買収とは?意味や流れ、メリット・デメリットを解説!2021年買収事例・ニーズ30選!

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取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

買収は経営者にとって大変有効な経営戦略です。ワンランク上の会社の成長・発展を期すために欠かせない手段ともいえます。そこで本記事では、事例・ニーズ情報も交えて、買収の具体的な手法や流れ、メリット・デメリットや相場価格などを解説します。

目次

  1. 買収とは
  2. 買収の種類
  3. 買収の最新動向
  4. 買収の目的
  5. 買収の主な流れ
  6. 買収の主な手法・スキーム
  7. 買収のメリット・デメリット
  8. 買収の最新事例・ニーズ30選
  9. 買収ニーズの高い業種と特徴
  10. 買収における相場価格
  11. 買収の目標ライン
  12. 買収の相談先
  13. 買収のまとめ
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1. 買収とは

買収とは

近年、M&Aが盛んに行われるようになり、各種報道でも多くを目にするようになりました。その際に、M&Aと同義語のように用いられる言葉が「買収」です。本記事では、この買収について、さまざまな角度から取り上げ説明してまいります。

買収の意味

まず、一般用語としての買収の意味は、「買って」「収める」、つまりは「買い取って自分のものにする」ということです。その買い取る対象が会社、またはその会社が行う事業である場合が、M&Aでの買収に該当します。

したがって、M&Aでいう買収を正確に表現すれば、「会社買収(企業買収)」、「事業買収」です。実際、そのように表現されるのも目にすると思いますが、しばしば会社(企業)と事業は省略され、単に買収のみで表現されることも多くなっています。

買収と合併の違い

M&Aとは、「Mergers and Acquisitions」の頭文字を取った略称になります。Mergersは合併、Acquisitionsが買収という意味です。M&Aとしてセットで語られる合併と買収ですが、両者には1つ大きな違いがあります。

それは、「1つの会社になるかならないか」という点です。合併では、2つ以上の複数の会社が1つに統合されます。統合され存続する会社は1社だけであり、そのほかの当時会社は解散・消滅するのです(これを消滅会社という)。

一方、買収では、買収先企業の経営権や事業が取得されますが、その会社が消滅することはありません。会社買収であれば、買収企業の子会社となって存続します。事業買収であれば会社組織はそのまま残りますから、その後も独立した会社として運営されていくのです。

買収と子会社化との違い

買収の意味が会社買収だけであれば、「会社買収=子会社化」です。しかし、買収には事業買収の意味もあります。事業買収では、買収先企業の経営権には関わりません。したがって、買収先企業の独立性は保たれたままですから、子会社化とは異なります。

買収とM&Aの違い

買収はM&Aの中の1つの概念にしか過ぎません。以下に記すのは、M&Aの4つの種別と、その具体的なスキーム(手法)です。

種別 スキーム
買収 株式譲渡株式交換・格式移転・株式交付・第三者割当増資・事業譲渡
合併 新設合併・吸収合併
会社分割 新設分割・吸収分割
資本提携 資本業務提携・株式持ち合い・合弁会社設立

このように買収と合併以外にも、会社分割と資本提携があります。資本提携は、ほかの3つとは様相が異なりますが、資本の移動を伴うため広義のM&Aとされるのが一般的です。また、単なる業務提携は資本の移動を伴わないため、M&Aには含みません。

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2. 買収の種類

買収の種類

買収を、買収先企業経営陣との関係性という観点で分けたものが、友好的買収と敵対的買収の2種類です。ここでは、友好的買収と敵対的買収を解説します。

友好的買収

友好的買収とは、対象企業の同意を得て買収することをいいます。特に日本の買収では、そのほとんどが友好的買収です。交渉でお互いの希望条件をすり合わせ、成約を目指します。

また、対象が上場企業の場合、TOB(Take Over Bid=株式公開買い付け)が実施されることがありますが、友好的買収の場合、対象企業経営陣の同意・賛同を得たうえで行われるのが常です。

敵対的買収

敵対的買収とは、対象企業の同意を得ずに行おうとする買収をいいます。対象企業が非上場企業の場合、同意を得ずに買収(株式取得)を実施することは不可能であるため、起こり得ません。したがって、敵対的買収はもっぱら上場企業がターゲットとなります。

具体的には、対象企業の経営陣などの同意を得ず、一方的にTOBを実施して、目的の株式数を取得し、経営への参加、または経営権の奪取を試みるものです。敵対的買収には、さまざまな防衛策も編み出されているため、成功率は決して高くありません。

失敗するリスクもおおいにあるため従来の日本では少なかったのですが、近年はだんだんと敵対的買収(TOB)を目にすることも増えてきています。

友好的買収と敵対的買収の相違点

友好的買収と敵対的買収の違いは一目瞭然、TOBを実施する際に対象企業経営陣の同意を得ているかどうかという点です。敵対的買収の大概のケースでは、買収側が事前連絡もなく一方的にTOBの実施を表明します。

それに対してターゲットにされた企業側は、TOB実施に反意を表し、これを阻止すべくさまざまな買収防衛策を繰り出す構図です。しかし、ごくまれに、突然のTOB発表に対し中立の立場を取り判断を株主に委ねるケースや、中には事後賛同するケースもあります。

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3. 買収の最新動向

買収の最新動向

レコフデータが調査・公表している資料によると、日本の上場企業が関わっている買収を含めたM&Aの実施件数は、2017(平成29)年に過去最高数を更新しました。その後、2020(令和2)年までの状況は下表のとおりです。

M&A件数
2017 3,080
2018 3,850
2019 4,088
2020 3,730

2020年は、新型コロナウィルス感染拡大問題の渦中にあり、前年度より減少はしていますが、いまだ高い水準にあることは見てのとおりです。現在、日本でここまでM&Aが活況を呈している主な理由は、以下の4点とされています。

  1. 大手企業が業績向上のため既存事業拡張・新規事業参入など積極的にM&Aを実施
  2. 中小企業の後継者不在問題解決手段として、M&Aによる事業承継が浸透
  3. ベンチャー企業やスタートアップのイグジット戦略としてIPO(Initial Public Offering=新規株式公開)よりもM&Aを選択するケースが増加
  4. 外国企業による買収が日本の中小企業にも目が向けられるように変化

上記いずれの理由も、一過性のものではありません。したがって今後も、買収を含めたM&Aは盛んに実施されていくと予想されます。

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4. 買収の目的

買収の目的

買収を行う目的を端的にいえば、安定的な会社の成長のためです。そして、それをさらに細かく分析すると、より具体的な以下の4つの目的が見えてきます。

  1. 経営資源の確保
  2. 事業の多角化によるリスクヘッジ
  3. 組織再編
  4. 税金対策

①経営資源の確保

会社の成長に欠かせないもの、それは経営資源(リソース)です。一般に経営資源とは、以下の6つとされています。

  • 資金
  • 人材
  • 設備・施設・機械類
  • 情報(ノウハウ)
  • 時間
  • 知的財産

資金は確かに重要ですが、それだけあってほかの5要素が欠けていれば会社の成長は望めません。そこで、その資金を使って残りの5要素を取得する手段が買収です。現在、買収が有効な経営戦略として広く浸透してきているのは、このような理由によります。

②事業の多角化によるリスクヘッジ

会社の安定的な成長を鑑みるとき、経営上、リスクヘッジをしておくことが重要視されます。経営上のリスクヘッジ手段で有効なものの1つが、多角化経営です。1つの事業だけに頼りきりにならず、複数の事業を並行して進めることがリスクヘッジになります。

ただし、新しい事業を立ち上げ軌道に乗せるのは、たやすくはありません。そこで役立つ手段が買収です。買収によって、すでに無事に運営されている事業を獲得すれば、事業多角化がすぐに実現できます。

③組織再編

買収は、単に外部の会社や事業を買い取り傘下に加えるだけではありません。企業グループが形成されている場合に、類似事業ごとに会社組織を取りまとめたり、会社数を調整し効率性を上げたりするなどの目的で買収が実施されることもあります。

なお、グループ内における組織再編目的の買収で主に使われるスキームは、株式交換、株式移転、株式交付などです。場合によっては、それらに加えて合併や会社分割が用いられることもあります。

④税金対策

会社の成長を促すには、キャッシュが手元に残ることも重要です。買収において、繰越欠損金を持つ企業を対象とした場合、買収後に節税効果を受けられる場合があります。

ただし、法人税法において、繰越欠損金を利用する目的のみで買収などを実施した場合は、損金算入に制限が加えられることが定められており注意が必要です。

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5. 買収の主な流れ

買収の主な流れ

一般的な友好的買収の流れは、以下のようになっています。

  1. 買収の目的・戦略の策定
  2. M&Aアドバイザーへの相談・依頼
  3. 買収先の探索・確定
  4. トップ面談・買収条件の交渉
  5. 基本合意書の締結
  6. デューデリジェンス(買収監査)の実施
  7. バリュエーション(企業価値評価)の実施
  8. 最終契約の締結
  9. クロージング・買収の完了
各プロセスの概要を説明します。

①買収の目的・戦略の策定

まずは、実際に買収の行動を取る前に、買収が最良の手段かどうかの検討も含めて、自社の成長のために必要なことは何か、社内でよく議論しましょう。その議論を通じて会社の強みと弱みをはっきりさせれば、買収の目的も明確となるはずです。

買収の目的が定まったのなら、合わせて、どのような買収の戦略を取るかについて、その青写真も練っておきましょう。全くの無策でM&Aアドバイザーに相談するよりも、自分なりの戦略の構想を持って相談する方がより有益な意見を聞けます。

②M&Aアドバイザーへの相談・依頼

この後の買収の各プロセスでは、専門的な買収・M&Aの知識や経験が欠かせません。特殊なケースを除いて、自社だけで買収を進めていくのは困難が伴います。そこで有効なのが、M&Aアドバイザーなど買収の専門家にサポートを依頼することです。

代表的なM&AアドバイザーとしてはM&A仲介会社がありますが、各士業事務所や金融機関でも買収の相談を受けつけています。ほとんどの場合、相談は無料です。複数のM&Aアドバイザーを訪ねて、自社に適した相手を選び依頼・契約をしましょう。

③買収先の探索・確定

通常、M&Aアドバイザーは多くの売り手情報を持っています。買収側が企図している売り手の業種や業績、規模や所在地などの条件に合致する買収先候補が、リストとなって届けられるはずです。この段階の買収先情報は、ノンネームシートと呼ばれます。

その名のとおり社名が伏せられ、具体的にどの企業か特定できる情報は載っていません。気になる企業があり、より詳しい情報を得たい場合には、先方と秘密保持契約を締結し具体情報の開示を受けるのです。

そうして、買収先としてふさわしいと思える会社が見つかれば、交渉相手が確定します。

④トップ面談・買収条件の交渉

交渉相手が確定すれば、合意に向けた交渉のプロセスに入ります。その際に実施されるのが、双方の経営トップが会するトップ面談です。この面談では、売り手側の事業内容の詳細を経営者から直接確認し、またお互いに経営理念などを伝え合います。

トップ面談を経て、具体的な買収条件交渉の開始です。最も重要な条件は買収額ですが、それ以外にも買収側・売却側とも付随する希望条件は複数あるでしょう。合意に向けては双方とも、ある程度の妥協は必要です。

M&Aアドバイザーの意見を聞きながら、妥当と思える落としどころを見いだしてください。

⑤基本合意書の締結

交渉により買収の諸条件に合意が見られれば、基本合意書を締結します。注意したいのは、基本合意書は、あくまでもこの段階での同意内容を確認し合うためのもので、最終契約書ではないことです。

したがって、基本合意書には買収する法的拘束力はなく、まだ破談となる可能性もあります。また、基本合意書で最も重要なポイントは、独占交渉権に関するものです。独占交渉権によって、売り手がほかの買い手と交渉することを一定期間、禁じます。

⑥デューデリジェンス(買収監査)の実施

デューデリジェンスは、買収側が売り手企業に対して行う精密監査です。ここまでのプロセスで提示されている業績などの情報確認や、そのほかに隠されているリスクの有無、どのようなシナジー効果が得られるかなどを調べます。

具体的には、財務・税務・法務・労務などに分け、各分野の専門家を起用して徹底調査するのです。場合によっては、そのほかにITデューデリジェンスやビジネスデューデリジェンスなどが実施されることもあります。

買収側にとってデューデリジェンスは、買収が成約した場合、会社の成長につながるかどうかを見極める、とても重要なプロセスです。

⑦バリュエーション(企業価値評価)の実施

すでに基本合意書にて買収価額は大筋で合意していますが、デューデリジェンスの結果も踏まえて最終的な買収価額を決めます。買収先が非上場企業の場合、上場企業のような市場での株式価額がありません

つまり、専門的な数式・算定方法を用いる、バリュエーション(企業価値評価)を実施する必要があります。バリュエーションのための算定方法は複数あり、買収先の状況に応じてそれらを組み合わせて、評価を定めなければなりません。

したがって、ここでもM&Aアドバイザーや公認会計士など、専門家の存在は欠かせません。

⑧最終契約の締結

デューデリジェンス、およびバリュエーションの結果を踏まえて、最終的な条件交渉を実施します。買収先にリスク的な懸念事項が発見されれば、基本合意書より買収額やその他の条件は下がるかもしれません。

何も懸念事項がなければ基本合意書の条件で交渉が決まるでしょう。また、デューデリジェンスで買収先の優秀な点が見つかれば、基本合意書よりも条件が引き上げられる可能性もあります。

なお、最終契約では、締結後の資産の引き渡しなど、具体的な実行スケジュールも取り決めて記載することが必要です。

⑨クロージング・買収の完了

最終契約締結後、契約内容に応じて行う買収対価の支払いや、売却株式や資産などの引き渡し実施することなどをクロージングといいます。各種クロージング行為が滞りなく済めば、それにて買収は完了です。

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6. 買収の主な手法・スキーム

買収の主な手法・スキーム

買収の具体的なスキームとしては、以下の7つがあります。

  1. 株式譲渡
  2. 事業譲渡
  3. 株式交換
  4. 株式移転
  5. 株式交付
  6. 会社分割
  7. 第三者割当増資
それぞれの概要を掲示します。

①株式譲渡

株式を買い取ることで、その会社の経営権を取得するのが株式譲渡です。会社をそのまま丸ごと承継します。株式の所有者=株主が変わることで経営者も変わりますが、それ以外、会社には何の変化も起こりません。

したがって、買収が実行されても、買収先の会社は、それに影響されることなく平常どおり運営されます。株式を譲渡するだけの手続きであるため、ほかのスキームと比較して手続きが簡便である点が特徴です。

中小企業対象の買収では、多く用いられているスキームの1つになります。

②事業譲渡

買収先が行っている事業および関連する資産などを、選別して買収できるのが事業譲渡です。双方の合意は必要ですが、買収側としては欲しい事業や資産だけを買い取れますし、売却側も売りたくない事業や資産は手元に残せます。

株式譲渡のような包括承継ではないため、簿外債務などを引き取ってしまうようなリスクもありません。ただし、取得事業に関する許認可は取り直しが必要であったり、取引先との契約や移籍する従業員の雇用契約を全て締結し直したりなど、手続き面の煩雑さがネックです。

③株式交換

買収側が買収先の株式全てを取得して完全子会社化する際に、その対価として買収側の株式および新株予約権を発行するスキームが株式交換です。株式を取得する意味では株式譲渡と同様ですが、対価に現金を要しない点が大きな違いとなります。なお、対価に現金を用いても問題はありません。

④株式移転

複数の会社がその株式全てを、別の会社に取得させる(=買収される)スキームが株式移転です。株式移転の場合も、株式を取得した会社(買収側)は、その対価を自社株式および新株予約権の発行でよいことになっています(現金を用いてもよいことも同様)。

株式移転は、企業グループにおいて持ち株会社体制に移行する際に用いられるスキームです。株式交換と同じく、買収に現金を用意しなくてもよい点が最大の利点といえます。

⑤株式交付

株式交付は、2021(令和3)年3月に施行された改正会社法で新たに導入された買収スキームです。具体的には、株式交換における完全子会社化の条件を緩和させた内容となっています。

つまり、買収先の株式50%超~100%未満を取得する場合においても、その買収対価を株式および新株予約権の発行でよいことになりました。ただし、子会社化することが条件ですから、50%超の株式取得は必要です。

株式交付が新たに導入されたことにより、完全子会社化以外の買収のケースでも現金の用意がいらなくなりました。場合によっては、買収・M&Aがより活性化する一因となるかもしれません。

⑥会社分割

買収先企業の事業部門を丸ごと切り出して、取得する(買収する)スキームが会社分割です。一見すると事業譲渡と似ています。しかし、事業譲渡は、買収する内容(事業、資産、権利義務など)を個々に選別するものです。

一方、会社分割では、事業・資産・権利義務・人材などを包括して、事業部門を丸ごと取得する違いがあります。また、会社分割では、買収対価を株式にできる点も大きな違いです。なお、会社分割には新設分割と吸収分割の2種があります。

新設分割は、新たに設立した会社に事業部門を承継させるケースで、吸収分割は、既存の会社に事業部門を承継させるケースです。

⑦第三者割当増資

買収先が新株を発行し、特定の相手(第三者)に割り当てるスキームが第三者割当増資です。その特定の相手が買収側であり、引き受ける株式数に応じた対価を支払うことで出資することになります。

発行する株式数の比率次第で、買収側の関連会社となるか資本提携となるのか分かれますが、既存株主の存在があるため、全ての株式を取得する完全子会社化はできません。

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7. 買収のメリット・デメリット

買収のメリット・デメリット

ここでは、買収のメリットとデメリットを掲示します。

買収のメリット

買収の主なメリットは、以下の6点です。

  • 企業買収による相乗効果が期待できる
  • 経営が健全化し、利益が生まれる
  • 少数意見の株主を排除できる
  • 買収資金の準備が不要である
  • 買収後も独立した経営が継続できる
  • 後継者がいなくても会社を存続させられる

企業買収による相乗効果が期待できる

1つ目のメリットは、企業買収による相乗効果(シナジー効果)が期待できることです。一般的に企業買収を行う最大の目的には、安定的な会社の成長があります。その目的を達成するために、シナジー効果を得ようとして企業買収を行うのです。

シナジー効果には、事業規模が拡大したことによるコスト削減のシナジー(生産のシナジー)だけでなく、売上が増加するシナジー効果(販売のシナジー)など、多くの効果があります。

経営が健全化し、利益が生まれる

2つ目のメリットは、経営を健全化して利益を生めるようになることです。経営を行うためには資本が必要であるため、企業は資金調達を行います。しかし、資金調達力が弱ければ健全な経営を行えず、利益も生めません。

そこで、資金調達力の増強や、資金調達コスト削減を目的として買収を行うことがあり、この効果を財務シナジーといいます。

少数意見の株主を排除できる

3つ目のメリットは、少数意見の株主を排除できることです。株主総会は資本多数決であるため、少数意見が反映されることはほとんどありません。

しかし、大株主による不当の決議があった場合など、一定の条件を満たせば少数意見の株主から決議の取り消し・無効の訴えが可能です。買収で大株主が誕生すると、少数意見株主による訴えが出てくる可能性があります。

これを防ぐため、大株主であることを利用して株式併合などを行えば、少数意見の株主を排除できるのです。

買収資金の準備が不要である

4つ目のメリットは、条件つきながら買収資金の準備が不要であることです。株式交換・株式移転・株式交付・会社分割のスキームを用いるケースでは、買収対価に自社株式を用いられます。多額の現金を必要とせずに買収ができるスキームがあるのです。

買収後も独立した経営が継続できる

5つ目のメリットは、買収後も独立した経営が継続できることです。買収では合併と違って、消滅会社はありません。したがって、買収の実施に影響を受けることなく、買収先はを独立して経営を続けられます。

後継者がいなくても会社を存続させられる

6つ目のメリットは、後継者がいなくても会社を存続させられることです。買収先の目線で考えると、仮に経営者に後継者がいない場合、その経営者が引退すると会社は廃業となります。

しかし、第三者からの買収が実施されれば、会社は新たな経営者(買収者)に事業承継されたことになり、会社は存続できるのです。

買収のデメリット

買収によるデメリットには、主として以下の3点が挙げられます。

  • 複雑な手続きを行う必要がある
  • 買収先企業が株主になり比率が大きく変わる
  • 従業員や取引先から反感を買う可能性がある

複雑な手続きを行う必要がある

1つ目のデメリットは、複雑な手続きを行う必要があることです。まず買収は、成約するまでの各プロセスにおいていろいろな手続きがあります。そして、成約後、クロージングを実施するにあたっても、会社法で規定されている各種手続きを行う必要があるのです。

そのため、自社のみで各手続きを進めるのは困難であり、M&A仲介会社などの専門家のサポートが必要になります。

買収先企業が株主になり比率が大きく変わる

デメリット2つ目は、買収対価を現金ではなく自社株式とした場合、株主の保有比率が変わることです。対価として発行する株式数が多過ぎたりすると、経営権を左右する問題にもなりかねません。

現金を必要としない買収スキームは魅力的ですが、対価に割り当てる株式数の比率を勘案しておかないと、後日、支障をきたすので注意が必要です。

従業員や取引先から反感を買う可能性がある

デメリットの3つ目は、買収先の従業員や取引先から反感を買ってしまう可能性があることです。買収に対して、買収先の従業員から反感を買ってしまうと、退職など人材流出の危険性があります。

また、取引先から反感を買ってしまうと、契約解除などの動きが出るかもしれません。買収に対して、まだまだネガティブなイメージを持つ人も多いので、適切なタイミングで買収を周知し、徹底したフォローをする必要があります。

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8. 買収の最新事例・ニーズ30選

買収の最新事例・ニーズ30選

ここからは、最新買収事例と買収ニーズ情報を15件ずつ紹介します。

最新買収事例15選

まずは、最新の買収事例15件を掲示します。

①ニレコによる西武電機の買収事例

買収側企業名 ニレコ
買収側の事業内容 制御・計測・検査装置の開発・製造・販売
買収先企業名 西武電機
買収先の事業内容 電子機器・情報機器・各種機器の開発・製造ほか
買収スキーム 株式譲渡による完全子会社化
買収価額 非公開
買収の目的 類似・同一事業取得による事業拡大
買収実施時期 2021年6月

②GA technologiesによるパートナーズの買収事例

買収側企業名 GA technologies
買収側の事業内容 不動産テック総合サービス「RENOSY」、中国⼈投資家向けプラットフォーム「神居秒算」の開発・運営
中古不動産の売買仲介、マンション賃貸管理、不動産業務支援システムの開発・運営
買収先企業名 パートナーズ
買収先の事業内容 資産運用総合アドバイス
買収スキーム 一部の株式譲渡後、株式交換にて完全子会社化
買収価額 非公開
買収の目的 不動産事業の強化・拡大
買収実施時期 2021年6月(株式譲渡は2021年5月)

③AFC-HDアムスライフサイエンスによるなすびの買収事例

買収側企業名 AFC-HDアムスライフサイエンス
買収側の事業内容 健康食品および化粧品のOEM生産
買収先企業名 なすび
買収先の事業内容 飲食店の経営・企画運営、公共施設内のレストラン・カフェの企画運営
買収スキーム 一部の株式譲渡後、株式交換にて完全子会社化
買収価額 非公開
買収の目的 子会社が行っている飲食店事業の拡大
買収実施時期 2021年6月

④ジェイテックコーポレーションによる電子科学の買収事例

買収側企業名 ジェイテックコーポレーション
買収側の事業内容 X線ナノ集光ミラー、細胞培養装置の開発・製造・販売
買収先企業名 電子科学
買収先の事業内容 理化学機器の開発・製造・販売・分析
買収スキーム 株式譲渡による完全子会社化
買収価額 非公開
買収の目的 ナノ加工技術をベースとした事業の推進
買収実施時期 2021年5月

⑤UTグループによるプログレスグループの買収事例

買収側企業名 UTグループ
買収側の事業内容 製造・設計・開発・建設分野などの人材派遣
買収先企業名 プログレスグループ
買収先の事業内容 人材派遣事業(グループとして)
買収スキーム 株式譲渡による完全子会社化
買収価額 30億9,500万円
買収の目的 大手製造業向け人材派遣市場のシェア拡大
買収実施時期 2021年5月

⑥ウィザスによるアンガーマネジメントの買収事例

買収側企業名 ウィザス
買収側の事業内容 学習塾、学校の運営など
買収先企業名 アンガーマネジメント
買収先の事業内容 アンガーマネジメントの企業研修
買収スキーム 株式譲渡による完全子会社化
買収価額 非公開
買収の目的 グループのサービスラインの拡充
買収実施時期 2021年5月

⑦デザインワン・ジャパンによるアマネクコミュニケーションズの買収事例

買収側企業名 デザインワン・ジャパン
買収側の事業内容 メディア運営、クラウドサービス、ITオフショア開発
買収先企業名 アマネクコミュニケーショ ンズ
買収先の事業内容 広告代理業
買収スキーム 株式譲渡による子会社化
買収価額 非公開
買収の目的 集客支援サービスの拡充
買収実施時期 2021年5月

⑧日本創発グループによるアド・クレールの買収事例

買収側企業名 日本創発グループ
買収側の事業内容 グループとして広告やザインに関する各種データの情報処理、デジタルコンテンツの制作・販売、セールスプロモーション、出版物に関する企画・制作
買収先企業名 アド・クレール
買収先の事業内容 印刷物などのデザイン、DTP制作
買収スキーム 株式交換
買収価額
買収の目的 双方の企業価値向上
買収実施時期 2021年5月

⑨SYSホールディングスによるレゾナント・コミュニケーションズの買収事例

買収側企業名 SYSホールディングス
買収側の事業内容 IT人材の育成、ITインフラの構築、各種基幹システムやソフトウエアの開発・運用・保守、アプリケーションの開発など
買収先企業名 レゾナント・コミュニケーションズ
買収先の事業内容 業務アウトソーシングの委託請負、情報システムの開発・運用
買収スキーム 株式譲渡による完全子会社化
買収価額 非公開
買収の目的 グループとしての事業領域拡大
買収実施時期 2021年5月

⑩パソナグループによるMore-Selectionsの買収事例

買収側企業名 パソナグループ
買収側の事業内容 人材関連サービスなど
買収先企業名 More-Selections
買収先の事業内容 法務関連の人材派遣、就職支援・転職支援・スカウトの各サイトの運営、研修・セミナーなど
買収スキーム 株式譲渡による子会社化
買収価額 非公開
買収の目的 企業法務人材の需要拡大に対する体制強化
買収実施時期 2021年4月

⑪ガーラによるツリーフルの買収事例

買収側企業名 ガーラ
買収側の事業内容 スマートフォンアプリ・オンラインゲームの開発・運営、VR事業、クラウド関連事業
買収先企業名 ツリーフル
買収先の事業内容 ツリーハウスリゾートの開発・運営
買収スキーム 株式譲渡による連結子会社化
買収価額 1億6,000万円
買収の目的 新規事業参入による多角経営化
買収実施時期 2021年4月

⑫フジプレアムによる飯沼ゲージ製作所の買収事例

買収側企業名 フジプレアム
買収側の事業内容 精密貼合および高機能複合材関連事業、環境・エネルギー事業など
買収先企業名 飯沼ゲージ製作所
買収先の事業内容 液晶ディスプレイ製造装置の製造・販売など
買収スキーム 株式譲渡による連結子会社化
買収価額 非公開
買収の目的 精密貼合関連事業とメカトロニクス事業の強化
買収実施時期 2021年4月

⑬シードによるユニバーサルビューの買収事例

買収側企業名 シード
買収側の事業内容 コンタクトレンズおよびケア用品、眼鏡の製造・販売など
買収先企業名 ユニバーサルビュー
買収先の事業内容 オルソケラトロジーレンズの製造・販売
買収スキーム 株式譲渡による子会社化
買収価額 非公開
買収の目的 コンタクトレンズ事業の業容拡大
買収実施時期 2021年4月

⑭KLabによるグローバルギアの買収事例

買収側企業名 KLab
買収側の事業内容 ゲーム事業
買収先企業名 グローバルギア
買収先の事業内容 スマートフォン向けモバイルアプリケーションの開発
買収スキーム 株式譲渡による完全子会社化
買収価額 非公開
買収の目的 ゲーム事業領域の拡張(カジュアルゲーム事業への参入)
買収実施時期 2021年4月

⑮フーバーブレインによるGHインテグレーションの買収事例

買収側企業名 フーバーブレイン
買収側の事業内容 サイバーセキュリティソリューシ ョンの提供、テレワーク環境の構築・生産性の向上支援
買収先企業名 GHインテグレーション
買収先の事業内容 IT人材派遣および委託事業
買収スキーム 一部の株式譲渡後、株式交換にて完全子会社化
買収価額 2億500万円
買収の目的 ITエンジニア人材の確保
買収実施時期 2021年4月

買収ニーズ15選

ここからは、買収ニーズ情報について順次15件、掲示します。

①機器製造・システム開発の会社

買収ニーズの1件個目は機器製造・システム開発の会社の譲渡です。

業種 情報通信・機械金属製品製造
希望買収価格 要相談
エリア 関東
事業内容は、1.半導体・機器の製造、2.受託システムです。

②マンション管理業(1)

買収ニーズの2件目は、マンション管理業の譲渡です。

業種 不動産・ビルメンテナンス
希望買収価格 要相談
エリア 全国

③医薬品の製造業

買収ニーズの3件目は、医薬品の製造業の譲渡です。

業種 医薬品・化学製品製造
希望買収価格 10億円
エリア 全国

④不動産管理業

買収ニーズの4件目は、不動産管理業の譲渡です。

業種 不動産・ビルメンテナンス
希望買収価格 案件次第
エリア 全国

⑤人材派遣

買収ニーズの5件目は、人材派遣を行っている会社の譲渡です。

業種 人材関連・アウトソーシング
希望買収価格 3億円
エリア 全国

⑥広告制作会社

買収ニーズの6件目は、広告制作会社の譲渡です。

業種 印刷・広告
希望買収価格 案件次第
エリア 全国

⑦LPG(液化石油ガス)販売会社

買収ニーズの7件目は、LPG販売会社の譲渡です。

業種 卸・小売
希望買収価格 案件次第
エリア 関東

⑧広告制作、人材派遣などを行っている会社

買収ニーズの8件目は、広告制作・人材派遣などを行っている会社の譲渡です。

業種 広告、人材関連など
希望買収価格 案件次第
エリア 関東
事業内容はこれら以外にメディア関連、飲食業、システム開発も行っています。

⑨包装資材の製造販売業

買収ニーズの9件目は、包装資材の製造販売業の譲渡です。

業種 物流・運送業
希望買収価格 1億円以内
エリア 関東

⑩システム開発、マーケティング関連を行っている会社

買収ニーズの10件目は、システム開発、マーケティング関連を行っている会社の譲渡です。

業種 IT・情報通信
希望買収価格 5,000万円以内
エリア 関東

⑪マンション管理業(2)

買収ニーズの11件目は、マンション管理業の譲渡です。

業種 ビルメンテナンス
希望買収価格 10億円以内
エリア 関東

⑫WEBサイト制作、システム開発を行う会社

買収ニーズの12件目は、WEBサイト制作、システム開発を行う会社の譲渡です。

業種 IT・情報通信
希望買収価格 1億円
エリア 関東

⑬受託システム開発業

買収ニーズの13件目は、受託システム開発業の譲渡です。

業種 IT・情報通信
希望買収価格 1億円以内
エリア 関東

⑭化粧品・日用品の製造・卸を行っている会社

買収ニーズの14件目は、化粧品・日用品の製造・卸を行っている会社の譲渡です。

業種 製造・卸売
希望買収価格 5億円以内
エリア 全国

⑮介護事業

最後に紹介するのは、介護事業の譲渡です。

業種 福祉
希望買収価格 5億円以内
エリア 関東

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9. 買収ニーズの高い業種と特徴

買収ニーズの高い業種と特徴

買収ニーズの高い業種には、以下のような特徴があります。

  1. 業界再編が進んでいる
  2. ある程度の売上規模がある
  3. 技術者がいる(人材の育成に時間がかかるため)
  4. 物件やブランドに価値がある

これらを1つでも満たしている業種は高い需要があります。具体的には、ビルメンテナンス業、IT企業、飲食業です。

【関連】ビルメンテナンス会社のM&A・買収・売買の完全マニュアル【相場/成功事例あり】
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10. 買収における相場価格

買収における相場価格

買収の際の相場価格は、企業の規模や無形資産(ノウハウなど)によって変わるものです。ただし、買収の価格によってスモールM&A・中小企業のM&A・大企業同士のM&Aに分類されます。

【買収価格によるM&Aの分類】

スモールM&A 数百万円から1億円
中小企業のM&A 数千万円から100億円
大企業同士のM&A 10億円以上

【関連】スモールM&Aとは?探し方・注意点まとめ!実際の案件も紹介!
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11. 買収の目標ライン

買収の目標ライン

ここでは、買収の目標ラインを説明します。目標ラインには以下の6つがあり、買収での対象会社の株式割合で、支配できる経営範囲が異なります。
 

①100%の株式を保有 完全子会社化しており、意思決定権を完全に支配している状態。
②66.7%の株式を保有 株主総会特別決議の単独可決が可能。
定款の変更や事業譲渡などを行える状態。
③50%超の株式を保有 株主総会普通決議の単独可決が可能。
取締役選任など会社の意思決定の大部分をコントロールできる状態。
経営権を取得している状態。
④33.4%以上の株式を保有 株主総会特別決議の単独否決が可能。
特別決議による決定を阻止できる状態。
⑤10%超の株式を保有 解散請求権を行使できる状態。
⑥3%以上の株式を保有 株主総会招集請求権を行使できる状態。

【関連】M&A戦略の策定方法!目的や注意点も解説!事例あり
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12. 買収の相談先

買収の相談先

買収を成功させるためには、経営者自身が買収について理解しておく必要があります。しかし、買収に関して専門的な知識や豊富な経験が必要になるため、M&A仲介会社など専門家のサポートがおすすめです。

M&A総合研究所では、買収・M&Aについて豊富な知識と経験を持つアドバイザーが専任で担当し、相談から買収後までフルサポートいたします。

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13. 買収のまとめ

買収のまとめ

買収を成功させるには、スキームだけでなく最適な株式の保有割合など買収戦略もしっかりと検討しなければなりません。したがって、買収を行う際にはM&A仲介会社などの専門家に相談することをおすすめします。

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