会社売却、M&Aの税金まとめ!節税対策はできる?

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

会社売却・M&Aで発生する税金についてをまとめています。会社売却でどのくらいの税金が課税されるのかだけではなく、少しでも節税できる方法はないかについても解説します。M&Aで少しでも手元にお金が残るように節税対策はしっかりと行いましょう。

目次

  1. 会社売却・M&Aの売却益の税金は高すぎる?
  2. M&Aには消費税がかかる?
  3. 会社売却・M&Aの税金まとめ!
  4. 会社売却・M&Aの税金を減らす節税対策!
  5. 税務リスクあり!会社売却・M&Aの節税対策
  6. 会社売却、M&Aの税金まとめ&節税対策はできる
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1. 会社売却・M&Aの売却益の税金は高すぎる?

会社売却でかかる税金について

仕事をしてお金を稼いだら、その稼いだ分(利益)に税金が発生します。個人であれば所得税、法人であれば法人税というように課税されます。

何かを売却したときもそうです。売却で利益が出たのであればその売却益に税金が発生します。利益があるところには課税があります。

そして、M&Aにおいて、株式の売却等、会社売却で億単位のお金が動いた場合、その利益(売却益)には想像できないくらいの高額な税金が課税されそうな気がしますね。

ここでは、M&A・会社売却に伴って発生する税金について解説していきますので、M&A・会社売却を考えている方はM&A・会社売却で支払わないといけない税金関係についてよく確認しておきましょう。

2. M&Aには消費税がかかる?

M&Aに消費税が課税されるかについて

M&A・会社売却は、簡単に言うと会社の売買です。スーパーやコンビニで商品を購入すると代金とは別に消費税として8%の税率が加算されますが、同じように考えると、会社を10億円で買収したら消費税が8000万円も加算されることになってしまいます。どうなのでしょうか。

結論から言うと、この考え方は間違いです。

例えば、M&A・会社売却の代表的な手法である株式譲渡でいえば、消費税は課税されません。もちろん、すべてのM&A・会社売却で消費税が課税されないというわけではありません。

税金は正直よくわからないという方も多いと思いますが、まずはもっとも身近な税金である消費税について、M&A・会社売却ではどのような場合にどのように課税されるかについて説明します。

消費税の課税されない取引

消費税がかからないもの

消費税が課税される取引は、事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等の取引ですので、それ以外の取引には消費税は課税されません。例えば、贈与や寄付や出資は対価を得て資産を譲り渡すものではないため、消費税課税の対象外となります。

また、事業者が事業として対価を得て資産を譲り渡す場合であっても、消費を提供する取引ではない場合など、消費税が課税されない取引があります。例えば、株式の取引は株式を消費してもらおうとする取引ではないので、消費税がかかりません。

消費税が課税される取引

消費税がかかるもの

消費税が課税される取引は、事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等の取引です。

M&A・会社売却では株式譲渡や新株発行等、消費税が課税されない場合が多いですが、消費税が課税される場合としては、事業譲渡の手法によってM&A・会社売却をする場合があります。

消費税が課税されるなら、事業譲渡は他の手法と比べれば税務上不利なように見えますが、実際のところはどうなのでしょうか。

それでは、次に、M&A・会社売却の手法ごとに課税される税金についてまとめていきます。

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3. 会社売却・M&Aの税金まとめ!

M&Aの税金のまとめ

M&A・会社売却した際にはどのような税金がかかるのでしょうか。誰に対して課税されるのでしょうか。税率はどのくらいなのでしょうか。そもそも、会社の売却価格はどのように算出されるのでしょうか。

まずは税金を計算する前提として、会社の売却価格の算出の仕方について説明します。

売却価格の算出方法

売却価格の算定方法

会社の売却価格を決めるために基礎となるのが、その会社の純資産の価格となります。
会社を買収するということは、その会社の資産をまるまる承継するわけですから、会社の純資産が売却価格の基礎となるのは当然です。

ですが、それだけではありません。

取引先や従業員など、帳簿の数字(純資産)だけでは見えない部分も買収の対象になりますので、それらの価格を計上することになります。これらを営業権といいます。

会社の売却価格は、会社の純資産+営業権で算出することになります。

それでは、会社の売却価格の算定方法(純資産+営業権)を踏まえて、M&A・会社売却の手法別に、どのような税金が、誰に、どのくらい課税されるのかについて確認していきます。

株式譲渡でかかる税金

株式譲渡の税金

まずは、M&A・会社売却の最も多く利用される手法である株式譲渡の場合について説明していきます。

株式譲渡とは、その名のとおり株式を譲り渡すことです。株式を譲り渡すことで会社の所有者が変わり、事業承継が可能となります。株式売買して利益が出れば、それが譲渡所得として課税の対象となります。

株式を持っているのが個人の場合と法人の場合によって課税される税金が異なりますので、分けて解説します。

個人株主の株式譲渡

個人株主の場合

オーナー社長のように株主が個人の場合、事業承継の手段として株式を譲り渡すことで利益が出れば、その利益は税務上個人の譲渡所得となります。

譲渡所得は、売却価格(純資産+営業権)から、取得費(株式を取得した費用等)や譲渡費用(M&Aアドバイザーへの仲介手数料等)を控除した売却益をいいます。

例えば、株式の売却価格(純資産+営業権)を3億円、株式取得費を1000万円、譲渡費用を500万円とした場合、
3億円-(1000万円+500万円)=2億8500万円
と譲渡所得が計算されます。

そして、個人株主のこの譲渡所得税は分離課税方式ですので、一般的な所得税とは別で一律の税率で課税されます。売却益に所得税15.315%と、住民税5%の合計20.315%が課税されることになります。

法人株主の株式譲渡

法人株主の場合

株主が法人の場合は、事業承継の手段として株式を譲り渡すことで利益が出れば、その利益は税務上会社の利益と計算されます。そのため法人税が課税されます。また、法人税が課税されるときは、連動して法人住民税や法人事業税の税金も課税されます。

会社の利益の計算は個人株主の場合と同じですが、総合課税方式で法人の他の所得と同じように課税されるこちになります。

そして、法人の規模によって税率は異なりますが、法人税に法人住民税や法人事業税をも加えた税率は約30%~40%となります。この税率を実効税率といいますが、法人の課税所得金額によって実効税率は異なります。

事業譲渡でかかる税金

事業譲渡の税金

次に事業譲渡の場合について説明していきます。

事業譲渡は、会社の事業を譲り渡すことです。会社ではなく、会社で行ってきた事業そのものを譲り渡すことで事業承継を行います。事業承継の手段として事業譲渡を選んだ場合も、売却益に対して課税されるという考え方は株式譲渡と同じです。
なお事業とは、棚卸資産や不動産などに限らず、営業権(のれん)や取引先などの財産も一体として捉えたものをいいます。

そして、事業譲渡には2つの税金が課税されることになりますので、以下2つに分けて説明します。

①法人税等

法人税について

買収側に譲り渡す事業を行っていたのは個人ではなく法人であり、その事業を売却することの利益も法人にあります。そのため、事業譲渡で課税されるのは法人税等ということになります。個人に課税されることはありません。
実効税率約30%~40%が課税されることになります。

譲渡利益の計算は、譲渡価格(純資産+営業権)から、譲り渡す資産の価格と負債の価格の差額(純資産)を控除します。

つまり、事業譲渡の場合はおおよそ、営業権=譲渡利益となります。

②消費税

消費税について

先ほど説明したとおり、事業譲渡では消費税が課税されます。

譲り渡す資産の価格に消費税が課税されますが、譲り渡すもののうち、土地や売掛金など、消費税の課税されないものは除外し、営業権等の課税される資産のみが対象です。

そのため、例えば3億円で事業譲渡したからといって、必ずしも2400万円の消費税が課税されるわけではありません。

第三者割当増資でかかる税金

第三者割当増資について

第三者割当増資とは、売却側の企業が発行済の株式を譲り渡すのではなく、買収側の企業に対して新たに株式を発行することです。発行済の株式を譲り渡すことはありませんので、買収側の企業は100%の株式を取得することはできませんが、多くの株式を保有することで会社経営権を取得することができます。

この第三者割当増資の場合は、新たな出資と新たな株式発行となりますので、税務上も単に増資が行われたと判断されることになります。

そのため株式譲渡や事業譲渡と違い、譲渡所得や利益という話にはならず、譲渡所得税や法人税等の課税はありません。

贈与税に注意!?

贈与税に注意

第三者割当増資は基本的には課税されませんが、仮に第三者割当増資によって、発行済株式の株価が上昇してしまうようなケースでは、上昇した金額が税務上贈与とみなされ、贈与税が発生する可能性があります。

例えば、資本金5000万円で発行済株式数5000株の会社が、第三者割当増資の手法によって新たに1株2万円で5000株発行したとします。そのまま反映すると、この会社は資本金1億5000万円で発行済株式数1万株となります。

第三者割当増資前はもともと1株1万円だったのが、第三者割当増資後は1株1万5000円の価値となってしまいます。この差額が税務上買収側企業からの贈与とみなされてしまうことになります。

第三者割当増資の場合は、株式の時価で手続きをすれば贈与税の問題はありませんので、時価での取引かどうか注意する必要があります。

M&A税金比較表

M&Aの手法ごとに比較

M&Aによる事業承継の方法はいくつか考えられますが、文字だけではわかりにくいと思いますので、上記の内容を表にまとめましたので、こちらをご確認ください。
 

株式譲渡 個人株主 {株式の売却価格-(株式の取得費用+譲渡費用)}
×(所得税15.315%+住民税5%)
株式の譲渡所得×20.315%
法人株主 {株式の売却価格-(株式の取得費用+譲渡費用)}
×法人税等30%~40%
株式の譲渡所得×(30%~40%)
事業譲渡 ①法人税等
{事業の譲渡価格-(譲渡する資産+譲渡する負債)}
×法人税等30%~40%
事業の譲渡所得×(30%~40%)
②消費税
(譲渡価格-課税対象でない資産の価格)×消費税8%
課税対象の譲渡価格×8%
第三者割当増資 贈与税の問題を除いて課税されません。

事業承継において、どの手法がいいかは税務上の問題だけではなく、会社の状態等を鑑みて、総合的に判断することになりますが、どのくらいの税金がかかるのか、税務上のことも念頭に入れておく必要があります。

特に税金の支払い時期はM&Aの成立後となりますので、M&A・会社売却でいくら入ってくるかだけでなく、税金を支払えなくなるということがないように注意が必要です。

債権・債務がある赤字会社の場合は?

赤字会社の税金

赤字のある会社であっても、事業承継に関する税務上の考え方は同じです。

事業承継の方法が株式譲渡の場合、個人株主には譲渡所得税として20.315%の税率で課税されることになりますし、赤字会社の法人株主には法人税が課税されます。

しかし、事業承継の方法が事業譲渡の場合は少し事情が異なります。事業譲渡で課税される税金は法人税と消費税であることには変わりませんが、事業譲渡によって利益を出したとしても、赤字会社は赤字部分で利益を圧縮することが可能です。
これは赤字会社にとって、M&A・会社売却において事業譲渡を選択することのメリットであるといえます。

もっとも、事業を譲り渡す会社が赤字会社であっても、消費税は通常どおり課税されます。

なお、赤字会社の株式譲渡の場合、法人株主には法人税が課税されますが、M&Aの対象会社が赤字会社であっても、株主である法人が赤字会社でなければ利益を圧縮できませんので、混同しないようにしましょう。

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4. 会社売却・M&Aの税金を減らす節税対策!

節税対策について

ここまでM&A・会社売却にかかる税金についてまとめました。M&Aでは会社売却の売却益が大きくなりやすいため、課税される税金も高額になりやすいといえます。

M&A・会社売却で多額の売却益を勝ち取ったとしても、多額の税金を支払わないといけないとなると面白くありません。誰しもが、できる限り手元に多くの金額を残したいと考えるのが自然です。それでは、M&A・会社売却において少しでも多くの売却益を残すための節税方法はあるのでしょうか。

ここからは節税方法について確認していきます。

税金の支払時期はいつ?

税金の支払い時期について

節税方法を見ていく前に、税金の支払うのがいつ頃か確認しておきましょう。M&A後に税金は課税されますので、多額の売却益を使ってしまい、税金の支払いが足りなくならないように注意しましょう。

先ほど説明したとおり、株式譲渡や事業譲渡にかかる税金は、個人の譲渡所得にかかる税金、法人税等、消費税がありました。

ですが、税金を支払うタイミングとしては個人か法人かで異なるだけです。
譲渡所得を個人として受け取るのか、法人として受け取るのかには注意するようにしましょう。

①個人の場合

個人の確定申告

個人の譲渡所得にかかる税金(所得税・住民税)は、個人に課税されますので、確定申告のタイミングで支払うことになります。

1月1日から12月31日までに生じた所得について、翌年の3月15日までに確定申告することになります。

例えば、年度末である3月に会社売却した場合、その譲渡所得の申告は約1年後ということになります。

②法人の場合

法人の確定申告

法人税の申告は会社によって異なります。原則として、その法人の決算期から2か月以内に支払うことになっています。

例えば、事業年度を3月末日までの会社であれば、税金の支払いは5月末日までということになります。

個人の場合と同じく、株式譲渡や事業譲渡のタイミングによっては、1年ほど支払いまでのタイムラグがある場合があります。

株式譲渡の場合の節税対策

株式譲渡の節税対策

まずは株式譲渡の場合の節約方法から見ていきます。

個人にしても法人にしても、株式売却の売却益に税率を乗じて税額を計算しますので、売却益が小さければ小さいほど最終的に課税される税額は小さくなります。

先述のとおり、売却益は、株式の売却価格(純資産+営業権)から取得費や譲渡費用を控除したものですので、取得費や譲渡費用を大きくすれば売却益は小さくなります。
もっとも、譲渡費用はM&A・会社売却にかかる仲介手数料等なので、支払額を増やしたところで、手元に残る金額が増えることにはなりません。

そこで、取得費を大きくすることが節税の1つのポイントとなります。

売却価格の5%

売却価格の5%を取得費とできる

原則として、取得費は実際に売却する株式を取得した費用となります。

しかし、税務上その金額がわからないときには売却価格の5%を取得費として計算することができます。また、わからないときだけではなく、取得費が売却価格の5%を下回る場合も5%まで引き上げて計算することができます。

1000万円出資して設立した会社が、長年の成果により純資産5億円となることもあり得ます。
さらに、そのような企業の営業権は高額で買収されることになり、会社の売却価格がさらに高額になるケースがあります。

例えば、売却会社の純資産と営業権の合計が10億円となる場合、株式の取得費を1000万円とせずに、10億円の5%の5000万円とすれば、売却益を4000万円も小さくすることができます。

事業譲渡の場合の節税対策

事業譲渡の節税対策

事業譲渡の場合は、おおよそ営業権が売却益となりますので、事業譲渡を選択するだけで節税効果がある場合があります。

一見、事業譲渡は法人税と消費税が課税されるため、株式譲渡に比べて不利なように見えますが、取得費を大きくすることでした節税できない株式譲渡に比べて、営業権が売却益と計算される事業譲渡の方が売却益が小さくなることがあります。

例えば、1000万円を出資して設立した会社の純資産が1億5000万円だとして、営業権をプラスして2億円で売却する場合、オーナー社長の株式を譲り渡すのであれば、1億9000万円の売却益となるのに対し、事業譲渡は5000万円の売却益となります。

そのため、(計算式は割愛しますが)株式譲渡の場合は約3800万円が課税されるのに対し、事業譲渡の場合は約2000万円と計算されます。

このように、一見すると税務上不利にも思える事業譲渡も大幅な節税効果を期待できる場合があります。

第三者割当増資の場合の節税対策

第三者割当増資の節税

先述のとおり、第三者割当増資では課税されませんので、第三者割当増資にかかる税金を節税するということはありません。

ですが、後の事業承継の場面で第三者割当増資をすることで節税効果が期待できます。

第三者割当増資で新株を発行する際に、増資前の1株当たりの相続税評価額よりも少額で発行すれば、増資後の1株あたりの相続税評価額は小さくなります。

そのため、次の世代が株式を相続によって事業承継する際の相続税を節税でき、さらに、増資により会社に資金が投入されたり、経営に関して買収企業側の協力も期待出来たりと、後の事業承継の場面でメリットは多いといえます。
 

退職金(役員退職慰労金)による節税

退職金による節税対策

事業承継をして引退するオーナー社長の場合は、受け取る金額の一部を退職金とすることで節税することができます。

退職金には、退職所得税等が課税されることになり、その計算は

(退職金支給額-退職所得控除額)×0.5×税率-控除額
となります。

退職所得税は累進課税となっており、受け取る金額によって最低税率5%から45%の税率で変動します。
株式譲渡の譲渡所得であれば税率は一律でしたが、あまり大きい金額を退職金とすると、譲渡所得だけに比べて手元に残る金額が少なくなってしまいます。

例えば、事業譲渡で会社に入った金額の全額を一気に退職金にすると高い税率となり、税務上損をしかねませんので注意が必要です。時間をかけて少しずつ会社から受け取るようにする必要があります。

ヨコの会社分割(分割型分割)で株式譲渡益を圧縮

会社分割を利用した節税対策

ヨコの会社分割(分割型分割)とは、いわゆる兄弟会社を作ることをいいます。

兄弟会社を作ることで、兄弟会社にM&Aに不要な資産を移動することができます。単純な株式譲渡であれば、買収側は欲しくない資産も一緒に買収する必要がありました。

なお、M&A・会社売却に不要な資産とは、金融機関に預けている預金類や、社長の社宅(土地、建物)や、社長の車など、形式的に会社所有となっているもの等で、買収側にとって使い道のないものをいいます。

兄弟会社を作って、そちらに不要な資産を移しておけば、M&Aの際にその資産分の税金が課税されることはありません。

具体例を確認

具体例を呈示

例えば、1000万円を出資して設立した会社の売却価格(純資産+営業権)が5億円だとして、その会社の1億円が買収側にとって不要な資産だとすると、ヨコの会社分割をする場合としない場合で、以下のように違いができます。
(なお、計算しやすいように譲渡費用を0円とします。)
 

会社分割しない場合 株式の売却益は、
5億円-1000万円=4億9000万円
と計算されます。
オーナー社長の株式を譲り渡すとして、課税額は、
4億9000万円×20.15%=約9873万円
と計算されます。
会社分割した場合 1億円の資産を分割しますので、5億円-1億円=4億円が売却額となります。
会社分割で譲り渡す株式の価格も同じように分割するため、株式の取得費は800万円となります。
そして株式の売却益を計算すると、
4億円-800万円=3億9200万円
となります。
同じくオーナー社長の株式を譲り渡すとして課税額を計算すると、
3億9200万円×20.15%=約7898万円
となります。

このように、ヨコの会社分割で兄弟会社を作るだけで簡単に大幅な節税をすることが可能です。

5. 税務リスクあり!会社売却・M&Aの節税対策

税務リスクに注意

M&A・会社売却には税務リスクが付き物です。税務リスクとは、将来税務調査が行われた際に、否認されて追徴課税されるリスクをいいます。

株式譲渡で会社を買収する場合は、買収側は、売り手の会社を事業承継し、その会社を経営していくことになりますので、その会社の税務リスクを引き継ぐことになります。
そのため、買収側は、事前に売り手側の税務リスクをしっかりと調査しておく必要がありますし、売り手としても円満なM&A・会社売却のために自社の税務リスクをしっかりと把握しておくべきといえます。

これに対して、事業譲渡や会社分割を利用した場合には、買収企業が税務リスクを引き継がないとすることも可能ですので、買収企業が税務リスクを引き継がない場合には税務のデューデリジェンスの必要性はそれほど高くはないといえます。

節税対策にも注意

節税対策の税務リスク

また、売却価格が数億円から数十億円にもなりうるM&Aでは、先述のとおり、大幅な節税も可能となります。

ですが、この節税対策も税務リスクの観点から慎重にする必要があります。

万が一節税の方法を間違えてしまい、税務調査で否認されてしまうと、節税したはずの数百万から数千万円の大金が後から追徴課税されることになります。

引退したオーナー社長にとっては、それほどの金額が追徴されればひとたまりもありませんので、事業承継でM&A・会社売却を利用する場合の節税対策は専門家にお願いをするなどして、慎重に行うべきであるといえるでしょう。

6. 会社売却、M&Aの税金まとめ&節税対策はできる

最後にまとめ

M&A・会社売却に関する税金についてまとめ、さらに節税対策について解説してきました。

しかし、税金のことはよくわからないという方が多いように、実際の税務はもっと複雑になることもあります。税理士や会計士であっても、M&A・会社売却の税務を専門に取り扱ってないと、よくわかっていないこともあります。

売却価格が大きくなるM&Aですから、節税対策が可能な金額も大きくなります。
節税対策をする場合は、M&Aアドバイザーや専門の税理士等によく相談して慎重に手続きを進めていくことが必要となります。

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