建設会社は会社譲渡(株式譲渡)で悩みを解決!譲渡の理由や成功するポイントを解説

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企業情報第一部 部長
辻 亮人

大手M&A仲介会社にて、事業承継や戦略的な成長を目指すM&Aを成約に導く。M&A総合研究所では、経営者が抱える業界特有のお悩みに寄り添いながら、設備工事業や建設コンサルタント、製造業、医療法人など幅広い業種を担当。

現在、会社譲渡(株式譲渡)などによるM&Aが盛況であり、それは建設業界も同様です。そこで、建設業界において会社譲渡(株式譲渡)が行われる理由、買収側の思惑、具体的な手順や注意点、成功させるポイントなどを事例も交えて解説します。Ï

目次

  1. 建設会社の会社譲渡(株式譲渡)とは
  2. 建設会社はこんな理由で会社譲渡(株式譲渡)している!
  3. 建設会社を買収する会社の3つの狙い
  4. 近年増加傾向!建設会社の会社譲渡(株式譲渡)の6つの事例
  5. 建設会社の会社譲渡(株式譲渡)の8つの流れ
  6. 会社譲渡(株式譲渡)をするときの建設業許可の取り扱い
  7. 建設会社の会社譲渡(株式譲渡)を成功させる3つのポイント
  8. 建設会社の会社譲渡(株式譲渡)ならM&A総合研究所にお任せください
  9. まとめ
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1. 建設会社の会社譲渡(株式譲渡)とは

建設会社の会社譲渡(株式譲渡)とは

建設会社は許可制の業者であり、その監督官庁は国土交通省です。そして、一口に建設会社といっても、その事業者(工事内容)は、建設業法によって29種類に細分化されています。

以下が、建設業法に定められている29種の建設業種です。
 

  1. 土木一式工事業
  2. 建築一式工事業
  3. 大工工事業
  4. 左官工事業
  5. とび・土工・コンクリート工事業
  6. 石工事業
  7. 屋根工事業
  8. 電気工事業
  9. 管工事業
  10. タイル・レンガ・ブロツク工事業
  11. 鋼構造物工事業
  12. 鉄筋工事業
  13. 舗装工事業
  14. しゆんせつ(浚渫)工事業(法律上で「ゆ」は大文字表記)
  15. 板金工事業
  16. ガラス工事業
  17. 塗装工事業
  18. 防水工事業
  19. 内装仕上工事業
  20. 機械器具設置工事業
  21. 熱絶縁工事業
  22. 電気通信工事業
  23. 造園工事業
  24. さく井工事業
  25. 建具工事業
  26. 水道施設工事業
  27. 消防施設工事業
  28. 清掃施設工事業
  29. 解体工事業

会社譲渡(株式譲渡)とは

M&A(Mergers and Acquisitions=合併買収)の代表的な手法の1つが、会社譲渡(株式譲渡)です。対象会社の株式を買い手に売却することで、その会社の経営権を譲渡します。

対外的には株主が変わるだけであり、事業、資産、会社組織、従業員など全て従来どおりのまま、つまり、会社を丸ごと買い手に譲渡する手法です。

M&Aの手法の中では、比較的シンプルな手続きで実施できることが特徴です。

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2. 建設会社はこんな理由で会社譲渡(株式譲渡)している!

建設会社はこんな理由で会社譲渡(株式譲渡)している!

建設会社の会社譲渡(株式譲渡)は頻繁に行われています。そこで、どのような理由で、建設会社が会社譲渡をしているのか確認しましょう。

大きな理由は、以下の4つです。
 

  1. 後継者問題を解決したい
  2. 大手企業傘下に入って経営基盤を整えたい
  3. 倒産や廃業を回避したい
  4. 売却益を獲得したい

①後継者問題を解決したい

会社譲渡をする建設会社の理由に多いのが、後継者問題を解決したいというものです。中小企業・中堅企業の多くは、親族や従業員にふさわしい後継者がおらず、事業承継ができない事態に陥っています。

建設会社も例外ではありません。建設会社を続けるためには、建設業許可の継続が必要です。それには、経営業務の管理責任者や専任技術者を、営業所に配置しなければなりません。

特に、経営業務の管理責任者は、会社の役員でなければならないという決まりがあります。さらに、建設業の5年以上の経営経験が必要です。

後継者は経営業務の管理責任者にならなければなりませんが、経営業務の管理責任者の条件をクリアすることは大変です。

少なくとも5年以上前から、計画的に後継者候補を取締役に就任させておく必要があります。このように他業種にはない条件も重なり、後継者に悩む建設会社が多いのです。

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②大手企業傘下に入って経営基盤を整えたい

大手企業のグループ傘下に入って経営基盤を整えるために、建設会社を会社譲渡するケースもあります。

大手企業のグループ傘下に入ると、以下のようなメリットを享受できるからです。
 

  • 資金調達がしやすくなる
  • 人材獲得がしやすくなる
  • 知名度・信用度が上がる

現在の建設業界市場は、被災地の復興工事やオリンピック・万博需要などがあり拡大傾向です。しかしながら、人材不足のため、仕事を獲得できないと悩んでいる会社は増えています。

そこで、大手グループ傘下に入れば、雇用資金に予算を割いたり、知名度アップによって雇用志願者が増えたりするなどの効果が期待できるのです。

③倒産や廃業を回避したい

倒産や廃業を回避するために、会社譲渡を決意する建設会社もあります。

建設会社には常に以下のような問題がつきまとっており、倒産・廃業の危機に追いやられる会社も少なくありません。
 

  • ふさわしい後継者がいない
  • 認可を取り続けるための人材確保ができない
  • 高度な技術を持つ人材確保ができない

しかし、倒産・廃業をしてしまうと、雇用している従業員や取引先に迷惑をかけてしまいます。なんとか事業を継続したいと経営者なら考えるでしょう。

そこで、自身の経営権をなくしてでも会社存続を保持する手段として、株式譲渡が選択されています。

④売却益を獲得したい

建設会社を会社譲渡して、売却益を獲得したいと考える経営者もいるでしょう。

建設会社を会社譲渡した場合、譲渡対価は株主が受け取ります。多くの中小企業・中堅企業の株主は経営者個人です。したがって、経営者が会社譲渡をして引退するときに、まとまった資金を受け取れます

会社譲渡をするとき、おおよその譲渡対価相場は「会社の時価+営業利益×3〜5年分」です。会社の規模によって価格は大きく変動しますが、現在、建設会社の価値は上がっています。そのため、相場よりも高い価格で会社譲渡できる可能性は高いでしょう。

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3. 建設会社を買収する会社の3つの狙い

建設会社を買収する会社の3つの狙い

現在の建設会社のM&A動向をひと言でいうなら、売り手市場です。

それは、建設業界市場が、被災地復旧工事や首都圏再開発、公共事業投資、オリンピック・万博需要などが追い風となって拡大傾向にあり、会社の規模を拡大したい大手・中堅建設会社の事情によります。

建設会社を買収したい側の主たる理由は、以下の3つです。
 

  1. 技術力のある人材の確保
  2. 経営資源の相互活用
  3. カバーエリアの拡大

買い手企業の狙いを確認し、なぜ建設会社が売れるのかをひも解いていきましょう。

①技術力のある人材の確保

買い手企業は、建設技術を持っている人材をできるだけ確保したいと考えています。

その理由は、建設業界への若者の就職率がとても低く、業界全体の高齢化が進行中で年々、技能労働者が減り続けているためです。

技能労働者不足を補うために、作業の効率化や機械の導入などを行う企業も増えていますが、やはり最終的には、まだまだ人の手は欠かせません。

受注したい仕事があっても、人が足りなければ仕事を受けられないという事態を脱するため、同業の建設会社を買収し、できるだけ多くの技能労働者を獲得しようと考えているのです。

②経営資源の相互活用

経営資源の相互活用のために、買収を活用する建設会社は多いです。建設会社をより大きく成長させるためには、新しいサービス展開や顧客の獲得をしなければなりません。

しかし、新しいサービスを確立したり、新しい顧客を獲得したりするには時間がかかります。そこで、建設会社を買収することで時間と労力を短縮しようとするのです。

建設会社は公共工事だけでなく住宅建設なども行いますから、不動産開発業にも関連します。たとえば、住宅建設会社が不動産開発会社を買収すれば、オーダー建設の受注がしやすくなるかもしれません。

このように、売り手企業と買い手企業の持っている経営資源を相互活用することで、2つの会社の売上をさらに拡大していけるのです。

③カバーエリアの拡大

カバーエリアを拡大するために建設会社を買収するケースもあります。

一例として、東海エリアでシェアの高い建設会社A社があったとしましょう。A社が関西にも進出したいと思ったとき、関西で同じようなサービスを取り扱う建設会社B社を買収すれば、早くエリア進出できます。

もちろん、A社が大阪などに支社を作り開拓していくのもよいでしょう。しかし、すでに顧客を獲得しているB社を買収することで、A社で扱うサービスをB社の顧客にもすぐ販売できます。

このように、買収をすることで、時間と手間を短縮しカバーエリアの拡大ができるのです。

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4. 近年増加傾向!建設会社の会社譲渡(株式譲渡)の6つの事例

近年増加傾向!建設会社の会社譲渡(株式譲渡)の6つの事例

建設会社の会社譲渡(株式譲渡)は頻繁に行われています。それだけ、建設会社のニーズは高まっているといえるでしょう。

紹介する建設会社の会社譲渡の事例は、以下の6件です。
 

  1. 鳥海建工によるナガワへの会社譲渡
  2. 山昇建設によるコニシへの会社譲渡
  3. 三聖建設によるあなぶき加賀城建設への会社譲渡
  4. 井口建設による大盛工業への会社譲渡
  5. 角丸建設によるコニシへの会社譲渡
  6. 日本建設による日本エンデバーファンドへの会社譲渡

それぞれの事例について詳しく確認し、建設会社の会社譲渡のイメージを具体化させましょう。

①鳥海建工によるナガワへの会社譲渡

2020(令和2)年10月、鳥海建工は全株式をナガワに株式譲渡し、その完全子会社となりました。なお、譲渡価額は非公表となっています。

鳥海建工は、埼玉県を中心に倉庫・店舗・戸建住宅などの総合建設業を行っている会社です。一方、ナガワは、ユニットハウス事業、モジュール・システム建築事業、建設機械事業を全国規模で展開しています。

鳥海建工側の意向は明らかにされていませんが、ナガワ側は、ユニットハウス事業に次ぐ第二の柱事業として業績拡大中のモジュール・システム建築事業が、今後さらに業績向上するための体制強化として、鳥海建工を子会社化した模様です。

②山昇建設によるコニシへの会社譲渡

2020年7月、山昇建設はコニシに株式譲渡を実施し、その子会社となりました。譲渡された株式の比率は全体の91%、譲渡価額は非公表となっています。

愛知県名古屋市にある山昇建設は、東海地方を中心に土木工事の実績がある会社です。一方、コニシは「ボンド」(接着剤)のメーカーですが、下の事例にも掲示しているように、近年は建設会社をグループに加え、グループとして土木建設事業を積極的に展開しています。

山昇建設としては、コニシグループ入りすることで、コニシの全国の営業網活用と建設工事材料の調達効率化により、業績拡張を見込みました。コニシとしても、山昇建設が子会社になることで、グループの土木建設事業にシナジー効果が得られるともくろんでいます。

③三聖建設によるあなぶき加賀城建設への会社譲渡

2018(平成30)年11月、三聖建設はあなぶき加賀城建設に発行済みの全株式を譲渡し、会社譲渡を行いました。譲渡対価は非公開となっています。

会社譲渡の目的は、三聖建設の後継者問題の解決でした。三聖建設は、後継者問題により、事業継続のための譲渡先をずっと探していたのです。

一方、あなぶき加賀城建設も事業拡大するために協業先を探していました。そこで三聖建設を買収することで、相乗効果が生み出せると考えたのです。

両社ともに、本社は香川県でエリアも近く、三聖建設は安心して、あなぶき加賀城建設に会社を託すことを決めました。

④井口建設による大盛工業への会社譲渡

2018年9月、井口建設は大盛工業へ株式譲渡をし、子会社となりました。譲渡対価は、2億3,100万円と発表されています。

大盛工業は、本社のある東京都を中心に土木事業、不動産事業を行っている会社です。一方、井口建設は山梨県で行われる公共土木工事を主軸に、建設会社として実績を積んできました。

この会社譲渡の目的は、事業基盤の拡大にあります。2社はこれまで土木工事事業を収益の中心としてきたため、会社譲渡で資源を相互に活用することで高いシナジー効果を見込んだのです。

今後は、お互いが持つノウハウを最大限生かし、グループの収益力を拡大させるとしています。

⑤角丸建設によるコニシへの会社譲渡

2017(平成29)年7月、静岡の土木建設会社・角丸建設は、コニシへ全株式を譲渡し、完全子会社となりました。譲渡対価は発表されていませんが、40〜50億円程度と予想されています。

角丸建設は毎年1億円以上の利益を出していましたが、後継者不在に悩まされていました。そこで、今後の事業継続のため、会社譲渡へ至ったのです。

一方、コニシは接着剤メーカーです。コニシは、建築・土木用補修剤の用途開拓を進めるために買収を決意しました。

角丸建材も会社譲渡によって、コニシの全国の営業網を活用して利益拡大を目指しています。

⑥日本建設による日本エンデバーファンドへの会社譲渡

2006(平成18)年3月、日本建設は、機動建設工業グループの日本エンデバーファンドへ会社譲渡し、機動建設工業の子会社となりました。なお、譲渡対価は発表されていません。

日本建設は、商業ビルや工場、倉庫、店舗、集合住宅および個人住宅などさまざまな建築物の新築工事、リニューアル工事などを全国的に展開する建設会社です。ただし、経営面で不安を抱えながら事業運営をしていました。

一方、機動建設工業は、土木工事を主体としてきました。しかし、事業拡大をするうえで民間建設工事を拡大していきたいと考えていたのです。そこで、日本建設を買収し、総合的サービスを提供できるようになりました。

ちなみに、日本エンデバーファンドは機動建設工業と証券会社などが共同事業として立ち上げた企業再生ファンドです。

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5. 建設会社の会社譲渡(株式譲渡)の8つの流れ

建設会社の会社譲渡(株式譲渡)の8つの流れ

続いて、建設会社が会社譲渡(株式譲渡)を行うときの流れについて確認しましょう。事前に流れを知っておくことで、スムーズに会社譲渡できます。

手続きの流れは以下の通りです。
 

  1. M&A仲介会社に相談する
  2. 株式譲渡承認請求を行う
  3. 取締役会・株主総会での承認を得る
  4. 決定内容の通知をする
  5. 条件交渉・デューデリジェンス(企業の監査)実施
  6. 株式譲渡契約を締結する
  7. 株式名簿の書き換え・証明書の交付請求を行う
  8. 統合作業(PMI)を行う

しっかりと内容をチェックし、スムーズに会社の引き継ぎを行いましょう。

①M&A仲介会社に相談する

まずは、M&A仲介会社に相談しましょう。M&A仲介会社とは、会社譲渡のコンサルタントのような存在です。

買い手企業選びや、資料・契約書の作成、買い手企業との交渉のサポートなどを行ってくれます。

M&A仲介会社に相談することで、会社譲渡の道筋を立てられるでしょう。特に、初めて会社譲渡を行う場合は、必ず相談するべきです。

M&A仲介会社は数多くありますが、以下の点に気をつけて依頼する会社を決めましょう。
 

  • 建設業界に精通している
  • 弁護士や会計士などの専門家のサポートが受けられる
  • 費用を安く抑えられる
  • できるだけ高い価格で会社譲渡してくれる

これらのポイントを押さえたM&A仲介会社に依頼するために、複数のM&A仲介会社に相談し比較することをおすすめします。

M&A仲介会社が決まったらアドバイザリー契約を結び、正式に業務を依頼しましょう。

②株式譲渡承認請求を行う

会社譲渡(株式譲渡)を行うため、自社株式が譲渡制限株式かどうかの確認をします。譲渡制限株式とは、自由に譲渡することを制限している株式のことです。会社の定款で定められているはずですから確認しましょう。

もし、譲渡制限株式であれば、自由に株主が株式譲渡できません。制限がなければ譲渡できますが、ほとんどの中小企業の株式には制限がかけられています。

譲渡制限株式であれば、各企業の承認機関での承認請求手続きを行いましょう。その際、譲渡する株式数と株式を譲渡される人の氏名または名称を明らかにする必要があります。

③取締役会・株主総会での承認を得る

株式譲渡承認請求のあとは、取締役会と株主総会で承認を得る手続きを行います。なぜなら、譲渡制限株式を譲渡する場合は、会社の承諾が必要だからです。

無事承認されれば、株式の制限が解除され、譲渡できるようになります。

しかし、企業側に承認されなかった場合、希望の相手に株式譲渡できません。このとき、企業側は株式を買い取るか、指定の買取人に買収させなければならないと決まっています。

さらに、会社が株式を買い取るなら、株主総会で株式を買い取ることと買い取る株式数についての特別決議を行わなければなりません。

現実には、中小規模の建設会社では経営者が大半の株式を所有しているはずですから、株主総会で非承認されることはないでしょう。

④決定内容の通知をする

取締役会や臨時取締役会で株式譲渡の承認が下りたら、決定内容の通知を行います。この通知は、株式譲渡承認請求をしてから2週間以内に通知しなければなりません。

2週間以内に通知がなければ、「株式譲渡を承認した」と解釈してよいことになっています。

⑤条件交渉・デューデリジェンスを行う

株式譲渡することを承認されれば、買い手企業と条件交渉をしたり、デューデリジェンス対応などの手続きを行ったりしましょう。

買い手企業とは、会社譲渡の条件を細かく決めていくべきです。具体的には、譲渡対価、従業員や役員の処遇、事業の融合・統合などについて話し合っていきましょう。

また、デューデリジェンスとは買い手企業による売り手企業の内部調査のことです。買い手企業は、買収後のリスクをできるだけ軽減するために、財務状況や法務リスクなどを調べます。

売り手企業はできるだけデューデリジェンスに協力し、正しい情報を提供しましょう。

⑥株式譲渡契約を締結する

条件交渉がまとまれば、株式譲渡契約を締結しましょう。

株式譲渡契約には以下のような内容を記載します。
 

  • 譲渡の実施日
  • 譲渡価額
  • 譲渡する株式の数(割合)
  • 譲渡目的
  • 譲渡対価の支払い方法や期限
  • 取引に関する諸条件

一度、株式譲渡契約を締結すると、撤回はできません。

契約書の内容をしっかりと把握し、弁護士やM&A仲介会社にリーガルチェックを行ってもらいましょう。

⑦株式名簿の書き換え・証明書の交付請求を行う

株式譲渡契約を締結したら、株式名簿の書き換えと株主名簿記載事項証明書請求を行いましょう。

株式譲渡契約を締結しただけでは、自動的に株式の所有者が変わるわけではありません。

そのため、買い手企業と譲渡した株主の連名で、会社に対して株式名簿書き換え請求を行い、株式を書き換えるのです。

また、株式を取得したという証明のために、株主名簿記載事項証明書を発行させましょう。これで第三者が見ても、買い手企業が株主であることを証明できます。

以上で会社譲渡の手続きは完了です。

統合作業(PMI)を行う

会社譲渡の手続きが完了した後、買い手企業と売り手企業の統合作業(PMI=Post Merger Integration)を行います。

基本的に会社譲渡を行っても、売り手企業の株主(経営者)が変わるだけですから企業内・外に影響は出ません。

しかし、買い手企業との間で、事業の進め方や社内システム・人事評価システムなどを統合させる必要は生じます。この統合プロセスがうまくいかない場合、M&Aが失敗に終わるともいわれる重大なプロセスです。

したがって、会社譲渡を機に引退をする売り手側経営者の場合でも、M&A後のPMIに極力、協力をすることが求められます。これは、ケースにもよりますが、数カ月~それ以上のプロセスとなることもあり、その点については理解をしておいてください。

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6. 会社譲渡(株式譲渡)をするときの建設業許可の取り扱い

会社譲渡(株式譲渡)をするときの建設業許可の取り扱い

建設会社が会社譲渡(株式譲渡)をするとき、気をつけなければならないのが建設業許可の取り扱いです。基本的に、「株式譲渡」であれば許可を取り直す必要はありません

ただし、以下のような注意点があることを覚えておきましょう。
 

  1. 事業譲渡・会社分割をするときは取得し直す必要がある
  2. 建設業許可が取り消される可能性がある
  3. 変更届を提出しなければならない
  4. 引き継ぎに時間がかかる

建設業許可は、建設会社を営むうえで必要な許可です。事前に確認し、営業停止とならないよう注意しましょう。

①事業譲渡・会社分割をするときは取得し直す必要がある

事業譲渡・会社分割というM&A手法で会社・事業を売却する場合、建設業許可は引き継げません。したがって、買い手企業による建設業許可の取得が必要です。

建設業許可には、本店所在地の地方整備局長などの許可による大臣許可と、都道府県の許可による知事許可の2つの区分があります。どちらにあてはまるか確認しておきましょう。

また、建設業許可は、申請してから許可証が発行されるまで1カ月〜3カ月程度かかります。
 

  • 国土交通大臣許可(建設業の営業所が複数の都道府県にまたがってある場合):約3カ月
  • 都道府県知事許可(建設業の営業所が1つの都道府県内にある場合):約1カ月

営業を継続するため、逆算して建設業許可を申請しましょう。

ただし、買い手企業がもともと建設業許可を持っているのであれば、事業譲渡・会社分割の後に許可を再取得する必要はありません

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②建設業許可が取り消される可能性がある

株式譲渡をした場合でも、以下の5つの要件を満たしていない場合は取り消されます。
 

  1. 経営業務の管理責任者がいること
  2. 専任技術者がいること
  3. 財産的な基礎が安定していること
  4. 誠実に契約を履行すること
  5. 欠格要件に該当しないこと

これらの要件には、さらに細かい設定がされています。たとえば、経営業務の管理責任者は経営幹部としておかなければなりません。

そのため、会社譲渡をすることによって経営業務の管理責任者が離職してしまうと、建設業許可は取り消されてしまいます。

経営業務の管理責任者や専任技術者が離職するなど要件から外れてしまう恐れがあるのであれば、事前に買い手企業に相談しておきましょう。

責任者や技術者の離職で配置換えが行われることもあります。自社で採用しなければならないこともあるので、事前の話し合いが重要です。

③変更届を提出しなければならない

会社譲渡を行ったら、速やかに変更届を提出しましょう。

建設業許可は、重要事項の変更があった場合、2週間以内に変更届を提出しなければなりません

具体的には、以下のような変更があったときに提出が必要です。
 

  • 会社の商号
  • 営業所の変更
  • 資本金
  • 役員や重要な従業員(各営業所の代表者など)
  • 株主
  • 経営管理者
  • 専任技術者

これらの変更があった場合には、忘れずに変更届を提出しましょう。

④引き継ぎに時間がかかる

建設業許可の引き継ぎには時間がかかります。公的機関の手続きには時間がかかることも多く、引継ぎの完了までは1カ月程度とみておきましょう。

スムーズに営業できるよう、スケジュール調整することをおすすめします。

以上が、建設業許可の取扱いで注意すべきことでした。

建設業許可の引き継ぎについては、行政書士などの専門家とともに、細かい要件について確認していくことが大切です。

もし、検討の結果、建設業許可が新たに必要となる場合は、申請のスケジュールを買い手企業と一緒に考えておきましょう。

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7. 建設会社の会社譲渡(株式譲渡)を成功させる3つのポイント

建設会社の会社譲渡(株式譲渡)を成功させる3つのポイント

ここまでは、建設会社の会社譲渡(株式譲渡)の事例や手続きの流れ、建設業許可について詳しく確認してきました。会社譲渡に成功することで、買い手企業・売り手企業双方が成長できます。

しかし、「会社譲渡したいけど成功するかわからない」と不安に思う経営者もいるでしょう。そこで、建設会社の会社譲渡を成功させるポイントを3つ紹介します。

成功させるためのポイントは、以下の3つです。
 

  1. 同業者に会社譲渡する
  2. 入札できる公共工事について理解しておく
  3. 建設業界に詳しい専門家に相談する

3つのポイントを理解し、建設会社の会社譲渡を成功させましょう。

①同業者に会社譲渡する

建設会社の会社譲渡先は同業者がおすすめです。建設業会では、仕事はあるのに人手が足りず受注できないといった問題を抱えています。

そのため、建設業界内で建設会社を買収・協業したいというニーズが高まっているのです。それゆえ、高い価格で会社譲渡できる可能性もあります。

同業者へ会社譲渡する際、以下のようなことをまとめておくとアピールしやすいでしょう。
 

  • カバーしているエリア
  • 得意な業務(民間住宅や公共事業など)
  • 従業員の持つ建設技術
  • 主な顧客

これらは、建設会社の強みです。事前に社内でまとめておくことで、M&A仲介会社が候補を探しやすくなり、スピーディーに買い手企業を見つけられるでしょう。

また、自社の強みから、どのような会社に売却すれば相乗効果を得られるかを考えておくのもおすすめします。なぜなら、相乗効果を得られる会社ほど自社を魅力に感じてくれるからです。

このようにして、結果的に譲渡価格を高めることにつながるでしょう。建設会社を会社譲渡するときは、同業者を買い手企業に選ぶことをおすすめします。

②入札できる公共工事について理解しておく

公共工事の場合、会社の規模が大きくなると小規模工事における入札参加が難しくなってしまいます。したがって、買い手企業に移籍した従業員に今までと近い規模の公共工事を行ってほしい、と考えているなら注意が必要です。

買い手の企業規模によっても変わりますが、入札はランク式となっています。会社が大企業傘下に入ると、小規模公共工事が受注できなくなることもあるので、今後入札する公共工事の内容について確認しておくことが重要です。

また、会社譲渡により工事の規模や内容に大きな変更があるなら、従業員に仕事のやり方などをあらかじめ教えておく必要があります。会社譲渡後に従業員が戸惑わないよう、説明会や研修などを行うと安心です。

③建設業界に詳しい専門家に相談する

建設会社の会社譲渡を成功させるためには、建設業界に詳しい専門家へ相談しましょう。

建設会社の会社譲渡には、建設業許可の引継ぎなど気をつけなければならないことが多いです。専門家に一切相談せず会社譲渡を進めてしまった場合、契約の不備や買い手企業との交渉決裂などが発生してしまうことも予想されます。

しかし、建設業界のことをよく理解している専門家に相談することでトラブルを回避できるのです。

また、建設業界に詳しい専門家は、買い手企業候補の情報を数多く持っています。多くの企業の中から、最適な買い手企業を紹介してもらうことで、会社譲渡の成功率は高まります。

必ず、建設業界に詳しい専門家に相談しましょう。

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8. 建設会社の会社譲渡(株式譲渡)ならM&A総合研究所にお任せください

建設会社の会社譲渡(株式譲渡)ならM&A総合研究所にお任せください

建設会社の会社譲渡(株式譲渡)を検討しているのであれば、全国の中小企業のM&Aに数多く携わっているM&A総合研究所にお任せください。

建設会社の会社譲渡に豊富な経験と知識を持つM&Aアドバイザーが専任となり、これまでで培った全国各地の独自ネットワークを生かして、建設会社の会社譲渡をフルサポートします。

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9. まとめ

まとめ

建設業界での会社譲渡は頻繁に行われています。もし、後継者や経営で悩んでいるのであれば、会社譲渡を検討しましょう。

会社譲渡をすれば、売り手企業・買い手企業双方にとってメリットがあります。

ただし、建設会社の会社譲渡を進めるには、M&Aの専門知識も求められるため、独力で行うのは無理があるのが正直なところです。

したがって、建設会社の会社譲渡の成功のためには、信頼できるM&A仲介会社選びが欠かせません。心当たりの仲介会社がない場合には、一度、M&A総合研究所の無料相談までお問い合わせください。

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