IT企業の株式譲渡(会社譲渡)の相場は?メリットや事例を知って問題解決

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

新技術が次々と発表される中、後継者不在や事業拡大を原因とするIT企業の事業承継は増えています。ここではIT企業の株式譲渡(会社譲渡)について詳しく解説!IT企業の株式譲渡(会社譲渡)をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. IT企業で株式譲渡(会社譲渡)をして解決できる問題
  2. 株式譲渡(会社譲渡)でIT企業を本当に売却できる?
  3. IT企業における株式譲渡(会社譲渡)の事例3選
  4. IT企業はいくら?株式譲渡(会社譲渡)の相場
  5. IT企業で実際に株式譲渡(会社譲渡)する流れ
  6. IT企業で株式譲渡(会社譲渡)する時に知っておきたいポイント
  7. IT企業の株式譲渡(会社譲渡)は早めにM&A仲介会社へ相談を
  8. まとめ
  • IT会社のM&A・事業承継

1. IT企業で株式譲渡(会社譲渡)をして解決できる問題

IT企業で株式譲渡(会社譲渡)をして解決できる問題

後継者に悩んでいませんか?もしかしたら、負債を抱えて苦労している人もいるかもしれません。そんな時にはM&Aを活用してIT企業の株式譲渡に乗り出しましょう。

なぜなら、以下の4つの問題を解決できるからです。

  1. 後継者
  2. 会社の負債
  3. 会社譲渡後の税金
  4. 売却後の資金

それぞれわかりやすくお伝えしますので、一緒に見ていきましょう。

問題1.後継者

解決できる問題の1つ目が「後継者」です。

身内で後継者がいないために廃業を考えている人は多くいます。もしかしたら、従業員から選んだ後継者が頼りなく任せられないことで不安を抱えている人もいるかもしれません。

このような後継者に関する問題も株式譲渡で解決できます。

なぜなら、株式譲渡はM&Aを活用し、別企業に買収してもらう方法があるからです。M&Aとは、企業の合併や買収のこと。別企業が経営者となるので、会社はそのまま存続します。

IT企業を株式譲渡し、会社が存続すれば、
 

  • 従業員の雇用
  • 取引先 など

今まで築き上げてきた会社をまるごと守れるのです。

ですが、ここで廃業を選んでしまうと従業員の今後を考えなければならないほか、取引先へも伝えなくてはなりません。経営者としては心苦しいほか、罪悪感が残ってしまいます。

IT企業の株式譲渡は、後継者がいなくてもM&Aの活用で問題なくできます。なので、後継者について悩む必要がなくなるわけです。

そして、M&Aで株式譲渡をすれば会社の負債についても解消します。次の項目で詳しく見ていきましょう。

問題2.会社の負債

解決できる問題の2つ目が「会社の負債」です。

今の事業が伸び悩み負債を抱えている、順調に伸びているが負債がまだ残っているという方でも問題ありません。M&Aでの株式譲渡では会社の経営権から負債についても譲渡の範囲に入れられます。

ただし、ここで注意したいことがあります。それは、買い手側の企業は負債の引き継ぎを拒否できることです。そのため、会社の負債を引き継いでもらえず残ってしまうことがあります。

ですが安心してください。IT企業を株式譲渡した時に出た売却金額を返済に使うことができます。売却金額については話し合いで決めていくため、負債のことも考えて交渉してみましょう。

負債まで引き継げるのは株式譲渡のみで、事業譲渡ではできません。ですから、大きなメリットと言えます。このようにIT企業の株式譲渡では、負債の解消もできるというわけです。

では、このような大きな金額が動くことで税金面ではどうなるのでしょうか。次の項目で見ていきましょう。

問題3.会社譲渡後の税金

IT企業の株主が個人の場合、事業譲渡より株式譲渡の方が節税できる可能性高くなります。これは、M&Aの手法や利益を受け取る人によって課税方法が変わるからです。

例えば、事業譲渡を選んだ場合は、譲渡で得た利益に対して約30%の課税が目安となります。100万円であれば約30万円が税金として支払わなければならない金額です。

ですが、株式譲渡を選んだ場合は、株主が個人なら所得税と住民税が売却で得た利益に課税されるだけとなります。税率は利益の約20%が目安となりますので、100万円であれば約20万円が税金です。

中小企業であればIT企業でも株主が個人のことが多いですから、約10%の節税が可能となるでしょう。ただし、株主が会社だったとすると法人税が課税されるので税率は29~49%となりますので注意してください。

以上のことからIT企業の株式譲渡は個人が株主であれば譲渡後の税金を抑えられるメリットもあると言えるのです。

では、株式譲渡をした後の資金についても見ていきましょう。

問題4.売却後の資金

解決できる問題の4つ目が「売却後の資金」を手に入れられることです。

M&Aを使ったIT企業の株式譲渡は、会社をまるごと買い取ってもらえるのでまとまった資金が手に入ります。手に入れた資金は新しい事業への投資や老後の蓄えにしたり用途は自由です。

ただし、これは株主が個人の場合のみなので注意してください。

また、親族や従業員に株式譲渡をするというのではあれば、資金力を考えて無償で取引することになります。なぜなら、株式を買い取るには相当な資金が必要で、個人に用意するのは難しいからです。

なので、IT企業の株式譲渡で売却後の資金を得るにはM&Aで他企業に買収してもらう必要があるでしょう。そうなると、売却後の資金を得るのは難しいと考える人も多いかと思います。

安心してください。M&A仲介会社を使えば、買い手候補を見つけるところから取引まで安心して進められます。ここまでお伝えした問題の4つすべてを解決することもできるはずです。

【関連】IT会社のM&A・事業承継ならM&A総合研究所

とは言っても、本当に売却できるのか不安という人もいるかと思いますので、本当に売却できるのかについても確認しておきましょう。

2. 株式譲渡(会社譲渡)でIT企業を本当に売却できる?

株式譲渡(会社譲渡)でIT企業を本当に売却できる?

実は、IT企業の株式譲渡では売却が増える一方で、買収も伸びてきているのが現状としてあります。

なぜ言い切れるのかわかりやすく以下2つの傾向に分けてみました。

  1. IT企業の背景から見る売却が増えている傾向
  2. IT企業の売却に負けず買収が増えている理由

それぞれ一緒に見ていきましょう。

2-1.IT企業の背景から見る売却が増えている傾向

IT企業が株式譲渡を選び、自社を売却する背景には以下3つの原因があります。
 

  1. 市場規模の拡大
  2. 深刻な技術者不足
  3. 多重下請け構造の解消

IT企業における市場規模の拡大は、日々新しい技術が生み出され続けていることが影響しています。現在でも拡大はとどまることを知らず、すぐに新しい技術を取り入れ続けなければ生き残るのも厳しいです。

しかし、深刻な技術者不足によって中小企業の多くが、自社独自の開発が進ないことで市場の拡大に追いつけず遅れを出してしまいます。

さらに、追い打ちをかけるように多重下請け構造によって売上があがらず、技術者を増やすことも、新技術を取り入れることも難しくなります。

この多重下請け構造は、下請けを下請けに出し続けることで、低利益で仕事をしなくてはならないピラミッド型になった悪循環のことです。多重下請け構造をなくす動きは出てきていますが、法整備はいまだに追いついていません。

このような状態が続いてしまうと、いつまで経っても悪循環が続くだけで、経営は苦しくなる一方となります。ですから、現状から脱却するためにIT企業の株式譲渡を選ぶのです。

では、なぜ悪循環が続き売却が増える中で、買収も増え続けているのでしょうか。さっそく見ていきましょう。

2-2.IT企業の売却に負けず買収が増えている理由

IT企業の株式譲渡が増え続ける中、買収も増えている背景には以下3つの目的があるからです。
 

  1. 技術者を確保するため
  2. 最新技術を獲得するため
  3. 事業拡大のため

深刻な技術者不足は、中小企業に限らず大企業でも同じです。技術者を新しく雇い入れ、育てるには時間や費用がかかります。そこで、IT企業を買収すれば、技術者育成にかかる時間と費用を最低限に抑えて即戦力を確保できるというわけです。

また、特化した最新技術をもったIT企業を買収することで事業拡大を狙う動きもあります。すでに最新技術を取り扱う企業を傘下に加えることで、スピーディで効率良く事業を進めることができるでしょう。

IT企業の株式譲渡を買収する時に「注目されている最新技術」は以下のようなものがあります。
 
  • HRテック
  • 自動運転
  • AI技術
  • IoT技術 など

IT技術の発展はとても早いので、トレンドが変わるたびに買収に乗り出す企業も動き出します。自社開発だけで追いつかず、トレンドのIT技術を確保できなくなれば、M&Aで株式譲渡を狙うのは難しくなるでしょう。

難しくなるとはいえ、事業拡大のために未参入事業へ参入するきっかけとして買収をする企業も増えています。このようなことを考えても、体力があり市場についていけている今がタイミングとも言えるのです。

IT企業の株式譲渡が増えるなか、買収も負けずに増えている背景についてここまでお伝えしました。

では、本当に成功している事例があるのでしょうか。次の項目で実際に株式譲渡に成功した事例を3つ見ていきましょう。

3. IT企業における株式譲渡(会社譲渡)の事例3選

IT企業における株式譲渡/会社譲渡の事例3選

IT企業の株式譲渡/会社譲渡について、事例を3つご紹介します。
 

  1. ユーエックス・システムズによるコムチュアへの株式譲渡
  2. アウルスによるエン・ジャパンへの株式譲渡
  3. クラフトリッジによるSharing Innovationsへの株式譲渡

株式譲渡/会社譲渡することで売り手企業にどのような効果があるか、買い手企業はどのような目的で買収したかなど、ぜひ参考にしてください。

事例1.ユーエックス・システムズによるコムチュアへの株式譲渡

  売り手企業 買い手企業
会社名 ユーエックス・システムズ コムチュア
事業内容 システム開発事業
システムコンサルティング事業
クラウドソリューション事業
Webソリューション事業など
従業員数 56名 1,270名(連結)
目的 非公開 顧客基盤の強化
事業拡大
譲渡価格 1億7,100万

2019年3月、ユーエックス・システムズ株式会社はコムチュア株式会社に株式譲渡し、コムチュアの子会社となりました。譲渡価格は、1億7,100万円です。

売り手企業のユーエックス・システムズは、システム開発事業を行っています。一方、買い手企業のコムチュアは、クラウドやビッグデータなど新技術を取り入れたIT事業を行っている会社です。

もともと売り手企業のユーエックス・システムズは、買い手企業のコムチュアの関連会社でした。コムチュアはユーエックス・システムズの株式を40.9%保有していましたが、今回89.9%に引き上げてユーエックス・システムズを子会社としました。

この株式譲渡により、コムチュアは経営基盤の強化、事業拡大を期待しています。一方、ユーエックス・システムズは目的を公開していませんが、大手傘下となったことで、さらに事業を拡大できるでしょう。

このように株式譲渡は株式の持分比率により、経営権の強さが変わります。売り手企業は経営権を手放したくない場合、持ち分比率に注意して株式譲渡を行いましょう。

事例2.アウルスによるエン・ジャパンへの株式譲渡

  売り手企業 買い手企業
会社名 アウルス エン・ジャパン
事業内容 EC開発事業
Web企画・開発事業
スマートフォン向けアプリ企画・開発事業など
Web求人情報サービス事業
人材紹介事業
社員研修事業など
従業員数 21名 1,506名
目的 顧客基盤の拡大 新規事業への参入
譲渡価格 4億300万円

2019年3月、アウルス株式会社はエン・ジャパン株式会社に株式譲渡し、エン・ジャパンの子会社となりました。譲渡価格は、4億300万円です。

売り手企業のアウルスは、2017年に設立された若い会社でありながら、Webサイトやアプリ開発受託事業で実績を積み重ねてきました。今回、エン・ジャパンの子会社となることで、エン・ジャパンの持つ顧客へのサービス展開に期待しています。

買い手企業のエン・ジャパンは、人材領域で事業を手掛けてきた会社です。人材領域以外の新規事業を模索している中、今回アウルスを傘下にすることで成長しているIT市場に参入します。

このように異業種企業がIT企業を買収し、IT領域に進出することも多いです。買収されたIT企業にとっても、これまで開拓できていなかった顧客にサービスを提供しやすくなります。このような異業種企業間の取引は今後も増えるでしょう。

事例3.クラフトリッジによるSharing Innovationsへの株式譲渡

  売り手企業 買い手企業
会社名 クラフトリッジ Sharing Innovations
事業内容 システム開発事業 Webシステム開発事業
クラウドインテグレーション事業
RPA事業
従業員数 50名 161名(連結)
目的 非公開 技術者の確保
譲渡価格 3億6,700万円

2019年1月、株式会社クラフトリッジは株式会社Sharing Innovationsに全株式を譲渡し、Sharing Innovationsの子会社となりました。譲渡価格は、3億6,700万円です。

売り手企業のクラフトリッジは、大手企業向けにシステム開発事業を行っています。譲渡の目的を公開していません。しかし、全株式を保有していた親会社が他事業へ集中するためと考えられます。

買い手企業のSharing Innovationsは、Webシステムの開発事業などを手掛けています。今後ますます深刻化する技術者不足に対応するため、技術者確保を目的にクラフトリッジを買収しました。

このように、技術者を確保するためのIT企業買収は増えており、さらに増えていくでしょう。

IT企業の譲渡事例をもっと知りたい人は、
IT企業・ソフトウェアのM&A・買収・売却・譲渡について解説!【事例あり】
をチェックしてみましょう。同業種間、異業種間のそれぞれで事例を解説しています。

4. IT企業はいくら?株式譲渡(会社譲渡)の相場

IT企業はいくら?株式譲渡(会社譲渡)の相場

IT企業で株式譲渡を検討しているなら相場についても調べておきます。なぜなら、おおよその売却金額を知ることで、今後の計画も立てやすいからです。

結論から先に言うと、IT企業の取引相場は1~10億円程度となります。
 

  • 価格に幅があるのは、
  • 会社の規模
  • 従業員数
  • 保有している技術 など

によって価値が変わるからです。

ただし、売却金額は買い手側がどこを評価するかによって変わるということは覚えておきましょう。

4-1.高い価格で譲渡するにはどうするべきか

IT企業を株式譲渡するならできるだけ高い価格で譲渡したいはずです。

譲渡価格を上げるには以下4つについて考えてみてください。

  1. 経営状況を見直し改善する
  2. 従業員の技術力を把握する
  3. アピールポイントを整理する
  4. M&Aの専門家に相談する

まずは、今の経営状況を徹底的に調べてみてください。収益・負債・将来性を考え具体的な数字を出すことが大切です。具体的な数字を出せるようになれば、買い手企業との話し合いで自社を最大限にアピールできます。

経営状況をアピールする時には従業員の技術力についても知っておくべきです。スキル・経験・資格など細かく管理してリスト化してみてください。IT企業における従業員は大切な会社の資産と言える重要なポイントですから、必ず把握しておきましょう。

経営状況、従業員の技術力まで把握した後は、1度アピールポイントを整理してみてください。

例えば、以下のようなものを参考に整理すると良いでしょう。
  • 最新技術はあるか
  • 特定の取引先があるか
  • 有能な従業員はどのくらいか など

これらのアピールポイントをまとめておくのは、買い手側が求める条件に合うアピールをするためにも必要なこととなります。

IT企業を株式譲渡する時に、M&Aを活用する場合は話し合いの中で魅力を最大限に伝える必要があります。的確に伝えられるようにまとめて、プレゼンするためにも整理しておくのです。

ここまでお伝えしたことを順序良く進めれば企業価値を高められる交渉ができるようになります。ですが、中には上手くまとめられない人、まとめても不安な人はいることでしょう。

そんな時にはM&A仲介会社に相談してみてください。専門家ですから、気軽に相談することでアピールポイントの整理からプレゼンするために必要なアドバイスをもらえます。

電話で無料相談
0120-401-970
WEBで無料相談
M&Aのプロに相談する

ここまで来たなら、後は流れを確認して譲渡へ乗り出すだけです。次は、IT企業で株式譲渡をするときの流れについて見ていきましょう。

5. IT企業で実際に株式譲渡(会社譲渡)する流れ

IT企業における株式譲渡/会社譲渡の流れ

IT企業で実際に株式譲渡する時の流れは以下の通りです。
 

  1. まずは計画を立てる
  2. 譲渡先を探す
  3. 話し合いの内容を契約書にまとめる
  4. 買い手が売り手を調査する
  5. 最終契約を締結して譲渡完了

それぞれわかりやすく解説するので一緒に見ていきましょう。

流れ1.まずは計画を立てる

IT企業の株式譲渡では、計画を立てるところから始めます。しっかりとした計画を立てて、沿うように進めていけば、手続きの時短と企業価値が下がる前に譲渡を終えられるからです。

具体的には、以下のポイントを意識して計画を立てます。

  • 譲渡を完了したい日
  • 譲渡にかけられる費用・期間
  • 自社の強み・特徴
  • 従業員のスキル・年齢・給与
  • 取引先
  • 現在の収益
  • 今後の収益予想
  • 経営上の問題点 など

多いように感じますが、最初の段階で徹底的に調べておくと今後の流れもスムーズに進められるようになるはずです。

リストの中でも、経営上の問題点は徹底的に調べるようにします。問題をそのままにして会社を売却するよりも、改善しておくと価値が上がるからです。改善できなくても、改善する姿勢や施策を明確に説明できれば信頼を獲得でき、やる気を評価してもらえます。

次はIT企業の株式譲渡の計画ができあがる頃合いを見計らい、譲渡先を探し始めましょう。

流れ2.譲渡先を探す

IT企業の株式譲渡を進めるためにも、譲渡先を探します。ですが、譲渡先を見つけるのは多くの企業が苦戦するところですので、着実に進めていきましょう。

まず、代表的な譲渡先を見つける方法は以下の3つがあります。
 

  1. 知り合いの経営者に打診する
  2. インターネットで探す
  3. 専門家に探してもらう

中でも専門家に探してもらう方法がおすすめとなります。なぜなら、譲渡先の企業を多方面から見つけられるからです。

例えば、知り合いの経営者に打診する方法であれば、すぐに譲渡先が見つかるイメージを持つでしょう。しかし、必ずしも受けてもらえる保障はないほか、口約束になりやすく後でトラブルとなる可能性も高いです。

次にインターネットで探す方法は、企業を見つけることができてもアポイントが取りにくいことが大きな壁となります。また、買収を検討して動いている企業かも判断しにくいです。譲渡先として選定するには判断基準が足りませんので苦労が絶えないでしょう。

では、M&A仲介会社などの専門家にIT企業の株式譲渡先となりえる企業を探してもらうとどうなるでしょうか。

この場合、買い手企業を探す時間も労力も最低限で済み、自社の価値を高める時間を確保できます。不安なこと、わからないことに対するアドバイスをもらうことも可能です。

具体的には、自社が求めている買い手の希望を伝えることで、買い手候補を見つけて報告してもらえます。報告を待つ間に自社の問題点を解決することに注力できるのです。複数の専門家に相談すれば買い手候補を見つけやすいのもメリットとなります。

IT企業の株式譲渡に的確なアドバイスももらえるので、今後の流れが不安な人でも気軽に相談してみましょう。

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流れ3.話し合いの内容を契約書にまとめる

ここからは、買い手候補と話し合いを進めて内容を契約書にまとめます。この時に作成するのが「基本合意契約書」です。

基本合意契約書では以下の内容を記載しておきます。

  • 取引方法
  • 譲渡価格
  • 今後のスケジュール
  • デューデリジェンスの協力義務
  • 独占交渉権の付与
  • その他諸条件 など

基本的には基本合意契約の内容で最終契約まで進むことが多いです。つまり、この内容が今後に大きく影響するわけですから、譲渡条件をしっかりと確認して慎重に進めてみてください。

ただし、記載した内容は次のデューデリジェンスで変わることもあります。詳しく知るためにも次の項目を見てみてください。

流れ4.買い手が売り手を調査する(デューデリジェンス)

基本合意契約をした後は買い手が売り手を調査するデューデリジェンスを行います。自社の経営や人事など細かくチェックしますから、一緒に立ち合い説明してスムーズに進めていきましょう。

この時点で伝えられるメリットや問題点を改善していることを伝えられると買い手側へ良い印象を与えられます。

そのため、以下のような点について事前に詳しく調査しておくのがおすすめです。

  • 企業の沿革
  • 直近の収益状況
  • 取引先
  • 役員・従業員の人数・年齢・スキル・給与
  • 労働時間
  • 残業手当の支給状況
  • M&A後に削減できるコスト
  • 経営上のトラブル・債務 など

経営上のトラブルや債務についても必ず隠さず伝えてください。漏れによるトラブルを避けることができるほか、誠実さは売却金額にも必ず反映されるはずです。

隠せば隠すほど、それだけ譲渡価格を下げられる可能性を高め、取引の中止につながります。

問題を起こしたくない、アピールを少しでもしたいならM&A仲介会社などの専門家に協力してもらい対応しましょう。デューデリジェンスの注意点まで丁寧にアドバイスをもらえます。

より詳しいデューデリジェンスについては以下の記事で詳しく説明していますので参考にしてください。

M&AにおけるDD(デューデリジェンス)項目別の目的・業務フローを徹底解説!

ここまでくれば譲渡まであと少しです。最後に契約を締結していきましょう。

流れ5.最終契約を締結して譲渡完了

デューデリジェンスの評価を含めて、もう一度話し合いを行い最終交渉となります。

デューデリジェンスでの問題点も指摘されるはずですので、譲渡条件の見直しなどもこの時点で検討してみてください。両社が納得できる条件を決定するまで話し合い、合意した時点で最終契約を締結します。

その後は、株式と対価の受け渡しや手続きを進めていくことになるでしょう。

IT企業の株式譲渡では手続きも複雑化しやすいです。わからないくなることもあるかと思いますので、詳しく知りたい人は以下の記事も読んでみてください。

M&Aの手法・株式譲渡の手続きを徹底解説!

今後も不安という人は、この場合も専門家に相談できます。譲渡完了までの知識を備えているのでアドバイスは引き続き役立つでしょう。気軽に相談することが、株式譲渡に失敗しないためにも大切です。

では、他に失敗しないために覚えておきたいことはあるのでしょうか。トラブルを防ぐためにも確認しておきましょう。

6. IT企業で株式譲渡(会社譲渡)する時に知っておきたいポイント

IT企業における株式譲渡/会社譲渡で注意すべきこと

IT企業で株式譲渡をする時には以下のポイントに注意します。
 

  1. 譲渡価格が想定よりも低くなる可能性はある
  2. 従業員のケアを忘れないこと
  3. 譲渡の利益には税金がかかる

それぞれ失敗しないためにも大切ですから、必ずチェックしておきましょう。

ポイント1.譲渡価格が想定よりも低くなる可能性はある

IT企業の事業譲渡では「譲渡価格が想定より低くなる可能性」は十分にあります。

なぜならIT企業の場合、譲渡価格が以下のような原因があると評価が低くなるからです。
 

  • 隠していた負債がデューデリジェンスで見つかった
  • 労働環境が悪く従業員の離職率が高い
  • 従業員によるトラブルが多い
  • 技術者のレベルが買い手企業の想定より低い

このような問題は買い手企業にはじめから話して、隠さないようにしましょう。隠していたことばれると、買い手企業はあなたの会社に悪い印象を抱きます。

また、譲渡までに改善できることは改善する努力をしてください。問題点は隠さず、改善策を取っていることを伝えましょう。

ポイント2.従業員のケアを忘れないこと


次に意識したいのが「従業員のケアを忘れないこと」です。

譲渡後、従業員が離職する可能性があります。IT企業の場合、会社だけでなく実際にノウハウやスキルを持っている従業員に、買い手企業は魅力を感じて買収するのです。従業員が離職してしまっては、買収した意味がありません。

例えば以下のような理由で従業員は離職を考えてしまいます。

  • 会社の雰囲気が変わった
  • 給料が変わって不満を覚えた
  • 新しい経営者になじめない
  • 制度が変わり働きにくい環境となった など

従業員にとって変化はとても大きなストレスです。そのため、譲渡後に従業員が離職しないよう対策する必要があります。

具体的には、きちんと譲渡の経緯を話し、譲渡後の待遇について説明していきます。自社だけでなく買い手企業も交えて何度か話しておくと、従業員も譲渡に対して心の準備ができるからです。

IT企業の株式譲渡後についてもケアできる体制を整えられるよう、譲渡の内容に含めておくのも良いです。従業員がいるからこその企業の価値ですから、親身になって相談を受けられるくらいの用意はしておいてください。

ポイント3.譲渡の利益には税金がかかる



IT企業の株式譲渡で得た利益には税金がかかります。

個人が株主の場合、譲渡で得た利益は譲渡所得として扱われます。譲渡所得の場合は約20%を所得税と住民税を支払う必要があるでしょう。

会社が株主の場合、譲渡で得た利益は譲渡益として扱われます。譲渡益では29%~49%を法人税として納めなければなりません。

税金は支払わなければ脱税となり、懲役や罰則を科せられてしまいます。懲役や罰則の内容によっては税金より高い金額を支払うことになるのです。税理士や会計士に計算を依頼し、きちんと支払いましょう。

税金について不安な人や、より詳しく知りたい人は以下の記事で詳しく説明していますのでこちらをご覧ください。

株式譲渡の税金まとめ!税金の種類と計算方法を徹底解説!

7. IT企業の株式譲渡(会社譲渡)は早めにM&A仲介会社へ相談を

IT企業の株式譲渡/会社譲渡はM&A仲介会社に相談しよう

ここまでIT企業の株式譲渡についてお伝えしましたが、疑問点や不安に感じる部分もあったかと思います。買い手候補を見つけられるのか、手続きを無事に進められるかなど気になることがあれば、早めにM&A仲介会社に相談しましょう。

特に、IT企業は市場規模の拡大や新技術によって企業の相場が変わっていきます。最適な状態で売却するためにも、株式譲渡に詳しい専門家に相談することが解決の鍵です。

「でも、M&A仲介会社ってどう選んだらいいの?」という人もいるはずです。M&A仲介会社は増えていて、それぞれに特徴があります。

判断基準として以下3つのことをチェックしてみると良いでしょう。

  1. 手数料はいくらかかるのか
  2. 専門家が在籍しているか
  3. アドバイザリー型の仲介会社か

それぞれ簡単に説明してきます。

①手数料はいくらかかるのか

まず確認すべきことは、手数料です。M&A仲介会社によって、料金体系が異なります。おすすめは「着手金不要で成功報酬の安い」M&A仲介会社です。基本的にM&A仲介会社で採用されている料金を見てみましょう。
 

料金 内容
相談料 依頼前に相談するための料金
着手金 M&Aに関する調査や作業を行ってもらうため依頼時に支払う料金
月額報酬 M&A業務を行ってもらうため月額で支払う料金
中間報酬 基本合意契約を締結したときに支払う料金
成功報酬 M&Aが成立したときに支払う料金

M&A仲介会社は、表の料金の中からそれぞれ組み合わせて料金を設定しています。たとえば、「着手金+中間報酬+成功報酬」や「月額報酬+成功報酬」などです。

料金の中でも着手金と成功報酬はほとんどのM&A仲介会社で採用されており、他社と差別化しやすい料金になります。一番リーズナブルにM&Aをしたいなら、成功報酬のみを採用しているM&A仲介会社を選びましょう。

成功報酬の料金設定も、M&A仲介会社によって様々です。そのため「成功報酬の安い」M&A仲介会社に依頼すると、お得にM&Aを行えます。

M&A仲介会社の手数料については、『M&Aの手数料・報酬体系の相場は?M&A仲介会社別を徹底比較!』を参考にしてください。

②専門家が在籍しているか

弁護士や会計士など、専門家が在籍しているM&A仲介会社を選びましょう。専門家がいることで、M&Aで生じる課題をスムーズに対応してくれます。

専門家が社内にいない場合、M&A仲介会社が提携している専門家に協力を依頼することになるのです。すると、別途料金がかかったり、専門的な質問にすぐ回答を得られなかったりします。

そのため専門家が在籍しているM&A仲介会社が、おすすめです。M&A仲介会社のホームページから専門家の在籍が分からない場合は、相談時にでも聞いてみましょう。

③アドバイザリー型の仲介会社か

M&A仲介会社は、アドバイザリー型の仲介をしてくれるところを選びましょう。アドバイザリー型とは、買い手企業と売り手企業双方に担当者がついて、それぞれサポートしてくれる仲介方式です。売り手企業に寄り添って、M&Aを支援してくれます。

もう1つの仲介方式は、仲介型です。仲介型は、買い手企業と売り手企業をマッチングし、第三者の目線から両者にとって良い取引となるよう仲介してくれます。

仲介型の場合、M&Aに慣れている買い手企業が有利になることが多いため、売り手企業はアドバイザリー型がおすすめです。

M&A総合研究所は、上記3つのポイントをクリアしたM&A仲介会社です。ご相談は無料です。M&Aでお悩みなら、お気軽にご相談ください。

電話で無料相談
0120-401-970
WEBで無料相談
M&Aのプロに相談する

8. まとめ

IT企業における株式譲渡のまとめ

IT企業の株式譲渡/会社譲渡は増えています。なぜなら、技術者確保や最新技術の獲得のため、IT企業を買収したい買い手企業が多いからです。そのため、他の業界より取引価格の相場が高く、売り手企業は売却しやすいでしょう。

IT企業の株式譲渡/会社譲渡のメリットは、次の通りです。
 

  • 現金を手に入れられる
  • 比較的簡単に手続きできる
  • 負債も含めて譲渡できる
  • 事業譲渡より節税できる
  • 後継者不在を解消できる

売りやすいと言っても、買い手企業を探したり、交渉したりするには時間も労力も必要です。そのため、M&A仲介会社に依頼してサポートしてもらいましょう。会計士など専門家が在籍していて、売り手企業に親切なアドバイザリー型のM&A仲介会社がおすすめです。

M&A総合研究所では、IT企業の株式譲渡/会社譲渡をM&Aに強い会計士がフルサポートいたします。ご負担少なくご利用いただけるよう、着手金不要で成功報酬のみの料金設定です。

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