2022年12月06日更新
M&Aとは何の略?M&Aの意味をわかりやすく解説!
M&Aという言葉はよく耳にするけれど、何の略なのか、またどのようなものなのか、わからない方も多いのではないでしょうか。この記事では、M&Aの読み方や何の略なのか、M&Aのメリットや歴史など、M&Aについてわかりやすく解説します。
1. M&Aとは「合併と買収」の略
M&Aとは、Mergers(合併)& Acquisitions(買収)の略称であり、合併などの企業組織再編行為と会社や事業そのものの売買取引の総称です。M&Aの定義として、資本の移動と経営権の移転の2つがあります。
資本提携では経営権は移転しませんが、資本の移動は伴うため、広義のM&Aとするのが一般的です。M&Aにおいて買い手となる企業は、今ある事業の拡大や、新規事業への参入などを目的としてM&Aを行うことが多くあります。
売り手となる企業のM&Aの目的は、資金調達や自社の事業承継のためなどです。中小企業にとってM&Aは、事業承継問題の解決のために利用されることがよくあります。たとえば、後継者問題による事業承継の課題は、日本において非常に大きな問題です。
そこでM&Aを行うことによって、売り手側は自社の築いてきた事業を継続でき、買い手側にとっては、長年、受け継がれてきた技術などを買収でき、お互いにメリットのある取引ができます。
企業同士が統合することによって得られるシナジー効果は、市場経済に影響を与えることも可能です。M&Aの手法は、合併と買収だけではありませんが、まずは、M&Aの合併(Merger)と買収(Acquisition)について知るところから始めましょう。
合併(Merger)とは
合併とは、2つ以上の企業が統合することです。合併の中でも、1つの企業に他の企業が吸収される形で統合する「吸収合併」と、合併を行う企業とは別の企業を新設し、その新設された企業に統合される場合の「新設合併」があります。
合併により法人格を失う企業を消滅会社、合併後も法人格が残る企業を存続会社と呼びますが、合併のメリットは以下の4点です。
- 対価に存続会社の株式を用いられるため、現金の準備がいらない
- 包括承継であるため、消滅会社の権利義務、許認可など全てを引き継げる
- 企業規模が瞬時に拡大できる
- 税制の適格要件を満たした場合は、優遇措置を得られる
一方、合併のデメリットとなるのは以下の点です。
- 存続会社の株主構成が変わってしまい、その比率によっては経営が不安定化する
- 包括承継であるため、不要な資産や負債なども引き継がねばならない
買収(Acquisition)とは
買収とは、現金や株式によって、対象となる企業全体や一部の事業を買い取ることです。買収の中でも、資産を買収する「事業譲渡」と、資本参加する「株式取得」に分けられます。
事業譲渡の場合は、全部を譲渡するケースと一部を譲渡するケースに分けられ、株式取得の場合は複数のM&Aスキームがあり、その概要は以下のとおりです。
- 株式譲渡:売り手企業の株式を買収することで経営権を取得する
- 株式交換:完全親子会社関係になることを前提に売り手企業の株式を取得し、対価として買い手企業の株式を交付する
- 株式移転:持株会社体制構築のために新会社を設立して行われる株式交換
- 第三者割当増資:特定の第三者に株式を交付することで資金調達を行う
ここで簡単に事業譲渡と株式取得のメリット・デメリットも説明します。
事業譲渡
事業譲渡のメリットとしては、企業全体ではなく事業のみを買収するため、自社が必要なものだけを選んで買収できる点が挙げられます。自社にとって有益なものだけを選べるため、相手企業が抱えている隠れ債務まで買収してしまうリスクを避けられます。
売り手も同様に、不採算事業、非主力事業など売りたいものだけを売れるので、事業の選択と集中が実現可能です。一方、事業譲渡では買い手に以下のようなデメリットがあります。
- 譲渡対象に消費税課税資産が含まれている場合、消費税が発生する
- 手続きが煩雑で時間がかかる
- 従業員とは個別に同意を取り、雇用契約を新たに締結しなければならない
株式取得
株式取得のメリットとしては、買収する対象企業の株式の割合を自由に決められること、事業譲渡の場合と比べて手続きが容易になりやすいことです。
一方、株式取得のデメリットとしては、対象企業を全て引き継ぐ必要があり、引き継ぐ範囲を選べないため、対象企業が抱えている債務も引き継いでしまうリスクがあります。
2. M&Aとは?M&Aの概要
M&Aとは、どのように行われるのか、概要を解説します。はじめに、M&Aのプロセスは以下のとおりです。
- M&Aの目的明確化
- M&A仲介会社の選定
- 仲介契約またはアドバイザリー契約の締結
- M&Aのスキーム決定
- 企業分析
- 企業へのアプローチ
- 秘密保持契約締結
- トップ面談
- 基本合意書の締結
- デューデリジェンス実施
- 最終契約締結
- クロージング
- PMIの実施
M&Aの最大の目的は、PMIの実施によりシナジー効果を引き出し、さらなる経済効果を生み出すことです。PMIとは、M&Aクロージング後に行われる企業の統合プロセスのことをさします。M&Aの目的を決めるときには、このPMIの実施内容を想定して決めることが大切です。
目的明確化の次に重要となるのが、M&Aスキーム(手法)の策定になります。さまざまなスキームの中から、お互いのメリットを引き出し、シナジー効果が期待できるスキームを決定することが肝要です。
対象企業についてしっかり調査を重ね、M&Aの条件に対する意見が固まれば、基本合意書を締結します。この基本合意書は、法的拘束力がありません。つまり、まだM&Aは成約していません。基本合意書締結後に買収監査(デューデリジェンス)を行います。
デューデリジェンスでは、財務・法務・労務・IT・ビジネスなどさまざまな面から対象企業の調査を行います。目的は、隠れたリスクの有無、企業価値評価(バリュエーション)のための情報収集・確認、PMI計画策定のための情報収集です。
デューデリジェンスの結果を十分に検討しM&Aに大きなリスクがなければ、最終契約書を締結し、クロージングとなります。クロージングとは、最終契約書の内容を履行することです。株式や資産の引き渡し、対価の支払いなどが該当します。
M&Aのスキーム
M&Aスキームは、大きく「買収」「合併」「会社分割」に分けられます。M&Aの目的や対象企業の状況に応じて、スキームを決定することが大切です。買収と合併に関しては前述しましたので、ここでは、「分割」を詳しく見ましょう。
M&Aによる会社分割は、さらに「新設分割」と「吸収分割」に分けられます。新設分割とは、事業を分割する際に新しい会社を設立する形で事業を分割する手法のことです。この際、元の事業を持っていた会社の株主は、両方の株を保有することになります。
吸収分割とは、分割する事業を、すでに事業を持っている企業が吸収する形で事業の分割を行う手法のことです。
この場合、すでに事業を持っている企業の株主は、そのままその企業のみの株を保有することになります。しかし、分割する事業を持っていた側の株主は、分割する企業と、新しく事業を持つ企業の両方の株を保有することになります。
会社分割の主なメリットは、以下の3点です。
- 事業を譲受する側は対価に自社株式を用いられるので、現金が必要ない
- 事業譲渡と違って事業部門を丸ごと引き渡す包括承継であるため、権利義務、許認可なども引き継げる(業種によっては引き継げない許認可もある)
- 事業譲渡のような消費税は発生しない
一方、会社分割の主なデメリットは以下の2点です。
- 包括承継であるため、不要な資産や債務も引き継がねばならない
- 財務面での取引が複雑なため、負担が大きい
M&Aの成立条件
M&Aの成立条件として、M&Aを行うにあたって必要となる契約書類を解説します。まずは、M&Aを行う会社とM&A仲介会社が結ぶ契約として、業務委託契約がありますのでこちらから確認しましょう。業務委託契約には、以下の2タイプがあります。
- 仲介契約:M&A仲介会社は売り手・買い手の双方と契約し、両者を仲介して成約を目指す
- アドバイザリー契約:M&A仲介会社は売り手・買い手のどちらかとのみ契約し、顧客の最大限の利益を目指す
売り手・買い手が交渉を開始する前に締結するのが、秘密保持契約(NDA契約)です。M&Aでは、企業に関する詳細な情報を扱うことになります。自社の機密情報を守るために秘密保持契約の締結は必須です。
条件が大筋で合意したときには、基本合意書を締結します。基本合意書は、独占交渉権とデューデリジェンスの協力義務以外は、法的拘束力がありません。M&Aが成約したわけではないので、まだ気は抜けない状況です。
基本合意書の締結後、デューデリジェンス(買収監査)が行われます。その調査結果をもとに最終交渉が行われ、合意が得られれば晴れて最終契約書の締結です。なお、最終契約書とは便宜上の呼称で、実際には以下のようなM&Aスキーム名がついた名称になります。
- 株式譲渡契約書
- 事業譲渡契約書
- 合併契約書
- 会社分割契約書
M&Aのメリット
M&Aを行うことによって得られるメリットには、多くのものがありますが、ここでは4つに絞って解説します。まず1つ目は、買収や合併を行うことによって、企業の規模が拡大することです。複数の会社が統合すれば、それだけ会社自体の規模が大きくなり、取引が増えます。
店舗を展開している企業であれば、店舗数の増加もメリットです。規模が大きくなることによって、それだけ経済効果も得られるでしょう。2つ目のメリットは、新規事業への参入も含め、事業が多角化することです。
新規事業への参入を自社のみで行うとすると、商品やサービスを開発することから始まり、取引をする企業を探すなど、多くの費用や時間がかかります。M&Aを行うことによって、すでに稼働している事業を買収できるので、費用や時間を削減できるでしょう。
3つ目のメリットは、優秀な人材を獲得し技術力が向上することが挙げられます。優秀な人材の獲得を目的として行われることもあるのがM&Aの特徴です。4つ目に、売り手側のメリットとして、後継者問題が解決できる点が挙げられます。
現在、日本では、少子化と価値観の多様化により、かつて後継者の代表格であった経営者の子どもが後を継がないケースが増え、後継者不在により廃業危機にさらされている中小企業が増加中です。
M&Aで会社・事業を売却することで、その買い手が後継者(新たな経営者)となり、事業承継が実現します。これにより会社は存続しますから、従業員が職を失うこともありません。
3. M&A関連の略語
M&Aにおいて、よく登場する略語がいくつかあります。特に使用頻度が高いのが以下の3つです。
- FA(ファイナンシャル・アドバイザー)
- DD(デューデリジェンス)
- PMI(経営統合プロセス)
FA(ファイナンシャル・アドバイザー)
ファイナンシャル・アドバイザー(Financial Advisor)は、一般的には金融資産アドバイザーを意味しますが、M&AではM&Aアドバイザーと同等の意味で使われます。用いられる際は、単にFA(エフエー)という略称で呼ばれることが多いです。
FAの場合、特に財務面を中心にM&Aのアドバイス・サポートを行います。
DD(デューデリジェンス)
デューデリジェンス(Due Diligence)も、頭文字だけに略されてDD(ディーディー)と呼ばれることが多いです。DDでは、売り手企業に対して財務・税務・法務・労務・IT・ビジネスなどの分野ごとに、士業などの専門家を起用して精密な調査を行います。
売り手はDDへの協力義務はありますが、DDの調査費用(専門家の報酬)を全て負担するのは買い手側です。
PMI(経営統合プロセス)
経営統合プロセスを意味するPMIは、「Post Merger Integration」の略です。買い手にとって、PMIの成り行きがM&Aの成否を左右します。したがって、PMI計画は入念に準備し策定しなければなりません。
クロージング後すぐにPMIに移行しますから、PMIの計画策定はデューデリジェンスと並行して進めます。
4. M&Aを成功させる方法
近年、増加しているM&Aですが、成功しているM&Aもあれば、失敗しているM&Aもあります。そこで、M&Aを成功させるためのポイントを確認しましょう。
- シナジー効果のある会社とM&Aをする
- デューデリジェンスをしっかり行いうそをつかない
- 契約書にM&Aの条件を明確に記載する
- M&Aの専門家へ相談する
シナジー効果のある会社とM&Aをする
買い手企業も売り手企業も、シナジー効果のある会社とM&Aをしましょう。シナジー効果とは、2つの会社が一緒になることで相乗効果を生み出し、1+1以上の業績を残せることです。
たとえば、自社の弱みを補完してくれる会社や、自社の強みをより強くしてくれる会社を選ぶ必要があります。相手先選びも、M&Aの成功を左右する要素です。シナジー効果のある会社とM&Aをするためには、まず自社の分析を行い、経営戦略を立てる必要があります。
自社の強み・弱みは何なのか、どのような方向で会社を成長させていきたいのかを社内で検討しましょう。自社の分析と経営戦略を立てられたら、どのような目的でM&Aを実施するのかを考えます。以下はその一例です。
- エリア拡大
- 下請け会社の確保
- 技術や権利の取得
- 経営基盤の安定化
- 顧客やエリアの拡大
このような目的をはっきりさせ、自社とシナジー効果を発揮できる相手企業を選びましょう。
デューデリジェンスをしっかり行いうそをつかない
基本合意書締結後、デューデリジェンスを行います。デューデリジェンスとは、買い手企業による売り手企業の調査です。「本当にこの企業を買収すべきか?」を調査するため、弁護士や社労士、税理士、会計士などの専門家によって各方面から売り手を調べます。
売り手企業はこれらの対応を行いますが、隠したい事実があっても誠実に話しましょう。自社の課題や問題を伝えることで会社の価値は下がるかもしれません。しかし、M&A成立後に「こんなことは知らなかった」と訴えられる可能性があるため注意が必要です。
できるだけ早い段階で打ち明け、買い手企業と一緒に解決策を考えましょう。一方で、買い手企業は入念にデューデリジェンスを行わなければなりません。調査が甘いと、簿外債務や訴訟リスクなどの問題がM&A成立後に発覚することもあり得ます。
このようなことが起きないよう、デューデリジェンスは協力し合い、うそをつかずに真実を話しましょう。そうすることで、お互い「本当にM&Aをする相手としてふさわしいか」を見極められます。
契約書にM&Aの条件を明確に記載する
契約書を交わす際は、M&Aの条件を明確に記載しましょう。交渉で決まった内容がしっかり契約書に記載されているか確認すべきです。仮に、契約締結後に「契約書に書かれていないけれど、口約束をした」といっても、裁判では不利になります。
こうしたことを防ぐために、自社が不利とならない契約内容かどうかをしっかり弁護士に確認してもらいましょう。特にM&Aの契約書で気をつけたい条件は、以下のとおりです。
- M&Aの譲渡価額
- M&A成立後の役員の在任期間
- M&A成立後の従業員・役員の扱い
- 売り手企業側の従業員の退職金
- M&A後の取引先・顧客との契約の扱い
これらは特に重要な条件です。交渉の場でもしっかり自社の主張を述べ、契約書にも反映されているかを確認しましょう。
M&Aの専門家へ相談する
M&Aをするのであれば、M&Aの専門家へ相談しましょう。M&Aの専門家とは、M&A仲介会社や銀行などにいるM&AアドバイザーやM&Aコンサルタントのことです。
M&Aの専門家は、M&Aの総合コンサルティングをしてくれる存在であると考えましょう。具体的に専門家が行う業務は、以下のような内容です。
- M&A戦略のアドバイス
- 会社の価値の算出
- M&Aのスケジュール立て・管理
- 相手企業の選定
- 交渉の代行
- 契約書作成のアドバイス
- 弁護士や会計士などの専門家紹介
M&Aを実施するうえでは専門的な手続きも多く、その分野も多岐に渡ります。これらの業務を自社内で完結させることは非常に難しいため、より良い条件でM&Aを成立させるためにも専門家のサポートが不可欠といえるでしょう。
M&A実施をご検討の際は、ぜひM&A総合研究所へご相談ください。専門的な知識や経験豊富なアドバイザーが多数在籍しており、会社売却・事業譲渡などのM&Aをフルサポートします。
料金体系は成約するまで完全無料の「完全成功報酬制」です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。無料相談は電話・Webより随時、受け付けていますので、M&Aをご検討の際はお気軽にお問い合わせください。
5. M&Aが増加している理由
M&Aは、2002(平成14)年頃までは、大企業が行うもの、企業の買収は難しいなどといったイメージがありましたが、2002年にライブドアによる買収などのM&Aがニュースなどで報道されるようになると、M&Aという言葉をよく耳にするようになりました。
その後、M&Aをによって業績をあげた企業が続々と現れ、現在でもM&Aは増加傾向にあります。2006(平成18)年には、三角合併に関する許可が下りたため、日本国内の企業による海外企業の買収が急激に増加しました。
ここでは、M&Aが増加している理由として考えられる事項を、買い手側の事情と売り手側の事情に分けて解説します。
買い手側の事情
M&Aが増加している理由として考えられる買い手側の事情は、日本の経済市場が、人口減少のため縮小傾向にあることです。社会の習慣やニーズは、日々変化しています。このような日本の経済市場の変化の中、大企業だけでなく中小企業も競争が激しくなりました。
その競争に負けないために、M&Aをとりいれる企業が増加しました。M&Aを行うことによって、規模の拡大や、事業の多角化、技術力の向上など、さまざまなメリットが得られます。市場競争が激化していく中、短時間で事業を成長させられるM&Aは、とても有効な手段です。
売り手側の事情
M&Aが増加している理由として考えられる売り手側の事情は、2点あります。1点目は、後継者不在による事業承継問題の解決手段としてのM&Aニーズです。後継者不在のまま経営者の引退時期を迎えれば、会社は廃業せざるを得ません。
そうなれば従業員は解雇され、取引先は契約を失い、顧客はサービスや製品の提供を受けられなくなります。廃業は、地域経済にとっても大きな問題となるでしょう。M&Aによって会社を存続させるため、後継者不在企業が積極的にM&Aを行うようになりました。
2点目は、ベンチャー企業やスタートアップのイグジット戦略としてのM&Aニーズです。日本ではIPO(株式公開)を目指すベンチャー企業が多い傾向にありましたが、昨今はM&Aをイグジット戦略として選択する企業が増加傾向にあります。
6. M&Aの歴史
M&Aと聞くと、最近の言葉のようで、海外から入ってきた手法のように思われがちですが、日本におけるM&Aは、1900年代前半から行われています。しかし、当初のM&Aは、現在のように経済的成長のためのM&Aだけではなく、競合企業の敵対的買収もよく行われていました。
1930年代には経済的成長を目的とした大型のM&Aが行われ、そのような業界の例としては、製鉄業界・ビール製造業界・製紙業界などが挙げられます。1970年代には、同じ業界に限らず、違う業界の企業を買収し、事業の多角化を図るためのM&Aが流行しました。
この手法を実践したことで有名なのが、日産コンツェルンです。その後、日本では、市場の独占禁止や、経済的価値が限られた企業へ集中するのを避ける風潮となり、これまでにM&Aを行い、大企業の三井財閥や三菱財閥が解体されることとなりました。
日本の経済がバブル期に入ると、M&Aは一度停滞しましたが、バブル後期には、日本国内の企業が海外企業を買収するM&Aが流行しました。しかし、このときにM&Aを行った企業は、バブル崩壊とともに撤退した企業がほとんどであると言われています。
バブル崩壊後は、日本国内の企業同士によるM&Aが再び流行しました。これは、M&Aに関する法律が整備されたことや、規制が緩和されたことなどが要因です。M&Aにはさまざまな方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあることが認識されたのがこの時代になります。
その後、現在に至るまで、多くのM&Aが行われ、もはやM&Aは特別な経営戦略の手法ではなく、大企業にも中小企業にもなじみのある戦略でした。団塊の世代が引退を迎え、高齢化が進行するにつれて、中小企業による後継者問題の解決のためのM&Aも増加しました。
このように、社会の変化のなか、M&Aのイメージや、手法も変化してきましたが、M&Aは古くから日本に親しまれる経営戦略の手法の1つです。
7. M&Aの今後
M&Aは、その手法などを変えながら年々増加しています。M&Aの今後の展望に関して、全体的に見ると、今後も拡大の見通しです。
たとえば、調剤薬局業界では、トップ企業でも市場全体に占めるシェアが低く、シェア拡大の余地が存分にあったため、M&Aを活用することでM&Aの件数が急増しました。今後、調剤薬局業界以外においても、寡占化が進む業界では、M&Aが頻繁に行われることが予想されます。
高齢化が進み、事業承継問題に悩んでいる中小企業が増加しているため、中小企業のM&Aにおいては、今後も増加傾向となるでしょう。日本国内の企業による、海外企業の買収は、今後も増加していくと予想されます。
これは、前述したように、日本の経済市場が、停滞・縮小傾向にあるため、今後事業を拡大していくためには、海外市場への参入が増えていくことが予想されているためです。
8. M&Aとは何の略?まとめ
M&Aとは「Mergers(合併)& Acquisitions(買収)」の略称で、合併などの企業組織再編行為や会社・事業そのものの売買取引の総称です。近年、さまざまな要因からM&Aを実施する企業が増えてきました。M&Aの理解を深め、経営戦略として活用する選択肢を持っておくのも有効です。
M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所
M&A・事業承継のご相談なら経験豊富なM&AアドバイザーのいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴
- 譲渡企業様完全成功報酬!
- 最短49日、平均6.6ヶ月のスピード成約(2022年9月期実績)
- 上場の信頼感と豊富な実績
- 譲受企業専門部署による強いマッチング力
M&A総合研究所は、成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A仲介会社です。
M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料となりますので、まずはお気軽にご相談ください。