調剤薬局が事業承継をするにはコツがあった!成功法を徹底解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

調剤薬局の事業承継の流れや方法についてお調べですね。今回は調剤薬局の事業承継事情や事業承継の流れを分かりやすく解説しています。後継者がいない場合の解決策も紹介しているので、参考にしてください。調剤薬局の事業承継を成功させ、今後の発展を見守りましょう。

目次

  1. 調剤薬局の事業承継事情
  2. 調剤薬局が事業承継するときの5つの流れ
  3. 調剤薬局の3つの承継先
  4. 調剤薬局を事業承継しなかったらどうなる?
  5. 調剤薬局の事業承継先が見つからないならM&Aを検討しよう
  6. M&Aによる調剤薬局の事業承継の事例
  7. 調剤薬局を事業承継するときの最適な相談先
  8. まとめ
  • 調剤薬局のM&A・事業承継

1. 調剤薬局の事業承継事情

調剤薬局の事業承継事情

調剤薬局では、事業承継をしたくても「ふさわしい後継者がいない」と悩まされているケースが増えています。一昔前であれば、子どもに継がせることが当たり前だったかもしれません。しかし、近年無理に子どもに継がせたいと思わないと考える経営者が増えています。

そもそも、なぜ調剤薬局の経営者はリタイアをしようと考えるのでしょうか。詳しく確認していきましょう。

1ー1.調剤薬局の経営者がリタイアを考える理由

調剤薬局の経営者がリタイアを考える理由は、以下の2つです。

  • 理由1.経営者自身の高齢化
  • 理由2.法律や規制による報酬の改訂
順番に確認していきましょう。

理由1.経営者自身の高齢化

まず、自身の高齢化が挙げられます。毎日調剤薬局に顔を出すことがしんどくなったり、入院するような病気にかかったりすると、「そろそろ引退すべきか?」と考えるようになるのです。

多くの経営者は60歳〜65歳を目処にリタイアしたいと考えます。サラリーマンの定年までは元気に働きたいと考える経営者が多いのです。

50代を過ぎ、体に不調が見られるようになるとリタイアをして後継者を探すきっかけとなります。

理由2.法律や規制による報酬の改訂

法律や規制による報酬の改訂があると、経営者はリタイアを考えるようになります。というのも、国の決まりとして6年に1度、調剤報酬(診療報酬)と介護報酬が改正されるのです。

良い方向に改正されれば問題ありませんが、近年調剤報酬が下がる方向に改正されています。最近では2018年4月に調剤報酬(診療報酬)と介護報酬が悪い方向へと改定されました。

次の改定は2025年となっていますが、さらに改悪されるのではないかと予想されています。なぜなら、国が医療費の高騰を抑えるために調剤基本料を引き下げようとしているからです。今後は、さらに高齢化が進み医療・介護のニーズに対応するため無資格者にもできる業務を増やし、技術料を減らそうという動きもみられます。

そうなると、調剤薬局の経営は危うくなってきます。今まで通りの経営では立ち行かなくなる恐れもあるでしょう。このような理由から、2025年までにリタイアしたいと考える経営者が増えているのです。

以上の2つの理由が、調剤薬局の経営者がリタイアを考える理由でした。しかし、リタイアしたい時期が事業承継を始めるベストタイミングとは限りません。なぜなら、事業承継を検討してから事業承継が完了するまで時間がかかるからです。

続いては、調剤薬局の経営者が事業承継の準備を始めるタイミングについて確認しましょう。

1ー2.調剤薬局の事業承継の準備を始めるタイミング

調剤薬局の事業承継の準備を始めるタイミングは、2つあります。

  • タイミング1.50代半ば
  • タイミング2.経営状態が悪くなる前
それぞれ詳しく確認していきましょう。

タイミング1.50代半ば

60歳を目処にリタイアしたいと考えているのであれば、余裕を見て5年前の50代半ばには準備を始めていきましょう。事業承継をしようと思うと、後継者探しに後継者育成、引き継ぎ作業など様々な業務を経営と同時にこなさなければなりません。

そのため、引退よりも5年ほど前から計画を立てていくことをおすすめします。また、体力的にも60歳で通常の経営の業務と事業承継の業務を同時に行うことは大変です。

もちろん、経営者として現役で活躍することで収入を得られるというメリットもあります。生活面で厳しいのであれば、社長を交代した後に役員として経営の補佐をするのも手です。

「まだまだ元気!」と思っているうちから事業承継の準備を始めることで、スムーズに引き継ぎができます。

タイミング2.経営状態が悪くなる前

もし、利益ギリギリの状態で経営しているのであれば、経営状態が悪くなる前に事業承継ができるように準備を始めましょう。なぜなら、経営状態が悪いと、後継者を探しにくくなるからです。

負債があること自体は大きな問題ではありません。しかし、経営状態が厳しく資金調達もできなくて動けない状態は良くないです。

利益がギリギリで経営状態の悪い調剤薬局をわざわざ引き継ぎたいという人はなかなか見つからないでしょう。特に、親族や従業員、知人などに承継することに抵抗を感じる経営者もいるはずです。

そのため、経営がうまくいっているうちに事業承継の準備を進めましょう。後継者の選択肢が広がり、事業承継を成功させることができます。

2. 調剤薬局が事業承継するときの5つの流れ

調剤薬局が事業承継するときの5つの流れ

調剤薬局の事業承継の準備を始めるタイミングが分かったところで、実際の事業承継の流れを確認していきましょう。ここでは、親族や従業員など身の回りの人に後継者となってもらうケースの事業承継の流れを確認していきます。

調剤薬局が事業承継するときの流れは、以下の5つです。

  • 流れ1.調剤薬局の現状分析
  • 流れ2.後継者の決定
  • 流れ3.事業承継計画の作成
  • 流れ4.引き継ぎ・教育期間
  • 流れ5.事業承継の実施
事業承継をするには、時間がかかります。詳細を事前に理解し、スムーズに事業承継を実施しましょう。

流れ1.調剤薬局の現状分析

まずは、調剤薬局の現状分析を行いましょう。今、調剤薬局がどのような状況におかれているのかを客観的に見るために必要な準備です。具体的には以下のような分析を行いましょう。

  • 調剤薬局の売り上げや利益率、キャッシュフロー
  • 調剤薬局の強みや弱み
  • 調剤薬局の持つ資産・負債の洗い出し
  • 今後の売り上げ予測
  • 株式の数と評価額
  • 調剤薬局が保有する技術、ノウハウ
  • 従業員の状況
  • 顧客情報
  • 後継者の候補者リスト
これらを洗い出すことで、調剤薬局がどのような状況なのか客観的に見ることができます。これらの分析は後継者に伝えられるよう資料にまとめておきましょう。

流れ2.後継者の決定

後継者の候補者リストに優先順位をつけ、後継者を決定していきましょう。できるだけ親族や従業員など調剤薬局のことを理解してくれいる人を候補にすることをおすすめします。なぜなら、スムーズに引き継ぎができるからです。

後継者候補に後継者となってもらうためには、以下のことを伝えるようにしましょう。

  • なぜその人に後継者となって欲しいのか
  • 調剤薬局の状況
  • 調剤薬局の今後の売り上げ予測
  • 調剤薬局の課題と解決策
これらを熱心に話し、後継者自らに「引き継ぎたい」と思わせることが大切です。実際の引き継ぎや手続きには時間がかかりますので、候補者には早めに声をかけ後継者候補を決定しておきましょう。

ただ、候補者がいなかったり、候補者に断られるのであれば早めに違う手段も考えなければなりません。身の回りに候補者がいない場合は、M&Aで経営者を見つけることも考えるべきです。なかなか後継者が決まらないようであれば、専門家に相談しM&Aを実施する準備を進めましょう。

【関連】調剤薬局業界のM&A動向・価格相場【2019年最新事例あり】

流れ3.事業承継計画書の作成

後継者が決まれば、事業承継計画書の作成に取り掛かりましょう。事業承継計画書とは、事業承継を実施するまでの準備や事業承継したあとの引き継ぎ、売り上げ計画をまとめた書類です。

具体的には、以下のような内容を記載するケースが多いです。

  • 後継者の名前
  • 事業承継の基本方針
  • 事業承継のスケジュール
  • 事業承継に必要な業務の洗い出し
  • 今後の売り上げ・経営計画
  • 経営の課題と解決策
  • 現経営者の承継後の立ち位置(役員になるのか引退するのかなど)
事業承継計画書には、今後の調剤薬局の資料として記録する役割と実際に事業承継に向けて計画的に業務を遂行するための役割があります。そのため、現経営者だけでなく、後継者とも一緒に事業承継計画書を作成していきましょう。

どのような事業承継計画書を作成すべきかわからない人は中小企業庁のホームページに記入例や記入用のPDFが掲載されています。また、事業承継の専門家に相談するのも一つの手です。

細かく計画を立て、誰が見てもわかるような事業承継計画書を作成しましょう。

流れ4.引き継ぎ・教育期間

事業承継計画書を作成したら、事業承継のための引き継ぎや経営者としての教育を行いましょう。明日から急に経営者になってくださいとバトンタッチしても、名ばかり経営者になってしまいます。経営者として一人前になってもらうためにも、引き継ぎ・教育期間は重要です。

後継者に引き継ぐものは、物理的なものと人的なものに分けることができます。それぞれ確認しましょう。

①物理的な承継物

物理的な承継物とは、現経営者や調剤薬局の持つ資産や負債のことです。たとえば、以下のようなものが挙げられます。

  • 現経営者の所有する会社の株式
  • 調剤薬局の店舗・土地・在庫・設備・運転資金などの資産
  • 現経営者や調剤薬局の持つ負債や保証
これらは名前の書き換えなどを行えば承継できるので、承継が難しいと感じることはないでしょう。

②人的な承継物

人的な承継物とは、経営者としての立場や社風のことです。たとえば、以下のようなものが挙げられます。

  • 調剤薬局の経営権
  • 従業員からの信頼
  • 経営者としてのリーダシップ
  • 経営理念
  • 社風
  • その調剤薬局ならではの独自のノウハウ
このように目に見えない経営資源を引き継ぐことも、事業承継では欠かせません。これらの承継物は「経営者」という立場を与えるだけでは承継することはできないでしょう。そのため、時間をかけて経営者としてのノウハウを引き継がなければならないのです。

物理的な承継物と違って、後継者に意欲がなければ承継は実現しません。事業承継を行う前に従業員からの信頼を獲得したり経営理念や社風を染み込ませて体現できるようにするなど、一定の期間と努力が必要となります。

流れ5.事業承継の実施

引き継ぎや教育の期間が終わったらいよいよ事業承継を実施しましょう。事業承継を実施する日を境に物理的な承継物や経営権を後継者に引き継ぎます。この日までに人的承継物は全て承継し切っている状態が望ましいです。

一方で、事業承継を実施した後も実質的には元経営者もアドバイザーや役員といった立場で経営に関わるケースもあります。経営の実権は後継者に譲りながらも、経営課題については一緒に解決していくような姿勢を見せると後継者も心強く感じてくれるはずです。

事業承継の実施後、どのように関わっていくか後継者と具体的に話しておきましょう。

以上が事業承継の流れでした。親族や従業員などの身の回りの人に後継者となってもらうケースを想定して説明しましたが、実際後継者選びに悩むことは多いと思います。そこで次の章では、調剤薬局の3つの承継先について確認しましょう。

3. 調剤薬局の3つの承継先

3.調剤薬局の3つの承継先

調剤薬局の事業承継をするとき、承継先は3つあります。

  • 承継先1.親族
  • 承継先2.親族以外
  • 承継先3.M&A
順番に特徴やメリット・デメリットを確認していきましょう。

承継先1.親族

まず、一番に挙げられるのは親族です。家族で経営している場合、息子などに事業を引き継いで欲しいと考える経営者は多いでしょう。実際、自分も親から調剤薬局を引き継いだという人もいるかもしれません。

親族であれば、よく知った間柄なので任せる方も任される方も安心感があります。引退後も親族ならアドバイスを言い合うこともしやすいでしょう。さらに調剤薬局のこともよく知っているケースが多いため、引き継ぎやすいこともメリットです。

そのため、「引き継ぎたい」と言っている親族がいるのであれば親族内承継をすることをおすすめします。親族に事業承継をするのであれば、税金対策のために生前贈与を計画的に行いましょう。毎年110万円の控除が適用されると、かなりの節約につながります。

一方、「自分が引退した後は息子が引き継いでくれるはずだ」といった一方的な思いで後継者を考えているのであれば、危険です。もしかすると経営者の思い込みかもしれません。なんとなく引き継いでくれそうだと思っていても、改めて事業承継することを正式に伝える場を準備しましょう。

強引に説得したとしても引き継ぎをしている中で「やっぱり嫌だ」と断られる可能性もあります。そうなってしまうと改めて後継者を探すのは大変なことです。両者が納得した上で後継者として任命しましょう。

承継先2.親族以外(従業員など)

次に、従業員などの親族外に承継することもできます。もし、調剤薬局の従業員の中に後継者として適切な人がいるのであれば、経営を任せたいとお願いしてみましょう。

従業員であれば、仕事の内容や社風などは既に理解している状態です。経営者としてのリーダシップを育てる必要はありますが、人的な承継物はあえて引き継ぎ期間を設けなくても良いかもしれません。

ただし、調剤薬局内で信頼されていない人を選んでしまった場合、経営者としての振る舞いができなくなる恐れがあります。仕事ができなかったり、信頼の無い人を選んでしまうと、従業員は調剤薬局から離れていってしまうかもしれません。

すでに「店長」などの役割を与えており誰もが後継者となってもおかしくないという人物であれば、従業員も納得するはずです。後継者選びには十分注意しましょう。

もし、従業員にも適切な人がいないのであれば、外部から経営者を探すこともできます。しかし、有名な調剤薬局でなければなかなか見つからないのが現実です。

承継先3.M&A

M&Aを実施して全く別会社に経営権を譲る方法もあります。親族や従業員の中から後継者が見つからなかった場合、M&Aを検討しましょう。

M&Aとは、会社や事業を第三者に売却することです。事業承継する相手が見つからないなら、事業を売却し、調剤薬局の持っている資産・負債を引き継ぐことをおすすめします。

「小さな調剤薬局の買い手なんて見つかるの?」と思うかもしれませんが、大手薬局チェーンが個人経営の調剤薬局を買収するケースも増えているのです。そのため、買い手は他の業種と比べても見つけやすいと言えるでしょう。

M&Aを活用して事業承継するのであればM&A仲介会社に相談した方が良いです。なぜなら、買い手の紹介や交渉のサポートをしてもらえるからです。後継者にめぼしい人がいないと分かった時点で相談しておくと、想定している時期にリタイアすることができるでしょう。

ここまで調剤薬局の事業承継について詳しく説明してきました。しかし、事業承継をするためには時間と労力がいることも分かったと思います。そこで「M&Aをしてまで事業承継をしなくても良いのではないか」と考える経営者もいるかもしれません。

しかし、結論から言うと今経営している調剤薬局をリタイアするなら事業承継することをおすすめします。その理由を次の章で確認しましょう。

4. 調剤薬局を事業承継しなかったらどうなる?

調剤薬局を事業承継しなかったらどうなる?

調剤薬局を事業承継せずにリタイアの道を選ぶと、調剤薬局は廃業するしかありません。廃業をすると調剤薬局や関係者には以下のような影響ができます。

  1. 廃業手続きをしなければならない
  2. 借入金を返済しなければならない
  3. 従業員の雇用が続けられない
  4. かかりつけ薬局としていた地域の人が困る
廃業するとどうなってしまうのかを順に詳しく確認しましょう。

4ー1.廃業手続きをしなければならない

調剤薬局を廃業するのであれば廃業手続きをしなければなりません。調剤薬局が法人経営なのか個人経営なのかによって手続きの内容は変わります。それぞれ確認しておきましょう。

①法人経営の場合

法人経営の場合、会社を解散させ清算手続きを行います。

まず、会社を解散し営業を停止させます。従業員や取引先、顧客などに廃業のお知らせをしなければなりません。その後株主総会で解散の決議を行います。

また、会社を廃業させるためには会社の持つ財産を清算しなければなりません。解散・清算人選任登記をしたあと、解散の届出と税務関係の届出をしましょう。

さらに解散時の決算書を作成、債権回収、債務弁済などを行い、残余財産を配分します。最後に清算結了登記を行い、清算確定申告を出した上で清算結了届を出して完了です。

このように、廃業手続きには膨大な労力が発生します。また、解散・清算には約10万円の費用も必要です。もし、税理士などの専門家を雇った場合には、さらに費用がかかることを覚えておきましょう。

②個人経営の場合

個人経営の場合も、廃業届出などを提出します。必要な届出は以下の通りです。

  • 個人事業の廃業届出書
  • 青色申告をしていたのであれば、青色申告取りやめ届出書
  • 消費税の課税事業者であれば、事業廃止届出
  • 従業員がいるのであれば、給与支払い事務所などの閉設・移転・廃止届出書
これらの書類の提出が必要です。個人の場合は、特に手続きにあたって費用はかかりません。

しかし、調剤薬局を閉店するための費用は発生します。売却できる状態にするために解体工事を行ったり、工事期間中の賃貸料も払わなければなりません。

解体費用は約80万円〜100万円程度、廃材処分費用には約20万円〜30万円程度はかかります。閉店をするだけでもある程度の費用がかかってしまうのです。

4ー2.借入金を返済しなければならない

当然ですが、調剤薬局が廃業しても借入金がなくなるわけではありません。もちろん、清算時に現金換算して借入金の返済に当てることも可能です。しかし、それだけでは補えないこともあるでしょう。この場合、経営者が返済をすることになります。

また、経営者借入と言って、経営が赤字になったときに経営者の資産から調剤薬局に対してお金を貸しているケースもあるでしょう。この場合も、廃業してしまうと返ってこない可能性が高いです。

このように、調剤薬局を廃業してしまうことで借入金の債務だけが残ってしまうことも考えられます。

4ー3.従業員の雇用が続けられない

調剤薬局を廃業してしまうと、従業員の雇用を続けることができません。今まで一緒に働いてきた従業員を路頭に迷わせてしまうのです。

小さな調剤薬局であればあるほど、従業員との距離が近く家族のような存在になっていることも多いでしょう。経営者が引退することで長年働いてきた調剤薬局を解雇してしまうことに申し訳なさを感じてしまうのではないでしょうか。

もちろん、解雇するときには雇用保険や社会保険の手続きをしっかりと手配してあげましょう。

4ー4.かかりつけ薬局としていた地域の人が困る

調剤薬局の営業をやめてしまうと、かかりつけ薬局として懇意にしてくれていた地域の人が困ってしまうでしょう。町のお医者さんならぬ町の調剤薬局として長年通ってくれたお客さんは多くいると思います。

特に近年は「かかりつけ薬局を見つけよう」という施策を国が打ち出しています。身近で相談できるいつもの薬局を持つことで自分に最適な薬を選んでもらおうという取り組みです。

こういったかかりつけ薬局は、大手チェーンのドラッグストアよりも町の調剤薬局が選ばれる傾向にあります。そのため、たった1つであってもあなたの薬局がないと困ると考える人はたくさんいるのです。

このようなお客さんにどのようなフォローをするべきかも考えた上で、廃業をしましょう。

このように、調剤薬局を廃業するだけでも労力とお金がかかり、関係者に影響を与えてしまいます。なによりも、長年経営した調剤薬局がなくなってしまうことに寂しさを覚えるはずです。

そこで、後継者が見つからない場合にはM&Aを検討することをおすすめします。次の章で後継者の見つからない調剤薬局がM&Aを検討すべき理由を確認しましょう。

5. 調剤薬局の事業承継先が見つからないならM&Aを検討しよう

調剤薬局の事業承継先が見つからないならM&Aを検討しよう

調剤薬局の事業承継先が見つからないのであればM&Aを検討しましょう。もし、そのまま経営者だけがリタイアしてしまったら廃業しなければなりません。簡単に廃業することを決めるなら、その前にM&Aを検討すべきです。

後継者の見つからない調剤薬局がM&Aを検討すべき理由は3つあります。

  • 理由1.従業員やお客さんに喜んでもらえる
  • 理由2.引退時にまとまった資金が手に入る
  • 理由3.借金や個人保証から解放される
順番に理由を確認しましょう。

理由1.従業員やお客さんに喜んでもらえる

事業継続をすることで従業員やお客さんに喜んでもらえます。従業員は自分の慣れた環境で仕事を続けたいと考えているはずです。する必要のない転職は極力したくないと考えます。

そのため、経営者の引退による廃業で、転職活動をするのはとても負担になるのです。生活のことを考えると今の仕事をしながらの転職活動をしなければなりません。しかし、M&Aを実施すると経営者は変わりますが、職場が変わることはないのです。

また、お客さんも行き慣れたかかりつけ薬局が続けば新しい薬局を探さずに済みます。自分の体や治りやすい薬を理解してくれている調剤師から薬を購入したいと考えているのです。

このように、事業継続することは従業員やお客さんにとても喜んでもらえるでしょう。

理由2.引退時にまとまった資金が手に入る

M&Aをすると、引退するときにまとまった資金を手に入れることができます。というのも、M&Aを実施すると調剤薬局の売却対価をもらえるのです。

調剤薬局であれば1店舗あたり2,000万円〜5,000万円程度で売却できるでしょう。売り上げや立地、従業員の数などによっても売却価格は変動します。売却価格の目安は、調剤薬局の時価+営業利益×3年分です。

調剤薬局を閉店することにお金がかかることを考えると、売却金額を得られるだけでも大きなプラスとなります。これは親族や従業員に事業承継したときには手に入らない資金です。このような資金を手にしたいなら、M&Aでの事業承継も検討しましょう。

理由3.借金や個人保証から解放される

事業に関する借金や個人保証からもM&Aを実施することで解放される可能性があります。中でも株式譲渡をすれば、確実に買い手に負債を引き継いでもらえます。なぜなら、株式譲渡は株主の名前の書き換えを行って会社の全ての資産・負債を譲渡するからです。

ただし、事業譲渡であれば負債が手元に残るかもしれません。交渉次第で負債も引き継いでもらえるので、買い手としっかり交渉しましょう。もし、借金や個人保証が残ってしまっても、売却対価によって支払いを完済できる可能性があります。

このように、M&Aを活用して事業承継をするとメリットがたくさんあることが分かりました。もし、後継者にふさわしい人がいなくても諦めずにM&Aを検討しましょう。

【関連】調剤薬局は株式譲渡/会社譲渡が人気!店舗を残す方法を解説!

6. M&Aによる調剤薬局の事業承継の事例

M&Aによる調剤薬局の事業承継の事例

調剤薬局業界では、M&Aによる事業承継が頻繁に行われています。例えば、アインHDによる新潟・調剤薬局2社の買収事例は事業承継によるものでした。

2018年の8月にアインHDは、新潟県で事業を展開するコム・メディカルと、ABCファーマシーを買収しました。買収金額は公表されていません。

コム・メディアカルは54店舗の調剤薬局を手掛け、売上79億円、順履歴は8,800万円でした。一方、ABCファーマシーは2店舗で売上2億円、純利益は1,600万円と報告されています。

アインHDは2社を子会社化することで、1080店舗もの店舗数に拡大させました。今後も買収を進め、さらに拡大させていく予定です。

このように、地方の調剤薬局もM&Aで買収される事例はたくさんあるので、安心してください。仲介会社に相談し、調剤薬局の経営体制を見直すことで高値での譲渡に成功する場合もあります。

今までの経営実績を最大限生かし、まとまったお金を得たいという方はM&A仲介会社に相談し今後の方針について薬局内で話し合いを進めていくと良いでしょう。

7. 調剤薬局を事業承継するときの最適な相談先

調剤薬局を事業承継するときの最適な相談先

最後に、調剤薬局を事業承継するときの最適な相談先を確認しておきましょう。事業承継は親族や従業員に承継する場合もM&Aを活用した承継の場合も、適切な専門家からのアドバイスが欠かせません。

事業承継の検討を始めるときのおすすめの相談先は、以下の5つです。

  • 相談先1.民間のM&A仲介会社
  • 相談先2.事業引継支援センター
  • 相談先3.商工会議所
  • 相談先4.弁護士や税理士などの士業専門家
  • 相談先5.地方銀行・信用金庫
順番に確認していきましょう。

相談先1.民間のM&A仲介会社

後継者に迷っていたら、民間のM&A仲介会社に相談しましょう。M&A仲介会社とは、M&Aの仲介を専門としている会社です。M&Aのコンサルタントやアドバイザーが所属しています。

もし、『M&A』という言葉に馴染みがない場合は、M&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所なら、M&Aに精通した専門家が在籍しており無料で売却価格を見積もりするなど、サービスが充実しています。

後から紹介する銀行や公的窓口に相談をしても、結果的にM&A仲介会社を紹介されるケースは多いです。

それであれば、初めからM&A仲介会社へ相談した方が時間短縮になります。手厚いサポートを比較的安い価格で受けたいのであれば、M&A総合研究所へご相談ください。

電話で無料相談
0120-401-970
WEBで無料相談
M&Aのプロに相談する

相談先2.事業引継支援センター

事業引継支援センターとは、国の運営する事業承継の公的相談窓口です。国の運営する事業なので安心して相談することができます。

対象は中小企業や中堅企業、零細企業などです。各相談をしたい時は管轄の事業引継センターへ電話し、相談の予約をしましょう。

事業引継支援センターに登録している弁護士や司法書士、税理士、会計士と連携しながら事業承継のサポートをしてくれます。各専門家へ実務を依頼するときには費用が発生するので注意しましょう。

相談先3.商工会議所

商工会議所とは、中小企業などの経営サポートをしてくれる非営利の経済団体です。商工会議所はエリアごとに設置されており、全国に500ヶ所以上存在しています。

商工会議所では事業承継の相談をすることも可能です。親族・従業員への事業承継はもちろん、後継者がいない場合の相談にも乗ってくれます。

相談にいきたい場合は、それぞれの商工会議所の事業承継事業に問い合わせをしましょう。

相談先4.弁護士や税理士などの士業専門家

弁護士や税理士に事業承継の相談をするのも良いでしょう。承継の手続きを手伝ってもらったり、事業承継計画書の作成アドバイスをもらうことができます。

とくに、事業承継時には多額の税金が発生するケースが多いです。そのため、早めに税理士へ相談しておくことで、節税することにつながります。生前贈与を活用したり、事業承継の特別猶予を利用したりして後継者の負担を軽くしましょう。

また、事業承継先が見つからない場合でもM&Aの仲介をしてくれる士業事務所もあります。士業事務所にはさまざまな業種の経営者との繋がりがあるからです。

ただし、事業承継やM&Aに詳しい専門家でなければ正確なアドバイスは期待できません。いつも出入りしている顧問弁護士や担当税理士に依頼しても、見当違いな答えが返ってくる可能性もあります。

相談するのであれば、事業承継やM&Aを専門としている事務所へ相談しましょう。

相談先5.地方銀行・信用金庫

地方銀行や信用金庫にも、事業承継の相談をすることができます。地方銀行や信用金庫は地域密着で活動しているため、経営者が悩む事業承継の相談に乗る事業があるのです。

事業承継計画書を作る際のアドバイスももらえるでしょう。ただし、これは事業承継のための融資を受けることが前提です。事業承継をするときには税金の支払いや譲渡対価を支払うために多額な費用を必要とします。

一時的な負担を緩和するために地方銀行や信用金庫は、比較的低金利で融資をしてくれるのです。

また、事業承継先が見つかっていない場合は、M&Aの仲介を行ってくれます。出入りしている地方銀行や信用銀行の担当者がいるのであれば、一度話を聞いてみるのも良いでしょう。

8. まとめ

調剤薬局の事業承継の流れは以下の通りです。

  • 流れ1.調剤薬局の現状分析
  • 流れ2.後継者の決定
  • 流れ3.事業承継計画の作成
  • 流れ4.引き継ぎ・教育期間
  • 流れ5.事業承継の実施
もし、後継者が決まらなければM&Aを活用するという手もあります。廃業しないためにもM&Aをうまく活用し事業を継続させましょう。

M&Aを活用した事業承継を検討するのであれば、早めにM&A仲介会社に相談することをおすすめです。リタイア時期に間に合うよう、買い手企業を探しましょう。

どこに相談すべきかわからないのであれば、M&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所なら事業承継にも精通しています。

公認会計士がフルサポートいたしますので、安心してお任せください。

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