M&Aの法務DD(デューデリジェンス)とは?手続き、チェック項目を解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

M&Aにおける法務DD(デューデリジェンス)の位置づけや目的、プロセスを網羅的に解説しているため、全て読めば法務DD(デューデリジェンス)の基礎は完璧です。また、M&A実施の際に法務DD(デューデリジェンス)を行う上での注意点を経験を踏まえて解説しています。

目次

  1. M&Aの法務DD(デューデリジェンス)とは
  2. M&Aにおける法務DD(デューデリジェンス)の手続き
  3. M&Aにおける法務DD(デューデリジェンス)のチェック項目
  4. M&Aにおける法務DD(デューデリジェンス)後の対応
  5. M&Aにおける法務DD(デューデリジェンス)の注意点
  6. M&Aにおける法務DD(デューデリジェンス)まとめ
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1. M&Aの法務DD(デューデリジェンス)とは

法務DD(デューデリジェンス)は、ビジネスDD(デューデリジェンス)、財務・税務DD(デューデリジェンス)と並ぶ重要なDD(デューデリジェンス)項目の一つです。

企業活動は全て法律によって規定されています。

その中で「その企業活動で法律的な問題が発生していないか」、「その問題によって企業活動の継続に障害が生じないか」、「企業活動は継続しても収益性に影響を及ぼすことはないか」を確認することがM&Aを検討する際に必要になります。

この一連の調査や確認作業を法務DD(デューデリジェンス)といいます

他のDD(デューデリジェンス)と同様にディールの推進時点において、法務DD(デューデリジェンス)は、対象企業及びM&Aプロセスに関する法的リスクを確認し、その結果を元にM&A実施可否の判断を行い、M&Aを実施する際の条件に反映させます。

また、DD(デューデリジェンス)で検出した法的課題はチェックリストを作成し、M&Aが成立後に担当部門に引き継がれたのちに、再度チェックリスト項目の確認を行い、対応方針を決定、解決を図っていきます。

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法務DD(デューデリジェンス)の目的

M&Aの目的は主に以下の4項目に分類されます。

1.事業継続の障害となる項目の確認
対象企業について法的な観点から、「その事業が中断されるリスクがある、もしくは当該事業について競争力の源泉が毀損される恐れのある事業が存在するか」を確認します。

2.対象企業の価値を減少させる項目の確認
事業継続そのものや法的問題の解決によって対象企業の収益性が危ぶまれることはないものの、法的問題の解決によって対象企業の収益性が減少する、もしくは資産が毀損するなどにより、企業価値を減少させることとなるような事項を確認します。

3.当該M&Aを阻害する法的要因の確認
M&Aを実施する場合に、法制度や法規制が阻害要因にならないかを確認します。

4.当該M&Aの法的スキームの可否の確認
M&Aを実施することにおいて株式の取得のほか、会社分割や株式移転、事業譲渡など、様々なスキームが発生します。これらのスキームについて、想定通りに実行できるかを検証します。

M&Aプロセスにおける法務DD(デューデリジェンス)の位置づけ


1.買収意思決定
法務DD(デューデリジェンス)においてM&Aの阻害要因が検出された場合は、意思決定者に対してリスク要因を明確にした上で、判断を仰ぐことになります。

なお、阻害要因については、判断時に早急に伝える必要があり、これは売却中止がわかっている案件に時間やコストをかける無駄を省くためです。

2.企業価値の算定との関係
法務DD(デューデリジェンス)は、あくまでも法的観点からのリスク要素の検出と評価です。

そのため、どのように企業価値に反映させるかは、財務DD(デューデリジェンス)のバリュエーション算出の役割を担う担当者や、その後の企業価値の算定の役割を担う担当者と調整をする必要があります。

3.買収プロセス
法務DD(デューデリジェンス)においては、買収スキームに関わるリスクもあわせて検証することが多くなります。結果として買収スキームは買収条件とともに契約書に反映されます。そのため、契約書の作成担当者へ情報を提供することになります。

4.他のDD(デューデリジェンス)との関係
法務DD(デューデリジェンス)の実施にあたっては、他のDD(デューデリジェンス)との関係や役割分担を明確にして、効率よく実施することが重要です。特に次のDD(デューデリジェンス)担当者との役割分担は事前に決めておくことをお勧めします。

①ビジネスDD(デューデリジェンス)との役割分担
対象企業の事業性を評価する役割を担うのがビジネスDD(デューデリジェンス)ですが、事業性の基礎となる取引構造が永続的であるかを検証するという観点で、法務DD(デューデリジェンス)との役割分担が生じます。

事業の根幹となる取引をビジネスDD(デューデリジェンス)で抽出し、法務DD(デューデリジェンス)で法的リスクを確認するという役割分担が効率的です。

②財務DD(デューデリジェンス)との役割分担
対象企業における資産負債の健全性を確認することが財務DD(デューデリジェンス)ですが、財務DD(デューデリジェンス)で抽出した重要な資産、負債について法的な瑕疵の有無確認する役割を法務DD(デューデリジェンス)で担います。

特に偶発債務に関しては、法的解釈を伴うものも多いので、情報共有と担当の役割分担が必要になります。

法務DD(デューデリジェンス)の対象

効果的にDD(デューデリジェンス)を行うためには調査スコープの絞り込みと優先順位付けが重要です。

法務DD(デューデリジェンス)においては、調査スコープを絞り込むために、事前レビューの結果だけでなく、他のDD(デューデリジェンス)と情報を共有し、役割分担を行う必要があります。

1.調査スコープの決定
法務DD(デューデリジェンス)で重要なのは調査スコープをどのように定めるかということです。調査スコープを絞り込まないと費用がかさむ上にDD(デューデリジェンス)の期間も長くなります。具体的には次のようなことを検討するといいでしょう。

(1)グループ会社まで調査するか
対象企業に子会社や関連会社があり、対象企業よりもガバナンス体制が弱く、大きな法的リスクを有している可能性があります。

特に近年では持ち株会社制度を有している企業もあるため、この場合は純粋持ち株会社よりも傘下の事業会社の方が多くのDD(デューデリジェンス)のコストがかかります。

(2)海外をどこまで調査するか
対象企業が日本企業でないケース、及び対象企業の主要な事業が海外にあるケースが増加しています。また海外の子会社がディールブレークを犯す大きな法的リスクを有している可能性もあります。

基本的には海外でDD(デューデリジェンス)を行う際にも日本の専門家に依頼することが多いですが、海外の法律までスコープに入れると時間とコストがかさむ可能性が高くなります。

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2. M&Aにおける法務DD(デューデリジェンス)の手続き

調査スコープを絞ったら本格的に法務DD(デューデリジェンス)を開始します。基本的な法務DD(デューデリジェンス)の手順は次の通りです。

法務DD手続き

調査体制の検討

まずは調査体制の検討を行います。一般に法務DD(デューデリジェンス)を行う際には外部の専門家にお願いすることが多いのですが、それには次のような理由が存在します。

1.専門性
法務DD(デューデリジェンス)では法的リスク検出のために様々な法律の解釈が重要です。その意味で会社法、民法、その他の法律に関して、幅広い知識が必要になります。

社内には法律部門があり、法律に関して知見があるスタッフがいることもあると思いますが、M&Aのような法的検証が必要な項目を検討する場合は限界があるため、外部の専門家を活用するケースが多くなります。

2.守秘義務の徹底
M&Aは秘密裏に行われるものであり、場合によっては社内スタッフにも知らせないケースも存在します。また扱う情報も他の企業の情報や個人情報を含むものもあり、情報管理の徹底が必要です。

弁護士をはじめてとした法律事務所は守秘義務を有しているため、法務DD(デューデリジェンス)の検討に適しています。

3.説明責任
法務DD(デューデリジェンス)では高度な専門的判断を要する項目が含まれるので、その成否については会社の存続に関わるリスクや大きな経済的リスクが付きまといます。

判断するに当たって十分な検討をしたという説明責任を果たすためにも外部の専門家の起用が必要です。

このような観点から、法務 DD(デューデリジェンス)では外部の専門家を活用する必要が高いものの、一方で、検討にかかる費用が高額であるため、利用する専門家を事前に吟味しておかなければなりません。

特に法律事務所によっても得意分野があるため、相談したい分野において実績を有しているかを事前に把握することが重要です。

 

基本資料の受領

対象企業より、調査を行う専門家が資料を受領します。

法律事務所からチェックリストを送付して、資料を確認することが多いですが、FA(ファイナンシャルアドバイザー)等が入っている場合は、FAがチェックリストを準備し、一斉にDD(デューデリジェンス)実施企業に送付することもあります。

要求する資料は主に次の通りです。

1.公的資料
具体的には定款、登記簿謄本、各種許認可・届出書類などになります。対象企業の存続状態及びビジネスに関して規制がないかを確認します。

2.社内資料
株主総会議事録、取締役会議事録、決裁書・稟議書、各種規程類などになります。これらの書類により、
コンプライアンスや内部統制に問題がないかを確認します。

3.取引関係資料
各種契約書、取引約定及び取引上のトラブルに関する資料を確認します。これにより公正に取引が行われているかを確認します。

4.その他の資料
訴訟を初めとする法的トラブルなどの発生可能性を判断するために情報を収集します。勤怠管理がしっかりとなされているか等も基本的なことですが、訴訟の一要因となります。場合によっては担当の弁護士から話を聞くこともあります。

資料の開示請求

調査スコープと体制の確定後に調査対象の企業に資料の開示請求を行います。一般的には相手先との秘密保持契約またはPOST Dealデューデリジェンスから、資料開示請求を行います。

法務DD(デューデリジェンス)の場合は資料の開示先は基本的には法律事務所となります。法律事務所は秘密保持義務・守秘義務があるため、あえて契約書に秘密保持の条文がない場合や、秘密保持契約を結ばない場合もあります。

資料に関しては、どのような資料が必要か外部の専門家にチェックリストをもらい、その項目に従って資料を開示するようにしましょう。

チェックリストの項目を確認し、既存の資料を提示できるか、ない場合は代替できる資料を探すか専門家に相談するようにしましょう。

資料の分析・検討

法務DD(デューデリジェンス)の実施にあたって必要な分析の視点を整理します。分析の目的はディールブレーカーの存否確認、企業活動への影響考慮、スキームの有効性確認です。その目的に従い、分析の視点を整理すると以下が主なチェックリストになります。

1.事業運営の前提条件となる事項

  • 会社機関、ガバナンスの観点から、当該企業が存続しうるかを分析する。
  • 当該事業を推進するために必要な許認可を取得しているか、またその許認可は維持が可能かを分析する。

2.企業価値に重要な影響を及ぼす事項
  • 事業活動において重要と思われる各種計画に欠缺はないか、有利な条件での継続が可能かを分析する。
  • 現段階ではリスクは顕在化していないものの、何らかの条件でリスクが発生した場合、その影響の程度を分析する。

3.M&Aの推進そのものに影響のある事項
  • 法律や各種規制の存在により、M&A自体が制限されていないかを分析する。
  • M&A推進において、想定しているスキームを阻害する法的な要件は存在しないかを分析する。

対象企業の経営者と対談

対象企業の経営者及びマネジメントと面談を行います。またマネジメント以外でも会社のキーマンであれば面談を行うことがあります。方法としては対面で面談をする以外にも電話会議等を活用することもあります。

複数回面談を繰り返し、調査企業への理解を深めていきます。またマネジメントも忙しいので、直前にチェックリストを調査企業へ送付して、回答を考えておいてもらい、そのチェックリストを元に質問を行います。

また他のDD(デューデリジェンス)(ビジネスDD(デューデリジェンス)や財務DD(デューデリジェンス)等)と質問が重複することもあるので、チェックリストや回答を共有したり、一回の面談で複数のDD(デューデリジェンス)の面談を並行で行うこともあります。

意向書作成

分析結果の取りまとめを行います。主に取りまとめ項目は次の通りです。

1.ディールブレーカーの可否
ディールブレーカーとは法人格の否認や許認可の不存在などです。

一定の条件でディールブレーカーが発生するケースもあるので、スキームとの関係性、相手方及び利害関係者の存在を踏まえて、M&Aにおける交渉方針や、契約における諸条件の付与を検討すべきです。

2.企業価値選定・スキームへの影響
法務DD(デューデリジェンス)においては、対象企業の収益性や競争力の源泉となる事業が法的に持続できるかを検証し、企業価値算定へその結果を反映させる必要があります。反映の視点としては下記2点が挙げられます。

  • 事業を継続できない場合、どの程度収益性が減少することになるか。
  • 継続するためには、どの程度の投資が必要になるか。

また、訴訟など対象企業が将来にわたって発生・継続するリスクファクターを明確にする必要があります。

さらに対象企業に対するM&Aスキームがディールブレーカーの要因にならないか、あるいはChange of Control条項などの適用、もしくはその回避のために追加の負担等で企業価値にどれだけの影響が発生するかを明確にします。

なお、こららの影響額をどれくらい取り込むかは、他のDD(デューデリジェンス)の結果を踏まえた企業価値計算との兼ね合いになるので、算出に資する一定の金額的なレンジを提示できるようにすることが望ましいといえます。

また、ディールブレーカーになりうる問題や少なくともM&Aのディールが完了する前に解決しておかなければならない問題はチェックリスト形式でもらえると思います(もらえなかった場合は、依頼してみましょう)。

法務DD(デューデリジェンス)の肝になる部分ですので、しっかりとチェックリストの項目に目を通し、必要な時間軸で解決をするようにしましょう。

3. M&Aにおける法務DD(デューデリジェンス)のチェック項目

法務DD(デューデリジェンス)では、以下の項目をチェックします。

  1. 帳簿
  2. 株式・株主
  3. 資産・負債
  4. 契約関係
  5. 人事労務
  6. 法令遵守・許認可
  7. 訴訟紛争
  8. 子会社・関連会社

法務DD チェック項目

帳簿

債権・債務の有効性や偶発債務の確認等は財務DD(デューデリジェンス)のスコープとなるため、法務DD(デューデリジェンス)では債権が存在しているか、適切に処理されているか、時効になっていないか等を確認します。

また簿外債務が存在しないか等の検証も行います。事前に調査スコープを決定し、財務DD(デューデリジェンス)のスコープと役割分担をすることが必要です。

株式・株主

現在の株主が適切な手続きの元で存在しているかを確認します(非公開会社の譲渡制限が守られているか等)。

既存株主の動向として過去の企業再編により、既存株主より買取請求や決議無効の訴訟などを提起されていないか、優先株等において転換の請求などがなされているかを確認します。

また、潜在株主の有無を確認します。転換社債など株主数の変動する要素は存在するか。また変動する要件及び議決権に及ぼす影響はどの程度かを確認します。

資産・負債

一般的に帳簿上の資産、債務の有効性などは財務DD(デューデリジェンス)の範囲となります。

法務DD(デューデリジェンス)では、所有権や担保権に関する契約の確認や保証債務、訴訟等の確認を行います。こちらも事前に調査スコープを決定し、財務DD(デューデリジェンス)のスコープと役割分担をすることが必要です。

契約関係

契約書の存在の有無や、契約が適切に取り交わされているかを確認します。

またライセンス契約やリース契約などに事業継続を回避できるものの、賠償や追加の出捐(当事者の一方が自分の意思で、財産上の損失をし、他方に利益を得させること)を求められる法的根拠があるかなどを確認します。

また金融機関の借り入れにおいては、コベナンツ(契約内容に記載する一定の特約事項)の存在により融資条件の変更を求められることもあるため、その確認を行います。

人事労務

人事DD(デューデリジェンス)を行う場合、労務に関するトラブルやリストラに関する時効は人事DD(デューデリジェンス)で行うため、法務DD(デューデリジェンス)では労働条件、セクハラ・パワハラの問題、希望退職・解雇に関する問題の有無を確認します。

事前に人事DD(デューデリジェンス)とのスコープを確認し、調整を行うことが必要です。

また役員に関してチェックする項目として、役員の選任、報酬、委嘱事項などについて明示的かつ適切なプロセスで決定されているか。

加えて、役員の活動はどのような形で報告及び共有されているか、役員の活動を監督・牽制する機能は存在するか、その機能は有効に作用しているかを確認します。

法令順守・許認可

対象企業が事業運営において法令を遵守していない場合、買収後の影響が経済的リスクにとどまらない可能性があります。

具体的な違反事項として、事業運営において法に定める必要な手続きがなされていない、無許可・無認可による事業展開、談合・利益供与など反社会的行為への関与が挙げられます。

法令違反の程度によっては、M&Aの検討及び交渉を打ち切る可能性も想定されます。

また対象企業の事業遂行において許認可が必要になる場合があります。許認可は一定の期間で更新する場合が多いものの、主要株主の変更があるなど、許認可の継続や更新が不可能な場合があります。

なお対象企業が海外の場合、許認可の取得・継続において外資規制があることも多く、留意する必要があります。

許認可の主なチェックリストは次の通りです。

  • 許認可の種類、内容、及びその有効期限
  • 当該許認可の更新の可能性
  • M&A等による許認可取り消し等の可能性
  • 許認可が取得できない場合の影響

訴訟紛争

対象企業が訴訟紛争を抱えている場合、ディールブレークすることもあります。また潜在的に訴訟紛争を引き起こす可能性がある契約等を抱えている場合もあり、それを未然に検知するのも法務DD(デューデリジェンス)の役割といえます。

またディールブレークするような訴訟紛争でなくても、訴訟が続くと大きな支出を伴います。M&A成功のためだけでなく、支出を減らすためにも訴訟紛争を未然に防ぐ、または早めに解決することは重要となってきます。

子会社・関連会社

対象企業に子会社・関連会社があり、対象企業よりもガバナンス体制が構築されていないため、大きな法的リスクを抱えているケースがあります。

複数の子会社や関連会社を有している企業もあり、さらに海外の子会社や関連会社がある場合、多大なコストと時間がかかる場合があります。複数の子会社や関連会社があるある場合はチェックリストを作成しておくと整理しやすくなります。

事前に専門家と相談して調査スコープを絞り込むようにしましょう。

4. M&Aにおける法務DD(デューデリジェンス)後の対応

PDM M&A 法務DD

1.PDM(Post Deal Management)への示唆
対象会社の法的課題は、法務DD(デューデリジェンス)が実施されても、網羅的に全てを解明できるわけではありません。

またM&Aの期間中に解決できないことが多いのも事実です。従って法的課題をどのようにハンドリングしつつ、リスクの顕在化を抑制するかということも重要です。そのため、他のDD(デューデリジェンス)と比べるとよりPDMを意識することが重要です。

法務DD(デューデリジェンス)の成果物は、その性質上、評価額が定量的に示させれていないことが多いものの、DD(デューデリジェンス)の企業価値算出の基礎資料とであるため、取りまとめの際に定量的な換算ができるか否かを確認する必要があります。

なお法務DD(デューデリジェンス)において、ディールブレーカーや重要なコンプライアンス違反が検出された場合は、全ての調査が終わる前か、もしくはM&Aのディールが完了する前に対応策を検討する必要があります。

また、ディールブレークが生じる問題が検出された場合は、解決することを最優先する必要があります。

5. M&Aにおける法務DD(デューデリジェンス)の注意点

法務DD(デューデリジェンス)では、次の2点を確認しなければなりません。

  • M&A実施前後に必要な届出はあるか
  • 現在取得している許認可の承継が認められるか
届出や許認可の申請が遅れると、M&Aのプロセス全体の進歩に影響が出てしまうため注意が必要です。

また、DD(デューデリジェンス)はあくまでM&A推進やグループ経営を展開させるための手段にすぎませんが、限られた条件の中で効率的、かつ、目的にかなったDD(デューデリジェンス)を実行することは非常に重要であることはいうまでもありません。

近年経営資源を効果的に獲得するためにM&Aは必須の手段になっています。またM&Aでも特に企業買収の実施後においては、対象企業をグループ会社として適切に運営することが重要なポイントとなっています。

さらにはグループ経営を進める上で、構成企業が適切な戦略のもとで機能しているかを常に把握する必要があります。

そのような状況の中で、M&Aやグループ経営における意思決定に資する情報を提供するという役割を担うという意味で、DD(デューデリジェンス)は非常に重要です。

DD(デューデリジェンス)は調査資料をまとめるだけでなく、M&Aやグループ経営推進の意図や目的を十分に理解した上で、実施責任者や関係者に、適切に解決しなければならない項目や情報を提供することが必要です。

その意味でも最終報告での情報提供だけでなく、DD(デューデリジェンス)の期間中も対象会社と専門家は密にコミュニケーションを行うことが重要になります。

なお、DD(デューデリジェンス)が成功したからといって、その後のM&Aやグループ経営が必ず成功するとは限りません。DD(デューデリジェンス)はあくまでも意思決定・推進に資する情報の提供であり、その後の判断、及び実施には別の要素も存在します。

その中で法務DD(デューデリジェンス)は企業価値算出をする上の基礎を作るだけでなく、法律違反やコンプライアンス違反等の会社存続に関わる要素を検出するためのものであり、M&Aをする際には必ず行う必要があります。

6. M&Aにおける法務DD(デューデリジェンス)まとめ

法務DD(デューデリジェンス)はビジネスDD(デューデリジェンス)、財務DD(デューデリジェンス)と並んで、M&Aを実施する上で必ず実施される項目です。

また、法的要因がディールブレークに直結する可能性があることや、法務DD(デューデリジェンス)の資料は企業価値の算出の基礎の資料となることから、他のDD(デューデリジェンス)の結果との関係が大変重要になってきます。

加えて、資料収集の効率性や面談の日程調整の効率化(時には面談をまとめて行うこともあります)、アウトプットの整合性の確保のためにDD(デューデリジェンス)間で調整が必要です。

プロジェクト管理者は、開始前に各DD(デューデリジェンス)間で調整が必要な項目を整理及びチェックリスト化し、収集した資料や各種情報を共有し、調査結果のすり合わせのタイミングなどを明確にしましょう。

その上でそれぞれの責任者とチェックリストを元にコミュニケーションをとって進めていくようにしましょう。

M&A総合研究所なら、今まで数百件のM&Aの法務をみてきた実績を活かし、適切な法務DDを行うことができます。また、M&A専門の弁護士が外部パートナーとしているので、まずは相談をしてみましょう。

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