製造(メーカー)業界のM&A動向!会社売却のメリットや注意点・事例22選を徹底解説【2023年最新】

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

日本の製造業(メーカー)は、第二次産業の一大分野です。現在の製造業(メーカー)におけるM&Aでの売却・買収動向やその事例、売却・買収が行われる理由、M&Aの価格相場、M&Aのメリットと注意すべきポイントや22事例などを解説します。

目次

  1. 製造(メーカー)業界とは
  2. 製造(メーカー)業界の現状
  3. 製造(メーカー)業界のM&A動向
  4. 製造業(メーカー)のM&A・売却・買収するメリット
  5. 製造(メーカー)業界のM&Aの相場
  6. 製造(メーカー)業界のM&Aでの注意点
  7. 製造業(メーカー)のM&Aの流れ
  8. 製造(メーカー)業界のM&A事例22選
  9. 製造業(メーカー)のM&A・売却案件例
  10. 製造業(メーカー)のM&A・売却・買収を行う際におすすめの相談先
  11. 製造業(メーカー)のM&A・売却・買収まとめ
  12. 業務・産業用機械製造業界の成約事例一覧
  13. 業務・産業用機械製造業界のM&A案件一覧
  • 業務・産業用機械製造会社のM&A・事業承継

1. 製造(メーカー)業界とは

本記事では、製造業(メーカー)のM&A動向やM&A事例を紹介します。まずは、製造業(メーカー)の定義や、M&Aの意味を解説します。

製造業(メーカー)の定義

製造業(メーカー)とは、原材料を加工したり組み立てたりして製品を作っている企業のことです。総務省の定義では「新たな製品を製造し、これを卸売する事業所」が製造業であり、この「新たな製品の製造」には、金属加工・修理・部品の組み立て作業が含まれますが、梱包や包装作業のみを扱う事業所は製造業に該当しません。

また、定義にある「卸売」とは、消費者ではなく業者に対して製品を販売することです。つまり「新たな製品の製造」と「卸売」2つの条件を満たす事業所を製造業といい、製造業(メーカー)に該当する分野は、各種機械・電子機器・化学製品・衣料品・食料品など多岐にわたります。

製造業(メーカー)の分類

日本標準産業分類(総務省)では、製造業を以下の24業種の中分類に分類しています。
 

製造業
  • 食料品製造業
  • 飲料・たばこ・飼料製造業
  • 繊維工業
  • 木材・木製品製造業(家具を除く)
  • 家具・装備品製造業
  • パルプ・紙・紙加工品製造業
  • 印刷・同関連業
  • 化学工業
  • 石油製品・石炭製品製造業
  • プラスチック製品製造業
  • ゴム製品製造業
  • なめし革・同製品・毛皮製造業
  • 窯業・土石製品製造業
  • 鉄鋼業
  • 非鉄金属製造業
  • 金属製品製造業
  • はん用機械器具製造業
  • 生産用機械器具製造業
  • 業務用機械器具製造業
  • 電子部品・デバイス・電子回路製造業
  • 電気機械器具製造業
  • 情報通信機械器具製造業
  • 輸送用機械器具製造業
  • その他の製造業

製造業(メーカー)の歴史・変遷

トヨタ、ソニー、パナソニックなどに代表される日本の製造業は、世界の中でもトップクラスの技術と業績を誇っていました。

しかし、1990年代以降、中国、台湾などの新興家電メーカーの台頭で、日本の製造業の地位は急激に低下しました。その主な理由には、日本企業が持つ技術のコモディティ化が進み、国際的な競争力が相対的に低下したことが挙げられます。

今後、日本の製造業は、性能以上の付加価値を付けられるかが重要です。

M&A・売却・買収とは

M&A(Mergers and Acquisitions)とは、株式譲渡事業譲渡などによって株式や事業用資産の売買を行ったり、合併によって複数の法人を統合したりする手法の総称をいいます。Mergersは合併、Acquisitionsは買収のことです。

製造業(メーカー)では、以前まで大企業・中堅企業によるM&Aがほとんどでした。近年では、中小企業による事業承継を目的としたM&Aが増加しています。

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2. 製造(メーカー)業界の現状

製造(メーカー)のM&Aを検討している場合、市場規模や動向など基本的なことを把握しておくことが重要です。ここでは、製造(メーカー)業界の現状について解説します。

製造業(メーカー)の市場規模

経済産業省「2023年版ものづくり白書 」

出典:https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2023/pdf/honbun_1_1_1.pdf

経済産業省「2023年版ものづくり白書」によれば、2022年第4四半期の国内GDP総額は547.4兆円であり、そのうち製造業は112.5兆円で全体の20.6%を占めました。

また、国内における製造業の2021年の1人当たり労働生産性は、全産業の約1.3倍に相当する1077万円となり、2011年から2021年まで上昇傾向が続いています。

製造業は日本経済の中心的存在ですが、企業の全般的業況をみると、2022年の大規模製造業では原材料費の高騰などにより悪化となりました。中小規模製造業は一旦は改善傾向がみられたものの、2023年に入ると再び悪化しており、今後の動向を注視していく必要があるでしょう。

参考:経済産業省 「2023年版ものづくり白書」

原材料、エネルギーコストの高騰

日本の製造業は原材料の輸入割合が高く、世界情勢や円安の影響を受けやすいという特徴があります。近年は新型コロナやロシアのウクライナ侵攻など予測困難な事象が続いたこともあり、原材料の高騰による利益の圧迫が続いている状況です。

原材料の供給量は落ち着きを取り戻しつつあるものの価格高騰が続いており、さらにエネルギーコストの上昇も製造業者に大きなダメージを与えています。

製造業者にとってコスト負担増加が大きくのしかかっており、生産拠点の拡充・変更や原材料やエネルギーの調達先など、製造業界では企業の枠を超えてサプライチェーンを強靱化することが大きな課題です。

カーボンニュートラルへの対応

近年、世界ではカーボンニュートラル実現を目指す国や地域が急増しています。そのGDP総計は世界全体の約9割にも上り、ロシアのウクライナ侵攻やその影響による燃油の高騰があっても、カーボンニュートラル実現を目指す流れは変わらず、排出削減と経済成長を両立させるグリーントランスフォーメーションへの投資競争が激化している状況です。

日本のCO2排出量を業種別にみると製造業は36%と最も高い割合となっており、鉄鋼・窯業・セメント・紙パルプ・化学といった素材産業がその7割を占めており、脱炭素化への取り組み強化が課題となっています。

製造業界でもカーボンニュートラル実現を目指す動きは進んでおり、経済産業省「2023年版ものづくり白書」によれば、大企業では約9割、中小企業では約5割が脱炭素化に向けたへの取組に着手していることがわかりました。

同資料によれば、脱炭素化へ向けた取り組みを行っている企業の約7割はメリットを感じていますが、残り約3割の企業は効果を感じていないのが現状です。

カーボンニュートラル実現を目指すためには、コスト負担もかかります。コスト分を回収してさらに利益を出すためには、脱炭素化への取り組みを機にDX化を進めたり新規事業を手掛けたりなど事業戦略を見直すことも必要といえるでしょう。

参考:経済産業省「 2023年版ものづくり白書」
参考:経済産業省製造産業局「製造業を巡る現状と課題 今後の政策の方向性」

設備投資の推移

製造業界の設備投資額の推移をみると、2008年は5兆円を超えていたものが2010年は3兆円と一気に減少しました。しかし、その後は増加傾向が続き、2019年には約4.5兆円まで増えています。2020年は新型コロナ感染拡大の影響により大きく落ち込みますが、2021年以降は再び増加傾向が続いている状態です。

また、2022年の設備投資の目的内訳をみると、設備の拡大や更新が多い一方で、システム・DX投資や脱炭素関連への投資額が伸びてきており、特に脱炭素関連への投資額は2022年の投資額は2020年の約3倍となりました。これらのデータから、製造業界では脱炭素化への取り組みが進んでいることがうかがえます。

人材不足

経済産業省「2023年版ものづくり白書」によれば、製造業の就業者割合は2019~2021年にかけて減少したものの、直近においては2021年が1045万人、2022年は1044万人でした。

そのうち若年就業者数(34歳以下の就業者数)は2002~2012年頃まで減少傾向が続いた後、以降はほぼ横ばいでの推移となっています。2022年の若年就業者数は255万人であり、2002年の384万人からは129万人減少しており、若手人材が大幅に不足している状態です。

その一方で高齢就業者数(65歳以上の就業者数)は32万人の増加となっており、国内の少子高齢化は製造業界にも大きな影響を与えており、超高齢化社会を前に業界では人材確保が課題となっています。

参考:経済産業省 「2023年版ものづくり白書」

3. 製造(メーカー)業界のM&A動向

昨今、製造業(メーカー)のM&A動向は以下のように推移しています。

①大手企業による中小規模の部品メーカーのM&Aが増加

近年は、大手企業による中小部品メーカーのM&Aが増加中です。大手企業が自社グループ内で一貫した製造を行うようになってきていることが理由として挙げられます。

中小部品メーカー側も、大手企業の傘下に入ることで、求められるクオリティの高さに対応するようになってきました。

②IT化などの導入を行うための異業種M&Aが見られる

業界の変革に対応するため、異業種企業とM&Aを行い、ビジネスモデルを変革する企業が目立つようになりました。特にAIやIoTに対応するため、IT関連企業をM&Aによって取り込む企業が増えています。

③本業を革新させるM&Aが行われている

製造業(メーカー)では、事業の多角化から方向転換し、コア事業に集中する企業も増加中です。特にノンコア事業の売却とともに、コア事業とシナジー効果のある他業種企業をM&Aによって取り込むケースが増えています。

事業の選択・集中と同時にコア事業の革新を進める企業が目立ちます。

④大手への傘下入りを図る中小企業の売却も目立っている

近年、後継者不足や業況の不振を背景に、事業承継を検討する中小規模のメーカーが増加しています。事業承継をせずに廃業した場合、従業員の雇用、顧客との取引を打ち切らなければいけません。

こういった中小メーカーは、経営基盤が安定しており、従来から取引関係のある大手メーカーの傘下に入る場合が多いです。

⑤業績低迷中のメーカーをファンドが買収するケースも多い

技術力はあるものの業績が低迷しているメーカーを、ファンドが買収するケースも多くみられます。中小メーカーには、高い技術力を有している一方で、経営戦略や資本戦略が検討されていない会社もあります。

近年、そういった会社を、ファンドがM&Aにより買収し、事業再生を行うケースが多いです。ファンドがこのようなM&Aを行う目的は、メーカーの企業価値を向上させた後に売却しキャピタルゲインを得ることです。

⑥後継者問題の解消のためのM&Aの増加

近年、国内企業の後継者不在率は改善傾向にありますが、後継者がいても事業承継が難しいなどの理由で廃業を選択する企業もまだまだ多いのが実情です。

製造業界も同様であり、経営者の周りに後継者となる適任者がいないケースや相続税・贈与税あるいは個人保証が障壁となって事業承継ができないケースもみられます。

M&Aは事業承継手段としても活用することができ、最近では国の後押しもあり、中小企業もM&Aが行いやすい環境が整ってきました。そのような背景もあり、製造業界では後継者問題を解消する目的でM&Aを行うケースも増えてきています。

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4. 製造業(メーカー)のM&A・売却・買収するメリット

製造業(メーカー)が事業をM&Aにより売却・買収するメリットはさまざまありますが、主なメリットを売却側、買収側に分けて掲載します。

売却側のメリット

製造業(メーカー)は、M&Aによる売却で以下のメリットが得られます。

後継者問題からの解放

製造業(メーカー)のなかには、高い技術を持ち、事業の継続が可能な経営状況であるにもかかわらず、後継者がいないことによって廃業せざるを得ない会社が多く存在するのが現実です。

廃業という選択をとった場合、自社のノウハウや技術は失われてしまいますが、M&Aによる事業売却であれば後継者がいなくても自社の継続が可能です。

M&Aによる事業承継が実現すれば、従業員の雇用や地域のインフラも守ることができ、経営者自身は創業者利益を獲得して引退できるメリットもあります。

自由な時間が生まれる

中小製造業(メーカー)のなかには、高齢になっても事業をやめられず、休みなく働き続けている経営者も多くいます。M&Aによる売却により、事業を引き継ぐことができれば、自由な時間を得られるでしょう。

下請の製造業(メーカー)では、値下げ要求や要求水準の高さにより、厳しい経営を強いられている会社も少なくありません。自身の子どもなどに事業を継がせることは困難と判断した場合、M&Aにより事業を売却するケースもみられます。

従業員の雇用先を確保できる

従業員のことを考えると事業をやめられないと考えたり、廃業に向けて従業員の再雇用先に苦心したりする経営者は少なくありません。中小製造業(メーカー)の中で多いのが、製造業の先行きがみえないことから、自身の代で廃業を予定している経営者がいることです。

しかし、近年は、M&Aに対するイメージが向上してきたことから、第三者に事業を売却するケースが増えています。M&Aによる売却によって従業員の雇用確保が可能です。

廃業に伴うコストの発生を回避できる

製造業は、通常、大型生産機械や大型設備を自社の資産として保有しています。これらの機械・設備を廃棄処分するためには、多額の費用が必要です。単に廃業するのではなく、事業譲渡または機械・設備を他社へ譲渡する選択肢を取れば、廃業費用の発生を避けられます。

本業で厳しい経営を強いられるなか、新事業を立ち上げて経営をカバーするケースもあります。新事業が軌道に乗った場合、これまでの本業をM&Aによって売却し、新事業に集中することを選択する経営者も少なくありません。

売却・譲渡益を獲得できる

十分なリタイア資金を残したまま、廃業できる会社であれば問題ありませんが、製造業(メーカー)の場合、負債があったり、会社にキャッシュがほとんどなかったりするケースも多いです。売却益を得ることを目的として、M&Aによる売却を行うケースもあります。

買収側のメリット

従業員のことを考えると事業をやめられないと考える経営者や、廃業に向けて従業員の再雇用先に苦心する経営者は少なくありません。M&Aによる売却によって従業員の雇用確保が可能です。

経験豊かな人材を獲得できる

団塊の世代が大量退職したことにより、製造業(メーカー)では高い技術を持った技術者の確保が難しい状況です。技術者の育成には時間がかかりますが、M&Aによる買収であれば、優秀な技術者の確保を短期間で行うことが可能です。

必要な設備や技術を獲得できる

大きな環境変化が速いスピードで起きているなか、製造業(メーカー)が変化に対応し、自力で設備や技術を整えていくことは簡単ではありません。M&Aによる買収であれば、時間的な成約を受けず、環境変化に対応できます

事業の内製化につながる

多重下請構造から、自社グループ内で一貫した製造を行うビジネスモデルに転換する大手製造業(メーカー)が増えています。M&Aによる買収であれば、効率よく事業の内製化が可能です。

事業の成長・立ち上げにかかる時間を短縮できる

製造業の新事業の立ち上げには、工場設立、ノウハウ確率、取引先開拓などを要するため、年単位の多大な時間が必要です。M&Aによる他社の経営資源の獲得は、短時間で新事業に進出できます。製造業界の最新のニーズへ対応するために有用です。

実際、製造業の大手企業のなかには、M&Aを活用して事業規模を拡大してきた企業が多くあります。

5. 製造(メーカー)業界のM&Aの相場

M&Aの最終価額は譲渡企業と譲受企業が合意した額となるため、明確な相場というものはありません。ですが、交渉は言い値で進むわけではないため、企業価値を算出すればそれを目安と考えることができます。

大まかな相場の計算方法

中小規模の製造会社が売却側となるM&Aでは、「時価純資産+営業利益×2〜5年分」の金額が大まかな相場とされています。数年分の営業利益を加算する理由は、無形資産の価値(のれん代)を評価に加えるためです。

とはいえ、製造業(メーカー)のM&A価格は、製品自体の付加価値や技術力の高さ、優秀な技術者の存在なども影響します。近年は、ITを活用して生産性や安全性を高める、ITソリューションの導入が高いクオリティで構築されているかもM&A価格に大きく影響するようになってきました。

企業価値評価の手法

企業価値を評価する方法にはいくつかの種類があり、どの方法が自社(事業)に向いているかはケースによって違います。ですが、企業価値の評価方法が違うと、同じ企業(事業)でも結果が異なるケースもあるので、自社に合ったものを選択することがポイントです。

インカムアプローチ

インカムアプローチは、対象企業(事業)の将来的な予測キャッシュフローや利益予想をベースとして評価を行う方法です。特徴は、対象企業(事業)の将来性や固有性質が評価に反映されることであり、インカムアプローチの代表的な評価方法にDCF法があります。

将来の収益性や企業独自の性質が加味できるというメリットはありますが、その予測は対象企業が策定した事業計画などから判断するため、主観が入りやすい点がデメリットです。

マーケットアプローチ

マーケットアプローチは、対象企業とビジネスモデル・事業規模・事業内容が類似する上場企業を選び、その時価総額やM&A事例などをベースとして相対的に企業価値を評価する方法です。

類似企業の財務データをベースとするため客観性が高いうえ市場動向も反映されるメリットがある一方、類似企業を選ぶ際は主観が入りやすいというデメリットもあります。また、選定した類似企業と成長ステージやビジネスモデルが異なると評価の信頼性が下がる点もデメリットです。

コストアプローチ

コストアプローチは、対象企業の貸借対照表の純資産額をベースに価値を評価する方法です。純資産額を簿価で計算する方法(簿価純資産法)と時価に置き換えて計算する方法(時価純資産法)の2種類があります。

コストアプローチは、財務諸表の数字を使用して計算するため客観性が高い点が大きなメリットです。実際の数字をベースとするため第三者も納得しやすい評価となる反面、対象企業(事業)の無形資産や将来性は評価に反映されないデメリットもあります。

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6. 製造(メーカー)業界のM&Aでの注意点

製造業(メーカー)がM&Aを成功させるための注意点を、売却側と買収側に分けて解説します。

売却側のポイント

売却側のポイントは、主に以下の5つです。

M&Aの準備は計画的に行う

M&Aは会社を売却して終わりではなく、売却後も会社を大事に育ててくれる相手に売却する必要があります。そのためには、M&A計画の策定や企業価値の向上、売却相手の選定など、M&Aの準備を丁寧に行うことが必須です。

自社の強みや特徴を明確にしておく

製造業(メーカー)としての強み・特徴を明確にしておくことは、よい買い手と出会うことや、スムーズに交渉を進めることにつながります。M&Aを行う際は、自社の強みや特徴を知り磨いたり、内容をデータとしてまとめたりしておくなどの準備が大事です。

希望する条件をはっきりしておく

希望条件を明確にしておかないと、交渉の長期化や頓挫にもつながります。M&Aの専門家に相談しながら、譲れないラインや妥協ラインなどを明確にしておくことも大事なポイントです。

交渉中は情報が漏れないようにする

交渉中の情報漏えいはM&Aに影響を与えるだけでなく、経営にも影響を与えかねません。公開義務が生じるまで関係者に話さないようにしたり、厳格に秘密保持を行う専門家に依頼したりするなどの対策が必要です。

M&Aの専門家に相談する

M&Aには多くの準備や複雑な交渉などがあり、経営者にかかる負担は大きなものとなります。M&Aの専門家に相談しながら進めていくことで、少ない負担でM&Aを成功させることが可能です。

買収側のポイント

一方、買収側のポイントは、以下の3つが考えられます。

デューデリジェンス(買収監査)を徹底する

M&Aにより買収する会社は、一見しただけではわからないリスクを抱えている可能性があります。デューデリジェンスは、M&A前に売却会社のリスクを知るため、ほとんどのM&A取引で行われるプロセスです。

会社のリスクには、簿外債務の存在、不当な契約、未払い残業代金などが存在します。そこで、デューデリジェンスは財務、法務、税務などといった複数の観点から行われることが一般的です。

デューデリジェンスは、会計士、税理士、弁護士などの専門家の協力を得て、慎重に行いましょう。

適切な買収価格を検討する

買収価格を決める方法は複数ありますが、売却会社の将来の期待収益にもとづいて決める場合には、シナジー効果の見積もりが重要です。買収会社がシナジー効果を見積もって、売却会社の事業計画をブラッシュアップすることで、より適切な買収価格を決定できます。

期待収益が低く、資産が多い会社の価格決定にあたっては、純資産法を用いることがあります。純資産額の場合には、デューデリジェンスの結果による数値変動に注意が必要です。

M&Aの後に巨額投資が必要になる場合もある

譲渡側が資金力などの問題で十分な設備投資ができていなかった場合などは、M&A後に巨額投資が必要となるケースもあります。DX化やIT導入などを本格的に進めるとなれば高額の費用が生じることもあるため、譲受側はM&A実施前からその可能性も考慮しておく必要があるでしょう。

M&A後の投資を考えても、製造業界の事業に必要な設備や人材を一から揃えることと比べれば、結果的にコストと時間の削減につながる可能性が高いですが、M&A後に必要なコスト面も念頭においておくことが重要です。

経営統合(PMI)を入念に行う

M&Aを成功させるには、対象企業の選定以上にM&A後の統合プロセスが重要です。M&A後の統合プロセスを、ポスト・マージャー・インテグレーション(PMI)といいます。両社の人材、資産を統合し経営効率を高める作業です。

一般的には、両社のメンバーから成るチームを組成し、統合計画にもとづいて実行します。

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7. 製造業(メーカー)のM&Aの流れ

M&Aは完了までに多くのプロセスがあるため、あらかじめ大まかな流れを頭に入れておくとスムーズに進めることが可能です。ここでは、製造業(メーカー)のM&Aの流れを説明します。

目的の明確化・希望条件の絞り込み

M&A実施を決断する前に「なぜM&Aを行うのか」「M&A後に自社がどうありたいか」などM&Aを行う目的を明確にしておきます。目的を明確化することは、希望条件の絞り込みや交渉先の選定にも役立つので必ず行っておきましょう。

目的の明確化が終わったらM&Aの希望条件を決めていきますが、あまり細かく決めすぎても交渉先がみつかりにくくなるため、条件に優先順位を付けておくことも必要です。

M&A仲介会社など専門家へ相談

M&Aを成功させるためには、専門的な知識やノウハウが必要です。M&A仲介会社などの専門家のサポートを受けながら進めていくと成功率を高めることができます。

M&Aの相談先はM&A仲介会社のほかにもありますが、得意とする分野やサポート範囲が異なるので自社に合ったところを選ぶようにしましょう。また、その際はサポート範囲や支援実績、手数料体系なども考えて、総合的に判断することが重要です。

交渉先(M&A候補先)の選定

サポートを依頼する専門家が決まったら、交渉先を探します。M&A仲介会社にサポートを依頼した場合は、希望条件を伝えておくと候補先企業をリストアップしてくれるので、そこから絞り込む流れが一般的です。

交渉先を探す際は情報漏洩防止のため、ノンネームシートと呼ばれる資料を使用します。ノンネームシートは、自社が特定されるような情報(社名・所在地など)は伏せて事業概要や暫定的な希望条件を記載した資料です。

ノンネームシートによって交渉したい企業へ打診し、相手先も交渉する意向であれば秘密保持契約を結び、詳細情報を開示してから交渉へと進みます。

トップ面談

トップ面談はM&A交渉の早期段階で行われるもので、譲渡側企業と譲受側企業の経営者同士が顔を合わせ、企業理念やM&A後のビジョンなどを確認するための場です。

M&Aは面識のなかった企業同士で行うケースが多いため、トップ面談は企業概要書ではわからない部分や人柄などを直接確かめ、信頼関係を構築することを目的として設けられます。そのため、トップ面談ではM&A価額や条件などの具体的な交渉は、一般的に行われません。

基本合意締結

トップ面談後、譲渡側企業と譲受側企業ともにM&A成立に前向きであれば交渉を続け、価額・条件・スケジュールなどに大筋合意した段階で基本合意を締結します。

基本合意書にはその時点まで交渉した内容を記載しますが、秘密保持や独占交渉権など一部事項を除き、法的な拘束力はありません。

譲受側企業によるデューデリジェンス

デューデリジェンスとは買収監査のことを指し、M&Aでは譲受側企業が譲渡側企業に対して行い、法務・人事・財務などの各分野を専門家が調査します。

事前開示された情報の正確性、買収リスクの有無や程度、M&A価額や条件の妥当性を把握することが目的であり、譲受側企業がM&A可否を判断する材料となるものです。

譲渡側企業は、追加資料の提出などデューデリジェンスに協力を求められた場合は、誠実に対応しなければなりません。また、デューデリジェンスの結果、大きな問題やリスクがわかった場合、M&Aが中止となるケースもあることを理解しておく必要があります。

最終交渉・最終契約締結

デューデリジェンス後、譲受側企業がM&Aの実行を決断したら、M&A価額や条件について最終交渉を行います。なお、最終交渉はデューデリジェンスの結果を踏まえて行うため、基本合意締結時点とは価額や条件が変わる場合もあることを理解しておきましょう。

そして、互いが最終交渉で取り決めた全ての内容に合意したら、最終契約を締結してM&Aは成立となります。なお、最終契約書は記載されたすべての内容に法的拘束力があるため、締結前にしっかり確認することが重要です。

クロージング

最終契約締結後は、譲渡対象の経営権を譲受側企業へと移転させM&A対価の決済を行う一連の手続きをクロージングといいます。クロージングは最終契約を締結すれば実行できるというものではなく、最終契約で取り決めた前提条件を譲受側企業が満たしていなければ行うことはできません

また、クロージング手続きや流れは使用したM&A手法によって変わる部分もあるので、漏れや抜けがないようM&Aアドバイザーに確認しながら進めていくようにしましょう。

PMI

M&A手続きが完了したら、PMIと呼ばれる経営統合作業を行います。M&Aによって異なる企業(事業)がひとつの組織となるので、経営・業務・意識の3つを統合し、事業運営が円滑に進むよう体制を構築し、M&Aによる効果を最大限に発揮させるためにPMIは不可欠かつ重要な工程です。

PMIがうまくいかなければ期待していたシナジーは十分発揮されず、M&Aは成立しても成功とはいえないといわれるほど重要な工程なので、焦らず時間をかけて慎重に進めていかなければなりません。

特に意識面の統合はデリケートで難しいといわれています。譲受側企業はPMIをどう進めるかを交渉段階から意識しておくことも重要です。

8. 製造(メーカー)業界のM&A事例22選

ここでは、製造(メーカー)業界のM&A事例を紹介します。

①コマツによるAmerican Battery SolutionsのM&A

2023年11月、コマツは子会社のコマツアメリカを通してAmerican Battery Solutions, IncのM&Aを実施しました。

コマツは、ショベルやブルドーザーなどの建設・鉱山機械、ユーティリティ、林業機械、産業機械などに関する事業を行う建設機械・鉱山機械の大手メーカーです。対象会社のABS社は、商用車・産業用車両向けリチウムイオンバッテリーの開発・製造を行うメーカーです。

今回のM&Aにより、建設・鉱山機械のバッテリーの開発・生産の最適化を目指します。また、ABS社のバッテリービジネスを継続・支援を行い、電動化事業の事業拡大を図る予定です。

参考:株式会社小松製作所「カーボンニュートラル実現に向けた電動化事業の加速- 米国 American Battery Solutions社を買収」

②ニデック(旧:日本電産)によるOKKのM&A

2022年2月、ニデック(旧:日本電産)はOKKのM&Aを行いました。ニデックは精密小型モータ、車載及び家電・商業・産業用モータ、機器装置の開発・製造・販売を行う電機メーカーです。

対象会社のOKKは、小型の工作機械を強みとする工作機械メーカーです。今回のM&Aにより工作機械分野に本格参入し、事業拡大を目指します。

参考:日本電産株式会社「OKK 株式会社の第三者割当増資の引受に関する資本提携契約締結のお知らせ」

③日本電産による三菱重工工作機械へのM&A

2021年8月、精密小型モータ、産業用モータなどの開発・製造・販売を行う日本電産は、工作機械の設計・製造・販売を手掛ける三菱重工工作機械をM&Aにより取得しました。

日本電産は株式譲渡により、三菱重工工作機械を子会社化しました。取引価格は約300億円といわれています。本件M&Aにより、日本電産は三菱重工工作機械のギヤ技術や人材を獲得したため、今後は工作機械事業の発展が期待されます。

参考:日本電産株式会社「三菱重工工作機械株式会社の株式取得等の完了と新子会社概要」

④ベインキャピタル連合による日立金属へのM&A

2021年4月、米系の投資ファンドであるベインキャピタルが主導するファンドが、日立金属をM&Aにより買収すると発表しました。2022年以降にTOBの方法で行われています。最終的には、ベイン連合が日立金属の完全親会社となる見込みです。

日立金属は、従来から業績が悪化しているところ、本M&Aにより非上場化を行うことで、競争力と収益力を高めることを目的としています。

参考:株式会社日立製作所「子会社株式に係る契約の締結ならびに 個別決算における特別利益及び連結決算におけるその他の収益の計上に関する お知らせ」

⑤オリンパスによるQuest Photonic Devices B.V.へのM&A

2021年2月、医療、ライフサイエンス分野で精密機械の製造・販売を行うオリンパスは、手術向け蛍光ガイド技術を有するQuest Photonic Devices B.V.をM&Aにより取得しました。

オリンパスは、株式譲渡によりQuestの全株式を取得し、完全子会社化しました。譲渡価格は約46億円です。本M&Aにより、オリンパスは蛍光イメージング技術を強化し、より高品質なサービスが提供可能になるとされています。

参考:オリンパス株式会社「オランダ医療機器メーカー Quest Photonic Devices B.V.の 株式の取得(子会社化)に関するお知らせ 」

⑥アークランドサービスホールディングスによるコスミックダイニングへのM&A

2020年6月、アークランドサービスホールディングスは、コスミックダイニングおよびコスミックダイニングの子会社(株式90%保有)清和ヤマキフードの全株式を取得し、子会社化しました。

アークランドサービスホールディングスグループは、とんかつ専門店「かつや」などの飲食店経営およびフランチャイズ事業などを行っています。一方、コスミックダイニングおよび清和ヤマキフードは、冷凍食品の製造販売会社です。

アークランドサービスホールディングスとしては、現在の同グループに関連する事業として新たに冷凍食品事業を加えることで、シナジー効果とともに事業領域拡大が望めるとしています。

参考:アークランドサービスホールディングス株式会社「コスミックダイニング株式会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」

⑦テクノホライゾン・ホールディングスによるブルービジョンへのM&A

2020年5月、テクノホライゾン・ホールディングスは、100%子会社であるタイテックにより、ブルービジョンの発行済み株式81.11%に相当する1,460株を取得し、グループ化しました。

テクノホライゾン・ホールディングスは、グループとして光学分野と電子分野において製品の開発・製造・販売を総合的に行っています。一方、ブルービジョンは、光学機器製造を得意とする会社です。

テクノホライゾン・ホールディングスとしては、ブルービジョンの製品とその製造ノウハウをグループ内に取り込むことで、高いシナジー効果が得られると判断してのM&Aでした。

参考:テクノホライゾン・ホールディングス株式会社「株式会社ブルービジョンの株式取得に関するお知らせ」

⑧不二精機による秋元精機工業へのM&A

おにぎりマシンで8割強のトップシェアを持つ不二精機は、2019年9月、精密金型の製作や精密プレス加工などを行っている秋元精機工業を、株式譲渡により子会社化しました。

これにより、不二精機は、精密成形品の技術力強化と販路の拡大を図っています。

参考:不二精機株式会社「秋元精機工業株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」

⑨ヤマシンフィルタによるアクシーへのM&A

フィルタメーカーのヤマシンフィルタは2019年8月、同じくフィルタメーカーのアクシーを、株式譲渡により子会社化しました。

ヤマシンフィルタは、既存のオイルフィルタにアクシーのエアフィルタを加えることで、総合フィルタメーカーへの成長を図っています。

参考:ヤマシンフィルタ株式会社「株式会社アクシーの株式の取得(完全子会社化)に関するお知らせ」

⑩レンゴーによる武田紙器へのM&A

2019年8月、段ボールなどの紙製包装資材メーカーのレンゴーは、段ボールケースメーカーの武田紙器を株式譲渡により子会社化しました。これにより、両社は連携を強化し、関東エリアでの段ボール事業強化を図っています。

参考:レンゴー株式会社「武田紙器株式会社の子会社化について」

⑪東海カーボンによるCOBEXへのM&A

カーボン製品メーカーの東海カーボンは2019年6月、ドイツのカーボン製品メーカーであるCOBEX HoldCo GmbHを株式譲渡により子会社化しました。社名をTokai COBEX HoldCo GmbHに変更しています。

これにより、東海カーボンは、ヨーロッパでの事業拡大や製造ラインアップの範囲拡大を進めています。

その一環として、2020年7月にTokai COBEX HoldCo GmbHと共同で、フランスの炭素黒鉛製品メーカーであるCarbone Savoie SASの持株会社の全株式を取得し、子会社化しました。

取得割合は、東海カーボンが7割、Tokai COBEX HoldCo GmbHが3割で、両社合計の取得総価額は約197憶円です。子会社化後、Carbone Savoie SASの社名をTokai Carbon Savoie SASに変更しています。

参考:東海カーボン株式会社「炭素黒鉛製品メーカーCOBEX HoldCo GmbH の株式取得に関するお知らせ 」

⑫文化シヤッターによるARCOへのM&A

総合建材メーカーである文化シヤッターは、2019年6月に子会社を通じて、オーストラリアのシャッターメーカーであるARCO(QLD)PTY LTDを、株式譲渡により子会社化しました。これにより、文化シヤッターは、海外での商業用・産業用ドア事業を強化しています。

参考:文化シヤッター株式会社「ARCO(QLD) PTY LTDの株式取得に関するお知らせ」

⑬栗田工業によるAvistaへのM&A

2019年5月、栗田工業は子会社を通じて、水処理薬品メーカーの米国Avista Technologies, Inc.と、英国のAvista Technologies(UK)Ltd.を、株式譲渡により子会社化しました。

これにより、クリタグループは、水処理装置の構成機器であるRO膜に関連するサービスを強化するなど、水処理事業で世界各国での事業基盤強化を図っています。

参考:栗田工業株式会社「米国 Avista Technologies, Inc.および英国 Avista Technologies (UK) Ltd.の 買収(子会社化)に関するお知らせ

⑭DICによるIdealへのM&A

2019年5月、化学メーカーであるDICは、インドの塗料用樹脂メーカーであるIdeal Chemi Plast Pvt. Ltd.を買収しました。

DICグループはIdealと協業することで、高い成長が見込まれるインドの塗料市場に本格参入します。インドを足掛かりにグローバル展開を加速させていく計画です。

参考:DIC株式会社「DIC インドの中堅塗料用樹脂メーカーを買収 -経済成長著しいインドの塗料用樹脂市場へ本格的に進出-」

⑮宇部興産によるRepolへのM&A

総合化学メーカーの宇部興産は、2019年4月にスペインの連結子会社を通じて、コンパウンドメーカーのRepol S.L.を株式譲渡により子会社化しました。

これにより、宇部興産グループは、製品開発力やグローバルな事業展開の加速を進めています。

参考:宇部興産株式会社「欧州子会社によるコンパウンドメーカーの買収について」

⑯ムロコーポレーションによるイガリホールディングスへのM&A

2019年3月、精密プレス部品メーカーのムロコーポレーションは、精密樹脂成形部品メーカーのイガリホールディングスを、株式譲渡により子会社化しました。

近年、自動車業界が大きな変革期を迎えていることから、部品メーカーも厳しい環境に置かれています。ムロコーポレーションは、イガリホールディングスと組むことで、グローバルでの協業や製品ラインアップの拡充による提案力の強化を図る考えです。

参考:株式会社ムロコーポレーション「イガリホールディングス株式会社の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」

【関連】自動車部品製造業のM&A・売却の動向は?相場や事例から相談先まで紹介【2023年最新】

⑰コマツによるTimberProへのM&A

建設機械や産業機械などのメーカーであるコマツは、2019年2月に子会社を通じて、米国の林業機械メーカー、TimberPro, Inc.を買収しました。

これにより、コマツは製品ラインアップを強化し、より付加価値の高い林業機械の提供を実現しています。

参考:株式会社小松製作所「米国における林業機械メーカーの買収について」

 

⑱日阪製作所による小松川化工機へのM&A

2019年2月、産業機械メーカーの日阪製作所は、プラント設備の製造などを行う小松川化工機を、株式譲渡により子会社化しました。

これにより、日阪製作所は食品機器・医薬品機器事業の拡大とともに、熱交換器やバルブなどの新規顧客獲得が期待できるとしています。

参考:株式会社日阪製作所「 小松川化工機株式会社の株式取得に関するお知らせ」

⑲岡部による河原へのM&A

建設関連製品事業や自動車関連製品事業を営む岡部は2019年2月、産業機械メーカーの河原を株式譲渡により子会社化しました。

岡部は、リフトテーブル業界で高いシェアを持つ河原を子会社とすることで、製品ラインアップの拡充と海外での販路拡大を狙っています。

参考:岡部株式会社「株式売買契約の実行(クロージング)についてのお知らせ 」

⑳オプテックスによる東京光電子工業へのM&A

2019年1月、オプテックスグループは、連結子会社で産業用センサメーカーのオプテックス・エフエーを通じて、外径測定器メーカーの東京光電子工業を株式譲渡により子会社化しました。

これにより、オプテックスグループは、商品ラインアップの拡充と国内外での販路拡大を進めています。

参考:オプテックスグループ株式会社「当社連結子会社による「東京光電子工業株式会社」の 株式取得(孫会社化)に関するお知らせ」

㉑新栄工業とアポロ工業のM&A

金属プレス加工の事業を展開する製造会社である「新栄工業」は、金属プレス加工メーカーである「アポロ工業」に対してM&Aを行いました。

手法は株式譲渡です。本M&Aによりアポロ工業は新栄工業の子会社となっています。

㉒日本ニューマチック工業と立山高圧工業のM&A

建機や空機、化工機の企画から開発、設計、製造、販売、アフターサービス全ての工程を手がける会社である「日本ニューマチック工業」は、ホースや継手の加工販売の事業を展開する会社である「立山高圧工業」に対してM&Aを行いました。

手法は株式譲渡です。本M&Aは両社がお互いの業界についての知見が深かったことや、経営戦略に納得したことが成功の理由です。

9. 製造業(メーカー)のM&A・売却案件例

以下では、M&A総合研究所で手掛けている、製造業のM&A案件の事例を紹介します。

アウトドアグッズの製造・EC販売業

首都圏エリアで、社員20人以下のアウトドアグッズの製造・EC販売事業を展開する企業です。ECサイトでは、デザイン性と価格のバランスが評価されている自社ブランドだけでなく、海外ブランドの販売を行っています。海外の販路を生かし、自社ブランドの輸出も行っています。

譲渡理由は経営戦略の見直しで、M&A後、オーナーは経営にかかわらない予定です。本案件では、売上は2.5億円から5億円で、1,000万円から5,000万円程度の利益が出ています。

長年の業歴を持つ産業用機械製造業

関西エリアを中心に50年以上にわたり営業している産業用機械製造業が、事業承継目的で売却を検討しています。機械の種類はコーティングマシンです。他社との差別化は、製品設計から完成までの工程を一貫してマネジメントできる点が挙げられます。

社員数10名規模の会社ですが、売上は2.5億円から5億円、利益は1,000万円から5,000万円程度です。

射出成形用の精密金型製造

射出成形用の金型の製造に強みを持つ精密金型の製造業が、後継者不足による事業承継を目的に売却を検討しています。東北エリアに地盤を持つ、社員20名規模の会社です。工場には最先端の加工設備を保有しています。

売上は安定して3.6億円程度、実質利益は3,000万円台半ばです。新型コロナウイルスの影響で一時は落ち込んだものの、すでに回復が見込まれています。

10. 製造業(メーカー)のM&A・売却・買収を行う際におすすめの相談先

製造業(メーカー)がM&Aの相談をする場合、金融機関・公的機関・士業専門家などさまざまな候補があります。M&A仲介会社の場合は、準備段階からM&A後のフォローまで一貫したサポートが可能です。

中小企業のM&Aに数多く携わっているM&A総合研究所では、製造業(メーカー)のM&Aに精通したM&Aアドバイザーが専任に就いてフルサポートします。通常は半年~1年以上かかるとされるM&Aを、最短3カ月で成約するなど、機動力もM&A総合研究所の特徴です。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談は随時受け付けていますので、製造業(メーカー)のM&Aをご検討の際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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11. 製造業(メーカー)のM&A・売却・買収まとめ

本記事では、製造業(メーカー)のM&A・売却・買収をまとめました。製造業(メーカー)のM&A動向をみると、大手企業による中小規模の部品メーカーのM&Aが増加しているほか、IT化などの導入を行うための異業種M&Aがみられる点にも特徴があります。

製造業(メーカー)がM&Aを成功させるには、M&Aの準備は計画的に行うほか、自社の強みや特徴を明確にしておくなどのポイントに気をつける必要があります。

12. 業務・産業用機械製造業界の成約事例一覧

13. 業務・産業用機械製造業界のM&A案件一覧

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