個人事業主の事業譲渡の手続き方法・注意点まとめ!税金や契約書の書き方も解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

近年は個人事業主が事業承継目的やリタイア目的で事業譲渡を行う件数が増えつつあります。本記事では個人事業主の事業譲渡について、手続き方法や契約書の書き方、税務の注意点についてご紹介します。また、事業譲渡を行う際の注意点についても解説します。


目次

  1. 個人事業主とは
  2. 個人事業主による事業譲渡の手続き
  3. 個人事業主が事業譲渡をする際の注意点
  4. 個人事業主が事業譲渡した時の税金
  5. 個人事業主が事業譲渡をする際の契約書の書き方
  6. まとめ
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1. 個人事業主とは

個人事業主とは

個人事業主とは、法人登記をしていない個人が経営する事業のことを指します。

街中を見ると、法人登記をしていない雑貨屋、喫茶店、食堂、美容室、学習塾、税理士など、自営業とも呼ばれるさまざまな個人事業主がいます。

また近年は、店舗や事務所を持たないノマドワーカーや、個人で仕事を受注するライターやプログラマーのようなフリーランサーも増えています。投資やアフィリエイト、転売などを個人事業主として行っている人もいます。

総務省によると、個人企業(個人事業主)と法人企業を合わせると、個人企業の数は約半数を占めているという統計があります。

個人事業主による事業譲渡とは

法人が事業を引き継ぐ方法には、株式譲渡や合併、会社分割などさまざまな方法があり、事業譲渡はその中の選択肢の1つです。しかし個人事業主の場合は、法人ではなく株式も無いので、事業譲渡を用いることになります。

事業譲渡とは、事業の一部または全部を譲受側に引き継ぐ方法のことです。個人事業主の事業譲渡は、親族などへの事業承継や、事業を売却してリタイア資金を得る目的などに用いられます。

個人事業主による事業承継とは

近年は個人事業主の高齢化が進んでいます。廃業件数、廃業予定件数は増加し続け、国もさまざまな対策を打ち出しています。個人事業主の事業承継は多くが親族への承継ですが、その数は年々減り続けています。

事業の将来性への不安や親族のモチベーション不足、税負担の大きさなどさまざまな理由から親族間承継は減少しています。一方で、起業目的で第三者が個人事業を買い取るニーズは増えており、環境も整ってきています。

【関連】事業譲渡のメリット・デメリット30選!手続き方法や税務リスクも解説!

2. 個人事業主による事業譲渡の手続き

個人事業主による事業譲渡の手続き

個人事業主が事業譲渡を行うには、譲渡側は廃業し、譲受側は開業する手続きが必要です。譲渡側と譲受側の手続きについて、それぞれ解説します。

譲渡側

譲渡側は以下の手続きが必要です。

  1. 税務署へ廃業届を提出
  2. 青色申告の取りやめ届出書を提出
  3. 事業廃止届出書を提出
  4. 所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書
  5. 取引先への連絡
それぞれの手続き内容について解説します。

①税務署へ廃業届を提出

譲渡側は、事業譲渡が決定したらまず税務署へ廃業届を提出します。「個人事業の開業・廃業等届出書」に必要事項を記載し、管轄の税務署に提出します。都道府県税事務所へも廃業届を提出する必要があります。

書類の書き方や期限は都道府県によって違うので、あらかじめ確認が必要です。

②青色申告の取りやめ届出書を提出

青色申告をしていて、青色申告を継続しない場合は「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を管轄の税務署に提出します。青色申告の取りやめ届け出書は、廃業する年の翌年3月15日までに提出します。

③事業廃止届出書を提出

消費税の課税事業者だった場合には「事業廃止届出書」も税務署に提出します。提出期限は明記されていませんが、事業廃止後なるべく早めに提出することをおすすめします。

④所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書

廃業することで昨年度の納税額よりも今年度の納税額が減少し、納税が厳しい場合は「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書」を提出することで予定納税額の減額ができます。

所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書を税務署に提出する際は、申告納税予定額がわかる書類を添付して提出します。納税予定額は、大きな差額がなければ概算で問題ありません。

予定納税は7月と11月の2回納税するので、両方減額申請する場合は7月1日から7月15日まで、11月分だけの場合は11月1日から11月15日までに申請します。提出期限が土日・祝日に当たっている場合は、翌営業日が提出期限になります。

⑤取引先への連絡を行う

個人事業主の場合、事業主の人間関係によって取引先との関係が続いていることも少なくありません。事業を引き継ぐ際は、譲受側のためにもしっかりと取引先への連絡、説明を行う必要があります。

譲受側が個人の場合

譲受側が個人の場合は、以下の手続きが必要です。

  1. 税務署へ開業届を提出
  2. 青色申告承認申告書を提出
  3. 青色事業専従者給与に関する届出書を提出
  4. 雇用契約書を提出
  5. 商号(屋号)の引き継ぎを行う
  6. 許認可の再申請を行う
それぞれの内容について解説します。

①税務署へ開業届を提出

譲受側の個人が事業を引き継ぐには、管轄の税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出して開業します。開業届を提出することで、青色申告で確定申告ができたり屋号を持つことができたりと、税金面や信用面でメリットが得られます。

②青色申告承認申告書を提出

「所得税の青色申告承認申請書」を提出することで、確定申告の際に青色申告ができるようになります。青色申告をすることによって、特別控除や繰越控除など、税金面でさまざまなメリットが得られます。

白色申告よりも青色申告の方が手間がかかるというデメリットもありますが、税理士などの専門家に任せたとしても税金面のメリットの方が上回ります。

③青色事業専従者給与に関する届出書を提出

家族と一緒に事業を行っていてその家族に給与を支払っている場合、「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出することで、支払い給与の全額を経費にできます。

ただし、青色事業専従者と認められるためには、届出書の提出以外にもいくつか条件があるので注意が必要です。

④雇用契約書を提出

従業員を雇う場合は、雇用契約書を採用者と取り交わします。雇用契約書には、労働基準法で定められた項目を記載する必要があります。また、雇用に関わる書類を採用者から提出してもらいます。他にも税金関係や保険関係の手続きが必要です。

従業員の雇用手続きに関しては、本記事で後述します。

⑤商号(屋号)の引き継ぎを行う

屋号の引き継ぎは、開業届に引き継ぐ屋号を記載するだけで完了します。しかし商号登記されている場合は、そのまま同じ所在地で同じ商号を使うことはできません。法務局で名義変更をする必要があります。

⑥許認可の再申請を行う

個人事業主の事業譲渡では許認可が引き継がれないので、譲受側はあらかじめ許認可を取得しておかなければなりません。許認可の中には取得条件があったり取得に時間がかかったりするものもあるので、管轄の行政機関に確認しながら早めに申請しておく必要があります。

譲受側が法人の場合

譲受側が法人の場合は、以下の手続きが必要です。

  1. 事業譲渡契約書の締結
  2. 許認可の再申請

①事業譲渡契約書の締結

譲受側が法人の場合は、当事者間で事業譲渡契約を結びます。事業譲渡契約書には、譲渡事業の内容や譲渡日、譲渡金額、守秘義務や瑕疵担保責任についてなど、必要に応じて契約内容を記載します。

事業譲渡契約書の記載内容は法令で定められているわけではありませんが、後々のトラブルを防ぐためにもしっかりと作成した方が間違いありません。

②許認可の再申請

個人の場合と同じく、法人も事業譲渡の際に許認可は引き継がれません。もし譲渡事業の許認可を持っていない場合は、管轄行政機関に申請する必要があります。

【関連】事業譲渡の手続き・流れやスケジュールを徹底解説!期間はどれぐらい?

3. 個人事業主が事業譲渡をする際の注意点

個人事業主が事業譲渡をする際の注意点

個人事業主が事業譲渡をする際にはいくつか注意点があります。

  1. 自己破産する際のタイミング
  2. 雇用の引き継ぎ
  3. 取引先との関係
  4. 不動産など資産の引き継ぎ
これらのポイントについて解説します

①自己破産する際はタイミングに注意

事業譲渡のタイミングが自己破産後や自己破産直前の場合は注意が必要です。事業譲渡が完了した後に破産管財人によって破産手続きが進むと、事業譲渡契約の内容によっては事業譲渡が否認されてしまうことがあります。

また、破産管財人の判断によっては、事業に必要な資産が処分されてしまう場合があります。

自己破産と事業譲渡を組み合わせる場合は、早めに自己破産申請をして、破産管財人に事業譲渡契約書の内容を確認してもらいながら、事業譲渡の必要性を説明する必要があります。

②雇用の引き継ぎなどに注意

個人事業主の事業譲渡では、従業員の雇用契約は引き継がれません。従業員を引き継ぐ場合は、あらためて雇用契約書を採用者と取り交わします。雇用契約書の手続き以外にも、保険関係の手続きや税金関係の手続きをし直す必要があります。

③取引先との関係に注意

個人事業主と取引先の関係は、長い時間をかけた人間関係でつながっている場合が多くあります。事業譲渡によって人が変わってしまうと、取引もそこで終わりにするという取引先も少なくありません。

親族間の事業譲渡の場合は、数年間の事業承継計画を立てて後継者への技術承継を進めたり、取引先や馴染みの顧客と後継者との信頼関係を築いておくことが必要です。

第三者へ事業譲渡を行う場合は、どの取引先や顧客が残りそうか、離れていきそうかを分析、把握しておかなくてはなりません。

④不動産など資産の引き継ぎに注意

店舗のある事業を引き継ぐ場合、譲受側は不動産を買い取る資金も用意していなければいけません。しかし個人が買い取る場合、買取資金不足が問題になります。その場合は賃貸契約か使用貸借という形を取ります。

賃貸契約は有償で貸し出すことで、使用貸借とは無償の貸し出しのことです。親から子への使用賃借では、贈与税は発生しません。

不動産を買い取るか、賃貸契約や使用貸借の契約にするかは、当事者の関係や状況によって変わるので注意が必要です。

トラブルなく事業譲渡をするなら

前述したように、個人事業主の事業譲渡ではいくつか気を付けなければいけない点があります。特に従業員や取引先の引き継ぎに関しては、なかなか思うように引き継げていないケースも多くあります。

M&Aの成功率は通常3割から5割と言われています。しかし事業譲渡に精通したM&Aアドバイザーに協力してもらうことで、成功率を上げることができます。

M&A総合研究所では、個人事業主の事業譲渡案件の経験も豊富なM&Aアドバイザーが揃っています。会計士の資格を持った専門家なので、税務面でも安心して任せることができます。

M&A総合研究所は着手金・中間報酬無料で、成功報酬は業界最安水準となっています。相談無料なので、まずはお気軽にご相談ください。

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4. 個人事業主が事業譲渡した時の税金

個人事業主が事業譲渡した時の税金

個人事業主が事業譲渡する場合、個別の資産によって税金が変わります。所得税は所得区分によって総合課税と分離課税に分かれ、消費税は譲渡する資産によって課税と非課税で分かれます。以下で所得税の所得区分と消費税の課税、非課税資産について解説します。

①所得税

個人事業主が事業を売却すると、譲渡益に対して所得税が課せられます。所得区分は譲渡所得になります。

所得は所得区分によって総合課税と分離課税に分かれます。所得区分が譲渡所得の場合は、同じ所得区分でも譲渡する資産によって、総合課税になる場合と分離課税になる場合があります。

分離課税となる所得区分は、株式、建物、土地などの譲渡所得です。一方総合課税となる所得区分は、株式、建物、土地を除いた譲渡所得です。

所得区分が分離課税に該当している資産は、譲渡所得にかかる税金を低くできる場合があります。一方所得区分が総合課税に該当する資産は、分離課税と比べて税金が高くなることもあります。

②消費税

事業譲渡は事業用資産の売買取引なので、基本的には消費税が課せられます。しかし資産によっては税金がかからないものもあります。土地や有価証券、債権の譲渡は消費税が非課税です。

また、生活用資産には消費税が課せられません。譲渡資産に事業と日常生活両方で使っている動産(車や機械設備など)がある場合、事業専用割合をどの程度にするかによって課税も変わります。

【関連】事業譲渡・事業売却でかかる税金の種類や相場!節税方法も解説!

5. 個人事業主が事業譲渡をする際の契約書の書き方

個人事業主が事業譲渡をする際の契約書の書き方

個人事業主が事業譲渡をする際に必要な契約書について本記事で前述しました。

  1. 廃業届出書
  2. 青色申告の取りやめ届出書
  3. 事業廃止届出書
  4. 所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請
  5. 開業届出書
  6. 青色申告承認申請書
  7. 青色専従者に関する届出書
以下でこれら各種契約書の書き方について解説します。

①廃業届出書

個人事業主が事業譲渡をする際の契約書の書き方①

廃業届は以下の項目に記入します。

  • 管轄の税務署名
  • 廃業届の提出日
  • 納税地・氏名・生年月日・職業・屋号など(個人事業の開業届出書と同じ内容を記入)
  • 届け出の区分:廃業に丸をして廃業事由を記入
  • 譲渡先の住所・氏名
  • 廃業日
  • 青色申告の取りやめ届出書、事業廃止届出書の提出:有・無に丸をする
  • 事業の概要
  • 給与等の支払いの状況があれば記入

②青色申告の取りやめ届出書

個人事業主が事業譲渡をする際の契約書の書き方②

青色申告の取りやめ届出書は以下の項目に記入します。

  • 管轄の税務署名
  • 青色申告の取りやめ届出書の提出日
  • 納税地・氏名・生年月日・職業・屋号など(個人事業の開業届出書と同じ内容を記入)
  • 平成何年分から青色申告による申告を取りやめるか記入
  • 青色申告を受けていた期間
  • 青色申告を取りやめる理由(廃業のため、など)

③事業廃止届出書

個人事業主が事業譲渡をする際の契約書の書き方③

事業廃止届出書は以下の項目に記入します。

  • 事業廃止届出書の提出日
  • 管轄の税務署名
  • 届出者の住所・氏名・個人番号等
  • 事業廃止年月日
  • 納税義務者となった年月日

④所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請

個人事業主が事業譲渡をする際の契約書の書き方④

所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請は以下の項目に記入します。

  • 所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請の提出日
  • 管轄の税務署名
  • 住所・氏名・職業・電話番号
  • 予定納税通知書に記載の金額
  • 減額申請の理由(廃業のため、など)
  • 添付書類の名称
  • 申告納税見積額等の計算書
  • 予定納税額

⑤開業届出書

個人事業主が事業譲渡をする際の契約書の書き方⑤

開業届は以下の項目に記入します。

  • 管轄の税務署名
  • 開業届の提出日
  • 納税地・氏名・生年月日・職業・屋号など
  • 届け出の区分:開業に丸をして事業引継ぎを受けた先の住所・氏名を記入
  • 所得の種類
  • 開業日
  • 青色申告承認申請書、課税事業者選択届出書の提出:有・無に丸をする
  • 事業の概要
  • 従業員を雇う予定の場合は、給与等の支払いの状況に記入
  • 従業員を雇う予定の場合は、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無に丸をする

⑥青色申告承認申請書

個人事業主が事業譲渡をする際の契約書の書き方⑥

青色専従者に関する届出書は以下の項目に記入します。

  • 管轄の税務署名
  • 青色専従者に関する届出書の提出日
  • 納税地・氏名・生年月日・職業・屋号など
  • 青色申告開始年
  • 事業所が複数ある場合は名称と所在地を記入
  • 所得の種類
  • 過去に青色申告承認の取り消しや取りやめがあるかの有無に丸をする
  • 個人事業の開業日
  • 相続による事業承継であれば「有」に丸をして相続開始年月日と被相続人の氏名を記入、相続による事業承継でなければ「無」に丸をする
  • 簿記方式:複式簿記に丸をする
  • 備付帳簿名:現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳、預金出納帳、総勘定元帳、仕訳帳に丸をする

⑦青色専従者に関する届出書

個人事業主が事業譲渡をする際の契約書の書き方⑦

青色専従者に関する届出書は以下の項目に記入します。

  • 届出に丸をする
  • 管轄の税務署名
  • 青色専従者に関する届出書の提出日
  • 納税地・氏名・生年月日・職業・屋号など(個人事業の開業届出書と同じ内容を記入)
  • 給与の支給に関して定めた年月
  • 専従者給与に関する項目を記入

⑧従業員を雇用する際の手続き

従業員を雇用する際の手続きには、主に

  1. 雇用契約書の取り交わし
  2. 社会保険や労働保険の加入手続き
  3. 所得税や住民税に関する手続き
が必要です。それぞれの手続きについて解説します。

雇用契約書の取り交わし

従業員を雇用する際は、雇用契約書を取り交わします。雇用契約書の記載事項は以下のように法令で規定されています。

  1. 契約期間
  2. 就業の場所
  3. 従事すべき業務の内容
  4. 始業、終業の時刻、休憩時間、就業時転換、所定時間外労働の有無に関する事項
  5. 休日
  6. 休暇
  7. 賃金
  8. 退職に関する事項
パートやアルバイトの雇用契約の場合は、上記に加えて、昇給、賞与、退職手当を設けるかどうかも記載します。

社会保険や労働保険の加入手続き

社会保険は、従業員を常時5人以上雇っている個人事業所に適用されます。適用事業所で従業員が一定の条件を満たしている場合は、社会保険の加入手続きが必要です。

雇用保険は、31日以上雇い続ける予定であり、所定労働時間が週20時間以上になることが見込まれる場合は加入手続きが必要です。

所得税や住民税に関する手続き

雇用した従業員には前職の「給与所得等の源泉徴収票」があれば提出してもらいます。また「平成〇〇年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に記入して提出してもらいます。

提出してもらったら、個人事業主は「給与所得・退職所得に対する源泉徴収簿」を作成します。

住民税に関する手続きは、従業員が雇用前に納税通知書によって自ら納付していた普通徴収か、給与から天引きして納付していた特別徴収かによって手続き方法が違います。

普通徴収だった場合は、住民税の納付書や領収書と共に「特別徴収への切替申請書」を提出します。特別徴収だった場合は、「特別徴収にかかる給与所得者異動届出書」を提出します。

各種書類の提出時期について

本記事で紹介してきた各種書類の提出期限について以下にまとめました。

開業届出書

開業届出書は、事業の開業等の事実があった日から1ヶ月以内に所轄の税務署長に提出します。

廃業届出書

廃業届出書は、事業の廃止等の事実があった日から1ヶ月以内に所轄の税務署長に提出します。

青色申告の取りやめ届出書

青色申告の取りやめ届出書は、青色申告書による所得税の申告を取りやめようとする年の翌年3月15日までに提出します。

事業廃止届出書

事業廃止届出書は、期間は定められていませんが、提出すべき事由が生じた場合に、速やかに提出します。

所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請

所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請は、7月分と11月分両方減額申請する場合は7月1日から7月15日まで、11月分だけの場合は11月1日から11月15日までに申請します。提出期限が土日・祝日に当たっている場合は、翌営業日までに提出します。

青色申告承認申請書

青色申告承認申請書は、最初に青色申告をしようとする年の3月15日までに提出します。また、1月16日以降、新たに事業を開始したり不動産の貸付けをした場合には、事業開始日か2ヶ月以内に提出します。

青色専従者に関する届出書

青色専従者に関する届出書は、給与を経費にする年の3月15日までに提出します。また、1月16日以降、新たに事業を開始したり年の途中から事業専従者が働きだした場合は、その日から2ヵ月以内に提出します。

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6. まとめ

まとめ

ここまで個人事業主が事業譲渡する際の手続き方法についてご紹介してきました。個人事業主は事業承継目的や売却益を得る目的などで事業譲渡を行います。

譲渡側の手続きは以下のように進めます。

  1. 税務署へ廃業届を提出
  2. 青色申告の取りやめ届出書を提出
  3. 事業廃止届出書を提出
  4. 所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書
  5. 取引先への連絡
また、譲受側が個人の場合の手続きは以下のように進めます。
  1. 税務署へ開業届を提出
  2. 青色申告承認申告書を提出
  3. 青色事業専従者給与に関する届出書を提出
  4. 雇用契約書を提出
  5. 商号(屋号)の引き継ぎを行う
  6. 許認可の再申請を行う
個人事業主が事業譲渡する際は所得税や消費税などの税金が課せられます。資産の種類によって所得税は所得区分が変わります。消費税に関しても、課税される資産と非課税の資産があります。所得区分や課税・非課税資産の分類には注意が必要です。

個人事業主が事業譲渡する際には、以下のような書類の提出が必要です。
  1. 廃業届出書
  2. 青色申告の取りやめ届出書
  3. 事業廃止届出書
  4. 所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請
  5. 開業届出書
  6. 青色申告承認申請書
  7. 青色専従者に関する届出書
個人事業主の事業譲渡では、従業員の引き継ぎや取引先との関係、不動産などの資産引き継ぎなど、いくつか注意点があります。これらの引き継ぎがうまくいかなかったことで、事業譲渡後の事業が失敗に終わったり、トラブルになる事例もあります。

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