2022年06月06日更新
調剤薬局の事業売却(事業譲渡)はすべき?成功の秘訣や事例も解説!
調剤薬局の事業譲渡や事業売却をご検討中ですね。調剤薬局を事業売却(事業譲渡)するべきケースは5つあります。その場合は、そのまま廃業してしまうのは非常にもったいないです。調剤薬局を事業売却する際には、秘訣を押さえて理想どおりに事業を手放しましょう。
目次
1. 調剤薬局を事業売却(事業譲渡)するべき5つのケース
調剤薬局を事業売却(事業譲渡)するかお悩みの方が多いのではないでしょうか。
調剤薬局を事業売却するべきケースは、以下の5つです。
- 複数の事業から調剤薬局事業だけを手放したいとき
- いくつかの調剤薬局の一部だけを手放したいとき
- 後継者問題を解決したいとき
- 従業員や利用者に迷惑をかけずに引退したいとき
- 廃業費用をかけたくないとき
これらの5つのケースに当てはまっているなら、積極的に事業売却を検討しましょう。最初にそれぞれのケースについて、事業売却のメリットもあわせて順番に確認していきます。
①複数の事業から調剤薬局事業だけを手放したいとき
複数の事業を経営していて、調剤薬局事業だけを手放したいときは事業売却が有効です。
会社全体でさまざまな事業を行っているとき、調剤薬局事業以外に注力したくなることもあるでしょう。そのようなとき、調剤薬局事業だけを売ってしまえば、その分の人員や資金も注力したい事業に使えます。それによって、会社経営をより効率的に進めていくのが可能です。
調剤薬局事業が不調で売上が出ていないときも、手放してしまうことで会社の業績は上がります。事業売却した場合、会社は変わらず残るので、安心して行えるはずです。
事業の選択と集中をするため、経営戦略に事業売却を行う経営者は多いとされています。
②いくつかの調剤薬局の一部だけを手放したいとき
複数の調剤薬局を経営している中で一部だけを手放したいときも、事業売却は有効です。
事業売却は売る範囲を自由に決められるので、好調な調剤薬局だけを残してあまり売上が出ていない調剤薬局を手放せます。
それによって、不調な調剤薬局に使っていた経営資源を、好調な調剤薬局や別の事業に回せるのもポイントです。
もしも経営する調剤薬局の売上にバラツキがあるなら、採算の取れていないところだけ売ってしまうのも良い選択と考えられます。
収益的に良くない調剤薬局としても、買い手の目的によっては高値で売却できる可能性もあるのです。
③後継者問題を解決したいとき
身近に跡継ぎがおらず事業承継ができない後継者問題も、事業売却で解決できます。なぜなら事業売却を行うことで、外部の第三者に事業を引き継いでもらえるためです。
廃業はしたくないものの後継者がいない場合も諦める必要はありません。親族や従業員に事業を引き継いでもらえないときには、積極的に事業売却を検討するべきといえます。
「誰かに売ってまで事業を続けるのはどうなのだろう」と、お悩みになる方もいるはず。しかし、廃業してしまうとスタッフや地域住民に迷惑がかかってしまう可能性が高いです。それを避けるために事業売却を選ぶ経営者は少なくありません。
また、後継者候補はすでにいるのに、薬局の数が多いため引き継ぐのが大変とお悩みの方もいるはずです。売却する範囲を選べる事業売却は、会社のスリム化には有効な手段です。
したがって、事業承継の際に後継者にスムーズに引き継ぎたいときも、事業売却を行いましょう。
事業承継について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
④従業員や利用者に迷惑をかけずに引退したいとき
従業員や利用者に迷惑をかけずに引退したいときには、事業売却が最適です。
自分自身の年齢や今後の生活を考えたとき、ずっと経営してきた調剤薬局事業をやめてしまわなければならないこともあるでしょう。そのような状況で、今まで頑張ってくれたスタッフや利用してくれた地域住民に迷惑をかけたくないと考える経営者は多いです。
調剤薬局が廃業すると、スタッフは次の職場を探さなければなりません。また、地域住民は安心して利用できる調剤薬局を新たに探す必要があるのです。そのような心配があると、気兼ねなく引退するのは難しいといえます。
事業売却を行えば、引退してからも調剤薬局事業は買い手のもとで続いていくので、安心してリタイア後の生活を楽しめます。
⑤廃業費用をかけたくないとき
廃業費用をかけたくないときも、事業売却は有効な手段です。
調剤薬局を廃業するときには、設備や医薬品の廃棄費用やテナントを元に戻す原状回復費用がかかります。したがって、事業をやめるのにも高額なお金が発生してしまうのです。
調剤薬局の廃業費用は、事業規模にもよりますがおよそ15坪で100万円程度とされています。このように廃業にも資金が必要ですから、気をつけなければなりません。
リタイア前に廃業費用をかけたくないなら、事業売却を行うべきです。事業売却を行えば、その分の売却利益が出るので金銭的にメリットが大きいといえます。
ただし、利益に対して法人税が課税されるので専門家のもとで対策を練りましょう。知識や経験が豊富な専門家に相談すれば、税金の額を最低限に抑えられるはずです。
以上が、調剤薬局事業の事業売却を行うべき5つのケースでした。これらに心当たりがあるのでしたら、事業売却を行った方が良いです。積極的に事業売却の準備を進めていきましょう。
しかし、「実際どれくらいの金額で売れるのかを知ってから決めたい」方も多いはずです。ここからは、調剤薬局事業を事業売却する際の価格相場を見ていきます。
ちなみに、そもそも事業売却について知りたいなら、以下の記事を参考にしてください。
2. 調剤薬局を事業売却(事業譲渡)する際の価格相場
調剤薬局を事業売却(事業譲渡)する際の価格は、「営業利益+減価償却費の3年分」で計算できます。
例えば、営業利益が800万円、減価償却費が100万円の場合は、「800万円+100万円×3年分=2,700万円」です。
だいたいの金額ではありますが、実際に事業売却の手続きに着手する前の目安になるでしょう。高額な事業売却を目指すのであれば、できるだけ営業利益を高めるのがポイントです。
ちなみに、具体的な買い手との交渉段階では、スタッフの人数や医薬品の在庫、調剤薬局のその他資産の金額も加味されます。したがって、営業利益がそこまで高くなくても売却する調剤薬局の強みを考えて、それを求める買い手を見つければ高額売却につながるでしょう。
以上が調剤薬局を事業売却する際の価格についてでした。「思ったより高く売れそうだから事業売却をしてみたいけれど、まだ具体的なイメージがわかない」人もいるのではないでしょうか。
そこでここからは、調剤薬局の事業売却の事例について見ていきます。実際にあった事例を確認すると、自分が事業売却を行う際の参考になるはずです。
3. 調剤薬局の事業売却(事業譲渡)の事例
ここで、調剤薬局の事業売却(事業譲渡)の事例について見ていきましょう。
今回確認する事例は、以下です。
- 上新電機がドラックストアをウエルシアホールディングスに売却
- 滋賀の調剤薬局がキリン堂ホールディングスに売却
- ユウシンメディックがロングライフメディカルに売却
- ケイアンドワイがルナ調剤に売却
これらの事例を確認し、自分が事業売却をする際のイメージ作りに役立ててください。それぞれの事例について、順番に確認していきます。
①上新電機がドラックストアをウエルシアホールディングスに売却
ウエルシアホールディングスは2020年9月に、子会社のウエルシア薬局を通じ、近畿地区で上新電機が展開するドラッグストア「マザーピア」の6店舗を取得しました。
今回のM&Aによって、近畿地区でのドラックストア出店拡充を目指します。
②滋賀の調剤薬局がキリン堂ホールディングスに売却
2019年6月に滋賀の調剤薬局がキリン堂ホールディングスに売却を行いました。
キリン堂ホールディングスは、関西エリアを主な拠点として調剤薬局とドラッグストアを経営していました。さらにかかりつけ薬局を増やし、地域住民の生活に貢献するために、今回は滋賀の調剤薬局を買収したのです。
このように、1店舗だけの調剤薬局でも事業売却が成功するのはよくあります。売却価格は非公開ですが、廃業するよりも金銭的なメリットは大きいはずです。もしも今後の経営に不安があるなら、事業売却を行って安心してリタイアしましょう。
③ユウシンメディックがロングライフメディカルに売却
2018年12月にユウシンメディックがロングライフメディカルに調剤薬局事業を売却しました。
ユウシンメディックは、3つの調剤薬局を経営していました。今回ロングライフメディカルに事業を譲ったのは、事業承継目的と見られています。
ロングライフメディカルも6店舗の調剤薬局を経営しており、今回の買収によってさらなる事業拡大が狙えるでしょう。
このように、事業承継目的で事業売却をするのも珍しいことではありません。売却価格は非公開ですが、後継者不足で廃業するよりはお得です。
後継者が身近にいない場合でも事業承継を諦める必要はありません。事業売却によって調剤薬局を引き継いでもらうことを検討しましょう。そうすると、スタッフや利用者も満足する結果が迎えられるはずです。
④ケイアンドワイがルナ調剤に売却
2018年9月にケイアンドワイがルナ調剤に調剤薬局を売却しました。
ケイアンドワイは、オリーブ薬局とソレイユ薬局を売りました。オリーブ薬局とソレイユ薬局の直近の業績は売上高3億円を超えており、売却価格は2億円程度とされています。
ルナ調剤は、M&Aによって調剤薬局業界に新規参入しました。今後も買収を繰り返し、調剤薬局事業を発展させていく見込みです。
このように、調剤薬局の事業売却は、高額な売却価格になることもあります。自分の事業の売上に自信があるなら、積極的に高額売却を狙ってみましょう。
また、昨今は事業買収を行って事業規模を大きくする経営者も少なくありません。したがって、調剤薬局の事業売却を考えたとき、買い手は見つかりやすいと考えられています。安心して事業売却に着手してください。
調剤薬局に強いM&A仲介会社も複数ありますので、まずは相談してみるのが良いでしょう。
以上、調剤薬局の事業売却の事例でした。
自分が事業売却をするイメージが固まってきたら、成功させるコツを知りたいとお考えのはずです。実は調剤薬局を事業売却するには押さえておくべきコツがあるので、確認していきましょう。
4. 調剤薬局を事業売却(事業譲渡)する5つのコツ
調剤薬局を事業売却(事業譲渡)する際には、以下の5つのコツを押さえておくべきです。
- 地域住民からの評判を良くしておく
- 設備を新しくしておく
- 薬剤師の人数を確保しておく
- スタッフや利用者が減らないように適切な告知をする
- 買い手探しに時間がかかることを考えて早めに取り組む
これらのコツを押さえておくことで、買い手が見つかりやすくなり、高額売却も狙えます。
知らなければ損をしてしまうので、事業売却を行う前に確認しておきましょう。
①地域住民からの評判を良くしておく
事業売却にあたって、地域住民からの評判を良くしておくことは大切です。
調剤薬局は利用者から信頼されて評判が良くなることで、さらなる利用者の増加につなげられます。したがって、買い手側も評判の良い調剤薬局を買収したいと考えているのがほとんどです。
したがって、まずはスタッフの言動に気を配って調剤薬局内の雰囲気を良くしましょう。「この薬局をかかりつけにしたい」と思ってもらえる調剤薬局作りを心がけてください。
②設備を新しくしておく
調剤薬局は設備の新しさも重要なポイントです。
最新の設備がある薬局は、スタッフもストレスなく働けて離職率が低くなります。また、スタッフが余裕を持って利用者への対応を行えるようになるので、薬局の評判も良くなるでしょう。
「どうせ売却するから、古い設備のままで乗り切ろう」とお考えの方もいるかもしれません。しかし、設備環境もしっかり整えた方が、その分だけ売却金額が伸びて得になることもあります。
多少コストはかかっても設備を新しくすれば意欲の高い買い手も見つかりやすいので、最新の設備について一度チェックしてみましょう。
③薬剤師の人数を確保しておく
調剤薬局を事業売却する際は、薬剤師の人数にも気を配らなければなりません。なぜなら、薬剤師不足を解決するために事業を買う買い手も多いためです。
また、昨今の買い手に薬剤師が足りているとしても、買収する薬局の薬剤師が少なければ全体では不足している状況になってしまいます。
薬剤師が少なければ買い手候補も探しにくくなるので、早めに採用活動に着手しておくべきです。
薬学部が6年制になってからは新卒薬剤師のブランド志向も高まり、中小規模の薬局は薬剤師不足が続いています。薬剤師の人数が適切な薬局は、それだけで買い手が集まりやすくなるはずです。
④スタッフや利用者が減らないように適切な告知をする
事業売却を成功させたいなら、スタッフや利用者が減らないように適切な告知をするのも大切とされています。
なぜなら勤めている調剤薬局が売られてしまうと知ったスタッフが不安になって、急に離職してしまうかもしれないためです。同様に、かかりつけ薬局として通ってくれていた利用者も、別のところをかかりつけにしようと考えるかもしれません。
したがって、事業売却をする際には不確実な段階で安易に情報を広めないほうが良いです。
買い手との交渉を進めて事業売却が確実になったときに告知をしましょう。そして告知の際には、スタッフには今後の処遇を丁寧に伝えてあげるべきです。利用者には今後はさらなるサービス向上を果たすことを説明してください。
⑤買い手探しに時間がかかることを考えて早めに取り組む
事業売却を行うなら、買い手探しに時間がかかることを考えて早めに取り組むべきです。
事業売却は買い手さえ見つかればすぐに完了するわけではありません。事業売却はすべての手続きを終えるまでに半年から1年間はかかると考えておきましょう。
もちろん買い手探しがスムーズにいかなければ、必要な期間は長引きます。したがって、できるだけ短期間で事業売却を終わらせたいなら、早めに準備に取り組んでください。
以上が、調剤薬局の事業売却をする際のコツでした。5つのコツをしっかり押さえることで、失敗する確率を大幅に下げられます。
「事業売却には時間がかかるみたいだけど、どのような手続きが必要なのだろう」とお考えの方も多いはずです。ここからは、事業売却に必要な手続きを確認していきましょう。
5. 調剤薬局の事業売却(事業譲渡)の流れ
調剤薬局の事業売却(事業譲渡)の大まかな流れは以下のようになっています。
- 買い手を見つける
- 秘密保持契約を結ぶ
- 基本合意契約を結ぶ
- デューデリジェンスを行う
- 事業売却契約を結ぶ
- 株主に関する手続きを行う
- 名義変更などの行政手続きを行う
専門家に依頼する場合でもあらかじめ大まかに流れを知っていれば相談しやすいので、確認していきましょう。
①買い手を見つける
調剤薬局の事業売却を行うなら、まずは買い手を見つけなければなりません。
買い手を見つける際には、なぜ事業売却を行うのかを明確にするところから始めましょう。目的が具体的になったら、それをかなえられる買い手を仲介会社やマッチングサイトを利用して探します。
そして、買い手に打診する際には、事業の状況や資産について伝えるのが必要です。したがって、買い手探しの前には事業の情報を整理しておいてください。
②秘密保持契約を結ぶ
買い手が見つかったら、秘密保持契約を結んでおくべきです。
秘密保持契約とは、事業売却についての情報を第三者に漏らさないことを約束する契約のことです。
買い手との交渉の際には売却する事業について話さなければなりません。しかし、その段階では必ずしも交渉成立するとはいえないため、注意が必要です。
もしも買い手が情報を漏らしてしまうと、ライバル会社に情報を知られてしまい損失が出るかもしれません。また、スタッフや利用者に事前に事業売却を知られると、不安にさせてしまいます。
したがって、買い手に情報を伝える前には、忘れずに秘密保持契約を結びましょう。
③基本合意契約を結ぶ
事業売却について話し合って双方が納得すれば、基本合意契約を結びます。
話し合いの内容は、売却する事業の範囲や経営方針、スケジュールなどです。
基本合意契約を結んだからといって、必ず事業売却が成立するとは限りません。最終的な売却内容は変わる可能性があるのです。したがって、あくまでもお互いが前向きに事業売却について考え、話を進めていく契約と考えておきましょう。
事業売却を成立させるためには、基本合意契約の段階で自分の譲れない条件について伝えておくべきです。
譲れない条件があるのに後の段階になってから伝えて買い手に断られた場合、時間が無駄になってしまいます。そうならないためにも、基本合意契約を結ぶ前には希望の条件を整理しておいてください。
④デューデリジェンスを行う
基本合意契約を結んでお互いが前向きな姿勢を見せたら、買い手はデューデリジェンスをします。
デューデリジェンスとは、買い手が売り手の事業に問題がないかを確認する方法です。
基本的には、実際に調剤薬局に来てもらって現地調査を受けます。このとき、会計や税務についても確認されるので正しい情報が伝わるように協力しましょう。
仮にあまり伝えたくない情報があるとしても、虚偽の申告はやめるべきです。あとからデューデリジェンスの内容に間違いが発覚したとき、買い手と大きなトラブルになってしまいます。
お互いに納得できる事業売却になるように、しっかりとデューデリジェンスを行ってもらいましょう。
⑤事業売却契約を結ぶ
デューデリジェンスの結果に買い手が満足したら、事業売却契約を結びます。
このとき、取締役会を開いて取締役による過半数の同意を得なければならないので取締役が複数人いる場合には気をつけてください。スムーズに同意を得るためには、事業売却の目的やメリットを誠実に伝えるのがポイントです。
事業売却契約を結べば、売り手と買い手が今回の事業売却に同意します。
事業売却契約書の内容は場合によりますが、売却する事業の範囲や引渡し時期、引き渡し条件などを記載するのが多いです。事業売却契約を結んでしまうと内容を変更できなくなるので、慎重に内容を確認してから締結しましょう。
また、事業売却契約書にミスがあるとうまく事業を譲れないので、専門家に依頼すると安心して手続きできます。
⑥株主に関する手続きを行う
事業売却が決定したら、実施される20日までに株主に通知しなければなりません。
通知の方法は、中小企業なら株主それぞれへの個別通知が用いられるのが多いです。他にも公告を利用できます。
公告とは、インターネットや新聞を利用して情報を公開する方法です。公開会社なら株主総会で事業売却についての同意が得られているなら、公告を行うことで通知をしたことになります。
通知とあわせて、株主総会では議決権の過半数の株主が出席する特別決議で2/3の同意を得るのが必要です。事業売却の日までに行わなければならないので、売却が決まり次第スケジュールを決めましょう。
⑦名義変更などの行政手続きを行う
最後に、名義変更などの行政手続きを行わなければなりません。事業売却は調剤薬局の開設者が変更する扱いですから、許可を取り直すことになります。
したがって、保健所で開設許可をもらいましょう。そして、その後厚生局に行って「保険医療機関・保険薬局の指定申請」を行います。
買い手がスムーズに事業を引き継げるように、名義変更についても忘れずに事前に相談しておくのが良いです。
以上、調剤薬局を事業売却する際の大まかな流れでした。さまざまな手続きを行わなければならず、不安に感じた方も多いはずです。
自分だけで事業売却を成功させるのは非常に難しいとされています。もしも手続きに不備があると、後から大きなトラブルになりかねません。したがって、事業売却の際には、専門家にサポートしてもらいましょう。
6. 調剤薬局の事業売却(事業譲渡)をする際の相談先
調剤薬局の事業売却(事業譲渡)については、M&A仲介会社に相談するのが最適です。
調剤薬局の事業売却に強いM&A仲介会社として、例えば以下の相談先があります。
①M&A総合研究所
M&A総合研究所は、独自の幅広い情報を活用して短期間での事業売却を実現させるM&A仲介会社です。
調剤薬局の事業売却案件も規模を問わず豊富に取り扱っているので、安心してご相談いただけます。
調剤薬局の事業売却と一口にいっても、内容はケースによってさまざまです。M&A総合研究所は事業売却の目的や事業売却後の生活のご希望を伺いながら、最適なプランをご提案いたします。
費用も完全成功報酬制(※譲渡企業様のみ)で、安心してご依頼いただけます。さらに、M&A総合研究所はスピーディーなサポートを実践しており、成約まで最短3カ月の実績もございます。
事業売却を親身になってサポートいたしますので、まずは無料相談からお気軽にご連絡ください。
相談先 | M&A総合研究所 |
電話番号 | 0120-401-970 |
URL | https://masouken.com/ |
7. 【補足】事業売却(事業譲渡)に取り組む前に!調剤薬局業界の動向は?
調剤薬局の事業売却(事業譲渡)は増える見込みです。
調剤薬局業界の動向としては、以下の2点が特に注目されています。
- 令和2年度の診療報酬改定
- 中小規模の調剤薬局における薬剤師不足
最後にこれらのポイントを中心に、調剤薬局業界の動向について見ていきましょう。
①令和2年度の診療報酬改定
令和2年度の診療報酬改定において、調剤では0.16%プラスとなりました。
調剤基本料については、条件に応じて点数が減算する制度があります。令和2年度の改定では、特別調剤基本料について、診療所と不動産取引などその他の特別な関係がある診療所敷地内の薬局などを対象に追加しました。
いわゆる同一敷地内薬局について合計100回未満の場合には、調剤基本料を50%減らす要件が追加されました。
今後、調剤薬局の経営が難しくなる経営者が増える可能性もあるため、経営難を解決するために、事業売却を行うケースも増えていくでしょう。
参照:厚生労働省「令和2年度診療報酬改定の概要」
②中小規模の調剤薬局における薬剤師不足
昨今は中小規模の調剤薬局を中心に、薬剤師不足に悩まされています。
なぜなら、薬学部が6年制になったためです。長期間在学しなければならなくなったことで、新卒で就職する際の学生のブランド志向が強まっています。
そのため、ブランド力の薄い中小規模の調剤薬局は、薬剤師が増えにくい傾向です。したがって、事業売却で大手グループの傘下に入り安定した経営を目指そうと考える経営者も増えています。
もしも薬剤師不足に悩んでいるのなら、事業売却で解決できないかを考えてみましょう。
以上が調剤薬局業界の最新動向でした。
調剤薬局事業は需要が安定していますが、診療報酬改定や薬剤師不足で悩む経営者も多いです。
今後の経営に不安があるなら、専門家に相談して問題を解決しましょう。その際には、事業売却が有効な可能性は高いです。
8. まとめ
さまざまな理由で調剤薬局を事業売却(事業譲渡)する経営者は少なくありません。
調剤薬局を廃業すると、従業員や地域住民に残念がられるだけではなく、医薬品や備品の処分などさまざまなことに時間とお金がかかります。したがって、できるかぎり廃業は避けるべきです。
調剤薬局の事業売却によって、さまざまな問題を解決できます。少しでも調剤薬局を残したい思いがあるなら、事業売却を行って経営を続けてもらいましょう。
9. 調剤薬局業界の成約事例一覧
10. 調剤薬局業界のM&A案件一覧
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