乗ったり解決策を提示したりする業務をさします。
しかし、実際の事業承継コンサルティングでは相談だけを行うことは少なく、事業承継の具体的な手続きも行うことがほとんどです。
一般的な事業承継コンサルティングでは、おおむね以下のような業務を行っています。
【事業承継コンサルティングの業務内容】
- 相続・事業承継観点から現状・結果分析/課題の整理
- 事業承継計画の策定・提案・企画
- 交渉・打ち合わせ
- M&Aサポート
①相続・事業承継観点から現状・結果分析/課題の整理
事業承継コンサルティングでは、まず会社の現状を分析し、事業承継をするにあたってどのような課題があるか問題点を整理します。
相続・事業承継の観点で重要なのは、自社株の評価額の算定です。非上場企業の事業承継では、自社株の価格が想像以上に高くなり、買い取る資金や相続税が大きな負担になることがあります。
そのようなケースでは自社株の価格引き下げや相続税対策などを実施して、スムーズな事業承継が行えるようにコンサルティングが行われます。
②事業承継計画の策定・提案・企画
事業承継の手法には種類があるので、どの手法を選択するか、どのようなスケジュールで行っていくかなど、事業承継計画の策定・提案・企画を行います。
M&Aを利用する場合は、株式譲渡・事業譲渡などのスキームからどれを選択するか、親族や従業員に事業承継する場合は、株式を取得する資金をどのように捻出するかなどが重要なポイントです。
また、親族や従業員に事業承継する場合は後継者の育成プランを練ったり、M&Aで他社に事業承継する場合は、業務システムや社風をすり合わせたりする統合プロセスも行われます。
③交渉・打ち合わせ
事業承継コンサルティングでは、買い手・売り手候補の経営者との打ち合わせや、条件をすり合わせる経営者同士の交渉も行います。
M&A仲介型の場合は、同じコンサルタントが買い手・売り手双方の打ち合わせを行います。
一方、アドバイザリー型の場合は、買い手・売り手に別のコンサルタントが付き、それぞれの立場から最もよい条件を提案し合って交渉を進めていきます。
④M&Aサポート
親族や従業員でない第三者に事業承継する場合は、事業承継コンサルティング会社がM&Aのサポートも行います。
事業承継コンサルティングとM&A仲介業務は厳密には別なものですが、コンサルティング会社と銘打っていても実際はM&Aサポート業務を行っていたり、またはM&A仲介業務を専門としている会社が、その過程でコンサルティングも行っていたりすることが多いです。
M&A仲介との違い
事業承継コンサルティングとは、事業承継に関する経営者の相談を聞き、それに対する解決策を示したり、課題を明確にしたりする業務のことです。
それに対して、M&A仲介はM&Aを希望する経営者に最適な売買相手を探し、買い手と売り手をマッチングしてM&Aを成約させる業務をさします。
事業承継コンサルティングとM&A仲介は厳密には別なものですが、実際は事業承継コンサルティング会社がM&A仲介業務を行っていることもよくあります。
また、M&A仲介業務を行うにはコンサルティング業務もある程度行う必要があるので、M&A仲介専門の会社だからといって、仲介だけ行って事業承継コンサルティングは全く行わないということではありません。
このように、事業承継コンサルティングとM&A仲介の違いは、ややあいまいな部分もあります。
M&Aアドバイザーとの違い
M&Aアドバイザーとは、買い手・売り手どちらか一方の立場に立ち、最も良い条件での成約を目指して売買相手と交渉する業務です。
M&AアドバイザーによるM&A・事業承継の交渉では、買い手・売り手がそれぞれ別のM&Aアドバイザーを雇い、アドバイザー同士による交渉が行われることになります。
M&Aアドバイザー業務を行うにはコンサルティング業務もある程度行う必要があるので、事業承継コンサルティングとM&Aアドバイザーも、厳密に区別するのは難しい面があります。
2. 事業承継コンサルティングの報酬
事業承継コンサルティングの報酬は会社によって異なるので、最初の相談の段階で料金システムについてよく確認しておくことが重要です。
M&A仲介会社の場合は、本格的な仲介業務に入る時点で着手金を支払い、基本合意の時点で中間金、成約時に成功報酬を支払うことが一般的です。
士業事務所による事業承継コンサルティングの場合は、株価算定や経営アドバイスなど、各業務に対して数万円から数十万円くらいの報酬が発生するシステムが多いです。
3. 事業承継コンサルティングに必要な資格
弁護士や会計士、税理士などを営むのに資格が必要なのに対して、事業承継コンサルティングを営むのに必要な資格はありません。
しかし、何の資格もなく事業承継コンサルティングを開業しても質のよいサービスを提供することは難しく、顧客の信頼を得ることもできないので、実際はほとんどの事業承継コンサルタントは、何らかの関連資格を有しています。
一番多いのは、元々弁護士や会計士、税理士の資格を有している人が、事業承継コンサルティング事業を始めるケースです。
事業承継コンサルティングには国家資格はありませんが、民間が設立している資格はいくつかあるので、こういった民間資格を有しているコンサルタントもいます。
事業承継コンサルティングに役立つ民間資格
事業承継コンサルティングに役立つ民間資格は、日本M&Aセンターなどが実施する「M&Aエキスパート認定制度」、日本経営管理協会の「M&Aスペシャリスト資格」があります。
また、一般社団法人事業承継協会による「事業承継士」の資格、金融機関で事業承継のアドバイスをする「事業承継アドバイザー」、相続で困っている人の相談に乗って専門家へとコーディネートする「相続カウンセラー」の資格なども、役に立つ民間資格です。
4. 事業承継コンサルティングが必要とされる場面
小規模な個人事業や零細企業を親族に継がせるケースの場合は、事業承継を経営者自身で行うこともできるかもしれません。
しかしほとんどの場合は、事業承継コンサルティングのサポートを得ながら交渉や手続きを進めていくことになります。
事業承継コンサルティングが必要とされる主な場面としては、以下のものが挙げられます。
【事業承継コンサルティングが必要とされる場面】
- 専門的知識によるサポートが欲しいとき
- スムーズな事業承継を行いたいとき
- 後継者探し・選びに難航しているとき
①専門的知識によるサポートが欲しいとき
事業承継は経営者が自分で全ての手続きを行うことも可能ではありますが、幅広い専門知識が必要で手続きも複雑なため、事業承継コンサルティングのサポートなしで行うことは難しいでしょう。
事業承継コンサルティングに依頼すれば、専門的知識によるサポートを受けることができ、書類作成などの煩雑な作業をコンサルタントに任せられるので、経営者は本業に集中できます。
②スムーズな事業承継が行いたいとき
小規模な店舗や零細企業の事業承継は、大企業・中堅企業の事業承継に比べて手続きが簡単であり、専門家へ依頼すると手数料が負担になります。
このような理由から、経営者が自分で事業承継の手続きを行うというのも、場合によってはあり得る選択肢です。
しかし、ほとんどの経営者は事業承継の専門家ではないので、手続きに戸惑ったり無駄な労力を費やしたりする可能性が高くなるでしょう。
スムーズな事業承継を行いたい場合は、やはり事業承継コンサルティングに依頼したほうが無難です。
③後継者探し・選びに難航しているとき
経営者自身で事業承継の後継者を探そうとすると、自分の親族や会社の従業員など、ごく限られた選択肢しかないことがほとんどです。
最近は経営者が自分で承継先を探せるマッチングサイトも盛んですが、自力で最適な承継先を選定するのは敷居が高い部分もあります。
一方、事業承継コンサルティングは、独自のネットワークによる多数の承継先候補を有しており、その中から条件に最も合う相手を選定できます。
5. 事業承継をご検討の際はM&A総合研究所へご相談ください!
引退を考えていても後継者がいないなど、事業承継に関してお悩みの際はぜひM&A総合研究所へご相談ください。
M&Aを活用すれば幅広いなかから承継先を探すことができ、事業の更なる発展や従業員の雇用維持も実現可能です。
M&A総合研究所は、中小・中堅規模のM&A案件を主に取り扱っており、全国に案件に対応しています。知識・支援実績豊富なアドバイザーが多数在籍しており、ご相談からクロージングまで丁寧にサポートいたします。
M&A総合研究所の料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です。(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)
無料相談を随時お受けしておりますので、M&Aをご検討の際はお電話・Webよりどうぞお気軽にお問い合わせください。
6. まとめ
事業承継コンサルティングは、事業承継をスムーズに行うためには欠かせない存在です。業務内容や料金体系などを理解して、事業承継コンサルティングを有効活用できるようにしましょう。
【事業承継コンサルティングの業務内容】
- 相続・事業承継観点から現状・結果分析/課題の整理
- 事業承継計画の策定・提案・企画
- 交渉・打ち合わせ
- M&Aサポート
【事業承継コンサルティングが必要とされる場面】
- 専門的知識によるサポートが欲しいとき
- スムーズな事業承継を行いたいとき
- 後継者探し・選びに難航しているとき
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M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。
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