不動産管理会社設立による節税対策とは?事業承継まで考えて設立をしよう

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

不動産管理会社の設立によって節税に繋がる可能性があります。今回は不動産管理会社による節税方法や不動産会社設立のメリット・デメリットをご紹介。また、不動産管理会社の事業承継についても言及!不動産管理会社を活用し、できるだけ節税をして後継者の負担を減らしましょう。

目次

  1. 不動産管理会社の設立によって事業承継時の節税につながるか?
  2. そもそも不動産管理会社とは
  3. 不動産管理会社を立ち上げるメリット・デメリット
  4. 不動産管理業界の将来はあまり明るくない
  5. 不動産管理会社の事業承継とは
  6. 不動産管理会社の3つの承継先
  7. 不動産管理会社をM&Aで事業承継するときの3つの事例
  8. 設立時から計画的に!高値で会社を譲渡する2つのコツ
  9. 不動産管理会社の事業承継や節税対策は専門家へ相談しよう
  10. まとめ
  • 不動産管理会社のM&A・事業承継

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1. 不動産管理会社の設立によって事業承継時の節税につながるか?

不動産管理会社の設立によって事業承継時の節税につながるか?

事業承継時、不動産管理会社を設立することで節税につながることがあります。以下の2つの方法を確認していきましょう。

  1. 設立によって節税できる
  2. 相続財産を減らすことで相続税の負担が軽くなる

順番に確認しましょう。

節税方法1.設立によって節税できる

そもそも、不動産管理会社を設立することで節税できることが多いです。というのも、個人で税金を納めるよりも、会社を設立した方が節税に繋がるからです。

元々個人で不動産の管理・経営をしている人が、収入の増えてきたタイミングで不動産管理会社を設立するといった流れをとることが良くあります。

不動産管理会社を設立することで、具体的には以下のような節税が期待できるでしょう。

  • 所得税の節税
  • 給与所得控除の適用によって課税対象の減額

所得税は最高税率は55%以上ですが、中小法人の実効税率は33.8%と税率に大きな差があります。

もちろん、売り上げや所得によって節税できる額は変わるので一度概算を出してみると良いでしょう。

節税方法2.相続財産を減らすことで相続税の負担が軽くなる

不動産管理会社を作っておくと、相続財産を減らすことができ相続税の負担を軽くすることができます。

例えば、個人で収入を得ていたとしましょう。このとき、収入は全て自分の財産となります。自分が死んでしまって財産を相続する家族は、その分の相続税を支払わなければなりません。

一方、不動産管理会社を作って家族に給与を支払えば、不動産管理会社を通して収入を分けあうことができます。そうすることで、相続財産は減り、相続税の負担も軽くなるのです。

不動産管理会社でも事業承継税制は使える!

ちなみに、不動産管理会社でも事業承継税制を使うことができます。事業承継税制とは、事業承継をするときに後継者が取得した資産に対する贈与税や相続税の納税を猶予する制度のことです。

「事業承継税制は、賃貸不動産を持つ不動産所有法人に適用されない」と思われていることがありますが、実際は適用されます。

たしかに資産保有型法人や資産運用型法人であれば適用はされないでしょう。資産保有型法人や資産運用型法人とは、単に投資用の不動産や金融商品を持っているだけの会社のことです。

しかし、不動産管理会社なら賃貸経営を行う立派な事業とみなされます。ただし、特定資産(投資用不動産や金融資産など)が会社の持つ資産の70%を上回ってしまうと、資産保有型法人や資産運用型法人とみなされ事業承継税制は適用されません

また、個人事業主であっても法人であっても、事業承継税制はあります。しかし、違う点があるので表で確認しておきましょう。

  法人版(特定措置) 個人版
事前の計画策定 5年以内の特例承継計画の提出 5年以内の個人事業計画の提出
対象資産 非常上株式 特定事業用資産
適用期間 10年以内の贈与・相続など
納税猶予割合 100%
贈与要件 一定数の株式などを贈与すること その事業に係る特定事業用資産の
全てを贈与すること
承継人数 最大三人 先代一人から後継者一人
雇用確保要件 あり なし
円滑法認定の
有効期限
申告期限から5年間 最初の承継(贈与・相続)から2年間

このような違いがあるので注意してください。

以上が不動産管理会社を使った節税方法でした。ただし、売り上げ状況によっては節税につながらないこともあります。

不動産管理会社を設立したからといって「必ず節税できるわけではない」ことは覚えておきましょう。

【関連】中小企業庁の事業承継税制って何?要件・注意点・手続きの流れを解説

2. そもそも不動産管理会社とは

不動産のオーナーの方が所有する賃貸物件の保有・管理を行う会社

そもそも不動産管理会社とは、不動産のオーナーの方が所有する賃貸物件の保有・管理を行う会社のことです。不動産オーナーが不動産管理会社を設立することもあります。

不動産管理会社を設立するには、以下の3つの方式があります。

  1. 管理委託方式
  2. 不動産保有方式
  3. 転貸方式(サブリース方式)

順番に確認していきましょう。

方式1.管理委託方式

管理委託方式とは、会社に対して不動産オーナーが不動産事業から得られる収入を管理費として支払う方式です。

会社に入った管理費は、経費や従業員の給与に当てることができます。お金の流れは以下の通りです。

  1. 賃借人から不動産オーナーへ賃貸料が支払われる
  2. 不動産オーナーが不動産管理会社に管理料が支払われる
  3. 不動産管理会社から経営者や従業員に給与が支払われる

不動産オーナーが経営者と同一人物だった場合は、受け取った賃料の一部を管理費として不動産管理会社に支払うことになります。

管理費はおよそ賃料の5〜10%と限られるため、会社に多くのお金を入れたい場合には向かない方式です。

方式2.不動産保有方式

不動産保有方式とは、不動産オーナーの持つ賃貸不動産を不動産管理会社へ譲渡する方式です。不動産管理会社が直接不動産を所有することになります。

不動産オーナー個人で得ていた不動産事業の所得が全額不動産管理会社へ移転させることが可能です。お金の流れは、以下のようになります。

  1. 賃借人から不動産管理会社に賃料を支払う
  2. 不動産管理会社から経営者や従業員に給与が支払われる

とてもシンプルな流れでわかりやすいため、不動産保有方式を採用するオーナーは多いです。

一方で、不動産管理会社へ不動産の名義変更をしなければなりません。手続きは複雑化し、登録免許料などの料金が発生することを覚えておきましょう。

方式3.転貸方式(サブリース方式)

転貸方式(サブリース方式)とは、オーナーが持つ賃貸用不動産を一括賃貸して、不動産管理会社が転貸する方式です。

そのため賃貸料は不動産管理会社へ直接支払われることになります。お金の流れは以下の通りです。

  1. 賃借人から不動産管理会社へ賃貸料が支払われる
  2. 不動産管理会社から不動産オーナーに賃貸料が支払われる
  3. 不動産管理会社から経営者や従業員に給与が支払われる

不動産オーナーと不動産管理会社の経営者が同一の場合であっても、不動産管理会社から不動産オーナーへの賃貸料は支払われます。不動産管理会社は経費として処理することが可能です。

以上が、不動産管理会社を設立する3つの方式でした。

方式によって行わなければならない手続きや確定申告の内容、お金の流れは変わります。一般的には、手続きがシンプルである不動産保有方式が採用されやすいです。
 

3. 不動産管理会社を立ち上げるメリット・デメリット

不動産管理会社を立ち上げるメリット・デメリット

方式について確認してみると「ややこしそうだなあ」と印象を持つかもしれません。最終的に不動産管理会社を設立するかはメリット・デメリットを確認し、総合的に判断することをおすすめします。

そこで、不動産管理会社を立ち上げるメリットとデメリットを確認していきましょう。

(1)メリット

不動産管理会社を立ち上げるメリットは、2つあります。

  • メリット1.所得税の節税ができる
  • メリット2.事業を拡大していける

それぞれのメリットを確認していきましょう。

メリット1.所得税の節税ができる

不動産管理会社を立ち上げることで、所得税の節税につながる可能性が高いです。

というのも、個人の所得税は累進課税率によって課税されます。そのため、収入が高ければ高いほど課税税率は高くなってしまう仕組みとなっているのです。

課税所得が4000万円を超えると税率は45%になります。

しかし、不動産管理会社を立ち上げると法人税率が適用されるのです。法人税率は33.8%ですから、この税率を超えるほどの課税所得を得ているのであれば、節税することができます

また、法人化をすることで、給与所得控除や退職所得控除を受けて課税所得を減額することもできます。さらに医療保険などに加入したり、欠損金を繰越するなど、節税対策の幅は広がるのです。

メリット2.事業を拡大していける

不動産管理会社を立ち上げることで、事業を拡大していくことができます。

もちろん個人でも資金力があれば事業拡大は可能です。しかし、大きな取引は個人だと相手にしてもらえないことも多く、「法人ならでは」の信用によって取引が始まることもあります。

今までは自分の持っている不動産のみの事業だったとしても、今後は他のオーナーによる委託管理を行ったり、不動産の所有を増やしたりできるでしょう。

このように、不動産管理会社を立ち上げることで事業拡大の可能性が高まります。

以上が、不動産管理会社を立ち上げることで得られるメリットでした。一方でデメリットもあります。

(2)デメリット

不動産管理会社を立ち上げるデメリットは、費用が増えてしまうことです。

不動産管理会社を立ち上げることで発生する費用は以下の3つが予想されます。

  • 費用1.会社設立の費用
  • 費用2.不動産の所有の移動による費用
  • 費用3.税理士への報酬費用

順番に確認しましょう。

費用1.会社設立の費用

まず、会社を設立するためには法定費用がかかります。株式会社の場合、定款認証手数料と登録免許税、定款の謄本の保存料で最低20万円以上はかかるでしょう。

そのほかにも、雑費がかかります。例えば、電子定款の作成費用や会社の実印、印鑑証明の登録などがかかってくるのです。

このように、会社設立だけでも20万円以上の費用がかかることを覚えておきましょう。

費用2.不動産の所有の移動による費用

もし、不動産保有方式で不動産管理会社を設立するのであれば、不動産の所有権移転登記が必要です。

所有権移転登記とは、不動産や土地の持ち主が変わったときに行わなければならない手続きのことです。このとき、登録免許料(不動産の固定資産税評価額の2%)が発生します。

費用3.税理士への報酬費用

不動産管理会社を立ち上げて節税対策をするのであれば、税理士への報酬も発生します。決算申告や法人申告が必要となるため、自分の知識だけでは申告ができないでしょう。

このように、節税できる額が少なければ会社設立によってかえって出費が増えることも考えられます。最終的な支出を抑えられるのはどちらなのかよく検討しましょう。

ところで、不動産業界全体はオリンピック需要などで盛り上がっていますが、不動産管理業界の動向も気になりますよね。次の章で、不動産管理業界の動向について確認していきましょう。

  • 不動産管理会社のM&A・事業承継

4. 不動産管理業界の将来はあまり明るくない

不動産管理業界の将来はあまり明るくない

残念ながら不動産管理業界の将来は明るいものとは言えないのが現実です。

もともと不動産所有をしていて税金対策で不動産管理会社を設立するのであれば、あまり収入の増減は気にしないかもしれません。

しかし、今後不動産会社を設立し、経営していくのであれば業界動向をしっかりと把握しておくべきです。業界の特徴は、以下の3つを挙げることができます。

  1. 少子高齢化による顧客の減少
  2. 過酷な労働環境
  3. 地域の特性に合わせた営業をしなければならない

順番に確認していきましょう。
 

特徴1.少子高齢化による顧客の減少

少子高齢化が進む中、日本の人口はどんどん減っています。日本での市場が縮小しているため、顧客も減少しているのです。

また、少子高齢化に伴って賃貸契約をする若い世代が減っています。不動産管理会社の収入源は賃貸料にあるため、大きなダメージです。

2025年には団塊世代が後期高齢者になり、2025年には超高齢社会へ突入すると予測されています。

顧客が減ることによって、空室が増えることになるでしょう。しかし、不動産管理会社は空室も管理しなければなりません。

いつでも入居できるように設備管理や清掃を怠ることはできないのです。そのため、賃料は入ってこないのに経費だけがかかってしまうなんてことにもなりかねません。

このように、少子高齢化による顧客の減少は深刻です。東京首都圏であれば人口は増加していますが、地方で不動産管理会社を営み続けることはかなり厳しいでしょう。

特徴2.過酷な労働環境

不動産管理の仕事は、意外と過酷な労働環境の中に置かれています。というのも、不動産オーナーと賃借人との板挟みになりやすいのです。

例えば、ある設備が壊れていたとしましょう。当然、入居者からクレームが入ります。不動産管理会社は管理をしているだけですから、故障などがあれば通常不動産オーナーが費用を負担します。

しかし、『管理会社のチェック不足だ。そっちで補填しろ』と言われてしまうこともあるのです。

補填をすると会社の赤字に繋がりかねません。なんとか工面をして修理をしても入居者に怒られてしまいます。

このように、不動産管理の仕事は常に不動産オーナーと賃借人との板挟みです。従業員は疲弊し、離職してしまうこともあります。

特徴3.地域の特性に合わせた営業をしなければならない

不動産管理事業は、地域の特性によって経営戦略を変えていかなければ生き残っていくことができません。人口や世帯の特徴、年齢構成などを的確に把握し、それに合わせた間取りや賃貸料を設定していきましょう。

例えば、大学の周りだと4年間だけ下宿する人が多く、短期間で人が入れ替わります。そのため、常に新しい入居人を確保し続けなければならないのです。

一方、郊外であれば賃貸であっても住み続ける人が多く、長期入居が見込めます。

このように地域の特性を見抜き入居者ニーズに合う物件を用意しなければならないのです。このようなリサーチ力がなければ不動産管理の仕事もなくなっていくでしょう。

以上が、不動産管理業界の特徴でした。

不動産管理業界の特徴・動向を見ていると、「設立した後やっていけるか?」と不安になる方もいるかもしれません。

そこで、自分がリタイアしたときのことまで考えた上で、不動産管理会社を設立すると良いでしょう。

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5. 不動産管理会社の事業承継とは

不動産管理会社の事業承継とは

事業承継とは、経営者が後継者へと代替わりすることです。不動産管理会社自体、リタイアしてから立ち上げるケースも多いでしょう。

そのため、不動産管理会社の経営者が高齢であることも珍しくありません。今から事業承継のことを考えておいても早すぎることはないでしょう。

自分がリタイアするタイミングで事業承継を誰にするのか、設立時から考えておくことでスムーズな承継ができます。いつ体調を崩してしまっても大丈夫なように備えておきましょう。

もしかすると「息子に承継しよう」などと親族への承継しか考えていない人もいるかもしれません。たしかに、所有している不動産を親族に譲りたいと思う気持ちは理解できます。

しかし、承継先はほかにもあることを知っておくべきです。次の章で不動産管理会社の承継先について確認していきましょう。

6. 不動産管理会社の3つの承継先

不動産管理会社の3つの承継先

不動産管理会社には3つの承継先があります。
 

  1. 親族
  2. 従業員
  3. M&A

不動産管理会社のほとんどが、息子などの親族へ事業承継しています。しかし、他の承継先のメリット・デメリットを知った上で判断すべきです。

それでは、3つの承継先について詳しく確認していきましょう。

承継先1.親族

まずは、親族を後継者とする方法です。息子、配偶者、甥、姪など親族へ承継することを、親族内承継と言います。

不動産管理会社は、親族へ承継しているケースが多いです。元々税金対策のため不動産管理会社を作っているので、従業員として家族に給与を与えていることも少なくありません。

そのため、家族への分配を考えている人も多く、せっかくの資産は家族に譲り渡したいと考えるのです。

親族であれば贈与でも相続でも会社の資産を譲ることができます。そのため、ギリギリまで経営者の名前を書き換えずに、相続によって事業承継をすることも可能です。

もし、相続によって事業承継をするのであれば、生前に後継者をはっきり任命し周りの理解を得ておきましょう。なぜなら、相続人が複数いると一人にだけ大きな会社を譲り渡すことに不満を抱く親族もいるかもしれないからです。

事前に「経営者は長男だが、給与は配偶者にも次男にも平等に与える」と条件をつけるなどして納得してもらいましょう。そうでなければ、せっかく後継者を決めていても、死後親族内の相続争いに発展する恐れがあります。

生前にしっかり話し合いの場を設け、遺言状も書いておくと安心です。

また、後継者に任命したら早いうちから後継者育成を始めましょう。一緒に働いていればおおよその業務は理解できていると思います。そのため、後継者育成では会社の理念や経営方針などを伝え、今後の事業計画などを一緒に話し合っていきましょう。

承継先2.従業員

不動産管理会社の承継先として、従業員を選ぶこともできます。不動産管理会社を運営していく中で従業員を雇っているのであれば、選択肢として考えましょう

一緒に働いてきたのであれば、ノウハウや経営理念もわかっているはずです。後継者になって欲しい人がいるのであれば、思いを伝えておきましょう。

ただし、親族以外の人に承継する場合、会社の株を買い取ってもらうか、経営者の持つ会社の財産を贈与するかのどちらかの方法となります。贈与の場合も、贈与税が発生するのです。

そのため、どちらの方法にせよ後継者個人に多額の費用負担がのしかかります。また、相続人となる親族がいる場合、「自分が譲り受けたい」と揉める原因にもなるでしょう。そのため、事前の話し合いが必要です。

このように従業員へ承継することも視野に入れていきましょう。

承継先3.M&A

親族や従業員への事業承継以外に、M&Aを活用することもできます。M&Aとは会社を違う会社に売却することです。

近年、M&Aを活用した事業承継の例も増えてきています。以下のような場合はM&Aを活用した事業承継を検討しましょう。

  1. 後継者が身の回りにいないが事業継続をさせたい
  2. リタイア時にまとまったお金が欲しい
  3. さらに不動産管理会社を成長させたい

具体的にどういうことか確認しましょう。

①後継者が身の回りにいないが事業継続をさせたい

親族や従業員の中に後継者として任せられる人がいなくても、M&Aを活用することで会社を存続させて事業継続できます。

今まで培った取引先や従業員との関係を終わらせないためにも、事業は継続したいものです。せっかく今まで経営してきた会社を廃業してしまうことに寂しさを感じる経営者も多いでしょう。

しかし、M&Aならたくさんの企業から買い手企業を選ぶことができます。今は買い手企業候補がいなくても、M&A仲介会社に相談すれば複数の買い手候補を選出してくれるので安心です。

身の回りに後継者がいないなら、M&Aでの事業承継を検討しましょう。

②リタイア時にまとまったお金が欲しい

M&Aを活用すれば、リタイア時にまとまったお金を手にすることができます。なぜなら、M&Aをすることで会社の譲渡に対する対価を受け取ることができるからです。

不動産管理会社の会社売却の相場は、営業利益×2〜3年+会社の時価となっています。保有している不動産が多いなら、その分譲渡対価の価格は上がるでしょう。

ただし、不動産だけ自分の手元に残して家族に残したいと考える人もいると思います。その場合は、事業譲渡という手法を活用すれば売るものと売らないものに分けることが可能です。

ぜひ検討してみましょう。

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③さらに不動産管理会社を成長させたい

M&Aで事業承継することで、不動産管理会社をさらに成長させられる可能性があります。自分の引退後も、会社が成長し続ける姿を見るのは嬉しいことでしょう。

今後も会社を成長させ続けたいと思うのであれば、シナジー効果を得れる会社を買い手に選ぶことです。シナジー効果とは、違いの持つ経営素材や強みを掛け合わせることで足し算以上の結果(売り上げ)をもたらすことを指します。

例えば、ブランド力のある不動産業界の大企業や同じエリアで活動する不動産会社などがおすすめです。

さらに不動産管理会社を成長させたいと思うのであれば、M&Aも検討してみましょう。

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7. 不動産管理会社をM&Aで事業承継するときの3つの事例

不動産管理会社をM&Aで事業承継するときの3つの事例

親族や従業員への事業承継はなんとなくイメージができても、M&Aと聞くと具体的に想像しにくいかもしれません。

そこで、M&Aによって事業承継された不動産管理会社の事例を確認していきましょう。
 

  1. FREアセットマネジメントによるRISEへの事業承継
  2. 横浜富士霊廟によるビーロットへの事業承継
  3. イタンジのGA technologiesへの事業承継

3つの事例について詳しく確認しましょう。

事例1.FREアセットマネジメントによるRISEへの事業承継

2019年5月、FREアセットマネジメント(FREAM)はRISEへ事業承継しました。譲渡対価は7億1,500万円と公開されています。

FREAMは、不動産の所有や不動産管理受託業務、スポーツ施設の運営管理などをおこなっている会社です。M&Aを行うことにより経営者を交代、シナジー効果を生み出すことに成功しました。

というのも、RISEは不動産の開発や賃貸などを行う不動産会社です。しかし、不動産管理の事業を行っていませんでした。

今回FREAMを譲渡したことにより、両社は協業して不動産における一貫したサービス提供ができるようになったのです。互いに収入は伸びていくと予想されています。

事例2.横浜富士霊廟によるビーロットへの事業承継

2019年4月、横浜富士霊廟はビーロットの子会社であるデリス建築研究所に持ち株の50%を譲渡し、事業承継しました。譲渡対価は3億7,500万円と公表されています。

横浜富士霊廟は納骨堂富士記念館・富士霊廟を運営しているかたわら、不動産の所有・運営・管理を行う会社を分社化、譲渡に至りました。

一方、ビーロットグループは、国内で収益性や遵法性に改善余地のある不動産の取得を行い、リノベーションなどを行う不動産投資開発事業を運営している企業です。

横浜富士霊廟の不動産の所有・運営・管理のノウハウを融合し、さらに事業領域を広げていこうと計画しています。

事例3.イタンジのGA technologiesへの事業承継

2018年11月、イタンジはGA technologiesへ事業承継しました。(譲渡価格は非公開)

GA technologiesは、AIを生かした中古不動産の総合的プラットフォームの開発・運営をおこなっている会社です。顧客のメインは個人となっています。

一方、イタンジは不動産仲介会社向けの営業支援クラウドシステムを提供しています。これは企業向けのサービスとなっており、GA technologiesとのM&Aにより顧客層の拡大が期待されているのです。

さらに、両社のITテクノロジーやノウハウ、データなどを活用し、新たなサービス提供も目指しています。

以上、不動産管理会社のM&Aによる事業承継の事例を見てきました。このように不動産管理会社を他の企業へ売却することで、相互の成長へとつながります

8. 設立時から計画的に!高値で会社を譲渡する2つのコツ

設立時から計画的に!高値で会社を譲渡する2つのコツ

もし、リタイアするときにM&Aで事業承継したいと思うのであれば、できるだけ高く売れる会社になるよう経営していくべきです。

高値で不動産管理会社を譲渡するコツは2つあります。

  1. 地域の特性を理解して営業する
  2. 従業員の労働環境を良くする

順番に確認していきましょう。

コツ1.地域の特性を理解して営業する

地域の特性を理解した上で営業することで、高値で譲渡できる可能性が高くなります。

なぜなら、地域に特化したサービスを提供していくことで、買い手が魅力に感じるからです。例えば「群馬県で事業を行っている会社が事業拡大したいから、隣の栃木県に特化した会社を買収しよう!」といったように、買い手にとって魅力があります。

地域の特性を理解するためには、人口や年齢層、世帯層、人の入れ替わりなどをリサーチするべきでしょう。その上で、どんなサービスに需要があるかを考え、提供していくことが重要です。

コツ2.従業員の労働環境を良くする

従業員の労働環境が良くなるよう努めましょう。不動産管理会社の業務は大変なことが多く、離職しやすい業種です。

そんな中、長年働いている従業員が社内にいることはM&Aをするときにアピールできるポイントとなります

長期間働いているということは、会社のノウハウを持っていることに繋がるからです。買い手企業は、買収後もできるだけ人や手を加えずにそのまま事業継続したいと考えています。

経営者がリタイアした後でも業務を任せられる従業員を育てていきましょう。

9. 不動産管理会社の事業承継や節税対策は専門家へ相談しよう

不動産管理会社の事業承継や節税対策は専門家へ相談しよう

不動産管理会社の事業承継や節税対策を考えているのであれば、必ず専門家へ相談しましょう。なぜなら、通常の仕事と違って専門的な知識が不可欠だからです。

今回節税対策や事業承継の方法をお伝えしましたが、あくまでも一般的は話だということを理解しておきましょう。節税対策をするにも事業承継をするにも、その会社の状況にあった最適な方法を見つけるためには専門家の力が必要です。

まず、節税対策をしたいなら税理士へ相談しましょう。

不動産管理会社を設立すべきか、事業承継税制をどのように活用すべきか、贈与税・相続税の節税はどうすべきかなど、状況に合わせたアドバイスをもらえるはずです

また、事業承継のことならM&A仲介会社に相談しておきましょう。事業承継には時間がかかるので早くから準備しておくことにこしたことはありません。

M&A総合研究所であれば、不動産管理会社の事業承継に詳しい公認会計士が直接サポートいたします。後継者選びから事業承継方法までご相談ください。

専門家の力を借りることで、賢く節税をし、事業承継も成功させましょう。

10. まとめ

不動産管理会社の設立によって節税につながる可能性があります。不動産管理会社のメリット・デメリットを理解した上で、設立すべきか判断しましょう。

また、設立時には経営者が高齢となっていることも多いです。設立時から事業承継について考えておくとスムーズにリタイアすることができます。

税理士やM&A仲介会社に賢く頼りながら、節税や事業承継を進めていきましょう。

M&Aという言葉に馴染みがなく相談先がわからないのであれば、M&A総合研究所にご相談ください。不動産管理会社の事業承継に詳しい公認会計士が直接サポートいたします。

安心しておまかせください。

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