建設会社は事業譲渡/事業売却で経営を立て直す!譲渡のメリットと手順を詳しく解説

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企業情報第一部 部長
辻 亮人

大手M&A仲介会社にて、事業承継や戦略的な成長を目指すM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、経営者が抱える業界特有のお悩みに寄り添いながら、設備工事業や建設コンサルタント、製造業、医療法人など幅広い業種を担当。

建設会社の事業売却(事業譲渡)で経営を立て直したいと考えている方は少なくありません。事業売却(事業譲渡)はまとまった資金が手に入るので立て直しに効果的です。この記事では建設会社の事業売却(事業譲渡)の方法と注意点、M&A仲介会社について解説します。

目次

  1. 経営の立て直しに事業売却が有効な3つの理由
  2. 事業売却と株式譲渡の違いとは?
  3. 建設会社における事業売却(事業譲渡)の成功事例
  4. 事業売却を成功するための3つのポイント
  5. 建設会社で事業売却(事業譲渡)する7ステップ
  6. 建設会社事業売却(事業譲渡)での注意点
  7. 建設会社で事業売却(事業譲渡)は専門家が成功の鍵
  8. まとめ
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1. 経営の立て直しに事業売却が有効な3つの理由

経営の立て直しに事業売却が有効な3つの理由

経営の立て直しをしたいと考えたときは、事業売却に踏み切るのが有効です。

その理由は以下の3つです。
 

  1. まとまった資金が手に入る
  2. 会社全体の収支が良くなる
  3. 建設会社特有の処分コストを削減できる

一つずつ見ていきましょう。

①まとまった資金が手に入る

事業売却をすれば、まとまった資金が手に入るので経営の立て直しに使えます。

他の業種と比べても、重機などの資産を持っていることから売却金額も大きくなりやすいです。買い手が事業に可能性を感じた場合には予想よりも高額で売却できることもあります。

このとき、経営権まで売却の内容に含む必要はありません。法人格を持ったままの状態で、一部の事業だけを売却できるのです。

売却で得たお金は、下記の目的に合わせて自由に使えます。
 

  • 経営を立て直すのに使う
  • 別の事業への投資として活用する
  • そのまま持っておく

事業売却は経営者として会社に残りながら、まとまった資金を手に入れることができます。経営を立て直すための手段としても有効というわけです。

②会社全体の収支が良くなる

もし、赤字の事業を売却した場合には、会社全体の収支を改善できます。

例えば、新規建設の事業と保守・整備事業を運営している会社で考えていきましょう。

新規建設事業では、道路や建物の新規建設の需要が減っていくとします。すると、保守・整備事業だけは豊富な資源を確保できますが、新規建設の事業は衰退して赤字を出してしまう結果となるのです。

そこで、需要が減ってしまった新規建設の部分だけを事業売却します。赤字の事業は売却によってなくなり、会社の収支は改善するでしょう。さらに、手元に残ったまとまった資金は、自由に活用できるので伸ばしたい事業に投資するという選択肢もできます。

通常、事業売却の範囲は売り手と買い手の話し合いで決められるので、話し合いの中で、赤字の出ている事業、将来的に難しい事業を範囲にしてみてください。

売却できれば今伸びている事業に投資できるでしょう。場合によっては現場の人材ごと売却することもあります。ですが、少なくとも経営者のリソースは他の事業に持っていけるのです。

結果、事業売却によって会社全体の収支の改善が可能になります。

③建設会社特有の処分コストを削減できる

建設の事業売却で重機なども範囲として選べば、処分コストを削減できます。

赤字となってしまって事業を辞めるとすると、重機など特殊な設備の処分コストがかかります。もちろん、重機などは辞めてしまった後に売却もできるでしょう。

しかし、古すぎて値段がつかないケースや、特殊な機械で買い手が見つかりにくいケースなど、売却に手間取ることもあります

事業売却で重機ごと売却する場合は、買い手と話し合いをするときに、事業に必要な機械や資材も渡せることは大きなメリットです。自社で処分するコストを削減し、買い手にとって嬉しい条件として提示できるのです。

処分コストに抵抗感を持つことは少なくありませんから、削減するためにも事業売却に重機なども含めてみましょう

以上3つの理由から、経営の立て直しに事業売却が有効ということをお伝えしました。

次は、正しく事業売却を理解するために、間違えやすい株式譲渡との違いについて解説します。

【関連】建築会社の事業売却は簡単?「売りたい」と思ったら何をすべき?

2. 事業売却と株式譲渡の違いとは?

事業売却と株式譲渡の違いとは?

ここまで経営の立て直しに事業売却が有効ということを解説しましたが、売却と間違いやすい株式譲渡というものがあります。

まずは簡単に違いを表にまとめてみました。
 

  事業売却
事業譲渡
株式譲渡
(会社売却)
売買の対象 事業の全て
(または一部)
株式
買い手が得るもの 事業に関するもの全て
(または一部)
会社の所有権、経営権、個人保証
売買の目的 事業の選択と集中 事業承継や経営基盤強化

違いを知るためにもそれぞれについて詳しく説明していくので参考にしてください。

事業売却とは?

事業売却を簡単に説明すると、事業ごと売ることです。経営している事業に関するもの全て、または一部を売却して資金を得ます。

会社の一部である事業のみを売買するため、経営権などは変わらないので会社はそのまま残すことができるのです。事業売却で得た資金で経営を立て直すなど、今後の方針は会社が自由に決められます。

事業売却では、まとまった資金を得られるほか、事業の選択と集中ができるのが大きなポイントとお伝えしました。会社はそのままの形で経営を立て直すのであれば、経営権は持っておきたいので事業売却が有効です。

株式譲渡とは?

株式譲渡を簡単に説明すると、会社ごと売ることです。会社の所有権、経営権、個人保証などを含めて全て売買に出します。

株式譲渡では、株式を売却して新たな法人の株主に所有権を移動させる方法が基本です。中小企業の場合、経営者が株主を兼ねていることがほとんどですから、所有権と経営権が売買に入ります。

会社の全てを売却することになり、株式での取引で株主に対価が支払われる形です。通常、経営を立て直す目的では、所有権・経営権を失ってしまうため株式譲渡は選びません。

今回の記事では、事業売却についてお伝えしています。もし全ての事業を含めて会社ごと売りたい場合には、以下の記事で詳しく説明していますので参考にしてください。

【関連】建設会社は会社譲渡(株式譲渡)で悩みを解決!譲渡の理由や成功するポイントを解説

3. 建設会社における事業売却(事業譲渡)の成功事例

建設会社における事業売却(事業譲渡)の成功事例

経営を立て直すのに事業売却は有効と解説しましたが、「本当に成功した事例があるのか」と気になることでしょう。

「建設の事業売却は大手企業がするもの」というイメージを持っているかもしれません。しかし、中小企業でも多くの事例がある分野です。わかりやすいように、中小企業で事業売却をした成功事例を紹介します。

【譲渡(売り手側)企業】

  • 事業内容:道路造成事業、道路補修事業
  • 営業利益:2,000万円
  • 拠点:佐賀
  • 従業員数:正社員5名、基礎施工士10名

【譲受(買い手側)企業】
  • 事業内容:道路舗装事業、トンネル工事
  • 営業利益:8億円
  • 拠点:福岡
  • 従業員数:50名

売り手は、道路造成事業、道路補修事業を主軸として経営をしていました。しかし、公共工事の減少により業績が悪化してしまいます。そこで、経営を立て直すために、会社全体の重荷になってしまう前に事業売却をすることにしたのです。

また、経営者は高齢だったこともあり、近いエリアで早く事業を売りたいと考えていました。

一方買い手は、福岡市を中心に道路やトンネルの整備、保守整備を行ってきた会社です。自社の影響力をさらに強めるため、似た事業を行っている企業を近場で探していました。同時期に売り手のことを知り、事業売却への話し合いを持ちかけます。

この2社は拠点としているエリアが少し遠いものの、行っている事業に共通点が多く経営者同士の話し合いはスムーズに行われました。譲渡価格は7,000万円で、今後は売り手の持つ資源を生かし、さらに土木工事事業を強化するとしています。

事業売却でまとまった資金を得ただけではなく、買い手は影響力をさらに強めることができたのです。

これは、近いエリアでの事業強化を求めている買い手によって事業売却が成立した事例です。中小企業であっても、近場で探しているなどの条件が合えば買収を考える企業は少なくありません。

しかし、この事例のように簡単には事業売却の相手は見つかりません。そこで頼りになるのがM&A仲介会社などの専門家です。

専門家であれば、適切な料金で滞りなくスムーズに事業売却を行えます。まずは、気軽に相談してみてください。

もしM&A仲介会社をお探しの場合は、M&A総合研究所にお任せください。

M&A総合研究所には、事業売却(事業譲渡)に精通したM&Aアドバイザーが在籍しており、親身になって案件をフルサポートいたします。

無料相談を行っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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Essex Homes Southeast, Inc.から大和ハウス工業への事業売却(事業譲渡)

大和ハウス工業

大和ハウス工業

出典:https://www.daiwahouse.co.jp/

2020年に行われた建設会社における事業売却(事業譲渡)の事例も紹介しておきます。

2020年2月に、アメリカのEssex Homes Southeast, Inc.は、大和ハウス工業に事業譲渡しています。

大和ハウス工業の傘下であるStanley-Martin Communities, LLCは、戸建住宅事業を手掛けるEssex Homes Southeast, Inc.およびその関係会社と事業譲渡契約を結んで、ノースカロライナ州とサウスカロライナ州の事業を譲り受けました。

これにより大和ハウスグループは、Stanley-Martin社の拠点に近いという利点を生かして管理・製品・マーケティング面での相乗効果創出を狙うとともに、アメリカでさらに事業エリアを広げることを見込んでいます。

事業売却(事業譲渡)するときの売却額目安

自社の建設を事業売却するときに「いくらくらいになるのか」と知りたい人もいるでしょう。

そのようなときは売却額の目安を計算することをおすすめします。特に未上場企業の場合は事業の価値がわからないことがほとんどです。売却額の目安を求めるときは、以下のような式を活用してください。

この計算式は、中小企業でも多く使われているものです。
 

  • 事業価値=譲渡事業の時価資産+3~5年分の営業利益

「譲渡企業の時価資産」とは、建設会社であれば事業に使う機械や工具、事業を行う拠点などがあげられます。営業利益とは、売上総利益から販売費および一般管理費を引いたものです。

例えば、譲渡事業の時価資産が5,000万円、営業利益が1,000万円の場合事業の価値は8,000万円~1億円ほどになります。

営業利益の3〜5年分を将来的な利益として算出できるのです。計算しておけば買い手との話し合いで具体的な金額を提示できます。

しかし、「具体的な金額がわかってもそんなにうまくいかないだろう」と考える人が多いでしょう。

そこで、次の項目で成功するために覚えておきたいポイントを3つ紹介していきますので参考にしてみてください。

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4. 事業売却を成功するための3つのポイント

事業売却を成功するための3つのポイント

建設の事業売却に成功するために覚えておきたいポイントは以下の3つです。
 

  1. 適切な売却価格であること
  2. 理想的な買い手を見つけること
  3. 適正な条件で契約すること

それぞれわかりやすく説明していきます。

①適切な売却価格であること

事業売却に成功する1つ目のポイントが「適切な売却価格であること」です。

事業売却の希望額が著しく高ければ、買い手は損をしてしまうことから見つかりません。

反対に安すぎては、買い手に不信感を与えてしまうのです。どれだけ好条件でも、適切な売却価格でなければ買い手を見つけることに苦労してしまうでしょう。

最も悪い事例として、自分が見てきた限りまだ将来的にも利益が出るとして売却価格を付けることです。確かに、今まで続けてきた事業ですから利益の見込みはあるかもしれません。しかし、買い手から見ればその部分がメリットとは限らないのです。

近場での事業拡大を狙って利益を自社であげようと考えている買い手もいるでしょう。中には、どれだけの利益が狙えるかを買い手側が徹底的に分析してから見極めていることもあります。

買い手によって事業の価値は違うわけですから、思い込みや自分の判断で付けた売却価格が適切ではないことが多いのです。

買い手も十分に検討して見ている部分ですから、適切な売却価格を付けることを意識していきましょう。

②理想的な買い手を見つけること

事業売却に成功する2つ目のポイントが「理想的な買い手を見つけること」です。

いかに適切な売却価格を設定したとしても、買い手がいなければ事業売却は成り立ちません。従業員や重機などのことを考えると、さまざまな条件が出てくるはずです。絞り込むほど買い手は減っていくので、焦りを感じながら時間が過ぎていくでしょう。

では、理想的な買い手はどのように見つけるのでしょうか。

それは、仲介会社を活用し、しっかりと連携を取ることです。仲介会社に自分の希望をしっかりと伝えれば、希望どおりの買い手候補を探してもらえます。

探してもらうだけではなく、どのような買い手候補がいるのかを定期的に報告してもらうこともできるでしょう。場合によっては複数の仲介会社に依頼して徹底的に探してもらっても問題ありません。

どれだけ大変なことなのかは、取引先を見つけることを考えるとわかります。

何度もアポイントを取り、時間をもらって話し合いをしていくことで初めて事業売却が成り立つのです。理想的な買い手を見つけることは、適切な価格を付けることよりも難しいでしょう。しかし、事業売却では買い手を見つけることは必要不可欠です。

③適正な条件で契約すること

事業売却に成功する3つ目のポイントが「適正な条件で契約すること」です。

なぜなら、売り手だけが有利な条件では事業売却に納得してもらえないからです。適正な条件とは、お互いが納得できる条件をいいます。事業売却で利益を得るのは自社だけではなく、買い手側も同じでなければなりません。

そこで大切なのが話し合いの場を用意して意見を交換することです。お互いの意見を聞き、調整をしながら事業売却の範囲を決めていきます。1度でよいこともあれば、何度も必要となることもあるでしょう。

もちろん、仲介会社が間に入ってくれるので、トラブルは起こりにくいです。

適正な条件で契約することはお互い納得して、事業売却後のトラブルを防ぐことにもつながる大切なことです。話し合いが面倒に感じてしまうかもしれませんが、リスクを負わないためにも適正な条件になるよう続けていきましょう。

ここまで、建設会社の事業売却に成功するための3つのポイントを解説してきました。

売却するためには必要なことですが、実際に行ってみると相当な時間と労力が必要です。事業売却ではなく、経営を立て直す別の方法を考えた方が楽に感じます。

そのため、繰り返しになりますが、M&A仲介会社を活用していく方が良いでしょう。

まだ事業売却に関して具体的に決まっていない人も、相談することで、価格から買い手候補、さらに現実的な売却条件まで出してくれる場合もあるので、まずは気軽に相談するところから始めてみてください。

【関連】建築会社の事業承継・譲渡の相談先は?仲介会社の選び方を紹介!

5. 建設会社で事業売却(事業譲渡)する7ステップ

建設会社で事業売却(事業譲渡)する7ステップ

ここまで建設会社で事業売却を成功させるために知っておきたいことをお伝えしました。

次は、実際に建設会社の事業売却を進めるために知っておきたい流れを以下の7ステップに分けて解説します。
 

  1. 会社内部の取引や資産をまとめる
  2. M&Aの専門家に相談する
  3. 買い手と話し合いをする
  4. 買い手が売り手の会社をチェックする
  5. 取締役会で合意を得る
  6. 株主に事業譲渡20日前に知らせて総会を開催する
  7. 名義変更とその他の届け出をする

知らないと損をしてしまったり、余計な時間がかかったりする部分もあります。失敗しないためにも参考にして覚えておきましょう。

①会社内部の取引や資産をまとめる

建設会社で事業売却を考えたときには、会社内部の取引や資産をまとめましょう。

なぜなら、売却する事業の範囲を決める必要があるからです。

ここでは、売却する事業について徹底的に算出していきます。細かいところまで算出することで、売却額を増やすこともできるからです。事業売却後にトラブルを引き起こさなことにもつながりますので、改めてチェックしながら算出していきましょう。
 

  • 不正な取引はないか
  • 不正な会計が行われていないか

これらの2つの部分に関しては、特に手を抜かずにしっかりとチェックしておきます。後で発覚してしまうと事業売却自体がなくなることもあるのです。

会社内部の取引や資産をまとめたら、事業売却する範囲を決めましょう。

②M&Aの専門家に相談する

次に、M&Aの専門家に相談していきます。

なぜなら、以下のような理由があるからです。
 

  • 買い手を探すのが難しい
  • 悩んでいる間に無駄に時間を使ってしまう
  • 重機も計算に入れるとややこしくなる
  • 契約までに時間がかかってしまう
  • 希望価格以上での売却が期待できる

事業売却はM&Aの専門家に相談した方が圧倒的に早く、そして売却金額も大きくなります。悩んだときにはアドバイスを受けることもできるので、すぐに行動へ移せるのもメリットです。

別の相談先として銀行などの金融機関や地域の相談窓口などもあります。しかし、事業売却の専門家ではないので、すぐに回答がもらえないこともあります。M&Aについて詳しい知識を持つM&A仲介会社の利用は事業売却を円滑にすすめるためにも必要不可欠といえるでしょう。

M&A仲介会社は事業譲渡についての手続きに慣れており、小さな案件にも対応してくれるところが多いです。買い手探しを始めたい場合は、まずM&A仲介会社へ気軽に相談してみてください。

M&A総合研究所では、事業譲渡に精通したM&Aアドバイザーが案件をフルサポートいたします。

事業譲渡をご検討の際は、まずは無料相談からご利用ください。

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秘密保持契約をしておく

M&Aを利用するときには、秘密保持契約をしておきましょう。

なぜなら、自社の内部情報から事業売却を希望していることが漏れてしまい、大きな被害を受けることもあるからです。

会社を経営していればどこでもライバル企業というものは存在します。事業売却で出てきた内部情報などは、ライバル企業に漏れてしまうと問題になることも多いでしょう。

それだけではありません。今まで大切にしてきた取引先や従業員に事業売却のことを知られてしまうと、不信感を抱かせてしまうのです。伝えるタイミングを正しく用意して順序よく進める必要があります。

秘密保持契約をしていれば、外部に情報が漏れることはありません。余計なトラブルや誤解を減らすためにもできるだけ結んでおきましょう。

③買い手と話し合いをする

M&A仲介会社に相談をすれば、適切な買い手を見つけてもらえるので話し合いに進みます。

事業売却の範囲、経営理念から今後の方針までお互いに理解できるまで話し合うことがとても大切です。事業売却とはいえ、従業員にも影響があることですし、育ててきた事業ですからこだわりの点も多いでしょう。

お互いに意見を交換して、納得できるまで話し合いをしておくとトラブルもなく安心して任せられます。

話し合いの結果、合意を得られれば基本合意契約を結びます。基本合意契約とは、事業売却の条件や手続きなどのスケジュールまで双方が合意したという証明です。法律で定められてはいませんが、あとで確認するときに便利ですから契約を結びましょう。

「基本合意契約はわかったけど、どのように契約して何が必要なのかわからない」という人も多いはずです。この点もM&A仲介会社からアドバイスを受けられるため、指導を受けながら丁寧に作成できるので安心です。

買い手と話し合いをして基本合意契約までできれば、次のステップに進みましょう。

④買い手が売り手の会社をチェックする

基本合意契約まで終えれば、買い手が売り手の会社をチェックします。これがデューデリジェンスです。

デューデリジェンスでは、買い手が公認会計士などの専門家と一緒に事業売却の内容や実情に問題がないかを確認します。主に以下の内容について確認するので覚えておきましょう。最初に徹底的に事業売却の範囲を調べていれば問題ないはずです。
 

  • 実地調査
  • 会計
  • 税務面 

細かい部分まで調べるので、できる範囲で協力してデューデリジェンスをサポートしましょう。具体的には、内部制度に関する説明や社内の案内などをすれば、事業売却までの期間を短縮できます。

デューデリジェンスで問題があれば、基本合意契約後でも内容に変更があるので注意してください。内容変更を招かないためにも、最初に徹底的に洗い出しをすることが大切です。

デューデリジェンスが無事に終われば次のステップとなります。ここまでくれば事業売却まであと少しです。難しいことはないので順序良く進めてください。

⑤取締役会で合意を得る

デューデリジェンスを終えると事業売却はほとんど確定しているので、取締役会で合意を得ましょう。

取締役会で合意を得られなければ、手続きを進められません。取締役会をする前に、社内の経営陣に事業売却について説明しておくと良いでしょう。

また、合意を得るためには内容を丁寧に説明する必要もあります。今まで行ってきた順序に合わせてどのような経緯から事業売却が確定するかという説明をわかりやすくしてください。

無事に合意が得られたら、事業売却(譲渡)契約をしていきます。売り手と買い手のどちらも事業売却の内容や価格、方針に合意したことを表すものです。

契約に記載する内容は多岐に渡りますが、代表的には以下のようなものがあります。
 

  • 事業の内容
  • 財産の概要
  • 引き渡し時期 

ここでは、事実と異なることを記載してはいけません。場合によっては損害賠償を請求されてしまいます。不安なときは、M&A仲介会社に相談してみましょう。丁寧に教えてもらえるので、スムーズに進むはずです。

取締役会の合意、事業売却契約が終われば次は株主への告知をしていきます。

⑥株主に事業譲渡20日前に知らせて総会を開催する

建設会社で事業売却が確定したら、売却の20日前までに株主へ伝えて総会を開催します。

伝えるときには、中小企業の場合であれば個別で知らせるだけで問題ありません。そこまで手間はかかりませんが、漏れがないよう丁寧に知らせるようにしてください。

日取りが決まり次第、株主総会を開催しましょう。議決権の過半数を持つ株主が出席し、特別決議で2/3以上の賛成を得なければいけません。

株主総会は事業譲渡の前日までに行いますので、早めに準備をしましょう。

公告も有効活用する

株主の人数が多くて困っている人もいるはずです。そのようなときは、公告を有効活用してみましょう。

公告とは、新聞やインターネット上で会社に関する知らせを発表することをいいます。公告を出すときは、以下の場所に連絡をするのが一般的です。
 

  • 全国官報販売協同組合
  • 各都道府県の官報販売所 

株主総会で事業売却の承認がされている場合は有料です。しかし、公告のみで事業売却の知らせを済ませることも可能なので、株主の人数に合わせて試してください。

⑦名義変更とその他の届け出をする

株主総会で賛成を得られたら、最後に売却する事業の名義変更とその他の届け出を行いましょう。

なぜなら、名義変更をしておかなければ買い手が事業を正常に行えない可能性があるからです。細かい部分にも気を配りながら名義変更してください。従業員が使う事業用車であっても名義変更は必要です。

どこまで名義変更すれば良いのか悩んだときは、M&A仲介会社に相談してみましょう。丁寧に範囲や忘れがちな部分などを説明してくれます。失敗のリスクを減らすためにも気軽に相談してください。

建設会社の事業譲渡に必要な手続きについて、アドバイザーに相談しながら進めていきましょう。

ここまでが、建設業を引き継ぐ際の手順でした。

手順をあらかじめ知っておくことで、事業譲渡までのスケジュールが立てやすくなります。早くても3カ月はかかる手続きですので、必要なものは今のうちから準備しておきましょう。

特定の届け出に注意

その他の手続きとして特定の届け出が必要な場合があります

代表的な届け出としては以下のようなものです。
 

  • 公正取引委員会への届け出(売上が200億円を超えている企業のみ)
  • 臨時報告書の提出(有価証券報告書を提出している企業のみ) 

難しいものも多くあるので、M&Aのアドバイザーへ気軽に相談してみると良いでしょう。忘れやすいことも徹底的にサポートしてくれます。

ここまで、事業売却の方法をお伝えしてきました。問題なく進められそうですが、中には最低限注意しておきたいところもあります。

次の項目で必ずチェックしておきましょう。

6. 建設会社事業売却(事業譲渡)での注意点

建設会社事業売却(事業譲渡)での注意点

建設会社の事業売却で注意しておきたいのは以下の4つです。
 

  1. 従業員のマイナス面へ配慮しておく
  2. 譲渡範囲は細かく決めておく
  3. 建設業許可(許認可)を念頭に置く
  4. 売却金額から税金の負担が必要

それぞれをわかりやすく説明していきます。

①従業員のマイナス面へ配慮しておく

まず1つ目の注意点は「従業員のマイナス面へ配慮しておく」ことです。

事業売却は会社の経営だけに影響するものではありません。従業員の待遇や心理面にも大きな影響を与えてしまいます。長く勤めた会社が別の会社に変わることはすぐに納得できないのです。

これは、人間が本能的に安定を求めているからで、不満と共存しながらでも、安定している今の状態が変わると反発してしまうことがあるのです。

従業員が抱える気持ちには他にも以下のものがあります。
 

  • 状況がよくなるかもしれない期待感
  • 安定性を失うことへの恐怖
  • 待遇が悪くなる可能性への不安感
  • 事実を把握できない心の乱れ 

どのように変更されるのか、今後のことまで従業員には伝えてあげてください。まれに雇用契約が引き継がれない可能性もあります

従業員のマイナス面への配慮は、事業売却にかかわらず経営者として最低限のマナーとして覚えておきましょう。

事業譲渡を伝えるベストなタイミング

では、事業売却を従業員に伝えるベストなタイミングはいつでしょうか。

最も効果的なタイミングが「事業売却が成立する前」です。もっと細かくいえば、契約書にサインをするだけの段階で伝えましょう。

例えば、成立する前には必ず買い手が事業を確認するデューデリジェンスが行われます。そのときに何も知らず、突然売却のことを知ったらどうなるでしょう。多くの場合、経営者に対して不信感を抱いてしまうはずです。

だからこそ、事業売却が成立する前に伝えるべきなのです。早すぎてしまえば、頓挫してしまい売却がなくなると従業員を振り回してしまうだけになってしまいます。そのため、タイミングは契約書にサインするだけの段階のサインをする前に伝えるのがおすすめです。

具体的な処遇については事業売却後に改めて説明します。未確定な情報ではなく、確実な情報を伝えるためです。従業員のメンタル面にも十分に配慮したうえで事業売却を進めましょう。

②譲渡範囲は細かく決めておく

2つ目の注意点は「譲渡範囲は細かく決めておく」ことです。

事業売却では、細かく範囲を決めておくとトラブル防止につながります。例えば、以下のようなものまで決めておきましょう。
 

  • 従業員を何名転籍するのか
  • 資産はどの程度渡すのか
  • 売却する事業の範囲はどこまでなのか
  • 負債についてはどのようにするのか

引き継ぎでは、どこまでという線引きがとても大切です。後になって認識にずれが出てしまうと、買い手との関係悪化にもつながりかねません。最悪の場合、従業員にも影響が出てしまうのです。

事業売却でどこまでの範囲を取り扱うのか、徹底的に決めておく必要があるでしょう。不安なときはM&Aのアドバイザーへ気軽に相談してみると、うまく線引きができるはずです。

③建設業許可(許認可)を念頭に置く

3つ目の注意点は「建設業許可(許認可)を念頭に置く」ことです。

建設業許可は事業売却で引き継ぎできません。続けて建設業を行う場合には買い手が新たに申請する必要があるのです。

許可証が発行されるまでは約1カ月かかります。売却後の事業開始日の調整が必要ですので、最初から念頭に置いて話し合いを進めるべきです。

では、建設業許可を取得するために買い手側はどれだけの労力が必要なのでしょうか。

簡単に流れを説明すると以下のようになります。
 

  • 譲渡によって条件を満たし申請ができる状態が整う
  • 許可申請をする
  • 審査に約30日〜3カ月待つ
  • 許可を得て事業を再開する

建設業の経験がない買い手なら、「手続きを知らなかった」という可能性も十分にあります。事業売却のスケジュールの中に組み込めば、事業売却後もスムーズでしょう。

話し合いの中で、行政書士やM&Aのアドバイザーにも相談して建設業許可についても忘れないようにしてください。

④売却金額から税金の負担が必要

4つ目の注意点は「売却金額から税金の負担が必要」ということです。

事業売却には以下のような税金がかかります
 

  • 消費税
  • 法人税

それぞれわかりやすく見ていきましょう。

消費税

消費税は事業売却する資産に対してかかる税金です。売却金額がマイナスであっても税金が必要です。金額としては売却額に対して10%の税金です。

買い手側に請求することになりますので丁寧に計算しましょう。

中には、建設業に限らず課税の対象にならない資産があります。それは以下の資産です。
 

  • 土地
  • 有形証券
  • 債権

消費税がかからないものまで計算して請求しないよう、気を付けてください。

法人税

事業売却で得た売却金額に対して法人税の支払いが課せられます。さらに細かく説明すると、以下の計算式で算出した利益に対しての税金が必要です。
 

  • 売却額-譲渡資産の簿価=売却金額

売却金額がプラスであるなら、法人税率を掛けて税金が必要です。マイナスの場合、会社自体が赤字の場合の法人税金分は差し引かれることになるのです。

税率は40%くらいなので覚えておきましょう。

ここまで注意点を紹介してきましたが、難しい税金の内容などもあったので不安に感じた方も多いはずです。

1度に全て理解して、すぐに行動に移せる人はそう多くありません。そこで便利なのが専門家への相談です。難しい計算や面倒な手続きも丁寧に説明してくれるので、不安を感じることなく事業売却をスムーズに進められます。

7. 建設会社で事業売却(事業譲渡)は専門家が成功の鍵

建設会社で事業売却(事業譲渡)は専門家が成功の鍵

建設会社に限らず事業売却は簡単ではありません。だからこそ、まずはM&A仲介会社に相談することが成功の鍵です。
 

  1. 売価のこと
  2. 買い手の探し方
  3. 交渉の仕方
  4. 手続きの方法や注意点
  5. トラブルの対処
  6. 税金に関するもの

すぐに行動に移して事業売却に踏み切るのは、簡単ではありません。しかし、M&Aの専門家に相談すれば買い手を見つけるところから、相場、手続きまでサポートを受けられます

場合によっては、売却金額がアップすることもあります。少しでも多くまとまった資金が欲しい人は、特にM&Aの専門家へ相談する方が良いでしょう。

もしM&Aの専門家をお探しの場合は、M&A総合研究所にご相談ください。

M&A総合研究所は相談料が無料で、無料相談後もM&A成約まで一切の費用はかかりません

成約時の成功報酬も国内最安値水準でご好評をいただいていますので、安心してM&A総合研究所までお問い合わせください。

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8. まとめ

まとめ

事業売却をすれば経営を立て直し、今ある事業の伸びをサポートできます。事業の整理や集中にも事業売却は役立つのです。

「まとまった資金があればどうにかできるのに」「特定の事業だけを残したい」という方は、事業売却に踏み切ってみましょう。よくわからないことがあれば、M&A仲介会社に気軽に相談してください。

今の悩みをそのままにせず、経営を立て直し再出発しましょう。

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