2020年10月12日更新
M&Aのよくある失敗パターン23選!成功するための対策も解説!

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。
M&Aは希望したら必ず成立するような取引ではないうえ、失敗に終わるケースもあり得ます。M&Aの中でも中小企業を対象とするM&Aの知見や経験は増えていくものと考えられます。この記事では、これまでにありがちだった失敗パターンと成功するための対策を紹介します。
1. M&Aとは?
M&Aとは「Mergers and Acquisitions」の略で、「企業の合併と吸収」を意味します。
広義的な意味でのM&Aは複数の企業が1つの目標に向けて協力すること一般を意味しますが、狭義的な意味でのM&Aは、複数の会社が一つになる合併やある会社が他の会社を買収する統合のみを意味します。よく使われるM&Aの意味は、狭義的な意味のM&Aです。
さらに中小企業のM&Aにおいては、狭義的な意味のM&Aのうちの、「株式譲渡」と「事業譲渡」の手法で行われることがほとんどです。
2. M&Aでよくある失敗パターン
M&Aでよくある失敗パターンをまとめました。23の失敗パターンを挙げましたので、1つずつ解説していきます。以下の23の失敗パターンを見てみましょう。
- M&Aアドバイザー選びを間違った
- M&Aの検討中に外部に漏れてしまった
- 情報開示が不十分で不当な評価を受けた
- M&Aを考えずに廃業を検討する
- M&Aがゴールと認識してしまう
- M&Aが進む中で大幅な業績悪化
- 債務をきちんと把握していなかった
- M&A進行中の対応が不誠実だった
- 条件がいろいろと変わってしまう
- 売り手側の準備不足
- ターゲット企業を間違っている
- 持ち込まれた話に乗ってしまう
- コンプライアンス違反を犯してしまう
- 勧められるままに専門分野外のM&Aを行う
- デューデリジェンス不足
- チェンジ・オブ・コントロール条項に違反してしまう
- 価格設定を間違っている
- シナジー効果を期待しすぎた
- 契約書が曖昧だった
- 株主の同意を得られなかった
- 統合プロセスが上手くいかなかった
- 買収先の従業員や取引先から反発を受けた
- 買収後も旧経営陣が運営し続けている
順番に確認していきましょう。
①M&Aアドバイザー選びを間違った
M&Aアドバイザー選びを間違うことで、M&Aや統合プロセスの失敗につながってしまうパターンがあります。M&Aアドバイザーといっても、仲介会社などによって特性があるものです。
相談から統合プロセスまで面倒を見てくれるのはM&A仲介会社のアドバイザーでしょう。なぜなら、金融機関はM&Aによって発生する費用の融資を行うことが1番の目的だからです。また、弁護士などの士業は専門分野内のことなら任せられますが、それ以外のことは他の士業との連携をしなければなりません。
M&Aアドバイザーを選ぶときはM&Aの経験・実績や業界に精通しているかなどもチェックしましょう。
②M&Aの検討中に外部に漏れてしまった
M&Aの検討中に、M&Aを検討していることが外部に漏れてしまい失敗に終わるパターンがあります。というのも、「M&Aを検討している」ということ自体マイナスなイメージをもたれることが多いからです。
例えば、取引先の会社は「買収されるのは経営が傾いているからだ。このまま取引を続けて大丈夫だろうか?」と不安に感じます。また、社員も「このまま働き続けていると倒産するかもしれない」と離職するかもしれません。
M&Aを行うことはキーパーソンのみで検討し、一部の人以外に情報漏洩しないよう細心の注意を払いましょう。また、相手企業や相談先のM&Aアドバイザーからも情報が漏れないよう秘密保持契約を結んでおくと安心です。
③情報開示が不十分で不当な評価を受けた
不当な評価を受けてM&Aが成立しないといったパターンがあります。買い手は売り手の情報を元に会社の評価を行うため、情報は包み隠さず全て公開するべきです。
評価が下がることを恐れて不都合な部分を隠したくなるかもしれません。しかし、良いところも悪いところも隠さずに提示することで、正しく適正な評価をしてもらえます。
また、簿外債務や給料未払いなどがあるのに「ない」と虚偽の回答をしても、M&A成立後必ず明らかになります。そのとき虚偽の情報を提示したとして裁判に発展するかもしれません。
このようなトラブルを避けるためにも虚偽・隠蔽はせず、包み隠さず会社の情報を公開しましょう。
④M&Aを考えずに廃業を検討する
M&Aを考えずに廃業を検討する会社があります。2019年3月の事業構想によると、日本の中小企業・小規模事業者の経営者の120万人が後継者未定となっています。しかし、親族や従業員に後継者としてふさわしい人物がいなくてもM&Aをすれば事業を継続できます。
以前はM&Aというと大企業同士が行うものでした。ですが、現在は事業承継問題を解決するためにM&Aを実施する中小企業は増えています。
廃業をしてしまうと従業員や取引先に迷惑をかけてしまいます。廃業することを前提とするのではなく、事業継続するための選択をするべきです。
M&Aという選択肢があることを知って、具体的に検討することをおすすめします。
⑤M&Aがゴールと認識してしまう
M&Aの成立がゴールだと認識していると失敗に終わります。なぜなら、M&Aは1つの過程にしか過ぎないからです。
M&Aの目的は企業によってさまざまですが、M&Aには必ず目的があります。「エリア拡大をしたい」「製品ラインナップを増やしたい」「販売チャネルを増やしたい」などのシナジー効果を発揮させる必要があります。シナジー効果発揮のためには、必ず統合作業をしなければなりません。
統合作業とは売り手企業と買い手企業が1つの組織となって営利活動をしていくために不可欠な作業です。M&A成立自体をゴールと捉えず、M&Aの目的を達成させるために注力しましょう。
M&A成立後のPMI
PMIは、M&Aが成立した後の統合効果を最大限にする統合プロセスで、スムーズな統合になくてはならない過程になります。
伝達方法、報酬制度、人員配置や情報伝達の仕組み、ITシステムなどの統合をPMIで行います。他にもいろいろと行うことがあるので、優れた人材がPMI計画に携わりましょう。
⑥M&Aが進む中で大幅な業績悪化
M&Aを検討している中、大幅な業績悪化に陥り失敗してしまうパターンがあります。急激な環境の変化や経済危機などが起こった場合は、経営者の責任ではありません。
しかし、中には経営者がM&Aに労力と時間を割いてしまったがために本業の業績が悪化してしまうこともあります。本業である経営を疎かにしてしまうと、重要な課題に気づけず業績悪化につながってしまうこともあるのです。
最悪の場合、会社に稼ぐ能力がないと判断され当初よりも売却価格が下がる恐れもあります。このような事態に陥らないためにも、M&Aアドバイザーなどの専門家のサポートは不可欠です。
M&Aに関することはM&Aアドバイザーに一任し、本業に割く労力や時間を十分に残しておくようにしましょう。
⑦債務をきちんと把握していなかった
M&Aを実行するにあたって自社の持つ債務を認識していなかった場合、M&Aは失敗に終わるでしょう。交渉段階やM&Aの条件が決まったあとで簿外債務が次々と発覚すると会社の信用が下がってしまいます。
自社の債務を認識できていないことは、自社の内部をしっかり理解できていないということです。もしかするとまだ簿外債務が見つかるかもしれません。
こうなると相手企業は「この経営者は信用できない」と思っても仕方ありません。M&Aを失敗させないためにも、M&Aの検討を具体的に進める前に自社の内部事情をよく認識しておくべきです。
自社の債務を認識し、正確な情報を相手企業に伝えましょう。
⑧M&A進行中の対応が不誠実だった
M&Aを進める中で、対応が不誠実だと失敗してしまいます。というのも、M&Aにおいて経営者同士の信頼関係は大事だからです。
M&Aを実施することは、売り手にとっても買い手にとっても社運をかけた一大事です。そのため、相手選びには慎重になります。
そのような中、交渉や情報のやり取りで不誠実な対応を取られると「取引したくない」と思われても仕方ありません。例えば、条件を簡単に変えたり、情報を後出ししたりすると不誠実だと思われるでしょう。
また、自社の意見を一方的に押し付けるのも印象が悪いです。互いの意見を尊重し、両社にとって最善な結果が出るよう努力をするようにしましょう。
⑨条件がいろいろと変わってしまう
相手に要求する条件をすぐに変えてしまった結果、失敗するパターンもあります。買い手側と売り手側の希望する条件が異なることは当然のことです。お互いが自社の利益を守るために主張をするからです。
しかし、一度出した条件を「やっぱりこうしてほしい」と変更すると不信感を抱かせてしまいます。合理的で納得のいく理由がない限り、一度提示した条件から変更することはやめておくべきです。
M&Aは互いが経営における課題を解決するために行う手段です。どちらかだけが損をしたり得をしたりするのであればM&Aは成立しません。お互いが納得いく条件を見つけ、どちらも「やってよかった」と思えるM&Aを目指しましょう。
⑩売り手側の準備不足
売り手側の準備不足によってM&Aが失敗するパターンがあります。例えば、株式譲渡をしたいにも関わらず株主の整備ができていないなどが挙げられます。
50%以上の株を買い手に譲渡したいのに株主が多過ぎて買取ができない、株主が売却を拒否するなどです。このような状態であれば株式譲渡を実現できません。
また、株式譲渡ができたとしても、経営が買い手に移ってから株式の実態がわからなくなってしまいます。交渉がある程度進んだ段階で株式の整備不足が発覚すると会社の信用が問われます。
M&Aの検討を始めた段階で、株式の整備を行って株式譲渡をする準備を始めておきましょう。
⑪ターゲット企業を間違っている
ターゲット企業を間違ってM&Aを成立したことで失敗するパターンがあります。M&Aの本来の目的を忘れ、目先の利益に目がくらむときに起きがちです。
たとえば、「従業員や取引先に迷惑をかけずに事業継続させたい」という目的でM&Aを検討していたにも関わらず「譲渡価格が高い相手先を選んでしまう」といったケースが挙げられます。本来であれば、経営者の考え方や経営理念をしっかり確認し自社を守ってくれるかを判断したうえで相手企業を決めるべきです。
そのため、候補先のイメージや条件は、M&Aを検討した段階である程度絞っておくようにしましょう。本来のM&Aの目的が達成される相手企業を選ぶことが大切です。
⑫持ち込まれた話に乗ってしまう
持ち込まれた話に乗ってしまったばかりにM&Aを失敗させてしまうことがあります。本来、M&Aは自社の経営理念や事業計画に乗っ取って実行を決めていくものです。
しかし、金融機関などからM&Aの話を持ち込まれ、「なんとなく会社にとって良さそうだ」というだけで実行すると失敗してしまうでしょう。持ち込まれた話であっても、この会社とM&Aをすればどのようなシナジー効果が見込めるのかしっかりと見極めなければなりません。
検討が不十分なまま同業者の候補先とM&Aをしてしまうと、ただコストがかかってしまうだけになるでしょう。他の企業とM&Aをした場合の効果を比較し、検討して行うことも大切です。
⑬コンプライアンス違反を犯してしまう
コンプライアンス違反を犯してしまうと、M&Aの失敗につながります。コンプライアンスとは、日本語でいうと法令遵守という意味です。
つまり、法律や規則を守って経営を行うことをさします。現在の企業活動においてコンプライアンスを疎かにしてはいけません。
なぜなら、コンプライアンス違反を犯すと、訴訟や行政処分などの対象となってしまうからです。そのため、M&Aの話がまとまっていてもコンプライアンス違反をすると破談になってしまいます。
というのも、コンプライアンス違反によって倒産する企業も多く、経営リスクになりかねないからです。パワハラやサービス残業もコンプライアンス違反に該当する可能性があるため、十分に気をつけましょう。
⑭勧められるままに専門分野外のM&Aを行う
勧められるがままに専門分野外のM&Aを行うことで、失敗に終わるパターンもあります。もちろん、専門分野外のM&Aが悪いわけではありません。
しかし、全くノウハウのない事業を運営することは難しいです。そのため、M&Aを実行する前に十分検討しなければ成功させることは困難でしょう。
もともとの主力事業にまで影響をおよぼす可能性もあります。専門分野外の事業をM&Aするときには、どのようなシナジー効果があるのか、どのように経営していくべきかを検討し、準備しておくことが重要です。
勧められるがままに専門分野外のM&Aを行ってしまい、投資費用だけがかかってしまったということにならないよう、十分検討をしましょう。
⑮デューデリジェンス不足
デューデリジェンス不足が原因でM&Aが失敗することもあります。デューデリジェンスとは、M&A成立前に買い手が詳細に売り手の企業調査を行うことです。
これは、売り手企業の実態を明らかにすることが目的です。しかし、十分に調査しきれないままM&Aを成立させてしまう企業も少なくなりません。
なぜなら、あらゆる側面から調査しなければならないため複数の専門家を雇う必要があるからです。膨大な費用がかかるからと最小限に抑えてしまうと、本来見つけなければならないリスクや課題を見逃しかねません。
その結果、M&A成立後に問題点が発覚し、見据えていた成果を得ることができなくなってしまうのです。
⑯チェンジ・オブ・コントロール条項に違反してしまう
チェンジ・オブ・コントロール条項に違反することでM&Aが失敗に終わることがあります。チェンジ・オブ・コントロール条項とは、商取引契約書などにおいて、契約当事者に支配権の変更があったときの扱いを定めた条項のことです。
具体的には、取引先と交わしている契約に解除する理由ができたときに契約相手に対して通知・承諾を得なければならないと定めています。M&Aをして会社や事業の経営権を手に入れたものの主要取引先や仕入れ先との契約が切れてしまうと、経営に大きな影響をおよぼしてしまいます。
チェンジ・オブ・コントロール条項に違反してしまうと失敗してしまうため、注意しましょう。
⑰価格設定を間違っている
M&Aにおいて売却(買収)価格が適正でなければ、M&Aが失敗に終わってしまいます。まず、売り手側は自社を過大評価しがちです。
そのため、相場よりも高い価格で売却したいがゆえに、買い手がなかなか見つかりません。買い手が見つかっても譲渡価格を1円でも高くしようと交渉すると、破談してしまう恐れもあります。
一方、買い手はできるだけ低い価格で買収したいと考えるものです。しかし、実際は低い価格で買収できる会社には中止しなければなりません。
なぜなら、市場価値がないものを買うことと同義だからです。また、十分に企業評価をせずにいい値で買収してしまうと、シナジー効果以上に経費をかけたことになります。売り手・買い手とも妥当性のある適切な価格設定をし、交渉をするよう心がけましょう。
⑱シナジー効果を期待しすぎた
シナジー効果を期待し過ぎた結果、M&Aが失敗に終わるパターンもあります。例えば、関東エリアで活動しているA社が関西エリアで活動している同業のB社を買収したケースです。
A社は規模の小さいB社でも1〜2年程度でA社と同じ規模の売り上げを達成できると考えていたとします。しかし、関西の市場調査を十分に行わないままシナジー効果を予測してしまったため、何年経ってもB社は今以上の規模にならなかったのです。
M&A成立段階では未来のことは誰も予測できません。しかし、市場調査やその会社の力をできるだけ分析することでシナジー効果の予測を予めしておくべきです。
それを怠ってしまうと、シナジー効果以上の投資をしてしまうことになります。
⑲契約書が曖昧だった
契約書が曖昧だったことで、M&Aが失敗するパターンもあります。売り手・買い手ともに、契約書は入念に作成しなければなりません。
特に事業譲渡の場合は、何を譲渡するのかが第三者でもわかるように記載しなければ、「A不動産は譲渡対象だ」「譲渡対象ではない」と後々トラブルに発展します。他にも、条件については第三者が読んでもわかるように記載をしておくべきです。
万が一、裁判に発展した場合、判決は契約書に基づいて判断されます。自社を守るためにも、曖昧な契約書を取り交わさないように注意しましょう。
また、内容によっては契約書自体が無効になることもあります。M&Aアドバイザーや弁護士などの専門家にリーガルチェックを受け、問題のない状態で契約書を取り交わしましょう。
⑳株主の同意を得られなかった
株主の同意を得られず、M&Aが失敗に終わることも珍しくありません。経営者が会社の株を100%持っているなら心配ありませんが、M&Aを成立させるためには他の株主の同意が必要です。
とくに、非上場企業であれば株主全員の承諾をあらかじめ得ておくべきといえます。もし、株主全員の同意が得られなければ、M&Aを実行することは非常に困難です。
もちろん、100%の株を譲渡しなくても経営権を買い手に移動させることは可能です。しかし、M&Aに反対した株主は今後買い手経営者にとって邪魔な存在となるでしょう。
なぜなら、買い手経営者の意向に沿わない意見をいう可能性が高いからです。円満なM&Aを実行するためにも、株主全員の承諾を事前に得ておきましょう。
㉑統合プロセスが上手くいかなかった
統合プロセスが上手くいかなかった場合、そのM&Aは失敗といえます。統合プロセスとは、買収後に売り手企業の従業員に働きやすい環境を提供して2社を融合させることです。
具体的には、社内のシステムや人事を統合させるだけでなく、買い手企業の社風や企業文化も統合させていきます。統合プロセスを早々に終わらせなければ、なかなかM&Aで期待したシナジー効果を発揮できません。
そのため、統合プロセスに向けてM&A成立後からしっかり計画を立て、実施していくことが大切です。M&Aの成立はもちろん大切ですが、そのあとの統合プロセスをないがしろにすると、ただ2つの企業が合体しただけとなります。
シナジー効果を得るためにも、計画的に統合プロセスを実行しましょう。
㉒買収先の従業員や取引先から反発を受けた
買収先の従業員や取引先から反発を受けることで、M&Aが失敗するパターンもあります。競合会社に買収されるとなると心理的に不安になる従業員がいてもおかしくありません。
今の会社・ブランドだからこそ働いているという従業員も多いでしょう。また、取引先から「特定の買い手企業との取引になるのであれば契約を打ち切りたい」といわれる可能性もあります。
これらは買い手企業の社会的イメージや今までの振る舞いが起因しています。M&A実施後、従業員が離職してしまったり取引先との契約がなくなったりする恐れもあるのです。
この場合、事業が上手くいかず、シナジー効果も発揮できないという結果になるでしょう。
㉓買収後も旧経営陣が運営し続けている
買収後も旧経営陣が運営を続けることで、M&Aが失敗することもあります。実際に、引き継ぎのため旧経営陣が買収した事業や会社を運営するケースは多いです。
もちろん、このとき役員報酬などの対価を支払います。すべて納得のうえで業務に当たってもらえるのであれば、問題ありません。
しかし、本音では「はやく引退したい」「インセンティブが少ない」と感じている可能性もあります。すでに経営へのモチベーションが低くなっているのであれば、会社や事業の運営も上手くいかなくなります。
なすがままに経営を行っている状況に陥らないよう、十分なインセンティブを条件に引き継ぎをお願いしましょう。拘束時間をできるだけ短くし、モチベーションを維持させることが大切です。
M&Aで失敗しないためには専門家に依頼
M&Aで失敗しないためには、M&Aの専門家に依頼をすることが大切です。M&Aで失敗しているほとんどのパターンが、自社内で完結しようとしていることにあります。もちろん、M&A仲介会社選びに失敗するとM&Aも失敗してしまいますが、M&Aの専門家に相談しないことも、M&Aを失敗してしまう原因です。
M&A総合研究所であれば、M&Aに精通したM&Aアドバイザーが案件をフルサポートいたします。料金体系は完全成功報酬制となっておりますので、M&Aが成立しなければ一切の費用は発生しません。
まずは、無料相談からお気軽にお問い合わせください。
3. M&Aの成功率はわずか2割
実は、日本でのM&Aの件数は増えているものの、日本経済新聞の記事によると、日本企業の海外買収の成功率は1〜2割程度、海外企業同士の場合も5割程度なのです。
そもそも何を持ってM&Aが成功したといえるかは企業によって大きく異なります。「M&Aを実行した目的を達成させること=M&Aに成功」というのであれば、計画的に準備を行い実践することでM&Aを成功に導くことができるでしょう。
実際、現在M&Aは増加しています。失敗を恐れてM&Aを行わないのはもったいないことです。M&Aを実施することで会社を急激に成長させている会社もたくさんあります。
今回紹介したM&Aの失敗パターンをよく理解し、対策を練ることでM&Aの成功率を高めることが可能です。次の章でM&Aで失敗しないための対策を確認していきましょう。
M&Aの成功事例については、下記の記事で詳しく解説しています。成功のパターンも参考にして、自社のM&Aを成功させましょう。
4. M&Aで失敗をしない!成功するための10の対策
23個の失敗例と裏表の関係ですが、どのようにすればM&Aが成功できるのか、そのポイントを見ていきます。ポイントは10個あります。
- 専門分野で行う
- 戦略的に行う
- デューデリジェンスを徹底する
- 買収金額に注意する
- 交渉も丁寧にする
- 買収先の従業員との関係性を築く
- 買収先の企業理念も大切にする
- 統合プロセスも計画的に行う
- 情報開示をきちんと行う
- M&Aアドバイザーに依頼する
1つずつ確認し、自社のM&Aを成功させましょう。
①専門分野で行う
M&Aで失敗しないためには、専門分野内のM&Aを実施しましょう。なぜなら、専門分野外の事業や会社を経営することはとても難しいからです。
専門分野外の分野に進出するのであれば、事前にマーケティング調査をしてどのように事業を伸ばしていくか戦略を立てる必要があります。
当然、M&A実施後の計画が綿密に練れているのであれば、十分にシナジー効果を発揮してくれる可能性はあります。
②戦略的に行う
M&Aは戦略的に行わなければ失敗します。というのも、M&Aはあくまでも何かを達成させるための経営手段だからです。
M&Aを検討する時点で何のために行うのかといった軸をしっかりと定めておく必要があります。例えば、エリア拡大、技術力や特許の獲得、新規事業進出などが挙げられます。
M&Aの目的をはっきりさせれば相手企業選びや条件の優先順位を間違えることはないでしょう。
③デューデリジェンスを徹底する
デューデリジェンスの徹底を行うことで、M&Aの成功は近づきます。というのも、デューデリジェンスを徹底すればM&Aで発生するリスクや課題の洗い出しができるからです。
事前にリスクや課題がわかっていれば、買い手は十分な対策を考えることができます。また、適正価格で交渉することも可能です。
費用や労力などのコストはかかりますが、デューデリジェンスを怠らないよう注意しましょう。
④買収金額に注意する
M&Aを成功させるために、買収金額には注意しましょう。M&Aにおいて買収価格はとても重要です。
適正な価格で買収しなければシナジー効果を発揮できず投資に見合った結果が出なかったり、売り手との交渉で破談したりする要因となります。
M&Aには、妥当性のあると考えられる価格の参集方法があります。必ず、専門家に頼り適正価格で買収するようにしましょう。
多くのM&A仲介会社では企業価値算定を無料で行ってくれるので、活用するのも手です。
⑤交渉も丁寧にする
M&Aにおける交渉は丁寧に誠実な態度で行いましょう。誠実な経営者でなければ、手を組みたくないと見限られてしまいます。
特に、中小企業の経営者は自社を愛している人が多いです。従業員や取引先などに迷惑をかけるかもしれないと判断されるとM&Aは成立しないでしょう。
また、M&A成立後も、売り手企業の従業員や取引先の協力がなければシナジー効果を生み出すことは難しいです。多くの人から信頼を得るためにも、丁寧で誠実な態度で接しましょう。
⑥買収先の従業員との関係性を築く
買収先の従業員との関係性をしっかり築いていきましょう。M&Aが成立した時点では、経営者との信頼関係は築けているといえます。
しかし、従業員がM&Aに不安を抱き反対しているケースは少なくありません。実際に事業を動かすのは従業員なので、従業員のモチベーションを高めることにも気を配るべきです。
「この経営者に付いていきたい」と思ってもらえるように、関係性をしっかり築いていきましょう。
⑦買収先の企業理念も大切にする
買収先の企業理念や社風も大切にしましょう。買い手の企業理念や社風を浸透させることはシナジー効果を発揮するうえで大切なことです。
しかし、押し付けてしまうと従業員から反発が出てくるでしょう。全く別の組織である2つの会社が同じ組織として活動するには時間がかかるものです。
どのように浸透させるか十分に計画を練って実行していきましょう。また、M&A成立前から経営者から企業理念や社風を聞いておき、同じ組織としてやっていくかを判断することも大切です。
⑧統合プロセスも計画的に行う
統合プロセスを計画的に行うことは、M&A成功への近道といっても過言ではありません。計画なしに無理やり2社を統合させようとしても売り手側の従業員を混乱させるだけです。
モチベーションが下がり、「こんな経営者のもとでは働けない」と離職の原因を作ってしまうかもしれません。統合プロセスは、2社の経営者やキーパーソンを交えて100日計画を立てることをおすすめします。
研修やグループワークを行うなど、最善の方法を探りましょう。
⑨情報開示をきちんと行う
両社とも、M&A成立前に情報開示をしっかり行いましょう。とくに、売り手企業は自社を高く売りたい一心で相手によく見せようとします。
しかし、正しい情報を伝えなければ後々トラブルを引き起こしかねません。都合の悪い情報を隠したり、誤った情報を伝えたりすると、後で発覚した場合に裁判になる可能性があります。
買い手は十分なデューデリジェンスをする一方で、売り手は誠実に情報開示をするようにしましょう。
⑩M&Aアドバイザーに依頼する
M&Aを成功させたいのであれば、必ずM&Aアドバイザーに業務の依頼をしましょう。M&Aアドバイザーとは、M&Aを総合的にサポート・コンサルティングしてくれる存在です。
基本的な知識はもちろん、業界知識も持っているため市場に最適な相手先を紹介してくれたり交渉のアドバイスを行ったりしてくれます。ただし、M&Aアドバイザーによって成功・失敗は左右されるため、実績の多いM&Aアドバイザーを選ぶようにしましょう。
また、複数のM&Aアドバイザーに相談し、1番誠実な対応をしてくれる人を選ぶことで成功を引き寄せます。
M&A総合研究所には、M&Aに詳しいM&Aアドバイザーが在籍しており、M&Aをフルサポートいたします。着手金・中間金無料の完全成功報酬を採用しているので、M&Aが成立するまで費用は一切発生しません。
まずはお気軽に、M&A総合研究所の無料相談をご利用ください。
5. M&Aで失敗をしないアドバイザー・仲介会社の選び方
アドバイザー・仲介会社を選ぶのに、客観的にこれといった決め手はありません。だからこそ、アドバイザー選びで失敗しないためには、複数のM&Aアドバイザーに相談して選ぶことが必要です。
ただし、良いアドバイザーに挙げられる特徴はいくつかありますので、参考までに以下に記します。
- 実績が豊富である
- 担当者が話しやすい
- 対応が早い
- 料金体系が明確で安い
- 専門性が高い(業種、会社規模など)
これらのポイントをしっかりチェックし、M&Aを成功させるために優秀なM&Aアドバイザーに依頼をしましょう。
6. まとめ
M&Aの23の失敗パターンをご紹介しました。このような失敗をしないためにも、M&Aを行う際には以下の10のポイントを押さえておきましょう。
- 専門分野で行う
- 戦略的に行う
- デューデリジェンスを徹底する
- 買収金額に注意する
- 交渉も丁寧にする
- 買収先の従業員との関係性を築く
- 買収先の企業理念も大切にする
- 統合プロセスも計画的に行う
- 情報開示をきちんと行う
- M&Aアドバイザーに依頼する
特に、M&Aを検討し始めたら、早い段階でM&Aアドバイザーに相談することをおすすめします。そうすることで、スケジュール立てやM&A戦略を一緒に作ることが可能です。
M&A仲介会社は複数に相談して決めることが大事ですが、頼れるM&A仲介会社がいない方は、ぜひM&A総合研究所にお任せください。
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