電気工事業界のM&A動向!会社売却のメリットや成功のポイント・事例42選を徹底解説【2024年最新】

企業情報本部長 兼 企業情報第一本部長
辻 亮人

大手M&A仲介会社にて、事業承継や戦略的な成長を目指すM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、経営者が抱える業界特有のお悩みに寄り添いながら、設備工事業や建設コンサルタント、製造業、医療法人など幅広い業種を担当。

電気工事会社では、事業総合化推進のためのM&Aが活発化しています。業界では従業員の高齢化も進んでおり、人材確保のためにM&A・売却・買収を行うケースも多いです。この記事では、電気工事会社M&Aの最新動向や売却・買収の事例を紹介します。

目次

  1. 電気工事会社とは
  2. 電気工事業界の市場動向
  3. 電気工事会社のM&A動向
  4. 電気工会社M&Aのメリット
  5. 電気工事会社におけるM&Aの成功ポイント
  6. 電気工事会社のM&Aにおける仲介会社の選び方
  7. 電気工事会社におけるM&Aの流れ
  8. 電気工事会社の近年のM&A事例
  9. 電気工事会社の2021年のM&A事例
  10. 電気工事会社の2020年のM&A
  11. 一般・電気通信関連のM&A事例
  12. 送配電工事関連のM&A事例
  13. 電気事業・管理関連のM&A事例
  14. 太陽光・風力・再生エネルギー関連のM&A事例
  15. 電気工事会社の海外のM&A事例
  16. 電気工事会社のM&Aまとめ
  17. 電気工事・管工事業界の成約事例一覧
  18. 電気工事・管工事業界のM&A案件一覧
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1. 電気工事会社とは

電気工事会社とは、一般の住宅やマンションをはじめ、ビル、工場などの電気工事全般を請け負っている会社のことです。

戸建ての住宅向けには、ブレーカーをまとめた分電盤や電気料金のメーターのほか、配線やコンセントの設置、照明器具とスイッチの取り付けなどを行っています。

このほかにも、インターネットのLAN配線やテレビのアンテナを設置したり、太陽光発電の工事を行ったりと、現代の暮らしに合わせて関連するサービスを提供している業種です。

電気工事会社の定義

電気工事会社が手掛ける電気工事業は、総務省「日本標準産業分類」では建設業の設備工事業に該当し、さらに一般電気工事業と電気配線工事業に分類されています。一般電気工事業と電気配線工事業に含まれる主な工事内容は下表のとおりです。
 

  一般電気工事 電気配線工事
業務内容
  • 送電・配電線工事
  • 電線路工事
  • 各種電気設備工事 など
電灯や照明などの機器・設備の配線工事
主な工事
  • 送電・配電線工事(地中線工事含む)
  • 電気鉄道・ケーブルカーなどの電線路工事
  • 海底電線路配線工事
  • 水力・火力発電所の電気設備工事
  • しゅんせつ船電路工事
  • 船内電気設備工事
  • 変電所変電設備工事
  • 変流所設備工事
  • 開閉所設備工事
  • 電気医療装置設備工事
  • 建築物の屋内外の電灯照明・電力の配線工事
  • 会社・住宅などの電灯照明電力機器の配線工事
  • 屋外や道路照明などの照明設備配線工事
  • 一般電気使用施設の自家用受変電設備・配線工事
  • 空港などの配線工事
  • ネオン・電気サイン広告塔などの設備・配線工事

一括発注と分離発注の違い

建設業にはゼネコン(総合工事業者)とサブコン(設備工事業者)とがあり、電気工事会社はサブコンのひとつです。建設業界ではゼネコンが元請けとなり発注者から仕事を請け、それをサブコンへ下請発注する流れが多く、このような体制を「一括発注」と呼びます。

また、一括発注のほかに「分離発注」というかたちもあり、これは建設工事と設備工事をそれぞれ発注者が個別に依頼する体制です。全体でみると、一括発注は約65%で分離発注が約35%であるため、建設業界全体の売り上げは電気工事業界の売り上げに大きく影響します。

事業の特徴

電気工事業界の事業には以下のような特徴がみられます。

人材不足・高齢化

電気工事業は施工や監督業務を行えるのが有資格者に限られており、ほかの工事業と同じく労働集約型の事業です。

人件費が費用の多くを占めるため、稼働率の管理や新規人材の獲得が重要ですが、人手不足に悩む企業も多く業界全体では従業員の高齢化が進んでいます。人材確保が難しい理由は、長時間労働・危険作業を伴う・休日が少ないなどのイメージが根強いためです。

技術力の向上

また、電気工事業界は技術革新のペースが比較的早いため、電気エネルギーに関連するHEMSの技術や、情報ネットワークに関する技術など、隣接した事業で技術が革新されれば、それに合わせて施工者も技術を高める必要があります。

景気変動に影響

そのほか、電気工事は新規建設需要に連動して発生するケースが大半であるため、事業展開している地域の景気変動が業績に影響しやすいのも特徴です。

そのため、景気がよく建設ラッシュが起こっている場合は業績拡大に期待できますが、反対に景気が悪化した場合は業績も大きく低下する可能性があります。

ピラミッド型の構造

電気工事業界は、大手ゼネコン企業などの元請けが一次下請けへ、その一次下請けが2次下請けへ発注する「ピラミッド型構造」となっています。

工事には公共工事と民間工事の2区分がありますが、そのうち民間工事は元請けから大手ゼネコンへ一括で発注されるケースがほとんどであり、特命工事であることが多いです。

特命工事とは実績・技術力・信用力などから工事を特定企業へ発注する方式をいい、下請け企業にとっては安定した受注継続が見込めるメリットはあるものの、元請けに対する依存度が高くなったり価格交渉力が低下したりすることもあります。

2. 電気工事業界の市場動向

電気工事業の工事高の推移

国土交通省「建設工事統計調査」を基に作成

出典:https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00600130&tstat=000001015810&cycle=8&tclass1val=0

国土交通省「建設工事施工統計調査」によると、電気工事業の完成工事高は1996年度の約11.6兆円をピークとし、その後2003年度〜2012年度は7兆円程度で推移していました。

2013年度以降は震災復興の需要により増加に転じ、その後は東京オリンピックの工事需要もあり、2019年度は約8.9兆円と電気工事高は安定して推移していましたが、2020年の受注高はコロナ禍により大きく減少します。

しかし、2021年度はコロナ禍の影響があったものの、東京オリンピック開催による受注が増えたことで再び業績が伸び、国土交通省「建設工事施工統計調査報告(令和3年度実績)」によれば、同年度における電気工事業の工事高は約11兆8,324億円となりました。

上のグラフをみてわかるように、2020年度と比較すると業績は減少していますが、高止まり状態であるようにみえます。

国土交通省「令和5年度(2023年度) 建設投資見通し 概要」

出典:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001622571.pdf

また、みずほ銀行は、2021年度以降の建設投資の国内需要はコロナ禍や人口減少の影響を免れないものの、国土強靭化関連工事として、民間非住宅部門の(インフラ維持更新・首都圏都市再開発・リニア中央新幹線関連工事)需要が下支えし、中期的にこの傾向が続いていくと予想しています。

参照:国土交通省:「建設工事施工統計調査」

リニューアル工事・環境関連工事の需要の推移

電気工事内容は、新築・新設による設備工事が多いものの、昨今はリニューアル(維持・修繕)工事の需要・環境関連工事の需要も伸びています。

新築・新設工事の場合、施主は工事全体をゼネコンへ一括発注し、電気工事会社などの設備工事会社は下請として受注するのが多いでしょう。一方、リニューアル工事では、ゼネコンではなく設備工事会社が直接受注するケースもあります。

したがって、電気工事会社などはリニューアル工事へ臨機応変に対応することで、直接受注の割合を高め、利益率を上げる傾向が多いでしょう。他にも、環境に配慮した建築ニーズも拡大が予想されるため、設備工事会社は環境負荷低減と生産性向上を意識した取り組みを目指しています。

事業総合化推進の動き

リニューアル工事や環境関連工事などといった大型の発注する場合は、工事の種類を見極めて適切な業者を探し出して発注するのは施主の負担が大きいため、電気・空調・給排水などのすべての設備工事を一括して引き受け、実行できる会社であれば受注に有利となるでしょう。

売上の伸びがあまり期待できない状況では、幅広い工事に対応できるように事業内容や事業規模を拡大し相乗的な受注拡大を図る戦略が、将来的な事業成長のカギとなるでしょう。したがって、電気工事会社などの設備工事業界では事業総合化推進の動きが活発化しています。

人材不足と高齢化

日本では、将来的な労働人口減少という深刻な問題がクローズアップされており、建設業界全体でも同様に人材不足と高齢化が大きな問題となっています。

経済産業省 産業保安グループ 電力安全課「電気保安人材の中長期的な確保に向けた課題と対応の方向性について」

出典:https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/denryoku_anzen/pdf/019_05_00.pdf

国土交通省が発表した「建設業構造実態調査」では、人材不足である会社が81.1%、個人事業主では63.6%であり、高齢者層の退職によって電気工事士が足りていない事業者が多いことがうかがえます。

さらに、後継者問題を抱えている会社は40.4%、個人事業主では59.1%という結果であり、ほかの業界と同じく事業承継も課題のひとつといえるでしょう。

熟練者の高齢による退職は今後さらに増加すると考えられるため、人材不足が加速する可能性が高いです。このような状況下、若年就業者の労働環境改善やAI・ロボット導入による業務効率化、M&Aによる人材獲得などの必要性はますます高まると考えられます。

参照:国土交通省「建設業構造実態調査」(2019年)

電気工事業界のM&Aについては、当社アドバイザーが動画による解説を行っています。ぜひ合わせてご覧ください。

3. 電気工事会社のM&A動向

電気工事会社のM&A動向は今後どのように変化すると予測できるのでしょうか。現状から考えられる3つの予測を解説します。

事業計画を見据えたM&Aの増加

電気工事会社のM&Aは、2021年以降は事業計画を見据えたM&Aが行われると考えられます。国土交通省の「設備工事業に係る受注高調査」によると、電気工事の受注高は、令和4年2月は1,186億円であり前年の同じ月と比べて、5.1%増加となりました

さらに民間部門に絞ってみると、前年の同じ月と比べて17.1%の増加となっています。電気工事会社のM&Aを行う場合は、事業計画をしっかりと立てたうえで、売却・買収などのM&A戦略を立てることが肝要です。

参照:国土交通省「設備工事業に係る受注高調査」(2022年)

内製化を狙ったM&Aが増える

電気工事会社では内製化を狙ったM&Aが今後は増加、2022年以降の事業継続・成長のために、サービスを拡充する動きも増えると考えられます。

多様なサービスを提供できれば顧客を囲い込みができ、利益の取りこぼしを回避することが可能です。自社に不足しているサービスを補うため、今後はM&Aを有効活用するケースが増える可能性も高いでしょう。

また、太陽光発電事業では、高圧連系と呼ばれる50W以上の発電所を設ける場合は自家用電気工作物となるため、電気主任技術者を選定して届け出ること、第一種または認定電気工事従事者が作業を行うなどの、電気事業法の規制に従わなければなりません

技術者を抱える電気工事会社は、事業の拡大を検討している太陽光発電の事業者に買収されて、他社の傘下に入ることも予想されます。

人手不足の解消を狙ったM&Aも増えていく

電気工事会社では、人手不足の解消を狙ったM&Aが増加すると考えられます。経済産業省が発表した「電気保安人材の中長期的な確保に向けた課題と対応の方向性について」では、第2種・3種の電気主任技術者が不足することは当面の間ないようです。

ただし、保安業務を行う第3種の電気主任技術者は、2045(令和27)年に4,000人ほどの不足が見込まれるため、電気の保安業務を外部へ委託する企業では人材不足の影響が及ぶ可能性もあるでしょう。

第2種の電気主任技術者も、2045年にかけて、規模を大きくした再生エネルギー設備が増えるとされているため、エリアによっては、第2種の電気主任技術者の確保が難しくなるとも予想されています。

このほかにも、第1種電気工事士においては、認定電気工事従事者により、ある程度の数はカバーできるものの、高齢の資格者の退職で2045年を迎えると2万人ほどの人材不足が生じるとの予測です。

第2種電気工事士も2045年には、職業に従事する人の数が減り、3,000人ほどが不足すると見られています。

このような予想から、電気工事会社は、将来の人材不足に備えてM&Aによる人材の確保を行うのは十分な目的です。

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4. 電気工会社M&Aのメリット

電気工会社M&Aのメリットは、売り手・買い手で異なります。下の表はそれぞれの主なメリットをまとめたものです。

電気設備は多方面の事業と関係するため、同業種以外からの買収ニーズが高く、比較的相手先がみつかりやすい業種であると考えられます。

一方、電気工事会社が買い手となる場合は同業種の企業だけでなく、設備工事会社を買収して事業総合化を図るケースも多いです。近年では、大手の電気工事会社が海外の設備工事会社を買収するケースも増えてきています。
 

売り手企業のメリット 買い手企業のメリット
  • 安定した工事受注が見込める
  • 経営者(株主)は売却益を獲得できる
  • 借入金の個人保証や担保を解消できる
  • 従業員の雇用を維持できる
  • 資格保有者などの人材確保ができる
  • 既存事業と掛け合わせてサービスの拡充や質向上が図れる
  • 事業エリア内のシェア向上と認知度向上が狙える
  • 関連性の高い企業を買収することで事業統合化が可能

5. 電気工事会社におけるM&Aの成功ポイント

電気工事会社のM&Aを行う際、買収側は売却側の労務・人材管理・採算管理において以下のポイントを確認します。売却側企業は、M&A実施前にしっかりと確認することが大切です。もし、改善すべき点があれば可能なものは事前に対応しておくようにしましょう。
 

労務
  • 新素材にも使えるクリーニング技術を持っているか
  • 従業員の稼働管理はしっかりできているか
  • 労働基準法や労働安全衛生法などの法令違反はないか(可能性も含めて確認)
人材管理
  • 十分な人材数が確保されているか
  • スキル・ノウハウなどを有する人材が確保されているか
  • 従業員の社内研修制度は整っているか
採算管理
  • 戦略的ではない赤字工事は請け負っていないか
  • 工事種別採算管理および顧客別採算管理は正しくされているか

6. 電気工事会社のM&Aにおける仲介会社の選び方

電気工事会社のM&Aでは、どのような点に注意をして、仲介会社を選べばよいのでしょうか。電気工事会社のM&Aを検討されている方は、以下に挙げるポイントを押さえて、M&A仲介会社を選択しましょう。

電気事業分野の専門的知識・M&A実績を持っている

1つ目に挙げる電気工事会社におけるM&A仲介会社の選び方は、電気事業分野の専門的知識・M&A実績を持っている点です。

電気事業の知識を持ち合わせていると、自社の希望や条件などをくみ取ってもらいやすいといえます。

電気工事会社のM&Aに関する過去の実績を掲げていると、適切な譲渡価格の提示・ふさわしい交渉先の紹介などが期待できるため、M&Aの成功を高められるといえるでしょう。

自社と同規模の案件実績がある

2つ目に挙げる電気工事会社におけるM&A仲介会社の選び方は、自社と同規模の案件実績がある点です。M&A仲介会社は、取り扱う案件に関して得意とする規模が異なります

自社の規模と大きな隔たりがあると、希望するM&Aに至らなかったり、交渉相手が見つからなかったりと、M&Aが失敗に終わる可能性も考えられるでしょう。

電気工事会社のM&Aでは、自社と同じ規模の案件を取り扱っている仲介会社を選ぶべきです。公式サイトで紹介されている実績から、得意とする案件の規模を確認するようにしましょう。

M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている

3つ目に挙げる電気工事会社におけるM&A仲介会社の選び方は、M&Aに関する幅広い知識・経験を持っている点です。

M&Aを成功させるには、対象会社とのマッチングや交渉、契約書の締結、手続きの代行、各種のデューデリジェンス、M&A後のPMI(Post Merger Integration=統合プロセス)など、専門的な知識と経験を必要とします。

専門知識が不足していたり、実務経験が乏しかったりすると、望んだM&Aに至らない事態もあり得るでしょう。

電気工事会社のM&Aを考えているなら、幅広い知識と豊富な経験を備えたM&A仲介会社に依頼するのを、おすすめします。

手数料・相談料・報酬体系がわかりやすい

4つ目に挙げる電気工事会社におけるM&A仲介会社の選び方は、わかりやすい手数料・相談料・報酬体系です。

着手金・中間金・相談料は、M&A仲介会社によって、無料であるか有料であるかが設定されています。

報酬体系も、成功報酬型や時間制などさまざまで、仲介会社ごとに各種の料金を比べなければいけません。

しかし、M&A仲介会社によっては、HP上に明記していない・複雑な料金制度を掲げているなど、手数料や報酬体系を把握するまで、時間を要します。

したがって、電気工事会社のM&Aでは、わかりやすく手数料・相談料・報酬体系を掲載している企業を選びましょう。予期しない支払いに困惑してしまう事態は、避けるべきです。

担当スタッフの対応・相性

5つ目に挙げる電気工事会社におけるM&A仲介会社の選び方は、担当スタッフの対応・相性です。M&Aを成功させるカギは、担当するスタッフが握っているといえます。

担当者の対応・相性が悪いと、希望を聞き入れてくれない・レスポンスが遅いなどの影響により、ふさわしい交渉先が紹介されなかったり、M&Aの機会を逃したりします

そのような事態を防ぐため、担当するスタッフの対応が悪い・相性がよくない場合には、担当者を代えてもらうか、別のM&A仲介会社に依頼するようにしましょう。

7. 電気工事会社におけるM&Aの流れ

M&Aの目的および方向性の明確化

戦略策定や相手先への希望条件決定などM&A実行に向けた具体的な準備を開始する前に、まずM&Aの目的と方向性を明確にしておくことがポイントです。

M&Aは相手側企業との交渉によって成立するものですが、そのうえでは譲歩が必要な場面も少なからず出てきます。M&Aの目的や方向性をしっかり定めておくことで、そのような場合も判断しやすくなります。

経営の安定化・事業拡大・事業承継などM&Aを行う目的はさまざまですが、自社が将来どうありたいかを念頭に置くことがポイントです。

また、自社の目的や方向性が明確になったら相手先企業への希望条件も決めておきますが、希望条件をすべてを満たす相手先はめったにみつかるものではありません。あまりにも細かすぎる条件では交渉先がみつからない場合もあるので、どうしても譲れない条件以外は優先順位を決めておくとよいでしょう。

M&Aの専門家へ相談

M&Aを行うためには多額の費用が必要ですが、必ずしも成功するとは限りません。M&Aの成功率を上げるためには、ノウハウや知識を持つ専門家のサポートが有用です。

M&A支援はM&A仲介会社や金融機関などさまざまなところが行っていますが、サポート範囲・案件規模・得意領域・手数料体系などは各専門家によって異なります。

これらのほかに支援実績やアドバイザーとの相性なども確認して、総合的に決めることがポイントですが、中小規模のM&Aであれば一貫支援を受けられるM&A仲介会社がおすすめです。

M&A候補先の選定

担当のM&Aアドバイザーが希望条件(目的・条件・業種など)に合った企業を複数リストアップした「ロングリスト」と呼ばれる資料を作成してくれるので、まずはそこから数社程度へ候補先を絞り込みます。

ロングリストから絞り込んだリストを「ショートリスト」といい、このなかから交渉を打診する企業を決定するのが一般的なケースです。

M&A候補先を絞り込む段階では「ノンネームシート」と呼ばれる企業の概要を簡単にまとめた資料を使用します。ノンネームシートでは会社名・所在地・事業の詳細など特定されうる情報は伏せられていますが、これは情報漏洩や企業の特定によるリスクを回避するためです。

交渉を希望する相手先へ打診し、相手側企業もM&A交渉に前向きな意向であれば両者間で秘密保持契約を締結して詳細な情報を開示します。

トップ面談

トップ面談とは、売却側・買収側のオーナー(経営者)が経営理念や企業風土など企業概要書では伝わりにくい部分や、互いの人柄を確認して相互理解を深める場です。

トップ面談は相互理解を深めて信頼関係を構築することが大きな目的なので、通常は価額や条件などについての具体的な交渉は行われません。

基本合意締結

トップ面談後、売却側・買収側の両社がM&A成立を目指す意向であれば、価額・条件・スケジュールなど具体的な交渉を進めていき、交渉内容に両社が大筋合意した時点で基本合意を締結します。

基本合意書には使用スキーム・M&A価額・諸条件・完了までのスケジュールなどを記載しますが、基本合意書自体に法的拘束力はありません。

そのため。基本合意を締結してもM&A成立や価額・条件が確定しているわけではなく、以降に実施されるデューデリジェンスによっては条件・価額が変更されたり、ケースによってはM&A交渉が中止されたりする可能性もあります。

デューデリジェンスの実施

デューデリジェンスとは、買収側が売却側企業の実態を人事・法務・財務などの各方面から調査することです。買収監査と呼ばれることもある調査で、買収によるリスクの有無・程度、譲受価額や条件の妥当性を判断するために行います。

というのは、基本合意締結時点で買収側が把握している情報はあくまでも売却側が開示した資料がベースとなっているため、潜在リスクの有無や情報の正確性を判断するには不足要素もあるためです。

そのため、買収側はデューデリジェンスを行い、その結果によってM&Aの実行可否や価額の妥当性などを判断し、デューデリジェンスによって発覚したリスクや問題の内容および程度によっては、M&A交渉そのものが白紙撤回されることもあります。

最終交渉と最終契約締結

買収側企業がM&Aを実行すると判断したら、M&A成立に向けた最終的な交渉を行います。最終交渉ではデューデリジェンスの結果を踏まえて価額や条件の調整を行うため、売却側は基本合意締結時とは価額や条件が変更となる可能性がある点を理解しておきましょう。

そして、協議したすべての内容に両社が合意した時点で最終契約を締結し、M&Aが成立します。注意すべき点は、最終契約書は記載したすべての事項(内容)に法的拘束力があることです。締結後は一方的な破棄や変更が原則認められないため、よく内容を確認しオーナー(経営者)自身が決断して締結する必要があります。

クロージング

クロージングとは、M&A対象である売却側の経営権を買収側へ移転させ、対価の決済手続きを行う工程です。株式譲渡の場合は、株式の移転や株主名簿の書き換えなどを行いますが、クロージングで必要な手続きは使用したM&A手法によって変わるため、事前にアドバイザーに確認しておくとよいでしょう。

また、クロージングは最終契約で決定した前提条件を売却側が満たしていなければ実行することはできません。そのため、最終契約からクロージング実行日までは一定期間を空けてスケジュールを組むことが一般的です。

統合プロセス(PMI)の実行

M&A後は売却側・買収側がともに事業を進めていくため、互いの経営面・業務面・意識面のすべてを統合しなければなりません。この統合プロセスをPMIといい、M&Aの効果(シナジーなど)を最大化しリスクを最小化することが主な目的です。

PMIが成功しなければM&A前に想定していた結果を得られず、買収側にとっては買収資金の回収が困難になる可能性もあるため、PMIは時間をかけて丁寧に進めていかなければなりません。

8. 電気工事会社の近年のM&A事例

ここでは、近年実施された電気工事会社のM&A事例を紹介します。

北陸電気工事による日建の子会社化

2023年11月、北陸電気工事は横浜市の日建を子会社化すると発表しました。子会社となる日建は管工事を主軸とする設備工事業者で、電気工事など幅広い事業を行っています。

北陸電気工事は北陸電力グループの傘下であり、電力関連工事業・電気通信工事業・電気設備工事業などを行う企業です。現在、北陸電気工事は関東エリアでの事業拡大を進めています。

今回の子会社化もその一環であり、日建を傘下に加えることで関東エリアでの商圏拡大が見込めると判断しM&Aに至りました。
 

北陸電気工事による日建の子会社化
譲渡・売却価額 非公表
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 関東エリアへの商圏拡大

参考:株式取得(子会社化)に向けた株式譲渡契約締結

北陸電気工事による蒲原設備工業の子会社化

2022年12月、北陸電気工事は蒲原設備工業の全株式を取得して子会社化しました。北陸電気工事は、電力関連工事業・電気設備工事業・電気通信工事業などを展開する北陸電力グループの企業です。

子会社となった蒲原設備工業は本社を新潟に置く企業で、管工事・土木工事・消防施設工事を手掛けています。本M&Aの目的は北陸電気工事の新潟エリアへの事業進出であり、商圏の拡大と同社の中期経営計画である「アクションプラン2023」達成につながると判断しました。
 

北陸電気工事による蒲原設備工業の子会社化
譲渡・売却価額 非公表
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 新潟エリアへの事業進出および商圏拡大

参考:北陸電気工事株式会社「株式取得(子会社化)に向けた株式譲渡契約締結のお知らせ」

北陸電気工事によるスカルトの子会社化

2022年10月、北陸電気工事はスカルトの全株式を取得して子会社化しました。北陸電力グループの北陸電気工事は、電力関連工事業・電気設備工事業・電気通信工事業などを手掛けています。

子会社となったスカルトは、1976年に設立された福井県の電気工事会社です。電気工事のほか、土木・建築・通信工事まで幅広い事業を展開しています。

スカルトをグループ傘下とすることによって、北陸エリアでのさらなる商圏拡大が図れると判断し、本M&Aに至りました。
 

北陸電気工事によるスカルトの子会社化
譲渡・売却価額 非公表
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 北陸エリアでの商圏拡大

参考:北陸電気工事株式会社「株式取得(子会社化)に向けた株式譲渡契約締結のお知らせ」

JESCOホールディングスによる阿久澤電機の子会社化

2022年9月、JESCOホールディングスは、阿久澤電機の全株式を取得して子会社化しました。JESCOホールディングスは、電気設備工事や通信インフラ工事におけるシステム考案・施工・メンテナンスまで総合エンジニアリングサービスをワンストップで提供しています。

子会社となった阿久澤電機は、創業100年超の業歴を持つ群馬県の企業です。電気・電気通信工事業を主軸とし、防犯カメラの賃貸借事業も行っています。

群馬県にはJESCOホールディングスの子会社JESCO SUGAYAがあり、阿久澤電機をグループ傘下に加えることで、群馬県および近隣県での営業展開を強化していくことが主な目的です。
 

JESCOホールディングスによる阿久澤電機の子会社化
譲渡・売却価額 非公表
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 群馬県および近隣県における営業展開の強化

参考:JESCOホールディングス株式会社「阿久澤電機株式会社の株式の取得(完全子会社化)に関するお知らせ」

9. 電気工事会社の2021年のM&A事例

2021(令和3)年電気工事会社関連のM&Aから、売却・買収事例5件を紹介します。

ETSホールディングスによるユウキ産業のM&A

2021年11月、電力事業、設備事業、海外事業を展開するETSホールディングスは、空調・給排水・電気設備工事や各種点検・メンテナンス・環境測定などを行うユウキ産業の全ての株式を取得し、完全子会社化しました。

ETSホールディングスはユウキ産業を傘下に加えることにより、電気工事の一括受注体制の整備と業容拡大を図るとしています。
 

ETSホールディングスによるユウキ産業のM&A
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 電気工事の一括受注体制の整備、業容拡大

参考:株式会社ETSホールディングス「ユウキ産業株式会社の株式の取得(完全子会社化)に関するお知らせ」

きんでんによるフジクラエンジニアリングのM&A

2021年6月、関西電力グループの総合設備エンジニアリング企業であるきんでんは、電気・情報通信関連工事事業を行うフジクラエンジニアリングの全ての株式を取得するため、親会社のフジクラとM&Aを実施しました。

きんでんはフジクラエンジニアリングを子会社に加えることで、経営資源の相互の補完・共有・活用ができ、持続的成長につながるとしています。
 

きんでんによるフジクラエンジニアリングのM&A
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 経営資源の相互の補完・共有・活用

参考:株式会社きんでん「株式会社フジクラエンジニアリングの株式取得(子会社化)に関するお知らせ」

プロジェクトウサミによる七つ森ふもと舞茸のM&A

プロジェクトウサミが七つ森ふもと舞茸の事業を譲受した事例です。

電気工事会社に関連したM&A・売却・買収の事例は、プロジェクトウサミによる七つ森ふもと舞茸のM&Aです。

プロジェクトウサミは宮城県黒川郡大和町で、電気工事業として太陽光発電システム機器、オール電化システム機器の販売・設置工事を展開しています。

ASIAGAP認証のきのこ栽培農場である七つ森ふもとは、舞茸、しめじ、きくらげなどの生産・販売事業を行っており、2021年8月、プロジェクトウサミへ事業譲渡しました。
 

譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 事業譲渡
M&Aの目的 後継者問題、ビジネス拡大

参考:株式会社七十七銀行「農業法人のM&A案件成約について」

アウトソーシングテクノロジーによるアイテックのM&A

2021年2月、エンジニア派遣事業、システム構築・ソフトウェア開発請負など、アウトソーシング事業を行うアウトソーシングテクノロジーは、電気通信工事や建柱工事などメインに行うアイテックの全ての株式を取得し、子会社化しました。

アウトソーシングテクノロジーは、アイテックの顧客基盤と自社の技術者や教育リソースを相互活用することにより、事業ポートフォリオの拡大と事業成長に期待できるとしています。
 

アウトソーシングテクノロジーによるアイテックのM&A
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 事業ポートフォリオ拡大、事業成長

サコスによる親和電気のM&A

2021年1月、建設機械レンタル、発電機・受変電機器などの販売・買取・レンタル事業を行うサコスは、電気工事や電気設備・資材の卸販売などの事業を展開する親和電気の全ての株式を取得し、連結子会社化しました。

サコスは主軸とする建設機械レンタルにおいて、親和電気とタイアップすることで発電機レンタルの新たなニーズ創造に期待でき、企業価値向上と成長戦略の達成を目指すとしています。
 

サコスによる親和電気のM&A
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 成長戦略の達成と企業価値向上

参考:サコス株式会社「親和電気株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」

10. 電気工事会社の2020年のM&A

2020(令和2)年電気工事会社関連のM&Aから、売却・買収事例5件を紹介します。

ミライト・ホールディングスによるYL Integrated Pte LtdのM&A

2020年4月、グループとして電気通信工事、電気工事、土木工事、建築工事事業を行うミライト・ホールディングスは、シンガポールの子会社Lantrovision社を通じて、シンガポールの電気工事会社YL Integrated Pte Ltd社の株式85%を取得しせ子会社化しました。

近年、ミライト・ホールディングスはグローバル事業の拡大を進めており、YL Integrated Pte Ltd社の子会社化はその一環によるものです。

Lantrovision社の主軸である通信ケーブリング事業と、YL Integrated Pte Ltd社の電気・電気設備の施工・保守により、グローバル事業のサービス体制を整え、中長期的な事業領域と収益の拡大を図るとしています。
 

ミライト・ホールディングスによるYL Integrated Pte LtdのM&A
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 東南アジアでの事業展開強化

参考:株式会社ミライト・ホールディングス「YL Integrated Pte Ltd の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」

中電工による昭和コーポレーションのM&A

2020年2月、総合電気工事大手の中電工は、ホライズン1の全株式を取得し、その子会社であり熱絶縁工事および断熱配管支持金具製造販売事業などを行う昭和コーポレーションを孫会社としました。

ホライズン1は、ニューホライズンキャピタルが管理・運営するニューホライズン3号投資事業有限責任組合の特別目的会社として、昭和コーポレーションの全株式を保有しています。中電工は、ホライズン1の子会社化で昭和コーポレーションをグループ傘下としたかたちです。

中電工は昭和コーポレーションがグループ傘下となることにより、工事施工や営業活動での連携・補完ができ、両社の強みを活かすことで付加価値の高いサービス提供が可能になるとしています。
 

中電工による昭和コーポレーションのM&A
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 営業基盤の強化、シナジー効果

参考:株式会社中電工「ホライズン1株式会社の株式取得(子会社化)および孫会社の異動に関するお知らせ」

大興電子通信による大協電子通信のM&A

2019(令和元)年11月、電気通信工事およびその関連事業を行う東京の大興電子通信は、大阪で電話交換の販売、設計施工、保守などの電気通信工事などを行う大協電子通信の全株式を取得し子会社化しました。

従来、大協電子通信は大興電子通信のパートナー企業と協業しており、資本関係を結びグループ化したかたちです。大興電子通信は大協電子通信を子会社とすることでネットワークインフラへの対応力強化を図るとしています。
 

譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 ネットワークインフラへの対応力強化

参考:大興電子通信株式会社「連結子会社の異動(株式取得)に関するお知らせ」

日本アンテナによる東芝コンシューママーケティングの一部事業取得

2019年3月、通信機器の製造・販売や、各種の電気工事などを手掛ける日本アンテナは、東芝コンシューママーケティングと、アンテナ・メディア事業の譲受の契約を結びました。

日本アンテナは、東芝コンシューママーケティングの当該事業を取得することにより人材の確保ができ、新製品の開発や既存製品の改良スピードの向上が図れるとしています。
 

日本アンテナによる東芝コンシューママーケティングの一部事業の取得
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 事業譲渡
M&Aの目的 収益の向上と競争力の強化

参考:日本アンテナ株式会社「事業の譲受に関するお知らせ 」

日立ハイテクノロジーズによるApplied Physics TechnologiesのM&A

2019年1月、日立ハイテクノロジーズはApplied Physics Technologiesを子会社化しました。日立ハイテクノロジーズは、最先端の化学・医用、電子デバイス、産業システムなどの事業をグローバルに展開しています。子会社となったのは、アメリカの電子源製造会社・Applied Physics Technologies Inc.です。

日立ハイテクノロジーズはApplied Physics Technologiesを傘下とすることで、取り扱い製品の販路拡大を図り、今後は共同での研究開発を進めていくとしています。
 

日立ハイテクノロジーズによるApplied Physics TechnologiesのM&A
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 取り扱う製品の販路拡大と、共同で研究開発を進める

参考:株式会社日立ハイテクノロジーズ「米国電子源製造会社 Applied Physics Technologies Inc.の全株式を取得」

11. 一般・電気通信関連のM&A事例

一般・電気通信関連から、電気工事会社のM&A・売却・買収に関して、15件の事例を紹介します。

マクセルホールディングスほかによる泉精器製作所のM&A

2018年10月、マクセルホールディングスは日本政策投資銀行と共同でマクセル特別目的株式会社を介して、泉精器製作所の株式を取得しました。

マクセルホールディングスの中核であるマクセルは、電池や光学部品、理美容・健康医療などの製造販売などを手掛けています。子会社となった泉精器製作所は、電設工具と理美容機器などの製造販売を行う企業です。

本M&Aの目的は、事業基盤の連携および推進によって「住生活・インフラ」「健康・理美容」の事業領域拡大とシェア獲得などです。

なお、翌2019年1月には、マクセル特別目的会社を存続会社、泉精器製作所を消滅会社とする吸収合併も実施しました。
 

譲渡・売却価額 182億円
M&Aの手法 株式譲渡
吸収合併
M&Aの目的 電設工具事業への参入により、住生活・インフラ部門における
事業領域の拡大・シェアと収益の獲得
理美容機器の設計・開発スピードの向上・低コストの生産体制により、
健康・理美容領域の拡大と収益の増加を図る

参考:マクセルホールディングス株式会社「共同投資による株式会社泉精器製作所の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」
参考:マクセルホールディングス株式会社「連結子会社間の合併及び商号変更に関するお知らせ」

ミライト・ホールディングスによる塚田電気工事のM&A

2018年10月、ミライト・ホールディングスの連結子会社であるTTKは、塚田電気工事と株式交換を行い子会社化しました。情報通信設備工事を主軸とするTTKは、新たなコア事業として環境土木工事・電気工事事業を居続けており、事業領域拡大を進めています。

塚田電気工事は、東北6県と東京近郊を中心エリアとして、一般電気工事、電気通信工事などを手掛ける企業です。今回の子会社によって、TTKと塚田電気工事は互いの技術力や得意事業分野を活かし、さらなる事業領域の拡大を図るとしています。
 

ミライト・ホールディングスによる塚田電気工事のM&A
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式交換
M&Aの目的 電気工事事業の事業領域を拡大させる

参考:株式会社ミライト・ホールディングス「塚田電気工事株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」

コムシスホールディングスによるNDSのM&A

2018年5月、コムシスホールディングスは株式交換によってNDSを完全子会社化しました。コムシスホールディングスは、電気通信工事をはじめとした社会のインフラ事業を手掛けており、近年は太陽光発電事業などにも注力しています。

子会社となったNDSは、通信事業者の通信インフラネットワークの構築や情報システム開発事業、交通系電子マネー決済事業などを手掛ける企業です。

広範囲な事業展開と経営資源の連携によって競争力の強化を図ることが主な目的となっています。本M&Aは簡易株式交換によって行われ、コムシスホールディングスが完全親会社、NDSが完全子会社となり取引完了後に上場廃止となりました。
 

コムシスホールディングスによるNDSのM&A
株式交換比率 コムシスホールディングス:NDS=1:2.07
交付予定の株式数 コムシスホールディングスの普通株式:12,108,990株
M&Aの手法 株式交換(簡易株式交換)
M&Aの目的 インフラ通信設備のサービスを拡充させる
両社の安定・継続のための人材交流を図る
施工・安全品質マネジメントのノウハウと
ITプラットフォームを共有・活用する

参考:コムシスホールディングス株式会社「コムシスホールディングス株式会社とNDS株式会社の 経営統合に関する株式交換契約締結のお知らせ」

協和エクシオによるシーキューブのM&A

2018年5月、協和エクシオは株式交換によってシーキューブを子会社化しました。協和エクシオは、情報通信インフラの構築事業を中心とする企業です。子会社となったシーキューブは電気通信工事業を主軸としています。

協和エクシオは、シーキューブを子会社化することによって、通信設備工事業での収益と経営基盤の安定化を図るとともに、今後の業界内での競争激化を見越し通信設備工事以外の事業を伸ばしていくとしています。

本M&Aは簡易株式交換方式で行われ、協和エクシオが完全親会社、シーキューブが完全子会社となり、契約の実行によってシーキューブは上場廃止となりました。
 

協和エクシオによるシーキューブのM&A
株式交換比率 協和エクシオ:シーキューブ=1:0.31
交付予定の株式数 協和エクシオの普通株式:8,255,389株
M&Aの手法 株式交換(簡易株式交換)
M&Aの目的 互いの技術・営業力の強みを生かし、得意領域の共有で
ビジネスの拡大と企業の成長を図る

参考:株式会社協和エクシオ「株式会社協和エクシオとシーキューブ株式会社の 経営統合のための株式交換契約(簡易株式交換)の締結のお知らせ」

九電工によるエルゴテックのM&A

2018年3月、九電工はエルゴテックの株式を追加取得して連結子会社とた事例です。九電工とエルゴテックは、営業力・技術力・ 現場力などの強化をそれぞれの中期経営計画で進めていました。

今回の株式取得によってエルゴテックが九電工の連結子会社となります。子会社化は、互いの経営資源を補完・活用し、高いシナジーを創出することが主な目的です。
 

九電工によるエルゴテックのM&A
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 互いの経営資源を補い合い、活用する方法でシナジーを高める

参考:株式会社九電工「エルゴテック株式会社の株式追加取得(子会社化)に関するお知らせ」

ミライト・テクノロジーズによる西日本電工のM&A

2017年8月、ミライト・テクノロジーズは西日本電工の株式を取得して子会社化しました。ミライト・テクノロジーズは、ミライト・ホールディングスの傘下企業で、情報通信エンジリニアリング事業を主軸とし、電気・ビル付帯設備、環境、エネルギー関連事業などを展開しています。

子会社となった西日本電工は、電気・空調設備工事、太陽光発電設備工事などの事業を行う企業です。今回の子会社化により、ミライト・テクノロジーズは、ビル・ エネルギー分野のさらなる事業拡大と施工体制の強化を進めるとしています。
 

ミライト・テクノロジーズによる西日本電工のM&A
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 施工体制の強化を図る
ビル・エネルギー分野の事業を拡大する

参考:株式会社ミライト・ホールディングス「西日本電工株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ 」

関電工による佐藤建設工業のM&A

2016年9月、関電工は佐藤建設工業の株式を取得して子会社化しました。関電工は、電気設備工事など各種設備工事を手掛けており、子会社となった佐藤建設工業は送電線工事業を行っています。

関電工は、佐藤建設工業を子会社とすることで送電線工事分野でのにおける協調体制を強化し、多様な顧客ニーズに対応できる営業・施工体制の構築を進めていくとしています。
 

関電工による佐藤建設工業のM&A
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 親密度を高め、送電線事業に対応する
実績のある情報通信・環境エネルギー工事事業を加え、
会社機能の強化を図る

参考:株式会社関電工「送電線工事会社の子会社化に関するお知らせ」

中電工による杉山管工設備のM&A

2016年8月、中電工は杉山管工設備の全株式を取得して子会社化しました。中電工は、生活や事業に関連した総合設備事業を展開しており、子会社となった杉山管工設備は神奈川・東京を中心にビルや公共施設の空調管工事、産業配管プラント工事などを手掛けています。

本M&Aは、中電工が杉山管工設備の人材・顧客を得ることで、首都圏エリアにおける電気工事・空調管工事の拡大が目的です。
 

中電工による杉山管工設備のM&A
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 対象会社の人材・顧客を得ることで、
首都圏での電気工事・空調管工事の拡大を図る

参考:株式会社中電工「杉山管工設備株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」

スズキ太陽技術による大香電工のM&A

2016年2月、スズキ太陽技術は大香電工の株式を取得して子会社化しました。スズキ太陽技術は、太陽光発電システムの販売および設計施工などを手掛ける企業です。

子会社となった大香電工は、電気・電気設備工事業などを手掛けています。今回のM&Aは、スズキ太陽技術が進めている「統合準備プロジェクト」の一環です。今後は両社の強みを活かして太陽光発電やそのほかのエネルギー分野での事業拡大を図るとしています。
 

スズキ太陽技術による大香電工のM&A
譲渡・売却価額 300万円
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 電気工事のノウハウを共有による事業領域拡大

参考:スズキ太陽技術株式会社「有限会社大香電工の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」

U-NEXTによるアルテリア・ネットワークス一部事業のM&A

2016年2月、U-NEXTはアルテリア・ネットワークス一部事業を取得しました。U-NEXTは、光インターネット回線や動画配信事業などを手掛けています。

今回取得したのはアルテリア・ネットワークスの集合住宅向けの固定ブロードバンド回線事業であり、自社の従来提供しているサービスの多様化・質向上が主な目的です。
 

U-NEXTによるアルテリア・ネットワークスの一部事業をM&A
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 事業譲渡
M&Aの目的 サービスの多様化を図る

参考:アルテリア・ネットワークス株式会社「個人向け任意加入型インターネット接続サービスの事業譲渡に関するお知らせ」

サンテックによるシステック・エンジニアリングへの保有株式譲渡

2015年1月、サンテックは持分法適用関連会社システック・エンジニアリングへ、自社が保有する当該企業の全株式を譲渡しました。

土木・電気工事業のシステック・エンジニアリングは、東京電力の請負工事などを手掛ける企業です。サンテックは、自社独自での工事請負態勢を構築し、東京電力との取引に再参入することを目的としています。

 

電気工事会社関連によるM&A・売却・買収事例
サンテックによるシステック・エンジニアリングの譲渡
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 自社のみで東京電力の請負工事にあたる

なお、翌2016年10月、システック・エンジニアリングは株主である佐藤建設工業が関電工の100%子会社となったため、現在、システック・エンジニアリングは関電工のグループ会社です。

アドテックによるバディネットのM&A

2015年1月、アドテックはバディネットの全株式を取得して子会社化した後、完全親会社をアドテック、完全子会社をバディネットとする簡易株式交換を行いました。

アドテックは、主にフラッシュメモリやメモリモジュール、電子部品・電子機器等の製造販売を行っています。子会社となったバディネットは電気通信工事事業などを手掛ける企業です。

今回のM&Aでアドテックの新規事業へ参入することになり、収益拡大と経営基盤強化を図るとしています。
 

アドテックによるバディネットのM&A
譲渡・売却価額 2.5億円
M&Aの手法 株式譲渡
株式交換(簡易株式交換)
M&Aの目的 新規事業への参入による、収益の拡大と基盤の強化
対象会社のノウハウを自社のメモリ販売・システム開発に生かした、営業体制の強化
対象会社の代表が持つビジネス能力を自社の成長に活かす

参考:株式会社アドテック「株式会社バディネットとの株式交換契約の締結に関するお知らせ」

ラックランドによるニイクラ電工のM&A

2013年7月、ラックランドはニイクラ電工の株式を取得して子会社化しました。ラックランドは、店舗や食品工場などの企画・設計・施工などを手掛けています。

子会社となったニイクラ電工は、の株式を取得し子会社とする決議を行っています。
 

ラックランドによるニイクラ電工のM&A
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 電気工事事業の強化によるサービスの向上

参考:株式会社ラックランド「ニイクラ電工株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」

綜合警備保障による子会社の綜警電気工事の合併

2013年6月、綜合警備保障は子会社の綜警電気工事を吸収合併しました。綜合警備保障が行っているセキュリティサービスに関する工事は綜警電気工事が担当していますが、今回の合併は工事部門の一体化が目的です。

工事部門を一体化することによって、サービス品質の向上や管理部門の業務効率化、意思決定のスピード化を進めるとしています。なお、合併により綜警電気工事は消滅し、その権利義務は綜合警備保障が承継しました。
 

綜合警備保障による子会社綜警電気工事の合併
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 吸収合併 綜合警備保障:簡易合併
綜警電気工事:略式合併
M&Aの目的 品質の向上
効率化の促進
意思決定の速度を早める

参考:綜合警備保障株式会社「子会社の合併(簡易吸収合併 (簡易吸収合併)に関するお知らせ )に関するお知らせ」

大日本塗料によるニッポ電機のM&A

2012年9月、大日本塗料はニッポ電機と株式交換を行い、同社を子会社化しました。大日本塗料は、塗料の製造・販売や塗装工事事業などを手掛けています。

子会社となったニッポ電機は、蛍光ランプやLED電源、照明器具の製造販売などを行う企業です。今回の子会社化は生産・販売・開発体制の強化と照明機器事業の経営効率化が目的としています。なお、実行後ニッポ電機は上場廃止となりました。
 

大日本塗料によるニッポ電機のM&A
譲渡・売却価額 約11億円
M&Aの手法 株式交換(簡易株式交換)
M&Aの目的 生産・販売・開発体制の強化
グループにおける照明機器事業の経営効率を高める

参考:大日本塗料株式会社「大日本塗料株式会社によるニッポ電機株式会社の株式交換による 完全子会社化に関するお知らせ」

12. 送配電工事関連のM&A事例

送配電工事関連から、電気工事会社のM&A・売却・買収に関して、2つの事例を紹介します。

北陸電力による北陸電気工事のM&A

2015年3月、北陸電力は株式公開買い付けによって北陸電気工事を子会社化しました。この株式取得は、電力の小売り全面自由化への対応および増加する送配線電設備の改修工事への対応力強化が目的です。
 

北陸電力による北陸電気工事のM&A
譲渡・売却価額 約39億円
M&Aの手法 株式公開買付け
M&Aの目的 電力の小売り全面自由化への対応
増加する送配線電設備の改修工事への対応

参考:北陸電力株式会社「北陸電気工事株式会社株式に対する公開買付けの開始について」

北陸電話工事による光道路の株式譲渡

2013年3月、北陸電話工事は持分法の適用関連会社である光道路の株式(一部)第三者へ譲渡しました。なお、譲渡先は公開されていません。

北陸電話工事は通信設備基盤工事業などを手掛けていますが、この株式譲渡により管理業務の効率化を図るとしています。株式譲渡実行後、北陸電話工事の光道路の議決権比率は24.4%から10%に下がりました。
 

北陸電話工事による光道路の譲渡
譲渡・売却価額 約300万円
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 素早い意思決定
管理業務の効率化

13. 電気事業・管理関連のM&A事例

電気事業・管理関連では、電気工事会社のM&A・売却・買収に関して、4件の事例を紹介します。

オーテックによるフルノ電気工業のM&A

2016年8月、オーテックはフルノ電気工業の株式を取得して子会社化しました。オーテックは、空調制御システムの工事や配管資材・住設機器類の販売など手掛けています。フルノ電気工業は北海道(道内)の電気工事会社です。

本M&AのM&Aにより、オーテックは受注工事の確保(道北エリア)と工事資格を持った人材の有効活用を目的としています。
 

オーテックによるフルノ電気工業のM&A
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 受注工事の確保(道北エリア)
工事資格を持った人材の有効活用

参考:株式会社オーテック「フルノ電気工業株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ 」

神田通信機による日神電子のM&A

2015年3月、神田通信機は日神電子の株式を取得して子会社化しました。神田通信機は、情報通信システム事業などを展開しています。

このM&Aにより、神田通信機は関連事業でシナジーを獲得し、効率的な経営体制を目指すとしています。
 

神田通信機による日神電子のM&A
譲渡・売却価額 4,600万円
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 関連事業でシナジーを獲得し、効率的な経営体制を目指す

日東工業による子会社の日東テクノサービスのM&A

2013年4月、日東工業は子会社の日東テクノサービスを吸収合併しました。日東工業は、電気・情報のインフラ事業を手掛けており、日東テクノサービスはその完全子会社です。今回の吸収合併は、グループ内経営資源の選択および集中が主な目的となっています。
 

日東工業による子会社日東テクノサービスのM&A
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 日東工業:簡易吸収合併
日東テクノサービス:略式吸収合併
M&Aの目的 グループの経営資源における集中と選択を行うため

参考:日東工業株式会社「子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ 」

太平工業と日鉄エレックスの合併

2012年9月、太平工業と日鉄エレックスは、太平工業を存続会社、日鉄エレックスが消滅会社とする吸収合併を行いました。本合併は、鉄鋼業界の変化への対応力を強化が目的です。
 

太平工業と日鉄エレックスの合併
合併比率 太平工業:日鉄エレックス=1:2.85
M&Aの手法 吸収合併
M&Aの目的 鉄鋼業界の変化に対応するため

参考:新日本製鐵株式会社「太平工業㈱と㈱日鉄エレックスの合併に向けた基本合意について」

14. 太陽光・風力・再生エネルギー関連のM&A事例

太陽光・風力・再生エネルギー関連では、電気工事会社のM&A・売却・買収に関して、2件の事例を紹介します。

スズキ太陽技術によるTAKグリーンサービスのM&A

2015年11月、スズキ太陽技術はTAKグリーンサービスの株式を取得して子会社化しました。M&Aです。スズキ太陽技術は、太陽光発電システムをはじめとした住宅設備の販売・施工管理会社です。

TAKグリーンサービスは、太陽光発電販売を手掛ける企業で、東京など全国に営業拠点を保有しています。本M&Aにより、スズキ太陽技術は販売から施工までのワンストップサービスを全国展開が可能となり、シナジー効果創出に期待できるとしています。
 

スズキ太陽技術によるTAKグリーンサービスのM&A
譲渡・売却価額 約873万円
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 販売に関するノウハウの獲得
首都圏へ事業エリアを拡大する
ノウハウの共有による、サービスの向上

参考:株式会社スズキ太陽技術「TAKグリーンサービス株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」

関電工による風力発電事業会社のM&A

2012年10月、関電工は日本風力開発が保有する銚子風力開発の株式(90%)を取得して子会社化しました。関電工は再生可能エネルギーの発電事業への本格参入を目的としています。
 

関電工による風力発電事業会社のM&A
譲渡・売却価額 約18億円
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 本格的に再生可能エネルギーの発電事業に参入するため

参考:株式会社関電工「再生可能エネルギー発電事業への進出について」

15. 電気工事会社の海外のM&A事例

海外のM&A(クロスボーダーM&A)では、電気工事会社のM&A・売却・買収に関する5件の事例を紹介します。

協和エクシオによるシンガポールのLeng Aik Engineering Pte Ltd グループのM&A

2018年10月、協和エクシオはシンガポールのLeng Aik Engineering Pte Ltd社を完全子会社化しました。協和エクシオは、情報通信・環境・社会インフラの構築事業などを手掛ける企業です。

今回のM&Aは、アジアにおける事業・事業領域・顧客基盤・市場の拡大を主な目的として行われました。
 

協和エクシオによるシンガポールのLeng Aik Engineering Pte Ltd グループのM&A
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 アジアにおける事業・事業領域・顧客基盤・市場の拡大

参考:株式会社協和エクシオ「協和エクシオ、シンガポールの電気・総合設備工事会社 Leng Aik Engineering Pte Ltd グループの全株式を取得」

中電工と日本政策投資銀行によるRYB Engineering Pte. Ltd.のM&A

2017年10月、中電工は日本政策投資銀行と共同出資設立したシンガポールの特別目的会社を介して、シンガポールの電気工事会社RYB Engineering Pte. Ltd.の株式70%を取得し連結子会社としました。この子会社化の目的は、東南アジアにおける人材の確保と事業の拡大です。
 

中電工と日本政策投資銀行によるRYB Engineering Pte. Ltd.のM&A
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 東南アジアにおける人材の確保と事業の拡大

参考:株式会社中電工「シンガポールの電気工事会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ 」
 

アウトソーシングによる米国の空調・電気工事サービス会社のM&A

2017年4月、アウトソーシングはアメリカの空調・電気工事アメリカンエンジニアコーポレイションの全株式を取得して子会社化しました。

アウトソーシングは、国内外で技術・製造・サービス分野などでアウトソーシング事業を手掛けています。今回の子会社化は、国内外の米軍基地に向けた事業展開が主な目的です。
 

アウトソーシングによる米国の空調・電気工事サービス会社のM&A
譲渡・売却価額 81億円
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 景気の影響を避けるため、国内外の米軍基地に向けて事業を展開する

参考:株式会社アウトソーシング「アメリカンエンジニアコーポレイションの株式の取得(子会社化)に関する基本合意書締結のお知らせ」

きんでんによるインド企業Antelec LimitedのM&A

2016年、総合設備事業を営むきんでんはインドのAntelec Limitedの株式約49%を取得し、2018年に残りの株式を取得して完全子会社化しました。

きんでんは、Antelec Limited社を傘下とすることで営業網の拡大を図り、日系企業に対して国内と同等のサービスを提供することで、インドでの事業拡大および安定化を目指すとしています。
 

きんでんによるインド企業Antelec LimitedのM&A
譲渡・売却価額 非公開
M&Aの手法 株式譲渡
M&Aの目的 営業網を拡大し、日系企業に対する国内と同等のサービスを提供することで、
インド事業の拡大と安定化を目指す

ミライト・ホールディングスによるシンガポールのLantrovisionのM&A

2016年6月、ミライト・ホールディングスは、シンガポールのLantrovision社の全株式を取得して完全子会社化しました。

Lantrovision社はLAN配線などの設計や施工を手掛けており、ミライト・ホールディングスは同社を傘下とすることにより、シンガポールでの事業拠点確保し、顧客基盤の拡大を進めていくとしています。
 

ミライト・ホールディングスによるシンガポールのLantrovisionのM&A
譲渡・売却価額 約153億円
M&Aの手法 スキーム・オブ・アレンジメント
(シンガポール法における株式の取得手続き)
M&Aの目的 海外拠点と顧客基盤の拡大

参考:株式会社ミライト・ホールディングス「Lantrovision(S)Ltd の株式取得(完全子会社化)に向けた 買収手続開始の合意に関するお知らせ 」

16. 電気工事会社のM&Aまとめ

電気工事会社のM&A・売却・買収について、事業会社の概要や、最新のM&A事例、業界の動きなどを紹介しました。

電気工事会社の受注高は、今後電気主任技術者や電気工事士も不足すると見られています。これから電気工事会社のM&Aを行う場合は、需要の減少・人材の不足を視野に入れて、売却・買収に臨みましょう。

電気工事会社のM&Aを成功させ、自社の存続や事業の成長を果たすためには、M&A仲介会社など専門家のサポートを受けながら進めていくことが大切です。

17. 電気工事・管工事業界の成約事例一覧

18. 電気工事・管工事業界のM&A案件一覧

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