2022年08月26日更新
会社売却のメリットとデメリット!ポイントを知って会社を高く売ろう
会社売却とは、さまざまな方法で他の企業や個人に会社を売ることです。会社を売ることは大変な出来事であると同時に、大きな可能性を秘めています。この記事では、会社売却とは何かなど基本的な知識とあわせて、メリットとデメリットをまとめました。
目次
1. 会社売却とは?
会社売却とは、対価を受け取って会社の所有権を売却することです。従業員や取引先なども含めて考えると非常に多くの要素がかかわる出来事で、そう簡単には行えません。
会社の売却をよく知ったうえで検討する必要があります。本記事では、会社売却の概要、種類、事例を確認します。
会社売却とは何か?
会社売却とは会社の所有権を売却し対価を得ることです。会社を売却する経営者には、さまざまな理由があります。
例えば、ノンコア事業から撤退し選択と集中を行って、本業に専念するといった戦略的な理由もあれば、大企業の傘下に入ることでより大規模に事業を展開できる環境を整えたり、ベンチャー企業のイグジット手法として行ったりすることもあるでしょう。
このような理由は比較的前向きな攻めの姿勢ですが、そうでない場合もあります。債務を抱えている、従業員が不足しているなど、事業再編に迫られて売却するケースもあるでしょう。ネガティブな理由として人材不足の他に、後継者不在で企業譲渡を行う会社も増えています。
会社売却における後継者不在問題
現在の日本で会社を売却する特徴的な理由として「後継者不在」があります。
東京商工リサーチの「2020年『後継者不在率』調査」によると、2020年で後継者が決まっていない会社は57.5%です。東京商工リサーチの情報では、年間約5万社が後継者不在などを理由に廃業し、日本経済を支える活力が失われていると指摘しています。
事実、後継者不在のために企業売却を行う経営者も増えました。特に中小企業における後継者不在は深刻で、後継者不在のために企業売却を行う中小企業は今後さらに増加すると考えられます。
会社売却における周りへの影響
会社は多くの人たちを巻き込んで事業活動をしています。例えば、従業員はその最たるもので、給料をもらいながら会社活動を行い、家族を養っています。そのような状況で会社が売却されると、環境の変化に不安を感じるでしょう。
会社売却では、取引先も重要な関係者です。取引先は、取引している相手が第三者へ売却されることによる売り上げへの影響が気になります。
会社売却は、日本経済、会社の従業員やその家族、取引先などさまざまな相手に影響を与える非常に重要なことです。
会社を売りたいときにおすすめの相談先
会社売却・会社を売る手段や手続きに不安がある場合は、M&A仲介会社に相談することをおすすめします。
M&A仲介会社をお探しの際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所では、企業売却に精通した実績・経験豊かなM&Aアドバイザーが案件をフルサポートします。
料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談を受け付けますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
会社売却の種類は?
企業売却の方法は複数の種類があり、状況に応じて適切なものを選択することが大切です。どの種類を選択するかは、非常に専門的な内容なので、M&A仲介会社など専門家のアドバイスを受けながら決めることをおすすめします。
株式譲渡
まず、会社売却の種類に株式譲渡の方法があります。株式譲渡とは、会社の株式を保有する株主が他の企業や個人に株式を譲り渡すことです。通常、株式は会社が保有しています。株式を第三者に譲り渡すことは、会社の経営権を譲ることです。
事業譲渡
事業譲渡は、会社における事業の一部を切り出し、他の企業に売却する方法です。株式譲渡とは、売り手会社は事業売却後も存続する点で異なります。売り手会社の株主にも変動はないため、株主は引き続き売り手会社に関与することが可能です。
売り手会社が運営する事業の一部のみを切り出したい場合に用いられます。
合併
合併の方法もあります。合併は、2つ以上の異なる会社が一つになることです。一方の会社が吸収するものと、全く異なる第3の会社を設立するものがあります。
マネジメントバイアウト(MBO)
マネジメントバイアウト(MBO)では、会社の社員や従業員、親族に対して会社売却が行われます。それまでの企業文化や企業風土をよく知っている人が会社を買うため、売却後のビジネスへスムーズに移行できるでしょう。
会社の清算
会社を売却せずに清算する方法もあります。会社の清算とは、会社の法人格そのものをなくす方法です。会社の清算は、後継者がいない場合や破産したときなどに行われます。
2. 会社売却で会社を売るメリット・デメリット12選!
会社を売却するのは、非常に大きな決断で大変なことです。では、そこまでして売却をするメリットはどこにあるのでしょうか。デメリットは何でしょうか。
会社売却のメリットとデメリットを理解すれば、いざ企業売買を行う際に決断しやすくなります。ここでは、会社売却におけるメリットとデメリットを見ていきましょう。
会社売却のメリット
会社を売るメリットは、次の6つです。それぞれのメリットを順番に確認しましょう。
- 創業者・株主が利益を得られる
- M&Aをしたアントレプレナーとして評価される
- 個人保証や連帯保証から解放される
- 事業承継により休める
- 買い手企業とのシナジーや企業基盤の強化が期待できる
- 廃業・倒産を回避できる
創業者・株主が利益を得られる
まず、創業者や株主が大きな利益を得られるメリットがあります。会社売却は大きな金額が動く取引です。もともと株式を保有していた創業者や株主は、大きな利益を得られます。
M&Aをしたアントレプレナーとして評価される
2つ目は、M&Aをしたアントレプレナーとして評価されるメリットです。アントレプレナーとは、事業を立ち上げて経営を始める人のことをいいます。
会社が価値のある事業を行っており、その事業が評価されてから売却した際、創業者に経営手腕があった証明にもなるでしょう。
個人保証や連帯保証から解放される
3つ目は、個人保証や連帯保証から解放されるメリットです。会社を経営していくうえで、銀行から多額の借入をすることもよくあります。その際、創業者や役員が保証人になるのが一般的です。
会社を売却する場合、一般的に保証人を買い手企業が引き継ぐので、売り手企業の経営者は保証人から外れます。
事業承継により休める
4つ目は、事業承継ができることで休めるメリットです。事業を引き継いでもらえると、それまで会社を引っ張ってきた役割から解放されます。事業承継することで休みの時間が得られ、家族との時間や趣味に多くの時間を使えるでしょう。
買い手企業とのシナジーや企業基盤の強化が期待できる
買い手企業とのシナジーや企業基盤が強化されるメリットもあります。ここでいうシナジーは、会社が単独で事業を行うよりも組み合わさることでより大きな成果が出る効果です。
会社が単独で事業を行うと、頭打ちになる時期がきます。そのときに他社へ会社を売却すると、買い手企業の事業とうまく相乗効果を出せることが期待できるでしょう。それにより、会社の基盤が強化されより安定した経営が可能になることも見込めます。
廃業・倒産を回避できる
廃業・倒産を回避できるメリットもあります。会社に負債があっても、株式譲渡の手法であれば負債ごと譲り受けてもらえるでしょう。事業譲渡であれば、現金にできる部門だけを売却すると、負債の返済にあてて財務状況を健全にしてから、主な事業や新しい事業に投資できます。
会社売却のデメリット
一方、会社売却のデメリットは以下の6つです。順に確認しましょう。
- 意思決定が遅くなる
- 売却先の企業に拘束されるリスクがある
- 売却後に事業領域が制限される
- モチベーションの低下を招く
- 買い手企業ともめる可能性がある
- 自社の売却後に寂しさを感じる
意思決定が遅くなる
1つ目のデメリットは、経営の意思決定を買い手企業と相談する必要があることです。
会社を売却する際は、買い手企業との間に今後の意思決定に関する齟齬(そご)がないようにすべきでしょう。買い手企業と認識がずれていると、思いもよらないトラブルに見舞われるリスクがあるからです。会社売却後の意思決定は、買い手企業に随時報告しながら行わなければなりません。
売却先の企業に拘束されるリスクがある
2つ目は、買い手企業に拘束されるリスクがあることです。売却してしまうと会社の所有権は売却先に移ります。しかし、譲渡条件によっては、ある程度の期間は子会社の社長として勤務しなければならないなど拘束されるケースもあるでしょう。
売却後に事業領域が制限される
3つ目は、売却した後に事業領域が制限されることです。売却後に事業領域が制限されることを、競業避止義務といいます。競業避止義務があると、売却後数年間は売却した事業に関われません。
モチベーションの低下を招く
4つ目のデメリットは、ロックアップ中にモチベーションが維持できないことです。ロックアップとは、売り手企業のキーマンが抜けることで事業が頓挫しないように、売却から数年間は決められた対象者(キーマン)は辞められない規定をさします。
多くの場合、キーマンはCEOなど会社の重要な役職に就いている人です。ロックアップ期間中は、キーマンのモチベーションを維持するのが難しいといえます。
買い手企業ともめる可能性がある
5つ目のデメリットは、買い手企業ともめるリスクです。2つ以上の異なる文化を持つ会社同士のやりとりなので、うまくコミュニケーションができなくなるリスクを避けてとおれません。事前の契約事項における解釈が異なって、トラブルになることもあります。
会社を売却する場合は、買い手企業とのコミュニケーションや創業者のかかわり方など、さまざまな課題を解決しなければなりません。
自社の売却後に寂しさを感じる
6つ目のデメリットは、会社を売却して経営から離れるためオーナー経営者が寂しさを感じる点です。
人生をかけて取り組んできた会社経営が終わりを迎え、やりがいが失われたと感じる経営者も少なくありません。自己の原点に立ち返り、もう一度本当にやりたかったことを始めてみると良いでしょう。
3. 会社売却のメリットを最大化するポイント6選!
会社を売却するメリットとデメリットを理解したうえで、会社売却の何に気をつければいいのでしょうか。ここでは、会社売却のポイントを紹介します。
- 会社売却のタイミングが良いこと
- 会社の強み・弱みを明確にできていること
- 買い手にとって魅力的な経営資源を確保すること
- シナジー効果のある買い手企業を見つけること
- 買い手企業の経営者と人間的に合うこと
- 会社売却に良いM&A仲介会社を見つけること
①会社売却のタイミングが良いこと
何かを売りに出す際は、タイミングが非常に重要です。特に会社を売却するなら、企業価値が最大になるタイミングで売却するのが理想的でしょう。
例えば、技術系の業界は、最新技術や独自技術が社会の潮流として必要とされれば、会社を高値で売ることが可能です。しかし、すでに廃れた技術や規制緩和によって免許も必要ないケースなどでは、企業の価値が低くなるケースもよく見られます。
会社を担う人たちにも、同じことがいえるでしょう。日本の中小企業は高齢化が進み、事業承継のために会社を売却しようと考えても、役員や従業員が高齢であると将来性がないとみなされ売却価格は下がってしまいます。
このように、企業価値が高いタイミングは会社によって異なるので、会社売却を考えたら専門家に相談して、売却に一番良いタイミングを逃さないようにしましょう。
②会社の強み・弱みを明確にできていること
買い手企業が売り手企業を買収するインセンティブの1つに、「自社にない強みを手に入れたいから」があります。売り手企業は売却前に自社の持つ強みを明確にすることが必須です。
強みだけでなく、弱みも明確にしましょう。弱みを明確にすることは企業の評価を下げることにつながらず、企業の強みを際立たせる説得力につながるからです。
弱みのない企業など存在しません。弱みを明確にすれば、よく自社を分析していると高評価を受けることも期待できます。買い手企業に対して今後の意思決定や事業計画に対するヒントを与えることにもつながるでしょう。
③買い手にとって魅力的な経営資源を確保すること
顧客リスト・優秀な人材などの確保には、かなりの時間や労力を必要とするため、これらの経営資源を確保するために買収を実施する買い手は少なくありません。買い手にとって魅力的な経営資源があれば、より多くの買い手が興味を持つでしょう。
特に確保に時間やコストがかかる経営資源や希少な経営資源を持つと、企業価値が相場より高く評価されやすいです。
優秀で経験の多い人材、収益性などが高い技術やノウハウ、大手企業など質の高い顧客リスト、特許や商標などの知的財産権、業界内におけるブランド力などを、早い時期から確保しましょう。
④シナジー効果のある買い手企業を見つけること
会社を売却することは、非常にコストと手間がかかります。事前の準備やコミュニケーションが大変なうえ、売却した後も継続的にやりとりを続けなければなりません。これほどの手間をかけて行うため、それと同じかそれ以上のシナジー効果を発揮しなくては意味がないでしょう。
シナジー効果を発揮できる事業や組織文化を持つ買い手企業を見つけられるかが、会社売却を成功させる大きなポイントになります。
買い手企業は、自力で探すこともM&A仲介会社など専門家に探してもらうことも可能です。M&A仲介会社などの専門家に依頼すれば、自社とシナジー効果を期待できる買い手企業が見つかる可能性が高くなります。
⑤買い手企業の経営者と人間的に合うこと
会社の売却とはいえ、本質的には人間対人間のコミュニケーションです。買い手企業の経営者や従業員と人間的に合うかどうかも大きなポイントになるでしょう。
人間的に合えばコミュニケーションをスムーズに行え、売却後も滞りなく事業を進められます。M&Aを進める中での面談で、しっかりと話して会社を任せられるか判断しましょう。
⑥会社売却に良いM&A仲介会社を見つけること
会社の売却にかかわるさまざまな手続きや準備を全て自分だけで行うのは、非常に困難です。専門的な知識やネットワークが必要になるうえ、社内外での調整も必要となります。M&A仲介会社に協力してもらいましょう。
M&A仲介会社はピンからキリまであります。自社の抱える案件と相性の良いM&A仲介会社を見つけることが大切です。
会社を売却する方法は複数ありますが、M&A仲介会社によって得意な売却方法、業界などが分かれます。何をどこまで行うかも異なるため、自社に適したM&A仲介会社を見つけましょう。
M&A仲介会社をお探しの際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所では、会社売買に詳しいM&Aアドバイザーが会社の売却をフルサポートします。
料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談を受け付けていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
4. 会社売却において高い価格で会社を売るには?
会社を売却する際により高い価格で売るためには、自社が持っている事業や技術、人材、文化が高く評価される必要があります。何よりもまず誠実であることが重要です。
一般的に企業の売買が行われる際は、デューデリジェンスと呼ばれる企業価値を判断するための調査が入ります。デューデリジェンスは、法務や財務、ビジネスモデル、人事、環境などの切り口から行われるのが一般的です。
自社の強みと弱みを明確にすることが企業を売却するうえでのポイントと紹介しましたが、強みも弱みもデューデリジェンスによって明確になります。
その際、引け目を感じてネガティブ要素を隠していることが判明すると、買い手企業への印象が非常に悪くなり、信用を失うことにもつながるでしょう。
以上のことを踏まえて会社をより高く売却するためのポイントをまとめると以下のとおりです。
- 特許や技術を持っていること
- 業界が成長していること
- シェアを持っていること
- 優秀な従業員が定着していること
- 取引先などの顧客リストが充実していること
- 誠実に対応すること
これらはどれも重要なポイントで、会社の価格を決める際に大きな影響を与えます。買い手企業の心理を考えると、充実した顧客リストや独自の技術などを持ち、優秀な従業員が定着しているシェアを押さえた会社は非常に魅力的に映るでしょう。
5. 会社売却の相場・企業価値の算出方法!
会社売却に当たり、企業価値はどのように計算され、相場はどの程度なのでしょうか。実際には会社を売却する金額は、買い手企業との交渉次第なので交渉によって上下し、自社が持つ強みや弱みによっても評価金額が変わります。
最もわかりやすい会社の価格は、「自社が保有する純資産の価格」です。貸借対照表に表れる最もわかりやすい会社の価格となります。
しかし、すでに紹介したとおり自社が保有する強みや弱みによってこの金額はいくらでも変わるため、会社売却の現場では、主に次の手法が用いられるでしょう。
- コストアプローチ
- ディスカウントキャッシュフロー法
- マルチプル法
M&A手法と相場の関係性
「1.会社売却とは?」では、会社を売却するM&A手法の種類を紹介しました。実は、会社の売却額相場は、どのM&A手法を取るかにより変わります。例えば、「株式譲渡」と「事業譲渡」では前者の売却額が高いです。
「株式譲渡」では、売り手会社が買い手会社の傘下に入りますが、売り手会社が従来の取引先に対して持つ信用力や、売り手会社自体のブランドが保存されるためです。
「事業譲渡」では、経営者が交代することも多く、買い手会社の意向で事業の方針が転換することも多いため、将来生まれるキャッシュフローが少なく見積もられます。
簡易的な算出方法(コストアプローチ)
コストアプローチは、会社が持つ総資産と負債の差額(純資産)を売却額の基礎とする考え方です。総資産とは、現金、売掛金、不動産などの合計額をさします。一方、負債とは、買掛金、銀行借入、社債などの合計額です。
年倍法ともいわれる手法で、具体的には次の計算によって相場を求めます。
- 株式譲渡の場合 相場=純資産+(営業利益+ 役員報酬)×2(年)
- 事業譲渡の場合 相場=事業資産+事業利益×2(年)
ディスカウントキャッシュフロー法
ディスカウントキャッシュフロー(Discount Cash Flow)法と呼ばれる手法があります。ディスカウントキャッシュフロー法は、将来的にどの程度の価値になるのかを計算しそこから逆算して現在の企業価格を評価する方法です。
ディスカウントキャッシュフロー法でポイントとなるのは、将来にわたってキャッシュフローを生み出すのか、キャッシュフローは成長するのかといった点です。事業計画や戦略が最も重要な評価の要素になります。
マルチプル法
マルチプル法もよく使われます。マルチプル法は、よく似た企業をピックアップしてその企業と評価対象の企業を比較し、企業価値を評価する方法です。
具体的には、類似企業の企業価値が特定の指標(当期利益や一株当たりの利益など)の何倍になっているかを算出し平均を求めます。その後、評価対象の企業にその倍率をかけて企業価値を評価する方法です。
マルチプル法のポイントは、類似企業のピックアップにあります。いうまでもなく全く違う業種や財務体質であると倍率の計算に狂いが生じるので、慎重に選ぶ必要があるでしょう。
実際の現場ではこのような難しい方法を駆使して会社の価格を評価しますが、一般的には経常利益の5倍が企業価値の目安です。会社がどの程度稼ぎ出せるのかが重要な評価基準といえます。
以下の動画でM&Aアドバイザーが計算例を用いてマルチプル法の解説をしていますので、ぜひご覧ください。
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会社売却の際は、数多くの複雑な手続きが待っています。企業価値価額の算出は最たる例でしょう。「どういった算出方法で企業価値を導き出せばいいのかわからない」ときは、M&A専門のアドバイザーによるサポートがおすすめです。
M&A総合研究所には、会社売却に関する知識・経験豊富なM&Aアドバイザーが在籍しています。難しい企業価値価額の算出はもちろん、案件を親身になってフルサポートします。
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6. 会社売却前に必要な準備
会社の売却に移る前にどのような準備が必要なのでしょうか。ここでは、会社を売る前に必要な準備を順番に解説します。
- 会社売却の譲渡スケジュールを決める
- 会社の業績、取引先を整理しておく
- 不透明な取引をまとめておく
- 会社を売る条件を明確にしておく
それぞれ詳しく確認しましょう。
①会社売却の譲渡スケジュールを決める
何事もスケジュールは肝心で、会社を売却するときも例外ではありません。特に、大変な作業だからこそしっかりとしたスケジュール感のもとで進めることが求められます。
スケジュールは、あまりにも短すぎると調整が忙しくなり大変です。しかし、長く取りすぎると業界を取り巻く状況が変わってしまうリスクが高くなり、好条件で売却するのが難しくなる可能性があるので注意が必要です。
M&A仲介会社には、成立までの時間が早いことを売りにしている会社もあるので、早く成立させたい場合はこの観点から探すとよいでしょう。
②会社の業績、取引先を整理しておく
デューデリジェンスや交渉に備えて、自社の業績を整理し、現在どの程度の売り上げや純資産があるのか整理しましょう。整理した内容が、買い手企業が確認する第一の情報です。
理想的には3期以上の赤字が続かない財務体質があり、過度な税金対策を行わないことが求められます。売り上げの大きさよりも利益を重視した経営を行い、できれば利益が伸びている状況を作ると成長できる会社として高く評価される可能性が高くなるでしょう。
中長期的には、しっかり売り上げを作れる状態を整える必要もあります。これにより、売却した後にもある程度稼ぎを出せる企業として評価が大きくなるでしょう。
会社の価格には、現在どの程度稼ぎ出せる力があるか、つまり「将来的なキャッシュフロー」が大きな影響を与えます。この段階でしっかりと準備しましょう。
③不透明な取引をまとめておく
不透明な取引があれば、まとめて整理しておく必要があります。不透明な取引とは、詳細がよくわからない取引や税務上問題のある取引、反社会的なかかわりがある取引先などです。
このような取引が交渉段階で明らかになれば、心証が悪くなり、最悪のケースでは売却の話がなかったことになりかねません。
事前に詳細を明確にするために、税理士や会計士などにアドバイスを求めるといった対策をとることも可能です。実際に税制面や法律面で不透明な取引が行われていた場合は、事前に買い手企業に伝えましょう。
④会社を売る条件を明確にしておく
交渉ごとでは当然のことですが、どこまで譲歩できてどこからは譲歩できないのかを事前に明確にする必要があります。売却後にどのように事業を進めていきたいのかしっかりと考えておきましょう。
売却の金額やロックアップ、雇用条件に関しては、丁寧に考える必要があります。売却額も、自社のデューデリジェンスによってある程度は決定しますが、算段をつけておきましょう。
ロックアップの期間は、どの程度なら許容できるのか整理しておくと交渉しやすいです。従業員の待遇や雇用も売却条件にする場合は整理しましょう。
7. 会社売却の際に準備すべき資料
会社を売却する際に必要な資料は多岐にわたり、状況によっても左右されます。しかし、主に自社の業績をPRする資料、基本的な情報をまとめた資料、財務書類、人事資料、契約書関連などを整理しましょう。
具体的には、以下のとおりです。
- 自社をアピールできる資料や材料
- 事業計画書(今後3カ年程度の売上・利益の見とおし)
- 商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)や定款、株主名簿
- 会社案内
- 財務資料や決算書関係一式
- 事業ごとの月次試算表
- 組織図や役員・部門長の経歴書、従業員名簿
- 規則をまとめた各種規定
- 取引先や賃貸借、リース、保険などの契約書
- 許認可などの写し
役所に行けば手配できる資料も多いですが、自分たちで作成しなければならない資料もあります。このような資料を作るのは大仕事なので、M&A仲介会社や税理士、弁護士など専門家のアドバイスをもらいながら作成すると良いでしょう。
8. 会社売却の方法と手続き・流れ!会社売却のその後も解説!
実際の会社売却は、以下の流れで行われます。
- 会社を売る準備
- M&A仲介会社と契約
- 買い手企業候補の選定と打診
- トップ面談
- 基本合意契約の締結
- デューデリジェンスの対応
- 最終契約の締結とクロージング
会社売却の流れと手続きを、詳しく見ていきましょう。
①会社を売る準備
会社売却を行う際、初めにすることは従業員としっかりと意思疎通を図ることです。きちんと説明をして、売却にあたってどのような流れになるのか共有しましょう。
従業員の理解を得られずに会社を売却すると、従業員の不満を招いて離職につながります。会社売却前だけでなく、売却を進めるうえで決まったことは随時話をしておくと、従業員も会社売却に対して心の準備ができるでしょう。
自社の強みや弱みを明確化し、資料も集めておくとスムーズに会社売却へ移行できます。
②M&A仲介会社と契約
次に、M&A仲介会社と契約します。M&A仲介会社は多く、それぞれに得意分野があります。自社の状況や希望に合ったM&A仲介会社を選ぶことが重要です。
M&A仲介会社によって、手数料やM&A成立までのスピードも異なります。自社に適したM&A仲介会社を選ぶためには、複数のM&A仲介会社を比較することが大切です。
③買い手企業候補の選定と打診
M&A仲介会社と契約した後、自社の分析を行ってもらいます。自社の強みや弱みを自分で分析するのは難しいので、専門家であるM&A仲介会社と一緒に行うのがおすすめです。
そして、買い手企業候補を探します。買い手企業候補を見つける際は、M&A仲介会社のネットワークも活用しながら探しましょう。M&A仲介会社に依頼すれば、複数の買い手企業候補をピックアップしてくれます。
気に入った買い手企業候補を見つけたら打診し、買い手企業候補が関心を示せば面談です。
④トップ面談
買い手企業候補に打診したら、トップ面談を行います。トップ面談とは、売り手企業と買い手企業の経営者が直接話し合うことです。
主に以下のことを話し合います。
- 経営方針
- 経営理念
- 企業文化
- M&Aへの考え方
- 今後のビジョン
互いの会社を理解するために、相手の会社や工場に出向くこともあります。トップ面談で買い手企業に会社を売却して良いと思えれば、本格的な交渉を行いましょう。
売り手企業の経営者一人では、自社の希望を伝えられないこともあります。交渉は、M&A仲介会社などM&Aに詳しい専門家に同席してもらいましょう。
⑤基本合意契約の締結
買い手企業と売却の条件を決めたら、基本合意契約を締結します。基本合意契約とは、買い手企業と話し合った条件でM&Aを進めることを約束する契約のことです。
基本合意契約は非常に重要な契約で、大きな問題が生じない限りは、基本合意契約の内容が最終契約書になることもあります。しっかりと確認しましょう。
基本合意書には、取引の基本的条件、価格、売買までのスケジュール、契約予定日、デューデリジェンスに関する事項、独占交渉権、当該基本合意文書の有効期限と法的拘束力の範囲などを記載します。
独占的交渉権が付与されると、基本合意契約を締結した後に、売り手企業は買い手企業以外の相手と売買交渉ができないことも多いため注意が必要です。
⑥デューデリジェンスの対応
基本合意書を締結したら、デューデリジェンスが行われます。デューデリジェンスの結果によって自社の価値が判定され、最終的な契約書の参考情報となるでしょう。
準備した資料をもとに審査されます。デューデリジェンスはたくさんの観点がありますが、案件によって特に重要とされる切り口が異なるため、優先順位をつけて行われることが多いです。
デューデリジェンスは膨大な資料を求められることもあるため、M&A仲介会社など専門家に協力してもらうとスムーズに進められるでしょう。
⑦最終契約の締結とクロージング
デューデリジェンスが滞りなく終われば、いよいよ最終契約書の締結です。デューデリジェンスに問題がなければ、基本合意書の内容がほぼそのまま反映されます。その後、譲渡が実行され入金が行われてクロージングです。
9. 【参考】会社売却では節税対策もしておこう
会社売却の際、大きな金額が手に入ることが多いです。しかし、多くの場合税金が発生し、納めなければならない税金は、売却の手法によって異なるでしょう。例えば、株式を譲渡する場合、最も大きいのが所得税や住民税で、税率は所得税15%と住民税5%の20%になります。
創業者や社長が受け取る役員報酬にもよりますが、役員報酬へかかる税金が40%近くになるのを考慮すると、上記の20%は安いことがわかります。最初から会社売却を目指すのであれば、役員報酬を低めに設定すると最終的に節税となるでしょう。
退職金によって節税することも可能です。退職金とは、役員退職慰労金のことをさします。株式を譲渡した後に受け取る金額を退職金として受け取る方法です。譲渡所得と退職金で異なる税金がかかるので、金額を調整すれば節税につながるでしょう。
会社を分割することで課税される所得を減らす方法もあります。会社を分割して売却対象でない資産を移し、必要資産を持った会社のみを売却することで、課税額の圧縮と節税につながるでしょう。
以上のように節税にはさまざまな方法があります。自社の状況に合わせた節税方法を利用して、お金を手元に残しましょう。
10. 会社売却に関する相談先
会社売却を実施する際に重要なポイントは、買い手探しです。さまざまな専門知識が必要なため、自力で売却先をリサーチし、進めていくのは難しいしょう。しかし、専門家に依頼すると効率よく進められます。
相談に乗ってくれるところは多くありますが、相談からクロージングまでのサポートが受けられるM&A仲介会社に相談することをおすすめします。
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11. 会社売却のメリット・デメリットまとめ
今回は、会社売却のメリットとデメリット、そして売却に関する知識をさまざまな角度から紹介しました。会社を売却するメリットとデメリットをよく理解したうえで、より良い結果が出るよう努めましょう。
会社売却をしたくてもM&Aを自力で進めることは困難です。自社に合ったM&A仲介会社の利用をおすすめします。
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