中小企業のM&A・会社売却を解説!メリット、相場、検討するタイミング【案件例あり】

取締役
矢吹 明大

株式会社日本M&Aセンターにて製造業を中心に、建設業・サービス業・情報通信業・運輸業・不動産業・卸売業等で20件以上のM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、アドバイザーを統括。ディールマネージャーとして全案件に携わる。

近年は、中小企業でM&A・会社売却が広く実施されています。なぜなら、親族内承継の実施が困難となったことで後継者不足の問題に悩む中小企業が増加したためです。この問題の解決策としてM&A・会社売却が脚光を浴びており、M&Aを仲介するサポート事業者も増加しています。

目次

  1. 中小企業のM&A・会社売却とは?
  2. 中小企業のM&A・会社売却の相場計算方法
  3. 中小企業のM&A・会社売却を行う手続き・流れ
  4. 中小企業のM&A・会社売却が増えている理由
  5. 中小企業のM&A・会社売却にあるメリット・デメリット
  6. 中小企業のM&A・会社売却を検討するタイミング
  7. 中小企業のM&A・会社売却を成功させるコツ
  8. 中小企業のM&A・会社売却の成約率
  9. 中小企業のM&A・会社売却後の経営者・従業員
  10. 中小企業のM&A・会社売却の成功事例20選
  11. 中小企業のM&A・会社売却の案件情報一覧
  12. 中小企業のM&A・会社売却のサポート会社のオススメ
  13. 中小企業のM&A・会社売却まとめ
  • 今すぐ買収ニーズを登録する
  • 経験豊富なM&AアドバイザーがM&Aをフルサポート まずは無料相談
    プレミアム案件・お役立ち情報

1. 中小企業のM&A・会社売却とは?

M&Aは、企業の合併(Merger)・買収(Acquisition)を意味する言葉です。かつては、M&Aというと大手企業が行うイメージでしたが、昨今では、中小企業や個人事業主の場合でも、積極的にM&Aが実施されるようになりました。

ただし、中小企業がM&Aに関わる場合、買収側としてよりも売却側としての立場であることの方が多いのが特徴です。本記事では、そのような中小企業の目線に立って、M&A・会社売却を解説します。

会社売却の定義

会社売却とは、文字どおり会社を売却することです。これを少し細かくいうと、会社の経営権や事業の運営権を、買い手から金銭を得て譲渡すること、となります。そして、M&Aにはさまざまなスキーム(手法)があり、会社売却の手段も1つではありません。

会社売却に相当する具体的なM&Aスキームを、以下で説明します。

会社合併の方法

合併とは、複数の会社を1つの法人格に統合することです。法人格が残る会社を存続会社、統合されて法人格がなくなる会社を消滅会社といいます。消滅会社の立場は会社を売却する立場であり、合併も会社売却の1つの手段です。

具体的な合併のスキームは2つあります。1つは吸収合併です。既存の会社間で合併を行います。もう1つは新設合併です。新設会社が存続会社となって合併が行われます。ただし、新設合併は手続きが煩雑になるため、実際にはほとんど採用事例がありません。

これに対して、広く用いられる吸収合併は、消滅会社の株主が持っている株式と存続会社の株式を交換する形で手続きが進められます。

会社売却・会社買収の方法

合併以外の会社売却(会社買収)のM&Aスキームは、類似性があります。しかし、似ているようで実際の内容・プロセスは異なりますので、それぞれの違いを把握しておくことも必要です。以下のM&Aスキームについて、それぞれの概要を掲示します。

  • 株式譲渡
  • 第三者割当増資
  • 株式交換
  • 株式移転
  • 事業譲渡

株式譲渡

株式譲渡は、売却会社の株主が対価と引き換えに株式を買い手へ譲渡するスキームです。買い手は、株式を買収することで経営権を取得します。中小企業のM&A・会社売却で広く活用されているスキームです。

第三者割当増資

第三者割当増資とは、会社が特定の第三者に新株を発行して資金を受け入れるのと引き換えに議決権を与える方法です。過半数を超える議決権を与えた場合は、第三者割当増資の引き受け者が事実上、会社の経営権を取得します。

売却会社が保有する自己株式を特定の第三者に割り当てる「自己株式の処分」の場合も、資金の受け入れと議決権の関係により、第三者割当増資と同様の効果となる手段です。

株式交換

株式交換とは、完全子会社となる会社(売却会社)の発行済株式全てを、完全親会社となる会社に取得させるスキームです。株式交換では、対価として完全親会社の株式を完全子会社の株主に交付します。

株式移転

株式移転とは、株式交換における完全親会社が新設会社である場合のスキームです。株式移転は、1社のみで行う単独株式移転と、2社以上で行う共同株式移転に分かれます。

事業譲渡

事業譲渡は、売却会社が手がける事業とそれに関連する資産を選別して買い手に譲渡するスキームをさします。会社そのものの売買取引ではありませんが、会社組織のみ手元に残して全ての事業の譲渡が可能であり、その場合、事実上、会社売却と変わりません。

税金対策などのために会社を残して活用する場合に有効なスキームです。

中小企業のM&A・会社売却で広く採用される方法

中小企業のM&A・会社売却で広く活用されるスキームは、株式譲渡とされています。

なぜなら、煩雑な手続きなどを行う余力がない中小企業にとって、株式譲渡は最も簡易的かつスムーズにM&A・会社売却を済ませられるためです。株式譲渡は外見上、会社の株主が変わるのみであるため、第三者への影響も最小限に抑えられます。

中小企業の場合には創業者が100%の株式を保有するケースが多く、株式譲渡であれば創業者が保有する株式の譲渡代金を獲得可能です。ケースによっては、莫大な創業者利潤の獲得が狙えます。

株式譲渡に続いて多く採用されるスキームは、事業譲渡です。売却側が会社組織を手元に残したい場合に選択されています。

【関連】会社売却とは?メリット・デメリット、売却相場までを徹底解説!

2. 中小企業のM&A・会社売却の相場計算方法

M&Aで会社売却する際に行われるプロセスの1つが、企業価値評価バリュエーション)です。この企業価値評価の算定結果を踏まえて、会社売却の価額交渉が始まります。したがって、会社売却では不動産のような相場はありません。

ただし、企業価値評価の実施にあたっては、専門的な計算方法が数多く確立されており、それらを複合的に用いて対象会社独自の相場=企業価値が算定されます。

M&A手法と会社売却相場の関係性

中小企業のM&Aで多く用いられるM&Aスキームは、株式譲渡と事業譲渡です。この2つの対比を相場の観点で考えてみましょう。株式譲渡は会社を丸ごと売却します。一方、事業譲渡は会社の中の事業・資産を部分的に売却するものです。

したがって、事業譲渡よりも株式譲渡の方が、売却相場(会社売却の金額)は高くなります

簡易的な相場計算方法

企業価値評価の算定方法には、3種類の手法があります。そのうちの1つのコストアプローチは、精密な計算を行う前に、簡易的に対象会社の相場を算出する方法として便利です。コストアプローチによる株式譲渡の場合の相場の計算式は以下のようになります。

  • 時価純資産額+(営業利益+役員報酬)×2~5=株式譲渡時の相場

一方、コストアプローチによる事業譲渡の相場計算は以下のようになります。
  • 事業資産額+事業利益×2~5=事業譲渡時の相場

両方の計算式で「×2~5」となっているのは、のれん(無形資産)の評価をどの程度高く見積もるかで変動するためです。

マーケットアプローチによる相場計算方法

企業価値評価の3種類の手法には、マーケットアプローチもあります。マーケットアプローチの1つである類似会社比較法は、対象企業と同一業種で同規模程度の上場企業を探し、その上場企業の株価を参照して対象企業の企業価値を算定するものです。

同じくマーケットアプローチである類似取引比較法では、過去の類似するM&A取引を探し、その取引価額を参考にして企業価値計算をします。

インカムアプローチによる相場計算方法

3種類の企業価値評価の3つめがインカムアプローチです。このインカムアプローチの1つであるDCF(Discount Cash Flow)法が、M&Aの現場で最も多く用いられています。

DCF法の計算方法を簡単にいうと、対象企業の中期事業計画から算出した将来のキャッシュフローを現在価値に割り引く特殊な計算を行って、企業価値を算定する方法です。

【関連】M&Aの企業価値評価(バリュエーション)とは?算定方法を解説【事例・図解あり】

3. 中小企業のM&A・会社売却を行う手続き・流れ

中小企業のM&A・会社売却の際の売却側のプロセスは以下のとおりです。各プロセスの概要を記します。

  1. 会社売却ニーズの発生
  2. 事前準備
  3. マッチング・交渉
  4. 秘密保持契約の締結
  5. 企業概要書の提示
  6. トップ面談の実施
  7. 基本合意契約の締結
  8. デューデリジェンス(買収監査)の実施
  9. 詳細な条件交渉
  10. 最終契約の締結
  11. クロージング

①会社売却ニーズの発生

各社によって状況はさまざまでしょうが、いずれにしても何らかの理由で会社売却ニーズが発生することがM&Aの第一歩です。中小企業の会社売却ニーズとして多い理由には、以下のようなものがあります。

  • 後継者難による事業承継のため
  • 多角化した事業体制を改め事業の選択と集中を行うため
  • 複数事業の中で赤字部門を清算するため
  • 売却益を獲得し各種債務を返済するため

②事前準備

M&A・会社売却の意思が固まったら、事前準備に入ります。交渉相手に提示する資料の準備や社内体制構築など、各社の状況に応じてさまざまな準備があるため、この段階からM&A仲介会社などの専門家に相談するのがおすすめです。

③マッチング・交渉

M&A・会社売却の交渉相手探しを始めます。昨今は、手数料無料のM&Aマッチングサイトが増えており、自社だけで探すことも可能です。しかし、その場合、クロージングまでのプロセスも自分たちだけで行うことになります。

M&Aに慣れていない中小企業の場合、M&A仲介会社などの専門家にサポートを依頼すれば、交渉相手探しも依頼先が行うので、安心して任せられて便利です。

④秘密保持契約の締結

会社売却先候補が見つかったら、交渉を開始するために秘密保持契約を締結します。交渉では会社の機密事項・経営上の重要事項を開示する必要があるため、それが外部に漏れないように秘密保持契約の締結は必須です。

⑤企業概要書の提示

会社売却側として、自社の経営上の情報を記載した企業概要書を交渉相手に提示します。買収側としては、この企業概要書の内容をもとに売却側の企業価値評価を行い、売買価額の算定や、そのほかの条件を決めるのです。

⑥トップ面談の実施

売却側と買収側、それぞれの経営トップが直接、会談するのがトップ面談です。条件面の交渉は主としてM&A仲介会社側で行いますので、トップ面談の主たる目的は、お互いの経営観や企業文化、人物像を知って確認することです。

トップ面談で意気投合した場合には、一気に成約まで話がまとまるケースもあります。

⑦基本合意契約の締結

交渉の結果、大筋で条件合意ができた場合、基本合意契約(基本合意書)を締結します。これは、その時点での合意内容の確認書という位置付けです。まだM&A・会社売却の成約が決まったわけではありません。つまり、基本合意書には法的拘束力はないのです。

⑧デューデリジェンス(買収監査)の実施

基本合意書締結後、最終契約に向けて必ず実施されるのがデューデリジェンスです。デューデリジェンスとは、買収側が売却側に対して行う精密な調査を意味します。

財務・法務・税務・労務・事業・ITなどについて、士業などの専門家をそれぞれ起用し、相応の時間をかけて行われるものです。専門家に支払う手数料などの費用は、全て買収側が負担します。売却側は、調査に対し誠意を持って全面的に協力しなければなりません。

⑨詳細な条件交渉

デューデリジェンスで判明した売却側の情報をもとにして、最終的な条件交渉が行われます。経営リスクとなる何らかの懸念事項が発現していれば、基本合意内容よりも値下げする交渉となるでしょう。

優れたシナジー効果の可能性があることが判明していれば、基本合意より価額が上がるかもしれません。なお、デューデリジェンスで重大な経営リスクが発見された場合には、交渉が破談となる可能性もあります。

⑩最終契約の締結

最終交渉で無事に合意ができれば、最終契約を締結します。便宜上、最終契約と呼んでいますが、用いられるM&Aスキームが、契約書名です。株式譲渡であれば株式譲渡契約書、事業譲渡であれば事業譲渡契約書となります。

⑪クロージング

M&Aでは、最終契約書に記された内容を履行することをクロージングといいます。たとえば、株式譲渡契約であれば、売却側は株式を交付(引き渡し)し、買収側は対価の支払いを行うことです。各社において登記変更などの手続きも発生します。

【関連】M&Aマッチングサイトのおすすめ40選!各サイトの一覧、特徴を比較【2021年最新版】
【関連】M&Aのプロセスまとめ!

4. 中小企業のM&A・会社売却が増えている理由

従来のM&A・会社売却は大企業が行うケースがほとんどであり、中小企業には関係ない行為であると捉えられていました。しかし近年は、中小企業のM&A・会社売却が盛んに実施されている状況です。

実際に、東証一部上場の中小企業向けM&A仲介会社3社(日本M&Aセンター・ストライク・M&Aキャピタルパートナーズ)の公表値をもとに中小企業庁が作成した資料によると、中小企業が関わったM&A件数は、以下のとおり増加しています。

  2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
件数 157 171 234 308 387 526
伸び率 9% 37% 32% 26% 36%
(出典:中小企業庁 - https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H30/h30/index.html

同3社における近年のM&A成約件数(中小企業が関わったM&Aを含めた合計値)を以下にまとめました。全てが中小企業によるM&Aではありませんが、全体的な件数が増加していることから、中小企業のM&Aも盛んであることが推察されます。
M&A仲介会社 2017年 2018年 2019年
日本M&Aセンター 524 649 770
ストライク 67 88 104
M&Aキャピタルパートナーズ 111 115 144
合計 702 852 1,018

中小企業のM&A・会社売却が増加した背景には、中小企業において事業承継のための後継者不足という問題が深刻化していることが関係しています。M&A・会社売却は、中小企業を悩ませる後継者不足問題を解決する施策として有効なのです。

中小企業を悩ませる事業承継の問題

中小企業庁の統計によると、1995(平成7)年当時において最も多い中小企業経営者の年齢は47歳でした。そして、2018(平成30)年の統計では69歳まで高齢化しており、経営者が年齢を重ねたまま事業を継続しているケースが非常に多いことがわかります。

経営者に年齢制限はありませんが、高齢化に伴うパフォーマンス低下や健康不安は避けられません。なお、中小企業の経営者の引退年齢は平均すると70歳程度です。

こうした状況の中で、事業を引き継ぐ後継者のめどが立たずに、従業員や取引先を抱えたまま悩んでいる経営者が非常に多いことが問題視されています。

廃業を予定する中小企業の経営者は多い

60歳以上の経営者のうち、50%超が廃業を予定しているデータもあります。

日本企業の99.7%を占めている中小企業が、事業を継続できる状態であるにもかかわらず、後継者不足により廃業を余儀なくされると、雇用機会減少や技術・知的財産の喪失など社会全体に及ぼす損失が懸念事項です。

経済産業省が2017(平成29)年10月に発表した「中小企業・小規模事業者の生産性向上について」によると、後継者不足による中小企業の廃業が進むと、2025(令和7)年頃までの累計で約650万人の雇用と約22兆円のGDPが失われると推定されています。

こうした問題に対して、国も施策を講じている状況です。経済産業省が発した税制改正に向けた要望書などの働きかけもあり、2018年には企業のM&Aに税優遇制度が設けられました。

M&A・会社売却が税制面から後押しされており、後継者難に苦しむ中小企業に早期の決断を促しています。

これまでの事業承継のあり方

後継者不足問題とM&A・会社売却の実施必要性に関する話題が目立ち始めたのは、経営者が一斉に高齢化を迎え始めた最近10年間ほどのことです。もともと経営者は高齢化によりいずれは引退が余儀なくされるため、以前からさまざまな対策が講じられてきました。

ここでは対策をまとめて紹介しますが、結論からいうと、以下のような対策が不調に終わり事業承継に失敗するケースが増えています。

  • 親族を経営者にする
  • 社内から後継者を選ぶ
  • 社外から後継者を招へいする

親族を経営者にする

自身の配偶者や子供などの親族を後継者に据えることが、かつて最も円滑な事業承継の方法とされてきました。経営者に子供がいない場合には、経営者の兄弟に承継する方法も考えられます。

早い段階から後継者を事業に参加させておくと社内外から認知されやすいほか、後継者にしても事業を引き継ぐ準備を整えやすいです。

社内から後継者を選ぶ

こちらは、優秀な幹部・役員やベテラン社員を後継者とする方法です。引き継ぎに伴う手続きや金融機関との調整に手間が生じますが、後継者が事業内容を熟知しているために経営能力さえあれば事業承継が円滑に進みます。

社外から後継者を招へいする

最近では、融資元の金融機関や取引先から後継者を招く方法も採用されています。後継者は社内にしがらみがない人物となるため、経営不振から脱するときに大胆な改革に取り組みやすい点などがメリットです。

ただし、引き継ぎに伴う手続きや金融機関との調整などの面で多くの手間が発生します。

なぜ中小企業の後継者不足が起きたのか

かつて最も円滑であると捉えられていた事業承継は、子供を後継者にして事業を継がせる方法です。社内や社外から後継者を選ぶ方法は、自社株を引き受けさせるための資金が必要となるなど、多くの場合で円滑に進みません。

しかし昨今では、子供を後継者に据えることが難しくなっています。なぜなら、少子化による影響のほか、職業選択の自由を尊重する考え方のもとで、子供が引き継ぎを拒むケースが増加したためです。

最近では、中小企業の経営者自身に子供がいないケースも珍しくありません。たとえ自身の子供であっても経営を継がせるには素質が必要ですが、そもそも子供の全体数が以前と比べて減少しています。

そのうえで子供に資質があると思えない場合、中小企業の経営者が事業を継がせたくないと考えるのは当然かもしれません。

後継者不足の解決策としてのM&A・会社売却

中小企業の経営者を悩ませる後継者不足問題が深刻化したことで、M&A・会社売却が有力な事業承継の手段として広まっていきました。

M&A・会社売却では後継者として外部から事業承継先を探せるほか、契約次第では雇用関係や残債務もそのまま引き継がれます。比較的短期間で会社を整理できるうえに、育てた事業を存続できる点は大きなメリットです。

譲渡時には顧客・取引先企業・金融機関との契約も維持されることから、M&A後の事業運営も滞りなく進められるため、買収者にとっても大きなメリットとなります。

経営者が創業者である場合には、創業者利潤を得ることも可能です。創業者利潤とは、実際の投入資金と株式資本総額の間で生じた創業者の利益をさします。

もともとM&A・会社売却は事業承継のために生まれた制度ではありませんが、中小企業の事業承継を実現するうえでメリットが多い方法であるため、近年は採用件数が増加している状況です。

【関連】【中小企業】後継者不足で廃業した事例15選!廃業理由や売却と廃業どちらが得かも解説!

5. 中小企業のM&A・会社売却にあるメリット・デメリット

ここでは、中小企業がM&A・会社売却を実施するメリット・デメリットをまとめて紹介します。

中小企業のM&A・会社売却のメリット

中小企業がM&A・会社売却を実施すると、後継者不足の状態であっても事業承継を実現できます。事業承継を実現できれば、副次的な効果としてさまざまなメリットを享受可能です。メリットはさまざまありますが、ここでは代表的なものをまとめて紹介します。

  • 廃業を回避できる
  • 個人保証から解放される
  • 買い手企業とのシナジー効果が期待できる
  • 創業者利益を獲得できる
  • 先行き不安・業績不振を解消できる
  • 事業の選択と集中を実現できる

廃業を回避できる

M&A・会社売却により事業承継できれば、中小企業の廃業を回避できます。これにより廃業に伴って発生する費用・手間などはかかりません。会社が存続すれば、従業員の雇用は守られ、取引先との関係も維持されます。

個人保証から解放される

中小企業の経営者の場合、資金調達時に個人保証や連帯保証を行っていることがほとんどです。M&A・会社売却では、多くのケースで買い手側に債務が引き継がれるため、自動的に売り手の個人保証・連帯保証は解消されることになります。

買い手企業とのシナジー効果が期待できる

M&A・会社売却を実施すると、自身の会社と買い手企業との間でシナジー効果(相乗効果)が発生するケースがあります。シナジー効果の具体例としては、売上の向上・コストの削減・効率的な新商品開発・資金調達力の向上などです。

シナジー効果を獲得できれば、売り手・買い手問わず企業の成長が促進されます。業績が向上すれば従業員の給与・待遇も上がる可能性も大です。M&A・会社売却を実施する相手は、なるべく大きなシナジー効果が期待できる企業を選ぶようにしましょう。

創業者利益を獲得できる

経営者としては会社売却益の獲得も魅力です。獲得した売却利益は、引退後の生活資金に充てたり、新たな事業資金にしたりなど自由に使えます。

先行き不安・業績不振を解消できる

現在、業績不振に陥っている中小企業であれば、会社売却で大手企業の傘下に入ることで、経営立て直しのチャンスが得られます。現状は経営が安定している中小企業の場合でも、自然災害やコロナ禍のような問題がいつ生じるかわかりません。

そのような先行き不安のまま単独で経営を続けるよりも、大手企業グループの一員になり、不況時でも経営が揺るがない環境に会社の立場を置けるのは、M&A・会社売却の大きなメリットです。

事業の選択と集中を実現できる

経営の安定化を図る戦略の1つに多角化経営があります。しかし、複数の事業全てがうまくいくとは限らず、主力事業の足を引っ張る赤字部門・非主力事業が存在するケースはよく見かけます。そのような状況に陥った場合に行う経営戦略が、事業の選択と集中です。

M&Aの事業譲渡スキームを用いて赤字部門・非主力事業を売却し、会社の経営資源を主力事業に集中させることで業績の向上を図ります。

中小企業のM&A・会社売却のデメリット

さまざまなメリットが期待できるM&A・会社売却ですが、その一方でデメリットも存在していることに留意しておく必要があります。

デメリットの存在を把握せず安易にM&A・会社売却を実行してしまうと、想定していたメリットが獲得できないばかりか、M&A後の事業運営に大きな支障を与えかねません。中小企業がM&A・会社売却を実施するうえで問題となりやすいデメリットは、以下のとおりです。

  • ロックアップや競業避止義務に縛られやすい
  • 従業員の流出を招きやすい
  • 株主や取引先から反発を受けやすい

ロックアップや競業避止義務に縛られやすい

M&A・会社売却を実施すると、売り手側経営者がロックアップや競業避止義務に縛られるケースが多いです。ロックアップとは、M&A後の一定期間、売り手側経営陣が会社に残って引き続き経営に携わる義務をさします。

これは、中小企業の場合にはワンマン経営が敷かれているケースが多いため、従業員に動揺を与えることなく経営の引き継ぎを行うための処置です。

競業避止義務とは、売り手が事業譲渡した事業と競合する事業を手がけることを禁止する義務をさします。会社法の規定により、20年間、同一事業を同じ区市町村および隣接する区市町村では行えません。

従業員の流出を招きやすい

自社が実施するM&A・会社売却に反発する従業員が存在する場合、人材の流出を招くケースもあります。なぜなら、M&A・会社売却は、従業員の待遇・職場環境などを大きく変化させてしまう行為であるためです。

これにより、従業員が買い手企業の社風になじめなかったり、新しいシステムに慣れるまで時間がかかってしまったりすればストレスに直結します。最悪のケースでは、優秀な人材が流出し企業価値を減少させてしまいかねません。

優秀な従業員を流出させないためにも、M&A後の企業統合プロセス(PMI=Post Merger lntegration)は慎重に実施しましょう。

株主や取引先から反発を受けやすい

M&A・会社売却は、自社従業員だけでなく、株主や取引先からも難色を示されるケースがあります。そもそも株式会社で経営者以外にも株主がいる場合、株主から承認を得られなければ、M&A・会社売却の実施は不可能です。

たとえM&A・会社売却が株主から承認されたとしても、取引先から反発を受けると以降の取引をキャンセルされてしまうおそれもあります。

以上の点を踏まえて、M&A・会社売却を実施する際には株主・取引先に良い印象を与えられるよう、M&A・会社売却によって株主や取引先が得られるメリットを丁寧に説明しましょう。

【関連】M&Aのメリット・デメリットを買い手・売り手にわけて徹底解説!【大企業/中小企業事例あり】

6. 中小企業のM&A・会社売却を検討するタイミング

何事にもタイミングはあります。それはM&A・会社売却でも同様です。ここでは、以下の2つの状況下における、M&A・会社売却のタイミングの適切性を論じます。

  1. 業績が良く事業意欲が低下している
  2. 業績が悪く事業意欲が減退している

①業績が良く事業意欲が低下している

事業が順調に展開し業績が安定している時期、通常であれば経営者の事業意欲は高い状態のはずです。しかし、中には、目標に到達した達成感などから、事業意欲が低下してしまう例もあります。

新たな目標を設定し再び事業意欲が向上すればいいのですが、精神的にそれが難しいと感じたら、業績の良い今が、会社の売り時です。売却益を獲得してアーリーリタイアするのか、新事業を興すのかは、少し時間を置いてゆっくり考えるとよいでしょう。

②業績が悪く事業意欲が減退している

会社の業績が芳しくないとき、経営者として何とか回復させようと頑張れればよいですが、どうしても好転しない場合などは事業意欲がなえてしまうのも止むを得ません。このように会社の業績も自分の精神状態も簡単には上がらないと判断したら、急ぎ会社売却に踏み切るべきです。

事業意欲が減退した状態では、ますます業績が落ち込むかもしれません。そうなる前に会社売却ができれば、業種悪化からの廃業・倒産は防げます。負債があったとしても、会社独自の技術開発力や従業員のスキル、特許やノウハウなどが評価されM&Aは成立可能です。

一刻も早く会社売却に着手しましょう。なお、M&Aの途中で費用が発生しない、完全成功報酬制の仲介会社に相談するのをおすすめします。

【関連】経営者がM&A・会社売却・事業譲渡する理由15選!
【関連】赤字・債務超過の会社売却は簡単?負債・借金でも可能!

7. 中小企業のM&A・会社売却を成功させるコツ

ここでは、中小企業のM&A・会社売却を成功させるコツとして、以下の4点を解説します。

  1. 買収側が魅力に感じる経営資源をそろえる
  2. 自社の強み・アピールポイントを洗い出す
  3. シナジー効果が期待できる相手先を見つける
  4. 信頼できるM&A仲介会社に依頼する

①買収側が魅力に感じる経営資源をそろえる

買い手の立場になって考えてみましょう。自社のどの経営資源に魅力を感じるか、同業他社との比較や自分の経営経験に照らし合わせれば、アピールできるものが何であるか見えてくるはずです。その経営資源により磨き上げをかけることで、会社売却の成功度は高まります。

一般的に考え得る、買収側が欲するとされる経営資源は以下のようなものです。

  • 技術・スキル・資格・経験などのいずれかを有する人材
  • 独自の技術開発力・設備・業務システム・営業ノウハウなど
  • 特許や商標などの知的財産権
  • 業界内の高い評判・ブランド力
  • 有望な顧客や取引先を有していること

②自社の強み・アピールポイントを洗い出す

前項と関連することですが、自社の「売り」は何であるか明確化させましょう。現状で有していない魅力的な経営資源を無理して構築しようとするより、今ある経営資源に磨き上げをかける方が、個性が際立ち有効です。

③シナジー効果が期待できる相手先を見つける

M&A後、自社のアピールポイントが生かせる買い手企業はどのような企業かを考えてみましょう。もちろん、買い手自身も同様の視点で、売り手を選別します。買い手との間でシナジー効果創出の可能性が高いと判断されればされるほど、好条件での会社売却が実現するはずです。

売り手としても同じ視点で買い手候補を探すことで、M&Aの成功度を高められます。

④信頼できるM&A仲介会社に依頼する

会社売却を行おうとする中小企業の場合、おそらく初めてのM&Aでしょう。M&A・会社売却は専門的な知識と経験が必要なプロセスばかりですから、自社単独でこれを進めるのは困難です。M&A仲介会社などの専門家に、サポート依頼することをおすすめします。

昨今、M&A仲介会社の数も急増しており、各社によって料金体系や得意とする業種、サポート体制などはまちまちです。ほとんどの仲介会社では無料相談を実施していますので、それを活用し複数の仲介会社から信頼できる・相性が良いと感じた会社を選びましょう。

【関連】会社売却の戦略まとめ!手順や成功のポイントを解説!相場より高く売るには?

8. 中小企業のM&A・会社売却の成約率

中小企業のM&A・会社売却は上場企業のように公表されないため、これまでの相談件数や成約件数を具体的に把握はできません。したがって、明確な成約率は、残念ながら不明です。

M&A・会社売却専門のサポート事業者や金融機関など、実際にM&A・会社売却を事業として手がける機関の合計成約率や、各業者の成約率データなども基本的に公開されていません。成約件数については公表している企業もありますが、詳細な成約率までは公開されていない状況です。

【関連】M&Aの失敗確率は75%?成功基準や成功確率を高める方法【事例あり】

9. 中小企業のM&A・会社売却後の経営者・従業員

M&Aが成約したとして、会社・事業は継続されていきます。そこで気になるのは中小企業が会社売却した後、経営者自身と、そこで働く従業員の処遇です。それぞれのケースを解説します。

経営者の処遇

経営者自身の意向と、買い手側の方針により、中小企業のM&A・会社売却が実施された後の経営者の処遇は、いくつかのケースに分かれます。考えられるケースは、大体、以下のようなものです。

  • 高齢の経営者が事業承継のために会社売却したのであれば、経営者は引退。
  • 経営者が高齢でない場合でもアーリーリタイアとして引退するケースもある。
  • 新たな事業立ち上げ資金を得るために会社売却したのであれば、経営者は会社に残らずそちらを起業。
  • 買い手が経営の引き継ぎに必要と判断した場合は一定期間、経営者は会社に残って業務を継続。
  • 経営者が会社に残ることを希望し買い手もそれを認めた場合は役員として業務を継続。
  • 経営者の経営手腕が買い手から高く評価された場合には、会社に残るだけでなく買い手企業の役員に処遇されるケースもある。

従業員の処遇

近年の日本では少子化による人口減少現象のため、どの業界でも人手不足が叫ばれています。買い手がM&Aの目的の1つとして、人材の確保をあげるケースも多いです。つまり、M&Aを機に売り手側従業員がリストラされるようなことは、まずありません。

ただし、管理部門などで職域が重複する従業員の場合は、転属や業務内容変更が行われるため、全員が従来と全く同じ労働環境を維持できるわけではない点は、十分に説明する必要があります。

【関連】M&A・会社売却後の従業員・社員・経営者の処遇を徹底解説!

10. 中小企業のM&A・会社売却の成功事例20選

中小企業が行った会社売却の成功事例を掲示します。

  1. ヒューマンベースによるヒューマンクリエイションホールディングスへの会社売却
  2. 二チナンによる博展への会社売却
  3. マリンリバーによるポエックへの会社売却
  4. Along withによるCasaへの会社売却
  5. アイアートによるShinwa Wise Holdingsへの会社売却
  6. ネクストキャディックスによる関電工への会社売却
  7. ディーゼロによるKaizen Platformへの会社売却
  8. AlphaによるMacbee Planetへの会社売却
  9. ソフトエイジによるカンダホールディングスへの会社売却
  10. 四国昇降機サービスによるジャパンエレベーターサービスホールディングスへの会社売却
  11. 東電子工業によるアルインコへの会社売却
  12. ベクトル伸和による日総工産への会社売却
  13. SKメディカル電子によるモリタへの会社売却
  14. ジョイワークスによるビジネスブレイン太田昭和への会社売却
  15. イー・ウェル、ウェル・サポート、メディカル・サポートによるココカラファイングループへの会社売却
  16. ホビーサーチによるワットマンへの会社売却
  17. トレミーによるナックへの会社売却
  18. トピカによるイルグルムへの会社売却
  19. エスト・ウェストオークションズによるNEW ART HOLDINGSへの会社売却
  20. DICOによるSHIFTへの会社売却

①ヒューマンベースによるヒューマンクリエイションホールディングスへの会社売却

2021(令和3)年10月、ヒューマンベースがヒューマンクリエイションホールディングスへ会社売却(株式譲渡)しました(売却額4億800万円)

大阪のヒューマンベースは、企業向けに財務会計・人事給与・流通・生産管理などのシステムコンサルテーションやシステム設計・開発を行っています(年商1億7,000万円)。

東京のヒューマンクリエイションホールディングスは、企業向けに総合IT関連サービスを提供するグループの持株会社です。

ヒューマンクリエイションホールディングスは、グループとしてコンサルティング機能を強化したい狙いがあり、そのニーズに合致したヒューマンベースが会社売却に成功しました。

②二チナンによる博展への会社売却

2021年9月、二チナンが博展へ会社売却(株式譲渡)しました(売却額7,200万円)。大阪の二チナンは、展示会、商業施設、アミューズメント施設などの企画・設計・施工をワンストップで行っています(年商1億8,700万円)。

東京の博展は、展示会・イベント・商談会などを通じて、企業のマーケティング活動支援サービスを提供している会社です。

博展は、関西エリアに展示会などの製作拠点を持ち、事業展開エリアを拡張したい考えがあり、そのニーズに合致した高い製作力を持つ二チナンが会社売却に成功しました。

③マリンリバーによるポエックへの会社売却

2021年9月、マリンリバーがポエックへ会社売却(株式譲渡)しました(売却額は非公開)。福岡のマリンリバーは、水産設備、加温冷却装置などの製造・施工・販売を行っています(年商1億9,800万円)。

広島のポエックは、環境・エネルギー用、産業用、防災用の各種機器の製造・販売を行っている会社です。

独自技術で特許も取得しているマリンリバーは、業界内で評価も高くニッチ分野ながらトップ企業の位置にあります。ポエックはその点に着目し、またグループ内の子会社とのシナジー効果も見込めると判断したことにより、マリンリバーは会社売却に成功しました。

④Along withによるCasaへの会社売却

2021年9月、Along withがCasaへ会社売却(株式譲渡)しました(売却額は非公開)。東京のAlong withは、お部屋探しアプリ「イエスマン」と物件管理アプリ「オーナーズサロン」の開発・運営を行っています(年商700万円)。

東京のCasaは、家賃債務保証、養育費保証、賃貸経営支援などを行っている会社です。

Casaとしては、Along withが開発・運営するアプリを取り込むことで、入居希望者と不動産管理会社・オーナーとのマッチングサービス提供が可能になり、家賃債務保証事業とのシナジー効果が得られると判断しました。

⑤アイアートによるShinwa Wise Holdingsへの会社売却

2021年9月、アイアートがShinwa Wise Holdingsへ会社売却(株式交換)しました。東京のアイアートは、美術品などのオークションの企画・運営を行っています(年商3億500万円)。

東京のShinwa Wise Holdingsは、オークションを主力事業としているグループの持株会社であり、アートオークション業界では唯一の上場企業です。Shinwa Wise Holdingsには事業規模と市場シェア拡大という命題があり、そのニーズに合致したアイアートが会社売却に成功しました。

⑥ネクストキャディックスによる関電工への会社売却

2021年9月、ネクストキャディックスが関電工へ会社売却(株式譲渡)しました(売却額は非公開)。東京のネクストキャディックスは、ケーブルテレビ用製品の開発・販売、運用支援を行っています(年商6億4,000万円)。

東京の関電工は、電気設備工事、電力設備工事、空調排水設備工事、計装設備工事、情報通信設備工事など各種設備関連工事を行っている会社です。関電工は社会インフラ周辺領域への事業拡大を図っており、そのニーズに合致したネクストキャディックスが会社売却に成功しました。

⑦ディーゼロによるKaizen Platformへの会社売却

2021年8月、ディーゼロがKaizen Platformへ会社売却(株式譲渡)しました(売却額4億3,100万円)。福岡のディーゼロは、Webサイトの企画・制作をはじめとしたさまざまなIT関連サービスを提供しています(年商5億3,700万円)。

東京のKaizen Platformは、企業向けにDX(デジタルトランスフォーメーション)推進支援を行っている会社です。

Kaizen PlatformとしてはDX推進支援体制やソリューションサービス強化をもくろんでおり、九州最大級のWeb制作会社ともいわれるディーゼロが、そのニーズに合致して会社売却に成功しました。

⑧AlphaによるMacbee Planetへの会社売却

2021年8月、AlphaがMacbee Planetへ会社売却(株式譲渡)しました(売却額12億4,000万円)。東京のAlphaは、AIマーケティングプラットフォーム「3D AD」を運営しています(年商6億7,000万円)。

東京のMacbee Planetは、独自データをベースとしたマーケティング分析サービス提供などのインターネット上でのマーケティングにおけるコンサルティングサービスを行っている会社です。

Macbee Planetとしては、マーケティングの技術力強化・領域拡大などを課題としており、独自技術を持つAlphaが、そのニーズに合致して会社売却に成功しました。

⑨ソフトエイジによるカンダホールディングスへの会社売却

2021年8月、ソフトエイジがカンダホールディングスへ会社売却(株式譲渡)しました(売却額は非公開)。宮城のソフトエイジは、ソフトウエア・情報処理システムの設計・開発などを行っています(年商非公開)。

東京のカンダホールディングスは、物流全般およびe-ビジネスを行っている企業グループの持株会社です。

カンダホールディングスとしては、物流事業における情報システム部門の強化とe-ビジネス拡張をM&Aの目的としており、そのニーズに合致したソフトエイジが会社売却に成功しました。

⑩四国昇降機サービスによるジャパンエレベーターサービスホールディングスへの会社売却

2021年8月、四国昇降機サービスがジャパンエレベーターサービスホールディングスへ会社売却(株式譲渡)しました(売却額は非公開)。高知の四国昇降機サービスは、同地域を中心にエレベーターなどのメンテナンス事業を行っています(年商6,100万円)。

東京のジャパンエレベーターサービスホールディングスは、国内および東アジア地域でエレベーターなどのメンテナンス事業を行っている企業グループの持株会社です。

ジャパンエレベーターサービスホールディングスとしては、四国エリアでの事業基盤をより強固にすべく考えていたところ、そのニーズに合致した四国昇降機サービスが会社売却に成功しました。

⑪東電子工業によるアルインコへの会社売却

2021年8月、東電子工業がアルインコへ会社売却(株式譲渡)しました(売却額は非公開)。東京の東電子工業は、各種プリント基板の試作、設計、製造、販売を行っています(年商非公開)。

大阪と東京両方に本社を置くアルインコは、建設現場仮設機材の開発・製造・販売、足場の施工、フィットネス関連製品の開発・販売、無線通信関連機器の開発・製造・販売などを行っている企業です。

アルインコはグループ内の電子部門とシナジー効果が得られる会社を探しており、高い技術力を誇る東電子工業が、そのニーズに合致して会社売却に成功しました。

⑫ベクトル伸和による日総工産への会社売却

2021年8月、ベクトル伸和が日総工産へ会社売却(株式譲渡)しました(売却額は非公開)。愛知のベクトル伸和は、人材派遣および自社工場による半導体製造装置組立・精密測定器製造などの請負を行っています(年商5億4,100万円)。

神奈川の日総工産は、製造系の人材派遣・請負事業の大手ですが、事務系人材サービスや請負のコンサルティング・労務管理支援・教育研修なども行っている企業です。

日総工産としては人材ソリューションサービスの拡大を検討していたところ、そのニーズに合致したベクトル伸和が会社売却に成功しました。

⑬SKメディカル電子によるモリタへの会社売却

2021年8月、SKメディカル電子がモリタへ会社売却(株式譲渡)しました(売却額は非公開)。滋賀のSKメディカル電子は、医療用機器、科学用機器、産業用機器などの電子応用機器の設計・開発・製造・販売を行っています(年商非公開)。

大阪と東京両方に本社を置くモリタは、歯科医療用の機器・材料などを取り扱っている総合商社であり、歯科医療情報の提供、歯科診療システムの開発・構築、歯科医院の開業・経営支援なども行っている企業です。

SKメディカル電子は、従来よりモリタが販売する歯科技工用小器械の35%を請負製造してきました。モリタとしてはグループ化した方が、よりシナジー効果が得られると判断し、SKメディカル電子の会社売却が成功しました。

⑭ジョイワークスによるビジネスブレイン太田昭和への会社売却

2021年8月、ジョイワークスがビジネスブレイン太田昭和へ会社売却(株式譲渡)しました(売却額は非公開)。東京のジョイワークスは、ITコンサルティング、Web・スマートフォンアプリ開発、 Web制作、インフラ構築、ITサポート、研修などを行っています(年商非公開)。

東京のビジネスブレイン太田昭和は、経営会計分野におけるコンサルティング、システム構築・運用、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスなどを行っている企業です。

ビジネスブレイン太田昭和としては、AI技術やシステム・クラウド・スマートフォン向け開発の強化を目標としており、そのニーズに合致したジョイワークスが会社売却に成功しました。

⑮イー・ウェル、ウェル・サポート、メディカル・サポートによるココカラファイングループへの会社売却

2021年7月、同じ代表者が経営するイー・ウェル、ウェル・サポート、メディカル・サポートがココカラファイングループへ会社売却(株式譲渡)しました(売却額は非公開)。イー・ウェルなど3社は、三重県でそれぞれ調剤薬局1店舗の運営を行っています(年商非公開)。

神奈川のココカラファイングループは、ドラッグストア・調剤薬局の運営などを行う企業グループの持株会社です。なお、2021年10月、ココカラファイングループはマツモトキヨシホールディングスと経営統合し、マツキヨココカラ&カンパニーが設立されています。

ココカラファイングループは、従来より全国規模で調剤薬局事業の拡張を図っており、そのニーズに合致したイー・ウェルなど3社が会社売却に成功しました。

⑯ホビーサーチによるワットマンへの会社売却

2021年7月、ホビーサーチがワットマンへ会社売却(株式譲渡)しました(売却額は非公開)。東京のホビーサーチは、ホビー関連商品ECサイト「ホビーショップ」と、ホビー系ソーシャル・ネットワーキングサービス「Erumaer」を運営しています(年商非公開)。

神奈川のワットマンは、同地域を中心に59店舗(2021年6月末現在、海外5店舗含む)のリサイクルショップを運営しリユース事業を行っている企業です。

ホビーサーチのECサイトには国内外で50万人のユーザーがおり、実店舗のみの運営であるワットマンとしては新たなサービス展開に向け大きな期待を持ったことから、ホビーサーチの会社売却が成功しました。

⑰トレミーによるナックへの会社売却

2021年7月、トレミーがナックへ会社売却(株式譲渡)しました(売却額は非公開)。東京のトレミーは、各種化粧品・医薬部外品の企画・開発、受託(OEM)生産を行っています(年商10億3,300万円)。

東京のナックは、住宅・生活支援関連事業、住宅建築関連事業などを行っている企業です。ナックとしては美容・健康事業の底上げを狙いとしており、従来からナックの受託生産も行ってきたトレミーが、そのニーズに合致し会社売却に成功しました。

⑱トピカによるイルグルムへの会社売却

2021年7月、トピカがイルグルムへ会社売却(株式譲渡)しました(売却額2億2,000万円)。東京のトピカは、動画メディアの運営や運営代行を行っています(年商1億5,600万円)。大阪のイルグルムは、マーケティングプラットフォームの構築・提供を行っている企業です。

イルグルムとしてはソーシャルメディアマーケティング市場へ事業領域を拡大する意向があり、そのニーズに合致したトピカが会社売却に成功しました。

⑲エスト・ウェストオークションズによるNEW ART HOLDINGSへの会社売却

2021年7月、エスト・ウェストオークションズがNEW ART HOLDINGSへ会社売却(株式譲渡)しました(売却額4億2,000万円)。東京のエスト・ウェストオークションズは、各種美術品オークションの企画・主催・運営を行っています(年商5億4,600万円)。

東京のNEW ART HOLDINGSは、ブライダルジュエリーの製造・販売、エステティックサロンの運営、アート事業(絵画の卸売・小売販売)などを行っている企業グループの持株会社です。

NEW ART HOLDINGSとしては各事業の拡大・成長を目指しており、そのうちのアート事業へのニーズに合致するエスト・ウェストオークションズが会社売却に成功しました。

⑳DICOによるSHIFTへの会社売却

2021年7月、DICOがSHIFTへ会社売却(株式譲渡)しました(売却額は非公開)。東京のDICOは、ゲームソフトの企画・開発、ローカライズ(ゲームソフトの外国語対応化作業)、ローカライズ人材の派遣などを行っています(年商3億1,300万円)。

東京のSHIFTは、さまざまなソフトウエアの品質保証(第三者検証)サービスを行っている企業です。SHIFTとしては、ゲームなどエンターテインメント系ソフトのローカライズ・品質保証需要拡大に対処する必要があり、そのニーズに合致するDICOが会社売却に成功しました。

【関連】M&A成功事例60選!取引規模・業界別、海外企業のケースも紹介【2021年最新版】

11. 中小企業のM&A・会社売却の案件情報一覧

基本的に中小企業のM&A・会社売却において、会社の売却側および買収側に関する情報が、誰でも見られるような形で公開はされません。

中小企業のM&A・会社売却を検討する場合、会計士事務所・税理士事務所・公的機関などのほか、民間企業であるM&A・会社売却サポート事業者や金融機関などに相談するケースが多いです。

M&A・会社売却を相談する場合、上記のようなサポート側の機関も相談者の情報について秘密厳守を徹底しています。実際には、M&A・会社売却を希望してM&A・会社売却サポート事業者などと案件を進める契約をした後で、初めて詳細な情報が入手可能になるのです。

ここでは、会社の売却希望案件および買収希望案件について、インターネット上で公開できる範囲の情報を紹介します。

インターネットで公開される情報には限界があり、無数にある情報の一例に過ぎないため、興味がある場合には情報を掲載しているM&A・会社売却のサポート事業者などに相談しましょう。

会社売却希望の案件情報例

M&A・会社売却の売却希望例をピックアップして紹介します。こうした案件情報の詳細は、サポート事業者に相談して、案件を進める契約を結んだ段階で入手可能です。

売却希望業種 エリア スキーム 売却希望額 備考
学校法人専門学校 九州 事業譲渡 応相談 40年以上の歴史がある学校法人
警備業 関西 株式譲渡 応相談 地元密着の交通誘導事業を行う
ホテル・旅館 中部 株式譲渡 応相談 全室オーシャンビューが評判
学校法人専門学校 東京 応相談 18億円 外国人向け日本語教育専門学校
自動車整備業 関西 株式譲渡 応相談 業歴50年以上の老舗企業
学校法人専門学校 九州 応相談 21億円 測量を中心とする専門学校
飲食店 東京 株式譲渡 応相談 業歴35年の老舗ラーメン店
社会保険労務士事務所 東京 事業譲渡 応相談 業歴10年以上
調剤薬局 関東 株式譲渡 応相談 病院に隣接の調剤薬局1店舗
ゴルフ場 関東 株式譲渡 応相談 関東のゴルフ場オーナー所有

会社買収希望の案件情報例

売却希望の案件情報例と同じように、詳しい情報は具体的な希望条件を伝えて契約を結んだ後で、条件に合致する案件から提供を受けられます。

買収希望業種 エリア スキーム 買収希望額 備考(買収主体・買収目的など)
製造業 全国 応相談 応相談 食品販売を行う会社(シナジー効果)
翻訳業 関東 応相談 15億円 証券調査レポート電子配信を行う企業(事業拡大)
学校法人専門学校 東京・大阪 応相談 10億円 大手人材派遣会社(新規参入)
学校法人専門学校 関東 応相談 応相談 不動産・介護などを運営する企業(新規参入)
物流・運送 京都 応相談 3億円 同業の買収を希望(事業拡大)
倉庫 関西 応相談 2億円 運送会社による買収希望(事業拡大)
学校法人専門学校 関西 応相談 応相談 同業の買収を希望(事業拡大)
設計事務所 関東・関西 株式譲渡
事業譲渡
応相談 従業員10名以下の小規模企業の買収を希望
介護福祉施設 九州 応相談 5億円 事業拡大
小売店 全国 応相談 応相談 再生案件でも可能

【関連】東京の会社売却・事業譲渡案件一覧35選!M&A仲介会社30選!
【関連】個人・中小企業向けのM&A案件情報を得るには?【売却・買収一覧あり】

12. 中小企業のM&A・会社売却のサポート会社のオススメ

2019年度版中小企業白書によると、M&A・会社売却において最も多い相談先は公認会計士・税理士とされています。

  相手先 パーセント
1位 公認会計士・税理士 72.5%
2位 取引先金融機関 33.0%
3位 商工会議所・商工会 11.1%
4位 弁護士 6.0%
5位 事業引継ぎ支援センター 5.6%
6位 社会保険労務士 4.8%
7位 中小企業診断士 2.2%
8位 ファイナンシャルプランナー 1.3%
9位 地方自治体 0.9%
10位 よろず支援拠点 0.8%

公認会計士・税理士は企業であれば深い関わりを持つ専門家であるため、M&A・会社売却も身近な相談先として頼りやすいといった背景があります。

ただし、公認会計士・税理士だからといって、全ての専門家がM&A・会社売却に関する情報やノウハウを蓄積しているとは限りません。次に多い相談先である金融機関は、大企業かつ売却金額の規模が大きい案件にのみ対応しているケースがほとんどです。

上記の点を踏まえて、最近ではM&A・会社売却の仲介をする民間のサポート事業者が増加しています。株式上場を果たしているサポート事業者の情報を、以下のとおりまとめました。いずれも、2020年5月時点データになります。

企業名 上場先 売上高 経常利益 従業員数
日本M&Aセンター 東証一部 284億6,300万円 125億3,300万円 544人
ストライク 東証一部 50億7,700万円 18億8,900万円 131人
M&Aキャピタルパートナーズ 東証一部 125億9,200万円 58億5,500万円 169人

規模の大きい上記3社だけでなく民間のサポート事業者であれば、中小企業のM&A・会社売却を専門的に手がけているため、ノウハウや情報が蓄積されています。中小企業がM&A・会社売却の相談を持ちかける場合、こうした民間のサポート事業者に相談するとよいでしょう。

M&A総合研究所には、中小企業のM&A・会社売却に関する専門知識や経験が豊富なアドバイザーが在籍しております。料金体系は、完全成功報酬制です(※譲渡企業様のみ。譲受企業様は中間金がかかります)。

着手金・相談料は完全無料となっておりますので、中小企業のM&A・会社売却を検討している場合には、お気軽にご相談ください。

【関連】M&A・事業承継ならM&A総合研究所
電話で無料相談
0120-401-970
WEBから無料相談
M&Aのプロに相談する

13. 中小企業のM&A・会社売却まとめ

後継者不足などの影響により、中小企業ではM&A・会社売却が実施されるケースが増加しています。こうした背景から、国もM&A・会社売却に向けたサポートを実施しているほか、サポート事業を行う民間企業も増加中です。

M&Aが成約するまでの道のりには困難が伴いますが、会社存続のために開かれた大きな道といえます。会社存続を検討したら、民間のサポート事業者が実施する無料相談を利用し、M&A・会社売却の情報を集めるとよいでしょう。

M&A・事業承継のご相談ならM&A総合研究所

M&A・事業承継のご相談なら経験豊富なM&AアドバイザーのいるM&A総合研究所にご相談ください。
M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴をご紹介します。

M&A総合研究所が全国で選ばれる4つの特徴

  1. 譲渡企業様完全成功報酬!
  2. 経験豊富なM&Aアドバイザーがフルサポート
  3. 圧倒的なスピード対応
  4. 独自のAIシステムによる高いマッチング精度
>>M&A総合研究所の強みの詳細はこちら

M&A総合研究所は、成約するまで無料の「譲渡企業様完全成功報酬制」のM&A仲介会社です。
M&Aに関する知識・経験が豊富なM&Aアドバイザーによって、相談から成約に至るまで丁寧なサポートを提供しています。
また、独自のAIマッチングシステムおよび企業データベースを保有しており、オンライン上でのマッチングを活用しながら、圧倒的スピード感のあるM&Aを実現しています。
相談も無料となりますので、まずはお気軽にご相談ください。

>>【※国内最安値水準】M&A仲介サービスはこちら

プレミアム案件・お役立ち情報

関連する記事

人気の記事

人気の記事ランキング

新着一覧

最近公開された記事