会社法における組織再編行為を図解で解説!手法、メリット・デメリットも

取締役 営業本部長
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

当記事では、会社法における組織再編行為について、図解でわかりやすく解説しています。その他、会社法における組織再編行為の手続きや改正点にも解説していますので、図解と併せることにより複雑な組織再編行為に関して理解を深められるでしょう。

目次

  1. 会社法と組織再編
  2. 会社法における組織再編行為の図解
  3. 会社法における組織再編行為のメリット
  4. 会社法における組織再編行為の課題
  5. 組織再編に関する会社法の条文
  6. 組織再編に関する会社法の改正について
  7. 組織再編の手続き・流れ
  8. 組織再編を行う際の相談先
  9. 会社法における組織再編行為のまとめ
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1. 会社法と組織再編

合併株式移転などの組織再編を行う際は、会社法に基づいて手続きを進めていかなければなりませんが、その仕組みは複雑であるので、あらかじめ理解を深めておくことが大切です。

この記事では、会社法に基づく組織再編に関して図解を用いてわかりやすく解説します。この章では、まず会社法や組織再編の概要を簡単に説明します。

会社法とは

会社法とは、会社の設立・組織・運営および管理について定めた日本の法律です。会社を経営していくうえで、会社法には3つの役割があると考えられています。

1つ目は、会社の取引相手を保護する役割で、会社に法人格を与え必要な情報を開示することで、保護を図っています。

2つ目は、利益を得やすい仕組みを作ることです。例えば、利害関係者の合意が得られれば定款の変更を可能にするなど、柔軟な制度にすることで利害関係者の利益を実現できるでしょう。

3つ目は、法律関係を明確にできることです。会社法では会社組織に関する訴えを一定期間内に行わなければ法律的な主張はできないとしており、法律関係を早期安定化させることを可能にしています。

組織再編とは

組織再編とは、企業の利益拡大や事業運営の効率化などを目的とし、企業内の組織を編成しなおすことです。

組織再編の手法には、合併・会社分割株式交換・株式移転・事業譲渡があります。これら3つの手法は、後の章でくわしく解説します。

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組織変更との違い

組織再編と似た言葉に組織変更がありますが、組織変更とは、法人格を維持したまま会社の形態を変更することをさします。

会社の形態には、合同会社・合資会社・合名会社・株式会社の4種類があり、合同会社・合資会社・合名会社の3つは持分会社とも呼ばれます。

組織変更は、持分会社から株式会社に会社形態を変更すること、もしくは株式会社から持分会社に会社形態を変更することです。

持分会社から株式会社に変更するメリットには、知名度の向上や資金調達のしやすさなどがあります。一方、株式会社から持分会社に変更するメリットには持分(出資者)が従業員であるため、意思決定が迅速になり従業員の意思を反映できる点が挙げられます。

組織再編の目的

組織再編は、経営の一元化によるコスト削減、ノウハウを結集することでの競争力強化、資金力増強などを目的に実施されることが一般的です。他にも競争力の強化を狙って事業を縮小させる組織再編、効率的を目的としたグループ内事業の統廃合もあるでしょう。

したがって、資本の規模や組織再編の目的によって、選ばれる手法はさまざまです。組織再編の対象は外部企業だけでなく、企業内で行われるケースもあります。外部企業との組織再編を行う場合は、同業他社・事業の買収により、競争力強化を目的に実施されます。

グループ内での組織再編は、子会社同士の合併や会社分割によってグループ管理を効率化する目的で行われるでしょう。

2. 会社法における組織再編行為の図解

次は、会社法における組織再編行為に関して図解を交えて紹介します。会社法における組織再編には、以下の5種類があります。

  1. 合併
  2. 会社分割
  3. 株式交換
  4. 株式移転
  5. 事業譲渡

①合併

合併とは、複数の法人が1つの事業体になることと定義されており、合併後の事業体が既存か新設かによって、以下の2種類に分類されます。

  • 吸収合併
  • 新設合併

吸収合併

ここでは、吸収する会社(存続会社)をA社、吸収される会社(消滅会社)をB社として、この2社で吸収合併を行う場合のケースで説明します。

取引前はA社・B社ともに株式会社であるため、それぞれの株主がシェア100%分を出資しています。吸収合併が行われるとA社はB社の株式を買い取り、B社の経営権を取得するでしょう。

吸収合併後、A社はB社の株主から株式を取得することになりますが、一般的には対価としてA社の株式を交付します

交付される株式の比率は一般的に株価に応じて交付され、この比率を株式比率といいます。なお、吸収合併に反対するB社の株主に対しては、反対株主の株式買取請求権により対価を金銭で交付できるでしょう。取引が完了するとB社は消滅することになり、B社株主はA社株主になります。

下の図解ではA社株主のシェアが75%、元B社株主のシェアは25%ですが、これにより株式比率が3:1であったことがわかります。

新設合併

新設合併の基本的な仕組みは、吸収合併の場合と同じですが、新設する会社が株式を取得し経営権を獲得する点が異なります

つまり、新設合併では消滅会社の株主から株式を買い取り、その対価として新設会社の株式を交付することになります。

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②会社分割

会社分割とは、既存の会社を他の会社に分割することと定義されています。分割した会社が既存の会社に吸収されるか新設会社にするかによって、以下の2種類に分類されます。

  • 吸収分割
  • 新設分割

吸収分割

事業を引き受ける会社(承継会社)をA社、事業を分割する会社(分割会社)をB社として、この2社で吸収分割を行うケースで説明しましょう。

取引前はA社・B社ともに株式会社であるため、それぞれの株主がシェア100%分を出資しています。会社分割が行われると、B社のb1事業を分割しA社がそれを取得するでしょう。

A社はb1事業の対価として自社の株式を交付し、会社分割が完了するとb1事業はA社が経営することになります。

下の図解では株式のシェアが25%ですが、会社分割で引き受ける事業の対価によってシェアは変わります。つまり、事業の取引価格が大きい場合は交付する株式が多くなり、取引価格が小さい場合は交付する株式が少なくなるでしょう。

新設分割

新設分割の基本的な仕組みは、吸収分割と同じですが、分割した事業が新規会社となるか否かが異なります

吸収分割の場合はb1事業がA社に譲渡されますが、新設分割の場合はb1事業で新たな会社を設立します。新しい会社を設立するか否かの点が、吸収分割と新設分割では異なるでしょう。

③株式交換

株式交換とは、2つの既存会社を完全親子会社にする組織再編のことをいいます。ここでは、完全親会社となる既存の会社をA社、完全子会社となる既存の会社をB社として、この2社で株式交換を行うケースを説明しましょう。

取引前はA社・B社ともに株式会社であるため、それぞれの株主がシェア100%分を出資しています。株式交換では、完全親会社となるA社が完全子会社となるB社の株式を取得するため、A社はB社の株主から株式を取得し、対価としてA社は自社の株式を交付(交換)するでしょう。

株主比率は両社の株価に応じて株式比率が決められ、下の図解ではA社株主のシェアと元B社株主のシェアから、3:1の株式比率になっています。

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④株式移転

株式移転とは、2つ以上の既存会社を完全子会社とし、新たに完全親会社を設立する組織再編をさし、持株会社制を導入する際に用いられる手法です。

ここでは、完全子会社となる既存の会社をA社・B社、完全親会社となる会社をP社として、この3社で株式移転を行う場合を説明しましょう。

取引前はA社・B社ともに株式会社であるため、それぞれの株主がシェア100%分を出資しています。株式移転では、完全親会社となるP社が完全子会社となるA社・B社の経営権を取得するため、各社の株主から株式を取得します。

P社は株式移転の対価として自社の株式を交付し、A社・B社両株主からすべての株式を取得すれば株式移転は完了です。

この場合の株式比率はA社・B社の株価に応じて決められ、下の図解では元A社の株主のシェアと元B社の株主のシェアから3:1の株式比率となっています。

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⑤事業譲渡

事業譲渡とは、対象事業の経営権を売買する取引をさします。図解で見ると吸収分割と似たような構図ですが、大きな違いは事業譲受では対価が金銭であることです。

事業を譲り受ける会社(譲受会社)をA社、事業を譲り渡す会社(譲渡会社)をB社として、この2社で事業譲渡を行うケースを例として説明します。

取引前はA社・B社ともに株式会社であるため、それぞれの株主がシェア100%分を出資しています。事業譲渡が行われると、B社がb1事業を譲り渡す対価としてA社は金銭を渡し、金銭の授受をもって事業譲渡は完了するでしょう。

なお、事業譲渡では株式の移動は行われないため、両社の株主やシェアは変わりません。

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株式交付制度

以前は、株式交付親会社が他の株式交付子会社を子会社化するときに、時間や費用がかかっていました。そこで2019年に、自社の株式を株式交付子会社の株主に対価として交付する株式交付制度が、会社法改正で作られています。手続きの仕方は、株式交換の発行とほぼ同じです。

3. 会社法における組織再編行為のメリット

会社法における組織再編行為のメリットを紹介します。

①合併のメリット

合併によるM&Aのメリットとして、余剰人員を適正に配置できる点が挙げられます。例えば、総務・人事・経理を効率化するために一本化にまとめ、余剰人員を他の部署へ配置換えするなどです。

②会社分割のメリット

売手は一部の事業のみを分社化などにより譲渡でき、事業の選択と集中を効率的に実行することが可能です。事業譲渡に代わる手段として柔軟に活用できます。

重要視していない事業を他の企業に譲渡すれば、主要事業への経営資源の集中が図れるでしょう。一部のみを事業承継を検討している場合でも、会社分割により事業を切り離せます。

会社分割によって事業の統廃合を行った結果、事業の集中化による状況把握・判断の迅速化につながりやすくなり、結果として経営者の意思決定が迅速に行われ、組織全体への伝達スピードも向上するでしょう。

③株式交換のメリット

株式交換で完全子会社となった場合でも、法律上は親会社とは別の法人格です。株式交換を行っても株主が代わるのみなので、取引先や従業員からの抵抗も軽減できるでしょう。株式交換の場合、会社組織はそれほど変更が生じないため、子会社の独立性が保持されたM&A手法といえます。

例えば、株式譲渡により完全子会社化する場合は、多額の現金が必要となります。一方、株式交換を活用すると親会社は対価として自社の株式を子会社に渡せば、現金の支払いは不要です。したがって多くの場合、株式交換の対価は親会社の株式で支払われるのが一般的です。

④株式移転のメリット

株式移転ではそれぞれの会社が法人として存続するため、経営統合にかかわる作業を急ぐ必要はありません。買収の対価として新設親会社の新株を発行できるため、買収資金の事前準備は不要です。

⑤事業譲渡のメリット

事業譲渡の性質として、組織再編のような特別なものではなく、個別の取引行為の延長であるといえるでしょう。事業の存続させたまま、事業の一部を譲渡できるといった点は大きなメリットです。不採算事業のみ切り離したい場合や主要な事業を成長させたい場合など、事業譲渡は自由度の高い事業取引が可能です。

事業譲渡で比較的小さなリスクで効果的に成長できるでしょう。のれん相当額は、5年間の償却が損金として計上できるため、節税効果が期待できる点もメリットです。

4. 会社法における組織再編行為の課題

会社法における組織再編行為の課題を解説します。

企業統合

合併は異なる企業同士が1つになりるため、社内風土や人事制度などを統合するための負担が生じるでしょう。 合併により買収された企業が消滅するので、優秀な社員が退職する恐れもあり、会社にとって重大な損失につながる可能性があります。

したがって、PMIを専門家と連携し検討を進めるのが重要です。PMIは短期間で進めるのではなく、数年単位の計画で少しずつ進めていくようにしましょう。

組織再編コストの増加

組織再編は、莫大(ばくだい)な費用がかかります。専門家にM&Aを依頼する費用や各種調査で発生する士業報酬などさまざまです。合併に伴うシステム統合や株主や債権者への対応する費用だけでなく、想定外に発生するケースも考えられます。

対応策として、複数の専門家に依頼するのではなく、できるだけ一元化させましょう。例えばM&A仲介会社などに依頼すると、組織再編における業務を包括的にサポートしてもらえるでしょう。

求められる人材像の変化

組織再編を実施すると経営方針が大きく変わる場合があるでしょう。それによって求められる人材も変化するため、従業員がストレスを感じ、会社が安定的に機能しなくなる恐れもあります。

新たな人材の採用や既存社員の配置転換を行う際は、適材適所に人員を配置するのが重要です。キャリア開発や社員教育の研修を導入することで、社員のスキル向上を図るのも有効な手段です。 

5. 組織再編に関する会社法の条文

会社法における組織再編に関する条文は、第五編で組織変更・合併・会社分割・株式交換及び株式移転が規定されています。

個別企業の組織や活動に関する規定と比べた場合、合併など複合企業の組成に関する規定はやや複雑です。

具体的な規定内容は、第五編第一章~第四章までが「制度」(第743条~774条)、第五章が「手続」(第775条~816条)になっています。会社間の事業譲渡は、会社法の第467~470条に記載されています。

会社法 第五編 組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転
 第一章 組織変更(第743~747条) 
 第二章 合併
  第一節 通則(第748条)
  第二節 吸収合併(第749~752条)
  第三節 新設合併(第753~756条)
 第三章 会社分割
  第一節 吸収分割(第757~761条) 
  第二節 新設分割(第762~766条)
 第四章 株式交換及び株式移転
  第一節 株式交換(第767~771条)
  第二節 株式移転(第767~771条)
 第五章 組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転の手続
  第一節 組織変更の手続(第775~781条)
  第二節 吸収合併等の手続(第782~802条) 
  第三節 新設合併等の手続(第803~816条)

※参考
会社法(電子政府の総合窓口e-Gov)

6. 組織再編に関する会社法の改正について

2015年、組織再編に関して差し止め請求ができるように会社法が改正されました。改正後の会社法では、略式組織再編以外の組織再編(簡易組織再編を除く)、全部取得条項付種類株式の取得および株式併合は、以下2つの条件を満たせば、差し止め請求が可能です。

  1. 当該組織再編が法令または定款に違反する場合
  2. 株主が不利益を受けるおそれがある場合

改正前の会社法では、株主によって差し止め請求ができる組織再編は、特別支配会社である場合だけに限られていたので、不都合な組織再編が行われても株主は組織再編後の事後にしか訴えられませんでした。

改正会社法ではすべての組織再編に関して、株主が差し止めの請求を認めるように改正されています。

7. 組織再編の手続き・流れ

組織再編を行うためには、どのような手続きを踏めばよいのでしょうか。この章では、組織再編の簡単な手続きの手順をそれぞれ解説します。

  1. 各種方法での契約締結
  2. 各種書面の事前開示
  3. 株主総会による承認
  4. 会社債権者保護手続
  5. 会社の登記
  6. 効力発生
  7. 各種書面などの事後開示

①各種方法での契約締結

まずは、各種方法での契約締結を行いますが、通常のM&Aでは最終契約書の締結にあたります

この段階では、会社の経営陣同士で組織再編に関する契約を締結し、基本合意書の締結やデューデリジェンス(企業監査)、組織再編に関する詳細な条件交渉は締結前に行っておきます。株主や債権者への同意は、契約書を締結してから行われるのが一般的です。

②各種書面の事前開示

次に、各種書面での事前開示を行います。これは株主や債権者に対する通知で、組織再編に関係するすべての会社で行わなければなりません

開示の方法は会社法で定められており、会社の定款に定めがない場合は官報公告によって告知を行い、併せて、個別の株主や債権者に対する通知、日刊新聞紙・電子公告のいずれかを行う必要があります。

なお、電子公告は、組織再編に関する要旨だけを記載するのではなく、全文を記載しなければなりません。

③株主総会による承認

次に、株主総会を開催し、特別決議による承認を得ます。株主総会での特別決議を得るためには、議決権を有する株主の過半数が出席し、かつ出席株主の議決権において3分の2以上賛成がなければなりません

株主総会は、組織再編で効力が出る前日までに行えばよいですが、株主総会を開催するためには株主への事前通告が必要になります。

株主への通告は、非公開会社の場合は開催日の1週間前まで、公開会社の場合は開催日の2週間前までに、招集通知を送ることが決められています。

なお、事業譲渡は、すべての案件で株主総会による承認を得る必要はありませんが、会社に大きな影響を与えると考えられる事業譲渡(事業の全譲渡や全受けなど)の場合、株主総会による承認が必要です。

④会社債権者保護手続

会社債権者保護手続とは、組織再編やM&Aにより債権者に重大な影響をおよぼす恐れがある場合、会社が債権者を保護するために行う手続きをさします。

会社債権者保護手続では、債権者に対して官報公告に加え、個別の催告もしくは電子公告による掲載の必要があります。

会社債権者保護手続で組織再編やM&Aに異議を申し出た債権者に対しては、弁済や担保の提供を行いますが、すべての組織再編で会社債権者保護手続が必要になるわけではありません。

例えば、株式交換や株式移転のように債務者が変わらない場合や、事業譲渡のように債権者に個別に同意を求める必要がある組織再編では、会社債権者保護手続の必要はありません。

⑤会社の登記

会社の株主や債権者の同意が得られたら、次は会社の登記を行います。会社の登記では、変更登記・解散登記、新しく会社を設立する場合には新設登記を行う必要があります。

この際、組織再編の契約書や株主総会の議事録、債権者保護手続に関する書面、登記事項証明書などを提出する必要があるため、事前に用意しておくとよいでしょう。

⑥効力発生

組織再編の効力発生日は、事業譲渡や吸収合併などのように組織再編で会社を新設しない場合、組織再編の契約で定めた日が効力日です。

一方、新設合併・新設分割・株式移転のように組織再編で会社が新設される場合、会社の登記日が組織再編の効力日となります。

会社を新設するか否かによって組織再編の効力発生日が異なるため、手続きの際は注意が必要です。

⑦各種書面などの事後開示

最後に、各種書面などの事後開示を行います。組織再編の効力発生日から6カ月間は、法務省令で定める書面または電磁的記録を本店に備え置くことが定められています

なお、効力発生日から6カ月間と定められているのは、合併などの組織再編の無効訴えをするか否かの判断材料を与えるためです。

8. 組織再編を行う際の相談先

会社の組織再編を成功させるためには、M&Aに関する知識や見解に加え、会社法に精通していることも必要であるため、M&A仲介会社など専門家のサポートがおすすめです。

M&A総合研究所では、M&Aや組織再編に関する実績の豊富なM&Aアドバイザーが案件をフルサポートします。料金体系は完全成功報酬制(※譲渡企業様のみ)で、着手金は譲渡企業様・譲受企業様とも完全無料です。無料相談を受け付けていますので、組織再編をご検討の際は、どうぞお気軽にご連絡ください。

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9. 会社法における組織再編行為のまとめ

今回は、会社法における組織再編に関して図解を交えながら解説しました。組織再編は、会社の利益を獲得しやすくしたり、運営の効率化を図ったりするための重要な役割を果たします。

しかし、組織再編は利害関係者にも大きな影響を与える可能性があるため、適切な手順で手続きを行う必要があります。組織再編を行う際は、M&Aに関する知識や経験だけでなく会社法に関する知識や見解も必要になるため、M&Aの専門家に相談しながら進めていくのがよいでしょう。

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