2021年02月24日公開
高齢化などによる跡継ぎ問題の解決策は?最短はM&A?要点を解説

銀行系M&A仲介・アドバイザリー会社にて、上場企業から中小企業まで業種問わず20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、不動産業、建設・設備工事業、運送業を始め、幅広い業種のM&A・事業承継に対応。
経営者の高齢化により、中小企業が跡継ぎ問題に直面する事例が増えています。跡継ぎ問題はいくつかの解決策があるので、自社の状況に合った最良の手段を選択することが大切です。本記事では、跡継ぎ問題の解決策や要点、最短最良の手段を解説します。
1. 高齢化などによる跡継ぎ問題の解決策
日本の中小企業では、経営者の高齢化が深刻化しています。多くの経営者が引退適齢期を迎えているものの、跡継ぎがいないためにやむを得ず経営者を続けている状況になっています。
経営者の高齢化は経営力低下による業績悪化を招きやすいため、跡継ぎがいないまま経営者の体力の限界が訪れると、廃業しか選択肢がなくなることもあります。
こうした課題を抱える経営者や中小企業に必要とされているのが跡継ぎ問題の解決策です。この章では、中小企業が抱えている跡継ぎ問題や解決策について解説します。
中小企業は深刻な後継者不足
中小企業は後継者(跡継ぎ)不足が深刻化しています。帝国データバンクの「全国・後継者不在企業動向調査(2019)」によると、中小企業27万5,000社の内、65.2%相当の約18万社が後継者不足と回答しています。
経営者の年代別のデータでは、70代経営者の39.9%が後継者不足となっています。70代というと体力的にも限界が近い年齢なので、約4割の中小企業が廃業危機に直面しているといえます。
後継者不足の主な原因は少子高齢化です。中小企業も影響を受けており、経営者の高齢化が加速するなか、肝心の跡継ぎがいないケースが珍しくなくなってきています。
経営者の高齢化に悩む中小企業による跡継ぎ問題の解決策
中小企業のとって跡継ぎ不足は深刻な問題となっています。2025年問題では大量のGDPと雇用の喪失が懸念されていて国全体の問題となりつつあります。
企業が独自に取り組める跡継ぎ問題の解決策には以下の4つがあります。ここでは、各方法の特徴やメリット・デメリットを解説します。
【中小企業の跡継ぎ問題の解決策】
- 親族内事業承継を行う
- 親族外事業承継を行う
- M&Aによる事業承継を行う
- 跡継ぎ問題の解決には廃業という手も
1.親族内事業承継を行う
親族内事業承継は、子や兄弟などの親族に引き継ぐ方法です。頑張って育ててきた会社を身内に託したいと考える経営者は多いので、最も一般的な方法とされています。
メリットは同族間で経営権を維持できることです。一族で会社や事業を長く続けようとする意識が芽生えやすいので、会社の存続という点で有効に働きます。
跡継ぎの育成に時間をかけられるというメリットもあり、幼少の頃から育成・教育を行うことで時間をかけながら経営者としての覚悟を醸成することが可能です。
デメリットは親族内に跡継ぎがいるとは限らないことです。少子高齢化の影響や子供に家業を継ぐ意思がないなどの理由により、跡継ぎがおらず親族内事業承継ができないケースが増えています。
また、跡継ぎ以外の親族とのトラブルリスクもあります。相続人が複数いる場合は遺産分割でトラブルになることが多く、状況次第では株式折半となり事業承継後の経営に影響がでる可能性もあります。
2.親族外事業承継を行う
親族外事業承継は、社内の役員・従業員などの引き継ぐ方法です。あまり一般的ではなく、親族内に跡継ぎがいない場合の代替策として使用されるケースが多いです。
メリットは跡継ぎ選定を優秀な人材ら行えることです。跡継ぎの選定範囲が親族内から社内に広がるので、経営者としてのスキル・能力を重視して選ぶことができます。
社内からの選任であれば企業文化を把握している点も大きなメリットです。事業承継後に事業方針が大きく変わることもないので、社内に与える影響を抑える効果が期待できます。
デメリットは自社株の買い取り資金が必要になることです。無償譲渡ではほかの役員・従業員からの反発が起こることもあるので有償譲渡としますが、跡継ぎ候補には自社株を買い取るだけの資金が必要になります。
しかし、一人の役員・従業員に一企業の価値に相当する資力があるとは考えにくく、役員報酬の付与や段階的な株式譲渡で長期的に取り組んでおく必要があります。
3.M&Aによる事業承継を行う
M&Aによる事業承継は、外部の第三者に引き継ぐ方法です。親族・社内に囚われずに広範囲から跡継ぎを探すことで、会社の廃業を目指すことができます。
メリットは跡継ぎの育成を行う必要がないことです。跡継ぎ育成は時間がかかる問題ですが、M&Aによる事業承継は既に経営ノウハウを持っている第三者に経営権を譲渡するので、育成にかける時間を省略できます。
また、会社の価値に応じた売却益を獲得できるメリットもあります。中小企業のM&Aで一般的とされる株式譲渡であれば、経営者の個人的な資金となるのでリタイア後の生活資金を確保することもできます。
デメリットは跡継ぎがみつかるとは限らないことです。跡継ぎ不足の中小企業は業績悪化や倒産リスクを抱えていることも多いので、敬遠される恐れもあります。
自社の魅力をアピールして好条件の相手をみつけるためには、相応のネットワークが必要になります。
4.跡継ぎ問題の解決には廃業という手も
前述した3つの解決策が使えない場合は、最終手段として廃業という選択肢があります。従業員や取引先にかかる迷惑は大きいですが、跡継ぎ問題の解決策を検討した結果の決断であればやむを得ない手段です。
廃業する際は、従業員の退職金支給や再就職の斡旋に努める必要があります。廃業による解雇は会社都合となることが多いので、基本給や勤続年数に見合う報酬を支払わなくてはなりません。
廃業は取引先に与える影響も大きいため、廃業日をゴールとして徐々に取引頻度を少なくしていき、緩やかに契約解除に向かう必要があります。
廃業費用は解散・清算登記以外に設備処分や事務所の原状回復などがかかり、業種次第では廃業費用に数千万円以上かかることも珍しくありません。
廃業費用がかかりすぎると債権で債務を弁済しきれなくなる場合もあり、会社の破産手続きが必要になることもあるので注意が必要です。
2. 跡継ぎ問題を解決する最短最良の手段はM&A
前章では中小企業の跡継ぎ問題の解決策について述べましたが、親族内事業承継や親族外事業承継は大きな不安要素も抱えています。また、廃業はデメリットばかりなので、経営者としては回避したい選択肢です。
そこで検討したい解決策はM&Aによる事業承継です。「M&Aは会社の身売り」というネガティブなイメージを持たれがちでしたが、近年は事業承継の一つの手法として浸透してきておりイメージも改善されつつあります。
M&Aによる事業承継は、株式を第三者に有償譲渡する方法です。株式の売却益は経営者(株主)が取得できるので、会社の存続と利益の獲得を両立させることができます。
さらに、跡継ぎ育成に時間をかける必要がないことも大きな魅力です。親族内事業承継や親族外事業承継は早期から跡継ぎ育成に着手する必要があるので、状況次第では経営者の引退に間に合わなくなる可能性があります。
経営者の高齢化に悩む中小企業の跡継ぎ問題の解決策として、M&Aによる事業承継は最短最良の手段といえるでしょう。
3. 跡継ぎ問題を解決する要点
跡継ぎ問題を解決するためには、要点を押さえておくことが大切です。この章では、M&Aによる事業承継で跡継ぎ問題を解決するための要点を解説します。
【跡継ぎ問題を解決する要点】
- 自社の魅力を伝える
- 自社の企業価値を知っておく
- 跡継ぎ問題の解決には時間がかかる
- 計画的に準備を行う
- 専門家に相談する
1.自社の魅力を伝える
M&Aによる事業承継で跡継ぎをみつけるためには、自社が魅力的な企業であることをアピールする必要があります。
しかし、主観的な評価では経営者としての思い入れから独りよがりにもなりがちです。自分が思う魅力ではなく、跡継ぎにとっての魅力に重点を置かなくてはなりません。
跡継ぎにとっての魅力とは、自社を引き継ぐことで得られるメリットのことです。相手の業種・事業内容を考慮したうえで求めていることを事前調査して、自社の魅力を分かりやすく伝えることが重要です。
M&Aの買い手の場合、経営資源の獲得を目的としていることが多く、人材や技術・ノウハウを獲得して効果的に企業成長を図ります。
2.自社の企業価値を知っておく
M&Aによる事業承継には売却益の獲得というメリットがありますが、売却価格に拘り過ぎると好条件の跡継ぎがみつからない可能性が高いです。
跡継ぎを探す際は、企業価値評価で自社の適正な価値を把握しておくことが大切です。具体的な算出方法としてはDCF法や類似企業比較法などがありますが、複数の財務指標を参考にするので計算が複雑という問題もあります。
時価純資産法と呼ばれる簡単な計算方法もあり、時価評価した資産から負債を差し引いた純資産額を企業価値とするので、誰が計算してもほとんど同じ結果を得ることができます。
営業権(のれん)を加味できていないので適正価値とは言い難いですが、客観性に優れているので大まかな目安として活用することができます。
目安ではなく適正な価値を知りたい場合は、M&Aの専門家に相談することをおすすめします。幅広い業種の企業価値評価を行っているので、専門的かつ客観的な評価を受けることができます。
3.跡継ぎ問題の解決には時間がかかる
中小企業の跡継ぎ問題が深刻化している理由の1つに、事業承継には時間がかかるというものがあります。
跡継ぎ選定・育成や経営資源の引継ぎなどで1~3年はかかるといわれています。M&Aによる事業承継は跡継ぎ育成の時間が不要になるので比較的早めの解決を目指せますが、それでも跡継ぎ探しや交渉のために一定の期間は要します。
早くても数ヵ月、平均1年前後かかるとされているので、計画策定段階から見込んでおく必要があります。
本業の忙しさから事業承継の準備を後回しにしてしまうことも珍しくないですが、タイミングが遅れるほど選択肢の幅は狭まっていきます。どの解決策を利用するにしても、早めに行動を起こしたほうがよい結果を得られやすくなります。
4.計画的に準備を行う
M&Aによる事業承継で大事なのは計画性です。M&A実施の目的を明確化したうえで、自社の分析や市場調査、必要資料の準備を行ってM&Aに備えておく必要があります。
目的に関しては、今回は跡継ぎ問題の解決なので明確化されています。しかし、跡継ぎをみつける以外にも、売却益の獲得や従業員の雇用維持などの検討すべき事項があります。
好条件の相手をみつけるためには、市場調査などを徹底してタイミングを計ることも重要です。同業種や関連企業のM&Aニュースを調べて、買収ニーズが高いと判断できた時はM&Aによる事業承継のチャンスです。
資料に関してはノンネームシートや企業概要書などが挙げられます。相手が買収を検討するために必要な資料なので、高品質のものを作成しておければ相手がみつかりやすくなります。
5.専門家に相談する
跡継ぎ問題の要点は細かいことばかりですが、全てを押さえようとすると大変な労力が必要になり、日常の業務に支障がでる恐れもあります。
特に、中小企業は経営者の周囲に相談できる人材がいないというケースも珍しくありません。経営者一人で跡継ぎ問題に取り組むのは負担が大きすぎるので、M&Aの専門家に相談することをおすすめします。
M&Aの専門家は跡継ぎ探しや交渉などの実務面のサポートを提供しています。信頼できる相談先をみつけることができれば、経営者の負担を軽減しながら跡継ぎ問題に計画的に取り組むことができます。
4. 跡継ぎ問題の解決におすすめの相談先
跡継ぎ不足で悩まれている経営者の方は、ぜひM&A総合研究所にご相談ください。中堅・中小規模の案件を得意としているので、中小企業のM&A・事業承継の相談先として最適です。
M&Aの買い手選定は独自に開発したAIシステムで高精度のマッチングを実現しています。通常のM&Aは平均10ヵ月~1年以上かかりますが、当社は最短3ヵ月のスピード成約実績があります。
M&Aの料金体系は業界最安値水準の完全成功報酬制です。M&A総合研究所の強みの一つであるITノウハウを活用した業務効率化により、手数料の引き下げという形で還元に成功しています。
無料相談は24時間お受けしています。跡継ぎ問題にお悩みの際は、お気軽にM&A総合研究所までご連絡ください。
5. まとめ
多くの中小企業を悩ませている跡継ぎ問題は、早めに取り組んでおくと解決できる可能性もあります。後回しにすると状況が悪化する可能性が高いので、しっかり向き合うことが大切です。
跡継ぎがいない場合の解決策はM&Aによる事業承継が有効です。M&Aの専門家に相談すると計画性のあるM&A戦略を立てて解決に取り組めます。
【中小企業の跡継ぎ問題の解決策】
- 親族内事業承継を行う
- 親族外事業承継を行う
- M&Aによる事業承継を行う
- 跡継ぎ問題の解決には廃業という手も
【跡継ぎ問題を解決する要点】
- 自社の魅力を伝える
- 自社の企業価値を知っておく
- 跡継ぎ問題の解決には時間がかかる
- 計画的に準備を行う
- 専門家に相談する
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