2022年06月06日更新
会社売却の準備!行うべき身辺整理、必要な準備期間を徹底解説
M&Aなどによる会社売却・企業売却は、他社への事業譲渡や事業承継などさまざまな理由により決断されますが、準備すべきこと・準備にかかる期間はどのようなものなのでしょうか。当記事では、M&Aや会社売却に必要な準備と準備期間について解説します。
目次
1. 会社売却の事前準備は自社の身辺整理から

M&A・会社売却のプロセスに入る前に、M&A・会社売却を決定した動機などをはじめ、事前にいくつかの情報を整理しておきましょう。
①動機の整理
会社売却にいたるまでには半年から1年半かかり、その間に多くの意思決定を行わなくてはなりません。
判断に迷う局面や状況の大幅な変化に直面したときに、会社売却をしようと思った理由や、M&A・会社売却の背景を整理しておくことで、有効な意思決定ができる可能性が高まります。
そのためにも、M&A・会社売却を行う前に決断した動機をしっかりと記録することが重要です。
②会社売却に関する知識の習得
M&A・会社売却を失敗しないためにも、株式譲渡に必要な書類、事業承継に必要な手続きなど、関連知識を身に着けることが大切です。
M&A・会社売却の際は、M&Aの専門家に相談して、会社売却完了までサポートしてもらうのが一般的です。しかし、M&A仲介会社など専門家の役割はあくまでもM&A・会社売却の助言で、判断は最終的にオーナーに委ねられます。
自社にとってよい意思決定をするためにも、M&Aの関連知識を備えることが望ましいです。
③スケジュールの設定
上記の前提条件を整えたら、会社売却のスケジュールを設定します。先にスケジュールを設定すれば、経営者の事業譲渡に対する気持ちが固まり、現実的に事業譲渡に向けて動けるのです。
自社や事業における評価は、ビジネスの実力である内部環境以外に、市場における勢いなどの外部環境も関係します。これらの状況に配慮せず、何もしないで時間が過ぎるのはもったいないでしょう。
内部環境や外部環境を整理して目安となる売却のスケジュールを考慮し、売却時期を設定してください。スケジュールの設定は、会社・事業を売却する経営手段の選択に現実味を持たせるためにも大切です。
④会社や事業の業績調整・不透明な取引の整理
次に、実際にM&A・会社売却を実行するにあたって適切な評価を得るため、稼ぐ力や財務状況を整理する必要があります。
外部からの高い評価を得るため、足元の実績だけではなく、将来どのように拡大していくのか、売上利益計画も含めて提示できる準備をしましょう。
その際は、不正取引がないようチェックする必要があります。内部の管理体制がしっかりしていなかったり、反社会的勢力と取引があったりする企業は、買い手が見つかりません。不透明な取引があれば、早急に問題を解決してください。
⑤会社売却条件の優先順位付け
M&A・会社売却にあたり、条件を洗い出し順位付けを行うことも大切です。
株式譲渡などで得られる資金がいくらならよいのか、買い手がきちんと事業承継してくれるのか、単に事業譲渡ができればよいのかなど、条件を整理することで交渉の現場で意思決定をスムーズに行えます。
ここまで解説した事前準備が完了したら、M&A・会社売却の専門家に相談し、実際の事業譲渡・事業承継の手続きへと移りましょう。
2. 会社売却の準備①財務情報・ビジネス情報の整理

会社売却・企業売却に必要な準備として、財務情報・ビジネス情報の整理があります。
M&A・会社売却では、財務情報(過去3期分の決算書・顧客別売上高一覧・事業セグメント別売上高一覧など)や、組織図・従業員一覧・役員略歴・登記簿謄本・定款などの書類が最低限必要です。
こうした情報は、買い手企業に判断してもらうための資料であるノンネームシートの作成や、デューデリジェンスのために使用します。
特に、財務情報は会社売却の金額を左右するほど重要なので、買い手は企業の業績を判断する際に、財務諸表などの客観的なデータやデューデリジェンスの中で厳しくチェックするのです。
そのため、各取引が書類として残っていることを証明できるよう準備する必要があります。
こうした情報を整理することで、自社のビジネスが将来利益を生み出すことを間接的に証明できるため、高い金額での売却につながることも期待できるのです。
自社の強み・弱みをきちんと分析することも重要で、これらを把握すればどのような会社に買ってもらうのが一番よいのかが明確になり、買い手も将来ビジネスを拡大できるイメージがつきやすくマッチングしやすくなります。
こうした観点から、特に弱みを補完できる相手をイメージしながら自社の情報を整理しましょう。
3. 会社売却の準備②労務面の整理

会社売却・企業売却に必要な準備として、労務面の整理が挙げられます。
労務面では、特に社会保険の加入・支払状況に注意しましょう。現代は、労務管理が非常に厳しいため、社会保険に未加入であったり未払金があったりする場合、M&A・会社売却による事業譲渡や事業承継が難しくなる可能性があります。
仮に社会保険に未加入の状況で売却を検討すると、買い手は社会保険料支払後の利益水準で買収金額を検討するため、売り手と買い手の間で目線にギャップが出てしまい、なかなか合意に至れないこともあるのです。
こうした事態を避けるため、事前に社会保険の加入や、未払金の支払いなどを済ませてください。
4. 会社売却の準備③契約書の整理

会社売却・企業売却に必要な準備として、契約書の整理があります。
M&A・会社売却には多くの書類が必要です。M&A・会社売却のアドバイザリー契約や、株式譲渡などの契約締結および事業譲渡・事業承継に向けて、契約書や法的な書類を事前に整理することが欠かせません。
事業承継を含む事業の継続のために必要な書類
会社を買っても、会社法や各種業法によって保管・整理が義務付けられている書類がなければ、事業が継続できません。そのため、必要な書類の保管も買い手にとって重要な事項です。
事業承継を前提に株式譲渡などを行っても、必要な書類がきちんと整理されていない場合は免許取消や罰金などのペナルティが課せられます。当初の想定どおりに事業承継が行われない可能性もあるため、事前に整理しましょう。
M&A・会社売却に必要な書類
実際に株式譲渡などの手続きに移る場合、M&A・会社売却に必要な書類は以下の4点です。
- 秘密保持契約書
- アドバイザリー契約
- 基本合意書
- 株式譲渡契約書(株式譲渡による会社売却の場合)
①秘密保持契約書
秘密保持契約書とは、事業譲渡などに関する機密情報の漏えいを防止するため、情報開示前にM&Aの仲介会社と買い手候補、売り手の間で締結する契約書です。秘密保持契約書には、秘密保持における内容の範囲や期間などの規定が記されています。
②アドバイザリー契約
M&A仲介会社に、会社売却や事業譲渡などに関するアドバイザリー業務を依頼する際に結ぶ契約です。この契約により着手金や成功報酬などが規定されます。
③基本合意書
買い手と売り手の間で、大まかな売却条件に合意した場合に買い手候補と作成する合意書です。基本同意書には、売却金額や時期、独占交渉権などの記載があります。
④株式譲渡契約書(株式譲渡による会社売却の場合)
株式譲渡により会社売却を行う際は、最終合意の時点で買い手候補と株式譲渡契約書を締結します。株式譲渡契約書には、最終的な売却金額、売却日などの規定があるのです。
5. 会社売却の準備④人材面の検討

会社売却・企業売却に必要な準備として人材があります。
現在の事業を継続するうえで重要な人材がいる場合、キーパーソンの残留が売却の重要な条件となるケースがあります。キーパーソンがオーナー自身の場合、オーナー自身が会社売却後も一定期間会社に残ることを条件とするケースもあるのです。
ほとんどの企業で経営人材が不足しているため、M&A・会社売却が完了した後も経営者層に残ってほしい買い手もいます。
売却後は自由に経営できない環境となり得るため、それでも事業を継続する意思の有無は、事前に整理をしたうえで交渉の場で相手方に主張しましょう。
6. 会社売却の準備期間は?

買い手側の状況によって異なりますが、M&A仲介会社のサイトに掲載されている事例などを参考にすると、最短で3か月、最長で2年程度かかります。
最短3か月という期間は、上記の手順で記載した書類の準備などを含めてニーズに合致した売却ができる期間で、3か月以下の期間では目標とした条件での合意は難しいといえるでしょう。
一方、最長の2年程度を必要とする案件は、事業成長が見込まれる場合があります。短期間で売却を完了させたいニーズも多いですが、長期間の準備で実績が大幅に伸長した場合、売却金額が当初のターゲットを大きく上回ることも考えられるのです。
今後の事業成長が見込まれる場合、短期間のクロージングだけを目指すのではなく、長期での売却も視野に入れて検討を進めるとよいでしょう。
判定の一つとして、検討の余地があるのが潜在価値です。例えば、売上・利益の改善余地がある、もしくはリスクをとらず変化のスピードが遅いことで、売上・利益の伸びを抑制している場合です。
こうした潜在価値の存在は、買い手との交渉において買い手が会社を買うメリットとして説明されます。しかし、失敗するリスクもあり、十分に売却額に反映されないこともあります。
こうした状況にある場合、売却前に潜在価値を実現させるための手段をとってから、会社売却を実行しましょう。
会社売却の準備スケジュール調整はM&A仲介会社に相談
会社売却・企業売却の際、相手先企業を含めたスケジュール調整は難しいことも多く、時間や手間を要します。実際に、自社の経営を行いながら売却準備を進めるのは、非常にハードといわざるを得ません。
自社の経営を行いながらスムーズにM&Aを進めるには、M&A仲介会社など専門家に依頼して進めるとよいでしょう。
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7. 会社売却の準備はM&A専門家に相談

会社売却・企業売却の準備は、複雑な手順を踏むものも多く、自社のみで進めるのは困難といえるでしょう。
特に会社売却・企業売却の場合、法務・財務面の準備や手続きが多いため、M&A仲介会社などの専門家にサポートしてもらいながら進めることをおすすめします。
M&A総合研究所では、会社売却・企業売却に精通したM&Aアドバイザーが、相手先の選定・交渉・クロージングまで案件をフルサポートいたします。
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8. 会社売却の準備まとめ

M&A・会社売却を行う前に必要な準備は、株式譲渡などの法的な書類をはじめ、M&A・会社売却を実施する理由や潜在価値の実現など、形式的な準備から企業価値を高めるための準備など多岐にわたります。
準備をするにあたり、専門的な知識や見解が必要となる場合も多いため、M&A・会社売却を行う際は、M&A仲介会社など専門家のサポートを受けながら進めましょう。
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