M&Aにおける買い手のメリット・デメリット!目的や課題、成功事例も解説

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取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

近年は、M&Aの積極的な活用によって成長を図る企業が増加中です。本記事では、M&Aにおける買い手企業を一覧で紹介します。買い手企業のM&A成功事例やM&Aのメリット・デメリット、売り手企業が買い手を選ぶ際のポイントを解説します。

目次

  1. M&Aにおける買い手のメリット
  2. M&Aにおける買い手のデメリット
  3. M&Aにおける買い手の目的
  4. M&Aで買い手が成功を目指すポイント
  5. M&Aにおける買い手の課題
  6. M&Aにおける買い手選びのポイント
  7. M&Aにおける買い手の成功事例 
  8. M&Aにおける買い手一覧
  9. M&Aに関するおすすめの相談先
  10. M&Aにおける買い手のメリット・デメリットまとめ
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1. M&Aにおける買い手のメリット

M&Aにおける買い手のメリット

M&Aによって、買い手企業はどのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは、買い手が得られる主なメリットを5つ紹介します。

  1. 事業の多角化・事業拡大・新規事業参入のリスク軽減 
  2. 人材・資産・ノウハウなどの資源獲得
  3. 取引先の後継者問題を解決し取引を維持
  4. 節税効果の獲得
  5. 業界再編の実現

①事業の多角化・事業拡大・新規事業参入のリスク軽減

企業が事業の拡大や新事業への参入などを行うには資金と時間がかかり、投入資金と投入時間が多いほどリスクも大きくなります。

しかし、M&Aによって買い手企業はすでに事業として成り立っている会社・事業を自社に取り込めるので、リスクの軽減が可能です

②人材・資産・ノウハウなどの資源獲得

M&Aによって、買い手企業は人材・資産・ノウハウなどの経営資源を獲得できます。

特に、近年は慢性的な人手不足で、高い技術やノウハウを持った人材の安定確保が難しく、人手不足が原因で廃業・倒産する企業も少なくありません。

M&Aの活用によって、通常の採用方法ではなかなか獲得が難しい人材の確保も可能になり、買い手にとって大きなメリットになります

③取引先の後継者問題を解決し取引を維持

近年よく見られるようになってきたM&Aのケースとして、後継者問題を抱えた企業の救済も兼ねた買収があります。

このようなケースは、売り手企業にも買い手企業だけでなく、地域にとっても大きなメリットになるでしょう

④節税効果の獲得

M&Aには買い手側が節税できるメリットがあります。売り手側がもしも赤字を抱えていた場合、M&Aのスキーム次第では買い手側が、その負債を引き継ぐことで節税効果になるでしょう。

赤字は発生した年から7年間は繰越可能であり、翌年に繰り越された赤字は繰越欠損金といいます。繰越欠損金は自社の黒字売上と相殺できるため、マイナスとなっている分を法人税として削減可能でしょう。この方法を活用するとM&Aが節税対策になるケースもあります。

⑤業界再編の実現

市場における需要がピークに達して成熟期に入ってしまうと、それ以上の成長は見込めなくなり、競合他社同士によるシェアの獲得競争になります。

この状態が続くと商品価格の値下げ競争なども発生し、市場全体が疲弊してしまうリスクがあります。そのため、ライバル企業をM&Aによって買収すると、業界再編の実現も可能です。

M&Aにより競合他社を取り込めば、市場における価格競争から抜け出せるため、業界内での持続性も保持できるといえるでしょう。

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2. M&Aにおける買い手のデメリット

M&Aにおける買い手のデメリット

M&Aにはメリットだけでなく、当然デメリットもあります。買い手は想定されるデメリットをあらかじめ把握しておくのも重要です。

  1. PMIに失敗する可能性 
  2. 予定したシナジー効果が得られない
  3. M&Aの費用
  4. 許認可を承継できないおそれ
  5. 相手先社員が反発するおそれ

①PMIに失敗する可能性

買い手がM&Aに失敗する大きな要因のひとつが、PMIの失敗です。PMIとは、M&A手続き完了後の統合プロセスのことです。PMIに失敗すると十分なシナジー効果が得られなくなってしまいます。

買い手側は、事業の統合・人の統合・システムやルールの統合・企業文化の統合など、さまざまな面に配慮して統合を行う必要があるでしょう。

事前の準備による対策

PMIを成功させるには、事前の準備が重要です。買い手側は、M&Aの初期段階からPMIを意識した相手探しやスケジューリング、経営戦略を練っておく必要があります。PMIに精通した専門家のサポートを受けることも、効果的な対策のひとつです。

②予定したシナジー効果が得られない

PMIを入念に行ったとしても、想定したシナジー効果が得られないケースもあります。

M&Aの成否はさまざまな要因に左右され、成果が出るまでに時間がかかることも少なくありません

入念な買収先選びによる対策

買い手企業のなかには、短期間で利益が得られそうな相手を選び、M&A自体を目的としているケースも少なくありません。

M&Aを成功させるには、中長期で見て真にシナジー効果が得られそうな相手かどうかを判断する必要があります

③M&Aの費用

M&Aによる費用負担が大きくなると、最終的には失敗につながるケースもあります。M&Aがある程度まで進んでしまうと後に引けず、費用負担がかさんでいっていることがわかっていても、どうにもならなくなるケースには注意が必要です

自社の財務状況を確認

M&Aによって得られるメリットの大きさにばかり意識がいってしまうと、負担が大きくなってもなんとか進めてしまおうとするケースがあります。

M&Aに必要となる資金は手続き期間中だけでなく、完了後にも統合のためにさまざまな負担が生じます。財務状況を冷静に確認して、引く必要がある場合は潔く引く判断も必要です

④許認可を承継できないおそれ

M&Aを実行する企業の事業が許認可を必要とする場合、許認可が承継できないケースもあります。買収後に、売り手側に重大な法令違反が発見された、そもそも事業に必要な許認可を取得していなかったなどの場合に発生します。

許認可の有効性を事前にチェック

合併、会社分割、事業譲渡などのスキームを選択してM&Aを行った場合、許認可の引き継ぎが成立後に認められないと、新たに許認可を取得する必要性があります。

こうした事態を回避するためにも、事前に許認可の有効性や許認可を引き継げるかなど、専門家に相談しながら入念に調査するのが望ましいでしょう。

⑤相手先社員が反発するおそれ

売り手側の従業員は、買収成立後に従業員となります。しかし、給与や働き方、福利厚生などの待遇面で、売り手側の社員の望みをかなえられないケースも出てくるでしょう。

労働環境や評価システムなど、M&A後には変わる可能性も高いため、従業員が反発するおそれ、モチベショーンが下がるおそれがあります。さらには、従業員のトラブルや最悪、退職するなどに発展する可能性もあるでしょう。

綿密なヒアリング・コミュニケーション

M&Aの目的には、優秀な人材や技術の取り込みによる事業強化でもあるので、人材流出は大きな損失となり、できるだけ避けなければなりません。したがって従業員が不満を抱かないよう、綿密なヒアリングやコミュニケーションをとりましょう

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3. M&Aにおける買い手の目的

M&Aにおける買い手の目的

買い手側は主に以下の目的でM&Aを行います。

  1. 事業の多角化
  2. 新規事業への参入
  3. シナジー効果・事業拡大

①事業の多角化

M&Aによって買い手企業は事業を多角化し、複数の収益力を得られます。本記事でご紹介したココカラファインは、顧客・患者の生活の質を高めるため、M&Aによってヘルスケアサービスを幅広く展開してきました。

ココカラファインが展開する事業領域は、ドラッグストア・調剤薬局を中心に介護・訪問介護事業、EC事業、製品開発事業、海外事業にまで及んでいます

医療従事者向けにさまざまなサービスを提供しているエムスリーは、非効率な営業を行っていた製薬業界を変えるため、M&Aによって業容を広げて急成長してきました。

②新規事業への参入

買い手企業はM&Aによって新規事業を獲得し、育てていけます。本記事でご紹介したエア・ウォーターは未知の分野にM&Aを活用して進出し、急成長してきた企業です。

エア・ウォーターの事業展開はガス事業から始まり、異業種の医療、食品、電機、物流まで新規事業を広げていきました。一方で、すでに事業基盤の固まっている本業のガス事業ではM&Aによる強化をほとんど行っていません

エア・ウォーターによるM&Aは、未知の分野の場合まずは小さく事業を開始し、時間をかけて育てていく戦略をとっています。

③シナジー効果・事業拡大

買い手企業はM&Aによるシナジー効果で、事業の成長を飛躍させることも可能です。M&Aの成功事例でよく取り上げられ本記事でもご紹介した日本たばこ産業(JT)は、M&Aによるシナジー効果で成長し続けている好例でしょう。

JTの競合は海外の巨大企業ばかりです。自社のリソースだけで戦っていくことは簡単ではないことから、JTはM&Aによって、成長の時間を大幅に短縮させる戦略で世界でもトップクラスの会社となりました

JTはシナジー効果を効果的に得るため、ただ大きな企業を買収するだけでなく「主体性と謙虚さ」を重要視しながらM&Aを行っています。

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4. M&Aで買い手が成功を目指すポイント

M&Aで買い手が成功を目指すポイント

M&Aで成功を目指すポイントはどのようなものでしょうか。M&A後はシナジー効果が発揮できるように意識する必要があります。

M&Aで買い手が、大きく失敗しないためには正確なDD(デューデリジェンス)を行うのが大切です。DDは、売り手の財務・税務・法務・人事などのあらゆるリスクを洗い出す作業で、正確な買収価格の算出をするためにも重要なポイントとなります。

さまざまな観点から分析し、簿外債務や偶発債務まで含めて把握できれば、買収後のトラブルも最小限に抑えられるでしょう。M&Aの適切なスキーム、基本合意の締結なども失敗を避けるためには必要な要素です。

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5. M&Aにおける買い手の課題

M&Aにおける買い手の課題

M&Aは秘匿性が高いため、M&Aを実行するメンバーは必要最小限に限定すべきでしょう。なぜなら人数が増えるほど、情報漏えいが起こりやすくなるのです。社内の各部門の担当者は1名~2名程度、多くても10名程度で構成するのが一般的でしょう。

M&Aを実際に検討した後に実行し、シナジー効果を得て成功させるためには、事前にある程度の道筋をつける必要があります。社内メンバーは、経営企画、M&A、事業企画、財務、法務に関する部門の担当者が重要です。

昨今、社内メンバーの中で、チームリーダーは経営企画もしくは管理職、役員クラスが務めるのが一般的でしょう。M&Aは小さな案件であっても、役員あるいは社長といった経営トップが関与するものです。

そのため、経営者と密なコミュニケーションをとれる立場にある者がチームリーダーでなければ、M&Aはスムーズに進まない可能性があります。

M&Aの社内チーム構成例

M&Aの社内チームの構成例を紹介します。それぞれの役割は一般的に以下のとおりです。
 

社長
  • 売り手側の経営者との信頼構築
  • M&Aを行う決断力と意思決定
  • M&Aメンバーと情報を共有
担当役員
  • M&Aの進捗管理
  • 買収価格の承認
  • チームリーダーの任命
チームリーダー
  • チームマネジメント
  • 売り手やM&A専門家との交渉窓口
  • スケジュール管理
  • メンバーの任命と役割の明確化
  • 社内関係者への根回し
経営企画担当
  • 経営戦略
  • 経営統合計画の策定支援
  • 社内の意思決定会議の手配や資料作成
M&A担当
  • M&A戦略の立案
  • 企業の選定や企業価値評価の算定
  • M&A手法の検討
  • 契約書の草案作成
  • 最終契約書に基づく手続き
  • M&Aアドバイザリーとの調整
事業企画担当
  • デューデリジェンスの実施
  • シナジー効果の算定
  • 経営統合プランの策定
経理財務担当
  • 資金の調達
  • M&Aに関わる会計処理の検討
  • 財務デューデリジェンスの手配
  • 企業価値評価レポートの内容検討
  • M&A後の内部統制対応や連結決算対応の検討
法務担当
  • 基本合意書や最終契約書などの作成
  • 法務デューデリジェンスレポートの内容検討
  • 取締役会や株主総会議事録の作成
  • 定款変更案の作成
  • M&A実行の際の法定書類や株券の確認
  • 登記手続き

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6. M&Aにおける買い手選びのポイント

M&Aにおける買い手選びのポイント

売り手側は買い手を選ぶ際、以下のポイントを押さえておく必要があります。

  1. 情報漏えいには注意する 
  2. 簿外債務の発覚などに注意
  3. 買収先とのシナジー効果を調査
  4. 売却するタイミングを逃さない
  5. 積極的に交渉できる相手を選ぶ

①情報漏えいには注意する

M&Aの際に大きなリスク要因となり得るのが、情報漏えいです。情報漏えいはM&Aの破談を招くだけでなく、両社の信用を著しく下げることもあります

②簿外債務の発覚などに注意

簿外債務などの隠れたリスク要因も、事前に整理しておかなければなりません。売り手側が簿外債務などのリスク要因に気づかず、買い手側が発見した場合、信用を大きく下げることになります

③買収先とのシナジー効果を調査

買い手を選ぶ際は、相手から提示された条件だけでなく、M&A後に自社を成長させてくれるかどうか、シナジー効果をよく見極めることも大切です。

どの程度のシナジー効果が見込めるかなどは、専門家にサポートしてもらいながら入念な調査を行ったうえ判断する必要があります

④売却するタイミングを逃さない

M&Aでは、会社の成長4段階のうち、どの段階にあるかでニーズも大きく変わってきます。ニーズの高いタイミングで売却できるよう、早い段階から準備しておくことがポイントです

⑤積極的に交渉できる相手を選ぶ

M&Aの際は、何度も買い手側の経営者と交渉したり現場を確認したりしながら、条件交渉だけでなく買い手との相性も判断していかなければなりません。そのためには、積極的に交渉ができる相手であることも選ぶポイントのひとつです。

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7. M&Aにおける買い手の成功事例 

M&Aにおける買い手の成功事例

ここからは、以下の業界ごとのM&A成功事例をご紹介します。

  1. 調剤薬局業界 
  2. IT業界
  3. 不動産業界
  4. 食品業界
  5. 物流業界
  6. 医療・介護業界
  7. 製造業界
  8. 卸・小売業界
  9. サービス業界

①調剤薬局業界

調剤薬局・ドラッグストア業界における買い手のM&A成功事例は、ルナ調剤による調剤薬局運営会社の買収です

ソフィアHD子会社のルナ調剤は調剤薬局事業の拡大を図り、2018年には調剤薬局を運営するビーライク、中嶋ファーマシー、アシストをM&Aによって取得しました。

さらに2019年には、調剤薬局運営会社の泉州薬局、コンビメディカル、アルファメディックスを取得し、短期間で店舗網を拡充しています。

②IT業界

IT業界における買い手のM&A成功事例は、フリークアウトHDです

フリークアウトHDは2019年にタイとベトナムのメディア運営会社「Spice Lab」や、東南アジアでインターネット広告関連事業を営む「The Studio by CtrlShift」を買収し、東南アジアで事業拡大を図りました。

同じく2019年にインドの動画広告会社「SilverPush」を買収し、M&Aによってスピード成長を図っています。

③不動産業界

不動産業界における買い手のM&A成功事例は、AMBITIONです。AMBITIONは2017年に投資用デザイナーズマンションを展開するヴェリタス・インベストメントを買収しました。

2018年には不動産向けシステム開発会社を買収し、2019年にはレンタルスペース事業を営むあどばると資本業務提携を結ぶなど、さらに不動産事業の幅を広げています。

④食品業界

食品・外食業界における買い手のM&A成功事例は、クリエイト・レストランツHDです

クリエイト・レストランツHDは、2018年にオリエンタルランド子会社のイクスピアリから、飲食事業を取得しました。

「海南鶏飯食堂」運営会社のルートナインジーを子会社化、ごまそば「遊鶴」のはしもとを買収しています。2019年には「銀座木屋」の木屋フーズ、レストラン運営のいっちょうを買収しました。

海外では、ニューヨークの日本食レストランを事業譲受、アメリカのイタリアンレストラン運営会社を約80億円で買収するなど、国内外で有力ブランド獲得を進めています。

⑤物流業界

物流・運送業界における買い手のM&A成功事例は、セイノーHDです。近年セイノーHDは、M&Aによって社会貢献も行っています。2017年には岐阜県のタクシー会社を3社グループに迎え、地域への貢献を進めました。

同じく2017年に冷蔵冷凍事業を営む昭和冷蔵とショーレイフィットを子会社化し、国内外で高品質の物流を実現する基盤を築きました。

2018年には、ネットスーパー事業を営むベクトルワンを子会社化し、グループ会社のココネットが行っている買物弱者向け食品宅配事業とのシナジー効果を生み出しています。

⑥医療・介護業界

医療・介護業界における買い手のM&A成功事例は、ソラストです。ソラストは2021年3月期に売上高1000億円などを達成する中期計画に向けて、M&Aを加速させています。

2030年までに介護サービスの提供エリアを300カ所にまで増やすことを目標とした長期計画も立て、M&Aも活用して急速に事業を拡大しました。2017年には通所介護事業を営むベストケアと、介護サービス事業を営む日本ケアリンクを買収しました。

2018年には、介護サービス事業を展開するJAWAと有料老人ホームを運営するオールライフメイトを買収します。2019年には、介護サービス事業を展開するなごやかケアリンクを買収するなど、中長期計画の達成に向けて動きました。

⑦製造業界

製造業界における買い手のM&A成功事例は、レンゴーです。レンゴーは、あらゆるニーズに対して総合的な解決策を提供する「ゼネラル・パッケージング・インダストリー」を掲げ、M&Aなどによって事業再編に取り組んでいます。

2018年はトッパンコンテナーの買収、アメリカとイギリスの包装資材メーカー買収、博多段ボールの買収を行いました。

2019年には、段ボール製造会社の武田紙器の買収、クラフト紙袋メーカーの樽谷包装産業の買収、ボックスメーカーの西原紙業の買収、中国の合弁会社を完全子会社化と、国内外でM&Aを加速させています。

⑧卸・小売業界

卸・小売業界における買い手のM&A成功事例は、JTです。JTは国内のたばこ市場が急速に縮小する中で、海外M&Aによって成長を続けています。

2017年にはフィリピンのたばこ会社を買収し、エチオピアのたばこ会社を子会社化しました。2018年にはロシアのたばこ会社3社とバングラデシュのたばこ会社からたばこ事業を譲受しました。

⑨サービス業界

サービス業界における買い手のM&A成功事例は、こころネットです。こころネットは中期経営計画でコア事業への投資と新分野・海外への投資を重視しています。

こころネットは冠婚葬祭事業と石材事業を主事業としていますが、近年両業界の市場は縮小傾向にあるのです。そこで、こころネットはM&Aによる事業の拡大を図り、2015年には牛久葬儀社を子会社化、2017年には福島県の葬儀会社である玉橋を買収しました。

2018年には北関東互助センターを買収、2019年にはベトナムの墓石会社を買収し、事業の拡大を進めています。

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8. M&Aにおける買い手一覧

M&Aにおける買い手一覧

それぞれの業界でM&Aを積極的に活用して成長している買い手企業をご紹介します。

  1. 調剤薬局業界 
  2. IT業界
  3. 不動産業界
  4. 食品業界
  5. 物流業界
  6. 医療・介護業界
  7. 製造業界
  8. 卸・小売業界
  9. サービス業界

①調剤薬局業界

調剤薬局・ドラッグストア業界で、M&Aを活用している買い手には以下の3社があります。

  • ルナ調剤
  • ココカラファイン
  • アインHD

ルナ調剤

ルナ調剤はソフィアHDの子会社で、調剤薬局運営のほかに開業支援や経営コンサルティングも行っています。2018年には、調剤薬局運営会社3社をM&Aによって取得し、2019年にはさらに3社の調剤薬局運営会社を取得しました。

ココカラファイン

ココカラファインは、調剤薬局とドラッグストアを展開している企業です。M&Aによって調剤薬局運営会社を複数取得しているほか、山本サービスや愛安住、ワイズといった医療・介護分野のM&Aも積極的に行っています。

アインHD

アインHDは、積極的な新規出店とM&Aによって、調剤薬局を全国展開している企業です。2018年にはコム・メディカルとABCファーマシーを取得、2019年には土屋薬品をM&Aによって取得し、地域医療の拡充に貢献しています。

②IT業界

IT業界でM&Aを活用している買い手には、以下の3社があります。

  • フリークアウトHD
  • NTTデータ
  • LINE

フリークアウトHD

フリークアウトHDは、国内外でインターネット広告事業を展開している企業です

2019年はタイやベトナムなど、東南アジアのインターネット関連会社を買収したほか、インドの動画広告会社「SilverPush」を買収するなど、積極的にアジア展開を進めています。

NTTデータ

NTTデータは、世界各国のIT関連企業をM&Aによる買収で、規模を拡大し続けている企業です。2018年にはイギリス・ドイツ・カナダ・インドの企業を買収、2019年はアメリカの企業を買収しています。

LINE

LINEは、さまざまな技術を持った企業の買収や提携によって、事業範囲を拡大しています。2017年には、IoT製品開発会社や動画配信プラットフォーム開発会社を買収、シェアバイク事業運営会社と資本業務提携をしました。

2018年と2019年には、情報セキュリティ会社の買収や求人広告会社との提携のほか、ブロックチェーン事業で野村HDと資本業務提携を結ぶなど、幅広くトレンド事業を獲得しています。

③不動産業界

不動産業界でM&Aを活用している買い手には、以下の3社があります。

  • AMBITION
  • 野村不動産
  • 大和ハウスグループ

AMBITION(アンビション)

AMBITION(アンビション)は、ITを駆使し多角的な不動産事業を展開している買い手企業です。2017年には、投資用デザイナーズマンション運用会社を買収、2018年には不動産向けシステム開発会社を買収しました。

2019年には、レンタルスペース運営会社と資本業務提携を結ぶなど、不動産事業の幅を広げています。

野村不動産

野村不動産は、野村證券系列の不動産会社です。大規模なREIT(不動産投資信託)の運用を行っているほか、2019年にはホテル業を営む隆文堂を買収するなど、ホテル事業にも力を入れています。

大和ハウスグループ

大和ハウスグループはM&Aによって、ITやロボットを活用した事業の強化を進めています

2016年にはITベンチャーのIROYAと資本業務提携、2017年には物流ロボットシステムを販売するGROUNDの第三者割当増資を引き受け、2018年にはキャッシュレス決済サービスのロイヤルゲートを買収しました。

④食品業界

食品・外食業界でM&Aを活用している買い手には、以下の3社があります。

  • クリエイト・レストランツHD
  • トリドールHD
  • カルビー

クリエイト・レストランツHD

さまざまな業態の飲食店を展開しているクリエイト・レストランツHDは、M&Aによってブランドの多様化とブランド力の強化を積極的に進めています

海外展開も強化しており、近年ではアジアのほか北米でも、M&Aによる事業展開を加速させています。

トリドールHD

丸亀製麺などの飲食ブランドを保有するトリドールHDは、「晩杯屋」を展開するアクティブソースや「ずんどう屋」を展開するZUNDの買収など、話題の飲食ブランドをM&Aによって獲得したのです

シンガポールのカレー店運営企業に出資するなど、アジア展開も積極的に進めています。

カルビー

カルビーは中期経営計画として、海外展開の強化を図っています。2018年にはイギリスのお菓子メーカーを買収、2019年にはアメリカのお菓子メーカーを買収するなど、欧米展開を強化しているのです。

⑤物流業界

物流・運送業界でM&Aを活用している買い手には以下の企業があります。

  • セイノーHD
  • ハマキョウレックス
  • 商船三井

セイノーHD

運輸業大手のセイノーHDは、2015年にタイやインドネシアの物流企業と合弁会社設立や提携を行い、海外での物流ネットワークを強化しました。2017年からは中期経営計画を発表し、M&Aも積極的に活用して成長の加速を図っています

ハマキョウレックス

物流センター事業に強みを持つハマキョウレックスは、M&Aによって物流サービスを強化してきた買い手企業です。2015年には千葉三港運輸の買収、2017年には千代田運輸、2018年にはJPロジサービス、2019年にはシティーラインの買収などを行っています。

商船三井

商船三井は、M&Aによって定期コンテナ船事業やコンテナターミナル事業の強化を進めています。2016年には川崎汽船、日本郵船とともに合弁会社を設立しました。2018年にはオランダの船員手配会社を買収、2019年にはデンマークのタンカー会社を買収しました。

⑥医療・介護業界

医療・介護業界でM&Aを活用している買い手は以下の企業があります。

  • ソラスト
  • エムスリー
  • トーカイ

ソラスト

全国で介護事業などを展開するソラストは、2030年までにあらゆる形態の介護事業を全国で展開するため、積極的なM&Aによって事業を拡大している買い手企業です。

もともとは医療機関への人材派遣業が主事業でしたが、M&Aにより急速にグループの介護施設などを増やしています

エムスリー

医療従事者向けにさまざまなサービスを提供しているエムスリーは、これまで数多くのM&Aによってサービスを強化してきました

2018年には、在宅医療・治験・リハビリ施設・SMO事業をM&Aにより強化し、2019年には研究者向けサービスやリハビリ専門職向けサイトを新たに獲得しています。

トーカイ

介護用品レンタル事業などを営むトーカイは、M&Aも活用して既存事業のほかに新事業の拡大や海外での事業展開などを進めています

2017年にはインドやシンガポールで医療分野に出資を行う一方、国内では福祉用具レンタル事業を堀田介護サービスから承継しました。

⑦製造業界

製造業界でM&Aを活用している買い手は以下の企業があります。

  • レンゴー
  • コマツ
  • エア・ウォーター

レンゴー

段ボールや板紙などの包装資材を製造するレンゴーは、総合包装資材メーカーとして成長するため、積極的なM&Aを行っている買い手企業です

2019年だけでも、段ボールメーカー・ボックスメーカー・クラフト紙袋メーカーのほか、中国のボックスメーカーも買収しています。

コマツ

コマツは1990年代から積極的なM&Aにより成長を続け、現在でもM&Aなどにより時代の波に合わせて事業を進化させました

2019年には中期経営計画で、スマートでクリーンな現場の実現を掲げ、計画を実現するためのM&Aなどを進めています。

エア・ウォーター

ガス会社として生まれたエア・ウォーターは、M&Aによる事業の多角化でさまざまな事業を展開しています。M&Aによって広がった事業は、現在では医療・食品・電機・物流など幅広い分野にまで及んでいます

⑧卸・小売業界

卸・小売業界でM&Aを活用している買い手は、以下の企業です。

  • JT
  • オートバックスセブン
  • ヤマダ電機
  • イオン

JT

JTは、代表的なM&Aの成功企業としてよく取り上げられるほど、逆境にあるたばこ業界でM&Aを活用し、成長し続けている買い手企業です。近年は、アメリカやエチオピア、フィリピン、ロシア、バングラデシュのたばこ会社を買収しています。

オートバックスセブン

カー用品販売大手のオートバックスセブングループは、M&Aによって国内外の自動車関連会社を買収し、サービスを強化しました。昨今では車検・整備事業に力を入れるためにM&Aを行っています

ヤマダ電機

ヤマダ電機は家電業界の構造変化や競争激化に対応するため、M&Aによって事業領域を拡大してきました

2017年には電気自動車開発との提携や住宅リフォーム会社の買収を行っています。2018年には賃貸住宅家財保険会社を買収、2019年には大塚家具を子会社化し、話題となりました。

イオン

イオンは2015年1月にダイエーを株式交換によって完全子会社化を行いました。2014年11月にはドラッグストアのウエルシアホールディングスをTOBによって子会社化を図っています。

イオンは、同業者をM&Aにより拠点の拡大や人材確保を行い、事業拡大を行ってきました。昨今は、成長が見込めるドラッグストア業界の企業買収によって、さらなる事業規模の拡大を目指しています

⑨サービス業界

サービス業界でM&Aを活用している買い手には、以下の企業があげられます。

  • こころネット
  • ヤマノHD
  • セコム

こころネット

婚礼・葬儀・石材事業を営むこころネットは、M&Aによって地方の冠婚葬祭事業や海外での石材事業を拡大しています

2015年から2018年にかけては、茨城、栃木、福島の冠婚葬祭事業会社を買収し、2019年にはベトナムの墓石会社を買収しました。

ヤマノHD

美容事業や和装装飾事業などを営むヤマノHDは、M&Aによって事業の成長を加速させてきました。2019年には個別指導塾を運営するマンツーマンアカデミーを子会社化し、既存事業に教育事業を加えています。

セコム

セコムは、M&Aによってセキュリティサービスの充実を進めてきた買い手企業です

セコムは「あんしんプラットフォーム構想」を実現するため、2017年にはコールセンター買収、2018年には東芝セキュリティを買収しています。2019年には監視カメラソフトウェアの開発会社買収も行いました。

【関連】会社買収とは?手法・手順や価格の決め方、メリットを解説【成功事例あり】

9. M&Aに関するおすすめの相談先

M&Aに関するおすすめの相談先

買い手がM&Aを行う目的には、事業の多角化や拡大・新規事業への参入・シナジー効果獲得などのメリットが挙げられます。これらの目的を達成し、満足のいくM&Aを達成するには、M&Aの専門家によるサポートを受けるのがおすすめです。

全国の中小企業のM&Aに数多く携わっているM&A総合研究所では、M&Aに精通した経験豊富なアドバイザーが専任となり、相談時からクロージングまでM&Aを徹底サポートいたします。

M&A総合研究所は、これまでの実績で培った幅広い情報を生かし、通常は半年~1年以上かかるとされるM&Aを、最短3カ月でスピード成約する機動力が強みです。

料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。随時、無料相談を受け付けておりますので、M&Aをご検討の際には、お気軽にお問い合わせください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
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10. M&Aにおける買い手のメリット・デメリットまとめ

M&Aにおける買い手のメリット・デメリットまとめ

本記事では、M&Aの買い手一覧と成功事例などをご紹介してきました。買い手はM&Aによってメリットが得られますが、一方でデメリットを被る場合があります。 売り手側は買い手を選ぶ際、ポイントを押さえておく必要があるでしょう。

M&Aを成功させるには、細かなプロセスの定義や意味を踏まえたうえで、自社に合った戦略を策定すると良いでしょう。しかし、M&Aの検討・実施にはさまざまな手続きがあり、自社だけで進めていくのは非常に難しいです。

自社に合ったM&A仲介会社を活用するのが、M&Aを成功させる大きなポイントとなるでしょう。

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