SESの事業譲渡・事業売却におけるメリット・事例・流れを徹底解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

SES(システムエンジニアリングサービス)の事業譲渡や事業売却について、事例やメリット、注意点など詳しく説明します。SES事業の売却価格相場も分かるため、SESの事業譲渡/事業売却を考えているなら必見です。ぜひ参考にしてください。


目次

  1. SESにおける事業譲渡/事業売却の動向
  2. SESにおける事業譲渡/事業売却の事例
  3. SESにおける事業譲渡/事業売却の相場
  4. SESにおける事業譲渡/事業売却のメリット
  5. SESにおける事業譲渡/事業売却の流れ
  6. SESの事業譲渡/事業売却で注意すべきこと
  7. SESの事業譲渡/事業売却したいならM&Aの専門家に相談しよう
  8. まとめ
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1. SESにおける事業譲渡/事業売却の動向

SESにおける事業譲渡/事業売却の動向

事業譲渡とは、事業の一部または全部を第三者に譲渡(売却)することです。事業譲渡は、M&Aの手法の1つになります。「事業を譲渡(売却)する」ということは、「M&Aをする」ということです。

SESの事業の譲渡は、増加傾向にあります。後継者不在や他事業へ注力したいため、事業の譲渡が行われることが多いです。ただし、事業譲渡という手法は手続きに手間がかかるので、あまり使われていません。

しかし、SES会社を買収したいという企業は増えているのです。SESにおける事業の譲渡について、増加している背景について確認しましょう。
 

  1. 同業企業によるSES事業の買収が増加している
  2. 海外企業による日本のSES事業買収が増加している

2つの点について、順番に説明します。

同業企業によるSES事業の買収が増加している

「SES事業を買収したい」という多くの企業は、同業社です。SESの同業は、SES業、IT業、人材派遣業の3つになります。これら3つの事業のSES買収に意欲的な最大の理由は、人材不足です。

SES業やIT業では若い技術者が少なく、各社が人材確保に力を注いでいます。これらの業種では未経験者さえ採用し、技術者を増やそうとしているのです。

しかし、初心者を育てるよりSESを買収する方が、素早くスキルのある技術者を確保することができます。そのため、SES業やIT業のSES買収が増えているのです。

人材派遣業も人材補充をするために、SESを買収しています。人材派遣業にとって人材確保は死活問題のため、取り合うようにSESなどの同業を取り込んでいるのです。特に大企業による中小人材派遣会社やSES会社の買収が増加しています。

このように人材不足を背景に、SES買収の需要は伸びているのです。人材不足の解消はすぐに行えるものではないため、今後も各業界でSESの買収が増えていくでしょう。

海外企業による日本のSES事業買収が増加している

海外企業による日本のSES事業買収も増加しています。海外企業によるSES買収の理由は、節約です。

海外企業がシステムを開発・運用する場合、システム規模が大きく外部に委託すると莫大な費用がかかります。そのためSESを買収して子会社にすることで、コストを抑えるのです。

SESの子会社化は他にも、「情報漏洩の心配がないこと」や「システムの不具合があった場合に即座に対応できる」といったメリットがあります。このような海外企業は、単に人材がいるだけでなく、スキルレベルの高い技術者が多いSESを選ぶのです。

SESを子会社にするための海外企業の買収は、ますます増加すると考えられています。

SESの事業承継については、『SESの事業承継におけるメリット・注意点・事例など詳しく解説』でも説明しています。ぜひ参考にしてください。

2. SESにおける事業譲渡/事業売却の事例

SESにおける事業譲渡/事業売却の事例

SESの事業譲渡/事業売却について、実際の事例を確認しましょう。事例を読むことで、どのような企業が事業を売却して、どのような企業が買収するか分かるはずです。

ただし、事業譲渡はM&Aの手法である株式譲渡より手続きが複雑で、SESのM&Aであまり行われていません。そのため、公開されている情報だと2件しかSESの事業譲渡情報は見つかりませんでした。次の2つの事例をご紹介します。
 

  1. EPコンサルティングサービスによるシーズプロモーションへの事業譲渡
  2. トリニティコミュニケーションズによるスリープログループへの事業譲渡

事例を順番に見ていきましょう。

SESの株式譲渡については、『SESの株式譲渡・会社譲渡とは?メリット・事例・相場など解説』を参考にしてください。

①EPコンサルティングサービスによるシーズプロモーションへの事業譲渡

  売り手企業 買い手企業
会社名 EPコンサルティングサービス シーズプロモーション
事業内容 SES事業
会計・人事アウトソーシング事業
ソフトウェア受託開発事業など
SES事業
有料職業紹介事業
従業員数 100名 19名
目的 不明 人材確保
譲渡価格 1億2,000万円

2015年1月に、EPコンサルティングサービス(以下、EPコンサル)はシーズプロモーションへSESを含むスタッフィング事業を譲渡しました。譲渡価格は、1憶2,000万円です。

売り手企業のEPコンサルは、会計などの請負事業やソフトウェアの受託開発事業などを行っています。目的は不明です。しかし、他事業を多く行っているため他事業へ集中するためと考えられます。

買い手企業のシーズプロモーションは、人材派遣事業を行っている会社です。EPコンサルのスタッフィング事業を取得することにより、人材を確保する狙いがあります。

このように、人材確保のためにSES事業を買収する企業は多いです。SES事業を買収するメリットは、スキルのある人材をすぐに確保できることにあります。売り手企業は事業譲渡しても従業員が離職しないよう、譲渡前に労働環境を見直すと良いでしょう。

②トリニティコミュニケーションズによるJPSSへの事業譲渡

  売り手企業 買い手企業
会社名 トリニティコミュニケーションズ JPSS
事業内容 SES事業
テレマーケティング事業
人材派遣事業
従業員数 不明 206名(連結)
目的 他事業強化 営業基盤強化
事業拡大
譲渡価格 2,500万円

2009年3月、トリニティコミュニケーションズ(以下、トリニティ)はJPSSへSES事業を2,500万円で譲渡しました。

売り手企業のトリニティは、コールセンターの立ち上げや運用などを行うテレマーケティング事業を行う会社です。SES事業を譲渡することで、テレマーケティング事業に集中します。

一方、買い手企業のJPSSは人材派遣事業を行っている会社です。トリニティの事業取得により、首都圏におけるSES事業の営業基盤の強化と事業拡大を見込んでいます。

ご紹介した2つの事例のように、いくつか事業を行っている会社が他事業へ注力したいために事業譲渡を行うケースが多いです。

SESのM&Aについては、『【2019年最新】SES事業会社のM&A・買収・売却・譲渡!成功ポイントは?事例20選!』でも詳しく説明しています。事例も20個掲載しているため、ぜひ参考にしてください。

3. SESにおける事業譲渡/事業売却の相場

SESにおける事業譲渡/事業売却の相場

「事業譲渡(売却)すると、自社はいくらで売れるの?」と思う人も多いでしょう。SESの売却の相場は、1億円前後です。

事業の規模や人材によっては、10億円以上と高額になる場合もあります。しかし、平均すると8,000万円~2億円程度で取引される企業が多いです。

ここでは、SESの事業譲渡/事業売却における譲渡価格について、次の2つの観点から説明します。
 

  1. 譲渡価格を決める2つの要素
  2. 譲渡価格を上げて譲渡を成功させる3つのポイント

それぞれ順に確認しましょう。

譲渡価格を決める2つの要素

事業譲渡の譲渡価格を決定する要素は、業界によって異なります。SES事業の譲渡価格を決める要素として、以下の2つが重要です。
 

  1. 人材の数
  2. 技術力

順番に詳しく説明します。

①人材の数

SESの事業譲渡/事業売却において、人材の数は重要です。理由は2つあります。

1つ目は、人材が少ないとSESの収益も低く、譲渡価格が伸びないからです。SESは派遣する人材の数と期間で利益を得る事業のため、人材の数はダイレクトに収益に繋がります。人材が少ないと、それだけ収益も上がりません。そのため、人材の数は大切なのです。

2つ目は、人材確保を理由に買収する企業にとって、人材が少ないと魅力的に映りません。人材が少ないことを理由に、譲渡価格を下げられる可能性もあります。

SESにとって人材の数はアピールポイントになるため、事業譲渡/事業売却するにしてもしっかりと採用していきましょう。

②技術力

SESの事業譲渡/事業売却する場合、人材の技術力も大切です。いくら人材が多くても、新入社員ばかりでは技術者として使えません。従業員が技術者としてスキルや経験を持っていると、譲渡価格が上がります。

SESの場合、技術力は個人に依存していることが多いです。そのため会社として、ノウハウを蓄積していたり、従業員のスキルを把握していたりすると事業譲渡/事業売却に役立ちます。

反対に、会社にノウハウがなく従業員の技術力を把握していないと、買い手企業にアピールできず譲渡価格は上がりません。

従業員の経験や資格を管理し、会社で集積することで譲渡価格を高くすることができます。SESの技術力とは従業員の能力である部分が大きいため、しっかり人材を教育して管理しましょう。

譲渡価格を上げて譲渡を成功させる3つのポイント

SESにおいて、譲渡価格を上げて譲渡を成功させるポイントを見ていきましょう。
 

  1. 経営基盤を徹底的に洗い出す
  2. 収益をきちんと数値化する
  3. 人材が離れない環境を作る

それぞれのポイントを押さえて、高い値段で売却してください。

①経営基盤を徹底的に洗い出す

特定の取引先が持っていることは、アピールポイントになります。長年取引のある企業や大手企業など、自社が顧客に受け入れられていることを伝えるのです。そうすることで、買い手企業は売り手企業の従業員に安心感を抱きます。

また、特定の分野が得意ならばその点もアピールに利用できます。たとえば、教育しているプログラミング言語、取引先で多いのは組み込み系か業務系かなど細かく洗い出しましょう。

意外な部分が買い手企業にとってメリットになるかもしれません。個人のスキルや経験はもちろん、些細なこともあなたの会社の強みになります。

②収益をきちんと数値化する

事業譲渡/事業売却を考えるなら、収益をきちんと数値化しましょう。SESは従業員の単価と派遣期間が分かれば、大体の収益が出ます。比較的収益の計算をしやすい業種であることも、買い手企業に人気の理由です。

そのため、現在の収益と将来的な収益性を計算しておきましょう。買い手企業も事業を譲り受ける前に同様の計算や調査を行います。しかし売り手企業も計算しておくことで、不当に安い譲渡価格になることを避けられます。

また、売り手企業が提示した数値が合っていれば、買い手企業の信頼にも繋がるはずです。詳細な部分までしっかり資料にしておきましょう。

③人材が離れない環境を作る

SESにとって従業員は財産のため、人材が離れないよう職場環境を見直しましょう。優秀な技術者が他社に流れると、会社の価値も下がってしまいます。

SES業界はブラック業界とも言われ、離職率も高く若い技術者が少ないです。また、技術者を育てるにも時間とコストを必要とします。そのため、従業員が働きやすい環境を作り、離職率を下げることが事業譲渡/事業売却にも重要です。

4. SESにおける事業譲渡/事業売却のメリット

SESにおける事業譲渡/事業売却のメリット

SESにおける事業譲渡/事業売却のメリットをご紹介します。
 

  1. 後継者不在が解決できる
  2. 他事業へ注力できる
  3. 資金が手に入る

順番にメリットを確認しましょう。

メリット1.後継者不在が解決できる

後継者不在で困っているなら、廃業にするより事業譲渡/事業売却をしましょう。そうすることで、後継者不在問題を解決できます。

SES事業を親族や従業員に事業売却することも可能です。しかしその場合、資金力の点から無償で譲渡する形になることが多なります。また、資金力がないことで負債などに対応できず、譲渡後に事業が破綻してしまうこともあるのです。そうなると廃業を考える経営者もいるでしょう。

後継者に恵まれなかったら、第三者の会社に譲ることも考えてください。後継者問題を解決し、事業を存続することができます。

メリット2.他事業へ注力できる

多角的に事業を行っている場合、SES事業を切り離すため事業譲渡/事業売却を考えている経営者もいるでしょう。SES事業を売却することで、他事業へ注力できます。

SES事業に割いていた費用や時間を、他の事業に回せるのです。SES事業を売却したことにより一時的に収益は減りますが、注力した事業を成長させることができます。

集中したい事業が他にあるなら、SES事業を潰すより事業を他社へ譲渡した方がおすすめです。

メリット3.資金が手に入る

第三者へ事業譲渡/事業売却すると、現金が手に入ります。SES事業を売った売却益を、老後の資金や他事業に充てることができるのです。

「でも、事業を売却したくても相手を見つけられない」という人は、M&A総合研究所にご相談ください。プロの目線で、あなたの会社にぴったりの買い手企業をご紹介いたします。

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5. SESにおける事業譲渡/事業売却の流れ

SESにおける事業譲渡/事業売却の流れ

SESの事業譲渡/事業売却をする場合、「どのように進めていくか」確認しましょう。ここでは、第三者へ事業譲渡/事業売却する前提で説明します。
 

  1. 事業譲渡/事業売却の計画を立てる
  2. 譲渡先候補を選定して交渉する
  3. 基本合意契約を締結する
  4. デューデリジェンスを受ける
  5. 最終契約を締結する

事業譲渡/事業売却の流れを掴んで、イメージを描きましょう。

流れ1.事業譲渡/事業売却の計画を立てる

まずは、事業譲渡/事業売却の計画を立てましょう。初めに期間や費用、自社の強みなどを書き出します。次のようなことを整理してください。
 

  • いつまでに完了したいか
  • どのくらい費用をかけられるか
  • 自社のアピールポイントは何か
  • 従業員のスキルレベルはどれくらいか
  • 取引先はどれくらいあるか
  • 現在の収益はどれくらいか
  • 今後の収益の見通しはどうか

期間と費用と照らし合わせながら、従業員や取引先にいつ話すかなど大まかにでも決めましょう。また、現在の経営で改善すべき点も洗い出します。なぜなら、事業譲渡/事業売却を完了したい時期までに経営改善できるかによって、譲渡価格は左右されるからです。

取締役会がある場合は、計画を立てられたら事業譲渡/事業売却の承認を取りましょう。取締役会の過半数以上の承認が必要です。

事業の調査や決定は、経営者1人で行うと多大な時間を要します。役員や従業員で人員が割けるなら、協力してもらいましょう。または、専門家に相談して調査してもらうこともできます。

流れ2.譲渡先候補を選定して交渉する

事業譲渡/事業売却の計画が立てられたら、実際に譲渡先を探します。譲渡先には①親族、②従業員、②第三者があります。

親族や従業員への事業譲渡のメリットは、譲渡後も会社に関わりやすいことです。新しい経営者もよく知った身内のため、経営のアドバイスもしやすいでしょう。他の従業員にも受け入れられやすく、企業文化や社風も受け継いでくれます。

しかし、企業文化を壊さないために保守的になり、事業の大きな発展は望めません。また、個人への譲渡は資金面で弱いため、事業を譲渡しても金銭の取引を行わないことが多いです。

一方、第三者への事業譲渡だと金銭取引が発生します。譲渡側は売却益を得られるため、他事業への資金にもなります。

譲渡先が決まれば経営者同士の面談を行い、譲渡条件やお互いの会社について話し合いましょう。譲渡価格だけでなく、買い手企業の経営理念や雰囲気を知り、「本当にこの相手に事業譲渡して良いか」を判断します。

しかし、「譲渡先の見つけ方が分からない」という人もいるでしょう。事業を譲渡する第三者の探し方は、次の3通りです。
 

  1. 知り合いの経営者に打診する
  2. インターネットで探す
  3. M&Aの専門家に相談する

それぞれの探し方のメリットとデメリットを説明します。

(1)知り合いの経営者に打診する

知り合いに事業を引き継いでくれそうな経営者がいる場合は、打診してみましょう。知り合いと言っても、別の会社の経営者です。自社の経営状況や収益性を説明し、買収してもらえるか交渉します。

知り合いの経営者ならば、ある程度事業内容を理解してくれているでしょう。そのため、事業の譲渡を相談しやすいことはメリットです。

ただし、知り合いであることから口約束で済ませたり、正式な手順を踏まずに譲渡してしまったりすることがあります。良く知った仲でも、間に弁護士やM&A仲介会社など専門家を立てましょう。

(2)インターネットで探す

インターネットを使って、事業を買収してくれる企業や個人を探すことができます。M&A仲介会社が運営するインターネット上のサイトでは、買い手企業と売り手企業をマッチングするサービスがあるのです。

売り手企業の場合、SES事業を買収したいという企業を検索したり、SES事業を売却したいとサイトに掲載して買い手企業の打診を待ったりすることができます。比較的安価で買い手企業を見つけることができるでしょう。

ただし、このようなマッチングサイトの中には、交渉や調査にサイトの運営者は関わらないサイトもあります。インターネットで買い手企業を探したい場合は、次のポイントをクリアしているサイトを選んでください。
 

  • 料金が明確である
  • M&Aの専門家に相談できる
  • マッチングしたら担当者がついてサポートしてくれる

インターネットを利用したM&Aは増えており、悪質なサイトはほとんどありません。しかし、サイトによって料金も違えば登録している企業も異なります。売り手企業の場合、売却情報の掲載料は無料であるところが多いため利用してみても良いでしょう。

(3)M&Aの専門家に相談する

M&Aの専門家に相談すると、買い手企業を紹介してくれます。事業譲渡/事業売却する相手を自力で見つけられない場合は、依頼してみましょう。

買い手企業を紹介してくれる相談先には、M&Aを扱っている弁護士や会計士があります。しかし、M&A仲介会社がおすすめです。

なぜなら、M&A仲介会社なら独自のネットワークと買い手企業情報を持っているため、売り手企業にぴったりの相手を紹介してくれやすいからです。また、M&A仲介会社に相談すると買い手企業を自力で見つけるより、短時間で労力もかけず見つけられます。

ただし、自力でないため依頼する費用が必要です。それでも、本業が忙しい経営者にとって心強い味方となるでしょう。

流れ3.基本合意契約を締結する

譲渡先が決まり大まかな譲渡条件が決まれば、基本合意契約書を作成しましょう。基本合意契約書とは、売り手企業と買い手企業が話し合って決めた内容を記載した契約書のことです。基本合意契約書には、次のような内容を記載します。
 

  • 取引方法について
  • 売却価格について
  • 今後のスケジュールについて
  • デューデリジェンスの協力義務について
  • 独占交渉権の付与について
  • 負債の引き継ぎについて
  • 従業員の雇用について

事業譲渡/事業売却の場合、譲渡する内容を決められます。たとえば、負債や従業員など、買い手企業と売り手企業が話し合って譲渡する部分を決めるのです。

そのため負債を買い手企業が引き継いでくれない場合もあり、売り手企業は負債のみ残ってしまうことがあります。しっかり基本合意契約で、譲渡する部分を交渉しなければいけません。

基本合意契約の締結をすることで、事業譲渡/事業売却は本格的に進んでいきます。次のデューデリジェンスで何もなければ、最終契約まで基本合意契約の内容で進んでいくため、内容はしっかり確認しましょう。

流れ4.デューデリジェンスを受ける

基本合意契約を締結したら、デューデリジェンスを受けます。デューデリジェンスとは、買い手企業による売り手企業の経営や人事などに対する調査のことです。以下のような内容を調査・分析されます。
 

  • 企業の沿革
  • 直近の収益状況
  • 取引先
  • 役員・従業員の人数・年齢・スキル・給与
  • 労働時間
  • 残業手当の支給状況
  • M&A後に削減できるコスト
  • 事業上のトラブル

売り手企業はデューデリジェンスに対応するため、時にはたくさんの資料を用意しなればなりません。次のような資料を整理しておくと、スムーズに対応できるでしょう。
 

  • 定款
  • 株主名簿
  • 数年分の決算書・税務申告書
  • 税金納付証明書
  • 経営会議の議事録
  • 就業規則

デューデリジェンスで問題があると、譲渡価格を下げられる可能性があるため、専門家も交えて対応しましょう。問題なければ、最終交渉を行います。

デューデリジェンスについては、『M&AにおけるDD(デューデリジェンス)項目別の目的・業務フローを徹底解説!』で詳しく説明します。

流れ5.最終契約を締結する

基本合意契約とデューデリジェンスの結果に基づいて、最終交渉をします。もしデューデリジェンスで問題があれば、譲渡価格やその他の条件について、再度交渉しなければいけません。

両者が納得すれば、最終契約を締結しましょう。最終合意契約書(事業譲渡契約書)には、以下のような事項を記載します。
 

  • 譲渡する事業の部分
  • 実行日
  • 譲渡価格
  • 支払い方法
  • 従業員の取り扱い
  • 株主総会での承認
  • トラブル発生時の責任の所在
  • 税金や保険料の負担者
  • 守秘義務契約

最終契約を締結後、譲渡価格を受け取り、引き継ぎの手続きを終えると事業譲渡完了です。

事業譲渡/事業売却の流れについては、『事業譲渡の手続き・流れやスケジュールを徹底解説!期間はどれぐらい?』でも詳しく説明しています。ぜひ参考にしてください。

6. SESの事業譲渡/事業売却で注意すべきこと

SESの事業譲渡/事業売却で注意すべきこと

SESの事業譲渡/事業売却したい場合、注意すべきことがあります。事業譲渡する際に戸惑わないように、注意点を確認しましょう。
 

  1. 譲渡価格が想定よりも低いことがある
  2. 譲渡益に税金がかかる
  3. 負債を肩代わりしてもらえない
  4. 従業員が離職する可能性がある

注意点を詳しく説明します。

注意点1.譲渡価格が想定よりも低いことがある

想定していたよりも、譲渡価格が低くなることがあるのです。譲渡価格が思っていたより安い原因には次のようなことが考えられます。
 

  • 隠していた負債がデューデリジェンスで見つかった
  • 取引先との契約形式に二重派遣など問題がある
  • 離職率が高い
  • 情報セキュリティ違反などトラブルが多い
  • 従業員を管理できる人材が少ない
  • 技術者のレベルが買い手企業の想定よりも低い

このような場合、譲渡価格が低くなることがあります。問題を隠して買い手企業の信頼を失くすようなことはせず、誠実な態度で対応して問題点は事業譲渡/事業売却の前に改善するようにしましょう。

注意点2.譲渡益に税金がかかる

事業を譲渡した場合の譲渡益に税金が発生します。譲渡益とは、譲渡価格から経費や会社の純資産を差し引いた金額のことです。売り手企業の場合、事業を買い手企業に譲ると法人税がかかります。

法人税は、地方法人税や法人住民税を加味した上で大体30%になります。譲渡益の30%程度は税金で支払わなければならないため、譲渡で得た全ての額面を手に入れられません。

しかし、税金は引き下げ傾向にあります。税金計算には専門的な知識が必要なため、税理士や会計士に計算を依頼する方が良いでしょう。

注意点3.負債を肩代わりしてもらえない

事業譲渡/事業売却の場合、負債は自動的に買い手企業に引き継がれません。負債を引き継いでほしい場合、買い手企業の承諾が必要になります。

そのため、買い手企業が拒否すれば負債だけ残る状態になるのです。売却益で負債を返済できれば良いですが、負債が残る可能性もあります。

負債を肩代わりしてもらいたい場合は、交渉時に話して契約内容に含めることです。M&Aの専門家にサポートしてもらうと、買い手企業の承諾を得やすいでしょう。

事業譲渡/事業売却の負債については、『事業譲渡した際に債務・債権は引き継がれる?個別同意は必要?』でも詳しく説明しています。

M&A総合研究所なら、あなたの会社のM&Aの交渉をM&Aに強い会計士がフルサポートいたします。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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注意点4.従業員が離職する可能性がある

事業譲渡/事業売却の場合、従業員が離職する可能性があります。企業文化や社風ががらりと変わってしまうと、居心地悪く感じる従業員もいるからです。

従業員が離職すると、買い手企業は期待していた効果を得られません。そうなると経営戦略に深刻なダメージが発生してしまいます。

しかしSESの場合、従業員こそ資産のため、従業員が流出しないよう交渉時点から対策を練るはずです。そのため、従業員が離職するリスクは最小限に抑えられるでしょう。

7. SESの事業譲渡/事業売却したいならM&Aの専門家に相談しよう

SESの事業譲渡/事業売却したいならM&Aの専門家に相談しよう

事業譲渡/事業売却したいなら、M&Aの専門家に相談しましょう。事業譲渡/事業売却には専門的な知識が必要です。事業譲渡/事業売却を支援してくれる専門家には、以下のような職業の人たちがいます。
 

  • 弁護士
  • 司法書士
  • 税理士
  • 会計士
  • M&A仲介会社

一番のおすすめは、M&A仲介会社へ相談することです。事業譲渡/事業売却には、法律、税務、会計など様々な分野に精通していなければなりません。弁護士や税理士は各分野でのプロフェッショナルですが、M&A全般の知識を持っているか不安が残ります。

そのためM&A仲介会社への相談が、最もスムーズに交渉や作業を進めてくれるのです。また、弁護士や会計士などの専門家が所属しているM&A仲介会社もあります。専門家が社内にいることで、M&Aで発生する課題を解決しやすくなるのです。

事業譲渡/事業売却をしたいなら、専門家のいるM&A仲介会社に相談しましょう。

8. まとめ

SES事業譲渡のまとめ

SESの事業譲渡/事業売却について、メリットや事例、注意点などを解説しました。SES事業の売買は、各業界の人材不足により今後も増加していくでしょう。

事業譲渡/事業売却をするメリットは、次の3つです。
 

  • 後継者不在を解決できる
  • 他事業に集中できる
  • 資金を入手できる

ただし、負債を引き継ぎや従業員の雇用については保証されないため、しっかり交渉することが大切です。

また、事業譲渡/事業売却をしようとすると多大な時間と労力が必要になります。自社だけで行わず、M&A仲介会社のサポートを受けましょう。

M&A総合研究所では、SES事業の譲渡や売却をM&Aに強い会計士がフルサポートいたします。

ご相談は無料です。SESの事業譲渡/事業売却をご検討の方は、気軽にM&A総合研究所へご相談ください。

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