人材派遣会社は事業売却(事業譲渡)のチャンス!業界傾向や課題、事例までを徹底解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

人材派遣会社の事業売却(事業譲渡)についてお調べですね。人材派派遣業界は競争が激しく、売却してしまうのも1つの経営戦略です。今回は、人材派遣業界の抱える課題や対策、事業売却すべき理由などを徹底解説!事例や流れも詳しく紹介しているのでイメージをふくらませてください。人材派遣会社の事業売却を成功させ、さらに会社を成長させましょう。

目次

  1. 人材派遣業界の抱える課題
  2. 人材派遣業界で生き抜くための対策
  3. 人材派遣事業を事業売却(事業譲渡)するのもアリ!
  4. 人材派遣事業の事業売却(事業譲渡)の4つの事例
  5. 人材派遣業界で事業売却(事業譲渡)をすべき会社
  6. 人材派遣事業の売却に向けて会社内で協議すべき5つの内容
  7. 人材派遣会社の事業売却(事業譲渡)の10の流れ
  8. 人材派遣事業の事業売却(事業譲渡)の4つの注意点
  9. 人材派遣事業の事業売却(事業譲渡)ならM&A総合研究所に相談しよう
  10. まとめ
  • 人材派遣会社のM&A・事業承継

1. 人材派遣業界の抱える課題

人材派遣業界の抱える課題

人材派遣事業は、1985年に労働派遣法が成立したことから始まりました。それまで「正社員」という働き方が一般的でしたが、「派遣社員」という働き方が誕生したのです。

以降、人材派遣事業は毎年市場を広げており、現在では3兆円〜4兆円もの業界規模に広がっています。一見順調で将来有望の業界のように感じますが、人材派遣業界には4つの課題を抱えているのです。

  • 課題1.人口減少による業界規模縮小が危惧される
  • 課題2.景気に左右されやすい
  • 課題3.働き方の多様化により人材が不足しやすい
  • 課題4.2020年の派遣法改正で業界に動きが出ると見られている

 

人材派遣業界がどのような課題を抱えているのか確認しましょう。

課題1.人口減少による業界規模縮小が危惧される

日本国内では人口減少が深刻化しており、業界規模の縮小を危惧されています。日本は高齢化だけでなく、少子化も進んでいます。労働人口は毎年減っていき、業界規模が縮小していくと予想されているのです。

これまでは働き方の多様化や、景気向上のために求人倍率が高まっていた影響を受け、市場はどんどん拡大していました。しかし、これからは人口減少・少子高齢化に合わせたサービス展開をしなければ生き残っていくことは難しいでしょう。

課題2.景気に左右されやすい

人材派遣業界は、景気に左右されやすい業界です。労働派遣法が成立した1985年当時は求人倍率も良く、多くの派遣社員が必要とされていました。

しかし、2008年のリーマンショック以降、企業による派遣切りが続出。人材を必要とする会社がなければ、人材派遣の仕事は成り立ちません。

また、最近では建設系や医療系、IT系の専門派遣会社など、業界に特化した人材派遣会社も増えてきました。こうした業種特化の人材派遣会社の場合、その業界の景気が悪くなれば仕事も求人も無くなってしまうでしょう。

今は東京オリンピック需要で建設会社や宿泊・ホテル会社の有効求人倍率が上がっています。しかし、好景気が終わったあとは柔軟にサービス展開をしていかなければなりません。このように人材派遣会社の業績は景気に左右されやすいという課題を抱えています。

課題3.働き方の多様化により人材が不足しやすい

近年、働き方の多様化によって派遣登録する人が減っていくことが予想されています。今までであれば「正社員になれなかったら派遣で働こう」という考えが多かったです。しかし、現在ではフリーランスという自由な働き方を選ぶ人が増えています。

この傾向は、ワークライフバランスの充実や働き方改革といった柔軟な働き方を求めている人が増えていることを表しています。派遣登録を増やしてもらうためには、多様な働き方の波に乗ることが必須と言えるでしょう。

課題4.2020年の派遣法改正で業界に動きが出ると見られている

2020年4月、労働者派遣法が改正されることが決まっています。改正によって、人材派遣業界は大きく変化が出ると言われているのです。この改正によって派遣社員の情報提供義務や待遇差改善が行われることになります。

目的は、同一労働同一賃金を導入するためです。現在、同じ業務を行っていても正社員と比べて派遣社員(非正規雇用社員)の賃金・待遇に格差があります。しかし、改正後は交通費・残業代の支給、退職金の支給も行われるようになるのです。

また、賃金についても正社員との格差を無くしていくため、「同じ仕事をする正社員と同じ賃金」もしくは「同じ地域で働く同種色の正規雇用者の平均以上の賃金」のどちらかに設定されようになります。

このような派遣法改正によって、派遣会社に大きな影響を与えるでしょう。派遣社員としての働き手の需要は増えるかもしれません。しかし、企業側は「同一賃金なら派遣よりも新卒社員を採用したい」と考える恐れもあります。

2020年の派遣法改正に向けての対応が、人材派遣会社には求められるのです。

ここまで、現在の人材派遣業界で危惧されている課題を確認してきました。競争が激化している人材派遣業界の中でどのように生き残っていくべきか、次の章で対策を確認しましょう。

2. 人材派遣業界で生き抜くための対策

人材派遣業界で生き抜くための対策

人材派遣業界で生き抜くためには、以下の4つの対策が必要です。

 

  • 対策1.グローバル人材を活用する
  • 対策2.海外へ進出する
  • 対策3.高齢者の就労ビジネスに力を入れる
  • 対策4.多様な働き方に対応する

 

順番に確認していきましょう。

対策1.グローバル人材を活用する

グローバル人材をうまく活用して市場を伸ばしていきましょう。国内は、少子高齢化で人口減少の傾向にあります。そこで、働き手として外国人を受け入れるのです。

日本の労働人口が減ってしまう分を外国人で補うことで、企業の働き手を獲得することができます。特に外国人労働者の法律が緩和されようとしているため、より外国人を受け入れたいと考える企業は増えると予想できるでしょう。

近年、海外からの人材活用に力を入れる人材派遣会社は増えています。海外で人材の募集をかけ、現地または日本で仕事内容の研修を行うケースも多いです。このように、グローバル人材を活用して企業の求人に対応しましょう。

対策2.海外へ進出する

国内にとどまらず、どんどん海外へ進出していきましょう。日本で行っている人材派遣事業を海外で事業展開したり、日本人を海外に派遣したりすることで、海外への進出が叶います。

海外へ進出することのメリットは、日本の景気に左右されないことです。日本だけで勝負していても、今後市場の縮小が目に見えています。そのためには海外に飛び出す勇気も必要です。

特に、経済成長の著しいインドやベトナムなどのアジア諸国での労働者はさらに増えていくことが予想されます。海外へ進出することで、他社との差別化を図りましょう。

対策3.高齢者の就労ビジネスに力を入れる

今後は高齢者の就労ビジネスに力を入れていくことも重要になります。2025年には、人口800万人を占める団塊世代が全員75歳以上となります。超高齢化社会を迎えることになるのです。

高齢者が多いにもかかわらず、年金の支給開始の時期が遅かったり、社会保険の負担改正予定によって高齢者にもお金が必要となりました。老後資金2,000万円問題という言葉もあるほどです。

そこで一度リタイアした高齢者に就労してもらえるようなビジネスのニーズは高まると予想されます。生活費を稼ぎたいという思いもあれば、「リタイア後の自由な時間を好きなことに費やしたい」と考える高齢者も多いです。

地域と連携するなど、高齢者の就労支援サービスは必須となるでしょう。

対策4.多様な働き方に対応する

より多くの人材を獲得するためには、多様な働きに対応した派遣サービスを行いましょう。たとえば、「1日だけ」「3日だけ」などの超短期派遣や、週休2日・2年契約の長期派遣までさまざまな働き方が求められています。

1日だけ働きたいというフリーランスや、子供が帰ってくるまでの15時まで働きたい主婦など、求められる働き方は様々です。このような多様化するキャリア形成に対応したサービス展開を行いましょう。

以上が、競争率の激しい人材派遣業界で生き残るための対策でした。一方で、人材派遣事業を売却したいと考える経営者もいると思います。次の章で詳しく確認していきましょう。

3. 人材派遣事業を事業売却(事業譲渡)するのもアリ!

人材派遣事業を事業売却(事業譲渡)するのもアリ!

人材派遣事業を事業売却(事業譲渡)するのも、経営戦略としてアリです。労働派遣法が成立してからというもの、たくさんの人材派遣会社が設立されました。縮小する市場の中で事業継続することが難しいと感じる経営者もいるでしょう。

そのような経営者には、人材派遣事業を事業売却することを提案します。その理由は以下の3つです。

  • 理由1.事業の選択と集中ができる
  • 理由2.採算の合わない部分だけ売却できる
  • 理由3.さらに事業を強化できる

3つの理由について確認していきましょう。
 

理由1.事業の選択と集中ができる

人材派遣事業を事業売却することで、事業の選択と集中ができます。たとえば、人材派遣事業以外の事業を展開していたとしましょう。人材派遣事業を売却することで、別の事業に注力することができます。

事業売却をすると多額の資金が手に入れることが可能です。経営者の時間や従業員の確保などの経営資源も集中させることができます。

このように、人材派遣事業を売却すると他の事業に専念することができるのです。

理由2.採算の合わない部分だけ売却できる

事業売却なら、人材派遣事業の中でも採算の合わない部分だけを売却することができます。たとえば、全国で人材派遣を展開しているにも関わらず九州でだけ上手くいっていなかったとしましょう。このとき、九州の人材派遣事業だけを売却することができます。

他にも、IT専門人材派遣と医療専門人材派遣を行っている時、医療専門人材派遣だけを売却することも可能です。このように、事業売却であれば自社にとって非効率的な部分だけを切り離すことができます。

理由3.さらに事業を強化できる

シナジー効果の期待できる企業へ事業売却することで、さらに人材派遣事業を強化する可能性があります。シナジー効果とは、買い手企業と売り手企業の強みを掛け合わせることで、さらに売り上げを伸ばすという相乗効果のことです。

たとえば、介護系人材派遣事業を介護施設運営・コンサルなどを行う会社に売却すれば、斡旋先が容易に獲得できるでしょう。また、全く別業種の人材派遣事業を運営している会社に売却すれば、登録者の獲得ノウハウを得たり、ブランド力が高まったりします。

このように、シナジー効果の期待できる企業へ事業売却すると、売却した人材派遣事業をさらに成長させることができるのです。

以上のように、人材派遣事業での経営がうまくいかないのであれば事業売却をすることも1つの手です。実際に多くの人材派遣事業が事業売却されています。次の章で事例を確認していきましょう。

4. 人材派遣事業の事業売却(事業譲渡)の4つの事例

人材派遣事業の事業売却(事業譲渡)の4つの事例

人材派遣事業の事業売却(事業譲渡)は頻繁に行われています。今回は以下の4つの事例を確認していきましょう。

 

  • 事例1.大阪の人材派遣事業をライクに譲渡
  • 事例2.ワークプロジェクトが人材サービス事業クイックに譲渡
  • 事例3.日本電信電話の人材サービスをパソナグループに譲渡
  • 事例4.IT・バイリンガル人材の人材派遣事業をネプロジャパンに譲渡

 

詳しく事例を確認し、人材派遣会社の事業売却がどのようなものなのかイメージを膨らませましょう。

事例1.大阪の人材派遣事業をライクに譲渡

2018年3月、クリエアナブキは、大阪の人材派遣事業をライクの子会社ライクスタッフィングに事業譲渡を行いました。1,500万円で譲渡されています。

譲渡対象となったのは、クリエアナブキの大阪支店に係る人材派遣事業です。クリエアナブキは、中四国を中心に人材派遣事業を展開しています。近畿県内での収益化のため大阪支店を展開していましたが、経営方針を転換。中四国重視の収益向上を目指すことになったのです。

一方、ライクスタッフィングは東京・大阪に本社を置く人材紹介・人材派遣会社です。大阪の人材派遣サービスを強化するために大阪支店に係る人材派遣事業だけが譲渡されることとなりました。

事例2.ワークプロジェクトが人材サービス事業クイックに譲渡

2016年4月、ワークプロジェクトは、保育士を中心とした人材派遣事業をクイックに譲渡しました。譲渡対価は公表されていません。

ワークプロジェクトは、大阪府堺市に本社を置く保育士を中心とした人材派遣事業や保育所運営事業、運営コンサルティングを営む会社です。一方、クイックも大阪に本社を置く人材派遣事業を展開。エンジニアや看護師など、専門業種に特化した人材派遣サービスを強みとしています。

今回の譲渡はクイックの顧客基盤や登録者獲得のノウハウなどをワークプロジェクトの事業に生かし、さらに充実したサービスを目指すことが目的でした。

事例3.日本電信電話の人材サービスをパソナグループに譲渡

2017年8月、日本電信電話のグループ傘下であるNTTヒューマンソリューションズなどNTTグループの人材派遣会社4社は、人材派遣事業をパソナに譲渡しました。譲渡対価の総額は、54億5,600万円と発表されています。

今回、譲渡されたのは、以下の4社です。

  1. 株式会社エヌ・ティ・ティエムイーサービス
  2. NTTソルコ&北海道テレマート株式会社
  3. テルウェル西日本株式会社
  4. ドコモ・データコム株式会社

 

今回の譲渡によって、NTTグループはすべての人材派遣事業を手放しました。譲受したパソナは観光庁や大手企業を顧客に持つこれらの事業を魅力的に感じ、譲受を決意。官公庁・自治体への人材派遣サービスを強化することが狙いです。

事例4.IT・バイリンガル人材の人材派遣事業をネプロジャパンに譲渡

2015年1月、EPコンサルティングサービスは人材派遣事業をネプロジャパングループに譲渡しました。譲渡価格は1億2,000万円です。

EPコンサルティングサービスは、IT・バイリンガル分野の派遣会社としては老舗で知名度がありました。そのため、高い派遣実績と登録者数を持っています。しかし、今回ITアウトソーシングなどのIT事業に資源を集中させるため、人材派遣事業を売却したのです。

一方、譲受したネプロジャパン傘下のシーズプロモーションはモバイル・通信業界に特化した人材派遣会社。双方の相乗効果を狙って、事業の譲受に至りました。

5. 人材派遣業界で事業売却(事業譲渡)をすべき会社

人材派遣業界で事業売却(事業譲渡)をすべき会社

ここまでは人材派遣業界の業界動向や事業売却(事業譲渡)の事例を見てきました。しかし、「うちの会社は事業売却すべきなの?」と悩む経営者もいるでしょう。

結論から言うと、以下のように考えている経営者は事業売却に向いているといえます。

  • 会社内の別事業に資金や資源を投入したい
  • 不採算エリアを抱えている
これら2つの悩みを解決してくれるのが事業売却です。しかし、安易に事業売却を決めるのはやめておきましょう。しっかりと社内で協議することが必要です。次の章で、事前に協議すべき内容について確認しましょう。

6. 人材派遣事業の売却に向けて会社内で協議すべき5つの内容

人材派遣事業の売却に向けて会社内で協議すべき5つの内容

事業売却をすべきだと思っても、まずは会社の取締役員やキーパーソンを集めて事業売却を行うべきか協議しましょう。

明確に決めるべきなのは以下の内容です。

  • 協議内容1.事業売却の目的
  • 協議内容2.売却する範囲
  • 協議内容3.事業売却のスケジュール
  • 協議内容4.理想の買い手企業
  • 協議内容5.譲渡価格の予算
順番に詳しく確認しましょう。

協議内容1.事業売却の目的

事業売却の目的を明確にしましょう。事業売却をするということは、会社は存続し続けます。存続した会社がどのように良くなることをイメージしているのかを言葉にして伝えましょう。明確に目的が決まっていなければ、役員や社員、株主を納得させることができません。

また、買い手企業との譲渡条件の交渉の際も、つい目先の利益を優先してしまうことになります。事業売却の目的を明確に持っていることで、譲渡条件も優先順位をつけることができるでしょう。

さらに、目的を明確にすることで事業売却以外の方法を思いつくかもしれません。あくまでも事業売却は目的を達成させるための手段です。目的を明確にした上で、本当に事業売却をすべきかも確認しましょう。

協議内容2.売却する範囲

事業売却するのであれば、売却する範囲を決めましょう。事業売却といっても、1つの事業をそのまま売却しないといけないわけではありません。事例でもお伝えしたように、「大阪支店に係る事業」だけを売却することも可能です。

最終的に、売却する範囲は買い手企業との交渉で決定します。しかし、事前に何を売却して何を会社に残すのかを決めておきましょう。そうすることで、スムーズに交渉を進めることができます。

協議内容3.事業売却のスケジュール

事業売却のスケジュールを決めましょう。一般的に、事業売却には3ヶ月〜1年程度かかると言われています。

たしかに、事業売却に関わる業務に細かく期限を設定することは難しいです。しかし、事業売却を円滑に進めるためにも、設定売却完了日(譲渡日)や名義変更などの手続きをいつまでに終えたいのかを決めておきましょう。

スケジュールを把握しておくことで、逆算して今何をすべきかも明確になります。

協議内容4.理想の買い手企業

準備段階の時点で、どのような買い手企業に売却したいのかを決めておきましょう。例えば、以下のようなことを洗い出すと良いでしょう。

 

  • 業種・業界
  • 企業規模
  • サービスのエリア
  • 社風や企業理念

 

さらに、この中で優先順位をつけておくと買い手企業探しがスムーズに進みます。

協議内容5.譲渡価格の予算

どれくらいの価格で事業売却したいのか予算を立てておきましょう。参考までに、譲渡価格の相場は以下の計算式の通りです。

  • 譲渡価格の目安=事業の時価+営業利益×3年分〜5年分
売却の範囲によって大きく譲渡価格の相場は変わります。より妥当な譲渡価格を算出するためには、M&A仲介会社などの専門家に依頼しましょう。

以上が、事業売却をするために社内で協議すべき内容でした。これらの内容について、取締役員やキーパーソンの中で共通意識が持てたら早速事業売却の検討に入っていきます。事業売却の流れについて次の章で確認していきましょう。

7. 人材派遣会社の事業売却(事業譲渡)の10の流れ

人材派遣会社の事業売却(事業譲渡)の10の流れ

人材派遣会社の事業売却(事業譲渡)は、以下の10の流れに分けることができます。

  • 流れ1.M&A仲介会社とアドバイザリー契約を結ぶ
  • 流れ2.買い手企業を選定・アプローチする
  • 流れ3.面談・交渉を繰り返す
  • 流れ4.基本合意契約を締結する
  • 流れ5.デューデリジェンスを受ける
  • 流れ6.事業譲渡契約を結ぶ
  • 流れ7.株主に公告・通知をする
  • 流れ8.株主総会で決議を取る
  • 流れ9.名義変更の手続きを行う
  • 流れ10.統合作業を行う
順番に内容を確認し、事業売却をスムーズに行いましょう。

流れ1.M&A仲介会社とアドバイザリー契約を結ぶ

まずは、M&A仲介会社に相談に行き、アドバイザリー契約を結びましょう。アドバイザリー契約とは、M&A仲介会社に事業売却のサポートを正式にお願いするときに交わす契約です。M&A仲介会社には、以下のような業務を任せることができます。

 

  • 買い手企業の選定・アプローチ
  • 面談や交渉の立会い・サポート
  • 契約書などの書面の作成サポート
  • 弁護士や税理士などの専門家の紹介

 

このように、事業売却に関わる業務をプロがサポートしてくれるのです。アドバイザリー契約を結ぶときには、情報を外部に漏らすリスクを軽減するため秘密保持契約も結びましょう。

流れ2.買い手企業を選定・アプローチする

続いて買い手企業を選定し、アプローチしていきましょう。M&A仲介会社に、社内で協議した理想の買い手企業像を伝えることで、スムーズに選定してくれます。

気になる企業があればM&A仲介会社を通して、アプローチしてもらいましょう。アプローチするためには、売却したい人材派遣事業の概要や強みなどをまとめた資料が必要です。M&A仲介会社と一緒に作成しましょう。

流れ3.面談・交渉を繰り返す

買い手企業が興味を示したら面談を行っていきます。まずは、両者の経営者同士が違いを理解するために面談を行うのです。譲渡を決意した理由や事業の強み・弱み、今まで経営してきた思いなどを伝えましょう。

買い手企業に対しても、譲受を検討している理由や経営理念、今後の会社の展望などを質問し、相手の理解を深めていきます。互いに事業売却・買収の意思があれば、条件について話し合いをしましょう。

このとき、買い手企業側から意向表明書を提出されることがあります。価格や買収範囲など、概ねの譲受条件が書かれてる書類です。意向表明書を元に、条件のすり合わせを行っていきましょう。

流れ4.基本合意契約を締結する

両者納得のいく条件が出揃ったら、基本合意契約を締結しましょう。基本合意契約とは、問題がなければ書面に書かれた条件通りに事業売却を実行するといった約束のことです。

このあと行われるデューデリジェンスで問題がなければ、そのまま事業譲渡契約を結ぶことになります。

流れ5.デューデリジェンスを受ける

基本合意契約の締結後、買い手企業によるデューデリジェンスを受けましょう。デューデリジェンスとは、売り手企業の内部調査のことです。具体的には、以下のようなことを調べます。

 

  • 財務
  • 人事
  • 法務
  • 税務
  • IT
  • 契約内容

 

これらを徹底的に調べることで、買い手企業が買収した時のリスクがないか洗い出しを行うのです。売り手企業は、これらに関する資料の提出や現地視察の立会いを求められるので、対応しなければなりません。必要であれば、弁護士や会計士などの専門家による受け答えも準備しましょう。

流れ6.事業譲渡契約を結ぶ

デューデリジェンスの結果を受け、事業譲渡契約を結びましょう。

大きなリスクや問題がない限り、基本合意契約の内容通り事業譲渡契約を結ぶことになります。ただし、簿外債務やリーガルリスクなどが見つかった場合、譲渡対価を値下げされるかもしれません。

必ず、条件を再度確認し、納得した条件で事業譲渡契約を締結しましょう。

流れ7.株主に公告・通知をする

事業譲渡契約を結んだら、株主に事業譲渡をすると言った内容を公告・告知しましょう。譲渡日の20日前には、株主には事業譲渡をすることと株主総会を開くことを伝える必要があります。

流れ8.株主総会で決議を取る

事業売却に関する株主総会を開き、株主から決議を取りましょう。株主総会では以下のような条件をクリアしなければ事業売却できないので気をつけましょう。

 

  1. 決議権の過半数を持つ株主が出席している
  2. 特別決議で3分の2以上の賛成を得る

株主総会は譲渡日の前日までに行わなければならないので、速やかに準備・実施しましょう。

流れ9.名義変更の手続きを行う

株主総会で決議を取った後は、名義変更の手続きを行いましょう。

事業売却をした場合、自動的に資産・負債の所有者が変わるわけではありません。土地や建物などの名義を買い手企業の名前に変えましょう。

流れ10.統合作業を行う

最後に、統合作業を行いましょう。統合作業とは、売却対象となった従業員が買い手企業に馴染んで通常通りに事業運営するための作業です。具体的には以下のようなことを統合していきます。

 

  • 従業員の人事配置
  • 企業の社風や理念
  • 社内で使うITシステム
  • 人事評価システム

これらのことを怠ると、従業員のモチベーションは下がってしまいます。なぜなら、「売却された」というネガティブなイメージと「今までと違う環境で働きにくい」という労働環境の変化があるからです。

売り手企業の経営者として、しっかりと従業員をサポートしましょう。

8. 人材派遣事業の事業売却(事業譲渡)の4つの注意点

人材派遣事業の事業売却(事業譲渡)の4つの注意点

人材派遣事業の事業売却(事業譲渡)では、人材派遣事業ならではの注意点があります。注意点は以下の4つです。

 

  • 注意点1.紹介事業の許可は引き継げない
  • 注意点2.派遣登録者との契約は引き継げない
  • 注意点3.マイナンバーなどの個人データを慎重に扱う
  • 注意点4.買い手企業の近隣エリアで人材派遣事業が禁止される

事業売却を行う前に、しっかりと確認しておきましょう。

注意点1.紹介事業の許可は引き継げない

事業売却の場合、紹介事業の許可を引き継ぐことができません。原則、人材派遣事業を営むためには、有料職業事業の許可を取得しているはずです。もし、事業売却先の企業が許可を取得していれば改めて取得する必要はありません。

しかし、許可を取得していない場合は新たに許可を取得してもらう必要があります。できるだけ同業会社に売却した方がスムーズな取引が実現するでしょう。

注意点2.派遣登録者との契約は引き継げない

事業売却をしても派遣登録者との契約を引き継ぐことはできません。

そのため、新たに登録者には買い手企業と契約を結び直さなければならないので注意しましょう。さらに、派遣先との契約も結び直しが必要です。

人材派遣事業には、膨大な数の契約が結ばれていることになります。それらを全て結び直しするにはとても時間と労力がかかるでしょう。

スムーズに結び直しができるよう、譲渡日より前から契約者に対して契約先が変更する旨を伝えておきましょう。

注意点3.マイナンバーなどの個人データを慎重に扱う

人材派遣事業を営むために必要なマイナンバーや住所などの個人データは慎重に扱いましょう。

通常、派遣登録者には「会社売却・事業売却などをする際は譲受会社に個人データの開示を行う」ことを同意してもらっていると思います。この場合はそのまま買い手企業に渡しても問題ありません。

しかし、このような一文を契約書に書いていないのであれば、個人情報を渡せないので事前に確認しておくことをおすすめします。また、受け渡しの際に情報が外部に流出しないよう、取り扱いには十分注意しましょう。

注意点4.買い手企業の近隣エリアで人材派遣事業が禁止される

人材派遣事業を売却すると、買い手企業の近隣エリアで人材派遣事業を営むことを禁止されるので注意しましょう。これは、競業避止義務といいます。

具体的には、会社法21条件にて同一の市町村の区域内及び隣接する市町村の区域内で、20年間同一の有料職業紹介事業を行うことが禁止されると定められているのです。もちろん、交渉次第でエリアを狭めたり期間を短くしたりできます。

今後、近隣エリアで人材派遣事業を営む予定があるなら、出来るだけ条件を緩和してもらいましょう。

9. 人材派遣事業の事業売却(事業譲渡)ならM&A総合研究所に相談しよう

人材派遣事業の事業売却(事業譲渡)ならM&A総合研究所に相談しよう

人材派遣事業の事業売却(事業譲渡)をするのであれば、M&A総合研究所へぜひご相談ください。

人材派遣事業の事業売却には注意点がたくさんあります。しっかりと買い手企業を選びをしたり、交渉をしなければトラブルに発展する恐れがあるのです。

M&A総合研究所であれば、人材派遣事業に精通した公認会計士が直接サポートいたします。専門家が直接サポートするので、交渉やデューデリジェンス対応も安心!スピーディーに成立まで導きます。

また、M&A総合研究所は完全成功報酬型です。そのため、人材派遣事業の事業売却が成立するまで、費用は一切かかりません。まずはお気軽にご相談ください。

10. まとめ

人材派遣業界は、今後市場が縮小していく傾向にあります。今までと違う視点で、サービスを展開していかなければ生き残れないでしょう。

もし、経営で悩んでいるのであれば、人材派遣事業だけを事業売却するのも一つの経営戦略です。会社をより良くするために、前向きに検討してみましょう。

事業売却を進めていくのであれば、M&A仲介会社の存在は欠かせません。どこに相談すべきかわからない場合は是非M&A総合研究所にお任せください。

M&A総合研究所なら人材派遣業界に詳しい専門家がサポートいたします。お気軽にご相談ください。

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