システム開発会社の事業譲渡・事業売却の動向やメリット、手続きについて解説

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この記事の監修専門家
M&A総合研究所 公認会計士
高谷 俊祐

システム開発会社の事業譲渡・事業売却についてお調べですね。近年、システム開発会社の事業譲渡/事業売却の事例は急増しています。今回は、システム開発会社の事業譲渡・事業売却の動向やメリット、手続きについて解説!納得のいく譲渡先に、あなたの事業を任せましょう。

目次

  1. システム開発会社の事業譲渡・事業売却の背景
  2. システム開発会社の事業譲渡・事業売却の事例
  3. システム開発会社の事業譲渡・事業売却のメリット
  4. システム開発会社の事業譲渡・事業売却のデメリット
  5. システム開発会社の事業譲渡・事業売却の譲渡価格の相場
  6. システム開発会社の事業譲渡・事業売却の流れ
  7. システム開発会社の事業譲渡・事業売却における税務処理
  8. システム開発会社の事業譲渡/事業売却は専門家に相談しよう
  9. まとめ
  • システム開発会社のM&A・事業承継

1. システム開発会社の事業譲渡・事業売却の背景

まずは、システム開発会社の事業譲渡・事業売却の背景について確認していきましょう。システム開発会社の事業譲渡・事業売却は増加傾向にあります。また、今後も増加していくと見られているのです。

理由は様々ですが、主には以下の5つが考えられます。

  1. 人材不足
  2. 後継者不足
  3. 需要の上昇
  4. 内製化の進展
  5. 単価の下降
では、1つずつ見ていきましょう。

理由1.人材不足

システム開発会社は、人材不足に陥っています。なぜなら、仕事量の増加に対するエンジニアの数が足りていないからです。IT技術の進歩により、仕事量は急増しています。

また、今後も人材はどんどん低下していきます。2019年をピークにさらなる人材不足に陥るとされているのです。

平成28年に経済産業省が発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、2030年には約79万人のIT人材が不足するというデータが出ています。
 

理由は様々ですが、主に以下の3点です。

  1. 仕事がきつい
  2. 給料が低い
  3. 労働時間が長い
上記のような理由で、エンジニア志望の人が少なくなっています。もちろん人材不足は、システム開発会社だけではないのです。少子高齢化によってどの職種も人材が足りていません。

しかし、肝心のエンジニアの数が追い付いていないのが現状です。エンジニアの高齢や年収の低さなどが主な要因として挙げらるでしょう。特に、中小のシステム開発会社では非常に深刻な問題となっています。


大手企業であれば、知名度が高いため募集が集まりやすいです。しかし、中小企業では人材が集まりません。人材不足によって、廃業せざるを得ない企業が増えています。システム開発会社の事業譲渡・事業売却は、人材不足による場合も増えているのです。

そのため、集中したい事業のみを残して他の事業を他社に譲渡するという企業も増えてきているのです。

事業譲渡と似た手法の事業継承については、『システム開発会社の事業譲渡・事業売却の動向やメリット、手続きについて解説』をあわせて確認してください。

理由2.後継者不足

システム開発会社では、後継者不足も大きな問題となっています。もちろん、システム開発会社だけではありません。少子高齢化に伴い、事業を引き継ぐことが非常に難しくなっているのです。

株式会社帝国データバンク2017年に発表した「後継者問題に関する企業の実態調査」によると66.5%が後継者不在で廃業しています。特に経営者の60歳代では半数超、80歳代でも3社に1社は後継者不在であるということが分かりました。

特に、中小のシステム開発会社では後継者不足が深刻な問題となっています。大企業よりも後継者を探すのが難しいからです。なぜなら、中小企業のほとんどは下請け、孫請け企業となっています。

取引先の不安定さや経営の難しさにより後継者希望の人が非常に少ないのです。後継者がいない場合、最悪廃業せざるを得ません。

事業を継続させるために、事業譲渡・事業売却は非常に有効な手段です。後継者が高齢な場合は特に早めに準備しておかなければいけません。早期に譲渡先を見つけ、事業を引き継いでもらいましょう。

理由3.需要の上昇

先述した通り、システム開発会社の市場の規模は拡大しています。IT技術の進歩によって、需要が上昇しているのです。特に製品とインターネットが繋げるIoTの技術の加速が起因しています。

IoTの技術を支えるシステム開発会社のニーズも拡大傾向にあるのです。需要や売上拡大に伴い、大手システム開発会社は企業の拡大を図ります。

従業員の増員や新規開拓はもちろん、M&Aも選択肢の中の1つと言えるでしょう。なぜなら、短期間で事業を拡大することができるからです。事業譲渡によって中小企業の一部を買い、事業拡大を目論むシステム開発会社も増えています。

また、中小企業も大企業の一部となることで、事業の安定を図ることができるのです。このように、需要の上昇による事業譲渡・事業売却も増加しています。

理由4.内製化の進展

システム開発会社の事業譲渡・事業売却は、内製化の進展も大きな要因です。内製化とは、システムを社内で作ることができるように組織体制を整えることを指します。

一般的には、システム開発・保守・運用までを一貫してできるサービスのことです。内製化していない企業であれば、それぞれの業務を委託先に依頼します。しかし、内製化していれば他社に依頼せずとも企画設計~運用といった一連のサイクルを回すことができるのです。

近年のシステム開発会社では内製化の動きが進んでいます。特に大手企業であれば、下請け、孫請け企業を子会社化する動きも進んでいるのです。このように、内製化の進展による事業譲渡・事業売却も増加しています。

理由5.単価の下降

システム開発会社の事業譲渡・事業売却は、単価の下降も原因です。システム開発会社は需要の上昇しているものの、実情としては大変厳しい状況にあります。

なぜなら、オフショア開発や内製化などが原因で、単価も下降しているのです。大手企業の価格が下がることで、中小企業も価格を下げざるを得ません。また中小企業は、大手企業からいつ契約を切られるか分からない状態にあります。

価格の下降により売上も下がり、非常に経営が難しい状況となっているのです。そのため、大手企業に事業譲渡・事業売却する中小企業も増えています。

事業譲渡についての詳細は、『会社分割と事業譲渡の違いやメリット・デメリットを比較解説!』をあわせて確認してください。

2. システム開発会社の事業譲渡・事業売却の事例

システム開発会社の事業譲渡・事業売却の背景について見ていきました。続いては、事業譲渡・事業売却の事例について確認していきましょう。今回は、以下の2社による事例を見ていきます。

  1. 株式会社クラウドワークスの事例
  2. フリービット株式会社による事例
では、1つずつ見ていきましょう。

事例1.株式会社クラウドワークスの事例

買い手企業 売り手企業
株式会社クラウドワークス コーチ・ユナイテッド
クラウドソーシングサービスを展開 レッスンの先生と生徒をマッチングするサービスを運営

まずは、株式会社クラウドワークスによるコーチ・ユナイテッドの事業譲渡について見ていきます。株式会社クラウドワークスは、クラウドソーシングサービスを展開している企業です。

2017年、ウェブサービスの開発を行うコーチ・ユナイテッド内の「サイタ」を事業譲渡によって買収しました。サイタは、レッスンの先生と生徒をマッチングするサービスです。

年間レッスン数5万件以上、約176種類のジャンルを扱っており、スキルシェア領域で成長しています。サイタ事業の経営状況は、平成28年12月期の売上高が2億3,400万円、営業利益が5,400万円。

また、平成27年12月期の売上高に関しては2億3,000万円、営業利益が300万円となっています。今回の事業譲渡の金額は、明らかにしていません。

しかし、クラウドワークスは事業譲渡金額を2年ほどで回収できると発表しています。クラウドワークスはサイタの事業譲渡により、シェアリングエコノミー業界でのシェア拡大を図っているのです。

また、クラウドワークスの強みであるクラウドソーシングで培ったユーザーマッチングのノウハウも生かし、サイタの事業もを更に拡大していく見通しとなっています。

事例2.フリービット株式会社の事例

売り手企業 買い手企業
フリービット株式会社 ティアックオンキヨーソリューションズ
プロバイダー向けの技術や通信環境や提供しているインターネットサービス企業 介護記録システム「コメットケア」を運営


2社目は、フリービット株式会社の事例です。フリービット株式会社では、プロバイダー向けの技術や通信環境や提供しているインターネットサービス企業です。

2018年、ティアックオンキヨーソリューションズが運営している介護記録システム「コメットケア」を事業譲渡により取得しました。事業譲渡価額は3.63億円です。

今回の事業譲渡の目的は、新規分野での基盤強化です。医療・介護のヘルステック分野を拡大するために、事業譲渡が実施されました。コメットケアでは、介護業務で重要なケア記録をタブレット等の端末で簡単に入力・保存・共有ができるサービスです。

入力記録は施設内だけではなく、複数施設の管理も可能となっています。今後更に高齢化社会が進み、人材不足に陥る介護業界においては介護記録ソフトのスタンダードに位置づけられる存在です。

コメットケアは上記の事業において順調にシェアを伸ばしており、今後も拡大が期待できます。フリービット株式会社はコメットケアの力を活用し、さらなるヘルステック分野での利益増加を図っているのです。

3. システム開発会社の事業譲渡・事業売却のメリット

システム開発会社の事業譲渡・事業売却の事例を見てきました。実際に、事業譲渡・事業売却を考えている場合どのようなメリットがあるのか気になりますよね。

続いては、システム開発会社の事業譲渡・事業売却のメリットについて見ていきましょう。具体的には、以下の4点が挙げられます。

  1. 別事業に集中できる
  2. 現金が手に入る
  3. 残したい従業員の雇用が継続される
  4. 売却事業の安定が期待できる
では、1つずつ見ていきましょう。

メリット1.別事業に集中できる

事業譲渡とは、事業の一部もしくは全部を他社に譲渡することを指します。よって、企業のすべてを譲渡するわけではありません。

そのため、自身で譲渡する事業と残しておく事業を選択できます。その結果、残しておいた事業の経営に集中することができるのです。残しておく事業は、経営者同士で選ぶことができるのです。

例えば、一部の事業を売却し資金を得、そのお金を残しておく事業に投資できます。上記のように、別事業に集中することができるのです。

メリット2.現金が手に入る

事業譲渡では、現金が手に入ることが大きなメリットでしょう。事業譲渡に限らず、M&Aでは対価として資金を手にすることができます。

対価の資金は、現金もしくは株式です。事業譲渡の場合、現金を手にすることができます。事業譲渡は、会社をまるまる売却するわけではありません。

そのため、株式譲渡と比較すると手に入る金額は少ないでしょう。しかし、ある程度のまとまった資金を得ることができます。資金は、老後の生活費や別事業の投資に使用することも可能です。

事業譲渡で手に入る現金の詳細は、『事業譲渡の金額・価格の算定方法を解説【事例あり】』をあわせて確認してください。

メリット3.残したい従業員の雇用が継続される

事業譲渡のメリットは残したい従業員の雇用を継続することができる点です。事業譲渡は当事者である企業間でどこまでを譲渡するかを決定します。そのため、残しておきたい従業員をそのまま残しておくことも可能なのです。

また、譲渡する従業員も取り決めにより譲渡先で雇用継続が可能となります。きちんと交渉することで、従業員が路頭に迷う心配はなくなるのです。両社間で納得のいく結論を出すためにも、交渉は非常に大切になってきます。

M&Aアドバイザーに相談しながら、交渉を進めていくのが良いでしょう。

メリット4.売却事業の安定が期待できる

事業譲渡によって、売却事業の安定が期待できます。もちろん、譲渡先の事業の経営手腕に大きく左右されるため、一概には言えません。

しかし、既存事業はビジネスモデルがしっかりと形成されているため、経営計画を立てやすいのです。あなたの企業にはない強みを持っている・譲渡事業の経営に強い企業である場合、今よりも大きな利益を生み出す可能性があるでしょう。

しかし、譲渡先を誤るとその逆も大いにあり得るのです。そのため、譲渡先を検討する際には慎重に検討する必要があります。

M&AのプロであるM&Aアドバイザーに相談するのがおすすめです。豊富な知識と経験で、あなたの事業を安心して託せる企業を一緒に探してくれるでしょう。

システム開発会社の詳細は、『システム開発会社のM&A・買収・売却の完全マニュアル【相場/成功事例あり】』をあわせて確認してください。

4. システム開発会社の事業譲渡・事業売却のデメリット

システム開発会社の事業譲渡・事業売却のメリットについて見てきました。では、デメリットはどのようなものがあるのか気になりますよね。

そこで、システム開発会社の事業譲渡・事業売却のデメリットについて見ていきましょう。具体的には以下のものが挙げられます。

  1. 負の資産の処理をしなければいけない
  2. 競業営業ができない
  3. 従業員の再雇用が不確実
では、1つずつ見ていきましょう。

デメリット1.負の資産の処理をしなければいけない

事業譲渡を行う場合、負の資産の処理をしなければいけません。負の資産とは、負債や簿外債務などを指します。

事業譲渡の場合は、買い手企業が承諾しない限り負債を肩代わりしてもらえないのです。そして、簿外債務といった引完了後に発生するリスクに関しても売り手企業が処理しなければいけません。

事業譲渡を成功させるためにも、少しでも多くの負債を譲渡できるように交渉が必要です。負債を引き受けると買い手企業が了承してもらえたら、債権者の承諾を得ましょう。

交渉を上手く行わなければ、事業の良い部分のみ売却してしまうことになってしまいます。そのため、交渉のプロであるM&Aアドバイザーに相談しながら進めることがおすすめです。

負の資産を自動的に譲渡できる株式譲渡については、『システム開発会社は株式譲渡すべき!動向や手続き方法などを詳しく解説』をあわせて確認してください。

デメリット2.競業営業ができない

事業譲渡をした後は、競業営業はできません。競業営業とは、譲渡した事業と同種の業務を営業することを指します。

事業譲渡を行う場合には、売り手企業側に競業避止義務があるのです。競業避止義務とは、協議内で決定された地域で事業譲渡した事業と同種の営業を行わないという取り決めのことを指します。

当事者の別段の意思表示が無い限り、売り手企業は事業譲渡日から20年間の競業避止義務を負わなければいけません。上記は会社法によって定められているのです。

事業譲渡する予定の業種は営業できないということを念頭に置いておきましょう。

デメリット3.従業員の再雇用が不確実

事業譲渡では、従業員の再雇用が不確実です。売却する事業に移動する従業員は事業譲渡後再雇用されるか確約されていません。

なぜなら、事業譲渡後に新たに雇用契約を結び直さなければいけないからです。また、従業員の方から退職してしまう可能性もあるでしょう。

経営者が変わるというのは、従業員にとっても非常に不安なことです。従業員を継続的に雇用してもらう場合には、基本合意契約段階で再雇用の確約をもらいましょう。

従業員を路頭に迷わせないためにも、しっかりと交渉しなければいけません。

5. システム開発会社の事業譲渡・事業売却の譲渡価格の相場

続いては、システム開発会社の事業譲渡・事業売却の譲渡価格の相場について見ていきましょう。残念ながら、システム開発会社の事業売却・事業譲渡の譲渡価格の相場価格というものは存在しません。

企業規模や将来への期待などによって譲渡価格は変動します。事業譲渡での譲渡価格の考え方は、「譲渡資産時価+営業権」が一般的です。

営業権とは、無形である財産的価値が所有する事実関係のことを指します。どちらにせよ、業界や時期・ニーズによって譲渡価格が変動するのです。システム開発会社の場合、下記の2点で大きく変動します。

  1. 開発力の高さ
  2. 人材の技術力の高さ
では、1つずつ見ていきましょう。

ポイント1.開発力の高さ

システム開発会社では、開発力の高さが非常に大切です。他社と差別するための大きなポイントといえるでしょう。具体的には、以下の点を明確にしておきましょう。

  • 事業内でどのような技術を持っているのか
  • これまでどのような開発を行ってきたか
  • 今後どのような開発ができるか
  • 他社にはない強みやノウハウ
買い手企業にとない開発力を持っていることが譲渡価格上昇の大きなポイントです。

ポイント2.人材の技術力の高さ

システム開発会社は、在籍する人材の技術力も非常に大切です。エンジニアあってこそと言っても過言ではありません。

そのため、企業自体が小さくても優秀な人材が揃っていれば譲渡価格は上がります。企業としての実績だけではなく、個人の学歴や実績にもフォーカスしましょう。具体的には以下の点を洗い出すのが良いでしょう。

  • 従業員の学歴
  • 従業員の職歴
  • これまでのプロジェクト
  • 他社と差別化できる従業員の強み

優秀な従業員がいれば、システム開発会社は発展します。そのため、従業員技術も非常に大切なアピールポイントです。

6. システム開発会社の事業譲渡・事業売却の流れ

続いては、システム開発会社の事業譲渡・事業売却の流れについて見ていきましょう。流れを把握することで、よりイメージが湧きやすくなります。具体的には以下の流れで行います。

  1. 候補先の選定
  2. 経営者面談の実施
  3. 意向表明書の表明
  4. 基本合意書の締結
  5. デューデリジェンスの実施
  6. 最終譲渡契約書の締結
  7. 各所の告知・株主総会の実施
  8. クロージング・取引実行
では、1つずつ見ていきましょう。

流れ1.候補先の選定

まずは、事業譲渡を行う企業の選定を行います。どのような企業に事業譲渡するかを洗い出し、選定していく必要があります。しかし、経営者のみで企業選定をするのは非常に難しいでしょう。

そのためМ&Aアドバイザーに相談しながら行うことをおすすめします。アドバイザーに、相談すべき内容は以下の通りです。

  • 売却したい事業
  • 残しておきたい事業
  • 希望売却価格
  • 事業譲渡を行いたい時期
上記のことをあらかじめ相談しておきます。そうすることで、最適な候補先を探してくれるでしょう。

流れ2.経営者面談の実施

候補先の企業が見つかれば、経営者面談の実施を行います。譲渡価格や事業の譲渡範囲を決定するための面談です。とりわけ事業譲渡では、「どこまでを譲渡するか」が非常に大切なポイントとなってきます。

そのため、経営者面談は非常に重要なフェーズです。譲渡範囲は、有形、無形の財産だけではありません。

事業組織、人材、ノウハウ、ブランド、債務、取引先企業といった資産・財産など多岐に渡ります。また、面談の際には残しておきたい事業を交渉するだけではありません。

負債やマイナスの資産を譲渡してもらうように交渉する必要があります。なぜなら、事業譲渡の場合は交渉しなければ負債を肩代わりしてもらえないからです。交渉が下手だと、良い部分のみを売却することになり、負債だけが手元に残る可能性もあります。

交渉を成功させるには、税務や法務といった専門知識と交渉スキルが必要です。そのためにも、М&Aアドバイザーに相談しながら行うことがおすすめです。

流れ3.意向表明書の表明

面談で譲渡範囲が決定したら、意向表明書を提示されます。意向表明書とは、取引を行う意思を表明する、取引の内容や条件を記載した書類です。

買い手企業から売り手企業に対して提示されます。意向表明には、取引条件や取引価格が記載されています。

つまり、おおよその売却先や売却価格の概算が記載されているということです。しかし、記載されている情報は変動する可能性もあります。

流れ4.基本合意書の締結

意向表明書の表明後、基本合意書の締結を行います。基本合意書とは、取引内容や譲渡金額、事業譲渡のスケジュールなどが記載された書類です。

しかし、記載されている内容は確定ではありません。買い手企業によるデューデリジェンスによって、内容が変更される可能性もあります。

そのため、全ての項目に法的拘束力を持たせることは一般的には行いません。また基本合意書では、秘密保持契約や独占交渉権などを交わします。

独占交渉権とは、取引している買い手企業以外との契約を禁止するものです。そのため、基本合意書の締結後、正式に取引を行うということになります。

流れ5.デューデリジェンスの実施

基本合意書が締結されたら、買い手企業によってデューデリジェンスを実施されます。デューデリジェンスとは、買い手企業が売り手企業の価値を総合的に調査・査定することです。

企業の強みやリスクなどを客観的に判断するために必要なプロセスとなっています。具体的には、以下の業務です。

  • 買い手企業が専門家に依頼し専門家が訪問
  • 売り手企業の帳簿を閲覧
  • 帳簿以外の企業状況の把握
デューデリジェンスを行うことで、取引の詳細を決定することができます。売り手企業は、企業訪問の立ち合いや資料の準備などを手伝う必要があるのです。

流れ6.最終譲渡契約書の締結

デューデリジェンス実施後、条件の最終交渉と最終譲渡契約書の締結を実施します。ほとんどの場合、デューデリジェンスによって交渉内容に多少の変動が生じるのです。

そのため、企業価値やリスクなどを再度考慮し、条件を交渉し直します。そして、交渉が終了後は、最終譲渡契約書の締結です。最終譲渡契約書には、以下の内容が記載されます。

  • 譲渡範囲
  • 従業員の転籍
  • 免責登記
上記記載の内容が、最終的な取引内容となるのです。では、1つずつ見ていきましょう。

譲渡範囲

事業譲渡の契約書にサインする前に、譲渡範囲が正しいか確認しましょう。譲渡するかしないのか不明確な資産・負債があると、トラブルに発展してしまう可能性があります。

事業譲渡契約書には、買い手企業に承継する資産・債権・債務を特定する目録を作成しましょう。第三者が見てもわかるように明確にしておくことでトラブルを避けることができます。

また、取引先の契約は原則引き継がれません。引き継ぐためには、取引先の同意が必要ですので併せて注意しましょう。

従業員の転籍

従業員の転籍についても確認しましょう。従業員との雇用契約は、従業員の同意がない限り承継させることは出来ません。

そのため、従業員の処遇については以下の2つの対応を行います。

  1. 個人から同意を得て、買い手企業へ転籍させる
  2. 転籍させずに、違う事業部で継続して雇用する
基本的には、買い手企業に転籍することが一般的です。その場合、転籍後の処遇をしっかりと定めておきましょう。

免責登記

商号継続時の免責登記をするかどうかも定めておかなければいけません。商号継続時の免責登記とは、売り手企業の持つ未払い債務の責任を免除する際に使用します。

会社法によると、買い手企業が商号や屋号を承継する場合、事業譲渡前の未払い債務の責任を負わなければいけません。なぜなら、取引先に不利益が生じてしまうかもしれないからです。

事業譲渡契約に免責登記が記載されている場合、しっかりと検討するようにしましょう。

流れ7.各所の告知・株主総会の実施

最終譲渡契約書の締結後に、各所への告知と株主総会を実施します。最終譲渡契約を行う際には、株主の承認が必要です。

買い手企業は、株主に対して事業譲渡の実施と株主総会の開催を告知しなければいけません。期限は、効力発生日の20日前となっています。

また、反対株主には、株式の買取請求権があることを告知しましょう。そして、効力発行日までに株を買い取る必要があります。

流れ8.クロージング・取引実行

告知と株主総会が承認された後、クロージングを行い取引を実行します。クロージングとは、両社間の統合のために必要な手続きです。具体的には以下の手続きを行います。

  • 名義変更手続き
  • 許認可の手続き
事業譲渡では、自動的に許認可の引き継ぎは行われません。そのため、許認可を取得していなければ、監督官庁で許認可手続きをしなければいけないのです。上記の手続きを済ませ、事業譲渡の効力発生日になれば契約手続きは完了となります。

事業譲渡の手続きについて確認してきました。事業譲渡の手続きは複雑で、経営者のみで行うのは難しいでしょう。そのため、M&Aアドバイザーに相談するのが妥当です。

M&Aアドバイザーに相談することで、候補先をスムーズに選定してくれるほか交渉も有利に進めてくれます。M&A総合研究所では、相談のみであれば無料ですし、完全成功報酬型の場合は取引完了まで一切費用が掛かりません。まずは、相談してみることをおすすめします。

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事業譲渡の流れの詳細は、『事業譲渡とは?会社譲渡との違いや手続きの流れを分かりやすく解説!』をあわせて確認してください。

7. システム開発会社の事業譲渡・事業売却における税務処理

システム開発会社の事業譲渡・事業売却の手続きについて確認してきました。システム開発会社の事業譲渡・事業売却の際に忘れてはいけないのは「税金」の存在です。

システム開発会社の事業譲渡・事業売却をする際には、税金が発生します。主な税金は以下の2種類です。

  1. 売り手企業にかかる税金
  2. 買い手企業にかかる税金
では、1つずつ見ていきましょう。

売り手企業側の税金

まずは、売り手企業の税金の計算方法を見ていきましょう。売り手企業では、法人税と消費税をあわせて、譲渡金額の約38%が課税額となります。法人税は、以下の計算式で算出できます。

譲渡益=売却価格-(会社の純資産+必要経費)なお、必要経費とは以下の業務にかかる費用です。

  • 仲介手数料
  • 資料作成費用
  • 交通費
上記のほかにも、事業譲渡にかかったあらゆる経費を含みます。事業譲渡では、売却益が課税対象です。法人の利益に係る税金には、以下のものがあります。
  • 法人税
  • 法人住民税
  • 地方法人税
  • 事業税

これらをすべて合わせた税率が実効税率です。譲渡額の約30%となります。また事業譲渡にかかる消費税は、売却代金から土地などの消費税対象外の資産を引いた額に8%の課税がなされます。

具体的にどのように計算するのか見ていきましょう。

計算例

具体例を見ていきましょう。条件は以下の通りです。

  • 売却額10億円、純資産7億円・必要経費が5000万円の場合
上記の条件の場合には、
  • 売却益=2.5億円
  • 2.5億円×30%=7500万円
このように計算する必要があるのです。

買い手企業側の税金

買い手企業の場合、以下の3種類に対して課税が発生します。

  • 不動産取得税
  • 登録免許税
  • 消費税
不動産取得税は、固定資産税評価額の4%がかかります。不動産取得税は、譲渡対象に土地などの不動産が含まれている場合に必要です。

登録免許税は、固定資産税評価額の2%です。不動産の登記の書き換えを行うにあたって必要となります消費税は、8%です。

買収代金から土地などの消費税対象外の資産を差し引いた金額に課税します。

8. システム開発会社の事業譲渡/事業売却は専門家に相談しよう

システム開発会社の事業譲渡/事業売却について確認してきました。事業譲渡/事業売却を行う際には、手続きや税務処理が非常に複雑です。

また、良い譲渡先を探すのにも時間を要します。そのため、事業譲渡/事業売却を行う際には専門家に相談するのが最適です。

専門家に相談することで、適格なアドバイスと業務サポートを行ってくれます。特に、M&Aアドバイザーに相談するのが良いでしょう。

なぜなら、事業譲渡の経験や知識を豊富に持っているからです。もちろん、経営者のみで事業譲渡をすることもできなくはありません。しかし、本業に支障をきたさず、かつスムーズに取引を行うためにもМ&Aアドバイザーに相談しましょう。

M&Aアドバイザーに相談することで、候補先をスムーズに選定してくれるほか交渉も有利に進めてくれます。M&A総合研究所では、相談のみであれば無料ですし、完全成功報酬型の場合は取引完了まで一切費用が掛かりません。まずは、相談してみることをおすすめします。

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9. まとめ

システム開発会社の事業譲渡について見てきました。事業譲渡とは、事業の一部もしくは全部を別企業に譲渡する方法です。システム開発会社では近年事業譲渡の事例が急増しています。

システム開発会社の事業譲渡を成功させるためにも、以下の3点は非常に大切なポイントとなります。

  1. 開発力の高さ
  2. 人材の技術力の高さ
  3. 交渉力

しかし、経営者自身で事業譲渡を行うのは非常に困難です。そのため、M&Aアドバイザーに相談しながら行いましょう。M&Aアドバイザーに相談することで、候補先をスムーズに選定してくれるほか交渉も有利に進めてくれます。

納得のいく譲渡先に、あなたの事業を任せましょう。
 

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