2020年10月05日更新
IT企業・ソフトウェア業界のM&A動向・価格相場【案件事例あり】

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。
近年は、IT企業やソフトウェア業界においてM&Aによる会社売却、買収、事業譲渡などが活発化しています。そこで、当記事ではIT企業やソフトウェア業界のM&Aについてまとめていきます。IT企業やソフトウェア業界のM&Aの売却価格相場や事例についてもご紹介します。
目次
1. IT企業・ソフトウェア業界の現状
当記事では、「IT企業・ソフトウェア業界のM&A」についてまとめていきます。IT企業・ソフトウェア業界で活躍されている経営者の方や、IT業界・ソフトウェア業界への参入に興味を持つ方の中には、以下のようなお悩み・ご希望を抱えている方はいませんか。
当記事では、上記のようなお悩み・ご希望を抱えた方のために、IT企業・ソフトウェア業界のM&A動向や相場価格、M&A事例などについて解説していくので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
それでは、M&Aの話をする前にまずはIT・ソフトウェア業界について基本的な事柄から確認していきましょう。
IT企業・ソフトウェア業界の基本情報
まずは、IT企業・ソフトウェア業界の基本情報からまとめていきます。
「そもそもIT企業・ソフトウェア業界とはどのような業界か」「IT企業・ソフトウェア業界の主要プレイヤーはどの企業か」などを理解してからM&Aについて考えるとわかりやすいです。
- IT企業・ソフトウェア業界の定義
- IT企業・ソフトウェア業界の構造
- 商流・事業の特性
- IT企業・ソフトウェア業界の事情状況
それぞれについて、順番に見ていきましょう。
IT企業・ソフトウェア業界の定義
IT業界は、情報技術に関わる事業を展開する業界になります。ちなみに、ITは「Information Technology」の略称です。
ただ単純にITや情報技術といっても、近年の技術発展に伴い、非常にたくさんの業態が生まれたことから、IT業界と簡単に一言でまとめることが難しくなってきています。
IT業界と聞いてイメージするのは、システム開発などを行うソフトウェア系と、パソコンやスマートフォンの開発を行うハードウェア系ではないでしょうか。
しかし現在では、この他にも以下のものがあります。
- 情報処理系
- 通信インフラ系
- インターネット・Webサービス系
- クラウドサービス系
通信インフラ系は、インターネットを利用するための環境の構築や運営をするサービスのことです。
インターネット・Webサービス系は、インターネット広告やオンラインショップ、決済システム、SNSの運営システムを提供するサービスのことをさします。
クラウドサービス系は、ブログやSNSなどを作動させているサーバーシステムやウェブメール、会計システム、ファイル転送・保管システムなどを提供するサービスです。
IT企業・ソフトウェア業界の構造
IT業界の構造を簡潔に整理すると以下4つに大別できます。
- インターネット・Webサービス業務
- 情報処理サービス業務
- ハードウェア業務
- ソフトウェア業務
「インターネット・Webサービス業務」は、企業向けにWebサイトを開発・制作したり、ネットワーク構築を行ったり、個人向けにSNSやショッピングサイトを展開したりする業種のことです。
「情報処理サービス業務」とは、企業が情報システムを社内に導入する際に必要となるサービスを提供する業種で、ソフトウェア業界とハードウェア業界を補完する役割を持ちます。
「ハードウェア業務」は、パソコン本体機器や、キーボード・マウス・プリンター・モニターなどのパソコン周辺機器の開発・制作を行う業種のことを意味しています。
以前は、「ハードウェア=パソコン」でしたが、現在は技術の発展に伴い、スマートフォンやゲーム機、家電の開発も「ハードウェア」という業種の一つと考えることができます。
そして、「ソフトウェア業務」は、パソコンやスマートフォンなどのハードウェア製品を制御するための命令をまとめたプログラムを開発する業種です。
スマートフォンでよく耳にするAndroidやiOSはこのソフトウェアという業種で活躍するシステム開発者によって開発されています。IT業界の売上のおよそ半分は、ソフトウェア業務のシステム開発が占めています。
商流・事業の特性
IT業界・ソフトウェア業界の商流は、何層にも分けられます。
基本的に、IT業界・ソフトウェア業界の顧客となる企業や会社は、システム開発などの依頼を「システムインテグレーター」に発注します。
システムインテグレーターとは、情報システム開発やハードウェア製品開発などにおいて、戦略立案から設計、開発、テスト、運用・管理までを一括して請け負う情報通信企業のことです。「SIer(エスアイヤー)」という呼ばれ方をされることが多いです。
システム開発などの依頼が大手SIerに発注されると、SIerはさらに「IT・ソフトウェアの中小・零細企業(システム開発の下請け事業を行う中小企業など)」に発注をします。
銀行の金融システムなどのような「大規模なシステム開発」においては、大手SIerが仕事を受注して、それらがさらにIT・ソフトウェア中小企業に発注されていくという流れになっています。
IT業界・ソフトウェア業界の主要プレイヤーは主にSIerです。SIerとは、システムインテグレーションを行う業者のことを意味します。
システムインテグレーションとは、ユーザーの利用目的に合わせて、さまざまなハードウェアやソフトウェア、メディア、通信ネットワークなどをうまく組み合わせて、コンピューターのシステムを作り上げることです。
SIerは「メーカー系SIer」「ユーザー系SIer」「独立系SIer」に分けられます。
ハードウェア製造を得意とするメーカー系SIerは「日立製作所、NEC、富士通、IBM」などがあります。
ユーザー企業の情報システム子会社となっているユーザー系SIerには「野村総研、新日鉄住金ソリューションズ、伊藤忠テクノソリューションズ」、資本的に独立した独立系SIerには「ITホールディングス、大塚商会、オービック」などがあります。
ちなみに、国内のIT・ソフトウェア業界において、売上高で首位に立つのが「NTTデータ」です。業界内で唯一売上高「1兆円」を誇ります。2位の「大塚商会」に大きな差をつけています。
また、日立製作所や野村総研、大塚商会といった大企業の子会社として活躍するIT企業やソフトウェア企業もたくさんあります。
IT企業・ソフトウェア業界の市場状況
IT業界・ソフトウェア業界の動向ですが、国内景気の回復に伴って好調に推移してきています。また、近年の「マイナンバー導入」や「金融機関のシステム更新」といった大型案件の需要も伸びています。
さらに、データをインターネット上に管理する「クラウドサービス」の発展や、「ビックデータ解析の重要度の増加」「モノのインターネット化と呼ばれる『IoT』」「AI(人工知能)」も、IT・ソフトウェア業界に良い波をもたらしています。
2. IT企業・ソフトウェア業界の「SIer」を詳しく解説!
ここでは、IT企業・ソフトウェア業界の「SIer」について、詳しくまとめます。日立製作所や大塚商会のようなIT企業・ソフトウェア業界の大企業は、「システムインテグレーション事業」を展開しています。
大塚商会などは、ITにまつわる提案を顧客から受注したあと、その顧客のニーズを満たすために、「システム設計・開発、環境構築、総合的なソリューション」を提供することになります。
ここからは、「大塚商会」を例にしていきます。例えば、大塚商会の顧客が「PC・複合機器を導入・設置したい」「社内にスマートデバイスを導入したい」「セキュリティの導入・設置をしたい」といった要望を抱えているとします。
この要望を受けた大塚商会は、顧客の課題分析や最適な機器・システムの開発・企画・構築などを請け負います。ただし大塚商会が、システム開発や導入などをすべて社内で行うわけではありません。
「コピー機を導入したい」という要望が大塚商会に届いたら、大塚商会は子会社や複数のメーカーを比較して、顧客にとって最適なコピー機を選定し、顧客に提供します。
このように、IT企業・ソフトウェア業界は、大手のSIerが顧客から受注をし、その後SIerが選んだ最適な下請け業者に各仕事を発注していくという流れになっています。
それではIT業界・ソフトウェア業界に話を戻して、M&Aについても見ていきましょう。
3. IT企業・ソフトウェア業界でM&Aが増えている!その理由は?
今後のIT・ソフトウェア業界の動向としては、需要がますます高まっていくと考えられているため、IT・ソフトウェア業界のM&A動向に注目しておくことが大切です。
最近では、IT企業やソフトウェア業界の企業によるM&Aが増加傾向にあります。IT企業・ソフトウェア業界のM&Aが増加している要因には、以下のものがあります。
- SIerの統廃合
- 人材獲得
- 技術獲得
- 事業規模の拡大
このような要因で、IT企業・ソフトウェア業界のM&Aが増えていると考えられているのです。それぞれについて、順番に見ていきましょう。
SIerの統廃合
IT・ソフトウェア業界は、大手SIer(日立製作所・野村総研・大塚商会など)から二次請負や三次請負の中小企業に仕事が段階的に発注されていく仕組みだと説明しました。そのため、IT・ソフトウェア業界は「多重請負構造」となっています。
多重請負構造の場合、商流の最も裾野側・最下層の中小企業は、競争力が軟弱化してしまい、少ない利益しか生み出せない仕事を受注せざるを得ない状態になってしまいます。
この多重請負構造の問題を解決するために、競争力の低い中小企業は、同業との資本提携や、大手SIer傘下になるためのM&Aが進んでいます。
人材獲得
近年ますますIT・ソフトウェア業界に対する需要が高まってきていることから、IT・ソフトウェアに関する知識・ノウハウ・技術を持った人材不足が進んでいます。
今後の日本の人口は、減っていくと考えられており、それによって市場規模や人材人数も減っていく見込みです。
また、2020年のGLOBAL HR MAGAZINEの情報によると、2030年にはITの人材は78.9万人不足するということです。このように、IT・ソフトウェア業界の人材不足は非常に深刻なものとなっています。これは今後も加速していくでしょう。
近年ではシステム開発ができる「システムエンジニア」や「プロジェクトマネージャー」など、専門的知識を持った人材を獲得する目的で、M&Aが行われるケースが増えてきています。そしてこれからもM&Aを活用して優秀な人材を争奪し合うことになると考えられているのです。
技術獲得
IT・ソフトウェア業界では、AI(人工知能)を利用したサービス・製品の開発や、IoT製品の需要拡大、インターネット・Webサービスを取り巻く環境の変化などが要因となって、専門的で最先端な「IT・ソフトウェア技術」が求められるようになってきています。
このような技術を、社内で一から作りだしていくには、多くの時間と資金が必要になります。そのため、M&Aを活用して、すでに技術を持った企業・会社を買収することで、自社の成長・発展に必要な技術獲得を目指す企業が増えてきているのです。
自社でIT・ソフトウェア事業を立ち上げることが必ずしも成功するとはいえないので、M&Aで確実に技術獲得したいと考える経営者が多いのは当然のことでしょう。
今後もさまざまな技術革新が進んでいく見込みなので、M&Aは増え続けるはずです。
事業規模の拡大
IT業界・ソフトウェア業界の需要が高まってきているという動向から、自社の事業規模拡大が急務になっている企業がたくさんあります。
自社が現在抱えている「ヒト・モノ・カネ・情報」といった経営資源だけでは、スピーディーな事業規模拡大は難しいのが現状です。
そのため、同業他社や自社にない技術を持った企業をM&Aによって買収することで、事業規模の拡大を図る企業が増えてきています。
以上、IT業界・ソフトウェア業界でM&Aが増えている要因を解説しました。
ここまでを読んで、IT業界・ソフトウェア業界でM&Aを行いたいと漠然と考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、具体的にどのようなメリットがあるのかがわからなければ、M&Aの実施に踏み切れないはずです。
そこでここからは、IT業界・ソフトウェア業界でM&Aを行うと得られるメリットについて詳しく見ていきましょう。
4. IT企業・ソフトウェア業界がM&Aを行うメリット
そのM&A動向に注目が集まる「IT・ソフトウェア業界」ですが、IT企業やソフトウェア業界の企業がM&Aを実施するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、IT・ソフトウェア業界がM&Aを行うメリットについてまとめていきます。
売り手のメリットと買い手のメリットに分けて、それぞれ見ていきましょう。
売り手のメリット
まずは、M&Aにおける売却側のメリットについて解説していきます。M&Aを実施して、自分の企業・会社を売却したり、事業を他社に譲渡したりすることを検討している方は、この売り手のメリットを確認してみてください。
売却側のメリットは、以下のようなものが挙げられます。それぞれ詳細に解説していきます。
- 従業員の雇用を守れる
- 譲渡・売却によって後継者問題を解消できる
- 大手企業のグループ傘下となり、利益を改善できる
これらのメリットに興味があるなら、IT業界・ソフトウェア業界でM&Aを行うのが良いでしょう。それぞれについて、見ていきます。
従業員の雇用を守れる
まず考えられる売却側のメリットとしては、「従業員の雇用を守れる」というものがあります。
先述しているとおり、IT・ソフトウェア業界では、多重請負構造が一般的となっているため、請負構造の最下部に位置する中小企業などは、獲得できる利益も小さく、会社自体を守っていくことが難しい状況になることも少なくありません。
M&Aによって会社を大手企業に売却することで、「従業員の雇用」を確実に守れます。
大手企業に会社を売ることに抵抗がある経営者の方は少なくありません。しかし、大手企業に売却すれば、今までの事業が大手企業の資本力を支えに、より発展することも多いです。
自社で頑張ってきてくれた従業員に落ち着いて仕事に取り組むことのできる環境を与えるためにも、M&Aは非常に有効な手段となります。
譲渡・売却によって後継者問題を解消できる
M&Aによって、会社を譲渡・売却することで、「後継者問題」を解決できます。最近では、特に中小企業において、「経営者の高齢化」と「後継者となる人物の不在」によって、事業を承継したくてもできない状況にある会社が多いです。
M&Aを利用して、会社や事業を譲渡・売却できれば、これまで育ててきた会社・事業を継続させることができ、後継者問題を解消できます。
IT業界・ソフトウェア業界に詳しい会社に売却をすれば、後継者の実力不足で経営難になるということもまずありません。
身近に後継者がいなくてIT・ソフトウェア会社を廃業しなければならないとお悩みなのであれば、まずはM&Aで事業承継ができないかどうかを考えてみてください。
大手企業のグループ傘下となり、利益を改善できる
M&Aによって、株式売却・譲渡をして大手のIT・ソフトウェア系企業に仲間入りをすることで、大手企業が持つ営業力・信用力を活かして、自社の利益を拡大させることが可能です。
特にIT・ソフトウェア業界においては、大手企業であればあるほど受注できる仕事の量や、その仕事から得られる利益も大きくなる傾向にあります。
このままの状態では経営を持続させるのが困難な中小企業においては、M&Aで利益を改善できるM&Aは魅力的といえます。
例えば、大塚商会には、大塚商会と「連結子会社」の事業系統があります。大塚商会は、顧客から受けた依頼の種類によって、最適な子会社に仕事を受注する流れになっています。
このように、大手企業のグループ傘下・子会社になることで、自社の利益を確保できるようになります。
以上が、IT業界・ソフトウェア業界でM&Aをする売り手側のメリットでした。続いて、買い手側のメリットも見ていきます。
買い手のメリット
次に、M&Aによって会社を買収する側のメリットについてまとめます。M&Aによる買収側のメリットには、以下のようなものがあります。
- 専門的な技術を持った人材を確保できる
- 自社にない技術やノウハウを獲得できる
- 売却側の会社が持つ顧客網やネットワークを取り入れることができる
これらのメリットに興味があるなら、IT業界・ソフトウェア業界でM&Aを行うのが良いでしょう。それぞれについて、見ていきます。
専門的な技術を持った人材を確保できる
M&Aによる買収側のメリットの一つとして、「専門的技術を持つ人材の確保」が挙げられます。近年のIT・ソフトウェア業界は、目まぐるしくその動向が変わっており、求められる技術が日々進化しています。
例えば、AI技術、クラウドサービス技術、IoT技術などがこれに当たります。これらの専門的技術をすでに身に付けている人材を確保できれば、スムーズに新規市場に参入できたり、既存事業で市場規模を拡大したりすることが可能です。
この「人材の確保」は、M&Aで会社・事業を買収することで実現できます。今後の市場動向からも、この「人材確保」は非常に重量なポイントと考えられます。
人材をゼロから教育していくのは時間がかかってしまうので、M&Aで効率よく人材を集めるのは経営戦略として非常に有効でしょう。
自社にない技術やノウハウを獲得できる
M&Aで会社・事業を買収する側のメリットには、「自社が持っていない技術・ノウハウを獲得できる」というものがあります。
前述しているとおり、近年のIT・ソフトウェア業界の動向は目まぐるしく変化しているため、市場の流れについてくためには、最新技術やその技術を使いこなすためのノウハウが必要になってきます。
M&Aによって会社・事業を買収することで、自社が持っていない・開発できない技術やノウハウを獲得でき、既存事業とのシナジー効果(相乗効果)が期待できます。また、自社が苦手な部分をM&Aによって補完できるかもしれません。
例えば、自社のシステム開発部が他社企業よりも劣る場合には、システム開発が得意な会社を買収したり、事業の一部を買収したりすることで、自社にとって弱い部分を補完できます。
売却側の会社が持つ顧客網やネットワークを取り入れることができる
M&Aの買収側が得られるメリットの一つに、「売却側が持つ顧客網やネットワークの獲得」があります。売却側の企業・会社がすでに持つ顧客網を取り込むことで、自社の既存事業をスピーディーに展開させたり、拡大させたりできます。
既存事業をより強いものにしていくために、M&Aは有効な手段なのです。
5. IT企業・ソフトウェア業界のM&Aの価格相場
IT業界・ソフトウェア業界のM&Aでよく見られる売買価格は、ほかの業界よりも高額です。
IT・ソフトウェア業界は、その動向の目まぐるしい変化と、最新技術の発達、技術者不足の解消、需要の増加などから、M&Aが頻繁に行われています。IT・ソフトウェア業界M&Aの「相場価格」は、ほかの業界・業種と比較すると、かなり高くなっています。
もちろん、売却・譲渡会社の規模や、M&Aスキームによって価格に差は出てきますが、IT企業やソフトウェア企業のM&A価格は、「億を超える」ケースも多いです。
全体の半数程度は1億円を超えているというデータもあるほど、IT業界・ソフトウェア業界のM&Aは高額になりやすくなっています。事業規模が小さくても買い手にとって魅力的なら、最終的な売買価格は高額になるのです。
これはやはり、「技術者不足」や「AI技術・IoT技術の革新」「ビックデータ解析の重要度の高まり」などによって、比較的高いお金を使ってでも「技術確保」「人材確保」したいと考える買収企業が多いことが要因と考えられます。
できるだけ安くIT業界・ソフトウェア業界のM&Aで企業を買収したい場合は、小規模な会社ではあるものの自社に大きなメリットをもたらす相手をうまく見つけることが大切です。
例えば、売り手側が、金額よりも自社を大切にしてくれるところに譲りたいと考えているなら、最終的な売買価格は相場よりも抑えられるでしょう。
6. IT企業・ソフトウェア業界のM&A仲介会社3選
M&Aの買収側企業は、今後の市場動向を踏まえたうえでも、M&Aを成功させて「技術確保」「人材確保」を実現させたいところです。売却側もM&Aを成功させて、自社をより発展させたいと考えているでしょう。
M&Aを成功させるためには、「M&A仲介会社」の利用が必須です。
M&A仲介会社とは、その名のとおり、「売買相手のマッチング」から「M&Aの交渉の仲介」「必要な契約書の作成」「デューデリジェンス」など、M&Aを成功させるために必要な手続きを仲介してくれるM&A専門会社のことです。
M&A仲介会社を利用することで、専門的知識が必要なM&A手続きを安心して進められます。ここでは、IT・ソフトウェア業界のM&Aに強い「M&A仲介会社」をご紹介していきます。
- M&A総合研究所
- 事業承継センター
- フォーバル
それぞれのM&A仲介会社について、順番に見ていきましょう。
①M&A総合研究所
M&A総合研究所は、M&Aの実績・知識が豊富なM&Aアドバイザーが在籍しているM&A仲介会社です。M&Aを進めていくうえでは、「簿外債務が譲渡されてしまった」「会社や事業の買収・売却後、税務上の問題が発生した」などのリスクが伴います。
しかし、M&Aアドバイザーが専任でサポートしているM&A総合研究所であれば、安心してM&A手続きを進められます。
「M&A仲介会社」は、公的な資格がなくても運営できるため、専門的知識がない・実績がないM&A仲介会社が存在します。そのような仲介会社に企業買収や事業譲渡を依頼してしまうのは危険です。
M&A総合研究所では、電話やWEBによる無料相談も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
②事業承継センター
事業承継センターは、M&Aはもちろんのこと、ほかにもいろいろな事業承継のコンサルティングを行っています。経営者の方にとって理想的な承継が実現できます。
経営革新等支援機関認定のM&A仲介会社なので、社会的な信頼性も高いです。
また、経営に欠くことができない相続、マーケティング、ITなどさまざまな要素もサポートしており、多角的な経営支援をしています。
③フォーバル
「フォーバル」は、中小企業・零細企業の事業承継など、「スモールM&A」を得意とするM&A仲介会社です。
フォーバルは30年以上の運営実績を誇り、多くの事業譲渡・事業承継のM&A実績があるため、特にIT・ソフトウェア業界の事業譲渡・事業承継を検討されている方におすすめです。
フォーバルは、M&A仲介サービス以外に、情報通信機器やOA機器の保守メンテナンスサービスも適用しており、これまでの実績を通じて、多くの相談顧客を有しています。
この相談顧客を利用した独自の経営サービスによって、経営者のニーズに適したM&Aの売買相手のマッチングが可能となっています。
以上、IT企業・ソフトウェア業界でM&Aをする際に相談しやすいM&A仲介会社でした。
M&A仲介会社に相談して手続きを進めていく前に、もう少しIT企業・ソフトウェア業界でのM&Aについてイメージを固めておきたいという方も多いはずです。
そこでここからは、IT企業・ソフトウェア業界のM&A事例について見ていきましょう。
7. IT企業・ソフトウェア業界のM&A事例5選
ここからは、IT・ソフトウェア業界のM&A事例について紹介していきます。M&A事例を参考にして、今後のIT・ソフトウェア業界のM&A動向を確認したい方や、IT・ソフトウェア業界の譲渡・売却価格が気になる方は、チェックしてみてください。
- 「SHIFT」によるM&A
- 「サイバーリンクス」によるM&A
- 「ジーニー」によるM&A
- 「クレスコ」によるM&A
- 「メタップス」によるM&A
それぞれの事例について確認して、自社のM&Aを実施する際に役立てましょう。
①「SHIFT」によるM&A
SHIFTは、2020年9月に、ITコンサルティングやシステム開発などのサービスを行うホープスを買収するとしています。
2009年にソフトウェアテスト事業を始めて以来SHIFTは、さまざまな業界でソフトウェアの品質保証サービスを行っており、ホープスは、ERPシステムに関する多様な経験やノウハウがあります。
このM&AによりSHIFTは、顧客により高い価値を提供できると見込んでいます。
②「サイバーリンクス」によるM&A
「サイバーリンクス」は2018年8月、関西のシステム開発会社である「南大阪電子計算センター」の全株式を取得することで子会社化する決議を出しました。株式取得日は2019年8月です。
このM&Aによって、両社の営業基盤やシステム開発ノウハウを活かしたシナジー効果が期待されています。
③「ジーニー」によるM&A
2018年4月、「ジーニー」は、「ちきゅう」からシステム開発・販売事業を承継しました。この事例におけるM&Aスキームは「会社分割」で、会社分割にかかる割当として、ちきゅうに「238百万円」の金銭が交付されました。
このM&Aは、両社のシステムを連携させることで生まれるシナジー効果を期待して実施されました。
④「クレスコ」によるM&A
ITサービスを提供する「クレスコ」は2018年1月、システム開発にかかる総合的サービスを提供する「ネクサス」の全株式を買収し、子会社化しました。このM&A事例は、「クレスコ」がシステム開発の拡大を図り実施したものになります。
⑤「メタップス」によるM&A
オンライン決済プラットフォームやeコマースにおけるコンテンツ管理などの事業を展開している「メタップス」は、2016年6月に、ショッピング検索サイトを運営する「ビカム」を子会社化しました。このM&A事例の株式取得価格は「3億2千万円」におよびます。
8. IT企業・ソフトウェア業界のM&A動向まとめ
当記事では、IT・ソフトウェア業界のM&A動向や事例、おすすめ仲介会社などについて解説しました。IT・ソフトウェア業界において、事業譲渡や事業承継、企業買収などを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
IT・ソフトウェア業界は最新の業界動向を知っておかなければ、M&Aを成功させることは難しいです。したがって、M&Aをお考えなのであれば、IT・ソフトウェア業界に強い専門家に相談するのが良いでしょう。
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