M&Aのよくある失敗パターン23選!成功するための対策も解説!

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

M&Aは希望したら必ず成立するような取引ではないうえ、失敗に終わるケースもあり得ます。M&Aの中でも中小企業を対象とするM&Aの知見や経験は、まだまだ大きく増えていくものと考えられますが、これまでによくありがちだった失敗パターンと成功するための対策を挙げます。

目次

  1. M&Aとは?
  2. M&Aでよくある失敗パターン
  3. M&Aの成功率はわずか2割
  4. M&Aで失敗をしない!成功の10つの対策
  5. M&Aで失敗をしないアドバイザー・仲介会社の選び方
  6. まとめ
  • 今すぐ買収ニーズを登録する
  • 公認会計士がM&Aをフルサポート まずは無料相談

1. M&Aとは?

M&Aとは?

M&Aとは「Mergers and Acquisitions」の略で、「企業の合併と吸収」を意味します

さらに詳しくは、広義的な意味でのM&Aは複数の企業が一つの目標に向けて協力すること一般を意味しますが、狭義的な意味でのM&Aは、複数の会社が一つになる合併やある会社が他の会社を買収する統合のみを意味します。よく使われるM&Aの意味は、狭義的な意味のM&Aです。

さらに中小企業のM&Aにおいては、狭義的な意味のM&Aのうちの、「株式譲渡」と「事業譲渡」の手法で行われることが9割以上です。

M&Aについては、『【関連】エムアンドエー(M&A)とは?意味を解説!』で詳しく解説しています。参考にしてください。

2. M&Aでよくある失敗パターン

M&Aでよくある失敗パターン

M&Aでよくある失敗パターンをまとめました。23の失敗パターンを挙げましたので、一つずつ解説していきます。以下の23の失敗パターンを見てみましょう。

  • 失敗パターン①M&Aアドバイザー選びを間違った
  • 失敗パターン②M&Aの検討中に外部に漏れてしまった
  • 失敗パターン③情報開示が不十分で不当な評価を受けた
  • 失敗パターン④M&Aを考えずに廃業を検討する
  • 失敗パターン⑤M&Aがゴールと認識してしまう
  • 失敗パターン⑥M&Aが進む中で大幅な業績悪化
  • 失敗パターン⑦債務をきちんと把握していなかった
  • 失敗パターン⑧M&A進行中の対応が不誠実だった
  • 失敗パターン⑨条件がコロコロと変わってしまう
  • 失敗パターン⑩売り手側の準備不足
  • 失敗パターン⑪ターゲット企業を間違っている
  • 失敗パターン⑫持ち込まれた話に乗ってしまう
  • 失敗パターン⑬コンプライアンス違反を犯してしまう
  • 失敗パターン⑭勧められるままに専門分野外のM&Aを行う
  • 失敗パターン⑮デューデリジェンス不足
  • 失敗パターン⑯チェンジ・オブ・コントロール条項に違反してしまう
  • 失敗パターン⑰価格設定を間違っている
  • 失敗パターン⑱シナジー効果を期待しすぎた
  • 失敗パターン⑲契約書が曖昧だった
  • 失敗パターン⑳株主の同意を得られなかった
  • 失敗パターン㉑統合プロセスが上手く行かなかった
  • 失敗パターン㉒買収先の従業員や取引先から反発を受けた
  • 失敗パターン㉓買収後も旧経営陣が運営し続けている

順番に確認していきましょう。

失敗パターン①M&Aアドバイザー選びを間違った

M&Aを行うには、M&A仲介会社やFA(フィナンシャル・アドバイザリー)などのアドバイザーの援助が必要不可欠ですが、ここを間違うとM&Aの進行から相手先選び、またその後の統合プロセスにまでなし崩し的に失敗につながります

ある意味、M&Aアドバイザーを選ぶことは、M&Aをするにあたっては最も重要な部分と考えておいて間違いありません。

今ではM&Aの社会的必要性から、小規模から上場企業までM&A専門会社はたくさん存在します。しかし中には、さほどM&Aに詳しくないのにM&Aアドバイザーを名乗る会社や人物もいることは確かです。

1人のM&Aアドバイザーとしか面談しなかったり、単に費用面だけでM&Aアドバイザーを選んでしまった場合などに、この失敗は起こり得ます。

失敗パターン②M&Aの検討中に外部に漏れてしまった

M&Aをうまく成功させるためには、情報漏洩にも最大限の注意を払う必要がありますが、ここをおろそかにしたための失敗があります。

特に問題となってくるのが、売り手側です。売り手においてM&Aの検討段階で従業員などに情報が漏れてしまうのはとても危険です。信用不安を与え、それぞれの従業員がどういう行動に出るか予測がつきません。最悪の場合は貴重な人材が流出し、一気に破綻まで追いやられる可能性もあります。そうなってはM&Aも何もありません。

また買い手側も、特に売り手側の候補先の情報管理にはシビアにならなければいけません。万が一それが漏れたら売り手側に取り返しのつかない損害を与える可能性があります。またM&Aアドバイザーからの信用も一気になくなりますので、以降はサポートをお願いすることが不可能となります。

失敗パターン③情報開示が不十分で不当な評価を受けた

人も会社も、自分の弱いところや欠点はあまり見せたがらないものですが、売り手側か買い手側かを問わず、M&Aの交渉においてはそれはリスクにしかなりません。

どんな会社でも、一つや二つ、あるいはもっと多くの欠点や弱みを持っているものです。特に売り手側がそれを出し惜しみし、また相手が欲しがる情報を出さなかったことによって、買い手側から不当な評価をされて折り合いがつかず、交渉が打ち切りとなったことによる失敗があります。

隠しているよりは、オープンにして買い手側の対応に期待していたほうが得策です。買い手側が、その弱みや欠点の解決策まで提示してくれることは、まったく珍しい話ではないからです。

またそもそも、弱いところや欠点を隠したままM&Aが実行されたところで、後々で明らかになってしまうのは目に見えています。隠したことによって損害が出た場合などは、訴訟や刑事事件にまでなってしまう可能性があります。

失敗パターン④M&Aを考えずに廃業を検討する

そもそもM&Aをしていないので、これは失敗パターンには入らないかもしれませんが、ただ廃業のみを検討することは、M&Aができれば解決したであろうすべての可能性をどぶに捨てるのと同じことです。

廃業は、経営者本人に会社の借入金を完済する必要が生じたりと、経営者に多額の出費と負担を与えます。また、取引先や従業員にも多大な影響を及ぼします

今やM&Aは、後継者不足による事業承継問題を解決する良い方法としての、社会的認知が広がっています。廃業とは天と地ほどのメリットの違いがありますので、廃業ありきの方針は避けるべきです。

失敗パターン⑤M&Aがゴールと認識してしまう

影響力の大きな大手企業の場合に見られるのが、M&AのゴールがM&Aの成立になってしまうことです。

これが起こる理由にありがちなのが、「外部の投資家にM&Aをやると宣言してしまった」「ライバル他社がどんどんM&Aで規模拡大をしている」などという状況から、なりふり構わずM&Aに突っ走ったことです。

そもそも、M&Aは無数にある戦略オプションの中の一つです。また、M&Aは相手選びと成立後の統合がうまくできるか、またそれによってシナジー効果が発揮できるかによって成否が決まります。決して、M&Aの成立がゴールではありません。

失敗パターン⑥M&Aが進む中で大幅な業績悪化

M&Aの成約までには、交渉から成約まで一般的には3ヶ月~12ヶ月はかかります。急な経済危機などが起こった場合は、必ずしも当事者の努力だけではどうにもならないことがありますが、ありがちなのがこの交渉から成約までの間に業績が悪化してしまうことです。

経済危機などの場合は諦めるしかないこともありますが、最もやってはいけないのは、経営者がM&Aに力と時間を割きすぎてしまい、本職の経営が疎かになった結果の業績悪化です。それを避けるためには、M&A仲介会社やアドバイザーを活用することが大事です。

売り手側が顧客や取引先を大きく失ったりしたら、その企業をM&Aで買収するメリットも大きく減ります。また、買い手側も業績が悪化したら、買収資金をねん出する余力はなくなってしまう可能性があります。

失敗パターン⑦債務をきちんと把握していなかった

帳簿上に載っている債務はきちんと管理されているものをM&Aの交渉時に提示すれば良いですが、注意が必要なのは簿外債務です。簿外債務とは、貸借対照表に記載されていない債務のことで、ありがちなのが関連会社の債務保証です。関連会社が多く、中でも業績の悪い関連会社を抱えている場合には注意が必要です。

その他、製造業や商社に多いですが、外国との取引を行っている会社の場合はデリバティブの簿外債務があることが多いです。

簿外債務において最も良くないのは、交渉段階、もしくはM&Aがまとまってから簿外債務が次々と発覚することです。悪意が無かったとしても、そもそも簿外債務をしっかり把握していない時点で、リスク管理の観点から会社の信用度が大きく損なわれます。買い手側にしてみれば、普通はそのような会社を買収することに躊躇します。

失敗パターン⑧M&A進行中の対応が不誠実だった

買い手側と売り手側の双方に当てはまることですが、交渉や情報のやり取りで不誠実な対応は取るべきではありません

売り手側の不誠実な対応としてありがちなのは、希望条件が満たされないことがわかって、情報の提供を渋ったり、急な条件変更を持ちかけたりすることです。売り手側としてはしっかりと意見を言うべきですし、断るべきことは断らないと、タイミングが大事なM&Aにおいて次に進むことは出来ません。

一方で買い手側にありがちなのは、引き継ぐ資産や事業、従業員などの扱い方で不誠実になってしまうことです。いざ買収したとしても、不誠実な対応によって資産の引継ぎがスムーズに行われず、また従業員の積極的な協力もなければ、シナジー効果は期待できず、M&Aは失敗に終わります

失敗パターン⑨条件がコロコロと変わってしまう

M&Aにおいては、最初は買い手側と売り手側の希望条件が異なるのは当たり前ですが、交渉や情報の開示を繰り返して徐々に一致点を見つけていきます。この過程で避けるべきは、一度出した条件をコロコロ変えてしまうことです。

仮に条件を変えたい場合でも、きちんと合理的な理由があることを説明すべきです。単に「日銀の発表で景気が悪くなる見通しだから譲渡価格を下げて欲しい(買い手)」みたいな理由は、合理的な理由にはなり得ません。

相手の条件がコロコロ変わるようなことを繰り返すと、それを伝えられた側は何を返答してよいのか分からなくなる疑心暗鬼になります。それではM&Aという大きな交渉ごとにおいて十分な検討ができませんから、M&Aが失敗に終わる可能性が高くなります

失敗パターン⑩売り手側の準備不足

中小企業においてありがちなのが、株式の整備不足です。株券と株主に関する情報が記録されておらず、経営者が記憶しているだけの状態となっている場合です。

このような状態では、経営が移った時に株式の実態が分からなくなってしまいますし、そもそも交渉が進んだ段階でそんなことが発覚したら、それは誤った情報を元に交渉していたわけですから、会社の信用度に疑問が生じます。最悪の場合、いくら良い話し合いが進んでいても、M&Aが頓挫する失敗に終わります。

また、議事録についても同様です。株主総会議事録や取締役会議事録を整備していない企業は、役員登記の手続きを正規に行っていない可能性があります。こちらも未整備というだけで、信用度を落としかねません。

失敗パターン⑪ターゲット企業を間違っている

売り手側・買い手側双方に言えることですが、候補先のイメージや条件は、特に最初の方は可能な限り絞ったほうが良いと言えます。幅広く検討していて、ターゲット企業、あるいはその像を間違った方向で考えていたまま進めて、M&Aを実行してしまったことによる失敗が見られます

「あまり絞ってしまうとM&Aができないのでは」という意見も出てきますが、間違った相手とM&Aをして失敗してしまうことの代償よりは、M&Aができないことによる代償のほうが小さいです。また中小企業は、そもそもあまり幅広く検討する社内リソースはありませんから、多少時間がかかっても相手を絞っての情報収集や交渉を重点に置くべきです。

特に、M&Aの目的や期待することが明確になっていないと、この間違いは起こりがちです。また、相手選びはM&A専門会社のサポートがとても大事になってきます。

失敗パターン⑫持ち込まれた話に乗ってしまう

M&Aを進めるにあたっては、M&A仲介会社をはじめとするM&A専門会社のサポートはなくてはならないものですが、そこから持ち込まれた話に、言われるがままにM&Aを進めてしまって失敗するケースもあります。

具体的には、シナジー効果について確たる考えがなかったり、検討が不十分なまま同業者の候補先を勧められてM&Aを進めてしまっての失敗です。

また、M&A仲介会社によっては、他社がすでに色々情報を得て検討したもののM&Aを見送っていて、なかなかM&Aの成約に結びつかない候補先ばかりを紹介してくることもあります。そういう候補先は、何らかの問題を抱えている可能性もあります。

もちろんそれでも、しっかり検討した結果自社にとって良い候補先であれば問題ないですが、このしっかり検討するプロセスを怠ればM&Aは失敗します。また、信頼できるM&A仲介会社を選択することも怠ってはいけません。

失敗パターン⑬コンプライアンス違反を犯してしまう

M&Aに限ったことではないですが、現代は特にコンプライアンスを疎かにしてはいけません。コンプライアンス違反を犯すと、訴訟や行政処分などのトラブルに発展する可能性があります。

社会に大きなインパクトを与えるコンプライアンス違反ほど、取引先や顧客などが離れ、業績の大きな悪化につながります。それは売り手側の場合、直接的に企業の売買価格が大きく下がることにつながりますが、買い手側の場合にも、売り手側から買い手側が買収することへの反対意見が出たり、買収できたとしても従業員が辞めていってしまうことなどが起こり得ます。

失敗パターン⑭勧められるままに専門分野外のM&Aを行う

「失敗パターン⑫持ち込まれた話に乗ってしまう」と同じ話ですが、専門分野外の業種のM&Aを、勧められるままに行ってしまったことによる失敗もあります。

勧められるままに、というのは、M&A仲介会社などから当初はあまり考えていなかった分野の会社の買収を勧められたような場合です。そういうことが多いM&A仲介会社は、そもそも良い仲介会社とは言えませんが、何となくM&Aを考えている段階で打診したり、業績が良く資金も潤沢にある会社に対してはありがちな話です。

専門分野外のM&Aが悪いわけでは全くないですが、全くノウハウのない事業の運営には当然ながら困難が伴います。検討も不足しており、また運営する準備もろくにせず買収した結果、買収後に投資がかさみ、もともとの主力事業にまで影響を及ぼしてしまうことや、最悪の場合は買収した事業を畳んだりせざるを得なくなる失敗があります。

失敗パターン⑮デューデリジェンス不足

デューデリジェンスはM&Aのプロセスの中でとても大事なものですが、これが不十分だったことによる失敗もあります

不十分なデューデリジェンスを行ってしまう理由として挙げられるのが、費用が掛かることに加え、デューデリジェンスの段階ではまだ買収が決まっているわけではないことです。

しかし、不十分なデューデリジェンスでM&Aを進めてしまうと、その何倍ものリスクがM&Aの後に顕在化する可能性があります。M&Aを進めようと決意した段階で、デューデリジェンスに対する十分な予算を見積もっておかなかったために起こりえる失敗です。

失敗パターン⑯チェンジ・オブ・コントロール条項に違反してしまう

チェンジ・オブ・コントロール条項とは、商取引契約書などにおいて、契約当事者に支配権(コントロール)の変更があった(チェンジ)ときの扱いを定めた条項です。具体的には、支配権の変更があった場合に、その相手方への通知義務や、それによって相手方が契約の解除をすることができる、などの内容です。

注意すべきは、売り手側と取引先、売り手側と顧客などとの間で交わされている契約におけるチェンジ・オブ・コントロール条項です。なぜならこの条項によって、売り手側の会社とその取引先の契約が解除となることがあるからです。

売り手側の大きな取引が解除となると、買い手側は本来得られるはずであった取引先・顧客を失ってしまいます。それは買い手側がM&Aの目的としていた根幹を揺るがすレベルの事態となってしまいます。

失敗パターン⑰価格設定を間違っている

売り手側が、自社を過大評価しているために高めの価格設定をしてしまい、買い手の候補が見つからない、もしくはベストな候補先だったのに交渉しても話が流れてしまって失敗するケースがあります。

よくあるのが、高く売却された他社の買収事例を参考に、妥当性を欠いた思い込みによる価格設定をしてしまうことです。M&Aには妥当性があると考えられる価格の算出方法があります。絶対に従わなければいけないものではないですが、この妥当性のある価格の目線を外してしまうために失敗が起こりえます。

また買い手側も、妥当性のある価格を全く顧みないで高値で買収してしまったことによる失敗があります。

失敗パターン⑱シナジー効果を期待しすぎた

買い手側の話ですが、シナジー効果を期待しすぎた結果、高値で買収してしまい、投資の費用対効果が低くなってしまうことによる失敗があります。

もちろんシナジー効果はM&Aにおいて最も期待されることですので、これを見込むこと自体は間違っていません。

しかし、いくら検討に検討を重ねても、良くも悪くも想定外のことは起こります。実際には想定通りにシナジー効果を発揮させることの難易度は高いですので、過信は禁物です。

失敗パターン⑲契約書が曖昧だった

M&Aに限った話ではないですが、売り手側・買い手側共に契約書は入念に作成し、しっかり検討して過不足ないことを確認してから取り交わすべきです。特にM&Aのような金額も大きく、一世一代の取引にもなりかねない出来事についてはなおさらです。

また、M&Aの契約書については、ほぼ間違いなく弁護士などの専門家の知見が必要になってきます。手間や費用面から専門家に依頼しなかったり、M&Aに詳しくない専門家に依頼したことにより、不十分な契約書を取り交わしてしまったことによる失敗がたまに見られます。

M&Aの契約書には通常、簿外債務の取り扱いなど、M&Aの後にも影響を及ぼす事項が含まれます。内容が不十分だと、後で取り返しのつかない事態の失敗にもなり得ます

失敗パターン⑳株主の同意を得られなかった

売り手側は株式を移転する必要がありますし、買い手側はM&Aによって会社資産が小さくない規模で変更となります。したがって売り手側・買い手側問わず円満なM&Aの成立には、株主の承諾が必要不可欠です。特に中小企業においては、株主全員の承諾を得ておくべきです。

少なくとも交渉を進める前には、株主に対してM&Aについてのコンセンサスを得ておくべきです。交渉の途中で株主の意志がまとまっていないと、相手側に不明瞭な返事をせざるを得ず、大きな負担をかけてしまう恐れがあります

失敗パターン㉑統合プロセスが上手く行かなかった

買い手側にとって、M&Aは候補先選びも大事ですが、同じくらいM&Aの後の統合プロセスも大事です。M&Aによるシナジー効果が発揮するには、統合プロセスをしっかり計画して実施に移すことが必要ですが、これが不十分で上手くできなかったことによる失敗があります。

ありがちなのが、M&Aの成立と実行に精力を使いすぎて、そのあとの統合プロセスをないがしろにしてM&Aを進めてしまうことです。M&Aが実行されてから統合プロセスを検討し実施していくのでは、従業員や取引先を含めた会社のステークホルダーは先の見えない状態に置かれ、場合によっては混乱し、戸惑います。

結果、M&A後のスタートが大きく後れ、シナジー効果も発揮できない失敗につながります。

失敗パターン㉒買収先の従業員や取引先から反発を受けた

売り手側において、特定の買い手側の候補に会社を売却することに対する、従業員や取引先からの反発が起こることがあります。この特定の買い手側にとっては、これがもとでシナジー効果が発揮できない失敗につながるケースがあります。

例えば、同業で長年ライバル関係で競い合ってきたものの、そこから一歩抜け出た側が買い手側、もう一方が売り手側となることがあります。この場合、どうしても売り手側は「負けた」側で、買い手側の軍門に下ることへの反発が起こり得ます。

また、最近ではイメージがわかなくなってきましたが、ファンドに多いいわゆる「ハゲタカ」のようなどんどん買収してどんどん売って利益を出していくタイプの買収は、日本では好まれません。

失敗パターン㉓買収後も旧経営陣が運営し続けている

特に確たる考えや方針もなく、買収後も旧経営陣が売り手側の事業を経営し続けるケースが意外とあります。つまりは、会社を買収しただけで放置している状態です。

旧経営陣がM&Aの後も引き続き運営し続けることについて、最初からその方針で売り手側と買い手側が合意した上でなら、その体制でシナジー効果を目指していけばよいので、旧経営陣が運営し続けていること自体が悪いのではありません。ただしこの場合でも、定期的なモニタリングは必要とされます。

問題は、旧経営陣がM&Aの後にすでに経営へのモチベーションやインセンティブを失っているにもかかわらず、なすがままに経営を行ってしまっている場合です。この場合、元売り手側の業績は右肩下がり、最悪の場合は事業の破綻さえ招く大失敗となることがあります

M&Aで失敗しないためには専門家に依頼

M&Aで失敗しないためには、M&Aの専門家に依頼をすることが大切です。M&Aで失敗しているほとんどのパターンが、自社内で完結しようとしていることにあります。もちろん、M&A仲介会社選びに失敗するとM&Aも失敗してしまいますが、M&Aの専門家に相談しないことも、M&Aを失敗してしまう原因です。

M&A総合研究所であれば、公認会計士がM&Aをフルサポートいたします。M&Aが成立しなければ、一切の費用は発せ氏しません。完全成功報酬だから安心して依頼することができます。

まずは、無料相談からお気軽にお問い合わせください。

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3. M&Aの成功率はわずか2割

M&Aの成功率はわずか2割

日本経済新聞の記事によれば、日本企業の海外買収の成功率は1から2割、海外企業同士の場合でも5割だということです。

ただしこれは、過去の上場企業のM&Aにおける、時価総額の比較によって判断したものです。上場企業の場合は、株価によってとても短期間でM&Aの成否が判断されるきらいがあります。

中小企業の場合は市場で会社の値段が付く株価という指標はありません。M&Aを投資として考えると、もっと長期的なスパンで成功か失敗かを考えるべきだと言えます。

中小企業のM&Aは近年急激に増えていますので、これらの成功か失敗かの判断はもっと先のことだと考えられます。そしてM&Aの増加とともに、M&Aの世間一般の知見やアドバイザーの経験値もは大きく上がっていきます。したがって、現在の成約率について悲観して、5年10年先のM&Aを諦めてしまうのは、とてももったいないことだと言えます。

M&Aの成功事例については、『M&A成功事例25選!【2018年最新版】』で詳しく解説しています。成功のパターンも参考にして、自社のM&Aを成功させましょう。

4. M&Aで失敗をしない!成功の10つの対策

M&Aで失敗をしない!成功の10つの対策

23個の失敗例と裏表の関係ですが、どうすればM&Aが成功できるのか、そのポイントを見ていきます。ポイントは10個あります。

  • ①専門分野で行う
  • ②戦略的に行う
  • ③デューデリジェンスの徹底
  • ④買収金額に注意
  • ⑤交渉も丁寧にする
  • ⑥買収先の従業員との関係性を築く
  • ⑦買収先の企業理念も大切にする
  • ⑧統合プロセスも計画的に行う
  • ⑨情報開示をきちんと行う
  • ⑩M&Aアドバイザーに依頼する

1つずつ確認し、自社のM&Aを成功させましょう。

①専門分野で行う

「失敗パターン⑭勧められるままに専門分野外のM&Aを行う」でも紹介しましたが、自社の専門分野外でのM&Aを準備もノウハウもないままに行ってしまうのは、失敗のリスクにしかなりません。

よっぽど資金が潤沢な大企業でなければ、専門分野が同じ同業者か、自社の事業を強化できるような近い分野の会社または事業に対してM&Aを行うのが、成功への道です。

②戦略的に行う

かつてより身近になったとはいえ、M&Aの決断は一大決心が必要です。言うまでもなく、戦略的に行っていくことが成功には必須です

戦略は、実際にM&Aが動き出してから定めるものもありますが、少なくとも最初にM&Aを考えた段階で以下の軸となる部分は必ず定めておく必要があります。これをもとに、具体的な戦略は、信頼できるM&Aアドバイザーと相談しながら決めていきましょう
 

  • 買いたい会社や事業(買収によってどのような技術やノウハウを得たいか)
  • M&Aにかける予算(買収予算から、M&A仲介会社へのフィー、デューデリジェンス費用も含む)

③デューデリジェンスの徹底

「失敗パターン⑮デューデリジェンス不足」で紹介したことと裏表ですが、デューデリジェンスを甘く見てはいけません。

デューデリジェンスの結果は、M&Aの最終契約書に反映される、とても大事なM&Aのプロセスです。費用はかかりますが、費用だけを考えて疎かにするのは失敗の元です。

したがってデューデリジェンスの費用は、M&Aアドバイザーに確認して、予め多めに見積もっておくことが成功のポイントです。

④買収金額に注意

これは、前述の「失敗パターン⑰価格設定を間違っている」について、失敗しないためのものです。

M&Aには、妥当性があると考えられる価格の算出方法があります。必ず従わなければならないものではないですが、妥当性のある相場価格を無視した買収は、費用対効果の面で大きな失敗の元です。

具体的な買収の候補先に対しては、思い込みなどは極力排除して、買収金額の狙いを定めましょう。参考までに、M&Aの価格の代表的な算出方法を、通称のみ挙げておきます。
 

  • DCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)法
  • マルチプル法(類似会社比較法)
  • 純資産法(簿価純資産法と時価純資産法)
  • 過去事例比較法

⑤交渉も丁寧にする

これは、「失敗パターン⑧M&A進行中の対応が不誠実だった」について、失敗しないためのものです。

M&Aに限ったことではないですが、交渉事や取引には丁寧な態度が必要です。特にM&Aにおいては、設備や工場の投資よりも、従業員や取引先など、とても多くの人の協力を得ることが必要となります。協力が得られなければ、M&Aにおいて大事なシナジー効果は全く発揮できなくなります

したがって、買収する側だからと言って極端な強気や横柄な態度では失敗します。M&Aの成功のためには、交渉段階から相手に良い印象を与えるようにするべきです。

⑥買収先の従業員との関係性を築く

これは、前述の「失敗パターン㉒買収先の従業員や取引先から反発を受けた」について、失敗しないためのものです。

買収を公表しても、M&Aにおいて肝心な従業員が乗り気でないことは結構あります。何度も繰り返しになりますが、従業員の協力が得られなければ、M&Aのシナジー効果は発揮できなくなります。

まずは、買い手側が高圧的だと受け取られないように、売り手側・買い手側双方の経営者が協力しながらM&Aを進め、売り手側の従業員にもM&Aについて丁寧に説明する必要があります。

また、M&Aの実施後も、買い手側は売り手側の従業員との関係性を築く努力を続けることがM&Aの成功には必須です。

⑦買収先の企業理念も大切にする

売り手側も売り手側で、長年培った企業理念をもとに事業を行ってきています。当然ながらそれは、M&Aによって会社が一つになったからと言って、すぐに変えられるものではありません。

急に色々変えようとすると、特に売り手側で働いていた従業員は戸惑いますし、また仕事の能率が落ちます。また最悪の場合、従業員の退職にもつながります。

買収先の企業理念、これは社風といってもよいですが、これを大事にすることもM&Aを成功させる上で大事です。

⑧統合プロセスも計画的に行う

「失敗パターン㉑統合プロセスが上手く行かなかった」と裏表ですが、M&Aが成立してから統合プロセスを検討し実施に移したのでは遅すぎます。計画なしに色々進めた場合、特に元売り手側において不必要な混乱を起こし、職場が疲弊する原因になります。これはシナジー効果を阻害する失敗原因になり得ます

統合プロセスは、買収する会社の規模にもよりますが、遅くとも最終契約前あたりから仔細の検討を始めることがM&Aの成功には必要です

 

⑨情報開示をきちんと行う

これは、「失敗パターン③情報開示が不十分で不当な評価を受けた」について、失敗しないためのものです。

M&Aは従業員や取引先など、多くのステークホルダーに影響を与える、とても重大な決断です。不誠実な態度をとらないことと通じる話ですが、都合の悪い情報を隠したり、誤った情報を提示することは、後々になって多くのステークホルダーに莫大な不利益を与える可能性があります。

そんな大きな取引にを成功させるには、相手との信頼関係がなければなりません。そしてさらに、この信頼関係を得るにあたっては、適切な情報開示がとても大事になります。

⑩M&Aアドバイザーに依頼する

M&Aアドバイザーの存在は、M&Aを成功するためには必要不可欠です。ただし、M&Aアドバイザーは簡単に務まる仕事ではなく、人によって持っている知識や能力にも差があったり、もちろん人ですので聞き上手や話し上手などの特徴がとても違うのも事実です。

過去のM&Aアドバイザーの実績は、依頼するアドバイザーを選ぶうえでとても大きな判断基準になることは事実ですが、それだけで決めてしまうことが良いとは言えません。実績があっても、経営者本人にとって相談しにくい人柄のアドバイザーは、その経営者にとって良いアドバイザーにはなりません。

客観的にこれといった決め手は無いのがアドバイザー選びの難しいところですが、だからこそ複数のM&Aアドバイザーに相談してみましょう。どんなアドバイザーが良いのかが見えてくることで失敗を防げるはずです。

M&A総合研究所には、M&Aに詳しい公認会計士が在籍しており、あなたのM&Aをフルサポート!着手金・中間金無料の完全成功報酬を採用しているので、M&Aが成立するまでに費用は一切発生しません。

まずはお気軽にM&A総合研究所にお問い合わせください。

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5. M&Aで失敗をしないアドバイザー・仲介会社の選び方

M&Aで失敗をしないアドバイザー・仲介会社の選び方

繰り返しになりますが、アドバイザー・仲介会社を選ぶのに、客観的にこれといった決め手はありません。しかしだからこそ、アドバイザー選びで失敗しないためには、複数のM&Aアドバイザーに相談して選ぶことが必要です。

ただし、良いアドバイザーに挙げられる特徴はいくつかありますので、参考までに以下に記します。
 

  • 実績が豊富
  • 担当者が話しやすい
  • 対応が早い
  • 料金体系が明確で安い
  • 専門性が高い(業種、会社規模など)

これらのポイントをしっかりチェックし、M&Aを成功させるために優秀なM&Aアドバイザーに依頼をしましょう。

6. まとめ

M&Aの23の失敗パターンをご紹介しました。このような失敗をしないためにも、M&Aを行う際には以下の10のポイントを押さえておきましょう。

  • ①専門分野で行う
  • ②戦略的に行う
  • ③デューデリジェンスの徹底
  • ④買収金額に注意
  • ⑤交渉も丁寧にする
  • ⑥買収先の従業員との関係性を築く
  • ⑦買収先の企業理念も大切にする
  • ⑧統合プロセスも計画的に行う
  • ⑨情報開示をきちんと行う
  • ⑩M&Aアドバイザーに依頼する

特に、M&Aを検討し始めたら、早い段階でM&Aアドバイザーに相談することをお勧めします。そうすることで、スケジュール立てやM&A戦略を一緒に立てていけるからです。

M&A仲介会社は複数に相談して決めることが大事ですが、ここではM&A総合研究所をお勧めします。

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