M&Aがクロージングするまでの手続き・流れ、クロージング条件について解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
荻野光

M&Aを行うためにはクロージングは非常に重要な事柄になります。しかしM&Aを行うにあたってクロージングは重要であるものの実際の手続き・流れまで理解している人は少ないと思います。今回は、クロージングするまでの手続き・流れとクロージング条件について解説します。

目次

  1. M&Aのクロージングとは
  2. M&Aがクロージングするまでの手続き・流れ
  3. M&Aのクロージング後の流れ
  4. M&Aにおけるクロージング条件とは
  5. クロージング条件を決める際の注意点
  6. M&A全般の相談は仲介会社まで
  7. まとめ
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1. M&Aのクロージングとは

M&Aのクロージングとは

クロージングとは英語のclosingであり、直訳すると「終わり」「閉鎖」などの意味をなります。

M&Aにおけるクロージングとは、最終契約書に基づいてM&A取引が行われて、株式譲渡や事業譲渡による引渡しの手続きと支払い手続きを行った結果、経営権の移転が完了することをいいます。

この記事では、M&Aがクロージングするまでの手続き・流れ、クロージング条件について解説しますが、まずはM&Aにおけるクロージングの重要性、M&A手法によるクロージング手続きの違いについてみていきましょう。

M&Aではクロージングが重要

M&Aにおけるクロージングは、法律に基づいて手続きが行われる非常に重要な手続きです。クロージングが全て完了して、売り手側企業の経営権が買い手側企業へ正式に移行して、はじめてM&Aが成約したということになります。

もし、クロージング手続きを行うにあたって、漏れや不適格な事項があった場合は、法律的にM&Aの有効性を証明できなくなるため、十分注意して行わなければなりません

M&A手法によりクロージング手続きは変わる?

M&Aを行う手法は、事業譲渡や会社分割など特別決議や債権者保護の手続きを行う必要性がある手法もあれば、株式譲渡のように取締役会決議のみでM&Aを実行することができる手法もあります。

つまり、M&A手法によりクロージング手続きは変わってくることになり、M&Aのクロージングまでの期間もまざまです。

一般的に、M&Aは相手先を探してからクロージングまで最低でも3ヵ月、平均すると6ヵ月かかり、場合によっては1年以上かかるケースもあります。

【関連】M&Aのスケジュールを解説!【買収までの流れ・手順】

2. M&Aがクロージングするまでの手続き・流れ

M&Aがクロージングするまでの手続き・流れ

M&Aがクロージングするまでの手続き・流れはどのようになっているのでしょうか。ここでは、一般的なクロージングの流れをみていきましょう。

【M&Aがクロージングするまでの手続き・流れ】

  1. 専門家への相談
  2. 企業価値評価
  3. M&A先の選定・交渉
  4. トップ同士の面談
  5. 基本合意の締結
  6. デューデリジェンスの実施
  7. 最終合意の締結
  8. クロージング

1.専門家への相談

M&Aからクロージングまでの手続きには、専門的な知識が必要となるものが多いため、一般的にはM&Aの専門家のサポートのもと進めていきます。

よく利用されるのはM&A仲介会社であり、M&Aの相手先探しからクロージングまでの一括支援が受けられる点が特徴です。

まずは、M&Aの専門家にサポートを依頼して、具体的にどのようにM&Aを進めていくのかを決めていきます。

2.企業価値評価

企業価値評価とは「エンタープライズ・バリュー」とも呼ばれ、企業そのものの価値や株式の価値のことです。

企業価値評価は、売り手企業の譲渡価格の基準となるため、専門家に算出を依頼するのが一般的です。

主な企業価値評価の方法には、コストアプローチ・インカムアプローチ・マーケットアプローチの3つがあり、これらを組み合わせて算出します。

3.M&A先の選定・交渉

M&A仲介会社に依頼した場合は、自社の希望条件を伝えておくと、候補先企業を何社かリストアップしてくれるため、そのなかから交渉先候補を絞っていきます。

候補が絞ることができたら、「ノンネームシート」と呼ばれる匿名の会社概要を候補先業へ提示し、交渉へ進むかを検討してもらいます。

M&A先の選定する際は、専門家に相談したうえで必要な情報を共有しながら検討していくようにしましょう。

4.トップ同士の面談

M&A先の選定を行い交渉先の企業が決まり、ある程度交渉が進んだ段階でトップ同士の面談を行います。

トップ同士の面談は、経営者同士が互いの人間性を知る機会でもあり、疑問に感じていることを直接質問できる機会でもあります。

譲渡先企業へのアプローチがある程度行っているため、条件に関しては大まかに決まっていますが、経営理念などの確認などもできる重要な工程です。

5.基本合意の締結

トップ同士の面談が終わり、売り手側企業と買い手側企業がM&Aを行うことに大筋で合意したら、基本合意所の締結を行います。

基本合意所に記載される内容には、取引の対象と価格・使用するM&Aスキーム・M&Aを実際に行う時期・独占交渉権の付与などがあります

基本合意というのはいわば仮契約であり、次に行われるデューディリジェンスの結果によって、条件や取引価格が変更されることもあります。また、基本合意書は一部の内容を除き法的な拘束力はないため、注意が必要です。

6.デューデリジェンスの実施

デューデリジェンスとは企業調査のことを指し、M&Aでは買い手側企業が売り手側企業に対して行うものです。

売り手企業が提出した財務や労務などの資料に相違がないか、専門家によって細かく調査を行います。デューデリジェンスには、財務・税務・法務・人事・ITなどさまざまなものがあり、これらのいくつかを行うのが一般的です。

株式譲渡のような包括承継が原則となるスキームでは、簿外債務や偶発債務などがないかを徹底的に調査し、リスク回避に努めます。

また、売り手企業は、デューディリジェンスに必要な情報の提示を求められたら、協力する義務があります。

都合の悪い情報などを隠してしまうと、後から大きな問題となるため情報開示はしっかり行う必要があります。

7.最終合意の締結

デューデリジェンスを実施した結果、売り手企業に問題がなく双方がM&Aの実施に合意したら、最終条件が決定して最終合意所の締結を行います。

最終合意書の締結には、事業や株式などM&Aで譲渡する内容・譲渡価格を必ず記載しなければなりません。なお、条件や取引価格はデューディリジェンスの結果を加味して、最終的に決定します。

最終合意書は基本合意書とは異なり、すべての内容に法的な拘束力があります。もし、正式に締結したあとに一方的に破棄するようなことがあれば、損害賠償を請求される可能性が非常に高いです。

最終合意書の締結にあたっては、専門家とともに内容をしっかり確認したうえで、行うようにしましょう。

8.クロージング

M&Aにおいてクロージングは最後の手続きとなり、最終契約の内容を基に売却側の経営権を買い手会社に移転させ、それに伴う対価の支払いを完了させます。

M&Aの最終契約締結からクロージングまでは、クロージング条件を満たすために必要な手続きもあるため、一定期間を空けることが一般的です。

3. M&Aのクロージング後の流れ

M&Aのクロージング後の流れ

M&Aはクロージングしたらすべて完了したというわけではなく、クロージング後は総合プロセスを行う必要があります。

統合プロセスは非常に難易度が高く、M&Aの成否を分けるといっても過言のない行程です。ここでは、M&Aのクロージング後の流れをみていきましょう。

統合プロセスの実施

統合プロセスとは買収や合併の後に行われるもので、PMI(ポスト・マネジメント・インテグレーション)とも言われています。統合プロセスは大きくソフト面とハード面に分けることができます。

総合プロセスにおけるソフト面について

ソフト面の総合プロセスでは、企業文化や風土などについての統合・浸透を行うために、新体制の発表や目標の提示などを行います。

M&Aを行うと、買い手側の従業員が上の立ち場になってしまうことが多くありますが、双方のキーパーソン同士で認識などをすり合わせるなどして、お互いの理解を深めていくことが重要になります。

総合プロセスにおけるハード面について

ハード面の総合プロセスとは、業務・人事制度・システムなどの統一を行うことをいい、そのなかでも業務プロセスは慎重に進める必要があります。

人事制度や退職金制度などに関しては会社によって大きく異なる可能性があり、格差や不満などが生じやすくなるため注意が必要です。

また、今まで以上により効果を高めるために、双方のよいところを積極的に取り入れることも重要です。

【関連】買収後のPMIとは?手法や流れ、ポイントを解説!

4. M&Aにおけるクロージング条件とは

M&Aにおけるクロージング条件とは

クロージング条件とは、M&Aを実施するために厳守すべき条件をいい、条件を満たさない限りクロージングは行えません。

クロージングを行う時は、必要な条件をすべて満たしたうえで、売り手企業から買い手企業へ、株式や資産など対象となるものが移行されます。その後、買い手側企業から売り手側企業へ対価が支払われ、クロージングを迎えます。

もし、クロージング条件が満たされなかった場合は、M&A取引を実行しなかったり、クロージング条件を変えなければならない可能性があります。

【関連】M&Aのクロージング手続きの内容や期間を解説!必要書類や成功ポイントは?

5. クロージング条件を決める際の注意点

クロージング条件を決める際の注意点

クロージング条件を決める際の注意点としてはさまざまな条件がありますが、ここでは下記の2点について解説します。

  • クロージングの価格調整を盛り込むようにする
  • 具体的なクロージング条件を入れるようにする

クロージングの価格調整を盛り込むようにする

最終契約からクロージングを行うまでに譲渡対象の価値が変わった場合に備えて、取得対価の価格調整を行う内容を条件に盛り込みます

価格調整を行うということは一般的にはほとんどありませんが、もし価格が大きく変動してしまった場合は価格調整を行う必要があります。

具体的なクロージング条件を入れるようにする

最終契約書のクロージング条項に具体的な内容を入れておくと、クロージングを円滑に進めやすくなります。
クロージング条項には、主に以下のような内容を盛り込みます。

  1. 正しい表明・保証事項が記載されている
  2. クロージングが行われるまでに前提条件を満たしていること
  3. 業務上の許認可の取得が終わっていること
  4. 独占禁止法による届出が終わっていること
  5. 重要な取引先や役員から同意を得ていること

【関連】M&Aにおける法律の手続きのポイント・注意点まとめ!

6. M&A全般の相談は仲介会社まで

M&A全般の相談は仲介会社まで

M&Aを行うためにはさまざまな手続きを行わなければならず、専門的知識や経験も必要になります。そのため、自社のみで行わずに、M&A仲介会社に相談することをおすすめします。

M&A総合研究所では、豊富な実績と専門知識を持つアドバイザー・会計士・弁護士が、M&Aのご相談からクロージングまで一括サポートをいたします。

料金体系は着手金・中間報酬は無料の完全成功報酬制となっており、M&Aが成立し手続きが完了するまで手数料は発生しません。

無料相談は24時間年中無休でお受けしていますので、M&Aでお悩みの際はぜひお気軽にご相談ください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
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7. まとめ

まとめ

M&Aにおけるクロージングとは、最終契約書に基づいてM&Aが行われて、株式譲渡や事業譲渡による引渡しの手続きと支払い手続きを行った結果、経営権の移転が完了することをいいます。

クロージングは、法律に基づいて手続きが行われます。クロージングの全て完了することにより、売り手側企業の経営権が買い手側企業へ正式に移行して、はじめてM&Aが成約したということになります。

【M&Aがクロージングするまでの手続き・流れ】

  1. 専門家への相談
  2. 企業価値評価
  3. M&A先の選定・交渉
  4. トップ同士の面談
  5. 基本合意の締結
  6. デューデリジェンスの実施
  7. 最終合意の締結
  8. クロージング

【M&Aのクロージング後の流れ】

M&Aのクロージング後の流れには総合プロセスを行います。統合プロセスとは下記のように表されます。

  • 統合プロセス:買収や合併の後に行われるもので、PMI(ポスト・マネジメント・インテグレーション)ともいわれ、ハード面とソフト面に大きく分けることができます。

【M&Aにおけるクロージング条件】

  • M&Aにおけるクロージング条件:M&Aを行うために重視している譲れない一定条件のこと

  • クロージングを行う日:譲れない一定条件がすべて整っており、売り手側の会社から買い手側の会社に向かって株式や重要な物品が引き渡たされる
  • 買い手側の会社から売り手側の会社へ譲渡することによって得た対価の振り込む
  • 売り手側の会社が譲渡対価の受領を得て、クロージングとなる

【クロージング条件を決める際の注意点】

  • クロージングの価格調整を盛り込むようにする
  • 具体的なクロージング条件を入れるようにする

クロージングを含むM&A全般を行うためには、複雑な手続きが必要となるため、M&A仲介会社に相談することをおすすめします。

M&A総合研究所では、豊富な実績と専門知識を持つアドバイザー・会計士・弁護士が、M&Aのご相談からクロージングを丁寧にフルサポートいたします。

料金体系は着手金・中間報酬は無料の完全成功報酬制となっており、M&Aが成立するまで手数料は一切発生しません。

無料相談は24時間年中無休でお受けしていますので、クロージングを含むM&A全般でお悩みの際はお気軽にご相談ください。

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