2022年12月19日更新
M&Aの売り手側のメリット・デメリット!目的、被買収企業側のリスクや流れも解説
売り手としてM&Aを成功させるには、そのメリットとデメリットを理解して、メリットが大きくなるように戦略を立てることが重要です。本記事では、M&Aの売り手側のメリットとデメリット、リスクや成功のポイント、M&Aの大まかな流れなどを解説します。
目次
1. M&Aの売り手(譲渡側)のメリット
M&Aの売り手(被買収企業側)のメリットは多くあります。しかし、M&Aにおいて売り手が全てのメリットを得るのは難しいのが一般的です。たとえば、後継者問題の解決が目的なら売却益は妥協しなければならないこともあります。
いずれにしろ、M&Aにおいて売り手が意識すべきなのは、以下のようなメリットのなかから、どのメリットを得たいのかを明確にし、優先度をつけることです。
- 後継者問題を解決して廃業を回避できる
- 自社の技術・ノウハウを買収企業へ引き継げる
- 従業員の雇用先を確保できる
- 売却益・譲渡益を得られる
- ノンコア事業をカットして主力事業に集中できる
- 事業のさらなる拡大を狙える
- 個人保証から解放される
後継者問題を解決して廃業を回避できる
昨今、自分の親族や社内に会社を継いでくれる人がおらず、経営は順調なのに会社をやむなく廃業するケースが増えています。逆に、自分の子どもが会社を継ぐ意思があるのに、経営の苦労をさせたくない理由でそれを断り、自分の代で会社をたたむケースも増えているようです。
このように、現在はさまざまな理由で後継者問題が深刻となっており、このままいけば優れた技術とノウハウを持つ中小企業が日本から失われていく恐れがあります。そのような廃業を回避するため、M&Aを活用して他の企業や個人に事業承継するケースが増加中です。
現在、日本は少子化による人口減少に歯止めがかかっていないので、M&Aによる後継者問題の解決はさらに重要になるでしょう。
自社の技術・ノウハウを買収企業へ引き継げる
どの企業にも、長年の経営で培ってきた技術やノウハウがあります。これはその会社にしかない独自の価値であり、他社が簡単に模倣できないことがほとんどです。もし後継者がおらず会社を廃業してしまうと、こういった独自の技術やノウハウが失われてしまいます。
これは会社にとって損失なだけでなく、地域社会や経済全体にとっての損失です。M&Aにより技術やノウハウを引き継いでくれる会社に自社を売却すれば、失われるかもしれなかった技術やノウハウを存続し、引き続き地域経済に貢献できます。
従業員の雇用先を確保できる
会社を廃業してしまうと従業員は職を失いますが、M&Aで売却すれば雇用先を確保できます。従業員の雇用確保を主な目的として、M&Aを行うのも有力な選択肢です。ただし、M&Aで会社を売却した後は、従業員の雇用形態は買い手側が決めるのが注意点になります。
買い手側に経営方針の転換などがあれば、売り手側の従業員が解雇されたり、雇用条件が悪化したりするかもしれません。これを防ぐためには、M&Aの交渉段階で売り手と買い手がよく話し合い、売却後の雇用条件を明確に決めておくことが大切です。
売却益・譲渡益を得られる
M&Aを行うと売り手側は売却益・譲渡益を得られます。相応の現金が手に入るのも、売り手側から見たM&Aの大きなメリットです。売却益は、株式譲渡なら株主のものになり、事業譲渡なら売り手側の会社の利益となります。
中小企業なら経営者がほぼ100%の株式を持っていることも多いので、株式譲渡ならば経営者の個人的な利益です。引退後の生活資金や新規事業の立ち上げなど自由に使えます。事業譲渡ならば会社の利益なので、コア事業のための資金にするなどの活用が可能です。
ノンコア事業をカットして主力事業に集中できる
1つの会社が複数の事業を手がけていたり、親会社がいくつかの業種の子会社を持っていたりするのは、よくあるケースです。主力事業を軸に周辺分野の関連事業をノンコア事業として運営したり、リスクヘッジなどのために全く違う事業を営んだりするケースもあります。
ただし、これら複数の事業全てが黒字経営でないこともあり、赤字事業は重荷になっているでしょう。多角化経営している会社が、ノンコア事業を売却処理して主力事業に集中できるのも、M&Aの売り手のメリットの1つになります。
ノンコア事業の売却益を主力事業の資金にできるのも、売り手の大きなメリットです。
事業のさらなる拡大を狙える
M&Aで企業を買収する買い手側は、たいてい豊富な資金を持つ大企業または中堅企業です。中小企業にはない店舗や設備、経営ノウハウやネームバリューを持っていることが多いでしょう。
M&Aで自社をこういった大手に売却することで、傘下に入りそのメリットを生かして事業拡大を狙えます。この目的のM&Aの場合は、傘下に入った後どれくらい自社の独自性を残せて、経営の自由度はどれくらいあるのかなどを交渉時に確認することが大切です。
個人保証から解放される
ほとんどの中小企業は、金融機関から融資を受ける際に経営者が個人保証をしています。個人保証は会社が破綻すると自己破産につながるため、経営者にとって個人保証があること自体が大きな心理的ストレスです。
M&Aスキーム(手法)のうちの株式譲渡であれば、包括承継なので会社の債務は買い手に引き継がれます。それにより、個人保証の解消を金融機関と協議できるようになり、心理的ストレスからも解消できるでしょう。
2. M&Aの売り手(譲渡側)のデメリット
M&Aにはメリットだけではなく、もちろんデメリットもあります。売り手としてM&Aを成功させるには、メリットとデメリットをよく理解して、デメリットができるだけ少なくなるように進めていくことが大切です。
M&Aの売り手(被買収企業側)の主なデメリットとしては、以下の5点が挙げられます。
- 売却益・譲渡益への税負担がある
- 時間的制約がある
- 顧客・取引先と関係がこじれる恐れがある
- 経営方針や雇用条件を望まない形に変更される可能性がある
- 希望条件に合った買収先が見つからない可能性がある
売却益・譲渡益への税負担がある
M&Aで売り手が得た売却益・譲渡益には税金がかかります。どれくらいの売却益が得られるかを計算する際は、税負担も考慮しておかなければなりません。具体的な税負担がいくらになるかは、M&Aの手法によっても変わってくるので一概には言えません。
たとえば、最も一般的なM&Aスキームである株式譲渡では、株主が個人なら申告分離課税で約20%、法人なら損益通算して法人税が課されます。
課税対象となる譲渡所得の計算では、譲渡価額から取得費と手数料を差し引くので、これらの費用の見積もりもきちんと行うことが必要です。特に、古い会社の株式だと取得価額がよくわからないこともあるので、専門家のサポートのもとで正しい算定を行うことが大切になります。
時間的制約がある
M&Aの手続きを全て終わらせるまでには、半年から1年くらいかかるケースが多いです。これ以上時間がかかってしまうとコスト面や精神的負担が大きくなり、適切な売買タイミングを逸してしまうかもしれません。
このように、M&Aはある程度の時間的制約の中で行われるので、売り手としては慎重に進めつつも、できるだけスムーズに手続きしていくことが肝要です。時間的制約の中で売り手がM&Aを成功させるには、目的を明確にすることと事前の準備をしっかり行うことが重要になります。
顧客・取引先と関係がこじれる恐れがある
顧客や取引先にとって、M&Aで経営者が変わるのは非常に大きな出来事です。経営方針が変わって取引量を減らされるのではないか、製品やサービスの質が落ちてしまうのではないかなど、さまざまな不安を抱きます。
このため、M&Aを行ったために、顧客や取引先との関係がこじれてしまうことも少なくありません。買い手にとって売り手の顧客や取引先は重要な資産なので、ここでトラブルが起こるとM&A自体にも悪影響が出てしまいます。
顧客や取引先に対しては、今までどおりの取引やサービスが維持できること、またはより良く改善されることをアピールし、不安を与えないようにすることが大切です。
経営方針や雇用条件を望まない形に変更される可能性がある
M&Aにおいて売り手は、できるだけ今までの経営方針を維持し、雇用条件も変更しないことを望みます。買い手もそれを考慮して交渉に臨みますが、経営は想定どおりにいかないことも多いので、結果的に売り手が望まない形に変更されてしまう可能性も否定できません。
交渉時は売り手の希望を最大限考慮すると言っておきながら、いざM&Aが行われると一転して方針変更してしまう買い手もいるといわれます。M&Aを行う売り手は、デメリットも理解したうえで、慎重な交渉を進めていくことが大切です。
希望条件に合った買収先が見つからない可能性がある
M&Aは売り手・買い手それぞれに希望や思惑があるので、必ずしもこちらの希望条件を全て満たす買収先が見つかるとは限りません。時間とコストをかけて買収先を探しても、結局、見つからないまま終わってしまう可能性もあります。
希望条件に合う買収先を見つけるためには、まず自社の企業価値を高める「磨き上げ」を行うことが肝要です。磨き上げは買収先を見つけやすくするだけでなく、売却価額を上げる効果などさまざまなメリットがあります。
3. M&Aの売り手(譲渡側)が被るリスク
M&Aはメリットだけでなくリスクもあるので、それを理解して進めていくことが大切です。売り手(被買収企業側)の主なリスクは、以下の3つが考えられます。
- 情報が漏えいする恐れがある
- デューデリジェンスで自社のリスクが発覚する可能性がある
- 従業員から反発を受ける恐れがある
情報が漏えいする恐れがある
M&Aは、交渉途中で外部に情報が漏れてしまったために失敗するケースがあります。取引先や顧客だけでなく、自社の従業員や融資を受けている金融機関などにも、最終契約を締結するまでは基本的に情報を明かさないのがセオリーです。
特に社内への情報漏えいは、ふとしたきっかけでうっかり漏れてしまうことがあるので要注意です。社内でうかつにM&Aの話をしたり、M&Aの資料を置きっぱなしにしたりといった行為はしないようにしましょう。
デューデリジェンスで自社のリスクが発覚する可能性がある
デューデリジェンスは買い手にとっては非常にメリットが大きいですが、売り手にとっては自社のリスクが発覚する可能性もあります。自社で認識しているリスクは、デューデリジェンスの前に自ら買い手に伝えておく方がトラブルにならないでしょう。
もし、リスクを隠したまま交渉して基本合意を結び、デューデリジェンスで後になって発覚すると、売り手の印象が悪くなるとともに、最終交渉で買い手に買いたたかれるデメリットも大きくなります。
従業員から反発を受ける恐れがある
従業員は経営者と立場が違います。したがって、突然、売り手側としてM&Aの事実を知らされた場合、不安や不信を感じる者が出るのはやむを得ないでしょう。注意したいのは、そのような従業員の心情をおもんばからず放置していると、不安や不満から離職者が出てしまうことです。
従業員にM&Aの事実を伝える際には、従業員間で事実と異なるうわさ話が交錯しないように、経営者が全従業員の前で同時にM&Aの報告・説明を行い、質問には丁寧に応対しましょう。場合によっては個別対応をすることで、キーマンの流出だけは避けなければなりません。
4. M&Aの売り手側のメリットを最大化するポイント
M&Aの成功とは単に成約することではなく、M&Aのメリットを最大限に享受して、事業拡大や事業承継などの目的を果たすことです。真に成功したといえるM&Aを実現するためには、以下の4つのポイントを押さえておく必要があります。
- M&Aのタイミングを逃さない
- M&Aの目的を見失わない
- 買収側企業の立場も考える
- 専門家にサポートを依頼する
M&Aのタイミングを逃さない
M&Aはあまり急ぎ過ぎても失敗のリスクが大きくなる一方、慎重になり過ぎてもタイミングを逃す可能性があります。M&Aを成功させるには、適切な売買タイミングを逃さないことが大切です。
M&Aの適切なタイミングを具体的に述べるのが難しい面もあります。たとえば、自社の業績が好調なときや業界全体が好況なときなどは、M&Aのよいタイミングといわれています。
M&Aの目的を見失わない
M&Aは目的をはっきりしておかないとただ会社を売っただけになってしまい、M&Aのメリットを享受できません。M&Aの目的は初期段階ではっきりさせておき、最終合意までその軸がぶれないようにすることが大切です。
はじめは目的を持っていても時間がたつうちに当初の目的があいまいになり、成約すること自体が目的化してしまうケースもあるので注意しましょう。
買収側企業の立場も考える
M&Aを成功させるには、売り手側のメリットだけを考えるのではなく、買い手側の立場やメリットも考えて交渉する必要があります。たとえば、トップ面談で自社を買い手に売り込むときでも、買い手がM&Aでどのようなメリットを得たいのかを踏まえておくことが大切です。
買い手が求めるメリットを踏まえたうえで、自社を買収すればそのメリットが得られる観点でアピールすると、買い手に自社の魅力が伝わりやすくなります。
専門家にサポートを依頼する
M&Aは財務・税務・法務など各面で専門性の高い知識が必要なので、M&Aの経験豊富な専門家のサポートを得ることが不可欠です。専門家といえばM&A仲介会社が一般的ですが、顧問税理士や金融機関の中にM&Aに詳しい人がいるなら、まずはそこに相談するのもいいでしょう。
後継者不在で事業承継のためのM&Aを検討するのであれば、中小企業庁が各都道府県に設置した公的機関「事業承継・引継ぎ支援センター」が、無料で相談対応やサポートを行っています(M&Aで実務を専門家に依頼する場合は所定の手数料が発生)。
5. M&Aの売り手(譲渡側)の手順・流れ
売り手としてM&Aを成功させるには、どのように手続きが行われていくか、その大まかな流れを把握しておくことも必要です。具体的な流れは個々の事例によって多少変わることもありますが、おおむね下に示したような順で進んでいきます。
- M&Aの方針や目的を設定
- M&Aのサポート先を選定
- M&Aの戦略や売却希望価額を決定
- 売却先候補の選定、交渉
- トップ同士での面談
- 基本合意の締結
- 買収先企業によるデューデリジェンスの実施
- 最終条件の交渉、最終契約の締結
- クロージング
①M&Aの方針や目的を設定
まずは、M&Aの方針や目的を設定します。方針とは、どのようにM&Aを進めていくかだけでなく、そもそもM&Aが必要なのか、他にもっと良い手段はないかといった面も検討が必要です。
目的の設定は非常に重要であり、たとえば、事業承継が目的の場合と売却益が目的の場合では、この後の方針が全く違ってきます。したがって、M&Aに対してどのようなメリットを求めているのかを、まずは明確にしなければなりません。
目的は必ずしも1つだけに絞る必要はありませんが、これだけは譲れないという目的を明確にしておくことが大切です。これにより、逆に他の目的は多少妥協する手段を取れるため、買い手との交渉戦略の幅が広がります。
②M&Aのサポート先を選定
M&Aを行うには、手続きをサポートしてくれる専門家を探さなければなりません。M&Aのサポート先として一般的なのは仲介会社やアドバイザリーですが、それ以外にも金融機関や士業事務所など、さまざまな選択肢があります。
それぞれメリットとデメリットがあるので、自分の目的に合ったところを選びましょう。M&A仲介会社は、中小企業に強いところや特定の業種に特化したところなど、それぞれが独自の強みを持っているので、自社に適した仲介会社を選ぶことが大切です。
③M&Aの戦略や売却希望価額を決定
M&Aには株式譲渡や事業譲渡など、さまざまな手法があります。これらはそれぞれメリットとデメリットがあるので、まずはどのような手法・戦略でM&Aを進めていくか決めることが第一です。中小企業の場合、ほとんどは株式譲渡か事業譲渡のどちらかが使われます。
一方、大企業のM&Aでは、合併や会社分割などの組織再編手法なども含めさまざまです。売却希望価額を決定しておくことも重要なプロセスですが、売却価額を決めるには企業価値を見積もる必要があるので、ここでも専門家のサポートが欠かせません。
④売却先候補の選定、交渉
戦略や売却希望価額が決まりM&Aの方針が固まったら、具体的な売却先候補の選定と交渉に入ります。売却先候補の選定は、まず売り手側の希望を聞いたうえで、仲介会社が候補となる企業をいくつかピックアップしてからの絞り込みです。
最終的には候補を数社に絞ったうえで、相手方に連絡をとって交渉を持ちかけます。交渉の打診に同意した相手と秘密保持契約を締結し、情報を開示してM&A交渉開始です。なお、M&A仲介会社などに行オムを依頼している場合、交渉は仲介会社が代行します。
⑤トップ同士での面談
M&A交渉過程で必ず行われるのが、売り手と買い手の経営者同士が実際に会うトップ面談です。条件交渉はM&A仲介会社などが行いますので、トップ面談でM&A交渉を行う必要はありません。
トップ面談では、お互いの経営理念、M&Aに至った経緯、今後の方針、社風などを話しながら、相手の人物像なども確認します。
⑥基本合意の締結
トップ面談後、大筋で条件合意が形成された場合、その内容を基本合意書として締結するのが一般的です。基本合意書は、現時点での合意内容確認書という位置付けで予備的に作成されるもので、基本的に法的拘束力がありません。
まだM&Aが成約したわけではないので、注意が必要です。基本合意書に記載される以下の条項は、例外的に法的拘束力を持たせるようになっています。
- 買い手側の独占交渉権
- 売り手側のデューデリジェンスへの協力義務
- 現時点における秘密保持
⑦買収側企業によるデューデリジェンスの実施
デューデリジェンスとは、買い手が売り手企業の法務・財務・税務・労務・IT・ビジネスなどについて、専門家を使って詳細に調べることです。基本合意の時点で全てが明らかになっているとは限らないので、M&A締結前にデューデリジェンスを行うことは必須になります。
デューデリジェンスの主要な目的は、以下の3点です。
- 最終的な買収価額交渉のための企業価値評価に必要な情報の収集と確認
- 訴訟リスク、簿外債務(隠れ負債)などの経営リスクが潜在していないかの確認
- PMI(Post Merger Integration=経営統合プロセス)計画策定のために必要な情報収集
⑧最終条件の交渉、最終契約の締結
デューデリジェンスの結果を踏まえて、M&Aの最終条件の交渉を行います。もしデューデリジェンスで何か問題が発覚したら、買収価額の引き下げか、場合によってはM&Aをあきらめることも検討しなければなりません。
最終交渉を行い最終的な合意内容が決まったら、最終契約書を締結してM&Aが成約します。最終契約書とは便宜上の表現であり、株式譲渡であれば株式譲渡契約書、事業譲渡であれば事業譲渡契約書といったように、M&Aスキームによって具体的な契約書名は変わるものです。
⑨クロージング
クロージングとは、最終契約書に記載された内容を売り手・買い手それぞれが履行することです。株式や資産の引き渡し、対価の支払いなどがクロージングに該当します。従業員や取引先などにM&Aの報告・説明も行い、トラブル化を防ぎましょう。
経営者同士がM&Aに納得していても、従業員や取引先が反発してM&Aが頓挫するケースもあるので、不安や不信感を与えないように配慮した説明が求められます。
6. M&Aの売り手側におすすめの相談先
M&Aをご検討中の経営者様は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。さまざまな業種で多数のM&A実績があるアドバイザーが、親身になってクロージングまでフルサポートします。
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7. M&Aの売り手側のメリット・デメリットまとめ
M&Aの売り手(被買収企業側)のメリットはさまざまなので、どのメリットを享受したいのか明確にして交渉に臨むことが大切です。メリットだけでなくデメリットやリスクも考慮したうえで検討し実行するのも、M&A成功のポイントとなります。本記事の概要は以下のとおりです。
・M&Aの売り手のメリット
→後継者問題を解決して廃業を回避できる
→自社の技術・ノウハウを買収企業へ引き継げる
→従業員の雇用先を確保できる
→売却益・譲渡益を得られる
→ノンコア事業をカットして主力事業に集中できる
→事業のさらなる拡大を狙える
→個人保証から解放される
・M&Aの売り手のデメリット
→売却益・譲渡益への税負担がある
→時間的制約がある
→顧客・取引先と関係がこじれる恐れがある
→経営方針や雇用条件を望まない形に変更される可能性がある
→希望条件に合った買収先が見つからない可能性がある
・M&Aの売り手のリスク
→情報が漏えいする恐れがある
→デューデリジェンスで自社のリスクが発覚する可能性がある
→従業員から反発を受ける恐れがある
・M&Aの売り手側のメリットを最大化するポイント
→M&Aのタイミングを逃さない
→M&Aの目的を見失わない
→買収側企業の立場も考える
→専門家にサポートを依頼する
・M&Aにおける売り手の手順・流れ
→M&Aの方針や目的を設定
→M&Aのサポート先を選定
→M&Aの戦略や売却希望価額を決定
→売却先候補の選定、交渉
→トップ同士での面談
→基本合意書の締結
→買収側企業によるデューデリジェンスの実施
→最終条件の交渉、最終契約書の締結
→クロージング
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