事業譲渡の手続き・流れやスケジュールを徹底解説!期間はどれぐらい?

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企業情報第二部 部長
向井 崇

銀行系M&A仲介・アドバイザリー会社にて、上場企業から中小企業まで業種問わず20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、不動産業、建設・設備工事業、運送業を始め、幅広い業種のM&A・事業承継に対応。

事業譲渡とは、事業の一部または全部を引き継ぐ手法です。事業譲渡の手続きは手間がかかるので、スケジュールも長くなります。本記事では事業譲渡の手続きの流れ・スケジュールや期間を詳しく解説していますので、事業譲渡の流れと注意点を知り戦略を立てましょう。

目次

  1. 事業譲渡とは
  2. 経営者が考える事業譲渡の目的
  3. 事業譲渡のメリット・デメリット
  4. 事業譲渡を選ぶべきケース
  5. 事業譲渡の手続き
  6. 事業譲渡の手続き完了までの大まかな流れ
  7. 事業譲渡の手続き完了までの詳細なスケジュール
  8. 事業譲渡の手続きが完了するまでの期間
  9. 事業譲渡にかかる消費税などの税金
  10. 事業譲渡の手続きを行う際の注意点
  11. 事業譲渡の手続きはM&A総合研究所にご相談を
  12. 事業譲渡の手続きまとめ
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1. 事業譲渡とは

事業譲渡とは

まずは、手法選びに失敗しないためにも事業譲渡の基礎知識から確認しましょう。

事業譲渡とは、売り手企業の事業の一部または全てを、買い手企業に譲渡するM&A手法のことです。

事業のどこまでを譲渡するのかは、売り手企業と買い手企業の交渉によって変わります。具体的には、人材、店舗、工場、権利義務などの話し合いをする必要があります。

さらに、これらの譲渡範囲は目的によっても変わってきます。

例えば、売り手の目的は経営の合理化や経営再建、事業承継など、買い手の目的は事業規模拡大や新規事業の獲得、人材や技術の取得などさまざまです。

このように、目的に合わせて範囲を決めることで、買い手と売り手でメリットを得る手法が事業譲渡です。

しかし、事業譲渡は原則株主総会の特別決議が会社法で定められている場合や、各種契約や許認可をやり直す必要がある場合など、手続きが煩雑です。また、税金面やコスト面でも他のM&A手法に比べて不利な面があり、大企業で事業譲渡を利用するケースはあまりありません。

一方で、事業譲渡は規模の小さい中小企業の場合はメリットが多くデメリットが少なくなるため、主に小規模事業者でよく利用されるでしょう。

次に、補足として事業譲渡と似ている会社分割との違いにも軽く触れていきます。

事業譲渡と会社分割の違い

事業譲渡と間違われやすいのが、会社分割です。

会社分割とは、株式会社や合同会社が事業に必要な権利・義務を他の会社に引き継いでもらうことをさします。事業譲渡と似たもののようですが、会社分割ではすでに存在する会社を複数に分ける手続きです。

そのため会社分割が行われた場合、事業に関する資産や権利などを全て移転する必要があります。

一方事業譲渡は、売り手側の持つ人材や拠点、設備などの資産を個別に譲渡する手続きです。譲渡する範囲を売り手と買い手との間で話し合って決められるので、事業の一部を残しておきたい場合に有効といえるでしょう。

また事業譲渡には株主総会の特別決議が必須ではないので、株主の同意がなかなか得られない場合も手続きを進められます。

ちなみに会社分割には、既存の会社に権利などを引き継ぐ「吸収分割」、新たに会社を設立し権利などを引き継ぐ「新設分割」の2種類があります。

事業譲渡と会社分割、どちらを選ぶのが良いのかは、会社の状況や規模によって変わってきますので、M&A仲介会社などの専門家に相談したほうが良いでしょう。

事業譲渡と合併の違い

事業譲渡は、株式交換と似ている企業統合の手法です。合併は、複数の会社が合体して一つの会社となる組織法上のものです。合併には、法人格を残す方法である吸収合併と、全ての法人格を消滅させ新法人新設合併の2つ分けられます。

一般的に合併の実務では、吸収合併であるのがほとんどです。主に、事業譲渡と吸収合併の違いは以下が挙げられます。

  • 会社の消滅
  • 権利義務関係
  • 従業員関係
  • 競業避止義務
  • 債務の承継
  • 当事者


会社の消滅は、事業の全部を譲渡する際、譲渡する会社は解散とはなりませんが、吸収合併の場合は解散し、清算手続きをせずに消滅します。

権利義務関係は、事業譲渡の場合、契約により債権債務を個別に引き継ぎますが、吸収合併の場合、消滅会社の権利義務関係を包括的に引き継ぎます。

従業員関係は、事業譲渡の場合、双方の合意のほか、従業員の合意が必要です。しかし吸収合併では、消滅会社の労使関係も包括的に引き継ぎます。

競業避止義務は、事業譲渡の場合は、当事者間で合意しない限り譲渡した側は20年間、同様の事業を行ってはならないルールがあります。しかし、吸収合併の場合は包括承継されて会社が消滅すため、競業避止義務の問題はなくなります。

債務の承継は、事業譲渡の場合、債権者の承諾を得て譲受側が免責的債務引受をしない限り譲責任を免れません。しかし吸収合併は、債務も包括的に引き継ぎます。

当事者となるのは、事業譲渡の場合は個人事業でも可能ですが、吸収合併の場合は法人に限るなどの決まりがあります。

事業譲渡と株式譲渡の違い

事業譲渡と株式譲渡は、手続きにかかる手間が大きく違います。株式譲渡は、株式の移転がメインとなるため、比較的簡単な手続きで完了します。しかし事業譲渡の場合は、事業に関連する契約先からそれぞれ同意を得る必要があります。

それに伴い、契約先が多いと手続きにかかる手間が増えるでしょう。事業譲渡と株式譲渡にはそれぞれ異なった特徴があります。

主な傾向としては、一般的に手続きが簡単な株式譲渡を選択しますが、株式譲渡での手法が難しい場合は、事業譲渡を選択するケースが多くあります。負債の多い会社の場合は、利益の出ている事業のみを売却する事業譲渡で進められるケースも多く見られます。

また、株式譲渡(会社売却)との違いを知りたい方は以下の記事もチェックしてみましょう。

【関連】事業売却とは?会社売却との違いやメリット・デメリットを解説!
【関連】会社分割と事業譲渡の違いやメリット・デメリットを比較解説!

2. 経営者が考える事業譲渡の目的

経営者が考える事業譲渡の目的

事業譲渡を利用する目的は、経営者や会社の状況によってさまざまです。

ここからは売り手側の目的と買い手側の目的をそれぞれ紹介します。なぜ事業譲渡が選ばれているのかを知り、事業譲渡の手法選びの参考にしてみましょう。

売り手側の目的

売り手の事業譲渡の代表的な目的は以下のようなものがあります。
 

  • 経営資源の集中
  • グループ企業の再編
  • 経営再建
  • 子会社の事業整理など

例えば、あまり経営状態の良くないノンコア事業を事業譲渡するといった目的を持つとしましょう。事業譲渡でまとまった売却金額を手に入れられたことで、主要コア事業に投資できるようになります。これにより、経営状態の悪化を改善して安定化できるのです。

また、子会社の事業を整理する目的で事業譲渡が使われることも少なくありません。事業譲渡で得た譲渡益を使って、経営再建を目指すことも可能です。

こうした売り手側の目的から、中小企業の事業譲渡は特に増え続けています。目的に合わせて事業譲渡できれば、現時点の経営課題を改善する方法にもつなげられるでしょう。

買い手側の目的

買い手側の事業譲渡の目的は以下のようなものがあります。
 

  • 事業拡大
  • 新規事業の獲得
  • 人材や技術の確保
  • エリア拡大など

同業種の事業の買収により事業を拡大し、スケールメリットを得る・上場を目指すなどの目的でも行われるケースがあります。

事業譲渡での新規参入では、ゼロから新規事業を始めるよりも時間を短縮できるため、採用のコストや事業の開始にかかる資金も節約できる場合があります。人材確保や技術獲得にかかる費用も抑えられる利点は大企業でも注目するポイントです。

こうした買い手側の需要もあることから、事業譲渡は経営戦略の1つとしても役立ちます。売り手側にだけメリットがあるものではないので、有効活用していきましょう。

【関連】新型コロナで事業承継・譲渡が急増?買い手はいる?【失敗事例あり】

3. 事業譲渡のメリット・デメリット

事業譲渡のメリット・デメリット

事業譲渡はさまざまな目的で使われますが、手続きが複雑なためメリット・デメリットがわかりにくい面もあります。

M&Aを検討するうえで事前に知っておくべき情報があります。ここからは事業譲渡のメリット・デメリットに関して、売り手側と買い手側に分けて解説します。それぞれ見ていきましょう。

売り手側のメリット

事業譲渡の売り手側のメリットを紹介します。

  • 譲渡資産を選択できる
  • 現金が手に入る
  • 負債があっても相手先企業が見つかりやすい

譲渡資産を選択できる

事業譲渡の大きなメリットが、譲渡する事業資産を選択できるといったものです。

事業譲渡の手法であれば、事業譲渡後の目的に合わせて調節できるメリットがあります。そのため、事業のスリム化、効率化が可能となるでしょう。業績が良く継続したい事業は残し、負担となっている事業を売却するなど、経営に余裕を持たせるのも可能です。

現金が手に入る

事業譲渡では、株式ではなく現金を手にできます。そのため、株式の現金化リスクを抱えることがありません。負債がある場合、手に入れた現金で債務を返済したり、コア事業に使ったりするのが可能です。

また、個人事業の場合、それを元手に新たな事業に投資したり、そのまま生活費に使ったりできるでしょう。

負債があっても相手先企業が見つかりやすい

事業譲渡の手法であれば、負債があっても相手先企業が見つかりやすいといったメリットが得られます。株式譲渡では会社の全てを引き継ぐため、もし負債があった場合でも買い手は引き継がなければなりません。

しかし、事業譲渡であれば買い手企業は必要な事業だけ引き継ぐなどリスクを回避できるため、譲渡できる可能性が高くなります

売り手側のデメリット

事業譲渡の売り手側のデメリットは、一体どのようなものがあるでしょうか。ここでは、売り手側のデメリットを紹介します。

  • 譲渡益に税金がかかる
  • 債務が残る
  • 手続きに多くの手間・時間がかかる

譲渡益に税金がかかる

事業譲渡のデメリットは、譲渡益に税金がかかる点です。

譲渡益にかかる税金は法人税、住民税などがかかります。他のメリット・デメリットも考慮しながら、税金を支払ってでも事業譲渡を選択するかどうか、考える必要があります。

ただし、売り手側に多額の繰越欠損金がある場合や、退職金を拠出する際に損金として計上できるケースもあります。その場合、譲渡全体の税負担が軽くなり、手取り金額が増える可能性もあります。

債務が残る

事業譲渡は譲渡資産を選択できるところがメリットですが、デメリットになる場合もあります。

買い手側が債務を引き継がないことになった場合、売り手側には債務が残るからです。

譲受会社が債務を引き継いでくれることになったとしても、債権者へ通知し説明しなければならないため、手間やコストはどうしても増えてしまいます。

手続きに多くの手間・時間がかかる

事業譲渡は株式譲渡や会社分割など他の手法に比べ、手続きに多くの手間や時間がかかります。対象事業が関わる全ての契約に関して、それぞれ相手方の同意が必要です。大企業になるほど、契約の数が多くなり負担となるでしょう。

そのため、事前にそれぞれ同意を取り付けておくと、手続きがスムーズに進められます。

買い手側のメリット

事業譲渡の買い手側には以下のメリットがあります。

  • 簿外債務リスクを回避できる
  • 節税ができる

簿外債務リスクを回避できる

事業譲渡では買収する財産を選択できるので、買い手側は簿外債務を引き継いでしまうリスクを回避できます。

ただし、包括承継した場合は強制的にある程度のリスクも引き受けることに注意しましょう。瑕疵(かし)担保責任の契約の存在や、デューデリジェンスをしっかりと実施した場合であっても、完全にリスクを回避できません。

しかし、一部であっても事業譲渡によってリスクを減らせることは大きなメリットです。

節税ができる

売り手側の事業資産を時価で買い取る際は、現在の事業価値に加えて将来の価値(一般的には3年分~5年分)を加えて評価します。すると、簿価と差額が生じます。

この差額をのれんといい、損金算入する必要があります。こののれんを5年に渡って償却する方法で、節税ができるのです。のれんによる節税効果を目的にM&Aを行う企業もあるくらい大きなメリットがあります。

買い手側のデメリット

事業譲渡の売り手側のメリットを紹介してきましたが、ここからは買い手側のデメリットを紹介します。

  • 手続きが煩雑になりやすい
  • 消費税がかかる

手続きが煩雑になりやすい

事業譲渡では許認可や従業員との雇用契約などは引き継げないので、必要な手続きが多くなります。引き継ぐ事業規模によっては大きな負担になるため、大企業では事業譲渡があまり活用されません。

思わぬ足止めにならないように、許認可の取得や従業員との雇用契約は計画的に行う必要があります。

消費税がかかる

事業譲渡は売買取引なので、買い取った財産には消費税がかかります。事業譲渡は他のM&A手法に比べて税負担が大きくなりがちなので、引き継ぐ財産が多いほどデメリットが大きくなっていくのです。

ここまで売り手側・買い手側に分けてメリット・デメリットを説明してきました。デメリットがあっても、それを補うメリットがあるからこそ事業譲渡は選ばれています。

【関連】M&Aにおける「のれん代」をわかりやすく解説!償却期間や会計処理はどうなるの?

4. 事業譲渡を選ぶべきケース

事業譲渡を選ぶべきケース

事業譲渡を選ぶべきケースは、目的やメリット、デメリットに応じて変化します。

例えば、どのような目的で行うのか、どのメリットを優先しどのデメリットを極力減らしたいかなど、状況に応じて選択する必要があります。

そこで、代表的なM&Aの手法である事業譲渡、株式譲渡、会社分割の目的や特徴、メリット・デメリットを比較しながら、事業譲渡を選んだほうが良い状況を解説しますので、ぜひ参考にしてみましょう。

目的・特徴の比較

まずは、M&Aの手法別に目的と特徴を表にまとめて比較してみました。
 

  事業譲渡 株式譲渡 会社分割
目的 ・経営資源の集中、組織再編
・経営再建、事業承継
・事業規模の拡大、新規事業の獲得
・人材や技術の取得
・協力関係の強化
・事業承継
・経営権の獲得
・経営再建、組織再編
・株主関係解消
・事業承継
・人材、技術の取得
特徴 ・譲渡する事業を個別に選択できる ・中小企業で多く採用 ・事業を包括で引き継ぐ

表を見ると、それぞれの手法で目的と特徴が異なります。事業譲渡を選ぶときは、目的に合っているかどうかを判断してみましょう。

メリット・デメリット比較

次に、M&Aの手法別にメリット・デメリットを表にまとめて比較してみました。
 

  メリット デメリット
事業譲渡 ・譲渡事業の選択ができる
・簿外債務を回避できる
・手続きが多い
・税負担が大きい
株式譲渡 ・手続きが容易になりやすい
・譲渡後も会社が存続する
・簿外債務リスクがある
・株式の買い集めに苦労する
会社分割 ・買収資金が不要である
・事業譲渡よりも手続きが容易
・簿外債務リスクがある
・税務面が煩雑になりやすい

株式譲渡は手続きが簡便なため、中小企業で最も多く採用されている手続き方法です。事業譲渡と会社分割は事業を切り分ける点では似ていますが、事業譲渡は個別に引き継げます。一方、会社分割は包括的に事業を引き継ぐ手法です。

これらの特徴やメリット・デメリットから、売り手側は譲渡後も独立性を保ったまま事業を継続したい場合に事業譲渡を用いるとメリットが得られます。

また、買い手側は簿外債務・偶発債務など、リスクを極力なくした取引をしたい場合には事業譲渡が合っています。

こうしたメリット・デメリットから事業譲渡を選ぶべきか判断してみるのも良いでしょう。

ここまで、事業譲渡を選ぶべきケースを説明してきました。

自社に合っている手法と判断できれば、すぐに動き出したい人もいるでしょう。しかし、注意点を知っておかなければ失敗してしまうかもしれません。

【関連】会社売却とは?メリット・デメリット、売却相場までを徹底解説!

5. 事業譲渡の手続き

事業譲渡の手続き

事業譲渡の基礎知識のおさらいができたら、主な手続きも知っておきましょう。

手続きは非常に手間がかかるため、売り手・買い手にかかわらず他のM&A手法の手続きに比べて期間が長くかかってしまうことが多いからです。

そこで、なぜ期間が長くかかるのかわかりやすくするために以下3つに分けて説明します。
 

  1. 売り手の手続き
  2. 買い手の手続き
  3. 個人事業主の手続き

①売り手の手続き

売り手側の事業譲渡の手続きでは「多数の承認を得る流れ」が多いため時間がかかります。

例えば、株主総会を開催して承認を得る必要があるケースでは、株主との日程を合わせて集まる必要があるでしょう。また、債務も譲渡する場合は債権者に個別で承諾を得る必要もあります。

こうした手続きは、譲渡する事業の規模が大きいほど、負担も大きくなります。ですから、なるべくスムーズに進むように戦略を立てて、スキームを進めていく必要があるのです。

②買い手の手続き

買い手側の手続きでは、売り手側よりも負担が大きいものが多くあります。

例えば、売り手側から事業を買収して今後の経営を進めていくため、引継ぎから許認可の取得、再契約などの手続きを多く必要とするのです。大まかなスケジュールは売り手と変わりませんが、必要とする細かい手続きが多く出てきてしまいます。

他にも、手続きが完了した後に円滑に事業を進められるようになるまで時間がかかります

こうした手続きから、買い手も時間を必要とするのがわかります。

③個人事業主の手続き

法人登記をしていない個人事業主が事業譲渡を行う場合、通常の会社とは手続きが大きく異なるので注意が必要です。

例えば、事業の内容にもよりますが、基本的に個人事業主が事業を譲渡するとき、譲渡側は税務署に廃業届を提出し事業の廃止を行うことになります。また個人事業主の事業譲渡では雇用関係が引き継がれないので、従業員がいる場合には新しい雇用契約書を作成しなければいけません。

買い手側の場合では、新たに開業手続きを行うことになります。屋号または商号の引継ぎも必要ですので、個人で事業を譲り受ける場合は早めに動き出しましょう

また、個人事業主のM&Aや事業譲渡は、規模が小さいため全てのM&A仲介会社やアドバイザリーが対応してくれるわけではありません。専門家に相談する際には、小規模案件にも対応しているか、事前に確認が必要でしょう。

もし、小規模案件の仲介会社をお探しでしたら、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。M&A総合研究所には、M&Aに精通したM&Aアドバイザーが在籍しており、案件をフルサポートいたします。

無料相談を行っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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6. 事業譲渡の手続き完了までの大まかな流れ

事業譲渡の手続き完了までの大まかな流れ

ここからは、事業譲渡の流れを先ほど話した手続きも含めながら紹介します。事業譲渡を決めたら、まず自社の分析や今後のプランなどを検討します。そして、取締役会で承認が得られれば、買い手を選定し、交渉を始めましょう。

交渉がまとまったら基本合意契約を締結し、買い手側はデューデリジェンス(企業調査)を開始します。デューデリジェンスで問題がなければ、取締役会での決議を経て事業譲渡契約の締結が行われることになります。

その後株主総会の特別決議で承認を得て効力発生日を迎えれば、事業譲渡契約の手続きの流れは完了です。効力発生日以降は事業譲渡契約に基づいて手続きを進めていきます。

具体的には事業を完全に引き継ぐために経営の方法をすり合わせながら、問題がなくなるまで協力し合います。完全に引継ぎができれば事業譲渡の完了です。

流れを簡潔に説明してきましたが、それぞれの注意点や必要な手続きなど細かい点などは知っておかなくてはなりません。より詳細なスケジュールにも見ておきましょう。

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7. 事業譲渡の手続き完了までの詳細なスケジュール

事業譲渡の手続き完了までの詳細なスケジュール

事業譲渡手続きのおおまかな流れをお伝えしましたが、ここからは事業譲渡の効力発生日までの詳細なスケジュールを解説します。

流れは売り手側、買い手側の内容はほとんど同じです。ここでは手順の多い売り手側を主軸として以下の流れで見ていきましょう
 

  1. 事業譲渡の準備開始
  2. 取締役会での決議
  3. 買い手企業の選定と接触
  4. 事業譲渡に関する契約の締結
  5. 買い手によるデューデリジェンス
  6. 事業譲渡契約書の締結
  7. 各所への届け出
  8. 株主への通知・公告
  9. 株主総会での特別決議
  10. 財産などの名義変更や許認可手続き
  11. 事業譲渡の効力発生

これらの項目に関してわかりやすく説明します。

①事業譲渡の準備開始

譲渡企業は事業譲渡の手続きに入るための準備を開始します。

具体的には、自社の現状や強み、市場価値を分析し、それを踏まえて事業のどの部分をどのくらいの価額で売るべきか、効力発生日までの手続きの流れなどの譲渡計画を立てるのです。

計画を立てられれば、取締役会へと移行します。

②取締役会での決議

売り手側の企業は事業譲渡をする際、取締役会で承認を得なければならないと会社法で定められています。すみやかに通知を行い、事業譲渡の目的や理由を説明して承認を得ていきましょう。取締役会での決議は、過半数以上の承認が必要です。

③買い手企業の選定と接触

承認を得られれば、売り手企業は買い手企業を探します

個人で譲渡先を探して交渉もできますが、基本的には金融機関やM&A仲介会社に依頼して探してもらうほうが簡単です。

こうして、買い手候補が決まったら、経営者同士の面談やM&Aの専門家を仲介しての交渉など、条件交渉の手続きを進めます。交渉の際は金額だけでなく、経営者の理念や相性、事業譲渡後もパートナーとなり得るかなど、さまざまな視点から交渉に臨むと良いでしょう。

ある程度の内容が決まれば、次の流れへと進みます。

④事業譲渡に関する契約の締結

交渉手続きが進んで合意が得られたら、基本合意契約を締結します。

基本合意書を作成する前に、どのような方針で進めていくのかを買い手企業が意向表明書で提示してくることもありますので、確認してみましょう。

ここで簡単に基本合意書と意向表明書を解説しておきます。

基本合意書

基本合意書とは、売り手企業と買い手企業の交渉で決定した事項をまとめたものです。

具体的には、条件やデューデリジェンスに関して、独占交渉権や今後の手続きスケジュールなどさまざまな事項が記載されます。

事業譲渡契約書が最終的な契約書ですから、基本合意書はある程度の方針を記した中間の契約書といった位置付けです。事業譲渡の場合は、事業譲渡契約書も基本合意書も会社法で作成が定められているわけではありません。しかし法的拘束力のある事項を盛り込むことで、トラブルを防げます。

また、基本合意書に記載する内容も会社法で定められているわけではないので、事業譲渡の案件によって記載事項は変わります。

意向表明書

意向表明書とは、基本合意書を作成する前の段階で買い手企業が「どのような意向で進めていきたいのか」の内容を伝えるものです。

譲渡後のトラブルを防ぐため、事業を買い取る意向を書面で表明するケースが多いです。具体的には、希望条件や手続きの進め方などを記載します。

意向表明書はあくまで提案書なので、会社法で提出が定められているわけではなく、手続きとして必要はありません。しかし、意向表明書の提出が事業譲渡契約手続き開始の表明にもなるため実施するのをおすすめします。

⑤買い手によるデューデリジェンス

基本合意契約が締結されたら、買い手側が売り手側のデューデリジェンス(企業調査)を行います。

デューデリジェンスはM&Aの専門家と協力して、さまざまな会社内部の状態を調査します。ここで得た情報と結果によって、事業譲渡価額を修正したり、リスクを把握したりしながら事業譲渡契約書に盛り込みます

買い手側はデューデリジェンスの結果を基に取締役会で承認を得ます。事業譲渡契約書の修正内容に両社が合意すれば、事業譲渡契約書は締結されます。

⑥事業譲渡契約書の締結

事業譲渡契約書の締結で、両社の最終的な合意が得られます。事業譲渡契約書には一般的に以下のような事項を記載します。
 

事業譲渡契約書の記載事項 内容
目的・譲渡日 譲渡する事業の部分に関して・効力発生日の日付
譲渡財産 譲渡する財産の概要
譲渡価額・支払い方法 譲渡対価の具体的価額・支払い方法
引渡時期 譲渡財産の引渡時期
善管注意義務 管理者の注意義務に違反した場合の対応など
守秘義務 業務上の秘密を保持し開示しない契約
従業員の取扱い 従業員の引継ぎ時期や待遇など
事情変更 特別な事情があった場合の事業譲渡契約書内容の変更
承認 株主総会での承認
瑕疵(かし)担保責任 譲渡財産に瑕疵(かし)があった場合の責任
競業避止義務 事業譲渡後の競業避止義務
公租公課などの負担 税金や保険料の負担者
協議事項 事業譲渡契約書に規定していない事項は協議する旨

事業譲渡契約書の記載内容は会社法で定められているわけではありませんが、必要に応じて記載すると、法的拘束力を持たせられます

契約書は安易にひな形を使用しない

さまざまな契約書のひな形はネット上で入手でき、事業譲渡契約書も手軽にダウンロードが可能です。

しかし、事業譲渡のようなM&Aは案件ごとに違いがあるため、記載すべきことが載っていないケース、不必要な項目があるケースもあります。そのため、ひな形を安易に使ってしまうと、トラブルが生じる可能性もあります。

事業譲渡契約書は重要なので、M&A仲介会社に相談して検討し、作成するのをおすすめします。

⑦各所への届け出

事業譲渡を行う企業は会社法によって、公正取引委員会へ届け出が必要になったり、臨時報告書の提出が必要になったりする場合があります。

各所への届け出をしておかなくては、正常に経営を続けていくのが難しくなることもあり得ますので、確認してみましょう。ここでは、代表的な届け出もわかりやすく解説します。

公正取引委員会への届け出

買い手は会社法で定められている一定の条件を超えている場合、公正取引委員会への届け出が必要となります。

国内売上高合計額が200億円を超えていて、下記の要件に該当する場合、買い手は事前に公正取引委員会へ計画届出書の届け出が必要です。
 

  • 国内売上高が30億円を超える会社の全ての事業を譲受する場合
  • 譲受する一部事業の国内売上高が30億円を超える場合
  • 譲受する事業の固定資産による国内売上高が30億円を超える場合

また公正取引委員会が計画届出書を受け取ってから、原則として30日を経過するまで事業譲渡をしてはならないといった規定がありますので注意するようにしましょう。

臨時報告書の提出

有価証券報告書の提出義務がある企業は、一定の要件に該当する場合は財務局に臨時報告書を提出するのが会社法で定められています。
 

  • 事業譲渡または譲受により、資産額が最近事業年度の末日現在の純資産額よりも30%以上増減する場合
  • 事業譲渡または譲受により、売上高が最近事業年度の実績に対して10%増減する場合

これらの要件に該当する場合は、届け出が必要です。

⑧株主への通知・公告

後述する例外を除き、株主総会の特別決議で承認されなければ効力は発生しません。

事業譲渡の当事会社は、効力発生日の20日前までに、事業譲渡を実施する内容や株主総会を開催する内容を、株主に対して官報公告や電子公告で周知します。

また、反対株主には株式の買取請求権があることも周知します。株主が少ない場合は個別通知だけで済ませることもあります。大企業の場合は、公告と個別通知の両方を行う場合もあります。

⑨株主総会での特別決議

事業譲渡を行う当事会社は、効力発生日前日までに株主総会の特別決議で承認を得るのが会社法で定められています。例えば以下のような事業譲渡のケースです。

  • 売り手側の全事業を譲渡
  • 事業の重要な一部を譲渡
  • 別の会社である事業の全てを譲り受ける
  • 事業全部の賃貸、経営委託、損益全部を共通にする契約、その他これらに準ずる契約の締結、変更、解約

議決権の過半数以上を持つ株主が出席をし、その2/3以上から賛成を得られれば事業譲渡が承認されます。

ただし会社法では、略式事業譲渡または簡易事業譲渡とみなされると、株主総会での特別決議が必要でない場合もあるので、一度専門家に相談したほうが良いでしょう。

少しだけここで補足知識を解説しておきます。

簡易事業譲渡

会社法では、譲渡資産の帳簿価額が譲渡会社の総資産の20%を超えない場合は、簡易事業譲渡に当たるとされています。

事業譲渡によって株主の利益に損害を与えることはないとみなされるので、株主総会での特別決議は必要ありません。また、買い手企業の純資産の20%を超えない場合も、会社法では株主総会での特別決議は必要ないとされています。

しかし、例えば株主総会を開催した際に、譲り受けの決議が否決されるような議決権を持っている反対株主から、反対の意志の通知があった場際は、事業譲受の効力発生日の前日までに、株主総会の特別決議による承認を受ける必要が出てきます。

略式事業譲渡

契約相手が特別支配会社である場合、会社法では略式事業譲渡に当たります。株主総会を開催しても間違いなく承認されることから、株主総会での特別決議は必要ありません。

特別支配会社の定義は、議決権のある株式を9/10以上保有している会社と会社法で決められています。
 

反対株主の株式買取請求

株主総会の特別決議は、議決権の過半数を有する株主が出席している中で、出席株主が持つ議決権の3分の2以上の承認が得られた場合に決議されます。可決された場合、反対株主には利益保護のため、会社に対する株式の買取請求権が与えられます

事業譲渡の当事会社は反対株主に対して、株式の買取請求権があることを周知し、反対株主はあらかじめ反対の意思を示したうえで、株主総会で反対票を投じます。その後効力発生日前日までの期間に買取請求権を行使できると会社法で定められているのです。

⑩財産などの名義変更や許認可手続き

売り手・買い手企業のどちらも名義変更手続きや許認可の手続きを行わなくてはいけません。事業譲渡前に確認しておかないと、事業譲渡は完了したのに事業が開始できない可能性も出てきます。ここでは、具体的な手続きを確認しましょう。

財産などの名義変更手続き

事業譲渡では、買い手企業へ譲受された財産で売り手企業の名義になっているものは、買い手企業へ名義変更をしなければなりません。

許認可手続き

事業譲渡では許認可が引き継がれないので、買い手企業が許認可を取得していない場合は、管轄の監督官庁で許認可手続きをする必要があります。許認可手続きは業種によって時間がかかるものや、取得条件が存在するものもあるため注意が必要です。

取得に時間がかかることがあらかじめわかっている場合は、契約手続き期間の間に申請手続きを進めておきます。

⑪事業譲渡の効力発生

事業譲渡の効力発生日を迎えて契約手続きの流れは完了しますが、効力発生日以降も事業の引継ぎ作業に時間を要します。特に従業員の引継ぎも伴う場合は、効力発生日以降のマネジメントが重要です。

ここまで事業譲渡の流れを代表的な手続きとともに解説してきました。では、これらの流れが完了するまでに必要な期間はどのくらいになるのかも確認しましょう。

【関連】事業譲渡のスキームごとのメリット・デメリット、注意点を解説【図あり】

8. 事業譲渡の手続きが完了するまでの期間

事業譲渡の手続きが完了するまでの期間

事業譲渡が完了するまでの手続き期間は、譲渡先の選定や会社の規模、譲渡する事業内容にもよりますが、早くても3カ月、長ければ6カ月から12カ月の期間を要します

買い手企業の選定期間や両社の交渉期間が長引くほど負担が大きくなり、成功率も下がってしまう傾向があります。信頼できるM&Aの専門家に依頼できるかどうかも重要なポイントとなるでしょう。

以下に効力発生日までの一般的なスケジュールと期間をご紹介します。
 

  売り手側 買い手側
6月 ・M&A仲介会社と契約
・譲渡資産の精査、スケジューリング
 
7月 ・譲受会社の選定・交渉 ・M&A仲介会社との打ち合わせ
・譲渡会社との交渉
8月 ・基本合意契約書の確認
・基本合意契約
・従業員、取引先への説明など
・基本合意契約書の確認
・基本合意契約
・譲渡会社のデューデリジェンス
9月 ・事業譲渡契約書の内容検討
・事業譲渡契約締結
・株主への通知・公告
・事業譲渡契約書の内容検討
・事業譲渡契約締結
・許認可の取得準備など
・株主への通知・公告
10月 ・株主総会開催
・引渡準備
・譲渡資産引渡
・株主総会開催
・譲渡対価の決済

あくまでも参考ですから、必ずしも素早く終えられるわけではありません。急ぎであれば、M&A仲介会社などの専門家に依頼するのをおすすめします。専門家は、知識や経験が豊富なのでスムーズに進められます。

費用はかかりますが、トラブルなども未然に防げることを考えると検討してみる価値はあるでしょう。

【関連】事業譲渡とは?会社譲渡との違いや手続きの流れをわかりやすく解説!

9. 事業譲渡にかかる消費税などの税金

事業譲渡にかかる消費税などの税金

ここまで事業譲渡の手続きやスケジュールを説明しましたが、戦略を立てるうえで知っておきたいのが税金です。

事業譲渡には大きな税金がかかります。

おおよその税金負担は、以下のとおりです。
 

  1. 個人が株式譲渡を行う場合:譲渡益に対して20.315%
  2. 法人が株式譲渡を行う場合:譲渡益に対して約30%

譲渡益は、譲り渡す資産と負債の差額です。譲渡益が1億円の場合、個人では約2,000万円、法人では約3,000万円もの税金を支払わなければいけません。

また個人の場合も法人の場合もこれに加え、売却代金から不動産などの資産を引いた額に対し10%の消費税がかかります。例えば課税対象の資産が1億円の場合、消費税の支払い額は1,000万円です。

「事業を売って得た利益は全て会社に入る」と考えるのではなく、事前に税金がどれくらいかかるのか計算しておくべきでしょう。事業譲渡の場合、税に関する特別な制度がなく節税は非常に困難です。

しかし税金がかかるのは純利益に対してですので、費用として会社内で不足している物資や機材を買うことで純利益を減らし、節税できます

ただし利益を減らそうと会計を不正に行うなど、必要以上に物資を買い込むとペナルティを受けるかもしれません。脱税や所得隠しなどを行った場合、信用を失うだけでなく加算税や延滞税など追加の税金が発生する可能性もあります。

課税額や節税に関して考えたい場合、税理士などの専門家に早い段階で相談しておくのが大切です。

事業譲渡の税金に関する留意点

事業譲渡の税金に関する留意点は、売り手側と買い手側によって違います。まず、売り手側は、譲渡の対価から譲渡対象の簿価純資産を引いたものから譲渡損益が計上されます。

前にも述べたとおり譲渡損益は、法人の場合はその他の所得と合算されるため、法人税課税の対象となります。買い手側の対象事業に関わる資産や負債は、個別に時価で受け入れます。

そして退職給付債務などに相当する負債を確認したうえ、事業譲渡の対価から事業にかかる時価純資産を引き、資産調整勘定または差額負債調整勘定として5年で均等償却します。

また、課税対象資産は消費税の課税対象です。しかし国内で行われる資産譲渡のうち、土地、有価証券などは非課税となります。

【関連】会社譲渡の税金まとめ!株式譲渡と事業譲渡どちらが節税対策になる?
【関連】事業譲渡で発生する営業権(のれん)の評価方法や税務面を解説!

10. 事業譲渡の手続きを行う際の注意点

事業譲渡の手続きを行う際の注意点

事業譲渡での注意点は以下の3つです。
 

  1. 競業避止義務がある
  2. 守秘義務は守る
  3. 債権者保護に関して知っておく

それぞれ解説します。

①競業避止義務がある

1つ目の注意点が、競業避止義務があることです。

競業避止義務とは、売り手は事業を譲渡した後に同じ事業を行わない契約です。すでにノウハウを持っている事業ですから、売却後に新しく始めることでライバル会社として頭角を現し、売却した事業の経営に悪影響をおよぼす危険があります。

このように、競業避止義務は事業譲渡手続き完了後の経営に大きく影響するケースが多くあるため、設けられています。したがって、競業避止義務は事業譲渡の条件に入れ、条件に入っている場合は守る必要があるのを覚えておきましょう。

②守秘義務は守る

2つ目の注意点は、守秘義務は守ることです。

事業譲渡でやり取りする情報の中には、外部に漏れてしまうと経営に打撃を与えるものも含まれます。ですから、秘密保持契約書などを用いて外部への情報漏えいを徹底的に守る必要があるのです。

また、信頼している従業員であっても、つい口走ってしまうことはありますから、伝えるタイミングには十分注意するべきでしょう。守秘義務、秘密保持契約は守って進めるようにしましょう。

③債権者保護を知っておく

3つ目が債権者保護に関してです。債権者保護を考慮せずに事業譲渡を進めると、トラブルになる場合があります。

事業譲渡では、債権者保護に関しては会社法で定められていません。債権者保護が必要となるのは、譲受会社に債務も引き継ぐ場合です。この場合は債権者保護の観点から、個々の債権者から承諾を得る必要があります。

しかし債権者保護手続きが必要ないからといって、債権者保護をしなくても良いのではありません

例えば事業譲渡価額が不当に安かった場合や、特定の債権者に返済する目的で事業譲渡を行った場合は、債権者保護の観点から、事業譲渡契約を取り消せます。

また、破産宣告を受ける前の譲渡会社が事業譲渡を行い、それによって債権者保護が行われなかった場合は、事業譲渡の効力を否認できるのです。

こうした効力を持つからこそ、債権者保護は検討しておくべきといえるでしょう。

11. 事業譲渡の手続きはM&A総合研究所にご相談を

事業譲渡の手続きはM&A総合研究所にご相談を

事業譲渡をスムーズに進めた場合は、M&A総合研究所へご相談ください。

事業譲渡は手続きが煩雑なので、時間がかかってしまうこともあります。また、財産を個別に選別するので、交渉が進みにくくなる場面もあるでしょう。事業譲渡をスムーズに進めるためには、M&Aの専門家の協力がおすすめです。

M&A総合研究所であれば、M&Aアドバイザーがトラブルを未然に防ぎスムーズな事業譲渡のアドバイス・サポートをいたします。また、M&A総合研究所では事前相談を無料で承っております。どうぞお気軽にお声かけください。

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12. 事業譲渡の手続きまとめ

事業譲渡の手続きまとめ

事業譲渡の手続きの流れ・スケジュールを紹介してきました。事業譲渡とは、事業の一部または全部を譲渡するM&A手法です。

事業譲渡によって、売り手は経営資源をコア事業に集中させ、組織再編や経営再建、事業承継に利用できます。また、買い手はスケールメリットを得られるうえに、新規事業を始めるのも可能です。

手続きの流れ・スケジュールは、3カ月~12カ月ほどの間で進みます。スケジュールは会社の規模や譲渡する事業の規模などによっても変わります。事業譲渡の際は、守秘義務や競業避止義務、債権者保護に注意する必要があります。

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