2022年12月07日更新
個人がM&Aで会社を買収する方法!流れやメリット、個人事業の事業承継方法も解説
近年、小規模から大規模までM&Aは活発化しています。特にサラリーマンなどの個人がM&Aで事業買収を行い、ビジネスを始めるケースは年々増加傾向です。当記事では、個人がM&Aで会社を買収する方法や、事業承継する方法をわかりやすく解説しましょう。
目次
1. 個人M&Aとは
一般的にM&Aというと、大規模な企業同士で行われるイメージがあるでしょう。個人M&Aとは、個人や個人事業主が相手となる小規模のM&Aのことです。
昨今、増えつつある「マイクロM&A」や「スモールM&A」がそれに当たります。小規模な会社では、数十万円から数百万円ほどで買収できるケースもあります。
相手先をインターネット上で手軽に探せるM&Aマッチングサイトの普及が、この個人M&Aを後押ししているといえるのかもしれません。このM&Aマッチングサイトを運営する会社の数も増えています。
個人M&Aは十分に実施可能
M&Aを実施するには、高額な費用が必要だと思っている個人の方がいるかもしれません。しかし、個人M&Aは少額の取引も多く行われています。
実際の買収金額は、数十万円から数千万円程度のことがほとんどです。個人であっても支払い可能な額でM&Aを実施できる点が特徴といえるでしょう。従業員数が少なく、売り上げが少ない会社であっても、M&Aは実施できます。
2. 個人M&Aが増えている背景
M&Aは企業と企業間だけの取引ではありません。企業から個人、個人から企業など小規模の買収も多く取引されています。
最近では、日本の経営者の高齢化や事業承継問題が取り上げられています。それに伴い、M&Aは頻繁に活用され、小規模M&Aで譲渡するケースも増えました。
ITベンチャーなどの出口戦略として、IPO(新規株式公開)ではなく、M&Aで大手の企業に譲渡するケースがあります。その他にも、小規模ビジネスを買収するなど、働き手(経営者)の価値観が多様化されているのが、個人M&Aの増加の背景にあるといえるでしょう。
この章では、個人M&Aが増えている背景にはどのような問題があるのか、解説します。
経営者の高齢化
M&Aを考える理由としてまず挙げられているのが「経営者の高齢化」です。個人や中小企業の経営者の平均年齢は上昇しています。
経営者の引退平均年齢は、小規模事業者では2000年に69歳、中規模事業者では67歳でした。現在でもこの高齢化は改善されておらず、小規模業者は70歳、中規模業者は68歳です。
これは、中小企業の経営者の平均年齢が上がっているのに、引退年齢に大きな変化がないということでしょう。経営者の高齢化や中小企業の危機を意味します。
後継者不足
個人M&Aが増えている背景として、経営者の高齢化と比例して増えているのが「後継者不足」です。60歳以上の経営者の約半数以上は、後継者不足を理由に廃業を余儀なくされているでしょう。
その背景には「事業に将来性がない」「子孫に継ぐ意思がない」「適した後継者がいない」などの後継者不足にかかわる問題も存在します。仮に子孫に会社を継ぐ意思があったとしても、継ぐ能力が足りないなどのさまざまな問題が生じています。
このような深刻な問題を解決する手段として、M&Aを選択するケースは増加しているでしょう。M&Aの活用は中小企業に限らず個人の間でも増加傾向にあります。
個人の資産形成
個人の資産形成を目的として、個人でM&Aを行う人も増えています。その理由の多くには、老後の資金確保が挙げられます。
現在の日本では、将来的に年金の支給額は下がる見込みです。社会保障の負担は増えていくことが確実とされています。年金だけで悠々自適な老後生活を送るのは、非常に難しいといえるでしょう。
それに加え、人間の平均寿命は延びています。これまで平均寿命は80歳とされてきましたが、現代は人生100年ともいわれています。企業によっては、体力的にはまだ働けたとしても、60〜65歳で定年退職をしなければならないことも少なくありません。
仮に60歳で定年退職し、100歳まで生きるとすれば、リタイア後40年は年金で暮らすことになるでしょう。年金での不足分を補うのに20万円が必要だとすれば、40年間で必要な金額はおよそ1億円にもなります。
そのような将来事情を考え、40代や50代のうちに個人M&Aで中小企業を買収し、オーナー社長としてセカンドライフを送ろうと計画するサラリーマンなどが増えていると考えられます。
3. 個人M&Aに向いている業種
個人M&Aは、少額の取引となることが多く、個人の資金でも十分に行えるものです。特に300万~500万円ほどの小規模事業の取引がよく実施されています。
一般のM&A同様、個人M&Aにもさまざまな業種が見受けられます。なかでも、飲食店、学習塾、ヘア・エステサロン、介護サービス、Web関連サービスなどが多く売買されている現状です。このような業種が個人M&Aには向いているといえるでしょう。
特に店舗数が多い飲食店は、居抜きによるM&Aが頻繁に行われています。
4. 個人M&Aのメリット
これまで、会社そのものは売買の対象とならない考えが強く、M&Aのような取引も主流ではありませんでした。しかし現在、M&Aは大企業にかかわらず、中小企業や個人間まで浸透しています。
M&Aが浸透した理由の一つは、メリットの多さにあるといえるでしょう。具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。この章では、M&Aのさまざまなメリットを解説します。
会社買収のメリット
M&Aによって会社買収するメリットとしては、中核としている事業の強化や売上規模の拡大などが挙げられるでしょう。会社を買収することにより、優秀な人材・ノウハウ・技術などの経済資源を獲得できます。
それ以外にも、事業の弱みを解決し、手のつけにくい新規事業の進出も積極的に参入していけるでしょう。
事業承継のメリット
事業承継の大きなメリットとして、「後継者問題の解決」が挙げられるでしょう。経営者の高齢化が進むなか、後継者問題の解決は非常に大きな課題でもあります。
その解決手段として事業承継は有効です。優秀な後継者が見つかれば、自身が築き上げた事業をつぶさずに未来につなげられます。個人保証や担保から解放されたうえで、役員として継続して事業にかかわることが可能な点もメリットの一つといえるでしょう。
一部のみの事業譲渡を行う場合は、必要な資産と従業員などは交渉により残すことも可能です。課題のある事業を承継すれば、会社を立て直すきっかけにもなるでしょう。
5. 個人M&Aのデメリット
先述したように、M&Aには多くのメリットがありますが、当然デメリットも存在します。メリットだけに目を向けず、デメリットを理解し対策を講じることが大切でしょう。
この章では、M&Aのデメリットを解説します。
会社買収のデメリット
会社買収の際にデメリットとなり得る点は、簿外債務が発覚したり、想定していたシナジー効果が得られなかったりすることです。会社売却後に簿外責務が発覚すれば思わぬトラブルに発展しかねません。
買収によって人材の流出がおき、企業文化の異なる人たちの間で連携がうまくいかなければ、想定していたシナジー効果が得られないことも考えられます。このようなリスクを減らすには、綿密に協議や情報共有をしながらM&Aを進めていくよう心がけましょう。
事業承継のデメリット
事業譲渡はどこまで承継するかを契約で定められる点がメリットになります。しかし、このメリットが反面デメリットに通じることもあります。
買い手側に負債がある場合、事業譲渡を行っても負債を全て肩代わりしてくれるわけではありません。仮に負債も含めて譲渡する契約ができたとしても、債権者とも交渉が必要になることもあるので注意しましょう。
譲渡を行って譲渡益が発生すれば、法人税などの課税対象になります。専門的な知識が必要なため、M&A専門家や会計士・税理士などに相談しながら進めていくのがよいでしょう。
6. 個人M&Aと自身での起業の相違点
M&Aにより事業を承継する場合と、自身で起業する場合、どちらが有利といえるでしょう。初めから全て一人で起業することは容易ではありません。起業から成功へと導くには時間も費用もかかるでしょう。
個人M&Aと自身で起業した場合との相違点を解説します。
製品がすでに流通している
自身でゼロからスタートする場合、想定していたよりも需要が少なく、売り上げにつながらないケースがあります。自身では売れると思い込んで提供を始めた製品やサービスが、思うように売れないことはよくあることです。
起業して間もなく廃業に追い込まれることも珍しくありません。個人M&Aにより、製品がすでに流通していたり、ある程度ニーズを満たしていたりする事業を買収できれば、少なくともこのようなリスクは回避できるでしょう。
買収直後から収益が期待できる
ゼロからの起業の場合、収益を上げるにはある程度の時間を要するでしょう。起業時にかかったコストを考慮すると、すぐにでも収益が上げられなければ、生活費にも困ることになります。
個人M&Aにより、収益が上げられている企業を買収できれば、事業開始直後から収益を期待できるでしょう。
7. 個人がM&A案件を探す方法
先述のとおり、経営者の高齢化や後継者問題により、M&Aを検討する方は増加傾向にあります。将来の先行きが見えない小規模の企業や、個人事業の先行きが不安視される場合も、M&Aの検討は問題解決の一つになるといえるでしょう。
しかし、売り手側・買い手側どちらの立場でも、個人M&Aの案件はどうやって探せばいいのかと悩む人は多いのではないでしょうか。この章では、個人M&Aによる案件を探す方法を解説します。
支援センターへの相談
個人M&Aの案件を相談する先として挙げられるのは、公的機関である支援センターです。支援センターは、主に後継者不在の中小企業経営者のための公的なサポートを行う窓口です。全国に「事業承継・引継ぎ支援センター」として設置されています。
この支援センターは、国の主導により、2011年度から設置・支援が始まりました。会社同士のM&Aだけではなく、後継者がいない小規模事業者のマッチングを行っているセンターもあります。
小規模事業者のマッチング(後継者人材バンク)は扱っている場所が限られています。事業承継・引継ぎ支援センターの公式サイトなどをよく確認するとよいでしょう。
このセンターは、後継者難や事業承継の相談が主な位置付けです。マッチング業務はあくまでもメインで行っていないことを理解しておきましょう。
小規模の案件も多くありますが、基本的には法人同士のマッチングがほとんどといえます。個人でマッチングの業務を行ってほしい場合は、紹介が可能か事前に確認しておくと、スムーズに相談が受けられるでしょう。
マッチングサイトの活用
中小企業や個人事業など、小規模のビジネスを譲渡したり買収したりするにはマッチングが重要になります。まずはM&Aの対象会社を見つけなければいけません。相手先を探すときは、M&Aマッチングサイトを利用してみるのも一つの方法でしょう。
M&Aマッチングサイトとは、M&A仲介会社を介して、売り手側と買い手側の両社が希望する条件をともに登録し、その条件をM&A仲介会社が照らし合わせマッチングさせてくれるものです。
M&A仲介会社からのアフターフォローなども得られるので、初心者や個人M&Aを考えている方には適しているといえるでしょう。
人気の高いマッチングサイト「M&A総合研究所」
M&A総合研究所は、M&Aマッチングプラットフォームも運営しております。年間相談件数が数千件の実績を持つM&Aスペシャリストが丁寧に対応します。
フラットなプラットフォームとして、売り手側である中小企業・個人事業主や、買い手側の個人投資家・独立希望者など、中小企業や大手企業だけでなく、金融機関のM&A会社など、あらゆる分野からの登録が集まっている点が特徴です。
M&A総合研究所は、買い手・売り手ともに利用料が無料です。M&A初心者でも安心してご利用できます。
M&Aアドバイザーへの相談
オーナー自身がM&Aの仲介会社を探して、M&Aアドバイザーへ相談しながら進めていく方法です。M&A仲介会社は一貫支援を行っているところが多いでしょう。事前相談、買い手・売り手探しや、M&Aの手続きから最終契約までのサポートが受けられます。
対象会社への条件交渉から譲渡、買収の契約、法務・税務・労務などの専門的な手続きまで一任できるので、個人M&Aにおける案件探しでも有効な方法といえるでしょう。
M&A総合研究所では、小規模M&A・個人M&Aに精通したM&Aアドバイザーが、ご相談から最終契約までフルサポートします。料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。
「個人でM&Aを行いたい」「個人で会社を買いたい」とお考えの方は、どうぞお気軽に無料相談をご利用ください。
8. 個人M&Aの流れ
個人M&Aを実施する流れは、一般のM&Aとほぼ同じといえます。一般的なM&Aの流れは以下のとおりです。
- 予算・業種を決める
- M&A仲介会社へ相談またはマッチングサイトへ登録
- 相手先の選定
- 売買交渉
- 基本合意書の締結
- 買い手側によるデューデリジェンスの実施
- 最終契約書の締結
- クロージング
予算・業種を決める際は、M&Aの目的や方向性を明確に定めましょう。M&Aマッチングサイトで売買交渉を行うときは、相手側に買収の意向があることをメールで伝えます。
デューデリジェンスとは、売り手起業側の調査をすることです。財務・法務・事業内容・労務内容など、あらゆる面からの調査が必要です。専門的な知識が必要なため、M&A仲介会社などの専門家に依頼することをおすすめします。
個人事業主の場合、法人とは手続きなどが異なる点もあるため、専門家のアドバイスを受けるとよいでしょう。
9. 個人M&A・買収の注意点
ここまで説明したように、個人M&Aは注目を集めており増加傾向にあります。その一方で、個人M&Aや中小企業のM&Aなど小規模市場が未成熟な点も否めません。M&Aアドバイザーが、小規模の案件はあまり介入していなかったことも関係しているかもしれません。
この章では、個人M&A・買収に関する注意点を解説します。
方法によるリスクの違いを把握する
まずは、個人M&A・買収による注意点を、手法別に説明します。個人M&Aにおける主な手法には以下の2種類があります。
- 株式譲渡:会社を丸ごと買い取る手法
- 事業譲渡:会社のもつ必要な事業のみを買収する手法
株式譲渡と事業譲渡のどちらを選択するかによって、検討するリスクは変わるものです。それぞれの手法におけるリスクを詳しく見ましょう。
株式譲渡の場合
個人M&Aにより、株式譲渡をするうえで注意しなければならないのは、中途半端な知識で行うと足元を見られてしまう点です。株式は会社において最も重要なものであるため、安易に株式譲渡で利益を得たり、取り急ぎの資金調達にしたりするのはおすすめできません。
株式譲渡では、会社名義や会社が持っている債務など、契約関係などは全て引き継がれます。M&Aの事前調査では判明しなかった債務や想定外の事項が発生した場合、トラブルが発生する恐れがあるでしょう。
個人M&Aや小規模M&Aであっても、専門的な弁護士や専門家に相談せずに進めてしまうと、結果としてトラブルに巻き込まれることがあるでしょう。予定外の費用がかかることも考えられます。
M&Aでは専門知識が必要となる部分が多いです。多少の手数料などがかかっても、専門家に相談しながら進めるのが、リスク回避のために有効といえるでしょう。
事業譲渡の場合
事業譲渡を行う場合、最大のリスクと考えられるのは、顧客や従業員が全て承継できない可能性がある点です。会社の所有者が変更される株式譲渡では、契約関係に一切影響はありません。
しかし、事業譲渡では、買い手が顧客・取引先・従業員などと新たに契約しなければなりません。事業譲渡後の契約では、雇用契約を拒否する従業員や、契約の巻き直しにためらう顧客が出る可能性が考えられます。
譲渡対象となる事業が、人材派遣や介護などの許認可を必要とする事業の場合、行政に対しても新規で申請する必要があります。事務負担があるばかりか、許認可をもらえない可能性もあるでしょう。
売り手の借金問題
事業譲渡するうえでは、売り手の借金問題も対処しなければなりません。詐害行為取消権により、第三者から事業譲渡を取り消されるリスクがあるからです。
詐害行為取消権とは、債務者が責任財産を減少する行為をした場合、債権者にその法律行為の取消権が認められる権利をいいます。債権者の共同担保を保全する制度です。
事業譲渡によって譲渡会社が無資力になる場合は、このリスクに該当する可能性が高いといえるでしょう。つまり、債権超過状態の会社が事業譲渡を行うと、不当に財産を減少させたとして、債権者を害する行為として判断される恐れがあります。
売り手側の会社が担保の場合、売買ができないケースもあるので、事前調査は綿密に行うようにしましょう。
買収後も資金が必要
事業譲渡を行った場合、契約完了し買収後にかかるお金が必要となり、借入金返済やのれん代を考えておかなければなりません。のれん代とは、対象企業や事業が保有する純資産を上回る金額で買収した場合に発生するものです。
概念上の損金が毎年発生し続けることや、場合によっては親会社の損益に大きな影響を与える可能性があることを十分理解しておく必要があるでしょう。キャッシュフローがマイナスの企業を買収した場合は、当面の資金手当も考えなければなりません。
10. 個人が事業承継する方法
個人の事業承継の場合、親族や知人に承継することが多いです。この場合は「贈与」と「譲渡」のどちらを選択するかにより、手続きが大きく異なります。
最近では、マッチングサイトの活用などにより個人M&Aが増えています。親族や知人への事業承継だけでなく、譲渡先をサイト上で見つけられるでしょう。この章では、個人が事業承継をする方法をいくつか紹介します。
知り合いに承継する
知り合いに承継するにあたり、まずは「譲渡」と「贈与」の違いを理解しておく必要があります。これらの違いを簡単にいうと、以下のようになります。
- 譲渡:対価を受け取り財産や権利を譲り渡すこと
- 贈与:無償で財産や権利を譲り渡すこと
どちらの手法を選択するかにより、税金や手続きが異なります。事前にしっかりと理解し、準備を進めるようにしましょう。
個人が知人や息子などに事業を承継する場合、単に「知人(息子)に事業をあげる」といっただけでは事業承継にはなりません。自身が事業を立ち上げるときと同じように、承継する相手は開業届けを提出することや、他にもさまざまな手続きをする必要があります。
個人事業の承継方法
個人事業は税法上、個人の事業に対して課税されます。原則として、法人のような承継の概念はありません。
個人事業の承継では、譲渡側は廃業届け、譲受側は開業届けを提出すれば、譲渡は完了します。
個人事業の承継に必要な書類
個人事業を承継する際、譲渡側が提出する書類には主に以下の4つがあります。
- 個人事業の廃業届
- 青色申告の取りやめ届出(青色申告を承継する場合は除く)
- 事業廃止届出
- 予定納税額の減額申請書
屋号を引き継ぎたい場合は、開業届けに屋号を記載しておけばそのまま使用可能です。商号登記がされている場合には、法務局での名義変更手続きが必要になります。
マッチングサイトに登録する
事業譲渡を行いたいと考えたときは、まず譲渡相手を見つけなければなりません。この相手探しこそ、個人が事業を承継するのに一番大事であるともいえるでしょう。
最近では、M&Aマッチングサイトが増加傾向です。サービスを利用して譲渡先を探すのも有効であるといえます。M&Aマッチングサイトのサービスや利用条件などはそれぞれ異なります。自身にあったサイトを利用するようにしましょう。
M&Aアドバイザーへの相談
信頼できる人や優秀な人材に事業を譲渡したいと考える場合は、多少手数料がかかったとしても、M&Aアドバイザーに相談するのが最も効率的といえるでしょう。M&Aアドバイザーは、どのような方法でM&Aをするのかを相談できるだけでなく、仲介も同時に行ってくれます。
譲渡先を見つける手助けをしてくれて、必要な手続きのサポートも受けられるで。ただし、M&A仲介会社によっては、小規模案件を取り扱わないところもあります。個人M&Aや小規模M&Aを扱っているところに依頼するようにしましょう。
M&A総合研究所では、個人M&Aや小規模M&Aに実績・知識が豊富なM&Aアドバイザーが、ご相談から契約まで一括サポートします。M&A・事業承継をお考えの個人事業主の方は、お気軽に電話またはWebの無料相談をご利用ください。
11. 個人が事業承継する際の注意点
実際に個人で事業承継をするとなった場合、注意しなくてはならない点がいくつかあります。この注意点を理解しないまま事業承継を進めてしまうと、契約成立後に破談になるなどのトラブルになりかねません。
以下の2点をしっかり把握しておきましょう。
- 相続税や贈与税の対象になる
- 会社を乗っ取られる場合がある
①相続税や贈与税の対象になる
個人から個人へ事業承継を行う場合、無償で譲渡を行うことは「贈与」に当たるため、贈与税が発生することがあります。贈与税は、預貯金など現金以外の部分を時価で計算します。
資産と債務を合わせて110万円以上の場合に発生し、 年間110万円以下の場合は基礎控除の対象です。例えば、贈与額が600万円だった場合は以下のように計算されます。
- 600万円(贈与額)-110万円(基礎控除)=490万円(基礎控除後の課税対象額)
- 490万円×20%(贈与税率)-30万円(控除額)=68万円(贈与税額)
贈与税率および控除額は、基礎控除後の課税対象額により異なります。国税庁のホームページなどでチェックしておくとよいでしょう。
②会社を乗っ取られる場合がある
一般的に、事業承継は後継者に経営権を移譲させるために、株式の大部分を後継者に承継します。非公開会社などで譲渡制限株式を発行している場合は、株式の売渡請求権が認められています。
売渡請求権とは、会社にとって望ましくない人物が株式を取得した場合、株主総会で特別決議を得られれば、当該人物に株式の売り渡しを請求し株式を取得できる権利です。
この株主総会特別決議では、後継者の株式比率が過半数以上あっても議決権を行使できません。後継者が株式の大部分を取得したとしても、後継者以外の株主が結託して売渡請求権を発動すれば否決できないでしょう。
場合によっては、会社を乗っ取られる状況になってしまう可能性もあります。事業承継を行う場合には、M&A仲介会社など専門家のアドバイスを受けながら進め、リスクを回避することも忘れないようにしましょう。
12. 個人M&A・会社買収を成功させるためには?
M&Aを行うとなれば、成功させたいと考えるのは当然のことです。成功のカギはどこにあるのでしょうか。個人M&Aや小規模M&Aを成功させるためには、以下の4点が重要なポイントになります。
- リスク回避
- 最適なスキームの選択
- 相手先の決定
- スムーズな交渉
これらの要素が一つでも欠けてしまうと、M&Aを成功させるのは難しくなるばかりか、時間や費用も無駄にかかってしまうことにもなりかねません。特にリスク回避は、前章でも述べたように、専門知識がなければ十分に洗い出せない要素もあります。
このような総合的なリスクに対して対策を講じるためには、M&A専門家のアドバイスを受けながら行うことをおすすめします。M&Aでは、法律・税務の知識だけでなく、業界の動向などの知識も必要です。
この案件にはこの方法といった明確なパターンがあるわけではないので、状況に応じて対応をしていく必要もあります。それ以外にも、利害関係者全員が納得するように交渉を進め、成立後のトラブルがないように準備を行うには、高い知識と交渉力が必要不可欠です。
なかでも価格交渉では、足元を見られて後のトラブルに発展したり、最悪のケースでは破談になったりすることも少なくありません。M&Aのプロに依頼することが成功への近道であるといっても過言ではないでしょう。
13. 個人M&Aまとめ
現代企業で問題となっている「経営者の高齢化による後継者問題」「事業の拡大に伴うノウハウや人員不足」など、M&Aは企業の存続や事業の承継など、多くの経営者の問題解決に有効な手段です。
最近では、個人M&Aや小規模でも行えるM&Aもあり、後継者問題の解消や事業の拡大など、企業における問題解決の手段として活用できます。M&Aによる取引は、個人の財産や譲渡先の将来をも左右する重要なものです。慎重な決断と迅速な取引が大切であるといえます。
M&Aの取引には、法律・財務などの専門知識が必要不可欠なため、独自で判断して進めるよりもM&Aの専門家に相談しながら行うことをおすすめします。
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