飲食店のM&A事例30選!相場や買収の流れから売却案件まで解説

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

飲食店をM&Aで買いたい場合・譲渡する場合のメリット・デメリット、金額の相場、手続きの流れや注意点について、多くの事例とともに解説します。飲食店のM&Aは盛況な状態にあり、参考となる相場事例も豊富です。M&Aを検討中の方は必見です。

目次

  1. 飲食店のM&A事例30選
  2. 飲食店のM&Aの最新動向
  3. 飲食店のM&Aの相場
  4. 飲食店のM&A・買収の流れ
  5. 飲食店のM&A・買収を行うメリットとデメリット
  6. 飲食店のM&A・売却・譲渡を行うメリットとデメリット
  7. 飲食店のM&A・売却・譲渡の案件情報
  8. 飲食店のM&A・売却・譲渡案件の探し方
  9. 飲食店のM&A・買収における注意点
  10. 飲食店のM&A・買収と居抜きの違い
  11. 飲食店のM&Aを手掛けるブティックとは
  12. 飲食店のM&Aのまとめ
  13. 飲食店業界の成約事例一覧
  14. 飲食店業界のM&A案件一覧
  • セミナー情報
  • セミナー情報
  • 飲食店のM&A・事業承継

1. 飲食店のM&A事例30選

ここでは、飲食店のM&A事例30件を以下3つのカテゴリーに分けて紹介します。

  • 国内の同業者同士のM&A(16事例)
  • 国内企業による海外の飲食店のM&A(4事例)
  • 飲食店と異業種間のM&A(10事例)

国内の同業者同士のM&A事例16選

まず、国内の飲食店業界同士におけるM&A事例16件を見ていきましょう。

ワタミがサブウェイ日本法人を子会社化

2024年10月25日、ワタミは、日本サブウェイの持分を取得して子会社化し、マスターフランチャイズ契約を締結することを発表しました。ワタミは国内外で飲食、環境、農業事業を展開しており、今回の買収により世界的ブランド「Subway」事業への参入を図ります。

この決定により、ワタミは有機野菜を活用した商品開発やフランチャイズ展開のノウハウ向上、さらには海外進出の促進を目指します。これにより、総合的な食の企業として事業の拡大と多面的な成長を目指す方針です。

「サブウェイ」を日本国内で事業展開 ファーストフード日本一に向けて

小僧寿しがサニーフーヅの18店舗の事業譲受

2024年10月4日、KOZOホールディングスの子会社である株式会社小僧寿しは、フランチャイズ加盟社のサニーフーヅが運営する18店舗を譲り受け、直営店化することを発表しました。対象店舗は兵庫県、徳島県、香川県に位置し、長年地域密着型の運営で高い評価を得ている黒字事業です。

この譲受により、小僧寿しは西日本エリアの既存店舗との仕入れや物流網を強化し、コスト効率の向上を図ります。また、地域に根ざした店舗の運営経験を活かし、業績向上を目指しています。この取り組みは小僧寿しの成長戦略の一環とされています。

当社連結子会社による事業譲受けに関するお知らせ

サンマルクHDがジーホールディングスを子会社化

2024年10月4日、サンマルクホールディングスは、飲食ブランド「京都勝牛」や「NICK STOCK」を展開するジーホールディングス株式会社(GHD)の株式を取得し、子会社化すると発表しました。

サンマルクグループは「サンマルクカフェ」や「鎌倉パスタ」など外食事業を中心に展開しており、GHDの子会社化を通じて新たな業態の開発・育成を進め、企業価値の向上を目指します。


また、インバウンド需要の取り込みや海外展開の推進、グループ内の物流や物件情報を活用したコスト削減など、さまざまなシナジー効果が期待されています。この買収は、グループ全体の競争力強化を目的としています。

ジーホールディングス株式会社の株式の取得(子会社化)完了に関するお知らせ

SRSホールディングスがシンガを子会社化

2024年10月1日、SRSホールディングスは、大阪府富田林市のシンガを完全子会社化しました。SRSグループは「和食さと」や「天丼・天ぷら本舗 さん天」などの和食ブランドを展開し、シンガは熟成肉を使用したビフテキ重専門店「牛ノ福」をショッピングモールなどで運営しています。

今回のM&Aにより、SRSは中食需要を取り込む中期経営計画を推進し、事業ポートフォリオを強化します。また、仕入れ力を活かしたコスト削減や新規出店の加速、既存事業との連携によるシナジーを実現し、「牛ノ福」の収益向上とグループ全体の中食事業拡大を目指します。

株式会社シンガの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

サンマルクホールディングスが完全子会社3社を吸収合併

2022(令和4)年4月、サンマルクホールディングスは、完全子会社3社を同年7月に吸収合併すると発表しました。サンマルクホールディングスは、フランチャイズチェーンシステムを含むレストラン・カフェなどの事業を行うグループの持株会社です。

消滅する子会社は、ベーカリーレストラン「サンマルク」事業を行ってきたサンマルク、「すし処函館市場」事業を行ってきた函館市場、ベーカリーレストラン「バケット」事業を行ってきたバケットの3社になります。

サンマルクホールディングスは、ベーカリーレストラン事業と寿司事業の悪化を受け、吸収合併後、レストラン事業部としてビジネスモデルの再構築を図る方針です。

完全子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ

吉野家ホールディングスがグリーンズプラネットの全株式をフライドグリーントマトへ譲渡

2022年3月、吉野家ホールディングスは、連結子会社グリーンズプラネットの全株式をフライドグリーントマトに譲渡しました。譲渡価額は公表されていません。吉野家ホールディングスは、吉野家事業、はなまる事業、海外での飲食事業を行うグループの持株会社です。

グリーンズプラネットは、 ファストフード・フードコートで複数の飲食ブランドを展開してきました。フライドグリーントマトは、飲食業トータルプランニング事業、音楽関連事業を行っている企業です。

吉野家ホールディングスは、新型コロナウィルス感染拡大問題の影響も踏まえ、グリーンズプラネットにおける今後の事業はフライドグリーントマトに託す判断に至りました。

連結子会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ

ジェイグループホールディングスがNEWFIELD HONOLULU,INCの全株式を譲渡

2022年2月、ジェイグループホールディングスは、完全子会社でアメリカ・ハワイ州のNEWFIELD HONOLULU,INCにおける全株式を譲渡しました。譲渡額は3,300万円ですが、譲渡先は公表されていません。NEWFIELD HONOLULU,INCは、ハワイ州で飲食店舗の運営を行っています。

ジェイグループホールディングスは、飲食事業、不動産事業、ブライダル事業、バーベキュー事業を行うグループの持株会社です。新型コロナウィルス感染拡大問題の影響でNEWFIELD HONOLULU,INCの業績は悪化しており、ジェイグループホールディングスは、ハワイ州での飲食事業から撤退しました。

木曾路が大将軍の子会社化を発表

2020(令和2)年11月、複数のジャンルの飲食店を運営している木曾路が、焼肉店チェーンを運営する大将軍の全株式を取得し、完全子会社化すると発表しました。木曾路にとっては、初めてのM&Aです。

両社は11月20日に株式譲渡契約を締結しており、2021(令和3)年1月に株式譲渡の実行です。譲渡価額は公表されていません。木曾路は、しゃぶしゃぶ・日本料理の飲食店「木曽路」などの和食系飲食店を全国に173店舗、展開しています。

大将軍は、高級焼肉店「大将軍」と中価格帯の焼肉店「くいどん」の業態で合計38店舗を運営してきました。木曾路は、コロナ禍の中、両社の強みを生かして、付加価値の高い店舗運営を実現し業績向上を図るとしています。

当社完全子会社の吸収合併に関するお知らせ

ホットランドがアイテムを子会社化

2018(平成30)年10月、ホットランドは、アイテムの全株式を取得して完全子会社化しました。取得価額は4億7,700万円です。アイテムは、お好み焼き飲食店として「ごっつい」を14店舗、首都圏に展開しています。

ホットランドは、「築地銀だこ」のブランドで培ったノウハウや経営資源をアイテムの「ごっつい」と融合させて事業拡大を目指していく方針です。

ジー・テイストが湯左和を子会社化

2018年10月、ジー・テイストは、地域密着型の寿司居酒屋や海鮮居酒屋を営む湯左和の全株式を取得し完全子会社化しました。湯左和が運営する13店舗のうち3店舗は新設分割会社が承継し、ジー・テイストが買収するのは10店舗です。譲渡価額は公表されていません。

ジー・テイストは、「平禄寿司」「焼肉屋さかい」「村さ来」など多くの飲食チェーンブランドを展開しており、M&Aで多くのブランドを取り込んできました。今回のM&Aも、これまで同様、自社グループに加わって、業績向上が見込めると判断した模様です。

JBイレブンがハートフルワークを子会社化

2018年7月、JBイレブンは「コメダ珈琲店」をFC運営するハートフルワークの全株式を取得し完全子会社化しました。譲渡価額は公表されていません。東海地区を中心にラーメン店や中華料理店を展開するJBイレブンは、このM&Aにより、周辺事業と新業態への進出といった事業領域拡大を目指します。

クリエイト・レストランツ・ホールディングスがイクスピアリの飲食店事業を買収

2018年3月、クリエイト・レストランツ・ホールディングスは、商業施設運営であるイクスピアリの直営飲食店事業を買収しました。譲渡価額は公表されていません。オリエンタルランドの子会社であるイクスピアリは、千葉県浦安市にある複合商業施設「イクスピアリ」を運営してきました。

イクスピアリは、直営飲食店における事業譲渡のために、クリエイト・ベイサイドという会社を新設して事業承継させています。クリエイト・レストランツ・ホールディングスは、クリエイト・ベイサイドの全株式を買収し完全子会社化しました。

イクスピアリは、事業の選択と集中を検討した結果、事業譲渡に至っています。

ジェイグループホールディングスがかわ屋インターナショナルを子会社化

2017(平成29)年11月、居酒屋の「芋蔵」や「ほっこり」などを東海地方で展開しているジェイグループホールディングスは、博多かわ屋をFC経営するかわ屋インターナショナルの株式50%を取得して子会社化しました。取得価額は3億6,000万円です。

ジェイグループホールディングスは、この株式譲渡と同時に第三者割当増資も引き受けるとしています。最終的には既存株主所有分も含め、全株式取得をする予定です。ジェイグループホールディングスは、直営方式で運営していき収益力の向上と今後の成長および発展を目的としています。

株式会社かわ屋インターナショナルの株式取得(子会社化)に関するお知らせ

トリドールホールディングスがアクティブソースを子会社化

2017年7月、「丸亀製麺」を展開しているトリドールホールディングスは、「晩杯屋」を展開しているアクティブソースの株式を80.3%取得し子会社化しました。買取価額は10億8,400万円と発表されています。

トリドールホールディングスは、アクティブソースの主力業態である「晩杯屋」が小規模で出店できる点を生かし、従来の業態ではできなかった候補地の情報を得て、店舗数拡大を加速させるのに役立てる考えです。

簡易株式交換による連結子会社(株式会社アクティブソース)の 完全子会社化に関するお知らせ

アークランドサービスホールディングスがバックパッカーズを子会社化

2017年7月、カツ丼の専門店「かつ屋」を運営しているアークランドサービスホールディングスは、「野菜を食べるカレーcamp」を運営するバックパッカーズの株式66%を取得し子会社化しました。取得価額は公表されていません。

アークランドサービスホールディングスは、自社グループにおける飲食店経営のノウハウをバックパッカーズに注ぎ込み、さらなる事業拡大と新業態のコンセプト開発能力における強化を目的としています。

株式会社バックパッカーズの株式取得に関するお知らせ

DDホールディングスが商業藝術を子会社化

2017年6月、DDホールディングスは、「石塀小路豆ちゃ」などを展開する商業藝術を子会社化しました。買収価額は約18億円です。DDホールディングスは、自社があまり参入していない「ノンアルコール事業」に特化している商業藝術を子会社化して、多様化する消費者の嗜好に対応し、店舗展開エリアの拡大ができるとしています。

株式会社商業藝術が6月1日よりダイヤモンドダイニンググループに仲間入りしました

国内企業による海外の飲食店のM&A事例4選

現在の日本は人口減少状態にあり、飲食業界としては、これ以上の市場拡大は事実上、望めません。そこで、大手の飲食店経営企業は、M&Aで海外に進出し業績拡大を図ることも積極的に行っています。ここでは、その中から4事例をピックアップしました。

  1. ゼンショーホールディングスがアメリカの寿司チェーン店を子会社化
  2. トリドールホールディングスが香港の人気麺チェーン店を子会社化
  3. 力の源ホールディングスがインドネシアの飲食企業を子会社化
  4. 元気寿司がシンガポール子会社の株式をJapanese Dining Concepts(Asia)Limitedに譲渡

ゼンショーホールディングスがアメリカの寿司チェーン店を子会社化

2018年11月、「すき家」などで有名な大手チェーンのゼンショーホールディングスは、アメリカの持ち帰り寿司チェーンであるアドバンスド・フレッシュ・コンセプツの全株式を取得し完全子会社化しました。買収価額は2億5,700万米ドル(当時の為替レートで約288億円)です。

ゼンショーホールディングスとしては、国内市場が人口減による飽和状態から縮小傾向にある中、宅配サービスが発展するアメリカで新しい需要を開拓し、海外事業の成長を促進していく狙いがあります。

トリドールホールディングスが香港の人気麺チェーン店を子会社化

2018年1月、うどん店の丸亀製麺などを世界的に展開しているトリドールホールディングスは、香港のスパイシー麺人気チェーン「譚仔三哥米線」の運営管理会社など4社を完全子会社化しました。

トリドールホールディングスは、この前年にも「譚仔三哥米線」と人気を二分する「譚仔雲南米線」チェーンの買収を実施しており、この結果、香港における雲南ヌードル業態シェアの約7割を握っています。

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力の源ホールディングスがインドネシアの飲食企業を子会社化

2017年8月、ラーメン店「一風堂」を展開する力の源ホールディングスは、シンガポールの連結子会社CHIKARANOMOTO GLOBAL HOLDINGS PTE.LTD.をつうじて、インドネシアの飲食企業PT. IPPUDO CATERING INDONESIAの全株式を取得し完全子会社化しました。

取得価額は25,000米ドル(当時の為替レートで約2,700万円)です。力の源ホールディングスは、当事で海外65店舗を運営しており、今後も海外展開をさらに加速させる一環として、インドネシア地域での展開強化を図る考えです。

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元気寿司がシンガポール子会社の株式をJapanese Dining Concepts(Asia)Limitedに譲渡

2017年8月、「魚べい」などを展開する元気寿司は、連結子会社のGenki Sushi Singapore Pte.Ltd.の全株式をJapanese Dining Concepts(Asia)Limitedに譲渡しました。譲渡価額は公表されていません。

Japanese Dining Concepts(Asia)Limitedは、元気寿司がフランチャイズ契約をしているGenki Sushi Hong Kong Lmitedのグループ会社です。元気寿司は今後もアジア地域への出店を増やす計画ですが、その実現には、当該子会社の譲渡が適切と判断しました。

飲食店と異業種間のM&A事例10選

M&Aを用いたビジネス展開には、異業種から飲食業界に進出してくるケース、あるいは飲食業界から異業種に進出するケースも多々あります。ここでは、そうした事例を10件ピックアップしました。

  1. JFLAホールディングスが栄喜堂を子会社化
  2. アクトコールが子会社をPATINAに譲渡
  3. CSSホールディングス子会社がパトリオットバトンを子会社化
  4. 小僧寿しがデリズを子会社化
  5. ヨシムラ・フード・ホールディングスがおむすびころりん本舗を子会社化
  6. オイシックスドット大地が、らでぃっしゅぼーやを子会社化
  7. オレンジフードコートがレンブラントホールディングスに事業譲渡
  8. 日本KFCホールディングスが日本ピザハットを譲渡
  9. ミツウロコグループホールディングスがスイートスタイルを子会社化
  10. アクロディアが渋谷肉横丁を子会社化

JFLAホールディングスが栄喜堂を子会社化

2022年3月、JFLAホールディングスは、栄喜堂の全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は公表されていません。JFLAホールディングスは、飲食店事業、飲食料品の製造・卸売・輸出入・販売などを行うグループの持株会社です。栄喜堂は、パン菓子類製造・販売と製パン製菓材料の製造・販売を行っています。

JFLAホールディングスは、グループ内における飲食料品生産事業の強化が実現し、グループ内での高いシナジー効果も得られると判断しました。

株式会社栄喜堂の株式取得による子会社化に関するお知らせ

アクトコールが子会社をPATINAに譲渡

2018年11月、アクトコールは、飲食店の企画・運営を手掛ける子会社COURTESYの全株式を、ホテル運営のPATINAに譲渡しました。譲渡価額は1円です。COURTESYにおける当時の直近売上高は1億4,600万円でしたが、営業利益-7,080万円、純資産-8,220万円の状態でした。

アクトコールは、COURTESYが債務超過に陥り業績改善の見込みも厳しいので、PATINAに運営を託しています。

CSSホールディングス子会社がパトリオットバトンを子会社化

2018年8月、CSSホールディングスの子会社センダンが、外食事業のパトリオットバトンにおける全株式を取得し完全子会社化しました。完全な異業種ではなく、関連業界によるM&Aの事例です。パトリオットバトンは、当時、外食事業として5店舗を運営していました。

センダンは、福祉施設や老人ホーム、ホテルの社員食堂や朝食レストランなどにおいて食事サービスを提供する給食受託事業を行っている会社です。CSSホールディングスは、自社グループのフードサービス業における新たな領域の拡大を目的としています。

当社子会社による株式取得(孫会社化)に関するお知らせ

小僧寿しがデリズを子会社化

2018年6月、小僧寿しは、簡易株式交換を実施し、宅配食代行サービスのデリズを完全子会社化しました。小僧寿しは、デリバリー事業の拡大成長のために、このM&Aを実施しています。

簡易株式交換による株式会社デリズの完全子会社化に関するお知らせ

ヨシムラ・フード・ホールディングスがおむすびころりん本舗を子会社化

2018年3月、ヨシムラ・フード・ホールディングスは、フリーズドライ商品の製造・販売を行っているおむすびころりん本舗の全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は1億5,700万円です。子会社化と合わせて、4億500万円の第三者割当増資を引き受けました。

ヨシムラ・フード・ホールディングスは、中小の食品会社をM&Aで子会社化し、各社の強みを連携させて個社の弱みを補完するコンセプトで事業展開しています。このM&Aでは、おむすびころりん本舗の持つ高いフリーズドライ技術を評価しグループ会社に加えました。

オイシックスドット大地が、らでぃっしゅぼーやを子会社化

2018年2月、オイシックスドット大地(当時)は、NTTドコモの子会社で会員制食品宅配業を行っている、らでぃっしゅぼーやの全株式を取得し完全子会社化しました。同年10月には、経営統合のために両社の合併を行い、社名をオイシックス・ラ・大地に変更しています。

このM&Aをきっかけとして、NTTドコモと共同でミールキット専用ECサイトの立ち上げなども実施されました。

らでぃっしゅぼーや株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

オレンジフードコートがレンブラントホールディングスに事業譲渡

2017年7月、オレンジフードコートは、「ドムドムハンバーガー」などハンバーガー事業の一部を、レンブラントホールディングスに譲渡しました。譲渡価額は公表されていません。レンブラントホールディングスは、ホテル事業・不動産事業・再生事業などを行っている会社です。

そのうちの再生事業における一環として、オレンジフードコートの持つドムドムハンバーガー43店舗のうち22店舗および他の6店舗と、ドムドムハンバーガー事業におけるフランチャイザーとしての地位を譲受しました。

日本KFCホールディングスが日本ピザハットを譲渡

2017年6月、ケンタッキーフライドチキンを運営する日本KFCホールディングスは、連結子会社である日本ピザハットとフェニックス・フーズの全株式をエンデバー・ユナイテッド・パートナーズ・シックスに譲渡しました。譲渡価額は公表されていません。

エンデバー・ユナイテッド・パートナーズ・シックスは、エンデバー・ユナイテッドが運営するファンドの特別目的会社です。フェニックス・フーズも日本ピザハット同様にピザやドリンクなどの生産・販売を行っています。

エンデバー・ユナイテッドとしては、投資先役員との協調体制で、ピザハット事業を、より一層スピーディーで効率的な体制を構築しポテンシャルをさらに発揮させる方針です。

日本KFC、ピザハットを売却 全株式ファンドに譲渡

ミツウロコグループホールディングスがスイートスタイルを子会社化

2017年4月、ミツウロコグループホールディングスは、スイートスタイルの全株式を取得し完全子会社化しました。譲渡価額は公表されていません。

ベーカリー「麻布十番モンタボー」、カフェ「元町珈琲」の直営およびFC展開をしているスイートスタイルは、丸紅の子会社アイ・シグマ・キャピタルが運営・管理するアイ・シグマ・キャピタル・ファンドが全株式を所有していました。

ミツウロコグループホールディングスの子会社ミツウロコプロビジョンでは、売店やレストレラン、VC加盟店の運営などを行っており、スイートスタイルと連携させてシナジー効果が得られ両社の業績が向上することを期待しています。

アクロディアが渋谷肉横丁を子会社化

2017年3月、ECサイトなどの事業展開をしているアクロディアは、渋谷肉横丁の全株式を取得し完全子会社化しました。取得価額は5億3,400万円です。

渋谷肉横丁は、東京都渋谷区の渋谷センター街に立地し、不動産のサブリース・売買・賃貸・管理・仲介、飲食店の経営を行っており、年間40万人が来店する事業を運営する予定でした。

アクロディアは、渋谷に集まる若年層向けに同社のIT技術を結びつけ、事業シナジーを得て業績拡大することを企図しています。

飲食店の事業承継の成功/失敗事例については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】飲食店の事業承継の成功/失敗事例15選!成功のポイントや案件も紹介!

2. 飲食店のM&Aの最新動向

ここでは、最近の飲食店におけるM&A動向について、譲渡側・譲受側に分けて特徴を見ていきましょう。

譲渡側の主な目的は事業の存続・成長

2023年の外食業界は回復基調が続き、売上は前年比114.1%、コロナ前の2019年比で107.7%と増加しました。この回復には、4月の入国規制緩和によるインバウンド需要の拡大が寄与しています。

ただし、客数は2019年の水準に達しておらず(90.9%)、売上増の背景には原材料費高騰などによる価格改定で客単価が上昇したこと(107.3%)が影響しています。

業態別では、テイクアウトやデリバリー対応の有無が結果を左右し、「ファーストフード」が120.1%と好調。一方で、それ以外の「ファミリーレストラン」や「ディナーレストラン」は伸び悩み、「居酒屋」は店舗数減少も影響し厳しい状況(66.5%)が続いています。


参考:日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査令和5年(2023年)年間結果報告」

譲受側の主な目的は新規事業・海外市場への進出

飲食店は参入障壁が低いため、異業種からの参入が多い業種です。しかし、国内市場は飽和状態であり、また少子化による人口減少の影響で将来の市場縮小が予想されています。ただし、海外市場であれば、日本食や日本式の飲食サービスは拡大できる余地があり、十分なターゲットです。

昨今の大手企業には、異業種であれ同業種であれ、海外市場への進出や新規事業への参入を狙って、積極的に海外の飲食店を買収する動きが見られます。国内企業が海外企業との間で行うM&Aは、クロスボーダーM&Aと呼ばれています。

クロスボーダーM&Aの成功要因・メリットについては下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】クロスボーダーM&Aとは?メリットや成功ポイントとリスクを解説!

3. 飲食店のM&Aの相場

飲食店を買いたい、経営をしたいと考えているのであれば、その有効な手段としてM&Aの検討がおすすめです。飲食店の経営権を取得して、ノウハウや開業にかかるコストを激減できるメリットがあるからです。

逆にいえば、ノウハウを持たない未経験者の場合、飲食店を開業し成功させるのは難しいといわざるを得ません。ここでは、M&A取引額の相場を解説します。

飲食店のM&Aの相場は千差万別

飲食店のM&Aをしたい・買いたいと考える場合、最初に資金面が気になるはずです。果たして、その相場はどれくらいなのでしょうか。結論からいうと、飲食店のM&Aは個々に条件も状況も異なるため、全てを平均化して相場金額を明示するのは難しいです。

店舗の広さ、飲食ジャンルや設備投資の違い、立地条件その他さまざまな要素によって、金額は全く変わります。ただし、新しく飲食店を開業するよりも、M&Aで買収する方が少ないコストですむのは明らかで、それゆえに飲食店のM&Aは今、注目されています。

たとえば、従業員も含めてM&Aで飲食店を買収するのであれば、採用コストなども一切かからず、スピーディーに事業を展開可能です。

金額を決定する要素

飲食店のM&A相場で、金額を決定する要素について確認しましょう。金額に直結する重要な要素として考えられる条件は、以下のとおりです。

  • 売上高
  • ブランド力
  • 店舗数
  • 立地

飲食店を譲渡する側も買いたいと思っている側も、上の4大条件を分析しながら金額交渉を始めます。従業員の有無・人数・教育度や、今後の売上見込みと利益率の兼ね合いなどの要素も加味され、最終的な取引金額が定まります

M&Aの譲渡価格の相場については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】M&Aの価格相場はいくら?価格算定方法や交渉方法も解説!
  • 飲食店のM&A・事業承継

4. 飲食店のM&A・買収の流れ

初めて飲食店を買いたいと思いM&Aを志す場合、具体的な手続きの流れは未知の領域でしょう。そこでここでは、M&A仲介会社に業務を依頼する際における飲食店M&Aの流れを説明します。具体的なプロセスは細部で異なる場合もあり得ますが、一般的なM&A買収の大まかな流れは以下のとおりです。

  • 飲食店買収の事前準備
  • 売り手とのマッチング、選定、交渉
  • 売買成立

飲食店買収の事前準備

飲食店を買いたいと検討しているとき、最初に事前準備が必要です。この事前準備とは、買収対象にかかわらずM&Aでは最初にやるべきプロセスをさします。事前準備を怠ると、いざというときに対応できなかったり、トラブルを招いたりするので、ここのプロセスはしっかりと行うことを心がけましょう。

本当に飲食店を買収すべきか

飲食店のM&Aを検討するとき、一番に重要視する点は、なぜ飲食店を買いたいのかです。単純に飲食店を買いたい、飲食店を持ちたいなどという理由ではなく、1つのビジネスであることを念頭に置かなければなりません。

金額や相場、メリットも重要ですが、ここでは、「飲食店のM&Aを行う目的や戦略」「買収したい飲食店の条件(業種や経営方針)」「飲食店のM&Aにおける基本的な計画」などを明確にし、飲食店M&Aに臨むことが必要です。最低限、これらの目的を明確にしなければ、飲食店のM&Aは成功できません。

M&Aアドバイザーの選定・契約

他業種のM&Aでもそうですが、飲食店のM&Aでもアドバイザーの選定は重要な部分になります。M&Aには専門知識・経験を必要とする手続きが多種多様にあるからです。本業に集中しながらM&Aを狙うなら、サポートを頼める人材を必要とします。

資料や契約書の作成から条件交渉まで、手厚いアドバイスとサポートを受けられるので、M&Aアドバイザーへの業務依頼を検討しましょう。

 

売り手とのマッチング、選定、交渉

飲食店のM&Aを行う目的を明確にしM&Aアドバイザーの選定が終われば、次は、飲食店の売り手とのマッチングに入ります。飲食店を買いたい場合は、希望や条件に合う売り手を見つけなければなりません。ここでは、売り手とのマッチングと、その後における交渉プロセスを説明します。

売り手とのマッチング

M&Aアドバイザーとの相談で、どのような飲食店を買いたいのか正確に伝えましょう。M&Aアドバイザーは、それを受けて、譲渡を希望している飲食店を探し、条件に合う買収先候補を見つけます。

この際、飲食店の経営スタイルはどのようにしたいのか、月の売上目標における設定や年間売上高はどれくらいにしたいのかをM&Aアドバイザーに伝え、検討していくでしょう。実際に飲食店に出向き、売り手の案内を受けたり、面接をしたりする機会を持ちます。

売却条件交渉と基本合意書の締結

条件の合致する売り手が定まれば、続いて、売り手側と譲渡金額、従業員の処遇、その他条件などを交渉していきます。ここでは、お互いが納得のいくまでしっかりと時間をかけて条件を交渉していき、M&Aの詳細条件を決めるので、後々のトラブル回避になるでしょう。

M&Aアドバイザーに業務を依頼していれば、交渉は全て任せられるので自分が交渉を行う必要はありません。条件交渉がまとまれば、基本合意書の締結に移り、双方が合意している条件や交渉期間などを記載した契約書を作成します。基本合意書は現時点での合意内容確認書といった位置付けです。

法的拘束力はなく、まだM&Aが成約したわけではないので注意しましょう。

デューデリジェンスの実施

基本合意書の締結が終われば、買い手側は売り手側に対してデューデリジェンス(Due Diligence)を実施します。デューデリジェンスとは、専門家などに依頼して、売り手側における飲食店のリスク調査や債務など財務面、税務面、法務面などについて監査するプロセスです。

これは非常に重要なプロセスであり、どのような業種のM&Aでも必ず行われます。デューデリジェンスで何か問題が発覚した場合は、譲渡金額が減額されたり、M&Aが破談となったりするので注意しましょう。

売買成立

デューデリジェンスの結果、特に悪い事象は出ず、交渉どおりに飲食店を買いたいと思えれば、売買を成立させるためのプロセスに入ります。飲食店M&Aの売買を成立するために欠かせないプロセスとして、以下の手続きが代表的です。

店舗資産譲渡契約の締結

売り手と売買条件の折り合いがついたら、店舗資産譲渡契約の締結を行います。店舗資産譲渡契約書とは、備品の確認や造作一式の物品リストなどを含めた、店舗内の譲渡する資産について細かな条件を決めた契約書です。

買い手の貸借契約の締結と売り手の解約手続き

飲食店M&Aは店舗を持つビジネスになるので、賃貸条件が合意されたときに、買い手と賃貸オーナーとの間で貸借契約の手続きを行います。同時に、売り手飲食店のオーナーによる解約手続きも必要です。店舗が賃貸物件でなく売り手の所有資産で、これが譲渡されたなら、賃貸契約などの手続きはありません。

引渡しと買収金額の振込

全ての契約関係が合意されたら、引渡しに移ります。飲食店店舗の引渡しには、売り手とM&Aアドバイザーが立ち会い、電気・水道・ガス・設備・売却物品の確認を行うでしょう。問題がないのを確認できれば、買収金額を振り込んで飲食店のM&Aは完了します。

5. 飲食店のM&A・買収を行うメリットとデメリット

ここでは、飲食店のM&A・買収を行うメリット・デメリットについて見ていきましょう。

メリット

まずは、飲食店のM&A・買収を行うメリットを具体的に説明します。代表的なメリットを理解して、今後のM&A・買収に役立ててください。飲食店のM&A・買収をするうえで、メリットはさまざまなものがあります。その中でも代表的な飲食店のM&A・買収のメリットは、以下の3点です。

  • ノウハウの獲得
  • 従業員の獲得
  • 営業権の獲得

ノウハウの獲得

新規ビジネスとして飲食店の経営を考えていても、ノウハウや知識がなければ運営に不安を感じるでしょう。M&Aで飲食店を買収すれば、売り手における飲食店の経営ノウハウを全て獲得できます。

これにより、ノウハウを身につける時間や手間を削減できますから、飲食店を始めたいと考えている場合は、新規で立ち上げるよりも大きなメリットです。

従業員の獲得

飲食店を経営するのに一番大事なのは、人材の確保です。飲食店のM&Aでは、居抜き物件を買収するだけでは得られない、従業員の獲得も一緒にできます。人材の育成や確保はかなりの時間と金額がかかるので、これも大きなメリットです。

営業権の獲得

この場合における営業権とは、飲食店を経営するための資格や所轄機関への届出・申請に関することを意味します。それらは、飲食店経営に欠かせませんが、新たに取得するには、それなりの手間や時間がかかるものばかりです。

M&Aで会社ごと買収すれば、丸ごと取得できるので、スムーズに開業できます。

デメリット

飲食店のM&Aでは、さまざまなメリットがある反面、デメリットも存在します。たとえば、ノウハウを獲得できる一方で、飲食店の運営コンセプトを自身で変えるのが難しい点などです。コンセプトを変えたいなら、新規出店や従業員の追加・変更を試してみましょう。

ただし、M&Aの完了後、経営が落ち着いた段階でするべきです。大幅な変更は従業員が反発し、流出してしまうリスクがあります。

M&Aの買い手が持つべき心構えについては下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】M&Aの買い手が持つべき心構えと狙い!M&Aのメリット・デメリット、失敗しないためのポイントも解説

6. 飲食店のM&A・売却・譲渡を行うメリットとデメリット

ここでは、飲食店のM&A・売却・譲渡を行うメリット・デメリットについて見ていきましょう。

メリット

飲食店のM&Aにおける売却・譲渡側のメリットは、以下のとおりです。

  • 撤退金額を削減できる
  • 譲渡利益が獲得できる

店舗数が多い飲食店の運営企業では、撤退をする場合、スケルトン工事をして退去しなければならず、スケルトン工事にかなりの金額がかかってしまいます。この金額を抑えられ譲渡利益も入るので、飲食店を売却・譲渡する側は、M&A後にまた違う事業を行える余地が得られるでしょう。

撤退にかかる費用

飲食店を撤退する場合には、原状回復費と解約予告家賃がかかってしまいます。大概の建物賃貸借契約において、賃貸借契約の終了後、賃借人は物件を原状回復して引き渡す旨が定められているからです。

入居する前の状態に戻す原状回復工事費用や、コンクリートむき出しの躯体のみの状態にするスケルトン戻しなどの工事にかかる費用は、かなりの金額です。階数など物件の条件にもよりますが、工事費用は坪当たり5万~10万円程度かかるでしょう。

解約予告家賃とは、物件を借りておらずとも発生する家賃です。期間はケースによって変わりますが、長くて10カ月におよぶ場合もあるので、事前に確認しましょう。たとえば、6カ月の解約予告期間であれば、家賃が20万円と仮定すると120万円の費用が発生します。

デメリット

飲食店を売却・譲渡する場合にも、気をつけたいデメリットがあります。それは、こちらの希望どおりの条件で買い手が現れない・見つからないことです。M&Aは相手がいて成立するものであり、買い手としてはできるだけ安価な金額で買収したいのが本音でしょう。

あまりにも高額な条件をつけている飲食店の場合、買収の対象から外されてしまうかもしれません。買い手のニーズも把握したうえで条件提示をする必要があります。

7. 飲食店のM&A・売却・譲渡の案件情報

ここでは、M&A総合研究所が担当するM&A・譲渡案件の中から、飲食店に関するものの一部を抜粋して4件、掲示します。詳細は、案件情報下部のリンク先からご覧ください。

【繁華街で飲食店5店舗/Google口コミ高評価】の飲食業

5店舗各店舗にベテランの料理長を配置し、それぞれ独自のメニューや内観で競合会社と差別化しています。直接市場で食材の鮮度を確認し、厳選食材を使用しています。
 

エリア 九州・沖縄
売上高 2.5億円〜5億円
譲渡希望額 5000万円〜1億円
譲渡理由 事業存続に対する不安

【関連】【繁華街で飲食店5店舗/Google口コミ高評価】の飲食業(飲食店・美容) | M&A総合研究所

【地域需要を取込み高収益化】九州地方の飲食店

九州地方にて飲食業を手掛ける企業です。好立地および豊富なメニュー設計で、リピーター客を中心に数十年間に渡り安定経営しています。
 

エリア 九州・沖縄
売上高 1億円〜2.5億円
譲渡希望額 5000万円〜1億円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【関連】【地域需要を取込み高収益化】九州地方の飲食店(飲食店・美容) | M&A総合研究所

【好立地/EBITDA8,000万円以上の高収益】首都圏の飲食店

全店舗黒字経営で、仕入や人件費の効率がよく、コロナ後好調に推移しています。2025年期は営業利益1億円越えを見込んでいます。
 

エリア 関東・甲信越
売上高 5億円〜10億円
譲渡希望額 5億円〜7.5億円
譲渡理由 後継者不在(事業承継)

【関連】【好立地/EBITDA8,000万円以上の高収益】首都圏の飲食店(飲食店・美容) | M&A総合研究所
【関連】飲食店を売却・買取・譲渡するならM&Aがオススメ!相場より安く買収できる?

8. 飲食店のM&A・売却・譲渡案件の探し方

飲食店のM&A・売却・譲渡案件を探す場合、M&Aマッチングサイトを利用するのも便利です。ここでは、おすすめのM&Aマッチングサイトを紹介します。

飲食店.COM

飲食店.COMは、シンクロ・フードが提供する飲食業向けメディアプラットフォームです。他にも飲食店求人サイトや店舗デザインマッチングサイトなどを運営しています。

バトンズ

BATONZ(バトンズ)は、M&A、事業承継、事業譲渡のプラットフォーム・マッチングサイトです。事業の後継ぎを探したい方から、後を継ぎたい方への経営におけるバトンタッチを、士業事務所や金融機関などと協働しながらサポートしています。

TRANBI

TRANBI【トランビ】は、事業承継・M&Aプラットフォームです。わかりやすい料金設定で、実績もあります。

9. 飲食店のM&A・買収における注意点

飲食店を買いたい場合、具体的な候補があがってくると、慌てて決めてしまいがちです。しかし、それでは、リスクやデメリットを被ってしまうかもしれません。ここでは、食店を買いたい場合に注意するべき点について、以下にまとめます。

  • スピーディーに判断しよう
  • 必ずデューデリジェンスをしよう
  • ビジネスモデルを整理しよう
  • 希望条件を明確化しよう
  • M&A仲介会社に相談しよう

スピーディーに判断しよう

これは飲食店M&A以外でも共通していますが、「迷っている間に他社に買収されてしまった」などといった事例もかなりあります。買いたい飲食店があれば、早めにアプローチをかけて条件などを交渉するべきです。

最終的な判断を急ぐ必要はないので、他の人よりも早く交渉を進めて、独占交渉ができる状態を作ればM&Aは成功しやすくなるでしょう。

必ずデューデリジェンスをしよう

スピーディーな交渉が必要な飲食店M&Aですが、デューデリジェンスはしっかりと行いましょう。デューデリジェンスとは、士業などの専門家に依頼して、リスクの洗い出しや債務などの監査を行うプロセスです。

売り手やM&Aアドバイザーを信頼しているからといって、デューデリジェンスを怠るとかなりリスクが高くなります。事業の問題点をしっかりと理解し、飲食店買収の交渉を進めていくのも重要なプロセスです。デューデリジェンスを行い、リスクの回避や経営問題の解決につなげましょう。

ビジネスモデルを整理しよう

M&Aを行うとき、ビジネスモデルの整理が必要になります。買収金額の相場と相手のビジネスモデルが合っているか確認したり、買収後のビジネス展開における目標を見つけたりしなければ、ただ買いたいと思って買収しても、後に業績が悪化する可能性があるでしょう。

相場からの条件交渉やその事業が自分に合っているかなどをわかっていれば、円滑に取引を進められるのでビジネスモデルの整理は怠らないでください。

希望条件を明確化しよう

M&Aで飲食店を買いたいときに、全ての条件を認めてもらったうえで希望どおりの価格に決めるのは困難です。譲れない条件や妥協してもいい条件を決めておくとM&Aがスムーズに進み、売却側とのいざこざが起こらずに進められます。

完璧なM&Aを行うのも大事ですが、買収側はその後における経営も考えて行わなければならないので、飲食店の状況も考えたうえで希望条件を明確にしましょう。

M&A仲介会社に相談しよう

飲食店のM&Aを検討しているのであれば、M&A仲介会社に相談しましょう。M&A仲介会社に相談をすると、以下の点を任せられます。

  • M&Aの戦略策定
  • 買収先候補の洗い出し・提案
  • 相手との条件交渉
  • 契約書や提示書類の作成
  • デューデリジェンスで必要な専門家の紹介

これらを自社だけで行うと、かなりの時間と労力がかかります。M&Aに不慣れな場合、思わぬトラブルに発展するかもしれません。たとえば、契約書の内容確認が甘く、従業員の引き継ぎや営業開始が思いどおりにいかないケースもあります。

M&A自体は成立しても、その後にトラブルが発生すると飲食店経営どころではなくなってしまうでしょう。M&A仲介会社にサポートを依頼すれば、円滑にM&Aを成立させられます。

飲食店M&AならM&A総合研究所

飲食店のM&Aを実施される際は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。業界に関する豊富な知識と支援実績を持つM&Aアドバイザーが、M&A成立に向けてフルサポートします。通常、M&Aは10カ月~1年以上かかるといわれていますが、成約まで最短3カ月の実績がある機動力も強みです。

料金体系は、成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談を行っていますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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10. 飲食店のM&A・買収と居抜きの違い

一見、混同しがちですが、M&Aによる飲食店の買収と、居抜きは全く違います。居抜きとは、不動産用語の居抜き物件を省略した呼称です。具体的には、建物を売る場合、あるいはテナントを貸す場合に、調度品や設備・備品類を現在の状態で売る、または貸す取引をさします。

特に飲食店を始める場合は、新しく工事を行うよりも安上がりになるので、居抜き物件の取引は少なくありません。しかし、あくまでも店舗物件を売る・貸すだけの話であり、事業も含めて売買するM&Aとは異なります。

居抜きのメリット・デメリット

M&Aではなく居抜きで物件をそろえて飲食店を開業するときは、提供メニューのジャンル変更などを行い、新たな業態で出店可能なところがメリットといえます。従業員の確保やノウハウ、マネージメントが難しいところがデメリットです。

自分で新たな飲食店舗を作り上げていきたい場合は、居抜きのメリットが意味を持つでしょう。

飲食店の事業譲渡/売却については下記の記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。

【関連】飲食店の事業譲渡/売却は株式譲渡より得?相場や事例も解説!

11. 飲食店のM&Aを手掛けるブティックとは

ここでは、飲食店のM&Aを手掛けるブティックについて見ていきましょう。

M&A仲介会社との違い

売却側と買収側の間に入り、M&Aを進めるのがM&A仲介会社で、M&A専門家が集まっているのが、ブティックです。M&A仲介会社、コンサルティングファーム、銀行、証券会社などはM&Aブティックに含まれます。M&A仲介会社とブティックは、違いはないといえるでしょう。

M&Aアドバイザーとの違い

M&AアドバイザーはM&Aの専門家ですが、M&Aのサポートを行う個人で組織ではないので、ブティックには含まれません。M&Aアドバイザーとブティックは、M&Aを専門にサポートする点では同じです。

ちなみに、M&Aアドバイザーが集まった組織であるコンサルティングファームなどは、ブティックに入ります。

M&Aブティックの仕事内容

ここでは、M&Aブティックの仕事内容を見ていきましょう。

M&A戦略・手法策定のアドバイス

M&Aブティックは、豊富な知識や経験から、M&A戦略の策定や戦略に見合う手法に関してアドバイスを実施します。手法策定により、法務や税務面などに影響を与えるので、M&A専門家からアドバイスをもらえばリスクが減ります。

マッチング支援

M&Aは相手がいなければ、始まりません。自社のみで買収側や売却側を探すのは困難でしょう。M&Aブティックは、経験や人脈などを活用してマッチング支援を行うので、相手先を見つけるのに大いに役立ちます。

M&A条件交渉のサポート

M&Aの条件を交渉する際に要するコミュニケーション能力や交渉スキルがあるM&Aブティックは、売却側と買収側の間に入って交渉を行います。自分では伝えにくい相手への要望なども、上手に伝えてくれるでしょう。

バリュエーション

バリュエーションとは、買収価格を決定する際の算定プロセスをいいます。M&Aで、企業価値評価は一般的な方法がありますが、専門知識が要るので自社で算出するのは難しいでしょう。M&Aブティックは、バリュエーションも円滑に進めてくれます。

デューデリジェンス

デューデリジェンスとは、買収側が売却側を調査することで、財務面や法務面などいろいろな分野で調査します。各分野の専門知識が必要で、調査範囲も広いでしょう。

法務面は弁護士、財務面は公認会計士、税務面は税理士など、専門家に依頼しますが、M&Aブティックはデューデリジェンスも実施します。

各種契約書の作成

法律に基づいて契約書を作るため、弁護士などM&A専門家のサポートが必要です。M&Aブティックは、各種契約書を作成する知識があるので、リスクを抑えて効率的に各種契約書の作成を進められるでしょう。

クロージング

クロージングでは、契約書締結の条件を満たしたり契約書締結に必要な資料などを集めたりするので、網羅的な準備が必要です。M&Aで重要とされるPMIも実施します。M&Aの成功にはPMIの成功が欠かせません。

M&Aブティックは、PMIを含めたクロージングもサポートしてくれます。

国内のM&Aブティック一覧

下表に、国内の主要なM&Aブティック一覧をまとめました。
 

仲介会社 日本M&Aセンター
M&Aキャピタルパートナーズ
ストライク
M&A総合研究所
インテグループ
レコフ
コンサルファーム 山田コンサルティンググループ
デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー
PwCアドバイザリー
メガバンク 三菱UFJフィナンシャル・グループ
みずほフィナンシャルグループ
証券会社 野村證券
SMBC日興証券

12. 飲食店のM&Aのまとめ

飲食店は入れ替わりの激しい業界で、売り手も買い手も常に多くいる状態です。飲食店を開業したいのであれば、小規模でもM&Aを活用しましょう。スムーズに売り上げを確保するのも不可能ではありません。

その際は、M&A仲介会社など専門家のサポートを得て進めると、円滑なM&A実現が可能になります。

13. 飲食店業界の成約事例一覧

14. 飲食店業界のM&A案件一覧

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