倉庫会社の事業譲渡のメリットとは?M&A動向や注意点を解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

当記事では、倉庫会社の概要・倉庫業法の改正・倉庫会社業界のM&A動向について解説しています。そのほか、倉庫会社の事業譲渡におけるポイント・注意点・メリットや、事業譲渡の流れの解説や、現在公開されている売り手希望の案件も紹介しています。

目次

  1. 倉庫業界とは
  2. 倉庫会社の事業譲渡・M&A・会社売却のポイント
  3. 倉庫会社の事業譲渡・M&A・会社売却のメリット
  4. 倉庫会社の事業譲渡の主な流れ
  5. 倉庫会社の事業譲渡の注意点
  6. 倉庫会社の事業譲渡・M&A・会社売却の事例
  7. 倉庫会社の事業譲渡・M&A・会社売却の案件一覧
  8. 倉庫会社の事業譲渡・M&A・会社売却時におすすめの相談先
  9. まとめ
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1. 倉庫業界とは

倉庫業界とは

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倉庫会社の業界とは、どのような市場環境にあるのでしょうか。ここでは、倉庫業法の改正を含む倉庫会社業界の現状や、倉庫会社業界のM&A動向について解説します。

倉庫業界の現状

倉庫業界の市場規模は、2018年度の月平均が3433億8500万円となっています。2017年度は3281億8600万円、2016年度が3061億3200万円であったため、ここ数年は150億~200億円ほどの増加していることがわかります。

また2018年には、市場の動きに合わせて、倉庫業法の改正が施行されています。

倉庫業法の改正

倉庫業界では荷主からの要望が多様化しており、倉庫会社は倉庫を借りて各顧客のニーズに対応しています。

このような状況を受け、国土交通省が2018年の6月29日から、倉庫業法の改正を施行し、手間のかかる変更登録手続きについて、簡略化が実現されています。

倉庫業法の改正により、「基準適合確認制度」で登録する前から変更していないことが確認されれば、対象の倉庫が施設設備の基準を満たしていると判断されるようになりました。

倉庫業法の改正により、必要書類(一部)の省略が可能になったことで、倉庫を登録するまでの手続き期間を短くでき、スムーズな入庫と短期間の入庫を加速させる環境が整えられました。

倉庫会社業界のM&A動向

倉庫会社を含む業界のM&A動向では、物流の一請負・3PL事業へのシフトを進めるために、同業者やメーカーの傘下にある物流会社などを買収・合併する動きがみられます。

そのほかにも、海外とのネットワークを強化するために、国外の物流会社を買収する動きもみられます。

倉庫会社は、M&Aによる買収・会社売却で、倉庫の共有・拠点の確保・自社に不足するサービスの補完などを行い、市場での生き残りを図っています

2. 倉庫会社の事業譲渡・M&A・会社売却のポイント

倉庫会社の事業譲渡やM&Aまたは会社売却のポイント

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倉庫会社の事業譲渡・M&A・会社売却では、どのような点を意識して進めればよいのでしょうか。

ここでは、事業譲渡・M&A・売却をする理由、M&A・売却後の取引先や従業員への影響、法務・手続き、それぞれの観点から解説します。

事業譲渡・M&A・会社売却をする妥当な理由

1つ目のポイントは、事業譲渡・M&A・会社売却をする妥当な理由を明確にしておくことです。

会社・事業を譲渡する理由によって、優先する条件・スキーム・手続きの仕方や、譲渡する対象にも違いがでてくるため、自社がなぜM&Aを行うのかを明確にしておかなければ、条件などが定まらずに失敗する可能性が高くなります。

事業譲渡・M&A・会社売却後の取引先・従業員への影響

2つ目のポイントは、事業譲渡・M&A・会社売却後の取引先・従業員への影響を考慮することです。

株式譲渡では、会社そのものが引き継がれるため取引・雇用関係も買い手に承継され、合併においても存続する会社に権利義務のすべてが承継されます。

一方、事業譲渡の場合は、個別に同意を得て取引・雇用契約を結び直す必要があります。

つまり、どの手法を選択するかにより、取引先・従業員に与える影響が異なるため、対応などの考慮が必要です。

合併では労働の規則を統一する必要がある

倉庫会社の事業譲渡・M&A・会社売却で合併のスキームを選んだ場合、複数の会社がひとつにまとめられます。

各社で労働に関する規則が異なるため、従業員の混乱を招く可能性があるので、合併契約と併せて、労働に関する規則・契約を統一させる必要があります。

法務・手続き

3つ目のポイントは、法務と手続きです。倉庫会社の事業譲渡では、ほかの事業とは異なる法務によって、手続きが行われるため、注意が必要です。

法務における注意点

倉庫業の登録は、事業譲渡でも承継が認められています。ただし、以下のような法務を選択すると、倉庫業の登録は引き継がれません。

【事業譲渡の法務/引き継ぎ不可のケース】

  • 建物・事業所だけを譲渡する
  • 倉庫業登録の地位だけを譲渡する
  • 倉庫の譲渡譲受を伴わない営業の譲渡

つまり、倉庫会社の事業譲渡における法務では、倉庫業を行う建物と営業権を一緒に譲渡する必要があります。

法務の手続き

倉庫業の登録を承継する側は、以下のような書類を承継した日から30日以内に、国土交通大臣または地方運輸局長へ提出する必要があります。

【承継側が法人の場合】

  • 事業譲受届出書
  • 譲渡譲受契約書の写し
  • 承継した営業所と倉庫の名称の新旧対照表
  • 登記事項証明書
  • 役員が欠格事由に該当しない旨の宣誓書

【関連】倉庫会社のM&A・買収・売却の完全マニュアル【相場/成功事例あり】

3. 倉庫会社の事業譲渡・M&A・会社売却のメリット

倉庫会社の事業譲渡やM&Aまたは会社売却のメリット

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倉庫会社の事業譲渡・M&A・会社売却のようなメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、売り手と買い手側それぞれのメリットについてみていきましょう。

売り手のメリット

倉庫会社を売る側が享受できるメリットは、主に以下の6つがあります。

【倉庫会社を売る側のメリット】

  1. 後継者問題の解消
  2. 個人保証・担保の解消
  3. 大手の傘下入りによる、経営資源の共有
  4. 取引・雇用契約の維持(株式譲渡・合併)
  5. 創業者利益の獲得(株式譲渡)
  6. 事業・会社の存続

買い手のメリット

倉庫会社を買収する側のメリットには、以下の3つがあります。

【倉庫会社を買収する側のメリット】

  1. 拠点の確保
  2. 自社にはないサービスの獲得
  3. スケールメリットの獲得(同業者を買収する場合)

4. 倉庫会社の事業譲渡の主な流れ

倉庫会社の事業譲渡の主な流れ

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倉庫会社の事業譲渡では、大まかに以下のような流れで手続きが進められます。


【倉庫会社・事業譲渡の流れ】

  • 事業譲渡の相談と簡易的な戦略策定
  • 事業譲渡の委託契・本格的な戦略策定
  • 事業譲渡の手続きや各種契約書の締結
  • デューデリジェンスや条件交渉
  • クロージング

事業譲渡の相談と簡易的な戦略策定

倉庫会社の事業譲渡を行う際は、まず事業譲渡の相談と簡易的な戦略策定を行います。M&A仲介会社などの専門家に相談を持ち掛けて、事業譲渡の目的を明確にしておくことが大切です。

事業譲渡の委託契約・本格的な戦略策定

事業譲渡の目的や簡易的な戦略が決まったら、譲渡を任せる専門家とファイナンシャル・アドバイザリー契約を結びます。

その後は、アドバイザー・専門家と相談しながら自社に見合ったスキームを決め、本格的な戦略を策定していきます。

事業譲渡の手続きや各種契約書の締結

次は、事業譲渡の手続きや各種契約書の締結をします。トップ同士の面談を済ませると、買い手からの意向表明書が提出されるので、基本合意書の締結を経て条件面の調整を行います。

デューデリジェンスや条件交渉

基本合意書の締結が済んだら、買い手側によるデューデリジェンスが実施されます。デューデリジェンスでは、売り手企業が提出した情報に相違がないかを細かく調査していきます。

その後は、デューデリジェンスの結果を基に、細かな条件面の条件交渉が行われます。

クロージング

調整した条件に双方が合意すると最終譲渡契約書を結ばれ、対価の支払いや資産の引き渡しなどを経て、クロージングを迎えます。その後、両社を統合するPMIを済ませて、事業譲渡が完了します。

【関連】事業譲渡・事業売却の方法・手続きまとめ!契約書の書き方も解説【事例あり】

5. 倉庫会社の事業譲渡の注意点

倉庫会社の事業譲渡の注意点

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倉庫会社の事業譲渡では、どのよう点に注意を払えばよいのでしょうか。ここでは、倉庫会社の事業譲渡で、特に注意が必要な偶発債務について解説します。

偶発債務

偶発債務とは、将来において発現する可能性を秘めた債務のことです。偶発債務を事業譲渡によって承継してしまうと、将来的には債務がでてきて、借金・賠償金の支払いといった負債を抱えてしまうことがあります。

このような偶発債務は、簿外債務の一種とされています。以下では、簿外債務とはどのような債務を指すか、その概要を解説します。

簿外債務

簿外債務とは、貸借対照表に計上されていない債務のことです。簿外債務には、前述の偶発債務のほか、未払いの賞与・退職給付債務などがあります。

買い手が事業譲渡で簿外債務を承継しないようにするためには、徹底したデューデリジェンスを行う必要があります。

6. 倉庫会社の事業譲渡・M&A・会社売却の事例

倉庫会社の事業譲渡やM&Aまたは会社売却の事例

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倉庫会社の事業譲渡・M&A・会社売却では、どのような会社が自社・事業の譲渡・買収を行っているのでしょうか。

ここでは、倉庫会社の事業譲渡・M&A・会社売却の事例を5つ紹介します。買収先には、倉庫会社や物流事業を営む会社がみられます。
 

  1. 株式会社J-オイルミルズによる子会社の株式譲渡
  2. 安田倉庫株式会社による株式取得
  3. 内外トランスライン株式会社による株式取得
  4. トナミホールディングス株式会社による株式取得
  5. 両備ホールディングスによる事業の譲受

事例① 株式会社J-オイルミルズによる子会社の株式譲渡

株式会社J-オイルミルズは、2019年の12月に、経営資源の選択と集中を図るために、子会社の坂出ユタカサービス株式会社の株式を譲渡するとしています。

事例② 安田倉庫株式会社による株式取得

安田倉庫株式会社は、2019年の11月に、ネットワークの充実と輸送サービスの向上を図るために、大西運輸株式会社とオオニシ機工株式会社の株式を取得し、子会社としています。

事例③ 内外トランスライン株式会社による株式取得

内外トランスライン株式会社は、2019年3月に、海外における倉庫事業の発展を目指すために、株式会社韓進海運から韓進海運新港物流センター株式会社の株式を60%取得し、子会社としています。

事例④ トナミホールディングス株式会社による株式取得

トナミホールディングス株式会社は、2016年7月に、事業基盤を強化するため、中央冷蔵株式会社の株式をすべて取得しています。

事例⑤ 両備ホールディングスによる事業の譲受

両備ホールディングスは、2016年3月に、売り手との関係性維持や地域の発展のために、タカラ物流システムから水宅配事業を譲り受けています。

7. 倉庫会社の事業譲渡・M&A・会社売却の案件一覧

倉庫会社の事業譲渡やM&Aまたは会社売却の案件一覧

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倉庫会社の事業譲渡・M&A・会社売却では、以下のような案件が取り扱われています。

 

  1. ​​​​​​​軽貨物運送事業の事業譲渡
  2. 梱包・発送・保管事業会社の株式譲渡
  3. 自動車保管事業会社の事業譲渡
  4. 一般貨物自動車運送事業会社の株式譲渡
  5. 運送・倉庫賃貸事業会社の株式譲渡

案件① 軽貨物運送事業の事業譲渡

軽貨物運送事業を営む会社は、1.5億円を超える売上が予想され、顧客・ドライバーの確保も順調に進んでいましたが、新しく始める別事業に注力するために、3500万円で軽貨物運送事業の譲渡を希望しています。

案件② 梱包・発送・保管事業会社の株式譲渡

製薬会社の販促品・プロモーション用の品物を指定された場所へ出荷する事業を営んでいましたが、財務状況の悪化(赤字)と高齢を迎えた従業員の雇用を維持するため、株式譲渡を希望しています。

なお、売上高は750万~1億円で、希望する売却価格は750万~1000万円です。

案件③ 自動車保管事業会社の事業譲渡

国内外の顧客に対して車の保管・メンテナンスサービスを提供していましたが、後継者がいないため、事業譲渡を希望しています。売上高は4100万円台で、希望する売却価格は600万円です。

案件④ 一般貨物自動車運送事業会社の株式譲渡

長野県で運送業を営み、駐車場と一時保管のための倉庫を保有し、6台の車両で事業を展開している会社です。

インターの近くに事業所を構えていることから立地もよく、30年ほどの事業運営の実績を築いてきたものの、後継者不足により株式譲渡を希望しています。なお、売上高は1.2億円台で、希望する譲渡価格は1000万円です。

案件⑤ 運送・倉庫賃貸事業会社の株式譲渡

インター脇に事業所を構え、トラック10台を保有し、安定して利益を上げてきましたが。

先代の死を機に会社を継いだ親族では、事業存続に不安を感じていたため、事業の継続を任せられる相手への株式譲渡を希望しています。なお、売上高は1.3億円台で、希望する譲渡価格は1.2億円です。

8. 倉庫会社の事業譲渡・M&A・会社売却時におすすめの相談先

倉庫会社の事業譲渡やM&Aまたは会社売却時におすすめの相談先

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9. まとめ

まとめ

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倉庫会社の業界では、市場環境の変化に合わせた倉庫業法の改正があり、物流サービスへの拡張、海外の物流拠点の確保などの動きがみられます。

【倉庫会社の事業譲渡・M&A・会社売却のポイント】

  • 事業譲渡・M&A・会社売却をする妥当な理由
  • 事業譲渡・M&A・会社売却後の取引先・従業員への影響
  • 法務・手続き

【倉庫会社の事業譲渡の注意点】
  • 偶発債務

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