M&A・会社売却のメリット・デメリットを徹底分析!リスクはある?

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

M&A・会社売却においては、買い手側にとっても売り手側にとっても、それぞれメリットとデメリットがあります。それぞれの立場でメリットやデメリットを検証していくことで、M&A・会社売却における全体像を把握することができ、それに伴うリスクの検証にも繋がります。

目次

  1. M&A・会社売却のメリット
  2. M&A・会社売却のデメリット
  3. M&A・会社売却のリスク
  4. M&A・会社売却のメリット・デメリットまとめ
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1. M&A・会社売却のメリット

M&A・会社売却

出典: https://pixabay.com/

まず始めに、M&A・会社売却のメリットについて確認していきましょう。

メリットには当然ながら、買収側のメリットと売却側のメリットの両方がありますので、それぞれのメリットを順番に見ていきます。

まず、買収側のメリットは以下の通りです。

  1. 事業規模の拡大
  2. 新規事業への参入と事業の多角化
  3. 優秀な人材の確保
  4. 垂直統合による経営の効率化

また、売却側のメリットは以下の通りです。

  1. 後継者不在の問題点を解決できる
  2. 従業員の雇用体制を安定化できる
  3. 不要事業を売却できる

それでは、それぞれのメリットについて詳しく確認していきましょう。

買収側のメリット

M&A・会社売却

出典: https://pixabay.com/

買収側のメリットには様々ありますが、企業買収を行う買収側は基本的に、売却側よりも様々な面でアドバンテージを持っている企業になります。

買収側のメリットとしては、全体的に積極的な事業展開を考えたものが中心となっており、事業規模の拡大や新規事業への参入を始めとして、事業の種類や体制によって様々あげることができます。

  1. 事業規模の拡大
  2. 新規事業への参入と事業の多角化
  3. 優秀な人材の確保
  4. 垂直統合による経営の効率化

4つのメリットについて確認していきましょう。

事業規模の拡大というメリット

会社を買収することで、短時間で労力を使わずに事業規模を拡大することができます。

店舗経営をする会社もエリア拡大が狙えますし、取り扱い商品を増やすことで顧客を増やすことも出来るのです。

このように、事業規模を拡大していくことは企業にとっての指名とも言えます。なぜなら、収益の拡大に直結することだからです。

しかし、自社で1から新規店舗の設立したり商品を開発するとなると、多大な時間とコストがかかりますし、大きなリスクにも繋がります。

そこで、店舗を既に所有している企業を企業買収することによって、事業エリアの規模を大きく拡大することができるというのが、大きなメリットになります。

事業規模を拡大させることによって、企業の知名度を大きく向上させることができますし、企業のブランド力向上にも繋がります。

新規事業への参入と事業の多角化というメリット

会社を買収することで、新規事業への参入へのリスクが減り、事業の多角化経営を実施することができます。

大企業は最先端のテクノロジーや技術を獲得し、新規事業へ参入したいという思惑を常に持っています。その際にM&A・会社売却を行い、新規事業への参入を行うことが多いです。

近年注目を浴びているブロックチェーン技術に関しては、名だたる大企業が続々とM&A・会社売却を行い、新規事業の参入を行なうというニュースが続いています。

実際、ハッキングによって多額の仮想通貨を流出させてしまったコインチェックのマネックスによる買収などは記憶に新しいでしょう。

優秀な人材確保によるノウハウや技術力の獲得というメリット

大企業が新規のノウハウや技術力を習得しようと思ったら、そういったノウハウや技術力を持っている優秀な人材を、M&A・会社売却により獲得するのが一番手っ取り早いでしょう。

最近ではIT系企業の成長が活発化していると同時に、人材不足に悩まされる大企業が増えています。1から技術者を採用したり、新卒採用で技術者を育てていては、他の企業に後れを取ってしまいます。

そこで、M&Aで既にノウハウの持つ人材を確保することが効率的だと考えられているのです。

2014年にGoogleがDeepMindという人工知能に特化した業績をあげているベンチャー企業を買収したニュースはとてもインパクトがありました。

設立から4年足らずの企業が、Googleによって多額の額によって買収されたのです。DeepMindはその後もプロ棋士を破るコンピュータ囲碁プログラムのAlphaGoを発表するなど、非常に輝かしい成果をあげています。

垂直統合による経営の効率化というメリット

垂直統合を行うことで、自社の製品やサービスをサプライチェーンに沿ってスムーズに、かつ効率的に提供することが可能になります。

垂直統合によって、開発から始まり、生産、販売までを、企業グループ内で完結させることができれば、それぞれの工程をスムーズに効率よく経営することができますし、問題点が発覚して調整が必要になった時などもスムーズに行うことができます。

売却側のメリット

売却側のメリット

売却側である中小企業においては、いくら業界で大きな業績をあげている場合であっても、今後の展開や事業規模という点で見てみると、課題や問題点が山積みである場合が多いです。

会社のリスクを回避するという点や、今後の会社の経営権に関する問題点などを解決する一つの手段として、M&A・会社売却によって、会社の売却を検討するケースは多々あると言えます。

売却側のメリットは以下の通りです。

  1. 後継者不在の問題点を解決できる
  2. 従業員の雇用体制を安定化できる
  3. 不要事業を売却できる

一つずつ確認していきましょう。

後継者不在の問題点を解決できるというメリット

まず一番大きいメリットとしては、後継者不在の問題点を解決できることが挙げられます。

中小企業においては、企業のトップである優れたリーダーがワンマンで経営権を持っているケースが多々あり、そのリーダー無くして事業が成り立たないという場合も少なくありません。

そうした後継者不在という問題点を解決する方法として、M&A・会社売却によって企業売却を行い、大企業に経営権を移行させるという方法があります。大企業であれば従業員も多く、管理職には優秀な人材も多いと言え、後継者問題は解決できる可能性が高いと言えます。

経営者不在を解決することで廃業の心配をせず、従業員を雇用し続けることも可能です。また、廃業によって取引先や顧客に迷惑をかけることもなくなるでしょう。

従業員の雇用体制を安定化できるというメリット

会社を売却することで従業員の雇用体制を安定化させることができます。会社を売却した場合、給料や福利厚生などを買収先の基準に合わせることが一般的です。

そのため、大企業へ会社を売却したとき、従業員の雇用体制を安定化させられる可能性が高いのです。

特にベンチャー企業の場合は、利益が安定的に入ってくる保証がないという点においては、人権費を安定して捻出していくということは大きな課題になります。そのため従業員の雇用体制を安定させることも難しいと言えます。

そこでM&A・会社売却をすることによって、そうした従業員の雇用体制を安定させることができ、福利厚生などについてもより改善される可能性が高いと言えるでしょう。

中小企業の中でも、従業員の数が多い企業などは、従業員の雇用体制というのもかなり大きな関心事となりますので、それが一気に解決に向かうというのは大きなメリットでしょう。

不要事業を売却できるというメリット

売却側のメリットとして、不要事業を売却し「集中と選択」をした経営をすることが可能であることが挙げられます。

中小企業にとって、事業のコア部分でない部門などは、重荷となってしまっている可能性もあります。産業構造の変化や、国や業界の規制の変化によって、事業が立ち行かなくなる可能性も考えられるのです。

そうした際に、手に余ってしまうような事業を、売却することができれば、資金面においても、経営面においてもコア事業に専念することができ、大きなアドバンテージになるのです。

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2. M&A・会社売却のデメリット

M&A・会社売却のデメリット

M&A・会社売却には、メリットは多々ありますが、それと同時にリスクやデメリットも数多く存在します。

M&A・会社売却において、リスクやデメリットをしっかり考えずに臨んでしまった結果、M&A・会社売却が失敗に終わるかもしれません。また、事業としても大きく被害や損失を被ってしまう可能性もあり、注意が必要です。

ここでは特にデメリットに関して紹介していきます。デメリットをいかに回避しつつM&A・会社売却に進めるかというのが大きな課題となりますので、デメリットの対策方法について考慮しながら見ていくと有効です。

まず、買収側のデメリットは以下の通りです。

  1. 優秀な人材が流出してしまう
  2. 社風・文化の違いにより融合がうまくいかない
  3. 新経営者と従業員との軋轢が生まれる

また、売却側のデメリットは以下の通りです。

  1. 経営権を失う
  2. 経営方針の不本意な変更
  3. 雇用条件や労働条件の変更
  4. 取引先との関係がこじれる

それでは、買い手のデメリット、売り手のデメリットに関してそれぞれのデメリットを見ていきましょう。

買い手のデメリット

M&A・会社売却

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買収側のデメリットとしては、主に買収先の企業との人間関係に関するものが多いと言えます。

基本的には買い手側に経営権が移るため、買収先の企業は買い手側の体制に合わせることになり、そこで軋轢などが生まれてしまうと大きな損失を被る可能性もあります。

M&A・会社売却を進めていく上で、入念にこうしたデメリットを予め確認しておきたい部分とも言えるでしょう。またデメリットの対策についても同時に考えていきましょう。

  1. 優秀な人材が流出してしまう
  2. 社風・文化の違いにより融合がうまくいかない
  3. 新経営者と従業員との軋轢が生まれる
  4. 買収後に大きな負債が見つかるかもしれない

ひとつずつデメリットとその対策を確認していきましょう。

優秀な人材が流出してしまうというデメリット

M&A・会社売却が進んで行った時に、会社売却をする側の企業のメンバー全員が賛成するとも限りません。

もしその企業の中心的な人物や、高い技術力を持った優秀な人材による反発などが起きてしまうと、結果的に優秀な人材が流出してしまう可能性があるというデメリットもあります。

高い技術力を求めてM&A・会社売却に踏み切ったにも関わらず、優秀な人材が多数流出してしまい、買収する側に大きなアドバンテージにならなければ、M&A・会社売却の意味がありませんのでデメリットです。

こうしたデメリットを回避するためにも、売却する側の企業の現在の実績や成果だけでなく、その企業の内部事情などもある程度把握しておかなければなりません。

事前にキーパーソンの意見をヒアリングするなど、売却側の経営者と協力していく必要があります。デューデリジェンス時に、個々人の能力や考え方、価値観などをしっかり把握しましょう。

社風・文化の違いにより融合がうまくいかないというデメリット

M&A・会社売却を行う前は、全く異なる企業であるということを考えると、社風や文化の違いが大きくある可能性は高いです。

もし社風や文化、労働条件や従業員への待遇などに大きな差があったりすると、経営権が移った後にうまく融合されないというデメリットがあります。

社風や文化の違いによって上手く融合できなかった場合、社員のモチベーションが低下したり、買収側と売却側で社員が揉める原因となってしまいます。こうなった場合、事業が上手く回らず仕事の効率が落ちてしまうでしょう。

せっかく多額の費用を支払って買収したにもかかわらず、会社全体としての効率が落ちると売り上げがダウンしてしまうかもしれません。

融合を上手く行うためには、買収の前から経営者・キーパーソンを交えたグループワークを通じて社風・文化の違いを受け入れることが大切です。また、買収後もアンケートを実施するなど、常に社員の意見に耳を傾けるようにしましょう。

新経営者と従業員との軋轢が生まれるというデメリット

M&A・会社売却を行うと、経営権が売却側から買収側に移行するします。

経営権の移行によって新しく出てきた経営者と従業員との相性が悪いと、そこで軋轢が生まれてしまうことがあります。とくに、中小企業やベンチャー企業は前任の経営者の影響力が大きいです。

中には、「この経営者だから入社することを決めた」と考えている従業員もいるでしょう。

これは経営権を持った人間のリーダーシップ力に起因するとも言えますが、軋轢が生まれて事業がうまく進まないのでは意味がなく、こうしたデメリットやリスクも考える必要があると言えます。

対策として、経営者自らが従業員に対して、「何故この会社を買収したのか」「今後どのような会社にしたいのか」「事業の展望はどうなっているのか」を自分の言葉で伝えるようにしましょう。

この経営者も悪くないなと思わせることが大切です。

売り手のデメリット

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売り手のデメリットとしては、売却したことによって経営権を諸々失うということが一番大きいでしょう。

経営権を失うことによって、今後の事業展開の変化はもちろんのこと、会社の体制も大きく変化しますし、従業員の雇用形態や、取引先との関係性などにも大きく影響を及ぼす可能性があります。

売り手のデメリットをよく考慮してM&A・会社売却を行わないと、企業としても従業員としても、望まない結果になってしまう可能性もあり、デメリットには十分に注意をしたいところであります。

売却側のデメリットは以下の通りです。

  1. 経営権を失う
  2. 経営方針の不本意な変更
  3. 雇用条件や労働条件の変更
  4. 取引先との関係がこじれる

ひとつずつデメリットとその対策を確認していきましょう。

経営権を失うというデメリット

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M&A・会社売却がによって経営権が移行してしまえば、思い通りに経営ができなくなる可能性が高くなります。

それまで自由に経営を行ってきたにも関わらず、突然経営権を失い事業を他の人にコントロールされてしまうことで、ストレスを感じてしまうケースも多くデメリットと言えます。

デメリットとならないケースには、売却側の企業の高い技術力や、高い経営能力をかって買収しているため、経営権が移行しないという場合もありますが、実際にはそこまで多くないのも現状です。

経営方針の不本意な変更というデメリット

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M&A・会社売却で経営権が移行してしまい、経営方針が大きく変更される可能性も多々あります。それによって経営方針が不本意な方向に向かってしまえば、会社売却を行った側の企業としてはストレスになり大きなデメリットです。

経営方針に関しては、当然M&A・会社売却が決定する前に入念な調整を行います。

しかし、そこの調整において認識の齟齬があったりすると後々問題が浮上してくるケースもあり、こうしたデメリットも無視できないものとなります。

雇用条件や労働条件の変更というデメリット

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経営権の移行によって、企業買収をした側の雇用や労働条件が、売却側の企業にも適用されることになります。

その雇用条件や労働条件の変更に従業員が納得しないというケースも多く、最悪の場合は従業員が転職してしまったりする可能性もあり、大きなデメリットと言えます。

M&A・会社売却によって雇用条件や労働条件に大幅に変化が起きそうな場合には、入念なチェックをする必要があると言えます。

取引先との関係がこじれるというデメリット

M&A・会社売却で、取引先との契約内容に修正を加える必要が出てきてしまった場合に、取引先との関係がこじれてしまうという可能性もあり、デメリットと言えます。

契約内容に大幅な修正が必要となる場合には、取引先から大きな反発があったり、最悪の場合、契約打ち切りという事態に陥ってしまうということも決してないとは言えずデメリットでしょう。

また事業における取引先との関係性は、取引を行う人同士の人間関係によって成り立っているとも言えるため、経営権の移行により、対応する人間が変わってしまえば、人間関係によるアドバンテージは崩れてしまい、取引がスムーズにいかなくなることも考えられます。

こうしたデメリットの回避は難しいですが、対策しなければ大きな問題に繋がる可能性もあります。

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3. M&A・会社売却のリスク

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M&A・会社売却における大きなリスクとしては、時間、費用における大幅なコストがかかるというリスク、さらには情報漏洩に関するリスクがあると言えます。

会社売却には入念なリサーチや準備が必要になるため、当然ながら多大な時間や費用がかかります。それにも関わらず、M&A・会社売却を行う相手の会社が見つからない可能性もありますし、見つかったとしても交渉がうまくいかず白紙に戻ってしまう可能性もあります。

そうなってしまえば、それまでに費やしてきた多大なコストは大きな損失となってのしかかってしまうことになります。また交渉の際には、企業の内部事情に関しても話をする必要がありますので、詳細な打ち合わせを行った後にM&A・会社売却が破棄となってしまうと、そこから情報漏洩に繋がるというリスクもあります。

M&A・会社売却に臨む際には、こうしたリスクをわかった上で、十分に検討を行った上で舵を切る必要があるでしょう。

4. M&A・会社売却のメリット・デメリットまとめ

M&A・会社売却のメリットとデメリットは以下の通りです。

買収側のメリット

  1. 事業規模の拡大
  2. 新規事業への参入と事業の多角化
  3. 優秀な人材の確保
  4. 垂直統合による経営の効率化

売却側のメリット
  1. 後継者不在の問題点を解決できる
  2. 従業員の雇用体制を安定化できる
  3. 不要事業を売却できる
買収側のデメリット
  1. 優秀な人材が流出してしまう
  2. 社風・文化の違いにより融合がうまくいかない
  3. 新経営者と従業員との軋轢が生まれる
売却側のデメリット
  1. 経営権を失う
  2. 経営方針の不本意な変更
  3. 雇用条件や労働条件の変更
  4. 取引先との関係がこじれる

当然、それぞれメリット・デメリットはありますが、メリットが大きいからこそM&Aや会社売却は近年増加しているのです。

メリットを享受するためにどのようにデメリットやリスクを回避するかが重要となります。

また、デメリットやリスクを最小限に抑えるためには、M&Aの専門家のサポートは不可欠です。事例を元に、さまざまなアドバイスを助言してくれるでしょう。

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